JP2007188911A - 半導体装置と半導体装置の製造方法 - Google Patents
半導体装置と半導体装置の製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2007188911A JP2007188911A JP2006003106A JP2006003106A JP2007188911A JP 2007188911 A JP2007188911 A JP 2007188911A JP 2006003106 A JP2006003106 A JP 2006003106A JP 2006003106 A JP2006003106 A JP 2006003106A JP 2007188911 A JP2007188911 A JP 2007188911A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- insulating film
- wiring
- barrier metal
- semiconductor device
- recess
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
Images
Abstract
【課題】配線間のリーク電流の経時劣化(BTS不良)を防止し、半導体装置の動作不良を低減することを目的とする。
【解決手段】層間絶縁膜中にCu溝配線を有する半導体装置の製造方法において、表面のバリアメタル面の高さをCu面よりも低くしてリセス101を形成し、リセス101を完全に埋め込むようにCuに対するバリア絶縁膜を堆積することで、配線表面のバリアメタル領域を除去した分、配線間のリークパス6が従来に比べ長く、かつリセス101部分の絶縁膜にはCMPによるダメージが入っていないので、リークの原因となるような欠陥が少ないため、BTS不良を防止し、半導体装置の動作不良を低減することができる。
【選択図】図1
【解決手段】層間絶縁膜中にCu溝配線を有する半導体装置の製造方法において、表面のバリアメタル面の高さをCu面よりも低くしてリセス101を形成し、リセス101を完全に埋め込むようにCuに対するバリア絶縁膜を堆積することで、配線表面のバリアメタル領域を除去した分、配線間のリークパス6が従来に比べ長く、かつリセス101部分の絶縁膜にはCMPによるダメージが入っていないので、リークの原因となるような欠陥が少ないため、BTS不良を防止し、半導体装置の動作不良を低減することができる。
【選択図】図1
Description
本発明は半導体装置、特にCu溝配線を有する半導体装置とその製造方法に関するものである。
0.25um以降の加工寸法を用いる半導体装置においては、配線間隔が狭くなってきたため、配線間に生じる電気寄生容量が増大してきている。このRC遅延による遅延時間がトランジスタのオンオフに必要な時間に比べ、無視できないようになってきた。そのため、微細化を進める上で、配線間の電気寄生容量を小さくすることが必要とされている。
配線間の電気寄生容量を低減させるためには、同じ層内の配線間、違う配線層間の層間絶縁膜の比誘電率を低減させることが必要である。0.13umデバイスからは配線金属をAlからCuに変更することにより、配線抵抗値の低減が行われている。Cu配線においては、Cuは熱拡散、電界拡散により、層間絶縁膜中をCuが拡散して配線間リーク増加させるという問題を有するため、バリア絶縁膜でCu配線の回りを覆う必要がある。Cu配線ではダマシンプロセスが一般に用いられており、90nmデバイスではCu配線の側壁と下部はTaN,Ta等の導電性のバリアメタル、上部は導電性のない比誘電率4.5〜5.0程度のSiCN絶縁膜がバリア絶縁膜として用いられている。
以下、図6を用いて従来の半導体装置におけるバリア絶縁膜形成工程を説明する。
図6は従来の半導体装置におけるバリア絶縁膜形成工程を示す工程断面図であり、90nmデバイス以降の多層配線を有する従来の半導体装置の製造方法である。
図6は従来の半導体装置におけるバリア絶縁膜形成工程を示す工程断面図であり、90nmデバイス以降の多層配線を有する従来の半導体装置の製造方法である。
まず、図6(a)に示すように、シリコン基板(図示せず)に層間絶縁膜として形成された600nm厚のSiOC1中に深さ300nmの配線溝2が形成される。SiOC1膜は比誘電率3.0前後のいわゆるlow−k膜である。次に、図6(b)に示すように、バリアメタルとしてTaN3が15nm主としてスパッタ法で堆積され、さらに、TaN3上に、Cu4がスパッタ法で70nm、電解メッキ法にて500nm堆積される。この後、図6(c)のようにCMP法にて配線以外の領域でSiOC1が露出するまで研磨し、配線領域以外のCu4とTaN3を除く。この時、Cuの表面は酸化しているため、NH3プラズマ等の還元処理を行った後、図6(d)で示すように上部層間絶縁膜(図示せず)へのCu拡散を防ぐためのバリア絶縁膜としてSiCN5がプラズマCVD法により堆積される。以後、図6(a)〜(d)を繰り返し、半導体基板上にCu溝配線を有する多層配線が形成される。SiOC1中には配線溝2以外にも、下層の配線溝2と配線溝2を接続するためのヴィアホールを形成する場合もある。この場合、下層の配線と電気的接続を取るためTaN3堆積前にヴィアホール底をクリーニングするため、水素雰囲気でのアニールが一般に行われる。この時、有機物が残っていた場合は、これを物理的に除去する必要があるのでArで半導体装置をスパッタした後TaN3をスパッタ法により堆積する場合もある。この場合、配線溝2の角部のSiOC1はArスパッタにより優先的に除去されるため、角部は配線外側に向かい斜めに広がりやすい。あるいは、TaN3をスパッタでカバレッジよく堆積するためには配線溝2の側壁に角度をつけ、配線溝2を上部が広い台形状にすることも行われる(例えば、特許文献1参照)。
特開2001−210644号公報
しかし、上記Cu配線プロセスでは、Cu配線間に高温で電界をかけ続けるとCuイオンが層間絶縁膜中を拡散し配線間のリーク電流が増加するという(BTS(Bias Temperature Stress)試験不良)問題がある。実際にはリーク電流の経路としては、CMPによるダメージを受けた層間絶縁膜表面とバリア絶縁膜の界面がリークパスになっているという指摘がある(J. Noguchi et al, Proc. IRPS, p.339 (2000))。CMPによるダメージを受けた層間絶縁膜表面には酸素や水分が残りやすく、界面の酸素や水分と接触するとCuは酸化しやすい(CuO+H2O→Cu(OH)Cu++OH−)。トラップされた水分に電界や熱が加わるとCuはイオン化と絶縁膜中を移動する推進力を得る。図6(d)では、SiCN5とSiOC1の間のリークパス6部分がリークパスとなる。半導体装置において、配線間リーク電流が経時増加すると、例えば、所定の回路の電圧が上昇しない、ないしは、待機時の電流ロスが大きくなるという問題が発生し、半導体装置が動作不良をおこすという問題がある。また、バリアメタル堆積前にArスパッタ処理を行った場合や、配線溝の側壁を斜めになるように(テーパーエッチ)ドライエッチングした場合には、配線間の距離が短くなり、リークパス6が短くなるので、半導体装置の動作不良がさらに起こりやすくなる。
