JP2007186647A - ポリオール組成物及びフィルタシール用ポリウレタン樹脂製造用組成物 - Google Patents

ポリオール組成物及びフィルタシール用ポリウレタン樹脂製造用組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】
無機粉体を用いずともチクソトロピー性を有するポリオール組成物、及び該ポリオール組成物が配合された、硬化後の耐熱性、耐湿性及び耐薬品性に優れるフィルタシール用ポリウレタン樹脂製造用組成物を提供する。
【解決手段】
リシノール酸と多価アルコールとを反応させて得られる液状のポリエステルポリオールと、リシノール酸と多価アルコールとを反応させて得られるポリエステルポリオールの水素添加物であり、かつ融点が80℃以上である水素添加ポリエステルポリオールとが、液温60℃以下で剪断力をかける攪拌で混合されてなるポリオール組成物を提供する。
【選択図】なし

Description

本発明は、ポリオール組成物及び該ポリオール組成物が配合されてなるフィルタシール用ポリウレタン樹脂製造用組成物に関する。
工場等で用いられるフィルタ部材は、フィルタと該フィルタを入れるフレームとで構成されており、該フィルタと該フレームとの間を密封するシール剤としては、ポリウレタン樹脂製造用組成物を硬化させたポリウレタン樹脂が用いられている。
従来から前記シール剤として用いられているポリウレタン樹脂製造用組成物は、硬化するまでの液流動性が大きいため、フィルタとフレームとの間に塗布した場合、フィルタを構成する繊維(中空糸等)にまで広がり、該繊維の目詰まりの原因となっている。
前記目詰まりを防止するために、ポリウレタン樹脂製造用組成物を構成するポリオールに無機粉体が配合され、チクソトロピー性(塗布した際の流動性を抑制する性質)が付与されたポリウレタン樹脂製造用組成物が従来より既に市販等されて用いられている。
しかしながら、無機粉体が配合されたポリウレタン樹脂製造用組成物を用いてフィルタとフレームとをシールした場合、前記フィルタ部材が高温、高湿、酸性或いはアルカリ性等の環境条件下での使用により、ポリウレタン樹脂(シール材)から、無機粉体の作用によりポリウレタン樹脂の分解により生じた有機物、前記無機粉体或いは前記無機粉体中に含まれる金属等が溶出する虞がある。
特に、清浄な環境が要求される食品工場、精密部品工場等のクリーンルーム或いは原子力発電所等では、前記無機粉体、前記無機粉体中に含まれる金属或いは前記有機物等の溶出は大きな問題である。すなわち、無機粉体、無機粉体中に含まれる金属或いは有機物等が、製品に混入すれば、その製品の純度を低下させる原因となり、また、電子部品等の場合には、誤作動の原因となる場合がある。
そのため、無機粉体を用いずともチクソトロピー性(液流動が抑制される性質)を有するポリオールを含み、且つ硬化後の耐熱性等の特性に優れるポリウレタン樹脂製造用組成物が要望されている。
本発明は、上記問題点及び要望に鑑み、無機粉体を用いずともチクソトロピー性を有するポリオール組成物、及び該ポリオール組成物が配合された、硬化後の耐熱性、耐湿性及び耐薬品性に優れるフィルタシール用ポリウレタン樹脂製造用組成物を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、所定のポリエステルポリオールと所定の水素添加ポリエステルポリオールとが剪断力をかける攪拌で混合されたポリオール組成物がチクソトロピー性を呈することを見いだし本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、リシノール酸と多価アルコールとを反応させて得られる液状のポリエステルポリオールと、リシノール酸と多価アルコールとを反応させて得られるポリエステルポリオールの水素添加物であり、かつ融点が80℃以上である水素添加ポリエステルポリオールとが、液温60℃以下で剪断力をかける攪拌で混合されていることを特徴とするポリオール組成物を提供する。
前記ポリエステルポリオールと前記融点が80℃以上である水素添加ポリエステルポリオールとが液温60℃以下で剪断力をかける攪拌で混合されることでチクソトロピー性を有するポリオール組成物が得られる。
本発明においては、前記ポリエステルポリオールと前記水素添加ポリエステルポリオールとが混合され、チクソトロピーインデックス値が4以上となるように剪断力をかける攪拌により調製されていることが好ましい。
かかる組成であれば、より一層のチクソトロピー性が呈される。
