JP2007181991A - 液体吐出ヘッド及び液体吐出装置 - Google Patents

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浩二 池田
Kazuo Nishimura
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Abstract

【課題】小液滴の吐出や高粘度液体の吐出を可能にしつつ、クロストークを抑制した液体吐出ヘッド及び、それを備えた液体吐出装置を提供する。
【解決手段】2以上の液体吐出ユニット1を、保持部材5に所定の配置で保持させてヘッド21を構成する。各液体吐出ユニット1は、液体が収容される1の圧力室10と、圧力室10に連通するノズルとを含み、その圧力室10が伸縮変形することによって圧力室10内の液体をノズルから吐出する。各液体吐出ユニット1と保持部材5との間に振動吸収部材53を介在させる。
【選択図】図2

Description

本発明は、液滴を吐出する液体吐出ヘッド及び、それを備えた液体吐出装置に関する。
近年、記録紙に対してインク滴を吐出するインクジェット技術が、パターンの形成や均一薄膜の形成等に応用されている。そうしたパターン形成等に用いられる液体吐出ヘッドには、さらなる小液滴の吐出や高粘度液体の吐出が要求される。それらの要求を満たす吐出能力の高いヘッドを実現するには、圧力室内の液体に、より高い圧力を加える必要がある。
例えば特許文献1に開示されている液体吐出ヘッドは、そのヘッド部の圧力室が圧電体によって区画形成されており、圧電体がノズルの軸方向に伸長変形することによって圧力室の体積(断面積)を減少させる構成となっている。この構成では、圧力室内の液体に対し高い圧力を加えることができる。
また特許文献1には、内部に共通液室が形成された供給部と圧電体ブロックとを一体に形成した後に、その圧電体ブロックに切り込みを入れることによって、上記のヘッド部を複数形成したヘッドも開示されている。
特開平7−40536号公報
ところが、特許文献1に開示されている液体吐出ヘッドは、複数のヘッド部が供給部に固定されているため、いわゆるクロストークが発生するという問題がある。つまり、あるヘッド部が液体を吐出することに伴う振動が供給部を介して他のヘッド部に伝達することにより、他のヘッド部からの液体の吐出に影響を及ぼすのである。
特に上記ヘッド部は、上述したように、圧力室が圧電体によって区画形成されて圧力室を比較的大きく変形させる上に、各ヘッド部は供給部と一体に形成されるため、そのヘッド部から供給部に振動が伝達しやすく、さらに、圧力室の変形に伴いノズル板が変位する構造であるため、供給部から伝達した振動によってノズル板が振動しやすい。つまり、特許文献1に開示されている液体吐出ヘッドは、クロストークが生じやすくかつ、それの影響が大きい。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、小液滴の吐出や高粘度液体の吐出を可能にしつつ、クロストークを抑制した液体吐出ヘッド及び、それを備えた液体吐出装置を提供することにある。
本発明の液体吐出ヘッドは、それぞれ、液体が収容される1の圧力室と、該圧力室に連通する1以上のノズルと、を含み、その圧力室が伸縮変形することによって上記圧力室内の液体を上記ノズルから吐出する、2以上の液体吐出ユニットと、上記2以上の液体吐出ユニットが所定の配置で取り付けられて、これらを保持する保持部材と、上記各液体吐出ユニットと上記保持部材との間に介在して該各液体吐出ユニットと保持部材との間で伝達する振動を吸収する振動吸収部材と、を備える。
この構成によると、各液体吐出ユニットは、圧力室を伸縮変形させることによってノズルから液体を吐出するため、圧力室内の液体に対して高い圧力を加えることができ、小液滴の吐出や高粘度液体の吐出が可能である。