以上の問題点を解決するために、本発明の半導体装置および半導体装置の製造方法は、配線間のリーク電流の経時劣化(BTS不良)を防止し、半導体装置の動作不良を低減することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1記載の半導体装置の製造方法は、配線を備える1または複数の絶縁膜を基板上に積層して成る半導体装置の配線層を形成するに際し、前記基板上に前記絶縁膜を堆積する工程と、前記絶縁膜に配線溝を形成する工程と、前記配線溝を含む前記絶縁膜表面に第1のバリアメタルを堆積する工程と、前記配線溝を充填するように導電体を堆積する工程と、前記配線溝上以外の前記第1のバリアメタルおよび前記導電体とを除去して平坦化する工程と、前記第1のバリアメタルの上端部分を除去してリセスを形成する工程と、前記リセス,前記導電体の上面および前記絶縁膜の上面とにバリア絶縁膜を堆積する工程とを有することを特徴とする。
請求項2記載の半導体装置の製造方法は、配線を備える1または複数の絶縁膜を基板上に積層して成る半導体装置の配線層を形成するに際し、前記基板上に前記絶縁膜を堆積する工程と、前記絶縁膜に配線溝を形成する工程と、前記配線溝を含む前記絶縁膜表面に第1のバリアメタルを堆積する工程と、前記第1のバリアメタル上および側壁に第2のバリアメタルを堆積する工程と、前記配線溝を充填するように導電体を堆積する工程と、前記配線溝上以外の前記第1のバリアメタル,前記第2のバリアメタルおよび前記導電体とを除去して平坦化する工程と、前記第1のバリアメタルの上端部分を除去してリセスを形成する工程と、前記リセス,前記導電体の上面および前記絶縁膜の上面とにバリア絶縁膜を堆積する工程とを有することを特徴とする。
請求項3記載の半導体装置の製造方法は、請求項1または請求項2のいずれかに記載の半導体装置の製造方法において、前記バリア絶縁膜を堆積する際に、供給律速状態で堆積することにより、前記リセス部にボイドを有する前記バリア絶縁膜を形成することを特徴とする。
請求項4記載の半導体装置の製造方法は、請求項3記載の半導体装置の製造方法において、前記供給律速状態での堆積による前記バリア絶縁膜の形成として、成膜圧を100Pa以下にして前記バリア絶縁膜を形成することを特徴とする。
請求項5記載の半導体装置の製造方法は、請求項1〜4のいずれかに記載の半導体装置の製造方法において、前記バリア絶縁膜の堆積をSPIN−ON法で行うことを特徴とする。
請求項6記載の半導体装置の製造方法は、配線を備える1または複数の絶縁膜を基板上に積層して成る半導体装置の配線層を形成するに際し、前記基板上に前記絶縁膜を堆積する工程と、前記絶縁膜に配線溝を形成する工程と、前記配線溝を含む前記絶縁膜表面に第1のバリアメタルを堆積する工程と、前記配線溝を充填するように導電体を堆積する工程と、前記配線溝上以外の前記第1のバリアメタルおよび前記導電体とを除去して平坦化する工程と、前記第1のバリアメタルの上端部分を除去してリセスを形成する工程と、前記リセスおよび前記導電体の上面に第3のバリアメタルを堆積する工程とを有することを特徴とする。
請求項7記載の半導体装置の製造方法は、配線を備える1または複数の絶縁膜を基板上に積層して成る半導体装置の配線層を形成するに際し、前記基板上に前記絶縁膜を堆積する工程と、前記絶縁膜に配線溝を形成する工程と、前記配線溝を含む前記絶縁膜表面に第1のバリアメタルを堆積する工程と、前記第1のバリアメタル上および側壁に第2のバリアメタルを堆積する工程と、前記配線溝を充填するように導電体を堆積する工程と、前記配線溝上以外の前記第1のバリアメタル,前記第2のバリアメタルおよび前記導電体とを除去して平坦化する工程と、前記第1のバリアメタルの上端部分を除去してリセスを形成する工程と、前記リセス,前記第2のバリアメタルおよび前記導電体の上面に第3のバリアメタルを堆積する工程とを有することを特徴とする。
請求項8記載の半導体装置は、基板上に1または複数層積層される絶縁膜と、前記絶縁膜上に形成されて表面角部がリセス状の配線溝と、前記配線溝の底面及び前記リセスより下の側面に形成された第1のバリアメタルと、前記配線溝に充填される導電体と、前記リセス,前記導電体の上面および前記絶縁膜の上面とに堆積されたバリア絶縁膜とを有し、前記配線溝の側面における前記第1のバリアメタルの上端面は前記絶縁膜の上面及び前記導電体の上面よりも低いことを特徴とする。
請求項9記載の半導体装置は、基板上に1または複数層積層される絶縁膜と、前記絶縁膜上に形成されて表面角部がリセス状の配線溝と、前記配線溝の底面及び前記リセスより下の側面に形成された第1のバリアメタルと、前記第1のバリアメタル上および側面に形成された第2のバリアメタルと、前記配線溝に充填される導電体と、前記リセス,前記導電体の上面および前記絶縁膜の上面とに堆積されたバリア絶縁膜とを有し、前記配線溝の側面における前記第1のバリアメタルの上端面は前記絶縁膜の上面及び前記導電体の上面よりも低いことを特徴とする。
請求項10記載の半導体装置は、請求項8または請求項9のいずれかに記載の半導体装置において、前記リセスにボイドが形成されることを特徴とする。
請求項11記載の半導体装置は、請求項8〜10のいずれかに記載の半導体装置において、前記バリア絶縁膜の上面が平坦であることを特徴とする。
請求項11記載の半導体装置は、請求項8〜10のいずれかに記載の半導体装置において、前記バリア絶縁膜の上面が平坦であることを特徴とする。
請求項12記載の半導体装置は、基板上に1または複数層積層される絶縁膜と、前記絶縁膜上に形成されて表面角部がリセス状の配線溝と、前記配線溝の底面及び前記リセスより下の側面に形成された第1のバリアメタルと、前記配線溝に充填される導電体と、前記リセスおよび前記導電体の上面とに堆積された第3のバリアメタルとを有し、前記配線溝の側面における前記第1のバリアメタルの上端面は前記絶縁膜の上面及び前記導電体の上面よりも低いことを特徴とする。
請求項13記載の半導体装置は、基板上に1または複数層積層される絶縁膜と、前記絶縁膜上に形成されて表面角部がリセス状の配線溝と、前記配線溝の底面及び前記リセスより下の側面に形成された第1のバリアメタルと、前記第1のバリアメタル上および側面に形成された第2のバリアメタルと、前記配線溝に充填される導電体と、前記リセスおよび前記導電体の上面とに堆積された第3のバリアメタルとを有し、前記配線溝の側面における前記第1のバリアメタルの上端面は前記絶縁膜の上面及び前記導電体の上面よりも低いことを特徴とする。
