JP2007185641A - 光触媒膜付きガラス板およびその製造方法 - Google Patents

光触媒膜付きガラス板およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】可視光応答性と高い触媒活性とを有し、かつ干渉色が目立たない光触媒膜が形成されたガラス板を提供する。
【解決手段】本発明の光触媒膜付きガラス板4は、ガラス板1と、ガラス板1の主表面上に形成された酸化チタン薄膜2からなる光触媒膜とを備えている。酸化チタン薄膜2は、窒素とハロゲンを含むとともに、その厚さが2nm以上100nm以下に調整されている。このような光触媒膜付きガラス板4は、熱CVD装置をフロート製造ラインに組み込んだオンラインCVD法によって製造することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、光触媒性能を高めるために他元素を添加した酸化チタン薄膜からなる光触媒膜が形成されたガラス板と、その製造方法に関する。
酸化チタン(TiO2)膜は、光触媒膜として利用されている。TiO2に紫外線を照射すると、電子と正孔が生成し、光誘起分解反応や光誘起親水反応を示すようになる。光触媒は、これらの反応による親水性、防曇性、自己浄化性、抗菌性等の特性を利用したものである。従来のTiO2による光触媒は、約380nmより短い波長の紫外領域の光を照射しなければ、触媒活性を発現させることができなかった。したがって、太陽光や蛍光灯に多く含まれている可視領域の光を有効利用できなかった。
近年、可視光の照射に対して活性を示す酸化チタン光触媒膜の開発が行われている。特許文献1によると、TiO2膜中の酸素のサイトの少なくとも一部を窒素で置換した窒素含有酸化チタン膜を用いることによって、可視領域の光に応答する光触媒を実現できる、とある。
国際公開第01/10552号パンフレット
特許文献1に開示された窒素含有酸化チタン膜は、可視領域の光に応答するが、光触媒活性が必ずしも充分とならない。特許文献1には、スパッタリング法でTiO2膜を形成した後に、アンモニアまたは窒素を含む雰囲気でTiO2膜を焼成処理するとある。焼成処理を還元雰囲気下で実施するため、酸素のサイトに窒素が置換すると同時に、酸素欠陥サイトの生成も進行する。この酸素欠陥サイトが電子と正孔の再結合中心となるため、可視光応答性の獲得と引き替えに触媒活性が低下すると考えられる。
また、スパッタリング法を実施するには、大がかりな真空成膜装置が必要であり、コスト高となる場合が多い。また、TiO2膜を形成した後で焼成処理を施すことから、工程数が多くなりがちである。このように、スパッタリング法によってTiO2膜を形成するやり方は、大量生産向きとは言い難い。
本発明は、上述のような問題点に着目して完成されたものである。その目的は、可視光応答性と高い触媒活性とを有する光触媒膜が形成されたガラス板を提供することにある。また、そのような光触媒膜が形成されたガラス板を、安価に大量生産する方法を提供することを目的とする。
すなわち、本発明は、ガラス板と、ガラス板の主表面上に直接または下地膜を介して形成された、窒素およびハロゲンを含む酸化チタン薄膜からなる光触媒膜と、を備えた光触媒膜付きガラス板を提供する。
また、本発明は、チタン原料、酸素原料、窒素原料およびハロゲン原料を含む原料ガスを、所定温度のガラス板の主表面または主表面上に形成された下地膜の表面に接触させる常圧熱CVD法により、窒素およびハロゲンを含む酸化チタン薄膜からなる光触媒膜をガラス板上に直接または下地膜を介して形成する、光触媒膜付きガラス板の製造方法を提供する。
上記本発明の光触媒膜付きガラス板は、光触媒膜としての酸化チタン薄膜が窒素とハロゲンを含有する。酸化チタン薄膜に窒素を添加すると、可視光に対する光触媒性能を高めることができる。他方、窒素添加の副作用として紫外光に対する光触媒活性が劣化するが、ハロゲン添加によりこの劣化を食い止めることができる。ハロゲンは、窒素添加による酸素欠陥サイトの増加を抑制し、光触媒活性を低下させる再結合中心の生成を抑制するためと考えられる。
さらに、酸化チタン薄膜の膜厚を2nm以上100nm以下に設定することにより、酸化物としては比較的屈折率が高い酸化チタンを用いても干渉色の発生を抑制することが可能である。酸化チタン薄膜の厚さを大きくしすぎると、干渉色が生じやすくなる。逆に、厚さを小さくしすぎると十分な光触媒性能を得られなかったり、機械的耐久性が不足したりするおそれがある。