この各液体吐出ユニットを、所定の配置で保持部材に取り付けて液体吐出ヘッドを構成するため、例えば液体吐出ユニットの配置を変えることによってノズルピッチを変えることができ、また液体吐出ユニットの良品を選別して、その良品のみを保持部材に保持させることで、歩留まりが向上する、という利点がある。
そして、液体吐出ユニットを保持部材に保持させる構成において、各液体吐出ユニットと保持部材との間に振動吸収部材を介在させるため、いずれかの液体吐出ユニットが液体を吐出したときに発生する振動は、振動吸収部材によって吸収される。このため、振動が保持部材まで伝達せず、よって他の液体吐出ユニットに振動が伝達することがなく、クロストークが抑制される。
上記各液体吐出ユニットは、上記ノズルが形成されたノズル板を有し、上記圧力室が上記ノズルの軸方向に伸縮変形するに伴い上記ノズル板が変位することによって上記圧力室内の液体を上記ノズルから吐出する、としてもよい。
ノズル板は一般的にその板厚が薄く、質量が小さいため、本構成のようにノズル板を変位させる構成は、ヘッドの駆動周波数を高める点等において有利である。一方でノズル板を変位させる構成は、そのノズル板の支持剛性が低く振動が伝達したときにはクロストークの影響が出やすいという欠点がある。しかしながら本構成は、上述したように、振動吸収部材によって振動の伝達が抑制されているため、クロストークの影響はなく、その欠点のみが解消されるから特に有効である。
上記各液体吐出ユニットは、上記圧力室を区画する圧力室用孔が一面から他面まで貫通形成されると共に、上記ノズル板がその一面に接合された圧電体と、上記圧電体の他面に接合されると共に、上記圧力室内に液体を供給する供給口が形成された供給板と、をさらに有し、上記各液体吐出ユニットは、上記供給板側が上記振動吸収部材を介して上記保持部材に接合されていて、上記圧電体が上記ノズルの軸方向に伸縮変形駆動するに伴い上記ノズル板が上記供給板に対し相対的に変位することによって、上記ノズルから液体を吐出する、としてもよい。
こうすることで、各液体吐出ユニットの圧力室は、圧電体の圧力室用孔と、その圧電体の一面及び他面のそれぞれに接合されるノズル板及び供給板と、によって区画形成される。圧力室は、圧電体の変形駆動に伴いノズル板が供給板に対し相対的に変位することによって、その体積が増減し、それによってノズル板のノズルから液体が液滴として吐出される。このように、圧力室を圧電体によって区画形成し、その圧電体の変形によって圧力室の体積を増減させることで圧力室内の液体に対して高い圧力を加えることができる。つまり、小液滴の吐出や高粘度液体の吐出が可能になる。
また、圧力室に液体を供給するための供給口が形成された供給板は変位しないため、液体供給系の構成は簡易になる。
上記保持部材は、その内部に上記2以上の液体吐出ユニットそれぞれの圧力室に供給する液体が収容される共通液室が形成されて、上記各供給板は、上記振動吸収部材を介して上記保持部材に直接接合されて、それの供給口が上記共通液室に連通している、としてもよい。
こうすることで、部品点数が低減してヘッドの構成を簡略化しつつ、クロストークが抑制される。特に保持部材に直接接合される各供給板は、保持部材の内部に形成された共通液室に近接して配置されるものの、その供給板は変位しないため、その変位に伴う液体流れが共通液室内で発生することはない。その結果、共通液室の液体を介したクロストーク(流体的なクロストーク)も抑制される。
また、共通液室と各圧力室との間に供給口が形成された供給板を介在させることによって、圧力室内の液体に加えられた圧力は共通液室には伝達せず、仮に共通液室内に気泡が存在していても、各液体吐出ユニットは液体を吐出することが可能になるという利点もある。
上記振動吸収部材のヤング率は、上記ノズル板と圧電体との間、及び上記供給板と圧電体との間、のそれぞれに介在して、これらを互いに接合する接合部材のヤング率と同じか、又はそれよりも低く設定することが望ましい。
接合部材は圧力室の一部を形成するため、圧電体の伸縮変形に伴い圧力室の体積が増減したときに、接合部材が変形してその圧力を吸収しないように、そのヤング率は比較的高い方が好ましい。