ここで、チクソトロピーインデックス値とは、液温25℃のポリオール組成物の粘度をBH型粘度計(ブルックフィールド社製)を用いて、回転数が20rpmの場合と、2rpmの場合の2種を測定し、(式1):「チクソトロピーインデックス値=2rpmの粘度測定値/20rpmの粘度測定値」で算出した値である。
また、本発明においては、前記ポリエステルポリオール100重量部に対して、前記水素添加ポリエステルポリオールが1〜50重量部配合されていることが好ましい。
かかる組成であれば、より一層チクソトロピー性が呈されると共に、硬化後の耐熱性、耐湿性及び耐薬品性に優れるポリウレタン樹脂製造用組成物が得られる。
本発明のポリオール組成物は、前記ポリエステルポリオールと前記水素添加ポリエステルポリオールとが配合されたものであるため、無機粉体が配合されたものでなくとも、チクソトロピー性を有し、該ポリオール組成物が配合されたポリウレタン樹脂製造用組成物をシール剤として用いた場合、液流動が抑制され、且つ硬化後の耐熱性、耐湿性及び耐薬品性に優れるものとなる。
また、本発明のポリオール組成物は、前記ポリエステルポリオールと前記水素添加ポリエステルポリオールとが配合されたものであり、無機粉体が配合されたものでないため、硬化後のポリウレタン樹脂からの無機粉体、金属或いは有機物の溶出をほぼ抑制できる。
以下、本発明に係るポリオール組成物について説明する。
本発明に係るポリオール組成物は、液状のポリエステルポリオールと融点が80℃以上である水素添加ポリエステルポリオールとが液温60℃以下で剪断力をかける攪拌で混合されているものである。
液状のポリエステルポリオールと融点が80℃以上である水素添加ポリエステルポリオールとが液温60℃以下で剪断力をかける攪拌で混合されることで、得られるポリオール組成物にチクソトロピー性が付与される。
前記ポリエステルポリオールと前記水素添加ポリエステルポリオールとを前記剪断攪拌により混合する場合の液温は、60℃以下であり、好ましくは液温が30〜55℃である。
液温が60℃を超えると、前記水素添加ポリエステルポリオールの溶解が起こり、室温まで冷却させた場合に前記水素添加ポリエステルポリオールが不均一に析出し、硬化反応が不均一化する虞がある。
尚、本明細書において「液温」とは、前記ポリエステルポリオールと前記水素添加ポリエステルポリオールとを混合した混合物の温度をいう。
前記剪断力をかける攪拌で用いられる攪拌機としては、例えば、ディスパー、ホモミキサー、ラインミキサー等が挙げられる。
前記ポリエステルポリオールと前記水素添加ポリエステルポリオールとは、チクソトロピーインデックス値が4以上となるように剪断力をかける攪拌で混合されることが好ましく、チクソトロピーインデックス値が4〜9となるように剪断力をかける攪拌で混合されることがより好ましい。
チクソトロピーインデックス値が4未満であれば、得られるポリウレタン樹脂製造用組成物の液流動の抑制が困難となる虞がある。
前記チクソトロピーインデックス値が4以上となるように剪断力をかける攪拌を行う攪拌条件としては、前記攪拌機を用いて、剪断速度:5/秒〜100/秒で攪拌する条件が好ましく、剪断速度:10/秒〜60/秒で攪拌する条件がより好ましい。
上記剪断速度の範囲内で攪拌を行うことで、チクソトロピーインデックス値を4以上にすることができる。尚、剪断速度が100/秒を超えると液温の上昇を招きチクソトロピー性が低下する虞がある。また、液温の上昇により前記水素添加ポリエステルポリオールが溶解し出し、温度の低下により不均一に析出し、チクソトロピーインデックス値の低下を招く虞がある。
ここで、剪断速度は、式:剪断速度=|V1−V2|/D…(2)で算出した。(式2)中、V1はある流路において、剪断力を加える手段が移動する線速度で、V2は剪断力を加える手段と相対峙して流路を形成する手段の線速度である。また、Dは、前記流路の幅である。
前記ポリエステルポリオールと前記水素添加ポリエステルポリオールとの配合量は、前記ポリエステルポリオールが100重量部に対して、好ましくは前記水素添加ポリエステルポリオールが1〜50重量部であり、より好ましくは3〜20重量部である。
前記配合量が、上記範囲内であれば、よりチクソトロピー性に優れ、且つ封止のための作業性も良好となると共に硬化後の耐熱性、耐湿性及び耐薬品性に優れるポリウレタン樹脂製造用組成物が得られる。
前記ポリエステルポリオールは、リシノール酸と多価アルコールとの反応で得られるものである。
