JP2007189523A - 通信システムの制御方法、通信装置及び通信システム - Google Patents

通信システムの制御方法、通信装置及び通信システム Download PDF

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Abstract

【課題】マスタ端末と複数のスレーブ端末とを含むポイント・ツー・マルチポイント型の通信システムにおいて、マスタ端末の低消費電力化を図る通信システムの制御方法、通信装置及び通信システムを提供する。
【解決手段】マスタ端末と複数のスレーブ端末とを有するポイント・ツー・マルチポイント型の通信システムの制御方法では、前記マスタ端末が、前記複数のスレーブ端末の各スレーブ端末によって送信された信号を前記マスタ端末が受信する受信タイミングが同一になるように、各スレーブ端末の信号の送出タイミングを指定する。そして、マスタ端末が、2以上のスレーブ端末によって送信された信号から、予め決められた優先順位に従って優先度の最も高いスレーブ端末からの信号を抽出して該信号に基づいて所与の受信処理を行うことで、前記マスタ端末を間欠的に動作させる。
【選択図】図5

Description

本発明は、通信システムの制御方法、通信装置及び通信システムに関する。
近年、無線通信技術や集積化技術の進歩により、バッテリで駆動される携帯機器(広義には電子機器)でも長時間の無線通信が可能となっている。そしてBluetooth(登録商標)の規格に代表されるように、携帯機器向けの種々の通信規格が策定されている。
このような無線通信システム(広義には通信システム)の形態として、いわゆるピア・ツー・ピア型やマルチポイント型がある。ピア・ツー・ピア型は、ポイント・ツー・ポイント(1対1)型とも呼ばれ、特定の相手方との間で通信を行う形態である。マルチポイント型は、ポイント・ツー・マルチポイント(1対多)型やマルチポイント・ツー・マルチポイント(多対多)型がある。ポイント・ツー・マルチポイント型は、1つのマスタ端末と複数のスレーブ端末との間で、通信システムを制御するマスタ端末を中心に、マスタ端末及びスレーブ端末間やスレーブ端末間の通信を行う形態である。マルチポイント・ツー・マルチポイント型は、例えばLAN(Local Area Network)のように、各端末同士が互いに通信を行う形態である。
携帯機器を用いた通信システムにおいては、バッテリの駆動時間が長いことが望ましい。ところが、ポイント・ツー・マルチポイント型の通信システムでは、通信システムを制御するマスタ端末が、常に複数のスレーブ端末の制御等を行う必要がある。従って、スレーブ端末は、自身が送受信を行う場合のみ電力消費を行うように動作制御が可能である一方、マスタ端末は、不定期なスレーブ端末からの送受信に応答するため、低消費電力化を図るのが困難となっている。
このようなポイント・ツー・マルチポイント型の通信システムにおいて、複数のスレーブ端末との間で通信制御を行うマスタ端末に関する技術が、例えば特許文献1及び特許文献2に開示されている。
特許文献1には、2つの周波数を用いて1の呼局が複数の被呼局と通信を行う場合に、被呼局が呼局の発信する第1の周波数の信号と他の被呼局が発信する第2の周波数の信号の双方を同時に受信し、他の被呼局が送信に用いる第2の周波数を使用していないことを条件に、第2の周波数で呼局及び他の被呼局に送信する通信装置が開示されている。
また特許文献2には、ベースステーションと複数の端末から成る周波数ホッピング分散方式の無線通信システムにおいて、ベースステーションが、ホップ時間中に送るべきデー立たない場合にはその旨を示すメッセージ終了フレームを放送し、各端末が、次のホップ時間まで低パワーモードに移行することで低消費電力化を図る通信システムが開示されている。
特開平7−288489号公報 特開平7−38469号公報
しかしながら、特許文献1又は特許文献2に開示された通信システムにおいて、ポイント・ツー・マルチポイント型の通信を行うマスタ端末が、受信信号の到達時刻が定まっていない複数のスレーブ端末からの通信に応答するため、常に起動状態となってスレーブ端末からの受信の有無を監視する必要がある。そのため、マスタ端末の消費電力が、スレーブ端末の消費電力に比べて極めて大きくなってしまうという問題がある。
本発明は、以上のような技術的課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、マスタ端末と複数のスレーブ端末とを含むポイント・ツー・マルチポイント型の通信システムにおいて、マスタ端末の低消費電力化を図る通信システムの制御方法、通信装置及び通信システムを提供することにある。
上記課題を解決するために本発明は、
マスタ端末と複数のスレーブ端末とを有するポイント・ツー・マルチポイント型の通信システムの制御方法であって、
前記マスタ端末が、前記複数のスレーブ端末の各スレーブ端末によって送信された信号を前記マスタ端末が受信する受信タイミングが同一になるように、各スレーブ端末の信号の送出タイミングを指定し、
前記マスタ端末が、2以上のスレーブ端末によってスペクトラム拡散をかけることなく送信された信号からいずれか1つの信号を抽出して該信号に基づいて所与の受信処理を行うことで、前記マスタ端末を間欠的に動作させる通信システムの制御方法に関係する。
また本発明に係る通信システムの制御方法では、
前記マスタ端末が、2以上のスレーブ端末によって送信された信号から、予め決められた優先順位に従って優先度の最も高いスレーブ端末からの信号を抽出して該信号に基づいて所与の受信処理を行うことで、前記マスタ端末を間欠的に動作させることができる。
上記のいずれかの発明によれば、マスタ端末では、複数のスレーブ端末からの受信信号の衝突を許容するため、マスタ端末をスタンバイ動作に移行できる期間を長くすることができるので、マスタ端末の消費電流を削減できるようになる。
また本発明に係る通信システムの制御方法では、
前記2以上のスレーブ端末によって送信された信号が周期的に送出される場合に、その送出頻度が最も低いスレーブ端末が、優先度の最も高いスレーブ端末であってもよい。
本発明によれば、上記の発明の効果に加えて、送出頻度の少ないスレーブ端末からの信号を取りこぼすことがなくなり、通信システム全体の低消費電力化と通信品質の劣化防止とを両立させることができる。
また本発明に係る通信システムの制御方法では、
前記複数のスレーブ端末のうち優先度の最も高いスレーブ端末からの信号の受信レベルが、他のスレーブ端末からの信号の受信レベルより高くなるように、前記マスタ端末が各スレーブ端末に信号の送信レベルを指定することができる。
また本発明に係る通信システムの制御方法では、
前記マスタ端末が、
前記他のスレーブ端末からの信号の受信レベルに応じて、前記他のスレーブ端末の各スレーブ端末に信号の送信レベルを指定することができる。
本発明によれば、マスタ端末は、優先度の最も高いスレーブ端末からの信号を、確実に受信でき、上記の効果に加えて通信品質を維持できるという効果が得られる。
また本発明に係る通信システムの制御方法では、
前記他のスレーブ端末からの信号の受信レベルが、前記優先度の最も高いスレーブ端末からの信号の受信レベルより少なくとも10デシベル低くてもよい。
本発明によれば、FM変調波の抑圧特性により、10デシベルの差をつけることにより、優先度の高いスレーブ端末からの信号が優先度の低いスレーブ端末からの信号によって妨害を受けることなく、マスタ端末は、優先度の高いスレーブ端末からの信号を用いて通信を行うことができる。
また本発明に係る通信システムの制御方法では、
前記他のスレーブ端末からの信号の受信レベルが、所与の最低レベル以上であってもよい。
本発明によれば、上記の効果に加えて、出力レベルを下げたとしても、優先度の高いスレーブ端末からの信号が送信されない場合には、マスタ端末は、そのまま優先度の低いスレーブ端末からの信号を用いて通信を行うことができる。
また本発明に係る通信システムの制御方法では、
前記優先度の高いスレーブ端末からの信号と前記他のスレーブ端末からの信号の受信タイミングが同一のとき、前記マスタ端末が、前記他のスレーブ端末からの信号に基づく受信処理結果を補完することができる。
また本発明は、
ポイント・ツー・マルチポイント型の通信システムのマスタ端末として動作する通信装置であって、
前記通信システムの複数のスレーブ端末の各スレーブ端末の信号の送出タイミングを制御するスレーブ端末制御部と、
2以上のスレーブ端末によって送信された信号から、いずれか1つの信号を抽出して該信号に基づいて所与の受信処理を行う受信データ処理部とを含み、
前記スレーブ端末制御部が、
各スレーブ端末によって送信された信号を前記通信装置が受信する受信タイミングが同一になるように、各スレーブ端末の信号の送出タイミングを指定し、
少なくとも前記受信データ処理部が、前記受信タイミングの前後の所与の期間だけ動作する間欠動作を行う通信装置に関係する。
また本発明に係る通信装置では、