これに対し、振動吸収部材は、振動を十分に吸収するように、そのヤング率は比較的低い方が好ましい。
従って、振動吸収部材のヤング率を、接合部材のヤング率と同じか、又はそれよりも低く設定することによって、圧力室内の液体に対しては確実に圧力が印加できる一方、十分な振動吸収効果が得られる。
本発明の液体吐出装置は、上述した液体吐出ヘッドを備える。このため、小液滴の吐出や高粘度液体の吐出を可能にしつつ、クロストークが抑制された液体吐出装置が実現する。
以上説明したように、本発明の液体吐出ヘッド及び液体吐出装置によると、小液滴の吐出や高粘度液体の吐出が可能な2以上の液体吐出ユニットそれぞれと、保持部材との間に振動吸収部材を介在させるため、クロストークを抑制することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
(実施形態1)
図1は、液体吐出装置Aの概略構成を示している。この液体吐出装置Aは、液体吐出ヘッド21と、被記録物4を支持するステージ31と、を備えている。
液体吐出ヘッド21は、装置基台6に支持されたヘッド移動装置2によって主走査方向(図1に示すX方向)に往復移動し、ステージ31は、同じく装置基台6に支持されたステージ移動装置3によって副走査方向(図1に示すY方向)に往復移動する。
ヘッド移動装置2は、液体吐出ヘッド21を支持するキャリッジ22を含む。キャリッジ22は、主走査方向に延びるキャリッジ軸23にガイドされ、図示を省略する駆動源(例えばモータ)によって、主走査方向に往復移動する。
ステージ移動装置3は、主走査方向に所定間隔を開けて配置されかつ、それぞれ副走査方向に延びる2つのステージ軸32,32を含む。ステージ31はこれらのステージ軸32,32にガイドされ、図示を省略する駆動源(例えばモータ)によって、副走査方向に往復移動する。
液体吐出装置Aはこの構成によって、液体吐出ヘッド21とステージ31上の被記録物4とを相対移動させながら、液体吐出ヘッド21から被記録物4に向かって液体材料を吐出し、被記録物4上に所望のパターンや均一薄膜等を形成する。
上記液体吐出ヘッド21は、図2,3に示すように、複数の(図例では5個の)ヘッドユニット1と、ヘッドユニット1を保持する保持部材5と、を備えている。
各ヘッドユニット1は、図4に示すように、圧力室用孔12が形成された圧電素子11を備えている。
圧電素子11は、約400μm厚の積層圧電体からなり、平面視で、約1.5mm×2.5mmの略矩形状を有している。圧電素子11は、図示は省略する電極に電圧が印可されることによって、図4における上下方向に収縮変形する(図4の矢印参照)。
圧力室用孔12は、約φ300μmの円形状を有していて、圧電素子11の上面から下面までを貫通して形成されている。圧力室用孔12は、圧力室10の側面を区画する孔であり、その内周面には、液体材料に対する耐食性を考慮して、耐溶剤性を有する樹脂のコーディング処理が施されている。
圧電素子11の下面には、ノズル板13が接着固定されており、このノズル板13の上面によって圧力室10の底面が区画される。ノズル板13は、約100μm厚のステンレス鋼からなる。ノズル板13には、その厚み方向に貫通し、上記圧力室用孔12に連通するノズル14が形成されている。
ノズル14は、その径が先端側に向かって小さくなるテーパ形状を有しており、その基端開口の径は約φ80μm、その先端開口の径は約φ20μmとされている。
尚、このノズル板13の下面は、撥水膜13aで被覆されている。この撥水膜13aは、公知の方法により形成することが可能である。
圧電素子11の上面には、供給板15が接着固定されており、この供給板15の下面によって圧力室10の上面が区画される。供給板15は、約0.5mm厚のステンレス鋼からなり、供給板15には、その厚み方向に貫通し、上記圧力室用孔12に連通する供給口17が形成されている。供給口17はストレート形状であって、約φ40μmの径を有している。
