JP2007186592A - 蛍光体 - Google Patents

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智 久世
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Abstract

【課題】実用上、発光強度において問題の少ない蛍光体とその製造方法を提供する。
【解決手段】式(1)で表される化合物から実質的になることを特徴とする蛍光体。
aM1 2O・b(M2 1-x3 x23 (1)
(ただし、式(1)中のM1はNaおよび/またはKであり、M2はSc、In、Yb、TmおよびLuからなる群より選ばれる1種以上の元素であり、M3はTb、Mn、CeおよびEuからなる群より選ばれる1種以上の元素であり、aは0.4以上0.6以下の範囲の値であり、bは0.4以上0.6以下の範囲の値であり、xは0.0005以上0.5以下の範囲の値である。)
【選択図】なし

Description

本発明は蛍光体に関する。
蛍光体は発光素子に用いられている。発光素子としては、蛍光体の励起源が電子線である電子線励起発光素子(例えば、ブラウン管、フィールドエミッションディスプレイ、表面電界ディスプレイ等)、蛍光体の励起源が紫外線である紫外線励起発光素子(例えば、液晶ディスプレイ用バックライト、3波長型蛍光ランプ、高負荷蛍光ランプ等)、蛍光体の励起源が真空紫外線である真空紫外線励起発光素子(例えば、プラズマディスプレイパネル、希ガスランプ等)、蛍光体の励起源が青色LEDの発する光または紫外LEDの発する光である白色LED等が挙げられる。
従来の蛍光体として、層状構造を有し、組成がLiLnO2:Bi3+(Ln=Sc,Y,La,Gd,Lu)、NaLnO2:Bi3+(Ln=Sc,Y,La,Gd,Lu)である蛍光体が、非特許文献1に開示されている。
「ジャーナル オブ エレクトロケミカル ソサイティー(J.Electrochem.Soc.)」(1981年)128巻、p.1327−p.1333
しかしながら、従来の蛍光体は発光強度が十分でなく、本発明者らは、従来の蛍光体に代わる蛍光体としてNaLuO2:Euの合成を試みたが、Lu23:Euが副生成物として生成しやすく、合成が容易でなかった。本発明の目的は、実用上、発光強度において問題の少ない蛍光体とその製造方法を提供することにある。
本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、本発明に至った。
すなわち本発明は、下記の蛍光体、蛍光体ペースト、発光素子および蛍光体の製造方法を提供するものである。
<1>式(1)で表される化合物から実質的になることを特徴とする蛍光体。
aM1 2O・b(M2 1-x3 x23 (1)
(ただし、式(1)中のM1はNaおよび/またはKであり、M2はSc、In、Yb、TmおよびLuからなる群より選ばれる1種以上の元素であり、M3はTb、Mn、CeおよびEuから選ばれる1種以上の元素であり、aは0.4以上0.6以下の範囲の値であり、bは0.4以上0.6以下の範囲の値であり、xは0.0005以上0.5以下の範囲の値である。)
<2>化合物の結晶構造がNaFeO2型の結晶構造である前記<1>記載の蛍光体。
<3>前記<1>または<2>に記載の蛍光体を有する蛍光体ペースト。
<4>前記<1>または<2>に記載の蛍光体を有する発光素子。
<5>金属化合物混合物を焼成することによる蛍光体の製造方法であって、該金属化合物混合物が、M1、M4およびM3を、モル比でそれぞれ(a×c):(b×(1−x)):(b×x)の割合で含有する金属化合物混合物(ただし、M1、M3、a、bおよびxは前記と同じ意味を有し、M4はSc、In、YbおよびTmであり、cは1以上3以下の範囲の値である。)である蛍光体の製造方法。
<6>金属化合物混合物を焼成することによる蛍光体の製造方法であって、該金属化合物混合物が、M1、LuおよびM3を、モル比でそれぞれ(a×c):(b×(1−x)):(b×x)の割合で含有する金属化合物混合物(ただし、M1、M3、a、bおよびxは前記と同じ意味を有し、cは1.7以上3以下の範囲の値である。)である蛍光体の製造方法。
本発明によれば、蛍光体は高い発光強度を示し、発光素子用に好適に使用され、具体的には、電子線励起発光素子、紫外線励起発光素子、真空紫外線励起発光素子、白色LEDに好適に使用でき、工業的に極めて有用である。