また、本発明の製造方法によれば、窒素およびハロゲンを含む酸化チタン薄膜を常圧熱CVD法によって形成するため、その酸化チタン薄膜が形成された大面積のガラス板の連続大量生産が可能となる。さらに、熱CVD法によれば、酸化チタン粒子を含むコーティング剤を塗布することによって形成した光触媒膜や、スパッタリング法によって形成した光触媒膜と比較して、機械的耐久性に優れる光触媒膜を形成することができる。
図1は、本発明の光触媒膜付きガラス板の断面模式図である。図1(a)に示すように、第1の実施形態にかかる光触媒膜付きガラス板4は、ガラス板1と、酸化チタン薄膜2とを備えている。酸化チタン薄膜2は、ガラス板1の主表面上に直接形成されている。
図1(b)に示すように、第2の実施形態にかかる光触媒膜付きガラス板5は、ガラス板1と、酸化チタン薄膜2と、両者の間に位置する1層以上の下地膜3とを備えている。下地膜3は、アルカリバリア機能などの役割を持っているとよい。ガラス板1がアルカリ成分を含むガラスからなる場合、例えば、酸化チタン薄膜2を形成している最中にアルカリ成分が酸化チタン薄膜2に移動することが考えられる。アルカリ成分が酸化チタン薄膜2に移ると、酸化チタン薄膜2の結晶性が悪くなり、光触媒性能が劣化するおそれがある。そこで、ガラス板1と酸化チタン薄膜2との間に下地膜3が介在するように構成しておけば、アルカリ成分が移動することによる悪影響を防止することができる。
各実施形態に共通の酸化チタン薄膜2は、その主成分がTiO2なる組成式で表されて、TiO2含有量が通常50質量%以上のものであって、チタンと酸素以外に、窒素とハロゲンを含む。なお、本明細書で単に「酸化チタン」といえば、酸化数=4のTiO2のほか、Ti25またはTi23といった他の価数を持った広義の酸化チタンを意味する。
一般に、酸化チタン薄膜に窒素を添加すると、可視光応答性という点では新しい触媒活性が発現する。しかしながら、光触媒膜としての触媒活性自体は、窒素添加により低下する傾向がある。その理由は必ずしも明らかではないが、窒素を添加すると酸化チタン薄膜中の酸素欠陥サイトが増し、この酸素欠陥サイトが電子と正孔の再結合中心となり、紫外光に対する触媒活性が大幅に低下するためと考えられる。
一方、窒素とともにハロゲンを含有する酸化チタン薄膜2は、窒素だけを添加した酸化チタン薄膜よりも触媒活性が向上する。その理由は必ずしも明らかではないが、ハロゲンを添加することにより、窒素添加に基づく酸素欠陥サイトの生成が抑制され、紫外光に対する触媒活性の低下を防止できるためと考えられる。
酸化チタン薄膜2における窒素の含有量は、酸化チタンに含まれるチタンに対する原子%で表して、0.01原子%以上10原子%以下、好ましくは0.1原子%以上5原子%以下である。窒素含有量が多すぎると、ハロゲンを添加しても酸素欠陥サイトの生成を十分に抑制することが困難となり、結果的に触媒活性の低下を招く場合がある。
窒素の含有量は、例えば、X線光電子分光法(X-ray Photoelectron Spectroscopy:XPS)やEPMA法(Electron Probe Micro Analysis)で求めることができる。さらに、XPSスペクトルによれば、窒素の結合状態に関する情報を得ることができる。窒素を含む酸化チタン薄膜のXPSスペクトルに観察されるN1sピークの化学シフトは、窒素が酸化チタンの酸素サイトを置換してチタンと化学的な結合を形成していることを裏付ける。また、窒素は、酸化チタンの格子間に侵入している可能性や、酸化チタンの結晶粒界に存在している可能性があり、酸化チタン薄膜2中の含有形態は必ずしも定かではない。
窒素とともに酸化チタン薄膜2に添加するハロゲンはフッ素が好ましい。酸化チタン薄膜2におけるフッ素の含有量は、質量百万分率で表して、10ppm以上であることが好ましい。さらにフッ素の含有量は、二次イオン質量分析法(SIMS:Secondary Ion Mass Spectrometry)を用いて、酸化チタン薄膜2の深さ方向のプロファイルを計測した際、チタンのカウント値に対するフッ素のカウント値の比(以下、フッ素の相対強度という)で表示して、0.01〜1の範囲であることが好ましい。フッ素を添加すると酸素欠陥サイトの生成が抑制されるが、フッ素の含有量が多すぎると、酸化チタン薄膜2の結晶性が悪くなり、結果的に触媒性能が低下する場合がある。なお、酸化チタン薄膜2におけるフッ素の含有形態は、窒素と同様に必ずしも定かでなく、酸化チタンの酸素サイトを置換している可能性と、酸化チタンの格子間に侵入している可能性と、酸化チタンの結晶粒界に存在している可能性との、いずれの可能性もある。
