JP2007189997A - 食品素材転写シート及び食品素材の転写方法 - Google Patents

食品素材転写シート及び食品素材の転写方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 転写シートから充填食品の表面に食品素材層を良好に転写するとともに、転写操作を簡便化し、転写食品の形態を安定化する。
【解決手段】 耐熱性の基材に、調味剤、風味剤、色素の少なくとも一種を有効成分とする粉末状又は顆粒状の食品素材層を結合剤を介して塗工した食品素材転写シートにおいて、基材が補強性樹脂を中間層としてその表裏にポリオレフィンを積層した3層構造のシートであり、当該表・裏のポリオレフィンの膜厚が30μm以上である食品素材転写シートである。基材の種類、組み合わせ、或は膜厚を特定するため、転写シートの強度を担保し、変形を防止することで、食品素材層を食品に良好に転写できる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、調味剤や風味剤などの食品素材をハム、ソーセージなどの食品表面に転写するためのシート及び転写方法に関して、転写性に優れるとともに、転写操作の簡便性と転写食品の形態を安定化できるものを提供する。
ハム、ソーセージなどの加工肉食品などでは、胡椒、山椒、海苔、チーズ等の調味剤や風味剤を転写シートに塗工し、上記食品の原料を転写シート内に充填し、シート内面の調味剤を食品表面に転写することが行われている。
例えば、特許文献1には、耐水性及び耐熱性の基材シートに、調味剤、風味剤、色素の少なくとも一種を有効成分とする粉末状又は顆粒状の食品素材層を結合剤を介して塗工した食品素材転写シートに、乳製品、加工肉製品、水産練り製品などの食品原料を包んで、加熱処理することにより、充填食品の表面に調味剤などの食品素材を転写する製造法が開示されている。
特許第2629638号公報
上記特許文献1の転写シートでは、基材シートに特化紙、ポリエチレンテレフタレートフィルム又は不織布などの単層シートを使用するため(同文献1の実施例1〜3参照)、基材シートの強度、或は食品原料を充填した際のシール強度などに問題が発生したり、基材シートがカールするなどの問題が起きると、転写不良を起こす恐れがある。
また、上記転写シートでは、基本的にシートの全面に調味剤等の食品素材を塗工するため、シートの左右両端を結紮した場合、調味剤などの食品素材が阻害して確実な結紮ができないうえ、食品原料や調味剤などが漏れたり、脱落していた。
そこで、この漏れや脱落を解消するため、図3〜図4に示すように、転写シート本体の左右両端にさらにサポートシートをヒートシール(熱融着)し、転写シートのみに食品素材を塗工し、無塗工の当該サポートシート部分を結紮することが行われているが、サポートシートの貼付が必要になる分だけシートの加工工程が煩雑になる。また、シート本体にサポートシートをヒートシールする場合、ヒートシール面で熱収縮が起こるうえ、加熱又は冷却の際にシート本体とサポートシートで収縮のバラ付きが生じて、食品の充填径が一定せず、食品の形態が安定しないという問題も生じる。
本発明は転写シートに塗工した調味剤等の食品素材層を充填食品の表面に良好に転写するとともに、転写操作を簡便化し、或は転写食品の形態を安定化することを技術的課題とする。
本発明者らは、転写シートを特定の種類と厚みを組み合わせた3層シートで構成すると、基材強度、シール強度、或は基材シートがカールする問題などを克服して良好な転写を実現できること、また、転写シートの長さ方向の中央に寄せて食品素材を塗工することで長さ方向の左右両端を確実に結紮して、食品原料や調味剤などの漏れをなくすとともに、サポートシートの不要化で熱融着部を解消し、充填食品の形態を安定にできることを着想して、本発明を完成した。
即ち、本発明1は、耐熱性の基材シートに、調味剤、風味剤、色素の少なくとも一種を有効成分とする粉末状又は顆粒状の食品素材層を結合剤を介して塗工した食品素材転写シートにおいて、
