JP2007181972A - インクジェット画像記録装置及びインクジェット画像形成方法 - Google Patents

インクジェット画像記録装置及びインクジェット画像形成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高画質でカール特性に優れ、高速で記録しても端部が汚染されることのないインクジェット画像記録装置及びインクジェット画像形成方法を提供すること。
【解決手段】インクジェット用インクをベルトにより搬送された記録紙14上にインクジェットヘッドより吐出させて画像を形成するインクジェット画像記録装置において、インクジェット用インクが少なくとも水、水溶性有機溶剤及び顔料を含有し、水の含有量が全インク質量の10質量%以上50質量%未満であり、且つ該水溶性有機溶剤のうちSP値((MPa)1/2)が16.5以上24.6未満の水溶性有機溶剤を全インクの30質量%以上含有し、且つ記録紙が枚葉単位に切断されたカットシートであり、搬送される記録紙と記録紙との間隔が10mm以上、30mm未満であり、更に記録紙と記録紙との間にインクの吐き捨て動作を行うことを特徴とするインクジェット画像記録装置。
【選択図】図1

Description

本発明は、インクジェット画像記録装置及びインクジェット画像形成方法に関するものである。
近年、インクジェット記録方式は簡便・安価に画像を作成できるため、写真、各種印刷、マーキング、カラーフィルター等の特殊印刷など、様々な印刷分野に応用されてきている。特に微細なドットを出射、制御するインクジェット記録装置や、色再現域、耐久性、出射適性等を改善したインク及びインクの吸収性、色材の発色性、表面光沢などを飛躍的に向上させた専用紙を用い、銀塩写真に匹敵する画質を得ることも可能となっている。
しかしながら、専用紙を必要とするインクジェット画像記録システムでは用いることのできる記録媒体が制限されること、記録媒体のコストアップ等が問題となる。
一方、オフィスにおいては、記録媒体(例えば、普通紙、コート紙、アート紙)の制約を受けずに高速でフルカラー印字が行えるシステムのニーズが益々高まりつつある。
特に安価であり、また入手が容易である普通紙(例えば、PPC用紙、印刷用非塗工紙など)に対して高画質な印刷を高速に行うことが望まれているが、普通紙印刷では水性インクを使用した場合に、印刷後のカール、コックリングが大きな課題となっていた。一方、油性インクを使用した場合には、カール、コックリングについては問題ないが、水性インクよりも浸透力が大きく、文字画質、にじみ、低い反射濃度等の課題があった。これまで普通紙印刷の課題を解決するために、記録液の組成を始めとして種々の検討が行われてきたが、カール、コックリング、画像濃度、文字品位の全てを満足するインクは得られていなかった。
水性インクを用いた普通紙記録時のカール、コックリングを防止する方法としては、インク中に特定のジオール類を添加する技術が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。しかしながら、この方法でもインク打ち込み量の多い画像を印刷する場合には、カール及びコックリングが発生するという問題があった。あるいは、インク中にカゼイン類を添加することによりカール、コックリングを防止する技術が開示されている(例えば、特許文献2参照。)。しかしながら、この方法では顔料を含むインクに対しては分散安定性を劣化させるという問題があった。
普通紙を用いた場合のカール発生に着目した技術として、特定の有機溶剤を特定の比率で含有することによりカールの発生を抑え、文字品質や出射性をあわせて改良する技術が公開されている(例えば、特許文献3〜5参照。)。また、これらのインクは出射安定性に優れる特徴も有し、特に出射と出射の間に時間をあけた、所謂間欠出射時にも粘度変化が少ないことから安定に出射できることが報告されている。このため所謂ラインヘッド型のプリンタに適用しても、安定に画像形成できることがわかっている。
ここでラインヘッド型のインクジェットヘッドについて説明する。このヘッドはインクジェットヘッドを記録用紙の幅に一列に並べたもので、記録用紙を搬送するのみで高速に画像記録が可能となる。この一列に並べたヘッドを全体としてみると非常に大きなものとなるため、従来のシャトルヘッド型のプリンタで行われている記録紙の横にヘッドを移動させて、吐き捨てやブレードによるクリーニングなどのメンテナンス動作を行うことが困難であった。
前記特許文献3〜5に記載のインクを用いることによりこのメンテナンス負荷を軽減することができるが、出射の安全性を更に高めるため何らかのメンテナンス機構を組み込むことが望まれていた。
ラインヘッド型のインクジェットプリンタにおいて、搬送体(搬送ベルト)上に予備的にインクを吐出して出射安定性を確保する方法が提案されている(例えば、特許文献6〜8参照。)。予備吐出されたインクは、クリーニングローラー等により拭き取り清掃することが報告されている。しかしながら、これらの方法では清掃を完全に行うことが難しく、特に高速で記録を行う場合に搬送体の汚れを除去しきれず、これが記録媒体の裏面を汚染することが判明した。また、記録用紙の端部が汚染されてしまうという課題も存在することが判明した。
記録用紙を搬送する搬送体に凹部を設けておき、ここに記録に先立ちインクを予備的に吐出することで出射安定性を確保する方法が提案されている(例えば、特許文献9参照。)。凹部であることから記録媒体の裏面とは接触しないため、記録媒体裏面の汚染は発生しない。しかしながら機構的に複雑になるため、高コストにつながり、更には動作の安定性に劣るという難点が存在していた。
