JP2007182057A - プラスチック成形品及びその製造方法、並びに画像出力機器に使用される部品 - Google Patents

プラスチック成形品及びその製造方法、並びに画像出力機器に使用される部品 Download PDF

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康生 山中
Tadakatsu Harada
忠克 原田
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俊宏 金松
Shinya Senoo
晋哉 妹尾
Kiyotaka Sawada
清孝 沢田
Tomohiro Harada
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Abstract

【課題】耐熱性や剛性を有する、バイオマス原料樹脂を用いた環境に優しいプラスチック成形品を提供する。
【解決手段】成形品1は例えば画像出力機器を構成する部品であり、表層部(スキン層)2が石油原料樹脂で構成され、中央部(コア層)3がバイオマス原料樹脂で構成されている。スキン層2を、強度を有する石油原料樹脂で構成することによって、コア層3を形成する部材が強度の低いバイオマス原料樹脂であっても、成形品1の剛性を確保することができる。スキン層2、コア層3の厚みは、求められる強度によって適宜に設定することができる。コア層3を構成するバイオマス原料樹脂は結晶化度0.7以上が特に望ましく、コア層3の強度が向上する。成形品1は、例えばサンドイッチ成形により作製することができる。この場合強化充填剤、結晶化核剤、難燃剤等を添加することが更に好ましい。
【選択図】図3

Description

本発明はプラスチック成形品及びその製造方法(第1発明)に関し、とくに、耐熱性や剛性を有するバイオマス原料樹脂を用いたプラスチック成形品に関するものである。
さらに本発明は、画像出力機器に使用される部品(第2発明:バイオマス由来樹脂からなる成形品)に関する。すなわちこの第2発明は、複写機やレーザープリンターなど電子写真技術、印刷技術またはインクジェット技術を用いた画像出力機器に使用される部品において、画像出力機器本体の装着する際に機能上不要となる部品にバイオマス原料由来の樹脂を含む材料を用いた部品に関する。本発明の応用分野としては、家電製品や自動車などの樹脂部品を使用する製品分野の領域で各製品本体に取り付ける際に機能上不要となる部品にバイオマス原料由来の樹脂を含む材料用いた部品に関する分野が挙げられる。
また、画像出力機器本体がユーザーのもとで使用されたあとに回収され、再利用リサイクルが行われる部品に関する分野が挙げられる。
第1発明に関連して:
石油を原料とする樹脂をバイオマス原料樹脂で代替することによって、温室効果ガスである二酸化炭素排出量の削減が可能となり、地球温暖化防止の観点から注目されている。また、枯渇資源である化石資源の省資源化にもつながる。このような理由から、植物由来プラスチック、微生物由来プラスチック等のバイオマス原料樹脂の研究が盛んに行われているが、上述したバイオマス原料樹脂は現状、剛性、耐熱性等の問題からプラスチック製食器等に、その利用範囲が限定されるものであり、特に家電製品やOA機器の外装部品など、上述した強度や耐熱性が求められる用途への適用は難しく、それらの問題に対する対応が急務となっている。
このような問題に対しては、樹脂の結晶化度(結晶化率)を高くすることによって耐熱性や剛性を上げることができる。
例えば下記特許文献1、特許文献2では、結晶化ピーク温度に加熱された金型に樹脂を射出充填し、結晶化を促進させた後に軟化温度以下に冷却して成形品を取り出すといった方法が開示されている。しかしこの場合、その結晶化速度が著しく遅いために、非常に成形時間が長くなってしまうといった問題がある。また、成形時に金型の加熱/冷却サイクルが必要となり、これも成形時間を長くする要因となる上に金型温度が安定せず成形品品質にばらつきが生じるといった問題がある。
一方、下記特許文献3では、成形品を金型から取り出した後、結晶化ピーク温度でアニールする方法が開示されている。一般に、バイオマス原料樹脂のガラス転移温度は結晶化ピーク温度より低いためにアニール時に成形品が変形してしまうといった問題が生じる。また、結晶化する前に金型から成形品を取り出す場合には、剛性が低いため、離型時に成形品が変形してしまうといった問題が生じる。
また、耐熱性、剛性を向上させる方法として下記特許文献4では、タルク等の無機充填剤を添加する方法も開示されているが、成形時の流動性が悪化する、比重が増加する、外観が低下する等の不具合が生じる。
第2発明に関連して:
本発明の先行技術として、下記特許文献5に開示された発明がある。この発明は、カートリッジの品質を損なうことなく、環境負荷低減を達成するために、電子写真画像形成装置本体にカートリッジを装着する際、取り除く部材が生分解性プラスチックを有している電子写真画像形成装置のカートリッジに関するものである。また、この特許文献5には、前記本体装着時に取り除かれる部材が現像剤収納容器内に現像剤を封止するシール部材であること、あるいは、前記シール部材を固定し、ユーザーが使用前に引き抜く把手部材であることが記載されている。そして、この発明によれば、カートリッジの品質を損なうことなく、環境負荷の低減を達成できるとされている。
従来、複写機やレーザープリンターなど電子写真技術、印刷技術またはインクジェット技術を用いた画像出力機器に使用される部品において、画像出力機器本体に装着して使用する際に機能上必要が無くなる部品はユーザー環境において外されることが通常であり、その際には一般廃棄物と同等の扱いで、焼却処分されるのが一般的である。複写機のような画像出力機器はユーザーでの使用後に回収し、リユースやリサイクルが行われているが、前記のようなユーザー環境において除かれる部材は回収を行うことは困難であり、自治体での回収のようなオープンマテリアルリサイクルの領域でアスファルト舗装に用いる添加材料、セメント材料の一部、製紙工程におけるエネルギー助剤、鉄鋼製造工程における高炉還元剤などの低品質のプラスチックやエネルギー助剤に再生されることには限界があり、ほとんどの場合では、焼却処分が行われている。その焼却処分によって、燃焼温度の上昇による焼却炉を傷めるようなことや大気中への二酸化炭素放出量の増加による二酸化炭素濃度を増大させるという危険性が存在している。