請求項14記載の半導体装置は、請求項8〜13のいずれかに記載の半導体装置において、前記伝導体が銅または銅を含む合金から成ることを特徴とする。
以上により、配線間のリーク電流の経時劣化(BTS不良)を防止し、半導体装置の動作不良を低減することができる。
以上により、配線間のリーク電流の経時劣化(BTS不良)を防止し、半導体装置の動作不良を低減することができる。
以上のように本発明の半導体装置および半導体装置の製造方法は、絶縁膜中にCu溝配線を有する半導体装置の製造方法において、Cu−CMP後、Cu配線側壁のバリアメタル上部のみを除去し、表面のバリアメタル面の高さをCu面よりも低くしリセスを形成する工程と、リセスを完全に埋め込むようにCuに対するバリア絶縁膜を堆積する工程を有することで、Cu配線側壁のバリアメタル部がCu、絶縁膜表面より低いリセスを有し、そのリセス内全てがバリア絶縁膜で埋め込まれていることにより、配線表面のバリアメタル領域を除去した分、配線間のリークパスが従来に比べ長く、かつリセス部分の絶縁膜にはCMPによるダメージが入っていないので、リークの原因となるような欠陥が少ないため、BTS不良を防止し、半導体装置の動作不良を低減することができる。
また、リセスを完全に埋め込むようにCuに対するバリア絶縁膜を堆積する工程において、リセス中のバリア絶縁膜内にボイドを形成する工程を有することで、Cu配線側壁のバリアメタル部がCu、絶縁膜表面より低いリセスを有し、そのリセス内バリア絶縁膜内にボイドを有することにより、リセス中に比誘電率1のボイド部分が形成され、配線間容量がより小さくなり、配線遅延の少ない高速動作可能な半導体装置が得られる。また、配線間のリークパスが従来に比べ長く、かつリセス部分の絶縁膜にはCMPによるダメージが入っていないので、リークの原因となるような欠陥が少ないため、BTS不良を防止し、半導体装置の動作不良を低減することができる。
また、リセスを完全に埋め込むようにSPIN−ON法でバリア絶縁膜を堆積する工程を有することで、Cu配線側壁のバリアメタル部がCu、絶縁膜表面より低いリセスを形成していても、そのリセス内全てがバリア絶縁膜で埋め込まれており、バリア絶縁膜表面が平坦となるため、リセスの上でも絶縁膜堆積後にリセスがなくなり、上層配線をCMPで形成する際にTaN,Cuの研磨残りがなく、歩留まりが高くなる。また、配線間のリークパスが従来に比べ長く、かつTaNをエッチングして形成したリセス部分のSiOC1にはCMPによるダメージが入っていないので、BTS不良を防止し、半導体装置の動作不良を低減することができる。
また、Cu配線側壁のバリアメタルを2層で形成する工程を有し、配線の外側のバリアメタル層のみその表面の高さをCu面よりも低くしリセスを形成する工程と、リセスを完全に埋め込むようにCuに対するバリア絶縁膜を堆積する工程を有することで、Cu配線側壁のバリアメタルが2層構造を有し、外側のバリアメタル層のみに形成したリセス内全てがバリア絶縁膜で埋め込まれているため、配線間のリークパスが従来に比べ長く、かつTaNをエッチングして形成したリセス部分のSiOC1にはCMPによるダメージが入っていないので、BTS不良を防止し、半導体装置の動作不良を低減することができ、Cu側面に接したバリアメタル層により、さらにCuの拡散を防ぐことができ、よりBTS不良を抑制することができる。
さらに、バリア絶縁膜を堆積する代わりにCu表面に第2のバリアメタル膜を選択的に堆積する工程により、Cu配線側壁のバリアメタル表面にリセスを有し、Cu、バリアメタル表面に第2のバリアメタル層を有する半導体装置を提供することにより、配線表面のバリアメタル領域を除去してリセスを形成した分、配線間のリークパスは従来例に比べ長く、また、バリアメタルをエッチングして形成したリセス部分の絶縁膜側壁にはCMPによるダメージが入っていないので、リークの原因となるような欠陥が少ないため、高温電界印加時の配線間のリーク電流(BTS不良)が少ない半導体装置が得られる。また、CoWP等の選択メタル堆積法は横方向の成長により、配線間の距離が短くなり、同一電界下での配線間のリーク電流が実質増加してしまうという問題もあるが、本発明ではリセスを形成した分、CoWP等が横方向に成長するのを抑制することができる。この点からも本発明はBTS不良の防止に効果がある。
(第1の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態における半導体装置および半導体装置の製造方法について、図1を参照しながら説明する。
本発明の第1の実施の形態における半導体装置および半導体装置の製造方法について、図1を参照しながら説明する。
図1は第1の実施の形態における半導体装置の製造方法を説明する工程断面図である。
まず、図1(a)に示すように、シリコン基板(図示せず)に層間絶縁膜として形成された600nm厚のSiOC1中に深さ300nmの配線溝2が形成される。SiOC膜1は比誘電率3.0前後のいわゆるlow−k膜である。次に、図1(b)に示すように、ヴィアホール(図示せず)や配線溝底部に残っている有機物等を除去するために、半導体装置を熱酸化膜換算で2nmのエッチング量でAr逆スパッタエッチングを行う。この場合、配線溝2の角部のSiOC1はArスパッタにより優先的に除去されるため、角部は配線外側に向かい斜めに広がりやすい。つまり、TaN3スパッタの前処理としてArスパッタを用いると、後に形成するバリア絶縁膜と層間絶縁膜の界面を経路とする配線間の距離は実際に配線溝で規定した距離より短くなり、配線間リーク電流の問題が起こりやすくなる。次に、バリアメタルとしてTaN3を15nm主としてスパッタ法で堆積し、さらに、Cu4をスパッタ法で70nmと電解メッキ法にて500nm堆積する。この後、図1(c)のようにCMP法にて配線以外の領域でSiOC1が露出するまで研磨し、配線領域外のCu4とTaN3を除いてCu配線を形成する。次に、図1(d)で示すように、TaN3のみを30nm深さまでNH4OH+H2O2+H2OまたはHNO3+HF+H2Oの混合液でウエットエッチしてリセスを形成する。この後、Cuの表面は図1(c)の工程後、酸化しているため、NH3プラズマ等の還元処理を行った後、図1(e)で示すように上部絶縁膜(図示せず)へのCu拡散を防ぐためのバリア絶縁膜としてSiCN5がプラズマCVD法により堆積される。以後、図1(a)〜(e)を繰り返し、半導体基板上にCu溝配線を有する多層配線が形成される。