酸化チタン薄膜2はチタン、窒素、酸素、ハロゲン以外に水素(H)を含んでいてもよい。酸化チタン薄膜2に水素を添加することにより、酸化チタン薄膜2の屈折率を低減することができる。酸化チタンの屈折率nTは、nT=2.61〜2.90(ルチル)またはnT=2.45〜2.55(アナターゼ)と比較的大きい。水素を添加することによって酸化チタン薄膜2の屈折率を小さくすれば、酸化チタン薄膜2の表面での光の反射、ならびに酸化チタン薄膜2とガラス板1との界面での光の反射を低減できる。光の反射を抑制するという要請に答えるための一つの手段として、酸化チタン薄膜2に水素を添加するという手段を示すことができる。
また、酸化チタン薄膜2の厚さは、2nm以上100nm以下(好ましくは5nm以上80nm以下)とすることが好ましい。このような膜厚に調整することにより、干渉色を発生させないようにすることができる。
ガラス板上に酸化チタン薄膜を形成する一つの方法として、粒子状の酸化チタンを含むコーティング液をガラス板に塗工するという方法が考えられる。しかしながら、この方法で使用する酸化チタンは粒子状であるため、ガラス基板上にコーティングするときに酸化チタン粒子が凝集して、酸化チタンの粒径(二次粒径)が不可避的に大きくなる。酸化チタンの粒径が大きくなると、酸化チタンを含む光触媒膜の膜厚が大きくなってしまう。また、膜表面の平坦性も悪い。こうした結果、光触媒膜の反射率が高くなり、反射の干渉色が目立つようになる。また、粒子状の酸化チタンを用いて光触媒膜を形成するので、光触媒膜の機械的耐久性にも不安が残る。他の一つの方法としてはスパッタリング法があるが、これも既に説明したように、本質的に大量生産に不向きである。
したがって、酸化チタン薄膜2を形成する方法は、CVD法であることが好ましい。それは以下の理由による。スパッタリング法などの真空成膜法は、均一な厚さの薄膜を形成できるという点で優れている。しかしながら、CVD法に代表される熱分解法によって形成した薄膜は、物理蒸着法の代表格であるスパッタリング法で形成した薄膜よりも機械的耐久性に優れている。本発明のごとく、酸化チタン薄膜2の厚さを小さくする場合には、酸化チタン薄膜2の耐久性を十分なものとするために熱分解法、特に、CVD法による成膜が推奨される。また、CVD法によれば、干渉色が現れない程度に十分小さい膜厚の酸化チタン薄膜2を容易に形成することができる。
熱分解法に分類される成膜法には、CVD法またはスプレー法がある。薄膜の耐久性の点では、CVD法、特に熱CVD法が優れている。スプレー法は、膜厚の均一性がCVD法より劣る。光触媒膜を形成するべきガラス板1が大面積になるほど、膜厚の均一性に優れる熱CVD法が推奨される。熱CVD法の中でも、減圧設備が不要な常圧熱CVD法を採用することが好ましい。
熱CVD法でガラス板1上に形成した酸化チタン薄膜2は、薄膜を形成するエネルギーとして熱を利用しているため、スパッタリング法など他の方法で形成した酸化チタン薄膜と比較して、ガラス板1上または下地膜3上に強固に形成することができる。すなわち、熱CVD法によれば、ガラス板1上または下地膜3との密着性、ならびに機械的耐久性に優れた酸化チタン薄膜2を形成することができる。
熱CVD法では、所定の大きさのガラス板1を加熱し、その加熱したガラス板1の主表面に、ガス状の原料を吹き付けることによって酸化チタン薄膜2を形成する。
具体的には、図2に示すような熱CVD装置(常圧熱CVD装置)を使用することができる。熱CVD装置100において、ガラス板1はメッシュベルト13に載せられて搬送される。ガラス板1はトンネル状の加熱炉11内を移動しながら、所定温度まで加熱される。所定温度まで加熱した状態のガラス板1を一定速度で搬送しつつ、ガス供給ノズル15より原料ガスGを加熱炉11内に供給する。原料ガスGはガラス板1の熱によって反応し、ガラス板1上に薄膜が形成される。なお、下地膜3を設ける場合には、ガラス板1の主表面上に形成した下地膜3の主表面に原料ガスGを吹き付ける。
また、常圧熱CVD法による成膜工程は、ガラス板の製造工程に組み込むことができる。具体的には、ガラス融液をガラス板に成形する工程(A)、または成形したガラス板を徐冷する工程(B)と並行して、常圧熱CVD法による成膜工程を実施することができる。上記工程(A)または工程(B)の実施中において、ガラス板は依然として高温である。ガラス板をわざわざ加熱しなくても、熱CVD法による成膜を実施できるので、きわめて経済的である。また、このようにすれば、大きな面積のガラス板に高速で成膜することができるので、建物、車両など大面積を必要とする用途の光触媒膜付きガラス板を効率よく大量生産できる。