また、同様に回収されてくるときに他部材が付着、接着、接合されている樹脂部品については、現状では回収されてきても焼却処分などが行われてしまう。他部材が付着、接着、接合されている樹脂部品はもと材料グレードに戻すような材料リサイクルが困難である。
特開2001−191378号公報 特開2005−144702号公報 特開2003−191343号公報 特開2001−172487号公報 特開2005−18044号公報
したがって本発明(第1発明)は,前記課題を解決するためになされたものであり,短い成形時間で、バイオマス原料樹脂を用いた成形品の剛性、耐熱性を有し、かつ精度の良いプラスチック成形品を提供することを目的とするものである。
また本発明(第2発明)では、材料リサイクルができずとも、焼却処分によって、燃焼温度の上昇での焼却炉を傷めることや、大気中への二酸化炭素放出量の増大という危険を排除することを目的とする。
また本発明(第2発明)においては、画像出力機器本体に装着して使用する際に機能上必要が無くなる部品を、たとえ焼却処分された場合でも燃焼カロリーの少ないため、焼却炉を傷めることなく、また、大気中への二酸化炭素放出量を減少することで、総合的な環境負荷削減に大きく寄与することを目的とする。
従来は枯渇性資源である化石資源すなわち石油を原料としてプラスチック材料が作られているが、植物などを原材料にしたバイオマス由来樹脂がある。バイオマス資源とは、植物や動物などの生物を資源にしているという意味であり、木材やトウモロコシ、大豆や動物から取れる油脂、生ゴミなどを示すものである。バイオマス由来樹脂はそれらのバイオマス資源を原料に作られている。一般には生分解性樹脂というものもあるが、生分解とは温度・湿度などのある一定環境下において、微生物などにより分解される機能のことを言い、生分解性樹脂=バイオマス由来樹脂ではなく、石油由来樹脂であっても生分解する機能を持つ樹脂は存在する。
バイオマス由来樹脂には、ジャガイモやサトウキビやトウモロコシなどの糖質を醗酵した乳酸をモノマーとし,化学重合により作られるポリ乳酸:PLA(PolyLactic Acid)や,澱粉を主成分としたエステル化澱粉,微生物が体内に生産するポリエステルである微生物産生樹脂:PHA(PolyHydoroxy Alkanoate),醗酵法で得られる1,3-プロパンジオールと石油由来のテレフタル酸を原料とするPTT (Poly Trimethylene Terephtalate)などがある。
現在は石油由来原料だが,将来はバイオマス由来樹脂へと研究されているPBS(Poly Butylene Succinate)は主原料の一つであるコハク酸を植物由来で製造することを目指している。
バイオマス由来樹脂のうち、ポリ乳酸は従来の石油由来樹脂と同様の射出成形機を用いた成形が可能な種類の材料があり、その材料を用いる、もしくはその材料を基に改良などをすることによって射出成形による部品成形が可能になる。そのようなバイオマス由来樹脂を用いて、前記目的を解決する手段を後述する。
本発明(第1発明)では,成形品の中心部を形成するコア層をバイオマス原料樹脂で、表層部を形成するスキン層を石油原料樹脂で構成し、この成形品の製造方法においては特に、石油原料樹脂の軟化温度以下、バイオマス原料樹脂の結晶化温度以上の金型に樹脂を充填することで作製することを特徴としている(請求項1〜請求項14)。
また、本発明(第2発明)は、画像出力機器に使用される部品を、バイオマス原料由来の樹脂を含む材料で構成した点に特徴がある(請求項15〜請求項19)。
請求項1に係る発明は、表層部を形成するスキン層と中心部を形成するコア層とを有し、前記スキン層は主材料として石油原料樹脂で、前記コア層は主材料としてバイオマス原料樹脂で、それぞれ構成されていることを特徴とするプラスチック成形品である。
請求項2に係る発明は、前記石油原料樹脂の軟化温度がバイオマス原料樹脂の結晶化温度より高いことを特徴とする請求項1に記載のプラスチック成形品である。
請求項3に係る発明は、前記コア層に強化充填剤、結晶化核剤の少なくとも一方が含まれていることを特徴とする請求項1または2に記載のプラスチック成形品である。
請求項4に係る発明は、前記スキン層に難燃剤が含まれていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のプラスチック成形品である。
請求項5に係る発明は、当該プラスチック成形品は微小突起部を有するものであり、かつ該微小突起部は全てスキン層を形成する石油原料樹脂で形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のプラスチック成形品である。
請求項6に係る発明は、当該プラスチック成形品は電気製品(家電製品、OA機器等)の外装部品であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のプラスチック成形品である。
請求項7に係る発明は、請求項1〜6のいずれかに記載のプラスチック成形品の製造方法であって、石油原料樹脂を金型に射出充填してスキン層を形成し、ついで石油原料樹脂の射出を継続しながら前記スキン層内にバイオマス原料樹脂を射出充填してコア層を形成する(サンドイッチ成形によって成形品を作製する)ことを特徴とするプラスチック成形品の製造方法である。
請求項8に係る発明は、請求項1〜6のいずれかに記載のプラスチック成形品を二色成形によって作製することを特徴とするプラスチック成形品の製造方法である。
請求項9に係る発明は、請求項1〜6のいずれかに記載のプラスチック成形品の製造方法であって、予めバイオマス原料樹脂からなるコア層構成用のコア部材を用意し、該コア部材を金型内に配置後、インサート成形によってコア部材外周部に石油原料樹脂で構成されるスキン層を形成することを特徴とするプラスチック成形品の製造方法である。