基材シートが補強性樹脂を中間層としてその表裏にポリオレフィンを積層した3層構造のシートであり、当該表・裏のポリオレフィンの膜厚が30μm以上であることを特徴とする食品素材転写シートである。
本発明2は、耐熱性の基材シートに、調味剤、風味剤、色素の少なくとも一種を有効成分とする粉末状又は顆粒状の食品素材層を結合剤を介して塗工した食品素材転写シートにおいて、
食品素材転写シートの長さ方向の左右両端を無塗工領域とし、当該無塗工領域を除いて、転写シートの左右方向に亘る領域に食品素材層を塗工することを特徴とする食品素材転写シートである。
本発明3は、上記本発明1において、食品素材転写シートの長さ方向の左右両端を無塗工領域とし、当該無塗工領域を除いて、転写シートの左右方向に亘る領域に食品素材層を塗工することを特徴とする食品素材転写シート。
本発明4は、上記本発明1〜3のいずれかにおいて、ポリオレフィンがポリエチレンであることを特徴とする食品素材転写シートである。
本発明5は、上記本発明1〜4のいずれかにおいて、結合剤が、カゼイン類やゼラチン類などのタンパク類、当該タンパク類と糖アルコール、デキストリンやプルランなどの多糖類と糖アルコールよりなる群から選ばれた少なくとも一種であることを特徴とする食品素材転写シートである。
本発明6は、上記本発明5において、結合剤がカゼインナトリウムであることを特徴とする食品素材転写シートである。
本発明7は、上記本発明1〜6のいずれかの転写シートの長さ方向を軸心として、食品素材層が内側に臨む状態で転写シートを筒状に形成し、乳製品、加工肉製品、水産練り製品などの食品原料を筒状シートに充填し、長さ方向の左右両端を結紮し、加熱処理を施すことにより、充填食品の表面に調味剤、風味剤又は色素の食品素材を転写可能にすることを特徴とする食品素材の転写方法である。
本発明1では、転写シートの基材をポリオレフィン/補強性樹脂(好ましくはポリアミド)/ポリオレフィンの3層構造とし、表・裏のポリオレフィンの膜厚を所定以上に厚くするため、基材シート強度、食品を充填した際のシール強度、或はシートがカールする問題などを解消して、調味剤や風味剤などの食品素材をハム、ソーセージなどの食品表面に良好に転写できる。
また、食品素材を基材シートに結着する結合剤としてカゼイン、ゼラチンなどのタンパク類、タンパク類と糖アルコール、或はデキストリンと糖アルコールを選択すると、調味剤などの食品素材をより強固に転写シートに塗工できる(本発明5〜6参照)。
一方、本発明2では、転写シートの長さ方向の左右両端を無塗工領域とし、転写シートシールの中央寄りに食品素材を塗工するため、食品を充填した転写シートをこの両端の無塗工領域で確実に結紮でき、食品原料や調味剤などの漏れ・脱落を有効に防止できる。
また、食品素材を中央に寄せて塗工することで、従来のようなサポートシートを貼り付ける工程が不要になるため、転写シートの加工工程を簡略化でき、生産性が高まる。
さらに、サポートシートの不要化で、ヒートシールに伴う収縮部がなくなるうえ、異なるシートごとの収縮のバラツキもなくなるため、食品の充填径を一定にしてハム・ソーセージなどの食品の形態を安定にできる。
本発明は、第一に、補強性樹脂を中間層として表・裏に30μm以上の膜厚のポリオレフィンを積層した3層構造シートを耐熱性の基材シートとして、調味剤、風味剤、色素の少なくとも一種からなる食品素材層を当該基材シート上に結合剤を介して塗工した食品素材転写シートであり、第二に、転写シートの長さ方向の左右両端を無塗工領域とし、この無塗工領域を除く左右方向に亘る領域に食品素材層を形成したもの(即ち、食品素材層を中央寄りに寄せたシート)である。
本発明1の転写シートにおいて、耐熱性の基材シートは、補強性樹脂を中間層として表・裏にポリオレフィンを積層した3層構造シートである。
上記表・裏に用いられるポリオレフィンはポリエチレン、ポリプロピレン(延伸又は無延伸を含む)、塩化ビニリデンなどをいい、本発明4に示すようにポリエチレンが好ましく、特に低密度ポリエチレン(例えば、直鎖状低密度ポリエチレン;LLDPE)が好ましい。