以下、常圧熱CVD法による成膜工程をガラス板の製造工程に組み込んだ実施形態について詳しく説明する。
(バス内CVD法)
フロート法によるガラス板の製造工程においては、ガラス融液をガラス板に成形する工程は、熔融スズ槽(フロートバスと呼ぶ)にて行なう。熔融炉で融解したガラス融液は、フロートバスに流入する。ガラス融液は、途切れることなく長い帯状のガラス板に引き伸ばされている。フロートバス内を移動するガラス板は、一般に、ガラスリボンと呼ばれる。
常圧熱CVD法をフロートバス内で行なう方法は、バス内CVD法と呼ばれる。バス内CVD法には、常圧熱CVD法による成膜工程をガラス板の製造工程に組み込むことに基づく利点の他にも、以下の利点がある。まず、フロートバスの内部は、大気が侵入しないように雰囲気を制御している。そのため、形成する酸化チタン薄膜2にピンホールなど欠陥が生ずることを防止できる。また、フロートバス内のガラスリボンの温度は、非常に高温である。その温度は、ガラスの組成にも依存するが、通常のソーダライムシリケートガラスの場合、例えば650℃〜1150℃の範囲である。このような温度範囲であれば原料ガスは十分な反応性を示し、きわめて高い成膜速度を期待できる。
フロート法でガラスリボンを作製し、そのガラスリボン上に常圧熱CVD法で成膜するための設備を図3に例示する。図3に示すガラス板製造設備200は、溶融炉20、フロートバス30および徐冷窯40(レア)を備えている。フロートバス30内には、熔融スズ32上を連なったまま移動するガラスリボンLWの表面から所定距離を隔てて、所定個数のコータ37,38,39が配置されている。図3の例では、3つのコータ37,38,39を示しているが、コータの数は膜構成などに応じて適宜変更し得る。複数のコータ37,38,39を利用すれば、ガラスリボンLW上に複数層の薄膜を順次形成することもできる。ガラスリボンLWの温度は、コータ37,38,39の直前で所定温度となるように、フロートバス30内に配置したヒータ34およびクーラ36で調節する。
溶融炉20からフロートバス30内に流入したガラス融液は、高温のガラスリボンLWとなって熔融スズ32上を移動する。フロートバス30内をゆっくり移動するガラスリボンLWの主表面に向けて、コータ37,38,39から原料ガスGを供給し、ガラスリボンLW上に連続的に酸化チタン薄膜2(図1参照)を形成していく。このとき、酸化チタン薄膜2の厚さが、2nm以上100nm以下(好ましくは5nm以上80nm以下)となるように、ガラスリボンLWの搬送速度や原料ガスの流量等を調節するとよい。薄膜を形成したガラスリボンLWは、ローラ31で引き上げてレア40に送り込む。レア40で徐冷したガラスリボンLWを搬送方向の下流側に配置した切断装置(図示省略)に案内して、所定の大きさに切断する。
(レア内CVD)
また、常圧熱CVD法による成膜をガラスリボンの徐冷工程と並行して行なうこともできる。すなわち、フロートバス30から搬出してレア40に搬入する直前(途中)のガラスリボンLW、またはレア40内に搬入したガラスリボンLWに原料ガスGを接触させて成膜を実施することができる。以下、この方法をレア内CVD法と呼ぶ。
レア40に搬入する直前、またはレア40に搬入した直後の入り口近傍にあるガラスリボンLWの温度は、フロートバス30内と比較すれば低温ではあるが、原料ガスに化学反応を起こさせるのに十分である。レア内CVD法では、バス内CVD法とは異なる以下の特長がある。まず、バス内CVD法に適さない薄膜原料、例えば、フロートバス30内を搬送中のガラスリボンLWの温度では反応速度が速くなりすぎる原料や、フロートバス30を汚染する懸念のあるような原料であっても、レア内CVD法によれば薄膜原料として採用することができる。
また、レア内CVD法は、フロートバスを使用しないガラス板製造に適用することができる。例えば、ロールアウト法によるガラス板製造に適用すれば、型板ガラス、網入りガラスまたは線入りガラスといった種類のガラスに薄膜を形成することができる。
また、バス内CVD法による成膜とレア内CVD法による成膜とを連続して実施することも可能である。例えば、バス内CVD法によってガラスリボンLW上に下地膜3を形成し、続いてレア内CVD法によって酸化チタン薄膜2を形成する。このようにすれば、極めて高効率にて図1(b)の光触媒膜付きガラス板5を製造できる。
(ハロゲンおよび窒素を含む酸化チタン薄膜の原料)