尚、ここでは圧電素子11に、ノズル板13及び供給板15を接着固定する形態としたが、圧電素子11、ノズル板13及び供給板15を一体に形成してもよい。
このように、圧力室10は、上記供給板15、圧電素子11及びノズル板13を積層した積層体であるヘッドユニット1の内部に形成されている。
上記ヘッドユニット1は、ヘッドブロック18内に収容されてこのヘッドブロック18に支持されている。つまり、ヘッドブロック18は、下方に開口する凹部18aを有しており、ヘッドユニット1がその凹部18a内に収容された状態で、供給板15の上面が、その凹部18aの上壁面に対し接着固定されている。このように供給板15がヘッドブロック18に対して固定されることによって、この液体吐出ヘッド21では、圧電素子11の収縮変形に伴いノズル板13が上方に変位する。
ヘッドブロック18には、その上壁部を上下方向に貫通しかつ、供給口17と連通する供給筒19が取り付けられている。供給筒19は、液体材料を貯留するタンクに、例えばチューブ等を介して接続されている(図示省略)。
また、ヘッドブロック18の側壁には貫通孔18cが形成されており、その貫通孔18c内には、圧電素子11の電極に対して電圧を印加するためのリード線18dが配設されている。
保持部材5は、ステンレス鋼又はセラミック材料製の板状部材であって、それぞれ上方に開口する複数の(図例では5個の)収容凹部51が、その長手方向に所定の間隔を開けて形成されている。
各収容凹部51には、上記ヘッドブロック18が収容されており、その下面が、収容凹部51の底面に対して、振動吸収部材53を介して接合されている。この振動吸収部材53は、後述する振動を吸収する機能の他に、ヘッドブロック18の下面と収容凹部51の底面とを接着固定する接着剤としても機能する。
ここで、上記振動吸収部材53は、そのヤング率が2×109Pa程度とすることが好ましい。これは、圧電素子11とノズル板13とを接着する接着剤(接合部材11a)、及び圧電素子11と供給板15とを接着する接着剤(接合部材11a)、のヤング率と同じが、それよりも低く設定されている。
収容凹部51の底部には、保持部材5の下面に開口する貫通孔52が形成されており、収容凹部51に収容されたヘッドユニット1のノズル板13は、その貫通孔52を通じて保持部材5の下方に露出している。
尚、符号54,54は、収容凹部51に収容されたヘッドユニット1をばね力によって保持部材5に固定するクランプである。
次に、上記構成の液体吐出ヘッド21の動作について説明する。各ヘッドユニット1の供給口17、圧力室10、及びノズル14内のそれぞれに液体材料が充填された状態で、所望のヘッドユニット1の圧電素子11に所定の電圧(例えば20V)を印可することによって、その圧電素子11が上下方向に収縮変形する(同図の矢印参照)。
この圧電素子11の収縮変形に伴いノズル板13が上方に変位して圧力室10の体積が減少し、圧力室10内の液体材料に圧力が加わる。それによって液体材料がノズル14から押し出されて被記録物4に向かって液滴として吐出される。液滴は被記録物4の上面にドット状に付着する。
圧電素子11への電圧印加を解除することによって、収縮していた圧電素子11が元に戻り、ノズル板13が下方に変位して圧力室10の体積が元に戻る。このときに、供給筒19及び供給口17を介して、タンクからの液体材料が圧力室10内に補充される。
ヘッドユニット1は、圧力室10を圧電素子11によって区画形成し、その圧電素子11の変形によって圧力室10の体積を減少させるため、圧力室10内の液体材料に対して高い圧力を加えることができる。それによって、小液滴の吐出や高粘度液体の吐出が実現する。上記構成のヘッドユニット1は、例えば粘度が40cP(0.04Pa・s)の高粘度液体を、約3pl(ピコリットル)の小さい液滴量で吐出することが可能である。