特開平6−157955号公報 特開平5−208547号公報 特開2005−220296号公報 特開2005−220297号公報 特開2005−220298号公報 特開2000−127362号公報 特開2000−263801号公報 特開2000−272110号公報 特開2005−178246号公報
本発明は上記課題に鑑みなされたものであり、その目的は、高画質でカール特性に優れ、高速で記録しても端部が汚染されることのないインクジェット画像記録装置及びインクジェット画像形成方法を提供することにある。
本発明の上記目的は、以下の構成により達成される。
1.インクジェット用インクをベルトにより搬送された記録紙上にインクジェットヘッドより吐出させて画像を形成するインクジェット画像記録装置において、該インクジェット用インクが少なくとも水、水溶性有機溶剤及び顔料を含有し、水の含有量が全インク質量の10質量%以上50質量%未満であり、且つ該水溶性有機溶剤のうちSP値((MPa)1/2)が16.5以上24.6未満の水溶性有機溶剤を全インクの30質量%以上含有し、且つ該記録紙が枚葉単位に切断されたカットシートであり、搬送される記録紙と記録紙との間隔が10mm以上30mm未満であり、更に記録紙と記録紙との間にインクの吐き捨て動作を行うことを特徴とするインクジェット画像記録装置。
2.SP値((MPa)1/2)が16.5以上24.6未満の水溶性有機溶剤の20℃における蒸気圧が0.01Pa以上133Pa以下であることを特徴とする前記1に記載のインクジェット画像記録装置。
3.SP値((MPa)1/2)が16.5以上24.6未満の水溶性有機溶剤として水と混合した際にその混合比により粘度の極大部を示す水溶性有機溶剤を用い、且つ極大部の近傍の比率で水と該水溶性有機溶剤とが混合されていることを特徴とする前記1または2に記載のインクジェット画像記録装置。
4.画像記録をラインヘッド方式のインクジェットプリンタにより行うことを特徴とする前記1〜3のいずれか1項に記載のインクジェット画像記録装置。
5.前記1〜4のいずれか1項に記載のインクジェット画像記録装置を用いることを特徴とするインクジェット画像形成方法。
本発明はよれば、高画質でカール特性に優れ、高速で記録しても記録用紙の端部が汚染されることのないインクジェット画像記録装置及びインクジェット画像形成方法を提供することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
本発明者は、上記課題鑑み鋭意検討を行った結果、ベルトにより搬送された記録紙上にインクジェットヘッドより吐出させて画像を形成するインクジェット画像記録装置において、該インクジェット用インクが少なくとも水、水溶性有機溶剤及び顔料を含有し、水の含有量が全インク質量の10質量%以上50質量%未満であり、且つ該水溶性有機溶剤のうちSP値((MPa)1/2)が16.5以上24.6未満の水溶性有機溶剤を全インクの30質量%以上含有する特徴を有し、且つ該記録紙が枚葉単位に切断されたカットシートであり、搬送される記録紙と記録紙との間隔が10mm以上30mm未満であり、更に記録紙と記録紙との間にインクの吐き捨て動作を行う画像形成方法により本発明の目的を実現できることを見出し、本発明に至った次第である。
以下、本発明の詳細に説明する。
本発明において用いられるインクジェット画像記録装置及び画像形成方法において、該記録紙が枚葉単位に切断されたカットシートであり、搬送される記録紙と記録紙との間隔が10mm以上30mm未満であり、更に記録紙と記録紙との間にインクの吐き捨て動作を行う特徴を有する。
前記の通り、ラインヘッド型のインクジェットプリンタにおいてはメンテナンス機構を導入には困難が伴う。そのため搬送ベルト上へインクを予備吐出する等の手段が提案されているが、長期間の使用によりベルトそのものが汚染され、それが記録紙裏面を汚染してしまったり、あるいは複雑なクリーニング機構が必要とされていた。
ここで枚葉単位に切断された記録用紙を用いて、出射性を確保するため記録紙と記録紙との間にインクの吐き捨てを行おうとした場合、記録紙と記録紙との間隔を小さくしすぎると十分な量のインクを吐き捨てできず、メンテナンスの効果が得られない。更に吐出されたインクが記録紙の端部を汚染してしまい、印刷の品位が大きく低下してしまうという。一方、メンテナンスの効果の確保、汚染防止を目的に記録紙と記録紙の間隔を広げてしまうと、印刷の効率が大きく低下してしまう。
そこで前記課題を克服すべく検討したところ、搬送される記録紙と記録紙との間隔を10mm以上30mm未満とし、更に記録紙と記録紙との間にインクの吐き捨て動作を行うことにより課題を解決できることが判明した。
例えば、ヘッドの駆動周波数を20kHzに設定し、A4サイズの短辺長(210mm)の方向を搬送方向にして、150ppmの記録速度で50枚記録する毎に10mmの間隔をあけ、そこに5mmの幅にインクの吐き捨て動作を行うとすると、そこで行われる吐き捨て動作の回数は以下の通りとなる。
記録線速度={記録紙幅×記録速度+記録紙と記録紙との間隔×(記録速度÷吐き捨て間隔)}÷60(mm/sec)
吐き捨て動作回数=駆動周波数×吐き捨て幅÷記録線速度(回/sec)。
上記条件を当てはめると、一回あたりの吐き捨て動作回数は143回となる。一方、上記条件において記録紙と記録紙との間隔を30mmとし、インクの吐き捨て幅を20mmとした以外は同様にして吐き捨て動作回数を計算すると760回となる。
本発明者の検討により、吐き捨て動作により吐出安定性を確保するためには、最低100回の吐き捨て動作が必要であることが判明した。吐き捨て動作は回数を多くするにつれて安定性も向上するが、500回を超えると効果の増加幅が小さくなり、600〜700回程度でほぼ飽和することも判明した。