また、上記補強性樹脂は表・裏のポリオレフィン層を機械的に補強するためのもので、ポリアミド、ポリエステルなどをいい、特にポリアミド樹脂が好ましい。
表・裏のポリオレフィンの膜厚は転写シートに強度を付与する見地から、夫々30μm以上が必要である。但し、中間層の補強性樹脂の膜厚については、特定以上に厚くするという制限はない。
ポリオレフィンの膜厚が所定より薄く、或は、補強性樹脂の介在がないと、食品原料の充填時の転写シートの強度が不足し、或は充填後にピンホールが発生したり、又は転写シートがカールなどの変形を起こして転写不良が生じる恐れがある。
上記転写シートとしてはポリエチレン/ポリアミド/ポリエチレンの3層シートが好ましい。
上記基材シートに塗工される食品素材は調味剤、風味剤、色素の少なくとも一種をいう。
上記調味料としては、醤油、ウスターソース、みそ、焼肉タレ、ニンニク、粉末のり、粉末ゴマ、胡椒、ジンジャー、チリ、ナツメグ、パプリカ、キャラウェー、ハツカ、ワサビ、酵母エキス、肉エキス、カツオエキス、グルタミン酸ナトリウム、イノシン酸ナトリウム、食塩、砂糖などの天然調味料、燻結晶、炒り麦粉、粉末チーズ、バター、マーガリン、お茶類などが挙げられる。
上記風味剤としては、スモークフレーバー、バナナ、イチゴ、オレンジ、メロン等の果汁フレーバー、ビーフフレーバー、ポークフレーバー、チキンフレーバー、カツオフレーバー、ウメフレーバーなどが挙げられる。
上記色素としては、アナトー、コウリャン、シアナット、ウコン、モナスカス、カカオ、ベニバナ、クチナシ、コチニール、クロレラ、スピルリナ、カラメル、シソ、タマネギなどの天然色素、食用赤色2号、3号、102号、106号、同黄色4号、5号、同青色1号などの合成色素が挙げられる。
上記食品素材は結合剤を介して基材シート上に結合される。
上記結合剤としては、カゼイン類やゼラチン類などのタンパク類、各種デキストリン、プルラン、アラビアガム、グアーガム、キサンタンガム、アラビアガム、タマリンドガム、ローカストビーンガムなどの天然ガム類、アルギン酸塩、マンナン、ペクチン、ゼイン、シェラックなどの水溶性或はアルコール溶解性の糊料が挙げられる。
上記結合剤は単用又は併用でき、基材シートと食品素材の間にズレを生じることがなく、食品素材を充填食品の表面に均一に付着させる見地から、タンパク類、タンパク類と糖アルコール、多糖類と糖アルコールが好ましく、タンパク類では特にカゼインナトリウムが好適である(本発明5〜6参照)。上記併用の具体例としては、カゼインナトリウムと糖アルコール、デキストリンと糖アルコール、プルランと糖アルコールが好ましい(本発明5参照)。
結合剤を使用する場合には、通常、結合剤の水溶液を基材シートに塗布・含浸した後に、上記色素、調味剤、風味剤を振り掛け状に付着させるが、結合剤を水、又は水とエタノールなどの加水アルコール類に溶解し、次いで、上記色素、調味剤、風味剤を混合した塗工液(又は塗工糊)を基材シートの内面に塗布又は含浸しても良い。
一方、食品用素材層には、調味剤、風味剤、色素の外に、保存剤、鮮度保持剤、酸化防止剤の食品保存機能のある処理剤を含有できることはいうまでもない。
上記保存剤としては、ソルビン酸類、デヒドロ酢酸、安息香酸、或はこれらの塩、プロタミン、ε−ポリリジンなどが挙げられる。
上記鮮度保持剤は、からし、わさび、これらの抽出物、抗菌性カルシウム、キトサン、グレープフルーツ種子抽出物などのような、保存剤より機能が緩いが、短期の制菌作用を有するものをいう。
上記酸化防止剤としては、トコフェロール、没食子酸プロピルなどのポリフェノール類、グアヤク脂、L−アスコルビン酸、各種フラボノイド類などが挙げられる。
本発明2の転写シートは、図1〜図2に示すように、シートの長さ方向の左右両端を無塗工領域とし、いわば食品素材層をシートの長さ方向の中央寄りに偏在させて塗工したものである。