前記多価アルコールとしては、例えば、グリセリン・トリメチロールプロパン等の3官能ポリオール、ジグリセリン・ジトリメチロールプロパン・ペンタエリスリトール等の4官能ポリオール、ソルビトール等の6官能ポリオール、蔗糖等の8官能ポリオール、又はこれら3官能以上のポリオールにエチレンオキサイド・プロピレンオキサイド・ブチレンオキサイド等のアルキレンオキサイドを付加させたものが挙げられる。
前記ポリエステルポリオールは、例えば、グリセリン・トリメチロールプロパン・ペンタエリスリトール等の多価アルコールとリシノール酸とのエステル化反応で得ることができる。または、前記ポリエステルポリオールは、3官能以上のポリエーテルにエチレンオキサイド等のアルキレンオキサイドを付加させたポリオールとリシノール酸とのエステル化反応により得ることができる。
前記ポリエステルポリオールとしては、例えば、リシノール酸と前記多価アルコールとの反応で種々のポリエステルポリオールが得られるが、それらの中でもリシノール酸とグリセリンとを反応させて得られるリシノール酸グリセライドが好ましい。
尚、前記ポリエステルポリオールとしては、一般に市販されているヒマシ油を用いることもできる。
前記ヒマシ油の主成分は、リシノール酸グリセライドである。前記ヒマシ油は、脂肪酸としてリシノール酸を約87重量%〜約91重量%含有する。
また、前記ポリエステルポリオールとしては、ヨウ素価が155以下であることが好ましく、1〜100であることがより好ましい。
ヨウ素価が155を超えると、得られるポリウレタン樹脂製造用組成物の反応性が上がりすぎ、耐熱性、耐湿性及び耐薬品性の低下を招く虞がある。
尚、ヨウ素価は、JIS K 3331−1995に従って測定される。
前記水素添加ポリエステルポリオールは、リシノール酸と多価アルコールとを反応させて得られるポリエステルポリオールの水素添加物であり、かつ融点が80℃以上のものであり、好ましくは融点が85℃〜100℃のものである。
リシノール酸と多価アルコールとを反応させて得られるポリエステルポリオールは、上記で説明したものと同様のであり、得られたポリエステルポリオールに公知の触媒等を用いた水素添加手段で水素添加することで、前記水素添加ポリエステルポリオールが得られる。
水素添加することでリシノール酸中の炭素−炭素の二重結合が、炭素−炭素の飽和結合に変換される。
融点が80℃未満であれば、ポリオール組成物の製造中或いはポリオール組成物の製品保管中に前記水素添加ポリエステルポリオールが溶解し、チクソトロピー性が低下する虞がある。また、一度溶解した前記水素添加ポリエステルポリオールが不均一に析出し、硬化反応が不均一に起こる虞がある。更に、ポリオール組成物の製造中に注型機が目詰まりを起こす不具合が生じる虞がある。
前記水素添加ポリエステルポリオールが、従来、チクソトロピー性を発現させるために用いられていた無機粉体と同様に作用する。
従来、用いられていた無機粉体に代えて前記水素添加ポリエステルポリオールを用いることで、硬化物(ポリウレタン樹脂)からの無機粉体や金属の溶出が抑制される。
前記水素添加ポリエステルポリオールとしては、種々のものが挙げられるがそれらの中でもリシノール酸グリセライドの水素添加物(ヒドロキシステアリック酸グリセライド)が好ましい。
前記水素添加ポリエステルポリオールは、粉体であることが好ましい。
前記水素添加ポリエステルポリオールが固形状の場合、公知の手段を用いて粉体化することができる。
次に、本発明で用いられるポリイソシアネートについて説明する。
前記ポリイソシアネートとしては、芳香族ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネート或いは脂環式ポリイソシアネート等が挙げられる。
前記芳香族ポリイソシアネートとしては、例えば、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート(粗MDI)、トリレンジイソシアネート(TDI)、ポリトリレンポリイソシアネート(粗TDI)、キシレンジイソシアネート(XDI)或いはナフタレンジイソシアネート(NDI)等が挙げられる。
前記脂肪族ポリイソシアネートとしては、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)等が挙げられる。
前記脂環式ポリイソシアネートとしては、イソホロンジイソシアネート(IPDI)等が挙げられる。