請求項10に係る発明は、成形時の金型温度を石油原料樹脂の軟化温度以下、かつバイオマス原料樹脂の結晶化温度以上とすることを特徴とする請求項9に記載のプラスチック成形品の製造方法である。
請求項11に係る発明は、バイオマス原料樹脂の結晶化が完了する前に成形品を金型から取り出すことを特徴とする請求項7〜10のいずれかに記載のプラスチック成形品の製造方法である。
請求項12に係る発明は、金型から成形品を取り出した後、該成形品をアニール処理することを特徴とする請求項7〜11のいずれかに記載のプラスチック成形品の製造方法である。
請求項13に係る発明は、前記金型内での成形工程中に成形品のアニール処理を並行して行うことを特徴とする請求項7〜11のいずれかに記載のプラスチック成形品の製造方法である。
請求項14に係る発明は、前記アニール処理の温度を石油原料樹脂の軟化温度以下、かつバイオマス原料樹脂の結晶化温度以上とすることを特徴とする請求項12または13に記載のプラスチック成形品の製造方法である。
請求項15に係る発明は電子写真技術、印刷技術またはインクジェット技術を用いた画像出力機器に使用される部品において、画像出力機器本体に装着する際に取り外しかつ機能上不要になる部品に、バイオマス原料由来の樹脂を含む材料を用いたことを特徴とする画像出力機器に使用される部品である。
請求項16に係る発明は電子写真技術、印刷技術またはインクジェット技術を用いた画像出力機器に使用される部品において、市場から回収されてきた画像出力機器を分解再生する際に、その構成部品のうち樹脂製部品で、他材料が付着または接着または接合している部品に、バイオマス原料由来の樹脂を含む材料を用いたことを特徴とする画像出力機器に使用される部品である。
請求項17に係る発明は電子写真技術、印刷技術またはインクジェット技術を用いた画像出力機器に使用される部品において、市場から回収されてきた画像出力機器を分解再生する際に、その構成部品のうち樹脂製部品で、他材料が分散、混合している部品に、バイオマス原料由来の樹脂を含む材料を用いたことを特徴とする画像出力機器に使用される部品である。
請求項18に係る発明は、請求項16または請求項17に記載の他材料が鉄、アルミニウム、銅、ニッケル、真鍮等の金属もしくはこれらの合金等の金属材料、もしくは、ガラス、セラミックス、炭素繊維等の無機材料であることを特徴とする画像出力機器に使用される部品である。
請求項19に係る発明は、市場から回収されてきた画像出力機器を分解再生する際に、前記バイオマス原料由来の樹脂を熱分解、加水分解、超臨界状態による分解、または微生物発酵による分解のいずれかの方法により分解し、他材料と分離することを特徴とする請求項15〜請求項18のいずれかに記載の画像出力機器に使用される部品である。
本発明による効果を請求項別に説明すると以下のとおりである。
(1)請求項1に対する作用効果
請求項1に記載の発明によると、表層部を形成するスキン層と中心部を形成するコア層とで構成され、前記スキン層部には主材料として石油原料樹脂を、前記コア層には主材料としてバイオマス原料プラスチックで構成されていることによって、環境に優しいバイオマス原料樹脂を用いた成形品の剛性を向上させることができる。
(2)請求項2に対する作用効果
請求項2に記載の発明によると、石油原料樹脂の軟化温度がバイオマス原料樹脂の結晶化温度より高いものを用いることによって、金型外で成形品を変形させることなく、バイオマス原料樹脂の結晶化を促進させることができる。
(3)請求項3に対する作用効果
請求項3に記載の発明によると、コア層を形成するバイオマス原料樹脂に、強化充填剤を添加することによって、外観品質を低下させることなく強度を向上させることができる。また、請求項3に記載の発明によると、コア層を形成するバイオマス原料樹脂に、結晶化核剤を添加することによって、外観品質を低下させることなく結晶化時間を短くすることができる。
(4)請求項4に対する作用効果
請求項4に記載の発明によると、スキン層を形成する石油原料樹脂に、難燃剤を添加することによって、成形品の難燃性を向上させることができる。
(5)請求項5に対する作用効果
請求項5に記載の発明によると、微小突起部を有する部分は、全てスキン層を形成する石油原料樹脂で形成することによって、前記突起部が離型時に変形したり折れたりするのを防ぐことができる。
(6)請求項6に対する作用効果
請求項6に記載の発明によると、本発明の構成、成形法で作製されたプラスチック成形品を家電製品、OA機器等の外装部品に適用することによって、高い剛性かつ耐熱性を有し、かつ環境に優しい製品を提供することができる。
(7)請求項7に対する作用効果
請求項7に記載の発明によると、スキン層を形成する石油原料樹脂を金型に充填後、次いで前記石油原料樹脂が固化する前に、コア層にバイオマス原料樹脂を射出充填することで、バイオマス原料樹脂と石油原料樹脂の積層品を短時間かつ容易に作製することができる。
(8)請求項8に対する作用効果
請求項8に記載の発明によると、スキン層を形成する石油原料樹脂とコア層を形成するバイオマス原料樹脂を二層成形によって作製することで、スキン層厚み、コア層厚みの制御が正確にできる。従って、場所によるコア層やスキン層の厚みむらが抑制され、より精度の良い成形品を作製することができる。
(9)請求項9に対する作用効果
請求項9に記載の発明によると、予めバイオマス原料樹脂にてコア層構成する部品を作製し、前記部品外周部に石油原料樹脂で構成されるスキン層を形成するインサート成形で作製することによって、特殊な成形機を用いることなく、汎用の射出成形機を用いることができるため、設備コストを安価にすることができる。
(10)請求項10に対する作用効果
請求項10に記載の発明によると、加工時の金型温度を石油原料樹脂の軟化温度以下かつバイオマス原料樹脂の結晶化温度以上にすることによって、成形品離型後の冷却過程でバイオマス樹脂の結晶化を促進させることができ、短い成形サイクルで成形品の強度、耐熱性を向上させることができる。
(11)請求項11に対する作用効果
請求項11に記載の発明によると、バイオマス原料樹脂の結晶化が進む前に、成形品を金型から取り出すことによって、短い成形サイクルでの加工が可能となる。