まず、図1(a)に示すように、シリコン基板(図示せず)に層間絶縁膜として形成された600nm厚のSiOC1中に深さ300nmの配線溝2が形成される。SiOC膜1は比誘電率3.0前後のいわゆるlow−k膜である。次に、図1(b)に示すように、ヴィアホール(図示せず)や配線溝底部に残っている有機物等を除去するために、半導体装置を熱酸化膜換算で2nmのエッチング量でAr逆スパッタエッチングを行う。この場合、配線溝2の角部のSiOC1はArスパッタにより優先的に除去されるため、角部は配線外側に向かい斜めに広がりやすい。つまり、TaN3スパッタの前処理としてArスパッタを用いると、後に形成するバリア絶縁膜と層間絶縁膜の界面を経路とする配線間の距離は実際に配線溝で規定した距離より短くなり、配線間リーク電流の問題が起こりやすくなる。次に、バリアメタルとしてTaN3を15nm主としてスパッタ法で堆積し、さらに、Cu4をスパッタ法で70nmと電解メッキ法にて500nm堆積する。この後、図1(c)のようにCMP法にて配線以外の領域でSiOC1が露出するまで研磨し、配線領域外のCu4とTaN3を除いてCu配線を形成する。次に、図1(d)で示すように、TaN3のみを30nm深さまでNH4OH+H2O2+H2OまたはHNO3+HF+H2Oの混合液でウエットエッチしてリセスを形成する。この後、Cuの表面は図1(c)の工程後、酸化しているため、NH3プラズマ等の還元処理を行った後、図1(e)で示すように上部絶縁膜(図示せず)へのCu拡散を防ぐためのバリア絶縁膜としてSiCN5がプラズマCVD法により堆積される。以後、図1(a)〜(e)を繰り返し、半導体基板上にCu溝配線を有する多層配線が形成される。
本発明では、配線表面のTaN3領域を除去した分、Arスパッタにより広がった配線溝2の角部に形成されたTaN3を除去し、除去した領域にSiCN5を堆積することになるため、バリア絶縁膜と層間絶縁膜の界面を経路とする配線間のリークパス6が長く、かつ、TaN3をエッチングして形成したリセス101部分のSiOC1にはCMPによるダメージが入っていないので、リークの原因となるような欠陥が少ないため、高温電界印加時の配線間のリーク電流(BTS不良)を防止し、半導体装置の動作不良を低減することができる。
さらに、本発明では、リセス部分において、バリアメタルTaN3にかわりSiCN5バリア絶縁膜が形成されるので、配線間容量が低下する効果もある。
(第2の実施の形態)
本発明の第2の実施の形態について、図2を参照しながら説明する。
(第2の実施の形態)
本発明の第2の実施の形態について、図2を参照しながら説明する。
図2は第2の実施の形態における半導体装置の製造方法を説明する工程断面図である。
まず、図2(a)に示すように、シリコン基板(図示せず)に形成された600nm厚のSiOC1中に深さ300nmの配線溝2が形成される。SiOC1膜は比誘電率3.0前後のいわゆるlow−k膜である。次に、図2(b)に示すように、ヴィアホール(図示せず)や配線溝底部に残っている有機物等を除去するために、半導体装置を、Arを用い熱酸化膜除去換算で2nmスパッタエッチする。次に、バリアメタルとしてTaN3を15nm主としてスパッタ法で堆積し、次に、Cu4をスパッタ法で70nmと電解メッキ法にて500nm堆積する。この後、図2(c)のようにCMP法にて配線以外の領域でSiOC1が露出するまで研磨し、配線領域外のCu4とTaN3を除いてCu配線を形成する。次に、図2(d)で示すように、TaN3のみを30nm深さまでNH4OH+H2O2+H2OまたはHNO3+HF+H2Oの混合液でウエットエッチし、リセス101を形成する。次に、Cuの表面は図2(c)の工程後、酸化しているため、NH3プラズマ等の還元処理を行った後、図2(e)で示すように上部絶縁膜(図示せず)へのCu拡散を防ぐためのバリア絶縁膜としてSiCN5がプラズマCVD法により堆積される。本発明の特徴は、SiCN5を堆積する際に段差被覆性の悪い条件で堆積することにより、リセス101中にボイドを形成することである。例えば、通常のSiCN絶縁膜CVDでは、200Paから1000Pa程度の圧力で成膜されるが、この成膜時の圧力を100Pa以下にすることにより、供給律速状態での成膜となり段差被覆が劣化する。以後、図2(a)〜(e)を繰り返し、半導体基板上にCu溝配線を有する多層配線が形成される。
まず、図2(a)に示すように、シリコン基板(図示せず)に形成された600nm厚のSiOC1中に深さ300nmの配線溝2が形成される。SiOC1膜は比誘電率3.0前後のいわゆるlow−k膜である。次に、図2(b)に示すように、ヴィアホール(図示せず)や配線溝底部に残っている有機物等を除去するために、半導体装置を、Arを用い熱酸化膜除去換算で2nmスパッタエッチする。次に、バリアメタルとしてTaN3を15nm主としてスパッタ法で堆積し、次に、Cu4をスパッタ法で70nmと電解メッキ法にて500nm堆積する。この後、図2(c)のようにCMP法にて配線以外の領域でSiOC1が露出するまで研磨し、配線領域外のCu4とTaN3を除いてCu配線を形成する。次に、図2(d)で示すように、TaN3のみを30nm深さまでNH4OH+H2O2+H2OまたはHNO3+HF+H2Oの混合液でウエットエッチし、リセス101を形成する。次に、Cuの表面は図2(c)の工程後、酸化しているため、NH3プラズマ等の還元処理を行った後、図2(e)で示すように上部絶縁膜(図示せず)へのCu拡散を防ぐためのバリア絶縁膜としてSiCN5がプラズマCVD法により堆積される。本発明の特徴は、SiCN5を堆積する際に段差被覆性の悪い条件で堆積することにより、リセス101中にボイドを形成することである。例えば、通常のSiCN絶縁膜CVDでは、200Paから1000Pa程度の圧力で成膜されるが、この成膜時の圧力を100Pa以下にすることにより、供給律速状態での成膜となり段差被覆が劣化する。以後、図2(a)〜(e)を繰り返し、半導体基板上にCu溝配線を有する多層配線が形成される。
本実施例では、リセス内のSiCN膜中に比誘電率が1であるボイドが形成されるので、従来技術および第1の実施の形態よりも配線間容量を低減することが出来、配線遅延の少ない高速動作可能な半導体装置が得られる。
また、配線間のリークパス6は第1の実施の形態と同様に図6に比べ長く、かつTaNをエッチングして形成したリセス部分のSiOC1にはCMPによるダメージが入っていないので、リークの原因となるような欠陥が少ないため、BTS不良を防止し、半導体装置の動作不良を低減することができる。
(第3の実施の形態)
本発明の第3の実施の形態について、図3を参照しながら説明する。
(第3の実施の形態)
本発明の第3の実施の形態について、図3を参照しながら説明する。
図3は第3の実施の形態における半導体装置の製造方法を説明する工程断面図である。