この他に、上記で記載した各ポリイソシアネートをカルボジイミドで変性したポリイソシアネート(カルボジイミド変性ポリイソシアネート)、イソシアヌレート変性ポリイソシアネート、ウレタンプレポリマー(例えばポリオールと過剰のポリイソシアネートとの反応生成物であってイソシアネート基を分子末端にもつもの)等も使用できる。これらは単独あるいは混合物として使用してもよい。
前記ポリイソシアネートとしては、ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート、カルボジイミド変性ポリイソシアネートが好ましい。
本発明に係るフィルタシール用ポリウレタン樹脂製造用組成物は、前記ポリオール組成物と前記ポリイソシアネートとが配合されてなるものである。
前記ポリオール組成物と前記ポリイソシアネートとの配合量は、目的とする硬化物(ポリウレタン樹脂)の硬度等の物性によって適宜設定できるものであるが、通常、前記ポリオール組成物中の水酸基に対してイソシアネート基が0.6〜2.0倍当量であり、好ましくは0.8〜1.5倍当量である。このように配合することでフィルタシール用ポリウレタン樹脂製造用組成物を得ることができる。
前記フィルタシール用ポリウレタン樹脂製造用組成物のチクソトロピーインデックス値は、3以上が好ましく、3〜9がより好ましい。
前記フィルタシール用ポリウレタン樹脂製造用組成物のチクソトロピーインデックス値が、上記範囲内にあれば、該フィルタシール用ポリウレタン樹脂製造用組成物をフィルタと該フィルタを入れるフレームとの間に塗布した場合であっても該樹脂製造用組成物の液流動が抑制されているため、塗布部分に留まり他の部分に広がらないため、フィルタを構成する繊維(中空糸等)の目詰まりが抑制できる。
次に、本発明に係るフィルタシール用ポリウレタン樹脂製造用組成物の製造方法について説明する。
まず、前記ポリオール組成物を製造する。
前記ポリオール組成物は、前記ポリエステルポリオールと前記水素添加ポリエステルポリオールとを混合し、液温60℃以下で剪断力をかける攪拌で混合を行うことにより得られる。
液温が60℃を超えると、前記水素添加ポリエステルポリオールが溶解しはじめ、十分なチクソトロピー性が得られない虞がある。
前記剪断力をかける攪拌は、前記ポリエステルポリオールと前記水素添加ポリエステルポリオールとが混合されてなるポリオール組成物のチクソトロピーインデックス値が4以上となるように実施する。
剪断力をかける攪拌に用いる攪拌機については、上記で説明したものと同様のものを適宜用いることができる。
前記攪拌機を用いて攪拌する際の攪拌条件についても、上記で説明したものと同様である。
剪断力をかける攪拌に要する攪拌時間は、適宜設定できるものであるが、通常、10分〜120分である。
次に、前記ポリオール組成物にポリイソシアネートを配合する。
前記ポリオール組成物と前記ポリイソシアネートとの配合量は、上記で説明したものと同様の配合量を用いることができる。
前記フィルタシール用ポリウレタン樹脂製造用組成物をフィルタと該フィルタを入れるフレームとの間に塗布し、硬化させてポリウレタン樹脂とすることでシール材として機能する。
前記ポリウレタン樹脂製造用組成物は、液流動が抑制されているため、フィルタと該フィルタを入れるフレームとの間に塗布した場合であっても、塗布部分に留まり他の部分に広がらないため、前記フィルタを構成する繊維(中空糸等)の目詰まりを抑制することができる。
また、本発明のフィルタシール用ポリウレタン樹脂製造用組成物は、無機粉体が配合されていないため、該無機粉体、該無機粉体に含まれている不純物金属或いは有機物等の溶出を抑制できる。
本発明のフィルタシール用ポリウレタン樹脂製造用組成物は、食品工場、精密部品工場のクリーンルーム或いは原子力発電所等で使用されるフィルタ等のシール材として好適に用いることができる。
以下、本発明を実施例に基づいて更に詳細に説明する。但し、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。
(ポリオール組成物のチクソトロピーインデックス値測定法)
液温25℃のポリオール組成物の粘度をBH型粘度計(ブルックフィールド社製)で測定した。
測定は、前記粘度計で回転数が20rpmの場合と、2rpmの場合の2種を測定し、次記(式1):「チクソトロピーインデックス値=2rpmの粘度測定値/20rpmの粘度測定値」でチクソトロピーインデックス値を算出した。
2rpmの粘度測定値とは、粘度測定用ローターを毎分2回転の回転速度で回転させ、回転開始から1分後に測定される定常的な粘度の値をいう。