食品素材層を転写シートの長さ方向の中央に寄せて塗工することで、ハム、ソーセージなどの食品原料を充填して長さ方向の左右両端を結紮する場合、食品原料が阻害して結紮不良を起こしたり、結紮時に食品素材、結合剤、或は充填食品が脱落又は漏出するなどの弊害がない。また、この弊害を回避するためにサポートシートを転写シートに貼り付ける必要もないことから、生産性が高まる。
上記転写シートの上下方向については、上下両端まで食品素材層を塗工しても良いし(図1〜図2は当該形態を表す)、上下両端を無塗工領域に形成して、いわば食品素材層をシートの長さ方向と上下方向の中央寄りに偏在させて塗工しても良い。転写シートの上下方向にも無塗工領域を設けると、転写シートの長さ方向を軸芯として筒状にヒートシールする場合、封筒貼りや合掌貼りが可能になる。
尚、本発明2の転写シートにおいて、調味剤や風味剤などの食品素材、結合剤の種類は本発明1の転写シートの場合と同様である。また、基材シートの種類や組み合わせ、基材シートの膜厚などは任意である。
本発明3は、基材シートの種類、膜厚、組み合わせを本発明1のシートのように限定し、且つ、本発明2のように食品素材層をシートの長さ方向の中央寄りに偏在させて塗工した転写シートである。
従って、本転写シートにあっては、食品素材の良好な転写性と転写作業の効率性を共に実現できる。また、充填食品の形態を安定化できる。
本発明7は、上記本発明の転写シートを用いて充填食品の表面に調味剤、風味剤、色素の食品素材層を転写する方法である。
転写シートは長さ方向を軸心として、食品素材層が内側に臨む状態で筒状に製袋される。例えば、ポリオレフィン/補強性樹脂/ポリオレフィンの3層シートである転写シート(本発明1参照)では、ポリオレフィンがヒートシール性を具備するため、合掌貼り、封筒貼り、或は、筒状に突き合わせ又は重ね合わせたシートの両端に別途の熱可塑性樹脂のテープを貼るテープ貼り方式でヒートシールすることにより製袋する。但し、合掌貼りや封筒貼りでは、転写シートの上下方向の両端又は一端を食品素材層の無塗工領域にする必要がある。
次いで、一端を結紮した筒状の転写シートに食品原料を充填し、シートの他端を結紮してから加熱調理して、食品素材を食品の表面に転写する。
充填する食品原料は、ハム、ソーセージなどの加工肉製品、かまぼこなどの水産練り製品、或はチーズなどの乳製品である。
食品衛生法では、加工肉製品は中心部の品温で63℃、30分以上加熱殺菌することが必要で、水産練り製品は澱粉を加えたものにあってはその製品の中心部の温度が73℃以上であり、製品の中心部より生澱粉又は大腸菌群を検出してはならないと規定されるため、本発明の食品原料の加熱調理の条件もこれに沿うことが好ましい。
食品原料を転写シートに充填すると、食品に含まれる水分で結合剤が溶解し、食品素材層が基材シートの側から遊離して食品表面の側に転写される。その後、転写面を乾燥固化させることで転写は完全になる。チーズなどの乳製品では、80℃程度でチーズを溶融し、充填してから放冷処理して転写する。
また、凍結による転写として、食品原料を充填した後、水分で結合剤が溶解するまで数分放置し(時間は食品の水分量で異なる)、その後凍結を行うことにより転写することもできる。
以下、本発明の転写シートの製造実施例、食品原料を転写シートに充填して加熱調理する転写試験例などを順次説明する。実施例、試験例の「部」、「%」は基本的に重量基準である。
本発明は下記の実施例、試験例に拘束されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で任意の変形をなし得ることは勿論である。
《転写シートの製造実施例》
下記の実施例1〜3のうち、実施例1は内・外層フィルムの膜厚を30〜40μmとし、ポリエチレン/ポリアミド/ポリエチレンからなる3層シートの例、実施例2は当該実施例1の外層フィルムの膜厚を本発明の特定要件を満たす範囲で低減した例、実施例3は実施例1と3層シート構造は同じであるが、結合剤の種類を実施例1から変更した例である。
