JP2007182896A - 排ガス浄化フィルタ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】隔壁11に囲まれた多数のセル10を有するハニカム状を呈し、セル10の両端のいずれか一方の端部を閉止する栓部2を有してなり、セル10内に浸入した排ガスに含まれるパティキュレートが隔壁11に捕獲され、堆積し、この堆積したパティキュレートが隔壁11に担持されている触媒の作用によって燃焼除去されるよう構成されている。両端の栓部2及び隔壁11はいずれも多孔質体よりなり、隔壁11の気孔率をP1、栓部2の気孔率をP2、隔壁11の厚みの平均値をt、栓部2の長さの平均値をLとした場合に、M=(L/t)×(P1/P2)の関係式より示されるM値が、10<M<90の範囲内にあり、排ガス浄化フィルタ1の両端の栓部2は,いずれも排ガスが通過可能であり,フィルターとして利用可能に構成されている。
【選択図】 図2
Description
具体的には、図3に示すごとく、従来の排ガス浄化フィルタ9は、ハニカム構造体の両端面に開口したセル90を交互に栓部95によって閉塞する。そして両端面においては、栓部95がいわば市松模様状に配置されるようにする。また隔壁98の表面には触媒を担持しておく。
そこで、隔壁の薄肉化以外の対策として、上記栓部95をフィルターとして利用することによりフィルター面積を増大させることが有効と考えられる。
該排ガス浄化フィルタの両端の上記栓部及び上記隔壁はいずれも多孔質体よりなり、上記隔壁の気孔率をP1、上記栓部の気孔率をP2、上記隔壁の厚みの平均値をt、上記栓部の長さの平均値をLとした場合に、M=(L/t)×(P1/P2)の関係式より示されるM値が、10<M<90の範囲内にあり、
上記排ガス浄化フィルタの両端の上記栓部は,いずれも排ガスが通過可能であり,フィルターとして利用可能に構成されていることを特徴とする排ガス浄化フィルタにある(請求項1)。
そして、本発明の排ガス浄化フィルタにおいては、上記隔壁及び上記栓部をいずれも多孔質体より構成してある。そして、これらの気孔率及びサイズが特定の関係にある。
即ち、上記隔壁の気孔率をP1、上記栓部の気孔率をP2、上記隔壁の厚みの平均値をt、上記栓部の長さの平均値をLとした場合のM=(L/t)×(P1/P2)の関係式より示されるM値が、10<M<90の範囲内にある。これにより、上記排ガス浄化フィルタは、上記栓部の強度を十分に確保しつつ、栓部を排ガスが通過するような構成をとることができる。それ故、栓部を強度を低下させることなくフィルターとして利用することができ、全体のフィルター面積が増加して排ガス浄化フィルタ全体の性能が向上する。
該排ガス浄化フィルタの両端の上記栓部及び上記隔壁はいずれも多孔質体よりなり、上記隔壁の気孔率をP1、上記各栓部の気孔率をP2、上記隔壁の厚みの平均値をt、上記各栓部の長さをL2とした場合に、M2=(L2/t)×(P1/P2)の関係式より示されるM2値が、10<M2<90の範囲内にある上記栓部が全体の50%以上であり、
上記排ガス浄化フィルタの両端の上記栓部は,いずれも排ガスが通過可能であり,フィルターとして利用可能に構成されていることを特徴とする排ガス浄化フィルタにある(請求項3)。
そして特に、上記M2値が25%以下の上記栓部が全体の50%以上であることが好ましい(請求項4)。この場合には、さらに栓部のフィルタとしての効果を高めることができる。
また、上記隔壁及び栓部には、捕獲したパティキュレートを燃焼させるための触媒を担持することができる。触媒の種類としては、例えば、いわゆる三元触媒、PM酸化触媒、NOx吸蔵還元触媒等がある。
本発明の排ガス浄化フィルタにかかる実施例につき、図1、図2を用いて説明する。
本例の排ガス浄化フィルタ1は、図1、図2に示すごとく、隔壁11に囲まれた多数のセル10を有するハニカム状を呈し、上記セル10の両端のいずれか一方の端部を閉止する栓部2を有してなる。
以下、これを詳説する。
なお、上記栓部2の配設方法としては、種々の公知の方法を採用することができる。