(12)請求項12に対する作用効果
請求項12に記載の発明によると、金型から成形品を取り出し後、アニール工程を経ることによって、より確実にバイオマス原料樹脂の結晶化率を上げることができるため、強度、耐熱性を向上させることができる。
(13)請求項13に対する作用効果
請求項13に記載の発明によると、成形工程とアニール工程を並行して実施することによって、生産性を向上させることができる。
(14)請求項14に対する作用効果
請求項14に記載の発明によると、アニール工程におけるアニール温度を石油原料樹脂の軟化温度以下、かつバイオマス原料樹脂の結晶化温度以上にすることによって、アニール時の成形品を変形させることなく、結晶化度を大きくすることができる。
(15)請求項15〜請求項17に対する作用効果
請求項15〜請求項17に係る発明では、所定の部品をバイオマス原料由来の樹脂を含む材料で構成したから、この部品を廃棄処分または焼却処分した場合に、従来の石油由来樹脂による部品に比べて、二酸化炭素排出量がより少なくなり、総合的な環境負荷削減に大きく寄与することができる。
(16)請求項18に対する作用効果
請求項18に係る発明では、容易に分離することができない材料を金属材料で構成することによって、インサートなどの締結力の高い結合部品構成を取ることが可能になり、かつ分離が容易でなく樹脂部分のマテリアルリサイクルが不可能な為に使用後の単純焼却を行う場合でも、主材料に石油由来樹脂を用いるより、二酸化炭素排出量等の環境負荷の少ない最終処理が可能になる。
また、容易に分離することができない材料をガラス等の無機材料で構成することによって、線膨張係数が低くかつ衝撃強度の高い部品構成を取ることが可能になり、かつ単純焼却処分をしても主材料に石油由来樹脂を用いるより、二酸化炭素排出量等の環境負荷の少ない最終処理が可能になる。
(17)請求項19に対する作用効果
請求項19に係る発明では、部品の主材料であるバイオマス由来原料の樹脂を熱分解、加水分解、超臨界状態による分解、または微生物発酵による分解のいずれかの方法により分解することにより、部品を構成する価値のある他材料を効果的に取り出すことが可能になり、他材料の有効なマテリアルリサイクルが可能になる。
以下、本発明の実施の形態を、図面をもとに説明する。
[第1の実施形態]
図1は本発明にて作製された成形品1の一例の構成断面を示したものである。ここでは、成形品1の表層部(以下スキン層)2は石油原料樹脂で構成され、中央部(コア層)3はバイオマス原料樹脂で構成されている。本発明において、成形品1のスキン層2を、強度を有する石油原料樹脂で構成することによって、コア層3を形成する部材が強度の低いバイオマス原料樹脂であっても剛性を保つことができる。スキン層2、コア層3の厚みは求められる強度によって、適宜設定することができる(スキン層を厚くするほど剛性は確保される)。また、コア層3を構成するバイオマス原料樹脂は結晶化していなくてもかまわないが、結晶化度が0.5以上、できれば0.7以上であることが望ましい。結晶化率が大きいほどバイオマス原料樹脂で構成されたコア層3の強度が向上するため、成形品1の肉厚を薄くすることができる。また同等の厚さであれば、スキン層2を薄くすることができる。すなわち、環境に優しいバイオマス原料樹脂を、より高い割合で使用することができる。
本実施形態の実施例について説明する。ここでは成形品を、サンドイッチ成形を用いて作製した。スキン層2を構成する石油原料樹脂としては軟化温度145℃のポリカーボネート樹脂を、コア層3を構成するバイオマス原料樹脂としては軟化温度60℃、結晶化ピーク温度110℃のポリ乳酸を用いた。
以下に、本発明に係る成形品の製造方法について説明する。
図2に本発明における成形装置の構成概略断面図を示す。キャビティ4を構成する一対の金型5(固定型5a、可動型5bを有する)が用意されている。金型5には温調配管6が配置され、ポリカーボネート樹脂の軟化温度以下、かつポリ乳酸の結晶化ピーク温度以上である130℃に固定保持されている。ここで、射出成形機のノズルの内部には2つの流路7,8がある。第1の射出ユニット9に接続されスキン層を形成するポリカーボネ−ト樹脂が流れる第1の流路7、第2の射出ユニット10に接続されコア層を形成するポリ乳酸が流れる第2の流路8及び吐出口11が備えられ、吐出口11の手前でこれらの樹脂が合流するようになっている。
つぎに、以下動作について、図2及び図3を参照して説明する。図3は成形工程の説明図である。まず、第1の射出ユニット9からスキン層を形成するためのポリカーボネート樹脂を第1の流路7を経て吐出口11から金型5のキャビティ4内へ射出する。これによってスキン層2が形成される。所定量のスキン層2用ポリカーボネート樹脂を射出充填した後、前記スキン層樹脂の射出を続けたまま、コア層を形成するためのポリ乳酸を第2の射出ユニット10から第2の流路8を経て吐出口11から金型5のキャビティ4内に供給される。
これによって、図3に示すように、スキン層2内部にコア層3が形成される。次いで、成形品温度がスキン層2を形成するポリカーボネート樹脂の軟化温度以下まで冷却されたら、金型から成形品を取り出す。
ポリ乳酸のみで成形した場合、金型温度を結晶化ピーク温度にしただけでは、結晶化が十分に進まないため、剛性がなく離型時の変形してしまうといった問題が生じる。それを回避するためには、金型内での冷却時間を長くして結晶化を促進させ(剛性を上げ)、その後ガラス転移温度以下に冷却して成形品を取り出す必要があるため、非常に成形時間が長くなるといった問題が生じる。
これに対し本発明においては、スキン層を構成するポリカーボネート樹脂の軟化温度以下で離型されるため、剛性が確保されており、コア層を形成するポリ乳酸の結晶化が促進される前に離型しても離型時の変形を防ぐことができる。従って、非常に短い成形時間で変形がなく精度の高い成形品を作製することができる。