また、下記の比較例1〜6のうち、比較例1、3〜5は上記実施例1〜3と同じポリオレフィン/ポリアミド/ポリオレフィン(ポリオレフィンの種類は一部異なる)からなる3層シートであり、内・外層フィルムの膜厚を本発明の要件より薄く設定した例である。比較例2は実施例1〜3と内層フィルムの種類がポリオレフィンと異なり、且つ、内・外層フィルムの膜厚を本発明の要件より薄く設定した例である。比較例6は3層シートの内・外層フィルムの膜厚は本発明の要件を満たす(実施例1と同じである)が、内層フィルムの種類が本発明の要件を満たさない例である。
尚、比較例5は塗工糊を塗布するべき3層シートの内層フィルムに両面コロナ放電処理を施し、他の実施例及び比較例は共に片面だけコロナ放電処理を施した(コロナ処理はシートと塗工糊の結合力を促進するために行った)。
(1)実施例1
膜厚30μmのポリエチレン(PE)フィルム上に膜厚15μmのポリアミドフィルム(具体的には、ナイロン(NY)フィルム)を積層し、さらに膜厚40μmのポリエチレン(PE)フィルムを積層して3層構造の基材シートを作成した。
また、カゼインナトリウム16.3%、グリセリン1.6%、無変性アルコール8.4%、水73.7%を混合してカゼインナトリウム糊(結合剤)を調製した。
次いで、前記3層構造の基材シート(上下幅は50〜230mm)の長さ方向の左右両端の100mm幅を無塗工領域となし、当該転写シートの無塗工領域を除いて、上下及び左右方向に亘る領域に上記結合剤を塗布し、黒胡椒50部に微粉末のり50部を混合した調味剤を結合剤層に振り掛けた後、乾燥して、転写シートを作成した。
尚、結合剤100部に対する調味剤の添加量は100部であった。
(2)実施例2
上記実施例1を基本とし、基材シートを下記の3層シートに変更した以外は、実施例1と同様に処理して、転写シートを作成した。
PE(30μm)/NY(15μm)/PE(30μm)
(3)実施例3
上記実施例1を基本とし、結合剤をカゼインナトリウム糊から下記の組成のデキストリンと糖アルコールの混合糊に変更した以外は、実施例1と同様に処理して、転写シートを作成した。
[混合糊の組成]
デキストリン 26.8%
グリセリン 5.4%
糖アルコール 38.3%
水 29.5%
計 100.0%
(4)比較例1
上記実施例1を基本とし、基材シートを下記の3層シートに変更した以外は、実施例1と同様に処理して、転写シートを作成した。
PE(20μm)/NY(15μm)/PE(20μm)
(5)比較例2
上記実施例1を基本とし、基材シートを下記の3層シートに変更した以外は、実施例1と同様に処理して、転写シートを作成した。
PET(20μm)/NY(15μm)/PE(25μm)
尚、上記PETはポリエステルフィルム、具体的にはポリエチレンテレフタレートを表す。
(6)比較例3
上記実施例1を基本とし、基材シートを下記の3層シートに変更した以外は、実施例1と同様に処理して、転写シートを作成した。
CPP(25μm)/NY(15μm)/PE(15μm)
尚、上記CPPは無延伸ポリプロピレンを表す。
(7)比較例4
上記実施例1を基本とし、基材シートを下記の3層シートに変更した以外は、実施例1と同様に処理して、転写シートを作成した。
CPP(25μm)/NY(15μm)/PE(20μm)
(8)比較例5
上記実施例1を基本とし、基材シートを下記の3層シートに変更した以外は、実施例1と同様に処理して、転写シートを作成した。
両面コロナ処理CPP(25μm)/NY(15μm)/PE(25μm)
(9)比較例6
上記実施例1を基本とし、基材シートを下記の3層シートに変更した以外は、実施例1と同様に処理して、転写シートを作成した。
PET(30μm)/NY(15μm)/PE(40μm)
そこで、上記実施例1〜3及び比較例1〜6の各転写シートを筒状に製袋し、これにソーセージ原料を充填し、加熱調理してソーセージを製造し、ソーセージ表面への調味剤の転写処理の優劣を評価した。
《ソーセージの製造並びに転写試験例》
先ず、上記ソーセージ原料を下記の要領で調製した。