その各ヘッドユニット1と保持部材5との間には、振動吸収部材53が介在しているため、いずれかのヘッドユニット1が液体を吐出したときに発生する振動は、振動吸収部材53によって減衰される。そのため、保持部材5まで振動が伝達せず、それによって他のヘッドユニット1に振動が伝達しない。その結果、液体吐出ヘッド21のクロストークが抑制される。
特にヘッドユニット1は、圧電素子11の変形駆動に伴いノズル板13を変位させる構成であり、仮に保持部材5からヘッドユニット1に振動が伝達した場合は、クロストークの影響が出やすい構成であるものの、上述したように各ヘッドユニット1と保持部材5との間で振動を減衰させて両者間の振動の伝達を遮断しているため、各ヘッドユニット1にクロストークの影響はない。一方、板厚が薄いノズル板13を変位させる構成であることによって、液体吐出ヘッド21の駆動周波数を高めることが可能である。
また、振動吸収部材53は、そのヤング率を比較的低く設定することによって、十分な振動吸収効果が得られる一方、圧電素子11とノズル板13及び供給板15とを接着固定する接合部材11aは、そのヤング率を振動吸収部材53のヤング率と同じかそれよりも高く設定することによって、圧力室10を変形させたときにその接合部材11aが変形して圧力を吸収することはなく、圧力室10内の液体に対しては高い圧力を確実に印加することができる。
尚、ヘッドブロック18と保持部材5との間に振動吸収部材を介在させる代わりに、又はそれと共に、例えば供給板15とヘッドブロック18との間に振動吸収部材53を介在させてもよい。
また、本液体吐出ヘッド21は、各ヘッドユニット1を製造した後に、それらを保持部材5に保持させる構成であるため、例えば保持部材5に対するヘッドユニット1の配置を変えることによって、ノズルピッチを自由に変更することが可能になるという利点がある。
また、製造した各ヘッドユニット1の吐出状態を確認して良品のみを選別した後に、その良品のみを保持部材5に取り付けて、液体吐出ヘッド21を製造することが可能であるため、歩留まりを向上させることができる。
さらに、液体吐出ヘッド21の製造後には、故障等が生じた不良ヘッドユニット1のみを交換することも可能であり、液体吐出ヘッド21(液体吐出装置A)のランニングコストを低減することができる。
加えて、各ヘッドユニット1は、圧電素子11の上面に供給板15を接着固定して供給口17を有している構成であって、それ単独でも液体吐出ヘッドとして機能するものであるから、圧力室10に液体を供給するための液体供給系の構成に依存せず、種々の構成の液体吐出ヘッドに適用することが可能である。
(実施形態2)
図5は、実施形態2に係る液体吐出ヘッド7を示している。尚、実施形態2の液体吐出ヘッド7において、実施形態1の液体吐出ヘッド21と同じ構成については、適宜その説明を省略する。
この液体吐出ヘッド7は、そのヘッドユニット70がヘッドブロック18に収容されておらず、ヘッドユニット70の供給板74が、保持部材71に対して直接接合されている。それによって、実施形態1に係る液体吐出ヘッド21に比べて、部品点数が低減している。
ヘッドユニット70は、圧力室用孔12が形成された圧電素子72、ノズル14が形成されたノズル板73、及び供給口17が形成された供給板74を積層した積層体からなり、その内部に圧力室10が形成されている。
供給板74は、それの上部に、外方に拡がるフランジ部74aが一体的に形成されていると共に、供給口17に連通する供給筒74bが一体的に形成されている。
保持部材71は、その上面から凹となってフランジ部74aを収容する凹部71aと、その凹部71aに連続して保持部材71の下面まで貫通し、ヘッドユニット70の本体部分(供給板15の下部、圧電素子72及びノズル板73を含む)を収容する収容孔71bと、を有している。この凹部71a及び収容孔71bは、図示は省略するが、板状部材である保持部材71の長手方向に、所定の間隔を開けて複数形成されており、それによってヘッドユニット70は、保持部材71に対して所定の配置で保持されている。