まず、図3(a)に示すように、シリコン基板(図示せず)に形成された600nm厚のSiOC1中に深さ300nmの配線溝2が形成される。SiOC膜は比誘電率3.0前後のいわゆるlow−k膜である。次に、図3(b)に示すように、ヴィアホール(図示せず)や配線溝底部に残っている有機物等を除去するために、半導体装置を、Arを用い熱酸化膜除去換算で2nmスパッタエッチする。次に、バリアメタルとしてTaN3を15nm主としてスパッタ法で堆積し、次に、Cu4をスパッタ法で70nmと電解メッキ法にて500nm堆積する。この後、図3(c)のようにCMP法にて配線以外の領域でSiOC1が露出するまで研磨し、配線領域外のCu4とTaN3を除いてCu配線を形成する。次に、図3(d)で示すように、TaN3のみを30nm深さまでNH4OH+H2O2+H2OまたはHNO3+HF+H2Oの混合液でウエットエッチし、リセス101を形成する。次に、Cuの表面は図3(c)の工程後、酸化しているため、NH3プラズマ等の還元処理を行った後、図3(e)で示すように上部絶縁膜(図示せず)へのCu拡散を防ぐためのSiCN5をSPIN−ON法にて堆積する。この方法は半導体装置上に液体材料を滴下し、回転することにより均一な膜を形成するという、いわゆる塗布法なので、プラズマCVD法とは異なり、リセス101の上でもSiCN5は凹みをつくらないという利点がある。以後、図3(a)〜(e)を繰り返し、半導体基板上にCu溝配線を有する多層配線が形成される。
まず、図3(a)に示すように、シリコン基板(図示せず)に形成された600nm厚のSiOC1中に深さ300nmの配線溝2が形成される。SiOC膜は比誘電率3.0前後のいわゆるlow−k膜である。次に、図3(b)に示すように、ヴィアホール(図示せず)や配線溝底部に残っている有機物等を除去するために、半導体装置を、Arを用い熱酸化膜除去換算で2nmスパッタエッチする。次に、バリアメタルとしてTaN3を15nm主としてスパッタ法で堆積し、次に、Cu4をスパッタ法で70nmと電解メッキ法にて500nm堆積する。この後、図3(c)のようにCMP法にて配線以外の領域でSiOC1が露出するまで研磨し、配線領域外のCu4とTaN3を除いてCu配線を形成する。次に、図3(d)で示すように、TaN3のみを30nm深さまでNH4OH+H2O2+H2OまたはHNO3+HF+H2Oの混合液でウエットエッチし、リセス101を形成する。次に、Cuの表面は図3(c)の工程後、酸化しているため、NH3プラズマ等の還元処理を行った後、図3(e)で示すように上部絶縁膜(図示せず)へのCu拡散を防ぐためのSiCN5をSPIN−ON法にて堆積する。この方法は半導体装置上に液体材料を滴下し、回転することにより均一な膜を形成するという、いわゆる塗布法なので、プラズマCVD法とは異なり、リセス101の上でもSiCN5は凹みをつくらないという利点がある。以後、図3(a)〜(e)を繰り返し、半導体基板上にCu溝配線を有する多層配線が形成される。
ここで、第2の実施の形態のように、リセス101の上のSiCN5にボイドが形成されていても同様の効果を奏する。
ところで、第1、2の実施の形態では、リセス101の上にSiCN5の凹部が形成されやすい。このような凹みがあると図3(a)〜(c)を繰り返したときにSiCN5の凹みにTaNやCuが入り込み、凹みに入った上層配線のTaNやCuが研磨できずに残り、配線間がショート不良を起こす可能性がある。本発明では、リセス101の上にバリア絶縁膜を形成する際、SPIN−ON法を用いたため、上層配線でTaN,Cuの研磨残りのない、歩留まりの高い半導体装置とその製造方法が得られる。また、第1の実施の形態および第2の実施の形態と同様に、配線間のリークパス6は従来例(図6)に比べ長く、かつTaNをエッチングして形成したリセス部分のSiOC1にはCMPによるダメージが入っていないので、リークの原因となるような欠陥が少なく、BTS不良を防止し、半導体装置の動作不良を低減することができる。また、本実施の形態では、絶縁膜バリアであるSiCN5をSPIN−ON法により塗布したが、Cuを拡散させない低誘電率膜であるBCB等を代わりにSPIN−ON法により塗布してもよい。この場合、BCB膜はSiOC膜1の役割も果たすので、図3においてSiOC膜1とSiCN膜5共にBCB膜で置き換えることができる。この場合はBCB膜の成膜は塗布1回で済ませることができる。
(第4の実施の形態)
本発明の第4の実施形態について、図4を参照しながら説明する。
ところで、第1、2の実施の形態では、リセス101の上にSiCN5の凹部が形成されやすい。このような凹みがあると図3(a)〜(c)を繰り返したときにSiCN5の凹みにTaNやCuが入り込み、凹みに入った上層配線のTaNやCuが研磨できずに残り、配線間がショート不良を起こす可能性がある。本発明では、リセス101の上にバリア絶縁膜を形成する際、SPIN−ON法を用いたため、上層配線でTaN,Cuの研磨残りのない、歩留まりの高い半導体装置とその製造方法が得られる。また、第1の実施の形態および第2の実施の形態と同様に、配線間のリークパス6は従来例(図6)に比べ長く、かつTaNをエッチングして形成したリセス部分のSiOC1にはCMPによるダメージが入っていないので、リークの原因となるような欠陥が少なく、BTS不良を防止し、半導体装置の動作不良を低減することができる。また、本実施の形態では、絶縁膜バリアであるSiCN5をSPIN−ON法により塗布したが、Cuを拡散させない低誘電率膜であるBCB等を代わりにSPIN−ON法により塗布してもよい。この場合、BCB膜はSiOC膜1の役割も果たすので、図3においてSiOC膜1とSiCN膜5共にBCB膜で置き換えることができる。この場合はBCB膜の成膜は塗布1回で済ませることができる。
(第4の実施の形態)
本発明の第4の実施形態について、図4を参照しながら説明する。
図4は第4の実施の形態における半導体装置の製造方法を説明する工程断面図である。
まず、図4(a)に示すように、シリコン基板(図示せず)に形成された600nm厚のSiOC1中に深さ300nmの配線溝2が形成される。次に、図4(b)に示すように、ヴィアホール(図示せず)や配線溝底部に残っている有機物等を除去するために、半導体装置を、Arを用い熱酸化膜除去換算で2nmスパッタエッチする。次に、バリアメタルとしてTaN103を10nm、Ta104を10nm、主としてスパッタ法で堆積し、次に、Cu4をスパッタ法で70nmと電解メッキ法にて500nm堆積する。この後、図4(c)のようにCMP法にて配線以外の領域でSiOC1が露出するまで研磨し、配線領域以外のCu4,TaN103およびTa104を除いてCu配線を形成する。次に、図4(d)で示すように、TaN103のみを30nm深さまでNH4OH+H2O2+H2Oの混合液でウエットエッチし、リセス101を形成する。次に、Cuの表面は図4(c)の工程後、酸化しているため、NH3プラズマ等の還元処理を行った後、図4(e)で示すように上部絶縁膜(図示せず)へのCu拡散を防ぐためのSiCN5をプラズマCVD法にて堆積する。以後、図4(a)〜(e)を繰り返し、半導体基板上にCu溝配線を有する多層配線が形成される。