ハロゲンおよび窒素を含む酸化チタン薄膜2の原料ガスは、1種以上のチタン原料(チタン源ガス)と、1種以上の窒素原料(窒素源ガス)と、1種以上の酸素原料(酸素源ガス)と、1種以上のハロゲン原料(ハロゲン源ガス)とを含むものである。ただし、1つの原料で2種類以上の構成元素を含む場合は、この限りではない。例えば、チタンのハロゲン化物を用いる場合には、1種以上のチタンおよびハロゲンを含む原料と、1種以上の窒素原料と、1種以上の酸素原料とを含む原料ガスを使用することとなる。また、原料の組み合わせによっては、安定した成膜を実現するために反応を制御する必要がある。そういったときには、1種以上の反応抑制剤を原料ガスに含ませてもよい。
チタン原料としては、チタン塩化物、チタンアルコキシドおよびチタンキレート化合物から選ばれる少なくとも1種を好適に使用できる。これらチタン化合物は、常温では気体または液体であることが好ましく、常温で液体である場合は、沸点が低い方が好ましい。これらの好ましいチタン原料は、そのまま、あるいは少し加熱するだけで気化し、原料ガスの成分とすることができる。また、常温で固体であっても、昇華するチタン化合物や、アルコールやトルエンなど有機溶媒に溶解できるチタン化合物は、チタン原料として用いることができる。
このようなチタン原料として、例えば、四塩化チタン(TiCl4)、チタンエトキシド(Ti(OC254)、チタンイソプロポキシド(Ti(OC374)、チタンノルマルブトキシド(Ti(OC494)、チタンアセチルアセトナート((C3722Ti(C5722)などを例示できる。特に、四塩化チタン(TiCl4)、チタンイソプロポキシド(Ti(OC374)、またはチタンノルマルブトキシド(Ti(OC494)が好適に用いられる。
(四塩化チタンの含有量)
本発明の製造方法では、原料ガス中における四塩化チタンの含有量を、0.1mol%以上とすることが好ましく、0.5mol%以上とすることがより好ましい。原料ガス中の四塩化チタンの含有量を上述のようにすると、容易に10nm/秒以上の成膜速度を得ることができる。このような成膜速度であれば、熱CVD装置をフロート製造ラインに組み込んだオンラインCVD法によって、所望の厚さの酸化チタン薄膜2を容易に形成することができる。ガラスリボンLWの搬送を停止することなく、そのガラスリボンLW上に酸化チタン薄膜2を連続形成できるようになるので、極めて高効率にて光触媒膜付きガラス板を製造することが可能となる。
窒素原料としては、アンモニア(NH3)、アミン類およびヒドラジン誘導体から選ばれる少なくとも1種が好適である。この中でも、アンモニアは、圧縮することにより容易に液化し、常温常圧では気体であるため、原料ガスへの導入が容易である点で好ましい。また、安価かつ大量に入手できるという利点もある。アミンまたはヒドラジン誘導体は、反応性が高いため、品質の良い膜を容易に製造できるという点で優れている。
窒素原料としてアンモニアを使用する場合には、チタン原料として、四塩化チタン(TiCl4)を使用することが好ましい。四塩化チタンとアンモニアは、広い範囲の混合比で反応して窒素添加酸化チタン薄膜を形成しうるので、窒素添加酸化チタン薄膜中のTi、NおよびOの含有率を容易かつ広範囲に調節できるようになる。また、四塩化チタンを用いると、ハロゲンとして塩素を同時に添加することができるため好ましい。
酸素原料としては、酸素(O2)を用いることが好ましいが、二酸化炭素(CO2)、一酸化炭素(CO)または水蒸気(H2O)など、酸素を含む化合物を用いることもできる。これらのうち、成膜速度を大きくすることができるという理由で、酸素(O2)を用いることが特に好ましい。また、空気を用いることもできる。空気を酸素原料として用いた場合、空気中に含まれる窒素(N2)は反応希釈剤として作用させることができる。
酸化チタン薄膜2に添加するハロゲンとしては、フッ素または塩素が好ましい。フッ素原料としては、フッ化水素(HF)およびトリフルオロ酢酸(CF3COOH)から選ばれる少なくとも一方を使用できる。塩素原料としては、塩化水素(HCl)が好ましい。酸化チタン薄膜2に塩素を添加する場合には、例えば四塩化チタンのように、チタンおよびハロゲンを含む原料を用いるとよい。そうすれば、酸化チタン薄膜2の形成と同時に塩素を添加することができる。
ハロゲンおよび窒素を含む酸化チタン薄膜2は、水素を添加することにより、屈折率を低減することができる。水素を含む窒素原料や、水素を含むハロゲン原料を使用すれば、容易に水素を添加することが可能である。そのような原料としては、アンモニア(NH3)、フッ化水素(HF)、トリフルオロ酢酸(CF3COOH)および塩化水素(HCl)から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