尚、保持部材71の側壁には、収容孔71bに連通する貫通孔71cが形成されており、この貫通孔71c内には、圧電素子11の電極に対して電圧を印加するためのリード線18dが配設されている。
そして、各ヘッドユニット70は、その供給板74のフランジ部74aの下面が、凹部71aの上面に対して、振動吸収部材53を介して接合されている。
この構成においても、各ヘッドユニット70の供給板74側を、振動吸収部材53を介して保持部材71に接合しているため、いずれかのヘッドユニット70が液体を吐出したときに発生する振動は、振動吸収部材53によって減衰される。そのため、液体吐出ヘッド7のクロストークが抑制される。
(実施形態3)
図6は、実施形態3に係る液体吐出ヘッド8を示している。尚、実施形態3の液体吐出ヘッド8において、実施形態1の液体吐出ヘッド21と同じ構成については、適宜その説明を省略する。
この液体吐出ヘッド8は、その保持部材81の内部に共通液室85が形成されている。また、ヘッドユニット80がヘッドブロック18に収容されておらず、ヘッドユニット80の供給板84が、保持部材81に対して直接接合されている。
ヘッドユニット80は、圧力室用孔12が形成された圧電素子82、ノズル14が形成されたノズル板83、及び供給口17が形成された供給板84を積層した積層体からなり、その内部に圧力室10が形成されている。
保持部材81は、その内部に共通液室85を備えている。共通液室85は、保持部材81に保持される各ヘッドユニット80の圧力室に供給する液体を貯留している。共通液室85は、保持部材81の側部に形成された供給口85aを介して図示省略のタンクに接続されている。
保持部材81の下部には、長手方向に所定の間隔を開けて、共通液室85に連通する複数の(図例では5個の)貫通孔86が形成されている。この各貫通孔86は、後述するように、各ヘッドユニット80の供給口17と連通される。
各ヘッドユニット80は、その供給板84の上面が、保持部材81の下面に対して振動吸収部材53を介して接合されている。各振動吸収部材53は、各貫通孔86を取り囲んでおり、その振動吸収部材53によって、各貫通孔86とヘッドユニット80の供給口17とを互いに連通させる流路が形成されている。
この構成においても、各ヘッドユニット80の供給板84側を、振動吸収部材53を介して保持部材81に接合しているため、いずれかのヘッドユニット80が液体を吐出したときに発生する振動は、振動吸収部材53によって減衰される。そのため、液体吐出ヘッド8のクロストークが抑制される。
また、本液体吐出ヘッド8は、その保持部材81内に共通液室85を形成し、その保持部材81に対して各ヘッドユニット80を直接接合しているため、ヘッドの構成が大幅に簡略化している。
また、本液体吐出ヘッド8は、共通液室85と各ヘッドユニット80の圧力室10との間に、供給口17を形成した供給板84が介在しているため、例えば共通液室85内に気泡Bが存在していても(同図の一点鎖線参照)、ノズル14から液滴を吐出することが可能である。
つまり、仮に供給板84が存在せず、圧力室10が直接的に共通液室85に連通している構成では、圧電素子82の変形駆動の際に圧力室10内の液体に加えられた圧力が共通液室85に伝達して気泡を潰すことになる。それによって、ノズル14から液体が吐出されない場合がある。
これに対し、共通液室85と各ヘッドユニット80の圧力室10との間に、供給口17を形成した供給板84を介在させることによって、共通液室85に圧力が伝達せず、その共通液室85内に気泡が存在していても、各ヘッドユニット80のノズル14から安定して液滴を吐出することができる。
尚、上記の各実施形態について、次のような構成としてもよい。例えば各ヘッドユニット1,70,80の圧力室10は、圧電素子11,72,82によって区画形成したが、圧力室自体を伸縮変形させて、その圧力室内の液体に対し圧力を印加する構成であれば、どのような構成を採用してもよい。
また、ヘッドユニット1,70,80は、圧力室10の体積を減少させて液体を吐出する構成に限らず、圧力室10の体積を一旦増加させた後にそれを元に戻すことによって液体を吐出する構成としてもよい。