本発明を考案するにあたり、本発明者はその制御因子を吐き捨て動作回数に設定しようと検討したが、駆動周波数や吐き捨て動作を行うまでの記録枚数などは、記録紙の種類や記録モード(所謂「きれい」モードや「ドラフト」モードなど)によっても変化するため、実用的ではないことが明らかとなった。そこで更に検討を続けたところ、記録紙と記録紙との間隔を10mm以上30mm未満に設定することで、記録紙や記録モードが変更されても、上記の吐き捨て動作回数に収まることがわかった。間隔を10mmよりも小さくした場合、十分な吐き捨て動作回数を確保できなくなるか、または記録紙の端部がインクにより汚染されてしまう。一方、30mmよりも大きくした場合、吐出安定化効果の向上幅は非常に小さく、記録効率が低下してしまう弊害が大きくなってしまう。
本発明のインクジェット画像記録装置において、搬送ベルトを構成する素材としては種々高分子を挙げることができ、例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PEI(ポリエーテルイミド)、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)、PC(ポリカーボネート)、ETFE(エチレン−四フッ化エチレン共重合体)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)等が挙げられる。
本発明に係る搬送ベルトは単一の素材から形成されていても、また複数の素材から形成されている多層構造を形成してもよい。また単一の素材から形成されていても、例えば、電気抵抗度を層別に異なるように積層構造を形成してもよい。そのような構造のベルトは、例えば、静電吸着力を利用した搬送ベルト装置に利用することができる。
本発明において用いられるインクジェット用インクにおいては、少なくとも水、水溶性有機溶剤及び顔料を含有し、水の含有量が全インク質量の10質量%以上50質量%未満であり、且つ該水溶性有機溶剤のうちSP値((MPa)1/2)が16.5以上24.6未満の水溶性有機溶剤を全インクの30質量%以上含有することを特徴とする。
全インク中の水の含有量が50質量%以上では、カール、コックリングが劣悪になる。また10質量%未満では、他の溶剤組成をもってしても顔料の分散安定性が劣悪になる。
全インク中の水の含有量としては、20質量%以上40質量%未満であることが更に好ましい。
本発明に係るインクは、SP値((MPa)1/2)が16.5以上24.6未満の水溶性有機溶剤を全インクの30質量%以上含有する特徴を有する。この添加量が30質量%未満であると、普通紙記録時のカール、コックリングが極めて大きくなる。また、この有機溶剤のSP値((MPa)1/2)も16.5未満では、水との相溶性が悪くなり分離が生じる。逆にSP値((MPa)1/2)が24.6以上の有機溶剤ではカール抑制効果が不十分である。
この有機溶剤のSP値((MPa)1/2)の範囲は、16.5以上22.5未満であることが更に好ましい。
本発明で言う溶剤の溶解度パラメーター(SP値)とは、分子凝集エネルギーの平方根で表される値で、R.F.Fedors, Polymer Engineering Science, 14,p147(1974)に記載の方法で計算することができる。単位は(MPa)1/2であり、25℃における値を指す。
以下、SP値((MPa)1/2)が16.5以上24.6未満に該当する水溶性有機溶剤の例をSP値((MPa)1/2)と共に示す。云うまでもなく本発明はこれに限定されるものではない。
エチレングリコールモノメチルエーテル(SP値((MPa)1/2):24.5)
エチレングリコールモノエチルエーテル(23.5)
エチレングリコールモノブチルエーテル(22.1)
エチレングリコールモノイソプロピルエーテル(22.3)
ジエチレングリコールモノメチルエーテル(23.0)
ジエチレングリコールモノエチルエーテル(22.4)
ジエチレングリコールモノブチルエーテル(21.5)
ジエチレングリコールジエチルエーテル(16.8)
トリエチレングリコールモノメチルエーテル(22.1)
トリエチレングリコールモノエチルエーテル(21.7)
トリエチレングリコールモノブチルエーテル(21.1)
プロピレングリコールモノメチルエーテル(23.0)
プロピレングリコールモノフェニルエーテル(24.2)
ジプロピレングリコールモノメチルエーテル(21.3)
トリプロピレングリコールモノメチルエーテル(20.4)
1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(21.8)
更に、SP値((MPa)1/2)が16.5以上24.6未満に該当する水溶性有機溶剤のうち、20℃における蒸気圧が0.01Pa以上133Pa以下の水溶性有機溶剤を全インクの30質量%以上含有することが好ましく、0.01Pa以上66Pa以下の有機溶剤を含有することが更に好ましい。これに該当する水溶性有機溶剤の一例としては、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル(3.99Pa)、トリエチレングリコールモノメチルエーテル(1.33Pa未満)、トリエチレングリコールモノブチルエーテル(1.33Pa未満)、ジエチレングリコールモノメチルエーテル(24.00Pa)、ジエチレングリコールモノエチルエーテル(17.33Pa)等がある。