まず、図4(a)に示すように、シリコン基板(図示せず)に形成された600nm厚のSiOC1中に深さ300nmの配線溝2が形成される。次に、図4(b)に示すように、ヴィアホール(図示せず)や配線溝底部に残っている有機物等を除去するために、半導体装置を、Arを用い熱酸化膜除去換算で2nmスパッタエッチする。次に、バリアメタルとしてTaN103を10nm、Ta104を10nm、主としてスパッタ法で堆積し、次に、Cu4をスパッタ法で70nmと電解メッキ法にて500nm堆積する。この後、図4(c)のようにCMP法にて配線以外の領域でSiOC1が露出するまで研磨し、配線領域以外のCu4,TaN103およびTa104を除いてCu配線を形成する。次に、図4(d)で示すように、TaN103のみを30nm深さまでNH4OH+H2O2+H2Oの混合液でウエットエッチし、リセス101を形成する。次に、Cuの表面は図4(c)の工程後、酸化しているため、NH3プラズマ等の還元処理を行った後、図4(e)で示すように上部絶縁膜(図示せず)へのCu拡散を防ぐためのSiCN5をプラズマCVD法にて堆積する。以後、図4(a)〜(e)を繰り返し、半導体基板上にCu溝配線を有する多層配線が形成される。
本発明では、Cuのバリアメタル層を2層とし、Cuに接している側のバリアメタル層(Ta104)には凹部を形成しないという構造を有する。本構造では、第1の実施の形態1と同様に配線間のリークパス6は従来例(図6)に比べ長く、かつTaNをエッチングして形成したリセス部分のSiOC1にはCMPによるダメージが入っていないので、リークの原因となるような欠陥が少なく、BTS不良を防止し、半導体装置の動作不良を低減することができるという第1の実施の形態の利点はほぼそのまま有している。本実施の形態では、それに加えて、Cu側面に接したメタルのバリア層Ta104によりさらにCuの拡散を防ぐことができるため、よりBTS不良を抑制することができる。
また、実施の形態3のように、SiCN5をSPIN−ON法にて堆積することもできる。
本実施の形態では、2層のバリアメタルとしてTaN103とTa104の組み合わせを用いたが他の組み合わせを用いてもよい。例えば、TaN103とTa104の代わりにそれぞれ、WとTaNの組み合わせを用いれば、WのみをH2O+H2O2+NH4OHで選択エッチングすることができる。
(第5の実施の形態)
本発明の第5の実施形態について、図5を参照しながら説明する。
本実施の形態では、2層のバリアメタルとしてTaN103とTa104の組み合わせを用いたが他の組み合わせを用いてもよい。例えば、TaN103とTa104の代わりにそれぞれ、WとTaNの組み合わせを用いれば、WのみをH2O+H2O2+NH4OHで選択エッチングすることができる。
(第5の実施の形態)
本発明の第5の実施形態について、図5を参照しながら説明する。
図5は第5の実施の形態における半導体装置の製造方法を説明する工程断面図である。
まず、図5(a)に示すように、シリコン基板(図示せず)に形成された600nm厚のSiOC1中に深さ300nmの配線溝2が形成される。次に、図5(b)に示すように、ヴィアホール(図示せず)や配線溝底部に残っている有機物等を除去するために、半導体装置を、Arを用い熱酸化膜除去換算で2nmスパッタエッチする。次に、バリアメタルとしてTaN3を15nm主としてスパッタ法で堆積し、次に、Cu4をスパッタ法で70nmと電解メッキ法にて500nm堆積する。この後、図5(c)のようにCMP法にて配線以外の領域でSiOC1が露出するまで研磨し、配線領域外のCu4とTaN3を除いてCu配線を形成する。次に、図5(d)で示すように、TaN3のみを30nm深さまでNH4OH+H2O2+H2OまたはHNO3+HF+H2Oの混合液でウエットエッチし、リセス101を形成する。この後、図5(e)で示すように、Cu配線上に、上部絶縁膜(図示せず)へのCu拡散を防ぐためのCoWP105が、CoSO4、NH4−citrate、NH4H2PO2、WO3、TMAHの混合液により無電解メッキ法により堆積される。次に上部層の配線構造の絶縁膜となる第2のSiOC106を堆積する。以後、図5(a)〜(f)を繰り返し、半導体基板上にCu溝配線を有する多層配線が形成される。
まず、図5(a)に示すように、シリコン基板(図示せず)に形成された600nm厚のSiOC1中に深さ300nmの配線溝2が形成される。次に、図5(b)に示すように、ヴィアホール(図示せず)や配線溝底部に残っている有機物等を除去するために、半導体装置を、Arを用い熱酸化膜除去換算で2nmスパッタエッチする。次に、バリアメタルとしてTaN3を15nm主としてスパッタ法で堆積し、次に、Cu4をスパッタ法で70nmと電解メッキ法にて500nm堆積する。この後、図5(c)のようにCMP法にて配線以外の領域でSiOC1が露出するまで研磨し、配線領域外のCu4とTaN3を除いてCu配線を形成する。次に、図5(d)で示すように、TaN3のみを30nm深さまでNH4OH+H2O2+H2OまたはHNO3+HF+H2Oの混合液でウエットエッチし、リセス101を形成する。この後、図5(e)で示すように、Cu配線上に、上部絶縁膜(図示せず)へのCu拡散を防ぐためのCoWP105が、CoSO4、NH4−citrate、NH4H2PO2、WO3、TMAHの混合液により無電解メッキ法により堆積される。次に上部層の配線構造の絶縁膜となる第2のSiOC106を堆積する。以後、図5(a)〜(f)を繰り返し、半導体基板上にCu溝配線を有する多層配線が形成される。
本発明でも第1の実施の形態の場合と同様、配線表面のTaN3領域を除去してリセス101を形成した分、配線間のリークパス6はリセス101を形成しない場合に比べ長く、TaN3をエッチングして形成したリセス101部分のSiOC1にはCMPによるダメージが入っていないので、リークの原因となるような欠陥が少ないため、高温電界印加時の配線間のリーク電流(BTS不良)を防止し、半導体装置の動作不良を低減することができる。
このようにSiCN等の絶縁膜バリアではなくCoWP等のCapバリアメタルを形成した構造にも本発明は有効である。本実施の形態ではCoWP105を用いたが、CoWPの代わりにCoSO4、(CH3)2NHBH3、(NH4)2HC6H5O7、H2WO4、TMAHの混合液による無電解メッキ法でCoWBをCu配線上のみに選択的に形成してもよい。あるいは選択W−CVD法によりCu配線上のみにWを選択的に形成してもよい。
また、第4の実施の形態における2層構造のバリアメタルおよび配線上に、CoWP等のCapバリアメタルを形成しても同様の効果を奏する。
最後に、第1〜5の実施の形態では低誘電率膜としてSiOC1を用いたがBCB等の有機低誘電率膜を用いてもよい。この場合、CF4のドライエッチにより、有機低誘電率膜とCuをエッチングせずに、TaNのみをエッチングすることができる。従ってCF4のドライエッチによりバリアメタル部にリセスを形成するという工程を用いてもよい。
最後に、第1〜5の実施の形態では低誘電率膜としてSiOC1を用いたがBCB等の有機低誘電率膜を用いてもよい。この場合、CF4のドライエッチにより、有機低誘電率膜とCuをエッチングせずに、TaNのみをエッチングすることができる。従ってCF4のドライエッチによりバリアメタル部にリセスを形成するという工程を用いてもよい。