更に、金型から成形品を離型した後、スキン層を構成するポリカーボネート樹脂が断熱層となっているため、コア層を構成するポリ乳酸は離型時の温度(金型温度)である130℃(コア層を形成するポリ乳酸の結晶化温度以上)から室温までゆっくりと冷却が進む。従って、冷却過程において、コア層を形成するポリ乳酸の結晶化温度をゆっくりと通過するため、その間に結晶化が進む。すなわち、本発明においては、金型から成形品を離型した後の冷却過程で結晶化を進めることができるため、成形機を占有することなく耐熱性を確保した成形品を得ることができる。また、コア層を形成するポリ乳酸の結晶化により、剛性も更に向上させることができる。
本発明においては、コア層を形成するバイオマス原料樹脂は成形品表層部を形成しない
。従って、コア層形成するバイオマス原料樹脂にタルク等の無機強化充填剤を添加させる
ことによって、外観を低下させることなく、強度を大幅に向上させることができる。また
、同様の理由で、コア層を形成するバイオマス原料樹脂にクレイ(粘土鉱物・層状珪酸塩
)、シリカ等の結晶化核剤(結晶核剤)を添加することができる。これによって、バイオ
マス原料樹脂の結晶化が促進され、より短時間で結晶化度を大きくすることができる。
また、冷却時に結晶化ピーク温度にて一定温度保持(アニール処理)することによってより、結晶化率を大きくすることができる。本発明においては、コア層を形成するバイオマス原料樹脂の結晶化ピーク温度は、スキン層を形成する石油原料樹脂の軟化温度以下であるため、アニール時にスキン層を形成する石油原料樹脂が軟化しない。従って、成形品の剛性を保ちながら(成形品が変形することなく)、バイオマス原料樹脂の結晶化度を大きくし、強度、耐熱性を向上させることができる。アニール工程と成形工程を同時に平行して実施することで、工程が増えたことによる生産効率の低下を防ぐことができる。
[第2の実施形態]
本発明では金型から成形品を取り出す温度が、コア層を形成するバイオマス原料樹脂の結晶化温度以上である。従って、そこから冷却する途中にアニール工程を入れることで、成形品をアニール温度まで加熱する工程を経ることなく、成形品をアニールすることができる。この場合のアニール方法としては、一定時間保持された恒温槽を用いることもできるが、図4(A)に示すように、金型から成形品1を取り出した後に、これを図4(B)のようにコンベア12上に置き、アニール炉13を成形後順次通過させるようにすることで、非常に効率よくアニールすることができる。
[第3の実施形態]
ここでは、成形品を二色成形により作製した。図5の(A)〜(E)は二色成形による成形品作製工程を金型の要部断面図で示したものである。
図5(A)は、金型構造の断面構成概略図を示す。キャビティ4を構成する一対の金型5が用意されている。キャビティ4を構成する部材の一部(以下、可動駒14)が移動可能となっている。また、金型は図2と同様に、図示しない温調回路によってコア層を形成するバイオマス原料樹脂の結晶化温度以上、かつスキン層を形成する石油原料樹脂の軟化温度以下に保持されている。使用した樹脂は、上記第1の実施形態と同じく、バイオマス原料樹脂としてポリ乳酸、石油原料樹脂としてポリカーボネート樹脂である。
以下、動作について説明する。
スキン層を形成するポリカーボネート樹脂を金型5のキャビティ4内に充填する(図5(B))。次いで、可動駒14を移動させ、キャビティ容積を大きくし、コア層を形成するポリ乳酸を充填する(図5(C))。更に、可動駒14を移動させ、ポリカーボネート樹脂を充填し(図5(D))、最終的にポリオカーボネート樹脂とポリ乳酸の積層構造を有する成形品1を作製した(図5(E))。
本実施の形態においても金型温度は、石油原料樹脂であるポリカーボネート樹脂の軟化温度以下かつバイオマス原料樹脂であるポリ乳酸の結晶化ピーク温度以上に保持しており、上記第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。更に、本発明によれば必要量正確に前記可動駒14を移動させることができるためスキン層厚み、コア層厚みの制御が正確にできる。従って、場所によるコア層やスキン層の厚みむらが抑制され、より精度の良い成形品を作製することができる。
[第4の実施形態]
本実施の形態においても、使用した樹脂は第1の実施形態と同様であるが、ここでは、インサート成形を用いて作製した。図6には、金型構造の断面構成概略図を示す。キャビティ4を構成する一対の金型5が用意されている。キャビティ4内に、予めポリ乳酸にて作製されたコア部材15を配置する(図6(A))。次いでポリカーボネート樹脂を射出充填することによって前記コア部材15の外周部に、ポリカーボネート樹脂で構成されたスキン層を形成する(図6(B))。尚、本実施の形態においても、金型温度を石油原料樹脂であるポリカーボネート樹脂の軟化温度以下、かつバイオマス原料樹脂のポリ乳酸の結晶化温度以上としている。
スキン層を形成するポリカーボネート樹脂をキャビティ4内に充填することによって、コア層を形成するポリ乳酸は結晶化温度以上に上昇するため、第1〜第3の実施形態の場合と同様の効果を得ることができる。予め作製されるコア部材15の作製方法は限定されるものではないが、通常の射出成形で実施することによって、非常に低コストで簡易に作製することができる。この場合、コア部材15は最終成形品の表層部を形成するものではないため、多少の変形はスキン層で補正することができる。従って、結晶化を考慮することなく非常に短い成形サイクルで作製することができる。本実施形態においては、サンドイッチ成形や二色成形のような特殊な成形機を用いる必要が無く、汎用の成形機での加工が可能であるため、非常に設備コストを安くすることができる。
本発明における成形品を家電、OA機器等の外装部品に適用することによって、非常に剛性かつ耐熱性を有し、かつ環境に優しい製品を提供することができる。
図7には、従来知られているプリンターの外装カバーの簡略図を示す。なお図7(A)は断面図、図7(B)は外装カバーの内面構造を示す正面図である。このようにプラスチック部品には、取り付け用の爪16や、他部品を設置するためのボス部17、強度確保のためのリブ構造18など、微細な突起部を複数有するものが多い。このような部品を射出成形で作製する場合、離型時に変形や折れが生じるためその部分の強度確保が必要である。本発明に係る次の実施形態は、このような要求に応えるものである。