本発明では、上記の水溶性有機溶剤に加えて、各種水溶性有機溶剤を併用することができる。好ましく用いられる水溶性有機溶剤の例としては、アルコール類(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、セカンダリーブタノール、ターシャリーブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール等)、多価アルコール類(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサンジオール、ペンタンジオール、グリセリン、ヘキサントリオール、チオジグリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール等)、アミン類(例えば、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、モルホリン、N−エチルモルホリン、エチレンジアミン、ジエチレンジアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ポリエチレンイミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、テトラメチルプロピレンジアミン等)、アミド類(例えば、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等)、複素環類(例えば、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、シクロヘキシルピロリドン、2−オキサゾリドン等)、スルホキシド類(例えば、ジメチルスルホキシド等)、スルホン類(例えば、スルホラン等)、尿素、アセトニトリル、ケトン類(例えば、アセトン、メチルエチルケトン等)が挙げられる。
本発明に係るインクにおける水溶性有機溶剤のうち、水とを混合した際にその混合比により粘度の極大部を示す有機溶剤を用いることが好ましく、且つ該極大部の近傍の比率で水と該水溶性有機溶剤とが混合されていることが、出射性やデキャップの点で更に好ましい態様の一つである。ここで言う近傍とは、水と水溶性有機溶剤との質量比の合計を100%としたとき、極大部を示す比率の上下10%以内を言う。例えば、水と有機溶媒との比率が50:50で極大部を示すとき、40:60から60:40を近傍とする。
水と混合した際にその混合比により粘度の極大部を示す溶剤としては、例えば、エチレングリコールモノアルキルエーテル類(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル等)、ジエチレングリコールモノアルキルエーテル類(例えば、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等)、トリエチレングリコールモノアルキルエーテル類(例えば、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル等)、プロピレングリコールモノアルキルエーテル類(例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル等)、ジプロピレンリコールモノアルキルエーテル類(例えば、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル等)、トリプロピレンリコールモノアルキルエーテル類(例えば、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル等)等を挙げることができ、好ましくはジアルキレングリコールモノアルキルエーテル類またはトリアルキレングリコールモノアルキルエーテル類である。
本発明において使用できる顔料としては、従来公知のものを特に制限なく使用でき、水分散性顔料、溶剤分散性顔料等いずれも使用可能であり、例えば、不溶性顔料、レーキ顔料等の有機顔料及び、カーボンブラック等の無機顔料を好ましく用いることができる。
不溶性顔料としては特に限定するものではないが、例えば、アゾ、アゾメチン、メチン、ジフェニルメタン、トリフェニルメタン、キナクリドン、アントラキノン、ペリレン、インジゴ、キノフタロン、イソインドリノン、イソインドリン、アジン、オキサジン、チアジン、ジオキサジン、チアゾール、フタロシアニン、ジケトピロロピロール等が好ましい。
好ましく用いることのできる具体的顔料としては、以下の顔料が挙げられる。
マゼンタまたはレッド用の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド6、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントレッド15、C.I.ピグメントレッド16、C.I.ピグメントレッド48:1、C.I.ピグメントレッド53:1、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド139、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド178、C.I.ピグメントレッド202、C.I.ピグメントレッド222、C.I.ピグメントバイオレット19等が挙げられる。
オレンジまたはイエロー用の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントオレンジ31、C.I.ピグメントオレンジ43、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー15、C.I.ピグメントイエロー15:3、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー128、C.I.ピグメントイエロー94、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー150等が挙げられる。