以下に本発明について詳しく説明する。
本発明の蛍光体は、式(1)で表される化合物から実質的になることを特徴とする。
aM1 2O・b(M2 1-x3 x23 (1)
(ただし、式(1)中のM1はNaおよび/またはKであり、M2はSc、In、Yb、TmおよびLuからなる群より選ばれる1種以上の元素であり、M3はTb、Mn、CeおよびEuから選ばれる1種以上の元素であり、aは0.4以上0.6以下の範囲の値であり、bは0.4以上0.6以下の範囲の値であり、xは0.0005以上0.5以下の範囲の値である。)
式(1)において、蛍光体の発光強度の観点から、M1はNaであることが好ましい。また本発明の効果を阻害しない範囲で、M1の一部をLiで置換しても良い。この阻害しない範囲としては、M1の50モル%以下が挙げられる。
式(1)において、蛍光体の合成面から、M2はScおよび/またはInであることが好ましい。
式(1)において、蛍光体の発光強度の観点から、M3はTb、CeおよびEuから選ばれる1種以上の元素であることが好ましく、Tbであることがさらに好ましい。
式(1)において、aは0.45以上0.55以下の範囲の値であることが好ましく、さらに好ましくは0.48以上0.52以下の範囲の値である。式(1)において、bは0.45以上0.55以下の範囲の値であることが好ましく、さらに好ましくは0.48以上0.52以下の範囲の値である。式(1)において、xは0.001以上0.1以下の範囲の値であることが好ましく、さらに好ましくは0.005以上0.05以下の範囲の値である。a、bおよびxを上記のような範囲の値とすることで、本発明の蛍光体は、より大きい発光強度を示す傾向にある。
式(1)において、本発明の効果を阻害しない範囲で、M3の一部をAl、Y、La、Gd、Pr、Nd、Sm、Dy、Ho、ErおよびBiからなる群より選ばれる1種以上の元素で置換してもよい。この阻害しない範囲としては、M3の50モル%以下が挙げられる。
また、蛍光体の発光強度の観点から、本発明の蛍光体は、結晶構造がNaFeO2型の結晶構造である化合物から実質的になることが好ましい。NaFeO2型の結晶構造は、層状構造である。
次に、本発明の蛍光体を製造する方法について説明する。
本発明の蛍光体は、例えば次のようにして製造することができる。本発明の蛍光体は、焼成により式(1)で表される化合物となる金属化合物混合物を焼成することによって製造することができる。すなわち対応する金属元素を含有する化合物を所定の組成となるように秤量し混合した後に得られた金属化合物混合物を焼成することにより製造することができる。
具体的には、式(1)で表される化合物は、M1を含有する化合物、M2を含有する化合物、M3を含有する化合物の各原料を、M1:M2:M3のモル比がa×c:b×(1−x):b×xとなるように秤量し、それらを混合して得られる金属化合物混合物を焼成することにより製造される。cの値は、選択される元素の種類すなわちM1、M2およびM3の元素の種類により適宜設定されるが、M2としてM4(ただしM4はSc、In、YbおよびTmからなる群より選ばれる1種以上の元素である。)を用いるときは、cは1以上3以下の範囲の値であり、M2としてLuを用いるときは、cは1.7以上3以下の範囲の値である。
前記の金属元素を含有する化合物としてはNa、K、Sc、In、Yb、Tm、Eu、Lu、Tb、Mn、Ce、Li、Al、Y、La、Gd、Pr、Nd、Sm、Dy、Ho、ErおよびBiの化合物で、例えば、酸化物を用いるか、または水酸化物、炭酸塩、硝酸塩、ハロゲン化物、シュウ酸塩など高温で分解および/または酸化して酸化物になりうるものを用いることができる。
前記金属元素を含有する化合物の混合には、例えばボールミル、V型混合機、攪拌機等の通常工業的に用いられている装置を用いることができる。このとき乾式混合、湿式混合のいずれによってもよい。また晶析により、金属化合物混合物を得てもよい。
前記金属化合物混合物を、必要に応じて焼成容器に入れ、通常700℃〜1500℃の範囲の温度、好ましくは750℃〜1000℃の範囲の温度にて、0.5時間以上100時間以下保持して焼成することにより本発明の蛍光体が得られる。