この排ガス浄化フィルタ1は、図示しない触媒コンバータに組み込まれ、ディーゼルエンジン用のパティキュレートフィルタとして使用される。
本例の排ガス浄化フィルタ1においては、隔壁11及び栓部2をいずれも多孔質体より構成した。そして、これらの気孔率及びサイズは、上記M値が16となる関係にした。これにより、排ガス浄化フィルタ1は、これを排ガス流路中に配置した際に上記栓部2をフィルターとして利用することができる。
又、上記M値が10を超えているので、実用上の栓部2の強度も確保することができる。
本例では、実施例1の排ガス浄化フィルタ1と同様のハニカム構造体を複数作製すると共に、その気孔率、サイズ等を変更して、上記M値の影響を求める実験を行った。なお、本例では、ハニカム構造体に触媒の担持を行わなかった以外は、実施例1と同様にしてハニカム構造体を作製した。
これらの表に示すごとく、本例では、隔壁11の気孔率P1が55〜70%、隔壁11の厚さの平均値tが0.2mm又は0.3mm、栓部2の気孔率P2が10〜70%、栓部2の長さの平均値Lが2〜6mmである、51種類のハニカム構造体を準備した。
また、本例では、パティキュレートに類似した煤発生装置から発生する煤を2g/リットル捕集させる実験を行った。そして、実験後における下流側の栓部2の断面を電子顕微鏡で確認し、内部への煤進入の有無を確認した。煤の進入が十分に確認できた場合を◎、一応確認できるが上記◎の場合よりも比較的少ない場合を○、僅かに確認できた場合を△、全く確認できなかった場合を×として、表1、表2に示した。
また、この実験では明らかにならないが、M値が10未満の場合には、栓部2の長さLが短く、かつ気孔率P2が大きい場合であって、栓部2の強度が小さく実用化が困難である。
10 セル、
11 隔壁、
2 栓部、
8 排ガス、
Claims (5)
- 隔壁に囲まれた多数のセルを有するハニカム状を呈し、上記セルの両端のいずれか一方の端部を閉止する栓部を有してなり、上記セル内に浸入した排ガスに含まれるパティキュレートが上記隔壁に捕獲され、堆積し、この堆積したパティキュレートが該隔壁に担持されている触媒の作用によって燃焼除去されるよう構成された排ガス浄化フィルタにおいて、
該排ガス浄化フィルタの両端の上記栓部及び上記隔壁はいずれも多孔質体よりなり、上記隔壁の気孔率をP1、上記栓部の気孔率をP2、上記隔壁の厚みの平均値をt、上記栓部の長さの平均値をLとした場合に、M=(L/t)×(P1/P2)の関係式より示されるM値が、10<M<90の範囲内にあり、
上記排ガス浄化フィルタの両端の上記栓部は,いずれも排ガスが通過可能であり,フィルターとして利用可能に構成されていることを特徴とする排ガス浄化フィルタ。 - 請求項1において、上記M値は、25以下であることを特徴とする排ガス浄化フィルタ。
- 隔壁に囲まれた多数のセルを有するハニカム状を呈し、上記セルの両端のいずれか一方の端部を閉止する栓部を有してなり、上記セル内に浸入した排ガスに含まれるパティキュレートが上記隔壁に捕獲され、堆積し、この堆積したパティキュレートが該隔壁に担持されている触媒の作用によって燃焼除去されるよう構成された排ガス浄化フィルタにおいて、
該排ガス浄化フィルタの両端の上記栓部及び上記隔壁はいずれも多孔質体よりなり、上記隔壁の気孔率をP1、上記各栓部の気孔率をP2、上記隔壁の厚みの平均値をt、上記各栓部の長さをL2とした場合に、M2=(L2/t)×(P1/P2)の関係式より示されるM2値が、10<M2<90の範囲内にある上記栓部が全体の50%以上であり、
上記排ガス浄化フィルタの両端の上記栓部は,いずれも排ガスが通過可能であり,フィルターとして利用可能に構成されていることを特徴とする排ガス浄化フィルタ。 - 請求項3において、上記M2値が25%以下の上記栓部が全体の50%以上であることを特徴とする排ガス浄化フィルタ。
- 請求項1〜4のいずれか1項において、上記栓部の長さの平均値は5mm以下であることを特徴とする排ガス浄化フィルタ。
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