前記受信データ処理部が、
2以上のスレーブ端末によって送信された信号から、予め決められた優先順位に従って優先度の最も高いスレーブ端末からの信号を抽出して該信号に基づいて所与の受信処理を行うことができる。
また本発明に係る通信装置では、
前記2以上のスレーブ端末によって送信された信号が周期的に送出される場合に、その送出頻度が最も低いスレーブ端末が、優先度の最も高いスレーブ端末であってもよい。
また本発明に係る通信装置では、
前記複数のスレーブ端末のうち優先度の最も高いスレーブ端末からの信号の受信レベルが、他のスレーブ端末からの信号の受信レベルより高くなるように、前記マスタ端末が各スレーブ端末に信号の送信レベルを指定することができる。
また本発明に係る通信装置では、
前記スレーブ端末制御部が、
前記他のスレーブ端末からの信号の受信レベルに応じて、前記他のスレーブ端末の各スレーブ端末に信号の送信レベルを指定することができる。
また本発明に係る通信装置では、
前記他のスレーブ端末からの信号の受信レベルが、前記優先度の最も高いスレーブ端末からの信号の受信レベルより10デシベル低くてもよい。
また本発明に係る通信装置では、
前記他のスレーブ端末からの信号の受信レベルが、所与の最低レベル以上であってもよい。
上記のいずれかの発明によれば、マスタ端末と複数のスレーブ端末とを含むポイント・ツー・マルチポイント型の通信システムにおいて、マスタ端末として動作する通信装置の低消費電力化を図ることが可能となる。
また本発明は、
ポイント・ツー・マルチポイント型の通信システムであって、
マスタ端末として動作する上記のいずれか記載の通信装置と、
各スレーブ端末が前記通信装置との間で通信を行う複数のスレーブ端末とを含み、
前記通信装置が、
前記複数のスレーブ端末の各スレーブ端末によって送信された信号を前記通信装置が受信する受信タイミングが同一になるように、各スレーブ端末の信号の送出タイミングを指定する通信システムに関係する。
本発明によれば、マスタ端末と複数のスレーブ端末とを含むポイント・ツー・マルチポイント型の通信システムにおいて、マスタ端末の低消費電力化を図る通信システムを提供できる。
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また以下で説明される構成のすべてが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
なお以下では、無線通信を行うポイント・ツー・マルチポイント型の通信システムについて説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
1. 通信システム
図1に、本実施形態におけるポイント・ツー・マルチポイント型の通信システムの構成の概要を示す。
本実施形態における通信システム10は、親機として動作するマスタ端末(広義には通信装置)100と、子機として動作する第1〜第N(Nは2以上の整数)のスレーブ端末(広義には通信装置)200〜200とを含む。マスタ端末100と第1〜第Nのスレーブ端末200〜200の各スレーブ端末との間では、例えばBluetooth(登録商標)の規格に従って無線通信が行われる。
マスタ端末100は、第j(1≦j≦N、jは整数)のスレーブ端末200からの送信信号を中継して第k(1≦k≦N、k≠j、kは整数)のスレーブ端末200に対し送信することができる。
このような通信システムでは、各スレーブ端末とマスタ端末とが双方向に通信を行ったり、2以上のスレーブ端末がマスタ端末を介して互いに通信を行ったりすることができる。
図2に、この通信システムの動作の概要の説明図を示す。
ここでは、既にマスタ端末100と第j及び第kのスレーブ端末200、200との間で通信経路が確立され、マスタ端末を介して互いに通信を行うものとする。
まず第jのスレーブ端末200が、マスタ端末100に対し、第kのスレーブ端末20への送信要求REQを行う(SEQ1)。するとマスタ端末100は、第kのスレーブ端末200に対し、第jのスレーブ端末200からの送信要求REQを伝達する(SEQ2)。第kのスレーブ端末200は、該送信要求を受け付ける場合、マスタ端末100に対して承認ACKを返信する(SEQ3)。そしてマスタ端末100は、第jのスレーブ端末200に対し、第kのスレーブ端末200からの承認ACKを伝達する(SEQ4)。
その後、第jのスレーブ端末200はマスタ端末100に対して通信データを送信し、マスタ端末100は該通信データを受けて第kのスレーブ端末200に対して送信する(SEQ5、SEQ6)。これにより、マスタ端末100を介して、第j及び第kのスレーブ端末200、200は通信することができる。
また、例えば同様の手順で、第kのスレーブ端末200はマスタ端末100に対して通信データを送信し、マスタ端末100は、該通信データを受けて第jのスレーブ端末200に対して送信することができる(SEQ7、SEQ8)。
ところで、このような通信システムでは、マスタ端末100が、第j及び第kのスレーブ端末200、200の間で行われる通信を仲介することができる。そのため、第j及び第kのスレーブ端末200、200の各スレーブ端末は、信号を送受信する間隔が長くなり、その間にいわゆる低パワーモードに移行して消費電流を削減することができる。その一方、マスタ端末100は、第j及び第kのスレーブ端末200、200の各スレーブ端末からの信号を送受信するため、信号を送受信する間隔が短くなり、スレーブ端末と比較して消費電流が極めて多くなってしまうという問題がある。
図3(A)に、マスタ端末100、第j及び第kのスレーブ端末200、200の一般的な構成を示す。また図3(B)に、マスタ端末100、第j及び第kのスレーブ端末200、200の各端末の消費電流の種類を模式的に示す。
即ち、マスタ端末100、第j及び第kのスレーブ端末200、200の各端末は、アンテナ50、RFブロック52、BBE(Baseband Engine)ブロック54、CPU(Central Processing Unit)ブロック56を有する。CPUブロック56は、図示しないメモリに格納されたアプリケーションプログラムに従って演算を行い、BBEブロック54に対して通信処理を指示する。BBEブロック54は、同様に図示しないメモリに格納されたプログラムに従って受信された通信データの受信処理や、送信すべき通信データの送信処理を行う。RFブロック52は、アンテナ50を介して受信された信号を受信データとして検出する処理や、アンテナ50を介して送信すべき送信データを送信信号としてアンテナ50を介して送信する処理を行う。
このような各端末での消費電流の時間的変化について、横軸に時間、縦軸に消費電流をとると、図3(B)のように示される。
図3(B)において、送信時又は受信時のRFブロック52の消費電流をP1、受信時又は送信時のRFブロック52の消費電流をP2、送信時又は受信時のBBEブロック54及びCPU56の消費電流をP3、通信スタンバイ時の消費電流をP4、スタンバイ動作において停止している回路のリークによる消費電流をP5とする。
ここで、消費電流P1、P2を費やす場合、必ず消費電流P3を費やしてしまう。従って、マスタ端末100、第j及び第kのスレーブ端末200、200の各端末の低消費電力化を図るためには、定常的な消費電流P4、P5を製造プロセス技術で削減する一方、ポイント・ツー・マルチポイント型の通信システムの制御により、消費電流P1〜P3の削減を図ることが重要となる。
ところが、ポイント・ツー・マルチポイント型の通信システムでは、次のようにマスタ端末100の消費電流が極めて大きくなる。
図4に、マスタ端末100、第j及び第kのスレーブ端末200、200の各端末の消費電流を模式的に示す。
第j及び第kのスレーブ端末200、200の各端末は、必要に応じて、BBEブロック及びCPUブロックを起動させて消費電流P3、P3を消費させながら、RFブロックを起動させて送信又は受信を行って消費電流P1、P1、P2、P2を消費させる。このとき、マスタ端末100は、第j及び第kのスレーブ端末200、200の各端末からの信号を受信する場合には、BBEブロック及びCPUブロックを起動させて消費電流P3を消費させながら、RFブロックを起動させて信号の受信を行って消費電流P2を消費させる。またマスタ端末100は、第j及び第kのスレーブ端末200、200の各端末に対して信号を送信する場合には、BBEブロック及びCPUブロックを起動させて消費電流P3を消費させながら、RFブロックを起動させて信号の送信を行って消費電流P1を消費させる。従って、マスタ端末100のRFブロック、BBEブロック及びCPUブロックを起動させる時間が、第j及び第kのスレーブ端末200、200のRFブロック、BBEブロック及びCPUブロックを起動させる時間の2倍となる。そのため、マスタ端末100の消費電流が、第j及び第kのスレーブ端末200、200の各端末の消費電流と比較して極めて大きくなってしまう。