また、20rpmの粘度測定値とは、粘度測定用ローターを毎分20回転の回転速度で回転させ、回転開始から1分後に測定される定常的な粘度の値をいう。
ここで、前記粘度計で回転数が20rpmで粘度を測定する場合、測定物の粘度が、100〜400(mPa・s)の場合にはBH型粘度計ローターNo1を、400〜1,500(mPa・s)の場合にはBH型粘度計ローターNo2を、1,500〜3,000(mPa・s)の場合にはBH型粘度計ローターNo3を、3,000〜6,000(mPa・s)の場合にはBH型粘度計ローターNo4を、6,000〜13,000(mPa・s)の場合にはBH型粘度計ローターNo5を、13,000〜40,000(mPa・s)の場合にはBH型粘度計ローターNo6を、40,000〜160,000(mPa・s)の場合にはBH型粘度計ローターNo7を用いた。
また、前記粘度計で回転数が2rpmで粘度を測定する場合、測定物の粘度が、1,000〜4,000(mPa・s)の場合にはBH型粘度計ローターNo1を、4,000〜15,000(mPa・s)の場合にはBH型粘度計ローターNo2を、15,000〜30,000(mPa・s)の場合にはBH型粘度計ローターNo3を、30,000〜60,000(mPa・s)の場合にはBH型粘度計ローターNo4を、60,000〜130,000(mPa・s)の場合にはBH型粘度計ローターNo5を、130,000〜400,000(mPa・s)の場合にはBH型粘度計ローターNo6を、400,000〜1,600,000(mPa・s)の場合にはBH型粘度計ローターNo7を用いた。
(ポリウレタン樹脂製造用組成物の流動性)
液温25℃のポリオール組成物と同温のジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)とを当量比で混合し、その初期粘度をBH型粘度計(ブルックフィールド社製)で測定した。
測定は、前記粘度計で回転数が20rpmの場合と、2rpmの場合との2種を測定し、次記(式3):「流動性=2rpmの粘度測定値/20rpmの粘度測定値」でポリウレタン樹脂製造用組成物の流動性を算出した。
ここで、2rpmの粘度測定値とは、粘度測定用ローターを毎分2回転の回転速度で回転させ、回転開始から1分後に測定される定常的な粘度の値をいう。
また、20rpmの粘度測定値とは、粘度測定用ローターを毎分20回転の回転速度で回転させ、回転開始から1分後に測定される定常的な粘度の値をいう。
(有機物溶出率測定法)
ポリオール組成物とジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)とを混合し、室温で24時間硬化させた後、得られた硬化物を100℃の沸騰水に24時間浸漬した。沸騰水を冷却し、JIS K−0551に準拠して、全有機炭素計CPH/CPN(島津製作所製)を用いて水中の全炭素(TC)を測定した。
(硬度測定)
ポリオール組成物とジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)とを混合し、室温で24時間硬化させた後、得られた硬化物をJIS K 6253Aに準拠して、高分子計器社製(機種名:ASKER A型硬度計)を用いて該硬化物の硬度を測定した。
(実施例1)
ヒマシ油(伊藤製油(株)製、商品名:ヒマシ油(マルトクA)、水酸基価:160mgKOH/g、数平均分子量:947)1000gと粉末状の水素添加ヒマシ油(小倉合成(株)製、商品名:C−WAX FP、水酸基価:160mgKOH/g、数平均分子量:947、融点:86℃)50gとの混合物の液温を50℃に調製し、ディスパー(プライミクス(株)製、機種名:T.K.ホモディスパー2.5型)を用いて剪断攪拌を行った。該攪拌は、剪断速度:40/秒で30分間攪拌して、ポリオール組成物(A)を得た。
前記ポリオール組成物(A)のチクソトロピーインデックス値は、6であった。
前記ポリオール組成物(A)を25℃で7日間保管し、保管時における結晶析出の有無を確認した。
(実施例2)
ヒマシ油(伊藤製油(株)製、商品名:ヒマシ油(マルトクA)、水酸基価:160mgKOH/g、数平均分子量:947)1000gとフレーク状の水素添加ヒマシ油(小倉合成(株)製、商品名:C−WAX FP、水酸基価:160mgKOH/g、数平均分子量:947、融点:86℃)50gとの混合物を三本ロール(ロールミル)に通した後、該混合物の液温を50℃に調製し、ディスパー(プライミクス(株)製、機種名:T.K.ホモディスパー2.5型)を用いて剪断攪拌を行った。該攪拌は、剪断速度:40/秒で30分間攪拌して、ポリオール組成物(B)を得た。