グリーンまたはシアン用の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15:4、C.I.ピグメントブルー15:6、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ピグメントブルー60、C.I.ピグメントグリーン7等が挙げられる。
また、ブラック用の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントブラック1、C.I.ピグメントブラック6、C.I.ピグメントブラック7等が挙げられる。
本発明に係るインクジェット用インクに含有する顔料の分散状態の平均粒子径は、50nm以上200nm未満であることが好ましい。顔料分散体の平均粒子径が50nm未満あるいは200nm以上では顔料分散体の安定性が悪くなりやすく、記録液の保存安定性が劣化しやすくなる。
顔料分散体の粒子径測定は、動的光散乱法、電気泳動法等を用いた市販の粒径測定機器により求めることができるが、動的光散乱法による測定が簡便でこの粒子径領域の精度が良く多用される。
本発明で用いられる顔料は、分散剤及びその他所望する諸目的に応じて必要な添加物と共に分散機により分散して用いることが好ましい。分散機としては、従来公知のボールミル、サンドミル、ラインミル、高圧ホモジナイザー等が使用できる。中でもサンドミルによる分散により製造されるインクの粒度分布がシャープであり、好ましい。また、サンドミル分散に使用するビーズの材質は、ビーズ破片やイオン成分のコンタミネーションの点から、ジルコニアまたはジルコンが好ましい。更に、このビーズ径としては0.3〜3mmが好ましい。
本発明で用いられる分散剤としては、従来公知な高分子分散剤を好ましく用いることができ、中でもアクリル系高分子や、ウレタン系高分子が好ましく用いることができる。
また本発明に係るインクにおいては、上記高分子分散剤と共に、あるいは単独で公知の顔料分散剤、例えば、高級脂肪酸塩、アルキル硫酸塩、アルキルエステル硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、スルホコハク酸塩、ナフタレンスルホン酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、グリセリンエステル、ソルビタンエステル、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、アミンオキシド等の界面活性剤等の使用することを妨げるものではない。
次いで、上記説明した以外の本発明に係るインクの各構成要素について説明する。
本発明に係るインクのpHは7.0以上であることが好ましく、より好ましくは8.05〜10.0であり、上記のpHとすることにより出射安定性が良好で、且つ高濃度で好ましい光沢を有する画像を得ることができる観点から好ましい。
本発明に係るインクで用いられるpH調整剤としては、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等の各種有機アミン、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸物等の無機アルカリ剤、有機酸や、鉱酸が挙げられる。
また、本発明に係るインクの表面張力は、25℃において25〜50mN/mであることが好ましい。より好ましくは25〜40mN/mであり、更に好ましくは25〜35mN/mである。インクの表面張力が25mN/m未満になると、記録媒体への吸収速度が速くなり、顔料粒子同士による凝集を引き起こし、ブロンジングの発生や光沢、耐擦過性の低下を招く結果となる。また、インクの表面張力が50mN/mを超えると、記録媒体上に着弾したインク液滴が長い間留まることによる色濁りを引き起こし、高精細な画像を得ることができなくなる。
本発明で言う表面張力は、例えば、各種水溶性有機溶媒及び下記の各種界面活性剤を用いて、種類及び添加量を適宜調整することにより、所望の表面張力に調整することができる
また、表面張力の測定方法については、一般的な界面化学、コロイド化学の参考書等において述べられているが、例えば、新実験化学講座第18巻(界面とコロイド)、日本化学会編、丸善株式会社発行:P.68〜117を参照することができ、具体的には、輪環法(デュヌーイ法)、垂直板法(ウィルヘルミー法)を用いて求めることができる。
上記表面張力を達成する手段の1つとして、各種の界面活性剤を用いることができる。本発明で用いることのできる各界面活性剤として特に制限はないが、例えば、ジアルキルスルホコハク酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、脂肪酸塩類等のアニオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、アセチレングリコール類、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロック共重合体類等のノニオン性界面活性剤、アルキルアミン塩類、第四級アンモニウム塩類等のカチオン性界面活性剤が挙げられる。特に、アニオン性界面活性剤及びノニオン性界面活性剤を好ましく用いることができる。
本発明においては、界面活性剤としてアセチレン系界面活性剤を用いることが出射安定性が良好で、且つ高濃度で好ましい光沢を有し、均一性に優れた画像を得ることができる観点から好ましい。