即ち、ブタ肉1000部に食塩32部、亜硝酸ソーダ0.1部、リン酸塩6.0部、L−アスコルビン酸1.0部を氷水240部と共に真空サイレントカッターで混練し、これに豚脂400部、大豆タンパク60部を氷水240部と共に加えた後、グルタミン酸ナトリウム4部を加え、さらに澱粉60部とコチニール色素製剤1.0部を添加し、上記サイレントカッターで再び混練して調製した。
次いで、前記実施例及び比較例の各転写シートの長さ方向を軸心として、調味剤の塗工層が内側に臨む状態で転写シートをヒートシールにより筒状に製袋した後、上記ソーセージ原料を充填し、スタッファーでシート端部を結紮して、下記の条件により乾燥、蒸煮、乾燥の順番で加熱調理を調理器内で施した。
温度(℃) 湿度(%) 時間(分)
(1)乾燥 90 15 50
(2)蒸煮 90 99 60
(3)乾燥 90 15 10
《転写処理の評価》
上述の通り、転写シートにソーセージ原料を充填して加熱調理したことに伴い、製袋加工性、充填強度、耐ピンホール性、転写適性を下記の基準で夫々評価し、これらを総合的に判定することにより、ソーセージ表面への調味剤の転写処理の優劣を評価した。
(a)製袋加工性
○:転写シートを良好に製袋できた。
△:転写シートを製袋できたが、一部に調味剤又は食品原料の脱落があった。
×:転写シートがカールするなどして、製袋困難であった。
(b)充填強度
○:食品原料の充填時に転写シートの裂損なし。
△:同充填時に僅かに裂損が認められた。
×:転写シートが裂損した。
(c)耐ピンホール性
○:食品原料の充填後に転写シートにピンホールなし。
△:同充填後に少しピンホールが認められた。
(d)転写適性
○:ソーセージ表面に均一に調味剤が転写されていた。
×:同表面に調味剤がズレたり、斑状に転写され、転写不良を起こした。
下表はその試験結果である。
製袋加工性 充填強度 耐ピンホール性 転写適性
実施例1 ○ ○ ○ ○
実施例2 ○ △ △ ○
実施例3 ○ △ ○ ○
比較例1 ○ × △ −
比較例2 × − − −
比較例3 × − − −
比較例4 × − − −
比較例5 △ △ △ ×
比較例6 × − − −
上表において、比較例1での転写適性の「−」の表示は、充填強度不足のために加熱調理による転写試験を行えなかったことを、また、比較例2〜4及び6での充填強度、耐ピンホール性、転写適性の「−」の表示は、製袋加工性が劣るために各対応する試験を行えなかったことを夫々意味する。
上表によると、比較例1は3層シートの種類については本発明の要件を満たすが、内・外層フィルムの膜厚を本発明の要件より薄く設定したため、製袋加工性は良好であったが、充填圧力不足のためにソーセージ原料の充填ができず、従って、転写工程にまで至らなかった。比較例3〜4も、3層シートの種類は本発明の要件と同じであるが、内・外層フィルムの膜厚を本発明の要件より薄く設定したため、共に製袋加工性がなく、同じく転写工程には至らなかった。
上記比較例1の内層フィルムをPEからPETに変えて、外層フィルム(PE)の膜厚を20μmから25μmに増加した比較例2も、比較例3〜4と同様に製袋加工性がなかった。
3層シートの内・外層フィルムの膜厚は本発明の要件を満たすが、内層フィルムの種類が本発明とは異なる比較例6では、上記比較例3〜4と同様の結果であった。
3層シートの種類は本発明の要件と同じであり、内・外層フィルムの膜厚は本発明の要件に少し足りない比較例5においては、製袋加工に際して調味剤などの脱落が一部で認められ、耐ピンホール性も劣ったため、転写不良を起こしたが、充填強度は他の比較例より高かった。
これに対して、3層シートの種類を特定化し、内・外層フィルムの膜厚を特定以上とした実施例1では、製袋加工性、充填強度、耐ピンホール性は共に良好であるため、ソーセージ表面に調味剤を均一に転写できた。結合剤の種類を変化させた実施例3も実施例1に準じた結果であった。
また、外層フィルム(PE)の膜厚を実施例1より低下させた実施例2では、充填強度及び耐ピンホール性の評価が実施例1より後退したが、製袋加工性は良好であり、ソーセージ表面に調味剤を均一に転写できた。