金属化合物混合物に水酸化物、炭酸塩、硝酸塩、ハロゲン化物、シュウ酸塩など高温で分解および/または酸化しうる化合物を使用した場合、前記の焼成温度より低い温度で保持して仮焼を行い、酸化物としたり、結晶水を除去した後に、前記の焼成を行うことも可能である。仮焼時の雰囲気は不活性ガス雰囲気、酸化性雰囲気もしくは還元性雰囲気のいずれでもよい。また仮焼後に粉砕することもできる。
焼成時の雰囲気としては、例えば、窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気;空気、酸素、酸素含有窒素、酸素含有アルゴン等の酸化性雰囲気;水素を0.1から10体積%含有する水素含有窒素、水素を0.1から10体積%含有する水素含有アルゴン等の還元性雰囲気が挙げられる。強い還元性の雰囲気で焼成する場合には適量の炭素を金属化合物混合物に含有させて焼成してもよい。
ここで、前記の焼成容器としては、上記の温度、雰囲気において、金属化合物混合物との反応性が低い材質の容器が好ましく、例えば、Au製容器、Pt製容器を挙げることができる。
また、上記の金属化合物としてフッ化物、塩化物等を用いることにより、生成する蛍光体の結晶性を高めることおよび/または平均粒径を大きくすることができる。生成する蛍光体の結晶性を高めることおよび/または平均粒径を大きくするために、適量のフラックスを添加してもよい。フラックスとしては、例えば、NH4Cl、NH4I等のハロゲン化アンモニウム、B23、H3BO3等のホウ素化合物などを挙げることができる。
以上の方法により得られた蛍光体を、ボールミルやジェットミルなどを用いて粉砕することができ、粉砕と焼成を2回以上繰り返してもよい。得られた蛍光体は必要に応じて洗浄あるいは分級することもできる。
また、蛍光体に含有される元素の含有量は、例えばGD−MS分析装置を用いて、測定される。
次に、本発明の蛍光体を有する蛍光体ペーストについて説明する。
本発明の蛍光体ペーストは、本発明の蛍光体および有機物を主成分として含有し、該有機物としては、溶剤、バインダー等が挙げられる。本発明の蛍光体ペーストは、従来の発光素子の製造において使用されている蛍光体ペーストと同様に用いることができ、熱処理することにより蛍光体ペースト中の有機物を揮発、燃焼、分解等により除去し、本発明の蛍光体から実質的になる蛍光体層を得ることができる蛍光体ペーストである。
本発明の蛍光体ペーストは、例えば、特開平10−255671号公報に開示されているような公知の方法により製造することができ、例えば、本発明の蛍光体とバインダーと溶剤とを、ボールミルや三本ロール等を用いて混合することにより、得ることができる。
前記バインダーとしては、セルロース系樹脂(エチルセルロース、メチルセルロース、ニトロセルロース、アセチルセルロース、セルロースプロピオネート、ヒドロキシプロピルセルロース、ブチルセルロース、ベンジルセルロース、変性セルロースなど)、アクリル系樹脂(アクリル酸、メタクリル酸、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、プロピルアクリレート、プロピルメタクリレート、イソプロピルアクリレート、イソプロピルメタクリレート、n−ブチルアクリレート、n−ブチルメタクリレート、tert−ブチルアクリレート、tert−ブチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、ベンジルアクリレート、ベンジルメタクリレート、フェノキシアクリレート、フェノキシメタクリレート、イソボルニルアクリレート、イソボルニルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、スチレン、α−メチルスチレンアクリルアミド、メタアクリルアミド、アクリロニトリル、メタアクリロニトリルなどの単量体のうちの少なくとも1種の重合体)、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルアルコール、プロピレングリコール、ポリエチレンオキサイド、ウレタン系樹脂、メラミン系樹脂、フェノール樹脂などが挙げられる。
また前記溶剤としては、例えば1価アルコールのうち高沸点のもの;エチレングリコールやグリセリンに代表されるジオールやトリオールなどの多価アルコール;アルコールをエーテル化および/またはエステル化した化合物(エチレングリコールモノアルキルエーテル、エチレングリコールジアルキルエーテル、エチレングリコールアルキルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジアルキルエーテル、プロピレングリコールモノアルキルエーテル、プロピレングリコールジアルキルエーテル、プロピレングリコールアルキルアセテート)などが挙げられる。