(反応抑制剤)
熱CVD法によって酸化チタン薄膜を工業的規模で製造する場合、原料ガスは、ガスボンベなどの貯槽から酸化チタン薄膜を形成するべきガラス板などの基材表面まで、配管を通じて供給するのが通常である。すると、チタン原料と窒素原料の組み合わせによっては、原料ガスが基材表面に達する以前に、気相反応が進行してしまうことがある。この気相反応が進行すると、原料ガス中に固体の反応生成物が生じる。
原料ガスを供給する配管の中で上記気相反応が進行すると、生じた反応生成物が配管内に堆積し、配管が閉塞したり、安定な成膜が阻害されたりする。また、ガスの流れに乗って基材表面まで輸送された反応生成物が酸化チタン薄膜に取り込まれると、酸化チタン薄膜にピンホールなどの欠陥が発生するおそれがある。
本発明の製造方法では、原料ガスに反応抑制剤を含有させることによって、上述の気相反応を効果的に抑制することができる。反応抑制剤の使用により、ハロゲンおよび窒素を含む酸化チタン薄膜2を、高品質かつ高い成膜速度で、しかも安定してガラス板1上に形成できるようになる。
上述の気相反応が、特に進行しやすいのは、チタン原料として四塩化チタンを用い、さらに、窒素原料としてアンモニアを用いた場合である。この場合、原料ガスには、反応抑制剤として塩化水素を含ませることが好ましい。
窒素原料にアンモニアを用い、かつ反応抑制剤として塩化水素を用いる場合は、まず、窒素原料以外の原料ガスと塩化水素とを混合し、その後で、原料ガスにアンモニアを混合することが好ましい。なぜなら、塩化水素とアンモニアは容易に反応して、塩化アンモニウム(NH4Cl)を生成するからである。生成した塩化アンモニウムは、形成される酸化チタン膜やTiN膜に取り込まれ、ピンホールなどの欠陥の原因になる。塩化水素をアンモニア以外のガスと先に混合しておくことで、塩化水素が希釈されるので、アンモニアを混合したときに、塩化アンモニウムの生成を抑制することができる。
また、上述の反応抑制剤によって配管中で気相反応が進行することを抑制できるので、原料ガス中のチタン原料や窒素原料の濃度を比較的高く設定することが可能である。高濃度の原料ガスを用いると、高い成膜速度を実現できるので、ガラスリボンLWの搬送速度を落とさなくとも、そのガラスリボンLW上に十分な厚さの酸化チタン薄膜2を容易に形成できようになり、生産性の向上を見込める。
(反応抑制剤の含有量)
反応抑制剤の含有量が多すぎると、四塩化チタンとアンモニアとの反応も抑制されて、成膜速度が大きく低下してしまう可能性がある。そこで、原料ガス中における、チタン原料に対する反応抑制剤のモル比を、15以下とすることが好ましい。
また、このモル比を0.005以上にすれば、上述の気相反応を効果的に抑制することができる。したがって、チタン原料に対する反応抑制剤のモル比は、(チタン原料):(反応抑制剤)=1:0.005〜1:15、とすることが好ましい。
(副反応を抑制するための原料ガスの好適な温度範囲)
四塩化チタンおよびアンモニアを含む原料ガスが配管中で気相反応を起こしてしまうことを防ぐために、原料ガスの温度は比較的低温とすることが好ましい。具体的には、配管中の原料ガスの温度を200℃〜400℃、より好ましくは250℃〜300℃にすることが好ましい。原料ガスの温度が200℃より低いと、TiCl4・nNH3を主成分とする粉体が生成しやすく、原料ガスの温度が400℃を越えると、TiNClを主成分とする粉体が生成しやすく、さらに500℃を越えると、TiNを主成分とする粉体が生成しやすくなる。
また、チタン原料、窒素原料、酸素原料およびハロゲン原料などを含む原料ガスは、窒素やヘリウムなどの不活性ガスで所定の濃度となるように希釈調整したのち、ガラス板へ供給してもよいし、希釈しないで供給してもよい。
(ガラス板の好適な温度範囲)
酸化チタン薄膜2を形成する直前のガラス板1(又はガラスリボンLW)の表面温度は、500℃〜850℃の範囲に制御することが好ましい。このような温度に保持したガラス板1の主表面に向けて原料ガスを流せば、十分な成膜速度を実現できる。
(下地膜)