そこで、本実施形態では、ポイント・ツー・マルチポイント型の通信システムを、次のように制御することで、マスタ端末の消費電流の削減を図ることができる。
図5に、本実施形態における通信システムにおいて、マスタ端末100、第j及び第kのスレーブ端末200、200の各端末の消費電流を模式的に示す。なお、図5において、図4と同一部分には同一符号を付し、適宜説明を省略する。
まずマスタ端末100と第j及び第kのスレーブ端末200、200との間で通信経路を確立させるイニシャライズ期間において、マスタ端末100が第j及び第kのスレーブ端末200、200の各スレーブ端末の種類や通信距離等を判別し、マスタ端末100が、各スレーブ端末によって送信された信号をマスタ端末100が受信する受信タイミングが同一になるように、第j及び第kのスレーブ端末200、200の各スレーブ端末に対して信号の送出タイミングを指定する。
そして、イニシャライズ期間後のポイント・ツー・マルチポイント通信期間において、マスタ端末100が、第j及び第kのスレーブ端末200、200(2以上のスレーブ端末)によってスペクトラム拡散をかけることなく送信された信号から、予め決められた優先順位に従って優先度の最も高いスレーブ端末からの信号を抽出して該信号に基づいて所与の受信処理を行うことで、マスタ端末100を間欠的に動作させる。こうすることで、マスタ端末100では、第j及び第kのスレーブ端末200、200からの受信信号の衝突を許容し、図4に示す場合に比べて、マスタ端末100をスタンバイ動作に移行できる期間を長くすることができるので、マスタ端末100の消費電流を削減できるようになる。
ここで、第j及び第kのスレーブ端末200、200(2以上のスレーブ端末)によって送信された信号が周期的に送出される場合に、その送出頻度が最も低いスレーブ端末が、優先度の最も高いスレーブ端末であることが望ましい。図5では、第jのスレーブ端末200の信号の送出頻度が、第kのスレーブ端末200の信号の送出頻度より多いものとする。こうすることで、送出頻度の少ない第kのスレーブ端末200からの信号を取りこぼすことがなくなり、通信システム全体の低消費電力化と通信品質の劣化防止とを両立させることができる。
また、マスタ端末100において、第j及び第kのスレーブ端末200、200(複数のスレーブ端末)のうち優先度の最も高い第kのスレーブ端末200からの信号の受信レベルが、第jのスレーブ端末200(他のスレーブ端末)からの信号の受信レベルより高くなるように、マスタ端末100がイニシャライズ期間において各スレーブ端末に信号の送信レベルを指定することが望ましい。より具体的には、マスタ端末100が、第jのスレーブ端末200(他のスレーブ端末)からの信号の受信レベルに応じて、第jのスレーブ端末200(他のスレーブ端末の各スレーブ端末)に信号の出力レベル(送信レベル)を下げるように指定することが望ましい。
図6に、マスタ端末100に送達する第j及及び第kのスレーブ端末200、200からの信号のレベルの一例を示す。
図6は、横軸に周波数、縦軸に受信レベルをとり、マスタ端末100が、第kのスレーブ端末200からの信号の受信レベルが、第jのスレーブ端末200からの信号の受信レベルより高くなるように、各スレーブ端末の信号の送信レベルを指定している。
ここで、図6に示すように、第jのスレーブ端末200(他のスレーブ端末)からの信号の受信レベルが、第kのスレーブ端末200(優先度の最も高いスレーブ端末)からの信号の受信レベルより少なくとも10デシベル低いことが望ましい。従来のFM変調による無線通信では、希望波に対する妨害波の比が10デシベル程度低ければ、希望波の一定品位の通信は可能である。これはFM変調の抑圧効果によって得られるもので、従来方式の無線規格では、同一周波数の妨害信号に対して信号がどの程度干渉を受けるかを示すものでCo-Channel rejection特性と呼ばれる。本実施形態では、FM変調波の抑圧効果を利用している。
なお、(周波数偏移)/(データの伝送速度)で表されるFM変調指数に応じて、希望波に対する妨害波の比を決定することができる。例えば周波数偏移が大きく、データの転送速度が高速な場合、FM変調指数が大きくなり、希望波に対して妨害波のレベルを大きくでき、希望波に対する妨害波の比を2デシベル程度にしてもよい。或いは、周波数偏移が小さく、データの転送速度が低速な場合、FM変調指数が小さくなり、希望波に対して妨害波のレベルを小さくして、希望波に対する妨害波の比を20デシベル程度にしてもよい。
このように、複数のスレーブ端末からの同時到来電波を許容し、これらの電波のうち、電界強度の強い方を自動的に受信する。同時到来電波の電界強度の差を例えば10デシベルにすることで、予め選択されたスレーブ端末による電波を優先的に受信することができる。即ち、第kのスレーブ端末200の信号が第jのスレーブ端末200の信号によって妨害を受けることなく、マスタ端末100は第kのスレーブ端末200からの信号を用いて通信を行うことができる。このとき、第jのスレーブ端末200(他のスレーブ端末)からの信号の受信レベルが、通信品質を保証する所与の最低レベル以上であることが望ましい。こうすることで、送信レベルを下げたとしても、マスタ端末100は第jのスレーブ端末200からの信号を用いて通信を行うことができる。
従って、図5に示すように、ポイント・ツー・マルチポイント通信期間では、マスタ端末100は、信号の送出頻度(通信頻度)が少ない第kのスレーブ端末200からの信号の受信タイミングで、第jのスレーブ端末200からの信号も到達する。マスタ端末100では、第kのスレーブ端末200からの信号の受信レベルが第jのスレーブ端末200からの信号の受信レベルより大きい。そのため、マスタ端末100は、複数のスレーブ端末からの受信信号のうち受信レベルの大きい第kのスレーブ端末200からの信号を抽出し、該信号を用いて所与の受信処理を行う。このとき、マスタ端末100は、第kのスレーブ端末200に対して応答を行うため、マスタ端末100からの送信信号は第kのスレーブ端末200宛てとなり、第jのスレーブ端末200はACK応答待ちの状態となる。
次に、第jのスレーブ端末200が信号を送出し、第kのスレーブ端末200が信号を送出しないマスタ端末100での受信タイミングでは、マスタ端末100は、第kのスレーブ端末200からの信号のみを受信する。従って、マスタ端末100は、第kのスレーブ端末200からの信号をそのまま用いて所与の受信処理を行う。
図7に、第j及び第kのスレーブ端末200、200の通信状態の一例を模式的示す。
このように本実施形態によれば、通信頻度の低い第kのスレーブ端末200を優先して該スレーブ端末からの信号を抽出して受信処理を行うことで、マスタ端末100と第kのスレーブ端末200との通信を確実に行い、可能な範囲でマスタ端末100と第jのスレーブ端末200との通信を行う。これにより、マスタ端末100では、第j及び第kのスレーブ端末200、200との通信を行う一方で、マスタ端末100をスタンバイ動作に移行できる期間を長くすることができる。
2. 通信装置
次に、このような通信システムを構成するマスタ端末100、第1〜第Nのスレーブ端末200〜200の各スレーブ端末の構成について説明する。
2.1 マスタ端末
図8に、本実施形態におけるマスタ端末(広義には通信装置)100の構成例のブロック図を示す。
マスタ端末100は、通信コントローラ400及びアンテナ110を介して、通信相手であるスレーブ端末との間でBluetooth(登録商標)の規格に従った無線通信を行う。ホストプロセッサ810(ベースバンドエンジン300)が、通信周波数帯域内の複数の使用可能帯域を変更する順序や各使用可能帯域内のホップシーケンスを決定する。ホストプロセッサ810(ベースバンドエンジン300)からの指示を受けた通信コントローラ400が、スレーブ端末との間で無線通信を行う。
マスタ端末100は、通信コントローラ400、ベースバンドエンジン300に加えて、各部を制御するホストプロセッサ(アプリケーションプロセッサ)810を含む。
ホストプロセッサ810は、読み出し専用メモリ(Read Only Memory:ROM)820やランダムアクセスメモリ(Random Access Memory:RAM)830に記憶されたプログラム及び設定データに基づいて、マスタ端末100の各部を制御する。ホストプロセッサ810は、RAM830の記憶領域の少なくとも一部をワークエリアとして使用することができる。
ホストプロセッサ810には、音声コーデック860が接続されている。音声コーデック860は、通信コントローラ400を介して受信された音声データをデコードして、D/A変換器870によりアナログ信号に変換した後、スピーカ880(広義には出力部)により音声出力を行うことができる。或いは、音声コーデック860は、マイク890(広義には入力部)を介して入力された音声信号をA/D変換器900によりデジタル信号に変換した後、エンコードを行って、通信コントローラ400を介して通信相手に送信できるようになっている。