また、各ヘッドユニット1,70,80のノズル板13,73,83に、2以上のノズルを形成してもよい。
尚、本発明は、インクを記録紙等に吐出して画像を形成するインク吐出ヘッド及び画像記録装置に適用することも可能である。
以上説明したように、本発明は、小液滴の吐出や高粘度液体の吐出を実現しつつ、クロストークが抑制されるから、例えば液晶パネルや回路基板等の各種デバイスの製造のために、種々のパターンや均一薄膜を形成する液体材料吐出ヘッド及び液体材料吐出装置、またインクを吐出することによって例えば記録紙等の記録媒体上に画像を形成するインク吐出ヘッド及び画像形成装置として有用である。
実施形態に係る液体吐出装置を示す概略斜視図である。 実施形態1に係る液体吐出ヘッドを示す横断面図である。 図2のIII−III断面図である。 ヘッドユニットを示す横断面図である。 実施形態2に係る液体吐出ヘッドを示す横断面図である。 実施形態3に係る液体吐出ヘッドを示す縦断面図である。
符号の説明
1,70,80 ヘッドユニット(液体吐出ユニット)
10 圧力室
11,72,82 圧電素子(圧電体)
11a 接合部材
12 圧力室用孔
13,73,83 ノズル板
14 ノズル
15,74,84 供給板
17 供給口
21,7,8 液体吐出ヘッド
5,71,81 保持部材
53 振動吸収部材
85 共通液室
A 液体吐出装置

Claims (6)

  1. それぞれ、液体が収容される1の圧力室と、該圧力室に連通する1以上のノズルと、を含み、その圧力室が伸縮変形することによって上記圧力室内の液体を上記ノズルから吐出する、2以上の液体吐出ユニットと、
    上記2以上の液体吐出ユニットが所定の配置で取り付けられて、これらを保持する保持部材と、
    上記各液体吐出ユニットと上記保持部材との間に介在して該各液体吐出ユニットと保持部材との間で伝達する振動を吸収する振動吸収部材と、を備えている液体吐出ヘッド。
  2. 請求項1に記載の液体吐出ヘッドにおいて、
    上記各液体吐出ユニットは、上記ノズルが形成されたノズル板を有し、上記圧力室が上記ノズルの軸方向に伸縮変形するに伴い上記ノズル板が変位することによって上記圧力室内の液体を上記ノズルから吐出する液体吐出ヘッド。
  3. 請求項2に記載の液体吐出ヘッドにおいて、
    上記各液体吐出ユニットは、
    上記圧力室を区画する圧力室用孔が一面から他面まで貫通形成されると共に、上記ノズル板がその一面に接合された圧電体と、
    上記圧電体の他面に接合されると共に、上記圧力室内に液体を供給する供給口が形成された供給板と、をさらに有し、
    上記各液体吐出ユニットは、上記供給板側が上記振動吸収部材を介して上記保持部材に接合されていて、上記圧電体が上記ノズルの軸方向に伸縮変形駆動するに伴い上記ノズル板が上記供給板に対し相対的に変位することによって、上記ノズルから液体を吐出する液体吐出ヘッド。
  4. 請求項3に記載の液体吐出ヘッドにおいて、
    上記保持部材は、その内部に上記2以上の液体吐出ユニットそれぞれの圧力室に供給する液体が収容される共通液室が形成されており、
    上記各供給板は、上記振動吸収部材を介して上記保持部材に直接接合されて、それの供給口が上記共通液室に連通している液体吐出ヘッド。
  5. 請求項3又は4に記載の液体吐出ヘッドにおいて、
    上記振動吸収部材のヤング率は、上記ノズル板と圧電体との間、及び上記供給板と圧電体との間、のそれぞれに介在して、これらを互いに接合する接合部材のヤング率と同じか、又はそれよりも低く設定されている液体吐出ヘッド。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッドを備えている液体吐出装置。
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