下地膜3は、特に限定されるものではないが、二酸化ケイ素(SiO2)、ケイ酸化スズ(SnSiO)、酸炭化シリコン(SiOC)、炭化シリコン(SiC)、窒化ケイ素(SiN)、酸窒化ケイ素(SiON)または酸化スズ(SnO2)などの単層膜、もしくはこれらの積層膜などが挙げられる。この下地膜3は、アルカリバリア機能などの役割を持つ。ガラス板1がアルカリ成分を含む場合、前述したように、アルカリ成分がハロゲンおよび窒素を含む酸化チタン薄膜2に拡散してしまうことがある。アルカリ成分がハロゲンおよび窒素を含む酸化チタン薄膜2へ拡散すると、ハロゲンおよび窒素を含む酸化チタン薄膜2の結晶性が悪くなり、光触媒性能が劣化する。その場合、下地膜3を挟むように構成しておけば、アルカリ成分が移動することによる悪影響を防止することができる。
なお、本発明においては、酸窒化物、酸炭化物、複酸化物、窒化物は化学量論比の化合物(stoichiometric compounds)に限定されるものではなく、化学量論比からずれた化合物をも包含するものであることを言及しておく。つまり、酸窒化ケイ素はSiOxy (0<x,y)の組成を持つ定比あるいは不定比の化合物であり、SiONと表記する。同様に、酸炭化シリコン(SiOxy),ケイ酸化スズ(SnxSiyO),酸炭化シリコン(SiOxy),窒化チタン(Tixy),窒化ケイ素(Sixy)を、それぞれ、SiON,SiOC,SnSiO,SiOC,TiN,SiNと表記する。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例により制限されるものではない。
厚さ0.7mmの無アルカリガラス板を切断して、一辺が10cmの正方形のガラス板とした。ガラス板は、洗浄および乾燥させた。このガラス板の一方の主表面上に、常圧熱CVD法により窒素およびフッ素を含む酸化チタン薄膜を形成した。成膜には、図2で説明したタイプの常圧熱CVD装置を用いた。具体的には、以下の通りである。
まず、ガラス板をメッシュベルトに載せ、CVD装置の炉内に搬入して加熱した。そして、表面温度約850℃としたガラス板の表面に向けて原料ガスを吹きつけ、窒素およびフッ素を含む酸化チタン薄膜を形成した。原料ガスには、チタン原料として四塩化チタン(TiCl4)を、酸素原料として酸素(O2)を、窒素原料としてアンモニア(NH3)を、フッ素原料としてトリフルオロ酢酸(CF3COOH)を、反応抑制剤として塩化水素(HCl)を採用し、窒素ガスで所定濃度に希釈したガスを用いた。各原料の混合比は表1に示す通りである。こうして、実施例1〜4および比較例1,2の酸化チタン薄膜付きガラス板を作製した。これらの酸化チタン薄膜付きガラス板について、下記項目を検証した。
(酸化チタン薄膜の膜厚)
酸化チタン薄膜を形成したガラス板の断面を走査電子顕微鏡で観察することにより見積もった。
(干渉色)
目視観察にて干渉色の有無を判断した。
(窒素含有量)
ガラス板上に形成した薄膜をX線光電子分光装置で分析することにより定量した。
(フッ素相対強度)
ガラス板上に形成した酸化チタン薄膜を二次イオン質量分析装置(アルバックファイ社製SIMS PH16600型)で分析することにより導いた。具体的には、Cs+を一次イオンとして照射し、酸化チタン薄膜の表面から放出された二次イオンを四重極型質量分析器で検出した。チタンおよびフッ素の二次イオン強度を測定し、チタンのカウント値に対するフッ素のカウント値の比を、フッ素の相対強度として算出した。
(光触媒特性:到達接触角)
酸化チタン薄膜の親水特性を以下のようにして測定した。酸化チタン薄膜付きガラス板をアルカリ溶液および純水で洗浄後、温度20±5℃、湿度50±10%の室温室湿状態に保持した暗室で24時間以上保持した。その後、上記の室温室湿状態に保った室内で、ブラックライト蛍光ランプ(東芝ライテック社製FL20S・BLB−A)を用い、紫外線強度計(トプコン社製UVR−2、受光部UD−36)にて測定した紫外線強度が1.0mW/cm2の紫外線を、酸化チタン薄膜付きガラス板に1時間照射した。紫外線照射後のガラス板の接触角を到達接触角として、接触角計(協和界面科学社製CA−DT型)にて測定した。なお、実施例、比較例ともに到達接触角は5°未満(測定限界以下)であり、良好な親水特性を示した。
(光触媒特性:メチレンブルー分解速度 紫外・可視光)
次に、酸化チタン薄膜の光触媒性能の一つである分解特性を評価するために、光触媒製品フォーラムが制定している光触媒製品における湿式分解試験性能試験方法(2004年5月28日改訂版)に準じてメチレンブルー分解特性を評価した。紫外から可視領域の光を照射したときの光分解特性を評価するために、光源にはハロゲンランプ(JCR100V300WX、フィリップ社製)を使用し、波長約300nmから520nmの光を透過するバンドパスフィルター(色ガラスフィルターV42、旭テクノグラス社製)を使用した。