本実施形態では、図8に示す構成を有するマスタ端末100が、第j及び第kのスレーブ端末200、200との間で次のような通信データを送受信することで、互いの端末の種類の判別や送信タイミングや受信タイミングの同期制御を実現する。
図9に、本実施形態における通信システムにおいて送受信される通信データのパケット構造の一例を示す。
このパケットデータは、プリアンブルコード、端末固有のアクセスコード(広義には、識別コード、IDコード)、ヘッダ、ペイロードを含む。プリアンブルコードは、ビット同期をとるためのコードである。アクセスコードは、端末に割り当てられた固有のコードである。ヘッダは、マスタ端末に対して同時接続される複数のスレーブ端末の各スレーブ端末のアドレス、パケットの種別、基準ビット列データ、エラー訂正のためのチェックサム等を含む。ペイロードは、通信されるデータ(例えば音声信号をデジタル化した信号)である。
図10(A)、図10(B)に、本実施形態における通信システムの同期制御の一例の説明図を示す。
図10(A)に示すように、通信データのペイロードには、マスタ端末又はスレーブ端末の所与の基準タイミングを基準に、該通信データの基準ビット列データまでのずれ量Δtが設定される。
そして、図10(B)に示すように、マスタ端末100が、まず自身のずれ量を通信データに設定し、該通信データを第j及び第kのスレーブ端末200、200の書くスレーブ端末に送信する(SEQ10)。マスタ端末100からの通信データを受信したスレーブ端末は、自身の基準タイミングを基準に、マスタ端末100からの通信データに設定されたずれ量に対応した時刻との差を、スレーブ端末側のずれ量として検出し、該ずれ量を通信データに設定してマスタ端末100に返信する(SEQ11)。
その後、マスタ端末100は、スレーブ端末からのずれ量を用いて再度スレーブ端末側で補正すべき補正値を算出し、該補正値をスレーブ端末に送信する(SEQ12)。スレーブ端末は、マスタ端末100からの補正値に基づいて同期制御を行って、同期制御後の送出タイミングでマスタ端末100に対して信号を送信する(SEQ13)。
この結果、マスタ端末100、第j及び第kのスレーブ端末200、200のタイミングを揃えることができ、第j及び第kのスレーブ端末200、200からの送信信号を、マスタ端末100においてほぼ同一のタイミングで受信できる。
2.1.1 通信コントローラ
図11に、図8の通信コントローラ400の構成例のブロック図を示す。
通信コントローラ400は、帯域通過フィルタ(Band Pass Filter:以下、BPFと略す)120及びインピーダンス整合回路130を介してアンテナ110と接続される。
この通信コントローラ400は、Bluetooth(登録商標)で規定された2.4GHz帯の所定の周波数帯のチャネルを使用して、無線信号(送信信号、受信信号)の送受信を行う。以下では、例えば通信相手から、アンテナ110を介して2.402GHzの無線信号を受信する場合を考える。
アンテナ110で受信された受信信号は、BPF120に入力される。BPF120は、2.400GHzを中心周波数とする所定の帯域幅の信号を通過させるフィルタである。従って、BPF120は、非通過帯域の周波数成分を有する妨害信号を除去する。
インピーダンス整合回路130は、信号の反射を防止するために特性インピーダンスと整合させるようにインピーダンス整合を行う。BPF120を通過した、希望信号を含む受信信号は、インピーダンス整合回路130を介して通信コントローラ400に供給される。
なお送信信号は、インピーダンス整合回路130を介してBPF120で非通過帯域の周波数成分を有する妨害信号が除去された後、アンテナ110から送信される。
なお無線信号の周波数を考慮すると波長が長くなり、アンテナ110の集積化が困難な場合には、図11に示すように通信コントローラ400の外部にアンテナ110を設けることが望ましい。しかしながら、アンテナ110を通信コントローラ400に内蔵させるようにしても良いことは当然である。
また同様に、非通過帯域の減衰量を十分に大きくするためにBPF120を構成するインダクタンス素子及びキャパシタ素子の面積が大きくなる場合には、図11に示すように通信コントローラ400の外部にBPF120を設けることが望ましい。しかしながら、BPF120を通信コントローラ400に内蔵させるようにしても良いことは当然である。
更にインピーダンス整合を外付けのインダクタンス素子及びキャパシタ素子で調整する必要がある場合には、図11に示すように通信コントローラ400の外部にインピーダンス整合回路130を設けることが望ましい。しかしながら、インピーダンス整合回路130を通信コントローラ400に内蔵させるようにしても良いことは当然である。
通信コントローラ400は、受信信号を増幅するための低雑音増幅器(Low Noise Amplifier:以下、LNAと略す)210と送信データに対応した送信信号を増幅するための電力増幅器(Power Amplifier:以下、PAと略す)202とを含む。このため通信コントローラ400は、切替スイッチRF_SWを含む。従って、受信時には、切替スイッチRF_SWは、受信信号をLNA210に供給し、送信時には、切替スイッチRF_SWは、PA202によって増幅された送信信号をインピーダンス整合回路130に供給する。
図12に、図11のLNA210の構成例のブロック図を示す。
LNA210は、小信号増幅回路212、選択増幅回路214、出力バッファ回路219を含む。小信号増幅回路212は、利得制御信号に基づいて、その利得が調整されるがLNA210の中で、もっとも利得が大きいブロックである。選択増幅回路214は、BPF216、アンプ218を含み、BPF216で通過する所定の帯域幅の周波数成分を有する信号のみをアンプ218が増幅するが、次段の回路の整合や電流電圧変換を行うバッファとして動作する。出力バッファ回路219は、アンプ218によって増幅された信号を増幅する。
図13に、図12の小信号増幅回路212の構成例のブロック図を示す。
小信号増幅回路212は、切替スイッチSW、高利得アンプ(第1のアンプ)PA1、通常利得アンプ(第2のアンプ)PA2を含む。高利得アンプPA1は、その入力信号を第1の利得で増幅する。通常利得アンプPA2は、その入力信号を第1の利得より低い第2の利得で増幅する。
切替スイッチSWは、利得制御信号に基づいて、小信号増幅回路212の入力信号を、高利得アンプPA1又は通常利得アンプPA2に供給する。利得制御信号により切替スイッチSWが小信号増幅回路212の入力信号を高利得アンプPA1に供給する場合、通常利得アンプPA2の動作を停止させて、通常利得アンプPA2の動作電流を停止又は制限することが望ましい。利得制御信号により切替スイッチSWが小信号増幅回路212の入力信号を通常利得アンプPA2に供給する場合、高利得アンプPA1の動作を停止させて、高利得アンプPA1の動作電流を停止又は制限することが望ましい。
ここで、受信信号を高利得アンプPA1(第1のアンプ)により増幅する通信コントローラ(受信装置)の動作モードを高利得動作モード、受信信号を通常利得アンプPA2(第2のアンプ)により増幅する通信コントローラ(受信装置)の動作モードを通常利得動作モードとする。この場合に、高利得動作モード及び通常利得動作モードのうちいずれか一方のモードから他方のモードに切り替えることで、LNA210の利得が調整されるようになっている。
図11に戻って説明を続ける。LNA210によって増幅された受信信号は、混合器(mixer)220に供給される。混合器220には、分周器222から周波数が2.400GHzの局部発振信号Lが入力され、LNA210からの受信信号の周波数が中間周波数付近に変換される。BPF224は、混合器220によって中間周波数付近に変換された受信信号を通過させる。
即ち、LNA210で増幅された受信信号S1と局部発振信号Lとを混合器220で掛け合わせることで、両信号の周波数の和と差の成分が出力される。この結果、周波数の差である2MHz付近に受信信号の周波数が変換され、DC付近に妨害信号の周波数が変換される。ここで、受信信号S1の妨害信号S2が周波数変換されたS2´のレベルが非常に大きい場合、受信信号S1が周波数変換されたS1´がS2´によって抑圧され、S1´の振幅成分が混合器220のダイナミックレンジの制限にかかり、S1´の情報が欠落し始める。この欠落によって受信品質が悪化する。一方BPF224は、中心周波数が2MHzである所定の帯域幅の通過帯域として、混合器220の出力信号のうち、S1´のみを通過させる。S2´は炉波されるが、S1´はすでに情報欠落を受けているので、最終の受信品質は悪化する。
BPF224を通過した受信信号は、リミッタアンプ226によって増幅されると共に、所与のレベルに振幅が制限される。リミッタアンプ226によって増幅された信号は、A/D変換器228にも供給され、A/D変換器228がRSSIを出力する。
図14に、図11のリミッタアンプ226及びA/D変換器228の構成例を示す。