アセチレン系界面活性剤であれば特に制限はないが、例えば、アセチレングリコール類、アセチレンアルコール類等が挙げられ、更に好ましくはアセチレン基とアルキレンオキシド鎖とを有する界面活性剤であり、例えば、サーフィノール465(日信化学工業社製)を挙げることができる。
また、本発明に係るインクにおいて、インク粘度としては25℃で1〜40mPa・sであることが好ましく、より好ましくは5〜40mPa・sであり、更に好ましくは5〜15mPa・sである。また本発明に係るインクにおいて、インク中の溶存酸素濃度は、25℃で2ppm以下であることが好ましく、この溶存酸素濃度条件とすることにより、気泡の形成を抑制することができ、高速印字においても出射安定性に優れたインクジェット記録方法を実現することができる。インク中に溶存している溶存酸素を測定する方法としては、例えば、溶存酸素測定装置DO−14P(東亜電波(株)製)を用いて測定することができる。
また、本発明に係るインク中には、インクの多価金属イオンであるカルシウムイオン、マグネシウムイオン及び鉄イオンの総含有量が10ppm以下であることが好ましく、より好ましくは0.1〜5ppm、特に好ましくは0.1〜1ppmである。
インクジェット用インク中の多価金属イオンの含有量を上記で規定した量とすることにより、高い分散安定性を有するインクを得ることができる。本発明に係る多価金属イオンは、硫酸塩、塩化物、硝酸塩、酢酸塩、有機アンモニウム塩、EDTA塩等に含有されている。
本発明に係るインクでは、上記説明した以外に必要に応じて出射安定性、プリントヘッドやインクカートリッジ適合性、保存安定性、画像保存性、その他の諸性能向上の目的に応じて、公知の各種添加剤、例えば、粘度調整剤、比抵抗調整剤、皮膜形成剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、退色防止剤、防ばい剤、防錆剤等を適宜選択して用いることができ、例えば、流動パラフィン、ジオクチルフタレート、トリクレジルホスフェート、シリコンオイル等の油滴微粒子、特開昭57−74193号、同57−87988号及び同62−261476号の各公報に記載の紫外線吸収剤、特開昭57−74192号、同57−87989号、同60−72785号、同61−146591号、特開平1−95091号及び同3−13376号の各公報等に記載されている退色防止剤、特開昭59−42993号、同59−52689号、同62−280069号、同61−242871号及び特開平4−219266号の各公報等に記載されている蛍光増白剤等を挙げることができる。
本発明に係るインクジェット用インクを用いた画像形成方法においては、例えば、インクジェット用インクを装填したインクジェットプリンタ等により、デジタル信号に基づきインクジェット記録ヘッドよりインクを液滴として吐出させ、記録媒体に付着させることでインクジェットプリントが得られる。
本発明に係るインクを吐出して画像形成を行う際に、使用するインクジェット記録ヘッドはオンデマンド方式でもコンティニュアス方式でも構わない。また吐出方式としては、電気−機械変換方式(例えば、シングルキャビティー型、ダブルキャビティー型、ベンダー型、ピストン型、シェアーモード型、シェアードウォール型等)、電気−熱変換方式(例えば、サーマルインクジェット型、バブルジェット(登録商標)型等)等などいずれの吐出方式を用いても構わない。
その中でも、本発明に係るインクジェット用インクを用いる場合には、30μm以下のノズル径を有するピエゾ型インクジェット記録ヘッドから吐出させて、記録材料に記録を行うこと、更に30μm以下のノズル径を有するラインヘッド方式のピエゾ型インクジェット記録ヘッドから吐出させて、記録材料に記録を行うこと、また30μm以下のノズル径を有するピエゾ型インクジェット記録ヘッドを用いて、20ppm以上の印字速度で記録材料に画像記録することが好ましい。
インクジェットプリンタの印字方式として、シャトルヘッド方式の記録ヘッドに対し、ラインヘッド方式の記録ヘッドを用いて印字することにより、本発明に係るインクの印字特性を十分に引き出すことができ、その結果インク液滴の記録材料への着弾時の極めて良好なドット形状(真円性)や印字精度を達成することができる。
また、本発明に係るインクは出射安定性やデキャップ耐性に優れた特性を有しており、高速印字に優れた特性を持っており、印字速度として20ppm以上の高速で印字することが好ましく、より好ましくは20ppm以上200ppm以下であり、より好ましくは50ppm以上200ppm以下である。なお、本発明で言うppmとは、A4サイズの記録材料の1分間あたりの印字枚数(Page Per Minute)を指す。
本発明に係るインクジェット用インクに対して用いる記録材料としては、印字するインクの吸収性、保持性を有していれば制限なく用いることができ、例えば、非吸収性支持体、あるいは吸収性支持体上のインクを吸収、保持するインク吸収層を設けたインクジェット専用の記録材料や、コート紙、非コート紙等の紙支持体を用いることができるが、記録材料として普通紙を用いて画像印字を行うことが、本発明による裏抜け防止効果や高い文字品質の画像が得られ観点から好ましい。
そのような普通紙としては特に制限はないが、非塗工紙、特殊印刷用紙、及び情報用紙の一部に属する80〜200μmの非コート紙が望ましい。本発明に係る普通紙の構成は、LBKP及びNBKPに代表される化学パルプ、サイズ剤及び填料を主体とし、その他の抄紙助剤を必要に応じて用い、常法により抄紙される。本発明に係る普通紙に使用されるパルプ材としては、機械パルプや古紙再生パルプを併用してもよいし、またこれらを主材としても何ら問題はない。