以上のことから、転写シートに塗工した調味剤を食品表面に均一に転写するためには、3層シートの種類をポリオレフィン/補強性樹脂/ポリオレフィンに特定化し、内・外層フィルムの膜厚を特定以上に厚く設定することが重要である点が明らかになった。
また、実施例1と実施例3に鑑みると、カゼイン塩は調味剤を転写シートに結着する結合剤として、良好な結合機能を果す点で有効であり、デキストリンと糖アルコールの混合物も同様に有効であることが分かった。
ちなみに、カゼイン塩と糖アルコール、プルランと糖アルコールも同様の機能を有するが、例えば、デキストリンの単用では有効性は後退した。
さらに、結合剤がカゼイン塩の場合、上記実施例1に鑑みると、カゼイン塩の濃度は15〜20重量%程度が結合機能への寄与が高いことが推定できる。濃度が低くなるとシートに調味剤を均一に塗工することが容易でなくなり、濃度が高くなると過剰に増粘してやはり塗工が容易でなくなる。
また、3層シートの中間層を構成する補強性樹脂を上記実施例のようなポリアミド(NY)からポリエステル(PET)に代替しても、実施例に準じた転写性能と転写操作の確実性を得ることができた。
一方、各実施例の転写シートでは、転写シートの長さ方向の左右両端を無塗工領域とし、調味剤を中央に寄せて塗工したため、食品原料を転写シートに充填して結紮する際に調味剤又は食品原料が脱落或は漏出することがなく、充填径を一定にしてソーセージの形態を安定化できた。
本発明の転写シートの平面図である。 同転写シートの縦断面図である。 従来技術についての図1の相当図である。 同従来技術についての図2の相当図である。

Claims (7)

  1. 耐熱性の基材シートに、調味剤、風味剤、色素の少なくとも一種を有効成分とする粉末状又は顆粒状の食品素材層を結合剤を介して塗工した食品素材転写シートにおいて、
    基材シートが補強性樹脂を中間層としてその表裏にポリオレフィンを積層した3層構造のシートであり、当該表・裏のポリオレフィンの膜厚が30μm以上であることを特徴とする食品素材転写シート。
  2. 耐熱性の基材シートに、調味剤、風味剤、色素の少なくとも一種を有効成分とする粉末状又は顆粒状の食品素材層を結合剤を介して塗工した食品素材転写シートにおいて、
    食品素材転写シートの長さ方向の左右両端を無塗工領域とし、当該無塗工領域を除いて、転写シートの左右方向に亘る領域に食品素材層を塗工することを特徴とする食品素材転写シート。
  3. 食品素材転写シートの長さ方向の左右両端を無塗工領域とし、当該無塗工領域を除いて、転写シートの左右方向に亘る領域に食品素材層を塗工することを特徴とする請求項1に記載の食品素材転写シート。
  4. ポリオレフィンがポリエチレンであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の食品素材転写シート。
  5. 結合剤が、カゼイン類やゼラチン類などのタンパク類、当該タンパク類と糖アルコール、デキストリンやプルランなどの多糖類と糖アルコールよりなる群から選ばれた少なくとも一種であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の食品素材転写シート。
  6. 結合剤がカゼインナトリウムであることを特徴とする請求項5に記載の食品素材転写シート。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の転写シートの長さ方向を軸心として、食品素材層が内側に臨む状態で転写シートを筒状に形成し、乳製品、加工肉製品、水産練り製品などの食品原料を筒状シートに充填し、長さ方向の左右両端を結紮し、加熱処理を施すことにより、充填食品の表面に調味剤、風味剤又は色素の食品素材を転写可能にすることを特徴とする食品素材の転写方法。
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