図14では、同一利得のアンプが4段、直列に接続されているが、この段数に限定されるものではない。各アンプの出力は、それぞれ各A/D変換器に入力され、各アンプの出力の振幅に対応したデジタル値に変換される。
リミッタアンプ226は、残留AM成分を取り除くためにその入力信号を所与のレベルで振幅制限されるまで増幅された出力信号を出力する。リミッタアンプ226の最終段のアンプの出力である出力信号が常に振幅制限される状態を保つために、リミッタアンプ226の入力が非常に小さいレベル(受信感度点)においてもリミッタがかかるように、アンプ各段の利得を決める。このレベル以上の入力では、最終段アンプ出力は、当然リミッタはかかっており、その前段の各段においても、入力レベルに応じて次々にリミッタがかかるようになっている。
各A/D変換器で変換されたデジタル値は、加算器ADDで加算される。加算器ADDの加算結果が、受信電力に比例するRSSI(Received Signal Strength Indicator)となる。RSSIは、受信強度レベルということもできる。このようなRSSIは、各アンプの振幅に対応したデジタル値の総和とすることで、希望信号及び妨害信号を含む受信信号の電界強度若しくは電力に比例したデジタル値を示すことができる。
なおA/D変換器228の代わりに、ダイオードやCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)トランジスタ回路で実現できる整流回路を設けて、リミッタアンプ226の各段の出力の包絡線検波を行い、この出力である検波電流を加算器ADDではアナログ加算し、その後で1個のA/D変換機(図示せず)でデジタル値に変換する方法をとってもよい。
上記のようなRSSIを求める手法は、文献に記載されるいくつかの方法を利用できるのはいうまでもない。
図11において、FM検波回路230は、リミッタアンプ226の出力の周波数の変化を検出することで、受信信号から希望信号を取り出し、復調信号として出力する。このFM検波回路230の構成及び動作は公知であるため、詳細な説明を省略する。
FM検波回路230によって生成された復調信号は、低域通過フィルタ(Low Pass Filter:以下、LPFと略す)232により高周波成分のノイズが除去された後、データスライサ234によって2値化された受信データが生成される。この受信データが、復調信号としてベースバンドエンジン300に供給される。
なお図14に示すA/D変換器228及び加算器ADDで生成されたRSSIは、制御回路240によりベースバンドエンジン300に供給される。この制御回路240は、通信コントローラ400の各部を制御する。
Bluetooth(登録商標)の規格では、周波数ホッピング(Frequency Hopping
:FH)方式で通信を行う。そのため所与のホップシーケンスに従ってベースバンドエンジン300によって指定された周波数で、無線通信を行う。制御回路240にはベースバンドエンジン300によって周波数が設定されるようになっている。
PLL(Phased Locked Loop)回路244は、制御回路240の設定値に基づいて、PLLループフィルタの特性に応じて目的の周波数に収束する。収束後、周波数が設定値に一致した場合は、対応した逓倍率で、水晶発振器OSCの発振出力であるクロックCLKを逓倍し、逓倍したクロックを電圧制御発振器(Voltage Controlled Oscillator:VCO)246に供給する。なおクロックCLKは、ベースバンドエンジン300の基準クロックとして供給される。
VCO246の出力は分波器245により分波され、その出力は受信時の局部発振信号出力として、あるいは、送信時の送信信号出力として、さらにPLLループの分周用として使用される。PLLループの分周用としては、分周器222に出力し、分周器222において水晶発振器OSCとほぼ同じ周波数に分周され、さらに比較器(図示せず)で周波数および位相比較され、この比較結果に応じて最終的に電圧が生成されてVCOの周波数を制御する。PLLの動作の詳細に関しては、一般的な例と同等であるので説明を省略する。分波器245の出力は、受信時には例えば2.400GHzの局部発振信号Lとして出力される。また送信時には、ベースバンドエンジン300からの送信データは、LPF248によって高周波成分が除去された後、VCO246においてFM変調されて、分波器245を介して送信信号として出力される。この送信信号は、PA202によって増幅され、切替スイッチRF_SWに供給される。切替スイッチRF_SWは、制御回路240からの制御信号に従って切替動作を行う。なお分波器245から出力された送信信号は、BPF120で帯域外放射は落とすことができるが、必要に応じてBPFを内蔵することも可能である。図示しないBPFを介して所定の周波数帯域外の放射を除去した後、PA202により増幅してもよい。
なお通信コントローラ400は、バイアス発生回路250を含む。バイアス発生回路250は、定電流又は定電圧を発生し、通信コントローラ400を構成する各部に供給するようになっている。通信コントローラ400の構成は、図11に示したものに限定されるものではなく、図11に示すブロックの一部が省略された構成であってもよい。
このような通信コントローラ400では、RXfront部260、RX部262、PLL回路244、TX部264の各部を単位に、ベースバンドエンジン300からの起動信号によりスタンバイ動作に移行したり、該スタンバイ動作から起動したりできるようになっている。ここで、スタンバイ動作は、クロックを停止させたり、回路への電源供給を遮断したりして消費電流を削減する動作をいう。
RXfront部260は、LNA210、混合器220、BPF224、リミッタアンプ226、A/D変換器228を含み、起動信号RXfrontcntによりスタンバイ動作への移行やスタンバイ動作からの起動制御が行われる。RX部262は、RXfront部260、FM検波回路230、LPF232、データスライサ234を含み、起動信号RXtcntによりスタンバイ動作への移行やスタンバイ動作からの起動制御が行われる。PLL回路244は、起動信号PLLcntによりスタンバイ動作への移行やスタンバイ動作からの起動制御が行われる。TX部264は、PA202、分波器245、LPF248を含み、起動信号Txcntによりスタンバイ動作への移行やスタンバイ動作からの起動制御が行われる。
図15に、起動信号PLLcnt、RXfrontcnt、RXcntの説明図を示す。
図15に示すように、受信動作時に起動制御される場合には、ベースバンドエンジン300が起動した後、該ベースバンドエンジン300によって生成される起動信号PLLcnt、RXfrontcnt、RXcntの順に、各部がスタンバイ動作から起動するように制御される。また、受信動作時にスタンバイ動作へ移行する場合には、起動信号RXcnt、RXfrontcnt、PLLcntにより順に各部がスタンバイ動作に移行し、最後にベースバンドエンジン300がスタンバイ動作に移行するようになっている。
2.1.2 ベースバンドエンジン
図16に、図8又は図11のベースバンドエンジン300の構成例のブロック図を示す。
ベースバンドエンジン300の各部の機能は、メモリに記憶されたプログラム(ソフトウェア又はファームウェア)を読み込んで該プログラムに対応した機能を実行する中央演算処理装置(Central Processing Unit:以下、CPUと略す)や、論理回路等のハード
ウェアによって実現される。
本実施形態では、ベースバンドエンジン300が、通信コントローラ400の受信データに基づいて受信処理と、送信データを生成する処理と、起動信号を生成する処理等を行う。
ベースバンドエンジン300は、ID判定部310、RSSI判定部320、スレーブ端末制御部330、データ処理部340、データ検出部350、マスタ制御部(通信制御部)360を含む。データ処理部340は、受信データ処理部342、送信データ生成部344を含む。
データ検出部350は、受信データがBluetooth(登録商標)の規格に従った無線通信データであるか否かを検出する。例えばデータ検出部350は、プリアンブルコード、アクセスコード及びヘッダの内容を解析し、この解析結果に基づいて受信データがBluetooth(登録商標)の規格に従った無線通信データであるか否かを判別する。
ID判定部310は、通信コントローラ400からの受信データに基づいて、スレーブ端末の種類を判定する。その判定結果は、スレーブ端末制御部330に通知される。受信データは、図9に示すようにパケット構造を有し、アクセスコードとして通信システムを構成するスレーブ端末の種類に応じて予め割り当てられたIDが設定されている。ID判定部310は、パケットデータの構造を解析し、受信データからアクセスコードをIDとして抽出し、このIDに基づいて、受信データを送信したスレーブ端末の種類を特定する。ID判定部310は、予め設定された、図示しないID判定テーブルに基づいてスレーブ端末の種類を特定する。