前記ポリオール組成物(B)のチクソトロピーインデックス値は、6であった。
前記ポリオール組成物(B)を25℃で7日間保管し、保管時における結晶析出の有無を目視で観察した。
(比較例1)
混合物の液温を70℃に調製した以外は、前記実施例1と同様の操作を行い、ポリオール組成物(C)を得た。
前記ポリオール組成物(C)のチクソトロピーインデックス値は、4であった。
前記ポリオール組成物(C)を25℃で7日間保管し、保管時における結晶析出の有無を目視で観察した。
(比較例2)
ディスパーに代えて、攪拌羽根を用いて剪断速度:3/秒で30分間混合した以外、前記実施例1と同様の操作を行い、ポリオール組成物(C)を得た。
前記ポリオール組成物(D)のチクソトロピーインデックス値は、2であった。
前記ポリオール組成物(D)を25℃で7日間保管し、保管時における結晶析出の有無を目視で観察した。
実施例1〜比較例2で得られたポリオール組成物のチクソトロピーインデックス値及び該ポリオール組成物の保管時における結晶析出の有無を表1に示した。
Figure 2007186647
*1:ポリオール組成物のチクソトロピーインデックス値評価:インデックス値が4以上であれば○、4未満であれば×とした。
*2:結晶の析出が観察され、ポリオール組成物が不均一化した。
(試験例1)
前記実施例1で得られたポリオール組成物(A)と液状ジフェニルメタンジイソシアネート(日本ポリウレタン社製、商品名:ミリオネートMTL)とを用いて、NCO/OH当量比が1となるように配合し、混合、脱泡してポリウレタン樹脂製造用組成物を得た。
前記ポリウレタン樹脂製造用組成物の流動性、該ポリウレタン樹脂製造用組成物を硬化させた後の有機物溶出率及びポリウレタン樹脂の硬度を測定した。
その結果を表2に示した。
(試験例2)
前記実施例2で得られたポリオール組成物(B)を用いた以外は、前記試験例1と同様の操作を行い、評価を行った。
その結果を表2に示した。
(試験例3)
前記比較例1で得られたポリオール組成物(C)を用いた以外は、前記試験例1と同様の操作を行い、評価を行った。
その結果を表2に示した。
(試験例4)
前記比較例2で得られたポリオール組成物(D)を用いた以外は、前記試験例1と同様の操作を行い、評価を行った。
その結果を表2に示した。
(試験例5)
ポリオール組成物としてヒマシ油のみを用いた以外は、前記試験例1と同様の操作を行い、評価を行った。
その結果を表2に示した。
なお、前記ヒマシ油のチクソトロピーインデックス値は1であった。
試験例1〜試験例5の物性評価の結果を表2に示した。
Figure 2007186647
(*1):ポリウレタン樹脂製造用組成物の流動性評価:前記(式3)に示す値が3以上であれば○、3未満であれば×とした。
(*2):有機物溶出率:水中の全炭素(TC)が10ppm未満であれば○、10ppm以上であれば×とした。
本発明のポリオール組成物は、無機粉体を用いずとも、チクソトロピー性を有することが判明した。また、ポリオール組成物を含むポリウレタン樹脂製造用組成物は、液流動が抑制されることが判明した。

Claims (4)

  1. リシノール酸と多価アルコールとを反応させて得られる液状のポリエステルポリオールと、
    リシノール酸と多価アルコールとを反応させて得られるポリエステルポリオールの水素添加物であり、かつ融点が80℃以上である水素添加ポリエステルポリオールとが、
    液温60℃以下で剪断力をかける攪拌で混合されてなることを特徴とするポリオール組成物。
  2. 前記ポリエステルポリオールと前記水素添加ポリエステルポリオールとが混合され、チクソトロピーインデックス値が4以上となるように剪断力をかける攪拌により調製されてなる請求項1記載のポリオール組成物。
  3. 前記ポリエステルポリオール100重量部に対して、前記水素添加ポリエステルポリオールが1〜50重量部配合されてなる請求項1又は2に記載のポリオール組成物。
  4. 請求項1〜3の何れか1項に記載のポリオール組成物とポリイソシアネートとが配合されてなることを特徴とするフィルタシール用ポリウレタン樹脂製造用組成物。
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