本発明に係る普通紙に内添されるサイズ剤としては、例えば、ロジンサイズ、AKD、アルニケル無水コハク酸、石油樹脂系サイズ、エピクロルヒドリン、カチオン澱粉及びアクリルアミド等が挙げられる。
また、本発明に係る普通紙に内添される填料としては、例えば、微粉珪酸、珪酸アルミニウム、ケイソウ土、カオリン、カオリナイト、ハロイサイト、ナクライト、ディッカイト、パイロフィライト、セリサイト、二酸化チタン、ベントナイト等が挙げられる。
また本発明に係る普通紙には、本発明に係るインクの裏抜けや着色剤の定着性を高める観点から、水溶性多価金属塩を含有していてもよい。
本発明に係る普通紙に用いることのできる水溶性多価金属塩としては、特に制限はないが、例えば、アルミニウム、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、鉄、ストロンチウム、バリウム、ニッケル、銅、スカンジウム、ガリウム、インジウム、チタン、ジルコニウム、スズ、鉛などの金属塩、硫酸塩、硝酸塩、ギ酸塩、コハク酸塩、マロン酸塩、クロロ酢酸塩、p−トルエンスルホン酸塩といった塩として添加される。また、水溶性の多価金属イオンの塩として、ポリ塩化アルミニウムのような水溶性無機ポリマーを使用してもよい。水溶性は少なくとも0.1質量%を示すものが好ましく、より好ましくは1質量%を示すものである。中でも、アルミニウム、カルシウム、アルミニウム、マグネシウム、亜鉛からなる水溶性塩はその金属イオンが無色なため好ましい。特に好ましいのは、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、硝酸アルミニウム、酢酸アルミニウム、塩化カルシウム、硫酸カルシウム、硝酸カルシウム、酢酸カルシウム、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、硝酸マグネシウム、酢酸マグネシウム、塩化亜鉛、硫酸亜鉛、硝酸亜鉛、酢酸亜鉛である。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
まず、本発明で用いられるインクジェット画像記録装置について説明する。
図1は本発明で好ましく用いられるラインヘッド型のインクジェット画像記録装置である。
記録紙14は重ねた状態で設置されており、そこから記録紙送りローラー15、記録紙ガイド13により引き出され、駆動ローラー12と抑えローラー16の間を通り、搬送ベルト7により搬送される。記録済み記録紙5は静電吸着板17により発生した静電力により搬送ベルト7に吸着される。
ここで搬送ベルト7に付着したインク汚れは、テンションローラー11を挟んで位置するクリーニングローラー9により拭き取られ、その汚れはクリーニング槽8に蓄えられたクリーニング液と絞りローラー10により除去される。ここで記録用紙と記録用紙との間隔が10mmよりも小さい場合、吐き捨て動作回数が不足するため十分な吐出安定性の回復が図れない。また吐き捨て動作により搬送ベルト上に付着したインクは、隣接する記録用紙の端部を容易に汚染してしまう。一方間隔を広げて行く場合、吐出安定性は向上するが、30mm以上では向上度合いはほぼ飽和してしまい、逆に記録効率の低下による弊害が大きくなってしまう。
次に、本発明のインクジェット画像形成方法について説明する。以下の実施例において、「部」あるいは「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量部」あるいは「質量%」を表す。
実施例1
《顔料分散体1〜16の調製》
表1に示す比率で各成分を混合し、直径0.5mmのジルコニアビーズを体積率で60%充填した横型ビーズミル(アシザワ社製 システムゼータミニ)を用いて分散し、その後ジルコニアビーズを除去して顔料分散体1〜16を得た。
Figure 2007181972
〔インク1〜16の調製〕
上記調製した各顔料分散体に、表2に示す添加量となるように溶剤と水を加えた後、減圧下、脱気処理を行って、インク1〜16を調製した。
Figure 2007181972
上記表1、表2に略称で記載した各添加剤の詳細は、以下の通りである。
(溶剤)
DPGmME:ジプロピレンプリコールモノメチルエーテル
DPG:ジプロピレングリコール
t−BuOH:ターシャリーブタノール
TEG:トリエチレングリコール
(各溶剤単独の蒸気圧、粘度、及びSP値((MPa)1/2))
DPGmME:粘度=3.3mPa・s、蒸気圧=53.3Pa、SP値((MPa)1/2)=21.3
DPG:粘度=100mPa・s、蒸気圧<1.3Pa、SP値((MPa)1/2)=27.1
t−BuOH:粘度=3.6mPa・s、蒸気圧=4.08kPa、SP値((MPa)1/2)=22.3
TEG:粘度=45mPa・s、蒸気圧<1.3Pa、SP値((MPa)1/2)=27.8
水:粘度=0.87mPa・s、蒸気圧=3.16kPa
上記粘度及びSP値((MPa)1/2)については、いずれも25℃における値であり、蒸気圧は20℃における値である。
(溶剤及び水の混合溶剤の粘度特性)
上記各溶剤と水との溶剤セットについて、混合比を溶剤:水として、100:0〜0:100まで、10質量%ずつ変化させた各溶剤を調製し、それらの混合溶剤の粘度を測定し、得られた結果を下記の通りである。
DPGmME/水の溶剤組成:DPGmME:水が80:20の混合条件で、極大粘度(6.2mPa・s)を示した。
DPG/水の溶剤組成:DPGの比率が増えるにつれ、粘度は単調に増加した。DPG/水が60:40の混合条件で、粘度は11.2mPa・sであった。
t−BuOH/水の溶剤組成:t−BuOH:水が60:40の混合条件で、極大粘度(4.0mPa・s)を示した。