図17に、ID判定テーブルの一例を示す。
このように、ID毎に、携帯電話機、センサ、パーソナルコンピュータ等のスレーブ端末として動作する通信機器の種類が判別できるようになっている。ここで、携帯電話機は、不定期にマスタ端末との間で通信を行うが、その通信頻度が低く、通信時には着呼時や発呼時の通話データによりマスタ端末との間の通信データ量が多くなるスレーブ端末の代表例である。一方、センサは、定期的にマスタ端末との間で通信を行うが、その通信頻度が高く、通信時にはセンサ結果のみを通信するためマスタ端末との間の通信データ量が少ないスレーブ端末の代表例である。
RSSI判定部320は、通信コントローラ400からのRSSIを、所与の基準レベルと比較して判定する。その判定結果は、スレーブ端末制御部330に通知される。
スレーブ端末制御部330は、ID判定部310の判定結果及びRSSI判定部320の判定結果に基づいて、同時接続される複数のスレーブ端末の各スレーブ端末に対し、各スレーブ端末によって送信された信号をマスタ端末が受信する受信タイミングが同一になるように、各スレーブ端末の信号の送出タイミングを指定するための処理を行う。
より具体的には、スレーブ端末制御部330は、図示しないスレーブ端末制御テーブルに基づいて、同時接続されポイント・ツー・マルチポイント型の通信を行う複数のスレーブ端末の各スレーブ端末の優先順位を決定し、該優先順位に基づいて優先度の低いスレーブ端末の出力レベルを下げるように指示するための送信データを生成する制御を行う。マスタ端末100に同時接続される第jのスレーブ端末200がセンサであり第kのスレーブ端末200が携帯電話機である場合に、第jのスレーブ端末200が第kのスレーブ端末200より優先度が下がるように優先順位を決定する。そして、スレーブ端末制御部330は、第jのスレーブ端末200からの信号の受信レベルが、第kのスレーブ端末200からの信号の受信レベルより高くなるように、各スレーブ端末に信号の送信レベルを指定する。この場合、例えば第jのスレーブ端末200に対し、送信レベルを下げるように指定する制御を行う。ここで、RSSI判定部320の判定結果に基づいて、マスタ端末100と第jのスレーブ端末200との距離を判定できるので、その距離に応じて、第jのスレーブ端末200に対し送信レベルを下げるように指定する制御を行うことが望ましい。このとき、上述のように、第jのスレーブ端末200からの信号の受信レベルが、第kのスレーブ端末200からの信号の受信レベルより10デシベル低くなるように指定する。また、第jのスレーブ端末200からの信号の受信レベルが、通信品質を保証する所与の最低レベル以上であることが望ましい。
受信データ処理部342は、通信コントローラ400からの受信データを解析したり、加工したりする処理を行う。送信データ生成部344は、送信データを生成する処理を行う。送信データ生成部344は、スレーブ端末制御部330からの指示に基づいて、同時接続される複数のスレーブ端末の各スレーブ端末に対し、送信タイミングや送信レベルを変更する指示を行うための送信データを生成できる。
マスタ制御部360は、ベースバンドエンジン300の各部の制御を行うと共に、上述のように起動信号PLLcnt、RXfrotncnt、RXcnt、TXcntを生成したり、通信コントローラ400を制御するための制御信号を生成する。
図18に、マスタ端末100の動作例のフロー図を示す。マスタ端末100のマスタ制御部360は、図示しないメモリに格納されたプログラムに従って以下の処理を行う。
まず、マスタ端末100は、マスタ端末100に同時接続されポイント・ツー・マルチポイント型の通信システムを構成する第j及び第kのスレーブ端末200、200の探索を行う(ステップS10)。そして、第j及び第kのスレーブ端末200、200がないとき(ステップS11:N)、ステップ10に戻る。
ステップS11において第j及び第kのスレーブ端末200、200が存在するとき(ステップS11:Y)、マスタ端末100は、例えばBluetooth(登録商標)の規格に従って第j及び第kのスレーブ端末200、200との間の通信経路を確立する(ステップS12)。このとき、上述のようにイニシャライズ期間において、マスタ端末100は、第j及び第kのスレーブ端末200、200各スレーブ端末によって送信された信号をマスタ端末100が受信する受信タイミングが同一になるように、各スレーブ端末の信号の送出タイミングを設定する(ステップS13)。
またイニシャライズ期間において、マスタ端末100は、第j及び第kのスレーブ端末200、200からの通信データに設定されたアクセスコードに基づいて、各スレーブ端末の種類を判定することができる。そのため、マスタ端末100は、第j及び第kのスレーブ端末200、200の各スレーブ端末の種類の組み合わせに応じて、どちらのスレーブ端末の通信頻度が高いかを特定できる。
そして、第jのスレーブ端末200の通信頻度が第kのスレーブ端末200の通信頻度より高いとき(ステップS14:Y)、マスタ端末100は、第kのスレーブ端末を優先する処理を行い(ステップS15)、一連の処理を終了する(エンド)。
一方、第kのスレーブ端末200の通信頻度が第jのスレーブ端末200の通信頻度より高いとき(ステップS14:N)、マスタ端末100は、第jのスレーブ端末を優先する処理を行い(ステップS16)、一連の処理を終了する(エンド)。
図19に、図18のステップS15における第kのスレーブ端末200の優先処理のフローの一例を示す。
図19では、まずマスタ端末100が、第jのスレーブ端末200の送信レベル(出力レベル)を下げるように制御を行う(ステップS20)。即ち、マスタ端末100では、スレーブ端末制御部330が、第jのスレーブ端末200に対し、その送信レベルを下げるように指示するための送信データを生成する制御を行う。送信データ生成部344では、スレーブ端末制御部330からの指示に基づき、送信データを生成する。
次に、マスタ端末100は、第kのスレーブ端末200と通信を開始する(ステップS21)。続いて、第jのスレーブ端末200と通信を開始するとき(ステップS22:Y)、既に第jのスレーブ端末200からの信号の受信レベルが下がり、同一タイミングで受信される第kのスレーブ端末200からの信号を抽出できるようになっている。そのため、マスタ端末100は、第jのスレーブ端末200からのデータを受信できると共に、第kのスレーブ端末200からのデータを受信できない(ステップS23)。
こうしてマスタ端末100が第jのスレーブ端末200との間で通信を行っている場合において、第jのスレーブ端末200との通信を終了しないとき(ステップS24:N)、ステップS23に戻る。一方、第jのスレーブ端末200との通信を終了するとき(ステップS24:Y)、マスタ端末100は、第kのスレーブ端末200との通信を継続するか否かを判別する(ステップS25)。
またステップS22において、マスタ端末100が第jのスレーブ端末200との間の通信を行わないとき(ステップS22:N)、ステップS25に進む。
ステップS25では、マスタ端末100は、第kのスレーブ端末200との通信を継続するとき(ステップS25:Y)、ステップS21に戻る。またステップS25において、第kのスレーブ端末200との通信を継続しないとき(ステップS25:N)、マスタ端末100は、第kのスレーブ端末200との間の通信を切断し(ステップS26)、一連の処理を終了する(エンド)。
図20に、図18のステップS16における第jのスレーブ端末200の優先処理のフローの一例を示す。
図20では、まずマスタ端末100が、第kのスレーブ端末200の送信レベル(出力レベル)を下げるように制御を行う(ステップS30)。即ち、マスタ端末100では、スレーブ端末制御部330が、第kのスレーブ端末200に対し、その送信レベルを下げるように指示するための送信データを生成する制御を行う。送信データ生成部344では、スレーブ端末制御部330からの指示に基づき、送信データを生成する。
次に、マスタ端末100は、第jのスレーブ端末200と通信を開始する(ステップS31)。続いて、第kのスレーブ端末200と通信を開始するとき(ステップS32:Y)、既に第kのスレーブ端末200からの信号の受信レベルが下がり、同一タイミングで受信される第jのスレーブ端末200からの信号を抽出できるようになっている。そのため、マスタ端末100は、第kのスレーブ端末200からのデータを受信できると共に、第jのスレーブ端末200からのデータを受信できない(ステップS33)。
こうしてマスタ端末100が第kのスレーブ端末200との間で通信を行っている場合において、第kのスレーブ端末200との通信を終了しないとき(ステップS34:N)、ステップS33に戻る。一方、第kのスレーブ端末200との通信を終了するとき(ステップS34:Y)、マスタ端末100は、第jのスレーブ端末200との通信を継続するか否かを判別する(ステップS35)。