前記のようにして得られた蛍光体ペーストを、基板に塗布後、熱処理して得られる蛍光体層は大きい発光強度を示す。基板としては、材質はガラス基板、樹脂フィルム等であってもよく、また、形状は板状のもの、容器状のものであってもよく、さらにフレキシブルなものであってもよい。また、塗布の方法としては、スクリーン印刷法、インクジェット法等が挙げられる。また、熱処理の温度としては、通常、300℃〜600℃である。また、基板に塗布後、熱処理を行う前に、室温〜300℃の温度で乾燥を行ってもよい。
ここで、本発明の蛍光体を有する発光素子の例として真空紫外線励起発光素子であるプラズマディスプレイパネルを挙げてその製造方法について説明する。プラズマディスプレイパネルの製造方法としては例えば、特開平10−195428号公報に開示されているような公知の方法が使用できる。すなわち、本発明の蛍光体が青色発光を示す場合は、緑色蛍光体、赤色蛍光体、本発明の青色蛍光体のそれぞれの蛍光体を、例えば、セルロース系樹脂、ポリビニルアルコールからなるバインダーおよび溶剤と混合して蛍光体ペーストを調製する。背面基板の内面の、隔壁で仕切られアドレス電極を備えたストライプ状の基板表面と隔壁面に、蛍光体ペーストをスクリーン印刷などの方法によって塗布し、300〜600℃の温度範囲で熱処理し、それぞれの蛍光体層を得る。これに、蛍光体層と直交する方向の透明電極およびバス電極を備え、内面に誘電体層と保護層を設けた表面ガラス基板を重ねて接着する。内部を排気して低圧のXeやNe等の希ガスを封入し、放電空間を形成させることにより、プラズマディスプレイパネルを製造することができる。
次に本発明の蛍光体を有する電子線励起発光素子の例として、フィールドエミッションディスプレイを挙げてその製造方法について説明する。フィールドエミッションディスプレイの製造方法としては例えば、特開2002−138279号公報に開示されているような公知の方法が使用できる。すなわち、本発明の蛍光体が青色発光を示す場合は、緑色蛍光体、赤色蛍光体、本発明の青色蛍光体のそれぞれの蛍光体を、それぞれ、例えば、ポリビニルアルコール水溶液などに分散して蛍光体ペーストを調製する。その蛍光体ペーストをガラス基板上に塗布後、熱処理することにより蛍光体層を得てフェイスプレートとする。そのフェイスプレートと多数の電子放出素子を有するリアプレートとを支持枠を介して組立てるとともに、これらの間隙を真空排気しつつ気密封止するなど通常の工程を経て、フィールドエミッションディスプレイを製造することができる。
次に本発明の蛍光体を有する白色LEDの製造方法について説明する。白色LEDの製造方法としては例えば、特開平5−152609号公報および特開平7−99345号公報等に開示されているような公知の方法が使用できる。すなわち少なくとも本発明の蛍光体を含有する蛍光体を、エポキシ樹脂、ポリカーボネート、シリコンゴムなどの透光性樹脂中に分散させ、その蛍光体を分散させた樹脂を青色LEDまたは紫外LEDを取り囲むように成形することにより、白色LEDを製造することができる。
次に本発明の蛍光体を有する紫外線励起発光素子の例として、高負荷蛍光ランプ(ランプの管壁の単位面積当りの消費電力が大きな小型の蛍光ランプ)を挙げてその製造方法について説明する。高負荷蛍光ランプの製造方法としては例えば、特開平10−251636号公報に開示されているような公知の方法が使用できる。すなわち、本発明の蛍光体が青色発光を示す場合は、緑色蛍光体、赤色蛍光体、本発明の青色蛍光体のそれぞれの蛍光体を、例えば、ポリエチレンオキサイド水溶液などに分散して蛍光体ペーストを調製する。この蛍光体ペーストをガラス管内壁に塗布し、乾燥を行ったあと、300〜600℃の温度範囲で熱処理し、蛍光体層を得る。これに、フィラメントを装着したのち、排気など通常の工程を経て、低圧のAr、KrやNe等の希ガスおよび水銀を封入して口金を取り付けて放電空間を形成させることにより、高負荷蛍光ランプを製造することができる。
次に、本発明を実施例によりさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