[第5の実施形態]
図8は本発明によって前記外装カバーを作製した場合の断面概略図を示す。中心部のコア層3はバイオマス原料樹脂で、表層部のスキン層2は石油原料樹脂で構成されている。更に、本発明では前述した爪、ボス、リブといった強度が必要な部分は、スキン層を形成する石油原料樹脂のみで形成するようにしている。これによって、爪、ボス、リブといった微小突起部の剛性が向上し、上述したような離型時の変形や折れといった問題を防ぐことができる。
本発明におけるバイオマス原料樹脂とは、原料として石油を殆ど用いずに、植物もしくは微生物から取り出されたものを原料として製造された樹脂であれば特に限定されず、上記実施形態で用いたポリ乳酸の他、ポリグリコール酸、ポリカプロン酸及び、これらの樹脂を組み合わせたコポリマーやポリヒドロキシアルカノエート(PHA)などの微生物原料樹脂、ポリブチレンサクシネート(PBS)、ポリエチレンアジペート、これらの樹脂を組み合わせたコポリマー(ポリブチレンサクシネート・アジペート)、セルロース誘導体、デンプン、キチン、キトサン等の糖質系高分子などを使用することができる。
一方、石油原料樹脂に関しても特に限定されるものではなく、強度があり、使用するバイオマス原料の結晶化ピーク温度より、軟化温度が高いものであれば特に良い。また、スキン層を構成する石油原料樹脂に酸化マグネシウム等の難燃剤を添加することにより、バイオマス原料樹脂を使用した成形品の大きな欠点である難燃性を向上させることができる。
[第6の実施形態]
図9は画像出力機器本体としての電子写真装置の全体構造を示す断面図、図10はその概略斜視図である。なお、この電子写真装置の詳細構造及び機能に関しては後記する。
上記画像出力機器本体に装着する際に、取り外しかつ機能上不要になる部品として、画像出力機器において電子写真のプロセスにおいて用紙の上に印字を行い、出力された用紙を受け取る標準排紙トレイ2(図10)が装着されている場合、新たに、図11に示すようなフィニッシャーを装着する場合には、従来取り付けてある標準排紙トレイはオプション装置であるフィニッシャーを取り付ける際に外す部品になる。従来ではそのような部品はユーザー環境において廃棄されてしまう。
そこで、本発明の実施形態に係る部品では、標準排紙トレイにバイオマス由来の原料を含む材料を使うことにより、新たなオプション機器のフィニッシャーを取り付ける際に従来の標準排紙トレイが廃棄、焼却処分されても、環境負荷や二酸化炭素が増加しない部品としたものである。
[第7の実施形態]
標準装備では取り付けられてないオプション部品の一つとして、本体側面部分等に設置取り付けられ、数千枚の用紙を搭載し、用紙の給紙を大量に行う大量給紙ユニットがある。従来技術では、画像出力機器本体に装着する際に取り外し、かつ機能上不要になる部品として、前記大量給紙ユニットを装着する際に画像出力機器の本体と大量給紙ユニットの接続部分やコネクタ接続部分などを覆っている目隠し板がある。他の外装部品と遜色ない材料を用いており、前記のような大量給紙ユニットを取り付ける際にはその目隠し板は設置場所で外され、販売サービス会社やユーザー環境での一般廃棄物と同様に焼却処分されてしまう。
そこで、本発明の実施形態では、前記のような大量給紙ユニットを装着する際に外される、図12に示す形状の目隠し板にバイオマス由来の原料を含む材料を使うことにより、新たなオプション機器の大量給紙ユニットを取り付ける際に従来の目隠し板が廃棄、焼却処分されても、環境負荷や二酸化炭素が増加しない部品としたものである。
本発明では、バイオマス原料由来の樹脂を含む材料を用いた部品として、そのほかに、カートリッジ部品に取り付けてある輸送時に稼動部が動かないように固定する部材や、カートリッジ内部の材料を封止するシール部材などが挙げられる。
[第8の実施形態]
画像出力機器本体に用いる部品として、図13に示すようなものが挙げられる。この部品(インサート部品)は、樹脂部分にインサートネジなどの金属製の部材が埋め込まれたもので、リサイクルやリユースを行う際には、金属部分の除去が必要になる。そこで本実施形態では、上記インサート部品をバイオマス由来の原料を含む材料で構成することにより、廃棄処分や焼却処分がなされても、環境負荷や二酸化炭素が増加しないようにしたものである。
[第9の実施形態]
画像出力機器本体に用いる部品として、高い強度が必要で、かつ、温度による寸法変化が少ない部品として、ポリゴンモーターやレンズなどを納める光学ハウジングが挙げられる。図14はこのような光学ハウジングを示す斜視図である。光学ハウジングの構成材料には、前記性能を確保するために樹脂材料にガラス繊維や金属フィラーなどの無機物の材料が分散・混合されている。そのため、マテリアルリサイクルすることは非常に困難で、現状埋め立て、もしくは焼却処分などが行われている。
そこで本実施形態では、光学ハウジングにバイオマス由来の原料を含む材料にガラス繊維、金属フィラーなどを配合して強度を高めた材料で構成することにより、廃棄時に焼却処分されても環境負荷や二酸化炭素が増加しない部品としたものである。
[第10の実施形態]
画像出力機器本体に用いる部品として、図13に示すようなものが挙げられる。この部品(インサート部品)は、樹脂部分にインサートネジなどの金属製の部材が埋め込まれたもので、金属部分のリサイクルやリユースを行う際には、金属部分の抜き取りが必要になる。そこで本実施形態では、上記インサート部品の樹脂部分をバイオマス原料由来の樹脂のうち生分解性を有するバイオマス由来原料の樹脂で構成することにより、高温多湿環境下などの微生物分解が促進される環境下におくことにより、樹脂部分が生分解し、金属部分部分のみを抜き取ることが可能になり、金属部分のリサイクル、もしくは金属部品としてのリユースが可能になる部品である。
[第11の実施形態]
画像機器本体に用いる部品として、図13に示すようなインサート部品に示される樹脂を主材料として使用しかつ他材料が含まれる部品のリサイクルを行う際に、ケミカルリサイクルが可能なバイオマス由来原料の樹脂を用いた本部品を高熱溶媒等の熱分解可能な環境下に置くことにより、樹脂材料部分が熱分解によるモノマー抽出によるケミカルリサイクルが可能となる。かつ、インサート部の金属材料のリサイクル、もしくは金属部品としてのリユースが可能になる。