また、TaN3スパッタの前処理としてArスパッタを用いたが、水素雰囲気でのアニール処理等を代わりに用いることにより、Arスパッタ処理を用いなくてもよい。
本発明は、配線間のリーク電流の経時劣化(BTS不良)を防止し、半導体装置の動作不良を低減することができ、Cu溝配線を有する半導体装置とその製造方法等に有用である。
1 SiOC
2 配線溝
3 TaN
4 Cu
5 SiCN
6 リークパス
101 リセス
102 ボイド
103 TaN
104 Ta
105 CoWP
106 第2のSiOC
2 配線溝
3 TaN
4 Cu
5 SiCN
6 リークパス
101 リセス
102 ボイド
103 TaN
104 Ta
105 CoWP
106 第2のSiOC
Claims (14)
- 配線を備える1または複数の絶縁膜を基板上に積層して成る半導体装置の配線層を形成するに際し、
前記基板上に前記絶縁膜を堆積する工程と、
前記絶縁膜に配線溝を形成する工程と、
前記配線溝を含む前記絶縁膜表面に第1のバリアメタルを堆積する工程と、
前記配線溝を充填するように導電体を堆積する工程と、
前記配線溝上以外の前記第1のバリアメタルおよび前記導電体とを除去して平坦化する工程と、
前記第1のバリアメタルの上端部分を除去してリセスを形成する工程と、
前記リセス,前記導電体の上面および前記絶縁膜の上面とにバリア絶縁膜を堆積する工程と
を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 配線を備える1または複数の絶縁膜を基板上に積層して成る半導体装置の配線層を形成するに際し、
前記基板上に前記絶縁膜を堆積する工程と、
前記絶縁膜に配線溝を形成する工程と、
前記配線溝を含む前記絶縁膜表面に第1のバリアメタルを堆積する工程と、
前記第1のバリアメタル上および側壁に第2のバリアメタルを堆積する工程と、
前記配線溝を充填するように導電体を堆積する工程と、
前記配線溝上以外の前記第1のバリアメタル,前記第2のバリアメタルおよび前記導電体とを除去して平坦化する工程と、
前記第1のバリアメタルの上端部分を除去してリセスを形成する工程と、
前記リセス,前記導電体の上面および前記絶縁膜の上面とにバリア絶縁膜を堆積する工程と
を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 前記バリア絶縁膜を堆積する際に、供給律速状態で堆積することにより、前記リセス部にボイドを有する前記バリア絶縁膜を形成することを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
- 前記供給律速状態での堆積による前記バリア絶縁膜の形成として、成膜圧を100Pa以下にして前記バリア絶縁膜を形成することを特徴とする請求項3記載の半導体装置の製造方法。
- 前記バリア絶縁膜の堆積をSPIN−ON法で行うことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
- 配線を備える1または複数の絶縁膜を基板上に積層して成る半導体装置の配線層を形成するに際し、
前記基板上に前記絶縁膜を堆積する工程と、
前記絶縁膜に配線溝を形成する工程と、
前記配線溝を含む前記絶縁膜表面に第1のバリアメタルを堆積する工程と、
前記配線溝を充填するように導電体を堆積する工程と、
前記配線溝上以外の前記第1のバリアメタルおよび前記導電体とを除去して平坦化する工程と、
前記第1のバリアメタルの上端部分を除去してリセスを形成する工程と、
前記リセスおよび前記導電体の上面に第3のバリアメタルを堆積する工程と
を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 配線を備える1または複数の絶縁膜を基板上に積層して成る半導体装置の配線層を形成するに際し、
前記基板上に前記絶縁膜を堆積する工程と、
前記絶縁膜に配線溝を形成する工程と、
前記配線溝を含む前記絶縁膜表面に第1のバリアメタルを堆積する工程と、
前記第1のバリアメタル上および側壁に第2のバリアメタルを堆積する工程と、
前記配線溝を充填するように導電体を堆積する工程と、
前記配線溝上以外の前記第1のバリアメタル,前記第2のバリアメタルおよび前記導電体とを除去して平坦化する工程と、
前記第1のバリアメタルの上端部分を除去してリセスを形成する工程と、
前記リセス,前記第2のバリアメタルおよび前記導電体の上面に第3のバリアメタルを堆積する工程と
を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 基板上に1または複数層積層される絶縁膜と、
前記絶縁膜上に形成されて表面角部がリセス状の配線溝と、
前記配線溝の底面及び前記リセスより下の側面に形成された第1のバリアメタルと、
前記配線溝に充填される導電体と、
前記リセス,前記導電体の上面および前記絶縁膜の上面とに堆積されたバリア絶縁膜と
を有し、前記配線溝の側面における前記第1のバリアメタルの上端面は前記絶縁膜の上面及び前記導電体の上面よりも低いことを特徴とする半導体装置。 - 基板上に1または複数層積層される絶縁膜と、
前記絶縁膜上に形成されて表面角部がリセス状の配線溝と、
前記配線溝の底面及び前記リセスより下の側面に形成された第1のバリアメタルと、
前記第1のバリアメタル上および側面に形成された第2のバリアメタルと、
前記配線溝に充填される導電体と、
前記リセス,前記導電体の上面および前記絶縁膜の上面とに堆積されたバリア絶縁膜と
を有し、前記配線溝の側面における前記第1のバリアメタルの上端面は前記絶縁膜の上面及び前記導電体の上面よりも低いことを特徴とする半導体装置。 - 前記リセスにボイドが形成されることを特徴とする請求項8または請求項9のいずれかに記載の半導体装置。
- 前記バリア絶縁膜の上面が平坦であることを特徴とする請求項8〜10のいずれかに記載の半導体装置。
- 基板上に1または複数層積層される絶縁膜と、
前記絶縁膜上に形成されて表面角部がリセス状の配線溝と、
前記配線溝の底面及び前記リセスより下の側面に形成された第1のバリアメタルと、
前記配線溝に充填される導電体と、
前記リセスおよび前記導電体の上面とに堆積された第3のバリアメタルと
を有し、前記配線溝の側面における前記第1のバリアメタルの上端面は前記絶縁膜の上面及び前記導電体の上面よりも低いことを特徴とする半導体装置。 - 基板上に1または複数層積層される絶縁膜と、
前記絶縁膜上に形成されて表面角部がリセス状の配線溝と、
前記配線溝の底面及び前記リセスより下の側面に形成された第1のバリアメタルと、
前記第1のバリアメタル上および側面に形成された第2のバリアメタルと、
前記配線溝に充填される導電体と、
前記リセスおよび前記導電体の上面とに堆積された第3のバリアメタルと