発光の評価は、次のようにして行った。合成した蛍光体は分光蛍光光度計(株式会社SPEX社製、装置名Fluoromax)を用いて、230nm〜750nmの範囲にて励起スペクトルおよび発光スペクトルを測定し、評価した。
真空紫外線励起発光の評価は、次のようにして行った。6.7Pa(5×10-2Torr)以下の室温(約25℃)の真空槽内で、蛍光体に、エキシマ146nmランプ(ウシオ電機社製、H0012型)またはエキシマ172nmランプ(ウシオ電機社製、H0016型)を用いて真空紫外線を照射して、蛍光体を励起して得られる発光について、真空紫外線励起発光スペクトルを測定し、評価した。
電子線励起発光の評価は、次のようにして行った。電子線マイクロアナライザ(株式会社島津製作所製、EPMA−1610)に、フォトマル(光電子倍増管)検出器を取り付けた装置内で、蛍光体に、加速電圧15kV、試料電流50nAで、照射面積1μmφの電子線を照射して、蛍光体を励起して得られる発光のうち200〜900nmの光について、該検出器で検出して、電子線励起発光スペクトルを測定し、評価した。
実施例1(NaScO2:Eu)
シュウ酸ナトリウム(Na224、ナカライテスク株式会社製、純度99.5%以上)と酸化スカンジウム(Sc23、株式会社高純度化学研究所製、純度99.99%以上)、硝酸ユーロピウム6水和物(Eu(NO33・6H2O、関東化学株式会社製、純度99.95%以上)の各原料をNa:Sc:Euのモル比が1:1:0.01となるように秤量し、乳鉢を用いて乾式混合を行った後、得られた金属化合物混合物をNa源の昇華を防ぐためAu製の容器で包み、空気雰囲気中において950℃で6時間保持して焼成することにより、蛍光体1を得た。蛍光体1のX線回折図形を図1に示す。図1より蛍光体1における化合物の結晶構造がNaFeO2型の結晶構造であることがわかった。蛍光体1について、励起・発光スペクトル測定を行った結果を図2、図3に示す。図2は観測発光波長を612nmとした励起スペクトルであり、図3は282nmで励起した場合の発光スペクトルである。
実施例2(NaScO2:Tb)
炭酸ナトリウム(Na2CO3、ナカライテスク株式会社製、純度99.5%以上)と酸化スカンジウム(Sc23、株式会社高純度化学研究所製、純度99.99%以上)、硝酸テルビウム6水和物(Tb(NO33・6H2O、関東化学株式会社製、純度99.95%以上)の各原料をNa:Sc:Euのモル比が1:1:0.01となるように秤量し、乳鉢を用いて乾式混合を行った後、得られた金属化合物混合物をNa源の昇華を防ぐためAu製の容器で包み、2%アルゴン水素雰囲気中において950℃で6時間保持して焼成することにより、蛍光体2を得た。蛍光体2のX線回折図形を図4に示す。図4より蛍光体2における化合物の結晶構造がNaFeO2型の結晶構造であることがわかった。蛍光体2について、励起・発光スペクトル測定を行った結果を図5、図6に示す。図5は観測発光波長を542nmとした励起スペクトルであり、図6は304nmで励起した場合の発光スペクトルである。
実施例3(NaInO2:Eu)
炭酸ナトリウム(Na2CO3、ナカライテスク株式会社製、純度99.5%以上)と酸化インジウム(In23、関東化学株式会社製、純度99.9%以上)、硝酸ユウロピウム6水和物(Eu(NO33・6H2O、関東化学株式会社製、純度99.95%以上)の各原料をNa:In:Euのモル比が1:1:0.01となるように秤量し、乳鉢を用いて乾式混合を行った後、得られた混合物をムライトボートを利用して空気雰囲気中において850℃で6時間保持して焼成することにより、蛍光体3を得た。蛍光体3のX線回折図形を図7に示す。図7より蛍光体3における化合物の結晶構造がNaFeO2型の結晶構造であることがわかった。蛍光体3について、励起・発光スペクトル測定を行った結果を図8、図9に示す。図8は観測発光波長を613nmとした励起スペクトルであり、図9は331nmで励起した場合の発光スペクトルである。
参考例1
シュウ酸ナトリウム(Na224、ナカライテスク株式会社製、純度99.5%以上)とシュウ酸ルテチウム(Lu2(C243・6H2O、関東化学株式会社製、純度99.95%以上)、硝酸ユウロピウム6水和物(Eu(NO33・6H2O、関東化学株式会社製、純度99.95%以上)の各原料をNa:Lu:Euのモル比が1.5:1:0.01となるように秤量し、乳鉢を用いて乾式混合を行った後、得られた金属化合物混合物をNa源の昇華を防ぐためAu製の容器で包み、空気雰囲気中において950℃で6時間保持して焼成することにより、蛍光体4を得た。蛍光体4のX線回折図形を図10に示す。図10より蛍光体4における化合物の結晶構造は、NaFeO2型の結晶構造を含み、さらにLu23の結晶構造を多く含むことがわかった。