[第12の実施形態]
画像機器本体に用いる部品として、図14に示すような無機材料が添加された光学ハウジング等に示される樹脂を主材料として使用しかつ他材料が含まれる部品のリサイクルを行う際に、ケミカルリサイクルが可能なバイオマス由来原料の樹脂を用いた本部品を超臨界二酸化炭素の環境下に置くことにより、樹脂材料部分が分解し、モノマー抽出によるケミカルリサイクルが可能となる。かつ、光学ハウジング部品の場合は材料に添加しているガラス繊維や金属フィラー等の無機材料のリサイクルが可能になる部品である。
ここで、前出の図9に示すタンデム型間接転写方式の電子写真装置の詳細構造及び機能に関して説明する。図中符号100は複写装置本体、200はそれを載せる給紙テーブル、300は複写装置本体100上に取り付けるスキャナ、400は更にその上に取り付ける原稿自動搬送装置(ADF)である。複写装置本体100には、中央に、無端ベルト状の中間転写体10を設ける。
そして、図9に示すとおり、図示例では3つの支持ローラ14,15,16に掛け回して図中時計回りに回転搬送可能とする。この図示例では、3つのなかで第2の支持ローラ15の左に、画像転写後に中間転写体10上に残留する残留トナーを除去する中間転写体クリーニング装置17を設ける。また、3つのなかで第1の支持ローラ14と第2の支持ローラ15間に張り渡した中間転写体10上には、その搬送方向に沿って、イエロー,シアン,マゼンタ,ブラックの4つの画像形成手段18を横に並べて配置してタンデム画像形成装置20を構成する。
そのタンデム画像形成装置20の上には、更に露光装置21を設ける。一方、中間転写体10を挟んでタンデム画像形成装置20と反対の側には、2次転写装置22を備える。2次転写装置22は、図示例では、2つのローラ23間に、無端ベルトである2次転写ベルト24を掛け渡して構成し、中間転写体10を介して第3の支持ローラ16に押し当てて配置し、中間転写体10上の画像をシートに転写する。
2次転写装置22の横には、シート上の転写画像を定着する定着装置25を設ける。定着装置25は、無端ベルトである定着ベルト26に加圧ローラ27を押し当てて構成する。
上述した2次転写装置22には、画像転写後のシートをこの定着装置25へと搬送するシート搬送機能も備えてなる。もちろん、2次転写装置22として、転写ローラや非接触のチャージャを配置してもよく、そのような場合は、このシート搬送機能を併せて備えることは難しくなる。なお、図示例では、このような2次転写装置22および定着装置25の下に、上述したタンデム画像形成装置20と平行に、シートの両面に画像を記録すべくシートを反転するシート反転装置28を備える。
上述したタンデム画像形成装置において、個々の画像形成手段18は、ドラム状の感光体140(140Y〜140K)のまわりに帯電装置、現像装置、1次転写装置62、感光体クリーニング装置、除電装置等を備えている。
さて、いまこのカラー電子写真装置を用いてコピーをとるときは、原稿自動搬送装置400の原稿台30上に原稿をセットする。または、原稿自動搬送装置400を開いてスキャナ300のコンタクトガラス32上に原稿をセットし、原稿自動搬送装置400を閉じてそれで押さえる。そして、不図示のスタートスイッチを押すと、原稿自動搬送装置400に原稿をセットしたときは、原稿を搬送してコンタクトガラス32上へと移動して後、他方コンタクトガラス32上に原稿をセットしたときは、直ちにスキャナ300を駆動し、第1走行体33および第2走行体34を走行する。そして、第1走行体33で光源から光を発射するとともに原稿面からの反射光を更に反射して第2走行体34に向け、第2走行体34のミラーで反射して結像レンズ35を通して読取りセンサ36に入れ、原稿内容を読み取る。
また、不図示のスタートスイッチを押すと、不図示の駆動モータで支持ローラ14,15,16の1つを回転駆動して他の2つの支持ローラを従動回転し、中間転写体10を回転搬送する。同時に、個々の画像形成手段18でその感光体140を回転して各感光体140Y,140C,140M,140K上にそれぞれ、イエロー,シアン,マゼンタ,ブラックの単色画像を形成する。そして、中間転写体10の搬送とともに、それらの単色画像を順次転写して中間転写体10上に合成カラー画像を形成する。
一方、不図示のスタートスイッチを押すと、給紙テーブル200の給紙ローラ42の1つを選択回転し、ペーパーバンク43に多段に備える給紙カセット44の1つからシートを繰り出し、分離ローラ45で1枚ずつ分離して給紙路46に入れ、搬送ローラ47で搬送して複写機本体100内の給紙路48に導き、レジストローラ49に突き当てて止める。または、給紙ローラ50を回転して手差しトレイ51上のシートを繰り出し、分離ローラ52で1枚ずつ分離して手差し給紙路53に入れ、同じくレジストローラ49に突き当てて止める。そして、中間転写体10上の合成カラー画像にタイミングを合わせてレジストローラ49を回転し、中間転写体10と2次転写装置22との間にシートを送り込み、2次転写装置22で転写してシート上にカラー画像を記録する。
画像転写後のシートは、2次転写装置22で搬送して定着装置25へと送り込み、定着装置25で熱と圧力とを加えて転写画像を定着して後、切換爪55で切り換えて排出ローラ56で排出し、排紙トレイ57上にスタックする。または、切換爪55で切り換えてシート反転装置28に入れ、そこで反転して再び転写位置へと導き、裏面にも画像を記録して後、排出ローラ56で排紙トレイ57上に排出する。
一方、画像転写後の中間転写体10は、中間転写体クリーニング装置17で、画像転写後に中間転写体10上に残留する残留トナーを除去し、タンデム画像形成装置20による再度の画像形成に備える。ここで、レジストローラ49は一般的には接地されて使用されることが多いが、シートの紙粉除去のためにバイアスを印加することも可能である。