またステップS32において、マスタ端末100が第kのスレーブ端末200との間の通信を行わないとき(ステップS32:N)、ステップS35に進む。
ステップS35では、マスタ端末100は、第jのスレーブ端末200との通信を継続するとき(ステップS35:Y)、ステップS31に戻る。またステップS35において、第jのスレーブ端末200との通信を継続しないとき(ステップS35:N)、マスタ端末100は、第jのスレーブ端末200との間の通信を切断し(ステップS36)、一連の処理を終了する(エンド)。
2.2 スレーブ端末
第1〜第Nのスレーブ端末200〜200の各スレーブ端末の構成は、図8に示すマスタ端末100の構成とほぼ同様であり、同一部分については同一符号を付し適宜説明を省略する。但し、スレーブ端末の通信コントローラ及びベースバンドエンジンについてはマスタ端末の構成と異なる。
第1〜第Nのスレーブ端末200〜200の構成は同様であるため、第jのスレーブ端末200の構成について説明する。
2.2.1 通信コントローラ
図21に、スレーブ端末の通信コントローラ及びベースバンドエンジンの構成例のブロック図を示す。
但し、図21において図11と同一部分には同一符号を付し、適宜説明を省略する。スレーブ端末における通信コントローラ410が、マスタ端末100における通信コントローラ400と異なる点は、D/A変換器412を含み、ベースバンドエンジン390からのデジタル信号であるパワー制御信号をアナログ変換してPA202の増幅率を制御できる点である。
図22に、スレーブ端末のベースバンドエンジンの構成例のブロック図を示す。
但し、図22において図16と同一部分には同一符号を付し、適宜説明を省略する。
スレーブ端末のベースバンドエンジン390は、RSSI判定部320、データ処理部340、データ検出部350、利得制御部642、受信データ品質判定部644、出力レベル制御部650、スレーブ制御部(通信制御部)640を含む。
受信データ品質判定部644は、パケットデータの構造を解析し、受信データからアクセスコードを抽出し、予め設定された基準アクセスコードと比較することで、受信データの品質の良否の判定結果を出力できる。或いは受信データ品質判定部644は、パケットのデータのビットエラーレート又はパケットデータ単位のパケットエラーレートを検出し、該ビットエラーレート又はパケットエラーレートが基準エラーレートより高いか低いかで、受信データの品質の良否の判定結果を出力するようにしてもよい。
RSSI判定部320は、通信コントローラ410からのRSSIを、所与の基準レベルと比較して判定する。その判定結果は、利得制御部642に通知される。
利得制御部642は、受信データ品質判定部644の判定結果及びRSSI判定部320の判定結果に基づいて、通信コントローラ410に対し、LNA210の利得を調整するための制御信号(利得制御信号)を生成する。この信号はデジタル2値信号、あるいは多値信号、あるいはPWM(Pulse Width Modulation)形式のような、パルスデューティの変化を持たせたデジタル値を出力して、フィルタで平滑化して任意の電圧を取り出すようにしてもよい。なお、このような利得制御部を、マスタ端末100のベースバンドエンジン300に含ませる構成を採用してもよい。
受信データ処理部342では、マスタ端末100から第jのスレーブ端末200に対して出力レベルを下げるように指示された受信データが検出されたとき、出力レベル制御部650は、該受信データに設定されたマスタ端末100からの指示データに対応したデジタル信号であるパワーセーブ制御信号を通信コントローラ410に出力する。
スレーブ制御部640は、ベースバンドエンジン390の各部の制御を行うと共に、上述のように起動信号PLLcnt、RXfrotncnt、RXcnt、TXcntを生成したり、通信コントローラ410を制御するための制御信号を生成する。
次に、以上のような構成のスレーブ端末の動作について説明する。以下では、理解を容易にするために、優先度の低い第jのスレーブ端末200の動作と、優先度の高い第kのスレーブ端末200の動作とに分けて説明する。
図23に、第jのスレーブ端末200の動作例のフロー図を示す。第jのスレーブ端末200のスレーブ制御部640は、図示しないメモリに格納されたプログラムに従って以下の処理を行う。
まず、第jのスレーブ端末200は、マスタ端末100の探索を行う(ステップS40)。マスタ端末100が存在しないとき(ステップS41:N)、ステップS40に戻る。
ステップS41においてマスタ端末100が存在するとき(ステップS41:Y)、第jのスレーブ端末200は、マスタ端末100との通信経路を確立する(ステップS42)。
そして第jのスレーブ端末200は、そのアクセスコードに対応した通信頻度を設定し(ステップS43)、マスタ端末100から指示されたように送信レベルを低下させるようにパワーセーブ制御信号によりPA202の出力レベルを低下させる(ステップS44)。
その後、マスタ端末100を仲介して第kのスレーブ端末200との間でポイント・ツー・マルチポイント通信を行うために、マスタ端末100との通信を開始する(ステップS45)。第jのスレーブ端末200からの信号に対してマスタ端末100が応答したことを示すACK信号がマスタ端末100から受信されたとき(ステップS46:Y)、ステップS45に戻って通信を継続する。
またステップS46において、マスタ端末100からACK信号が受信されない場合において(ステップS46:N)、通信を継続するときには(ステップS47:Y)ステップS45に戻り、通信を継続しないときには(ステップS47:N)マスタ端末100との通信を切断し(ステップS48)、一連の処理を終了する(エンド)。
図24に、第kのスレーブ端末200の動作例のフロー図を示す。第kのスレーブ端末200のスレーブ制御部640は、図示しないメモリに格納されたプログラムに従って以下の処理を行う。
まず、第kのスレーブ端末200は、マスタ端末100の探索を行う(ステップS50)。マスタ端末100が存在しないとき(ステップS51:N)、ステップS50に戻る。
ステップS51においてマスタ端末100が存在するとき(ステップS51:Y)、第kのスレーブ端末200は、マスタ端末100との通信経路を確立する(ステップS52)。
そして第kのスレーブ端末200は、そのアクセスコードに対応した通信頻度を設定する(ステップS53)。ここで、マスタ端末100との通信開始当初、最高の送信レベルで出力している場合、敢えて出力レベルを変更してマスタ端末100と通信を行うことなく、出力レベルをそのままにマスタ端末100との通信を継続するようにしてもよい。しかし、マスタ端末100との通信開始当初、最高の送信レベルで出力していない場合には、マスタ端末100から指示されたように送信レベルとなるようにパワーセーブ制御信号によりPA202の出力レベルを制御する(ステップS55)。
その後、マスタ端末100を仲介して第jのスレーブ端末200との間でポイント・ツー・マルチポイント通信を行うために、マスタ端末100との通信を開始する(ステップS55)。その後、通信を継続するとき(ステップS56:Y)、ステップS55に戻り、通信を継続しないとき(ステップS56:N)、マスタ端末100との通信を切断し(ステップS57)、一連の処理を終了する(エンド)。
3. アプリケーション例
図25(A)、図25(B)に、本実施形態における通信システムの適用例を示す。
図25(A)の通信システムは、腕時計700、センサ710、携帯電話機720を含む。腕時計700がマスタ端末100として動作し、センサ710が第jのスレーブ端末200として動作し、携帯電話機720が第kのスレーブ端末200として動作する。即ち、センサ710は、定期的に高い通信頻度で、温度情報(気温や体温)や湿度情報、生体情報(脈拍、血圧)などを腕時計700に通知する。腕時計700は、温度情報、湿度情報や生体情報を取得して、表示する機能を有する。また携帯電話機720は、不定期に少ない通信頻度で、着信があったことを腕時計700に通知する。腕時計700は、携帯電話機720に着信があったとき、その旨を通知することができる。
この通信システムでは、センサ710の通信データが携帯電話機720からの通信データと衝突して、センサ710の通信データを取得できない場合には、腕時計700において、センサからの情報を前後の情報を用いて補間して表示等を行ってもよい。この場合、優先度の高いスレーブ端末からの信号と他のスレーブ端末からの信号の受信タイミングが同一のとき、マスタ端末が、他のスレーブ端末からの信号に基づく受信処理結果を補完するということができる。