を有し、前記配線溝の側面における前記第1のバリアメタルの上端面は前記絶縁膜の上面及び前記導電体の上面よりも低いことを特徴とする半導体装置。 - 前記伝導体が銅または銅を含む合金から成ることを特徴とする請求項8〜13のいずれかに記載の半導体装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006003106A JP2007188911A (ja) | 2006-01-11 | 2006-01-11 | 半導体装置と半導体装置の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006003106A JP2007188911A (ja) | 2006-01-11 | 2006-01-11 | 半導体装置と半導体装置の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2007188911A true JP2007188911A (ja) | 2007-07-26 |
Family
ID=38343892
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2006003106A Withdrawn JP2007188911A (ja) | 2006-01-11 | 2006-01-11 | 半導体装置と半導体装置の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2007188911A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US9171781B2 (en) | 2013-02-13 | 2015-10-27 | Samsung Electronics Co., Ltd. | Semiconductor devices and methods of fabricating the same |
DE102015212383A1 (de) * | 2015-07-02 | 2017-01-05 | Conti Temic Microelectronic Gmbh | Elektronische Komponente |
-
2006
- 2006-01-11 JP JP2006003106A patent/JP2007188911A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US9171781B2 (en) | 2013-02-13 | 2015-10-27 | Samsung Electronics Co., Ltd. | Semiconductor devices and methods of fabricating the same |
DE102015212383A1 (de) * | 2015-07-02 | 2017-01-05 | Conti Temic Microelectronic Gmbh | Elektronische Komponente |
DE102015212383B4 (de) | 2015-07-02 | 2023-06-01 | Vitesco Technologies Germany Gmbh | Elektronische Komponente |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US8629560B2 (en) | Self aligned air-gap in interconnect structures | |
US20050051900A1 (en) | Method for forming dielectric barrier layer in damascene structure | |
JP2005072384A (ja) | 電子デバイスの製造方法 | |
JP5193542B2 (ja) | 半導体装置の製造方法 | |
KR100824637B1 (ko) | Nor 플래쉬 디바이스 및 그의 제조 방법 | |
US7273810B2 (en) | Semiconductor apparatus and method of fabricating the same | |
KR100752195B1 (ko) | 반도체 소자의 배선 형성방법 | |
JP2007188911A (ja) | 半導体装置と半導体装置の製造方法 | |
JP2005197740A (ja) | 半導体素子の銅配線の形成方法 | |
JP4525534B2 (ja) | 半導体装置の製造方法 | |
KR20100011799A (ko) | 반도체 소자의 제조방법 | |
KR20100036008A (ko) | 반도체 소자의 금속배선 형성방법 | |
JP2006196820A (ja) | 半導体装置及びその製造方法 | |
KR101095998B1 (ko) | 반도체 소자의 형성 방법 | |
KR101029104B1 (ko) | 반도체 소자의 제조방법 | |
JP5424551B2 (ja) | 半導体装置 | |
KR100678003B1 (ko) | 듀얼 다마신 패턴 형성 방법 | |
JP2008294403A (ja) | 半導体装置 | |
JP2008103575A (ja) | 半導体装置及び半導体装置の製造方法 | |
KR20070013894A (ko) | 반도체 소자의 금속 배선 형성 방법 | |
KR100385467B1 (ko) | 반도체 장치의 콘택전극 제조방법 | |
KR100640965B1 (ko) | 반도체 소자의 형성방법 | |
US7387960B2 (en) | Dual depth trench termination method for improving Cu-based interconnect integrity | |
KR100854877B1 (ko) | 반도체 소자의 금속 배선 형성방법 | |
KR20100073779A (ko) | 반도체 소자의 금속배선 및 그 제조 방법 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
RD04 | Notification of resignation of power of attorney |
Effective date: 20080430 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20080825 |
|
A761 | Written withdrawal of application |
Effective date: 20091117 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761 |