本発明の第1の実施形態に係る成形品を示す概略断面図である。 図1の成形品を作製するための成形装置の要部構造を示す概略説明図である。 図2の成形装置による成形工程の説明図である。 本発明の第2の実施形態に係るもので、金型から成形品を取り出し、これをアニーリング処理する方法を示す説明図である。 本発明の第3の実施形態に係るもので、二色成形による成形品作製工程を金型の要部断面図で示したものである。 本発明の第4の実施形態に係るもので、インサート成形による成形品作製工程を、金型の要部断面図で示したものである。 従来の成形技術により作製された、微細な突起部を有する成形品の一例を示す断面図である。 本発明の第5の実施形態に係るもので、微細な突起部を有する成形品を示す断面図である。 画像出力機器本体としての電子写真装置の全体構造を示す断面図である。 同電子写真装置の概略斜視図であって、標準トレイを示すものである。 同電子写真装置に装着される排紙装置フィニッシャーの一例を示す断面図である。 目隠し板の一例を示す概略斜視図である。 インサート部品の一例を示す概略斜視図である。 光学ハウジングの内部構造を示す斜視図である。
符号の説明
1 成形品(プラスチック成形品)
2 スキン層
3 コア層
4 キャビティ
5 金型
5a 固定型
5b 可動型
6 温調配管
7 第1の流路
8 第2の流路
9 第1の射出ユニット
10 第2の射出ユニット
11 吐出口
12 コンベア
13 アニール炉
14 可動駒
15 コア部材
16 爪
17 ボス部
18 リブ構造

Claims (19)

  1. 表層部を形成するスキン層と中心部を形成するコア層とを有し、前記スキン層は主材料として石油原料樹脂で、前記コア層は主材料としてバイオマス原料樹脂で、それぞれ構成されていることを特徴とするプラスチック成形品。
  2. 前記石油原料樹脂の軟化温度がバイオマス原料樹脂の結晶化温度より高いことを特徴とする請求項1に記載のプラスチック成形品。
  3. 前記コア層に強化充填剤、結晶化核剤の少なくとも一方が含まれていることを特徴とする請求項1または2に記載のプラスチック成形品。
  4. 前記スキン層に難燃剤が含まれていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のプラスチック成形品。
  5. 当該プラスチック成形品は微小突起部を有するものであり、かつ該微小突起部は全てスキン層を形成する石油原料樹脂で形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のプラスチック成形品。
  6. 当該プラスチック成形品は電気製品の外装部品であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のプラスチック成形品。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載のプラスチック成形品の製造方法であって、石油原料樹脂を金型に射出充填してスキン層を形成し、ついで石油原料樹脂の射出を継続しながら前記スキン層内にバイオマス原料樹脂を射出充填してコア層を形成することを特徴とするプラスチック成形品の製造方法。
  8. 請求項1〜6のいずれかに記載のプラスチック成形品を二色成形によって作製することを特徴とするプラスチック成形品の製造方法。
  9. 請求項1〜6のいずれかに記載のプラスチック成形品の製造方法であって、予めバイオマス原料樹脂からなるコア層構成用のコア部材を用意し、該コア部材を金型内に配置後、インサート成形によってコア部材外周部に石油原料樹脂で構成されるスキン層を形成することを特徴とするプラスチック成形品の製造方法。
  10. 成形時の金型温度を石油原料樹脂の軟化温度以下、かつバイオマス原料樹脂の結晶化温度以上とすることを特徴とする請求項7〜9のいずれかに記載のプラスチック成形品の製造方法。
  11. バイオマス原料樹脂の結晶化が完了する前に成形品を金型から取り出すことを特徴とする請求項7〜10のいずれかに記載のプラスチック成形品の製造方法。
  12. 金型から成形品を取り出した後、該成形品をアニール処理することを特徴とする請求項7〜11のいずれかに記載のプラスチック成形品の製造方法。
  13. 前記金型内での成形工程中に成形品のアニール処理を並行して行うことを特徴とする請求項7〜11のいずれかに記載のプラスチック成形品の製造方法。
  14. 前記アニール処理の温度を石油原料樹脂の軟化温度以下、かつバイオマス原料樹脂の結晶化温度以上とすることを特徴とする請求項12または13に記載のプラスチック成形品の製造方法。
  15. 電子写真技術、印刷技術またはインクジェット技術を用いた画像出力機器に使用される部品において、画像出力機器本体にサブユニットを装着する際に取り外しかつ機能上不要になる部品に、バイオマス原料由来の樹脂を含む材料を用いたことを特徴とする画像出力機器に使用される部品。
  16. 電子写真技術、印刷技術またはインクジェット技術を用いた画像出力機器に使用される部品において、その構成部品のうち樹脂製部品で、他材料が付着または接着または接合している部品に、バイオマス原料由来の樹脂を含む材料を用いたことを特徴とする画像出力機器に使用される部品。
  17. 電子写真技術、印刷技術またはインクジェット技術を用いた画像出力機器に使用される部品において、その構成部品のうち樹脂製部品で、他材料が分散、混合している部品に、バイオマス原料由来の樹脂を含む材料を用いたことを特徴とする画像出力機器に使用される部品。
  18. 請求項16または請求項17に記載の他材料が、鉄、アルミニウム、銅、ニッケル、真鍮等の金属、または、これらの合金等の金属材料、もしくは、ガラス、セラミックス、炭素繊維等の無機材料であることを特徴とする画像出力機器に使用される部品。
  19. 市場から回収されてきた画像出力機器を分解再生する際に、前記バイオマス原料由来の樹脂を熱分解、加水分解、超臨界状態による分解、または微生物発酵による分解のいずれかの方法により分解し、他材料と分離することを特徴とする請求項16〜18のいずれかに記載の画像出力機器に使用される部品。
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