図25(B)の通信システムは、腕時計740、自動車内の車載装置(カーナビゲーションシステム等)760、携帯電話機750を含む。腕時計740がマスタ端末100として動作し、車載装置760が第jのスレーブ端末200として動作し、携帯電話機750が第kのスレーブ端末200として動作する。即ち、車載装置760は、定期的に高い通信頻度で、カーナビゲーションシステムで取得される位置情報や目的地までの距離情報などを腕時計740に通知する。腕時計740は、車載装置760からの情報を取得して、表示する機能を有する。また携帯電話機750は、不定期に少ない通信頻度で、着信があったことを腕時計740に通知する。腕時計740は、携帯電話機750に着信があったとき、その旨を通知することができる。
なお、本発明は上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。なお本実施形態では、マスタ端末が2つのスレーブ端末と同時接続される場合を例に説明したが、これに限定されるものではなく、マスタ端末3以上のスレーブ端末と同時接続される場合も同様に適用できる。
また本実施形態では、マスタ端末の構成とスレーブ端末の構成とを異ならせているが、1つの通信装置にマスタ端末及びスレーブ端末の構成を含ませ、所与のモード切り替え機構でマスタ端末として動作させたり、スレーブ端末として動作させるようにしてもよい。
また、本発明のうち従属請求項に係る発明においては、従属先の請求項の構成要件の一部を省略する構成とすることもできる。また、本発明の1の独立請求項に係る発明の要部を、他の独立請求項に従属させることもできる。
本実施形態におけるポイント・ツー・マルチポイント型の通信システムの構成の概要を示す図。 図1の通信システムの動作の概要の説明図。 図3(A)はマスタ端末、第j及び第kのスレーブ端末の一般的な構成を示す図。図3(B)はマスタ端末、第j及び第kのスレーブ端末の各端末の消費電流の種類を模式的に示す図。 本実施形態の比較例における通信システムの消費電流の説明図。 本実施形態における通信システムの消費電流の説明図。 本実施形態におけるスレーブ端末の出力レベルの説明図。 本実施形態における第j及び第kのスレーブ端末の通信状態の一例を模式的示す図。 本実施形態におけるマスタ端末の構成例のブロック図。 本実施形態における通信データの説明図。 図10(A)、図10(B)は本実施形態における通信システムの同期制御の一例の説明図。 図8の通信コントローラ及びベースバンドエンジンの構成例のブロック図。 図11のLNAの構成例のブロック図。 図11の小信号増幅回路の構成例のブロック図。 図11のリミッタ回路の構成例のブロック図。 図11の通信コントローラへの起動信号の説明図。 図11のベースバンドエンジンの構成例のブロック図。 ID判定テーブルの一例を示す図。 本実施形態におけるマスタ端末の動作例のフロー図。 図18の第kのスレーブ端末の優先処理のフローの一例を示す図。 図18の第jのスレーブ端末の優先処理のフローの一例を示す図。 本実施形態における第jのスレーブ端末の通信コントローラ及びベースバンドエンジンの構成例のブロック図。 図21のベースバンドエンジンの構成例のブロック図。 本実施形態における第jのスレーブ端末の動作例のフロー図。 本実施形態における第kのスレーブ端末の動作例のフロー図。 図25(A)、図25(B)は、本実施形態における通信システムの適用例を示す図。
符号の説明
10 通信システム、 100 マスタ端末、
200〜200 第1〜第Nのスレーブ端末、 300 ベースバンドエンジン、
810 ホストプロセッサ、 820 ROM、 830 RAM、
860 音声コーデック、 870 D/A変換器、 880 スピーカ、
890 マイク

Claims (16)

  1. マスタ端末と複数のスレーブ端末とを有するポイント・ツー・マルチポイント型の通信システムの制御方法であって、
    前記マスタ端末が、前記複数のスレーブ端末の各スレーブ端末によって送信された信号を前記マスタ端末が受信する受信タイミングが同一になるように、各スレーブ端末の信号の送出タイミングを指定し、
    前記マスタ端末が、2以上のスレーブ端末によってスペクトラム拡散をかけることなく送信された信号からいずれか1つの信号を抽出して該信号に基づいて所与の受信処理を行うことで、前記マスタ端末を間欠的に動作させることを特徴とする通信システムの制御方法。
  2. 請求項1において、
    前記マスタ端末が、2以上のスレーブ端末によって送信された信号から、予め決められた優先順位に従って優先度の最も高いスレーブ端末からの信号を抽出して該信号に基づいて所与の受信処理を行うことで、前記マスタ端末を間欠的に動作させることを特徴とする通信システムの制御方法。
  3. 請求項1又は2において、
    前記2以上のスレーブ端末によって送信された信号が周期的に送出される場合に、その送出頻度が最も低いスレーブ端末が、優先度の最も高いスレーブ端末であることを特徴とする通信システムの制御方法。
  4. 請求項1乃至3のいずれかにおいて、
    前記複数のスレーブ端末のうち優先度の最も高いスレーブ端末からの信号の受信レベルが、他のスレーブ端末からの信号の受信レベルより高くなるように、前記マスタ端末が各スレーブ端末に信号の送信レベルを指定することを特徴とする通信システムの制御方法。
  5. 請求項4において、
    前記マスタ端末が、
    前記他のスレーブ端末からの信号の受信レベルに応じて、前記他のスレーブ端末の各スレーブ端末に信号の送信レベルを指定することを特徴とする通信システムの制御方法。
  6. 請求項4又は5において、
    前記他のスレーブ端末からの信号の受信レベルが、前記優先度の最も高いスレーブ端末からの信号の受信レベルより少なくとも10デシベル低いことを特徴とする通信システムの制御方法。
  7. 請求項6において、
    前記他のスレーブ端末からの信号の受信レベルが、所与の最低レベル以上であることを特徴とする通信システムの制御方法。
  8. 請求項1乃至7のいずれかにおいて、
    前記優先度の高いスレーブ端末からの信号と前記他のスレーブ端末からの信号の受信タイミングが同一のとき、前記マスタ端末が、前記他のスレーブ端末からの信号に基づく受信処理結果を補完することを特徴とする通信システムの制御方法。
  9. ポイント・ツー・マルチポイント型の通信システムのマスタ端末として動作する通信装置であって、
    前記通信システムの複数のスレーブ端末の各スレーブ端末の信号の送出タイミングを制御するスレーブ端末制御部と、
    2以上のスレーブ端末によって送信された信号から、いずれか1つの信号を抽出して該信号に基づいて所与の受信処理を行う受信データ処理部とを含み、
    前記スレーブ端末制御部が、
    各スレーブ端末によって送信された信号を前記通信装置が受信する受信タイミングが同一になるように、各スレーブ端末の信号の送出タイミングを指定し、
    少なくとも前記受信データ処理部が、前記受信タイミングの前後の所与の期間だけ動作する間欠動作を行うことを特徴とする通信装置。
  10. 請求項9において、
    前記受信データ処理部が、
    2以上のスレーブ端末によって送信された信号から、予め決められた優先順位に従って優先度の最も高いスレーブ端末からの信号を抽出して該信号に基づいて所与の受信処理を行うことを特徴とする通信装置。
  11. 請求項9又は10において、
    前記2以上のスレーブ端末によって送信された信号が周期的に送出される場合に、その送出頻度が最も低いスレーブ端末が、優先度の最も高いスレーブ端末であることを特徴とする通信装置。
  12. 請求項9乃至11のいずれかにおいて、
    前記複数のスレーブ端末のうち優先度の最も高いスレーブ端末からの信号の受信レベルが、他のスレーブ端末からの信号の受信レベルより高くなるように、前記マスタ端末が各スレーブ端末に信号の送信レベルを指定することを特徴とする通信装置。
  13. 請求項12において、
    前記スレーブ端末制御部が、
    前記他のスレーブ端末からの信号の受信レベルに応じて、前記他のスレーブ端末の各スレーブ端末に信号の送信レベルを指定することを特徴とする通信装置。
  14. 請求項12又は13において、
    前記他のスレーブ端末からの信号の受信レベルが、前記優先度の最も高いスレーブ端末からの信号の受信レベルより10デシベル低いことを特徴とする通信装置。
  15. 請求項14において、
    前記他のスレーブ端末からの信号の受信レベルが、所与の最低レベル以上であることを特徴とする通信装置。
  16. ポイント・ツー・マルチポイント型の通信システムであって、
    マスタ端末として動作する請求項9乃至15のいずれか記載の通信装置と、
    各スレーブ端末が前記通信装置との間で通信を行う複数のスレーブ端末とを含み、
    前記通信装置が、
    前記複数のスレーブ端末の各スレーブ端末によって送信された信号を前記通信装置が受信する受信タイミングが同一になるように、各スレーブ端末の信号の送出タイミングを指定することを特徴とする通信システム。
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