(光触媒特性:メチレンブルー分解速度 可視光)
また、可視域の光を照射したときの光分解特性を評価するために、上記ハロゲンランプを使用し、波長約420nm以下の光をカットする紫外線カットフィルタ(色ガラスフィルターL42、旭テクノグラス社製)と、波長約300nmから520nmの光を透過するバンドパスフィルター(色ガラスフィルターV42、旭テクノグラス社製)とを使用し、波長約420nmから520nmの可視光を照射した。
(光触媒特性:メチレンブルー分解速度 紫外光)
さらに、紫外線を照射したときの光分解特性を評価するために、光源にはブラックライト蛍光ランプ(FL20S・BLB−A 東芝ライテック社製)を使用した。
(光触媒特性:抗菌性能)
実施例1,3の酸化チタン薄膜の抗菌特性を抗菌製品技術協議会が定める光照射フィルム密着法(2003年度版)で評価した。具体的には、ブラックライト蛍光ランプ(東芝ライテック社製 FL20S・BLB・JET20W)を用い、紫外線強度計(トプコン社製UVR−2、受光部UD−36)にて測定した紫外線強度が0.1mW/cm2となるように調節し、湿度95%、温度25℃で、試験菌として黄色ブドウ菌種(Staphylococcus aureus NBRC12732)を用いた評価を実施した。実施例1,3のいずれの酸化チタン薄膜についても、紫外線照射24時間後の細菌数が、1/10000以下に減少したことを確認した。
以上の検証結果を表1に示す。判定および総合判定については、優を二重丸印、良を丸印、不可をバツ印で表している。なお、メチレンブルー分解速度は、光源の強度および波長に大きく依存するため、異なる波長域間の結果を比較することに大した意味がないことに言及しておく。
Figure 2007185641
表1に示すように、実施例1〜4の酸化チタン薄膜は、膜厚が30〜60nmと小さく、干渉色は生じていなかった。他方、膜厚が150nmと大きい比較例1の酸化チタン薄膜には、干渉色が生じていた。
また、実施例1〜4の酸化チタン薄膜は、紫外・可視光、可視光および紫外光のいずれの波長域の光に対しても、良好なメチレンブルー分解特性を示した。すなわち、本発明によれば、紫外光に対する触媒活性と可視光に対する触媒活性とを両立できることを確認した。他方、比較例2のフッ素を含まない酸化チタン薄膜は、紫外光に対するメチレンブルー分解速度がやや不十分であった。
本発明の光触媒付きガラス板の断面模式図。 熱CVD装置の概略図。 熱CVD装置を組み込んだガラス板製造設備の概略図。
符号の説明
1 ガラス板
2 窒素およびハロゲンを含む酸化チタン薄膜
3 下地膜
4,5 光触媒膜付きガラス板

Claims (6)

  1. ガラス板と、
    前記ガラス板の主表面上に直接または下地膜を介して形成された、窒素およびハロゲンを含む酸化チタン薄膜からなる光触媒膜と、
    を備えた、光触媒膜付きガラス板。
  2. 前記酸化チタン薄膜の厚さが、2nm以上100nm以下である、請求項1に記載の光触媒膜付きガラス板。
  3. 前記ハロゲンがフッ素である、請求項1または請求項2に記載の光触媒膜付きガラス板。
  4. チタン原料、酸素原料、窒素原料およびハロゲン原料を含む原料ガスを、所定温度のガラス板の主表面または前記主表面上に形成された下地膜の主表面に接触させる常圧熱CVD法により、窒素およびハロゲンを含む酸化チタン薄膜からなる光触媒膜を前記ガラス板上に直接または前記下地膜を介して形成する、光触媒膜付きガラス板の製造方法。
  5. 前記ガラス板は、ガラス融液をフロートバスに流入させることによって成形された、または成形されている途中の帯状ガラス板であり、
    前記フロートバス内を搬送中の前記帯状ガラス板に対して、前記常圧熱CVD法による成膜を実施する、請求項4記載の光触媒膜付きガラス板の製造方法。
  6. 前記所定温度が500℃以上850℃以下となるように前記ガラス板の温度管理を行う、請求項4または請求項5記載の光触媒膜付きガラス板の製造方法。
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JP2019527811A (ja) * 2016-08-03 2019-10-03 ショット ジェムトロン コーポレイションSCHOTT Gemtron Corporation 電磁放射を吸収しかつ熱放射を放出する誘電的にコーティングされたガラス基板を有するオーブン

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