実施例4(NaLuO2:Eu)
シュウ酸ナトリウム(Na224、ナカライテスク株式会社製、純度99.5%以上)とシュウ酸ルテチウム(Lu2(C243・6H2O、関東化学株式会社製、純度99.95%以上)、硝酸ユウロピウム6水和物(Eu(NO33・6H2O、関東化学株式会社製、純度99.95%以上)の各原料をNa:Lu:Euのモル比が2:1:0.01となるように秤量し、乳鉢を用いて乾式混合を行った後、得られた金属化合物混合物をNa源の昇華を防ぐためAu製の容器で包み、空気雰囲気中において950℃で6時間保持して焼成することにより、蛍光体5を得た。蛍光体5のX線回折図形を図10に示す。図10より蛍光体5における化合物の結晶構造がNaFeO2型の結晶構造であることがわかった。蛍光体5について、励起・発光スペクトル測定を行った結果を図11に示す。図11には観測発光波長を593nmとした励起スペクトルおよび249nmで励起した場合の発光スペクトルを示す。
実施例5
上記の蛍光体1について真空紫外線励起発光の評価を行った結果を図12、図13に示す。図12は146nmランプで励起した場合の真空紫外線励起発光スペクトルであり、図13は172nmランプで励起した場合の真空紫外線励起発光スペクトルである。
実施例6
上記の蛍光体2について真空紫外線励起発光の評価を行った結果を図14、図15に示す。図14は146nmランプで励起した場合の真空紫外線励起発光スペクトルであり、図15は172nmランプで励起した場合の真空紫外線励起発光スペクトルである。
上記の蛍光体3について電子線励起発光の評価を行ったときの電子線励起発光スペクトルを図16に示す。
蛍光体1のX線回折図形。 蛍光体1の励起スペクトル。 蛍光体1の発光スペクトル。 蛍光体2のX線回折図形。 蛍光体2の励起スペクトル。 蛍光体2の発光スペクトル。 蛍光体3のX線回折図形。 蛍光体3の励起スペクトル。 蛍光体3の発光スペクトル。 蛍光体4および蛍光体5のX線回折図形。 蛍光体5の励起スペクトルおよび発光スペクトル。 蛍光体1の146nm励起発光スペクトル。 蛍光体1の172nm励起発光スペクトル。 蛍光体2の146nm励起発光スペクトル。 蛍光体2の172nm励起発光スペクトル。 蛍光体3の電子線励起発光スペクトル。

Claims (6)

  1. 式(1)で表される化合物から実質的になることを特徴とする蛍光体。
    aM1 2O・b(M2 1-x3 x23 (1)
    (ただし、式(1)中のM1はNaおよび/またはKであり、M2はSc、In、Yb、TmおよびLuからなる群より選ばれる1種以上の元素であり、M3はTb、Mn、CeおよびEuからなる群より選ばれる1種以上の元素であり、aは0.4以上0.6以下の範囲の値であり、bは0.4以上0.6以下の範囲の値であり、xは0.0005以上0.5以下の範囲の値である。)
  2. 化合物の結晶構造がNaFeO2型の結晶構造である請求項1記載の蛍光体。
  3. 請求項1または2のいずれかに記載の蛍光体を有する蛍光体ペースト。
  4. 請求項1または2のいずれかに記載の蛍光体を有する発光素子。
  5. 金属化合物混合物を焼成することによる蛍光体の製造方法であって、該金属化合物混合物が、M1、M4およびM3を、モル比でそれぞれ(a×c):(b×(1−x)):(b×x)の割合で含有する金属化合物混合物(ただし、M1、M3、a、bおよびxは前記と同じ意味を有し、M4はSc、In、YbおよびTmからなる群より選ばれる1種以上の元素であり、cは1以上3以下の範囲の値である。)である蛍光体の製造方法。
  6. 金属化合物混合物を焼成することによる蛍光体の製造方法であって、該金属化合物混合物が、M1、LuおよびM3を、モル比でそれぞれ(a×c):(b×(1−x)):(b×x)の割合で含有する金属化合物混合物(ただし、M1、M3、a、bおよびxは前記と同じ意味を有し、cは1.7以上3以下の範囲の値である。)である蛍光体の製造方法。
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