TEG/水の溶剤組成:TEGの比率が増えるにつれ、粘度は単調に増加した。TEG/水が60:40の混合条件で、粘度は8.6mPa・sであった。
(顔料)
Y:C.I.ピグメントイエロー138
C:C.I.ピグメントブルー15:3
M:C.I.ピグメントレッド122
K:カーボンブラック
(顔料分散剤)
F760:フローレンTG−760W(共栄社化学社製)
J501:ジョンクリル501(ジョンソンポリマー社製)
B190:Disperbyk−190(ビックケミー・ジャパン社製)
〔インクセット1〜4の調製〕
上記調製したインクを用い、表3に示す通り組み合わせてインクセット1〜4を調製した。
Figure 2007181972
〔インクの評価〕
《画像の評価》
(印字後のカール特性の評価)
上記調製した各インクセットを用い、図1に示すインクジェットプリンタにより評価画像を作成した。ここで記録ヘッドとしてはノズル口径が25μm、吐出インク液滴量が4pl、ノズル数が256のシェアモードピエゾ型記録ヘッドを記録材料の幅手方向に12個並列に配置して、1色あたりのノズル解像度720dpi(本発明で言うdpiとは、2.54cmあたりのドット数を表す)、ノズル総数が3072個のライン型ヘッドを各色1ユニットずつ、計4ユニット用いた。
更に液滴速度8m/sec、インク液滴量4plとなるように、記録ヘッドの駆動電圧を調整した。ここで記録用紙と記録用紙との間隔が表4に示す値となるように、記録紙送りローラーの作動タイミングを制御した。
次いで、記録材料としてA4サイズのコニカミノルタビジネステクノロジー社製のビジネスクラス普通紙(Jペーパー)を用いて、搬送方向がAサイズの短辺長となるようにして、23℃、30%RHの環境下、150ppmの記録速度(1分間にA4サイズの普通紙を150枚プリントする速度)にて、解像度720dpi×720dpiで各色インクの出射量が3ml/m2となるように画像濃度を調整して、200mm×280mmの四色ベタ画像を記録した。
次いで、この記録した普通紙を23℃、20%RHの環境下で、平らな台上で記録面を上にして1週間放置し、次いで四隅の浮き上がり高さを測定した。なお、中央部が浮き上がる負カールの試料については、上下を逆にして更に1日放置した後、四隅の浮き上がり高さを測定した。以上のようにして四隅の浮き上がり高さを測定し、下記の基準に従ってカール特性を評価した。
A:ほとんど平坦で、四隅で最も浮いている箇所でも浮き上がり高さが5mm未満である
B:四隅で最も浮いている箇所の浮き上がり高さが5mm以上10mm未満である
C:四隅で最も浮いている箇所の浮き上がり高さが10mm以上20mm未満である
D:四隅で最も浮いている箇所の浮き上がり高さが20mm以上、または円筒状に丸まってしまい、測定不可である。
(連続記録時の端部汚染の評価)
上記方法により5001枚の記録用紙に連続記録を行った。その際、50枚記録毎にベルト上に記録紙と記録紙との間隔の60%の幅で吐き捨て動作を行った。記録後、1001枚目、2001枚目、3001枚目、4001枚目、5001枚目の記録用紙の端部を目視にて観察し、下記の基準に従って連続記録時の端部汚染を評価した。
a:いずれの記録用紙にも端部の汚染は観察されない
b:3001枚目以降の記録用紙の端部にわずかながら汚染が観察される
c:2001枚目以降の記録用紙の端部に汚染が観察されるが、実用上問題ない
d:1001枚目の端部に汚染が確認され、実用には不適である。
結果を表4に示す。
Figure 2007181972
表4に記載の結果より明らかなように、本発明の範囲外であるインクセットあるいは本発明外の記録紙間隔で記録した場合、カール及び連続使用の端部汚染のいずれか、あるいは全ての性能において劣る結果となった。
(連続記録時のデキャップの評価)
吐き捨て動作による出射安定性の回復を確認する目的で、以下の評価を行った。上記方法と同様にして、5001枚の記録用紙に連続記録を行った。その際、記録画像として日本規格協会発行のJIS X9201の中から「N5 自転車」を用いた。記録後、5001枚目の画像を目視にて観察し、下記の基準に従って連続記録時のデキャップ耐性を評価した。
1:自転車のスポーク部、画面右部の解像度チャートが明瞭に再現されている
2:画面右上部の解像度チャートの線画に一部曲がり、あるいは欠損が観察される
3:自転車のスポーク部及び画面右上部の解像度チャートの線画に一部曲がり、あるいは欠損が観察されるが、実用上問題はない
4:自転車のスポーク部及び画面右上部の解像度チャートの線画に曲がり、あるいは欠損が観察され、実用上問題となる画質である
なお、画像番号3の評価において記録紙の間隔は1mmとし、吐き捨て動作は全く行わないよう、設定した。
結果を表5に示す。
Figure 2007181972
表5に記載の結果より明らかなように、本発明外の記録紙間隔で記録した場合、デキャップ耐性に劣り細部の鮮鋭性及び再現性に劣る結果となった。特に記録紙間隔をほとんどあけず、吐き捨て動作を行い場合には、本発明に係るインクセットを用いても劣悪な画質の画像しか得られなかった。これに対し、本発明のインクジェット画像形成方法の場合、カールに優れ、端部汚染がなく、更にデキャップ耐性に優れた良好な記録画像を得られることがわかった。
本発明で好ましく用いられるラインヘッド型のインクジェット画像記録装置である。
符号の説明
1〜4 ライン型インクジェットヘッド
5 記録済み記録紙
6 搬送ローラー
7 搬送ベルト
8 クリーニング槽
9 クリーニングローラー
10 絞りローラー
11 テンションローラー
12 駆動ローラー
13 記録紙ガイド
14 記録紙
15 記録紙送りローラー
16 抑えローラー
17 静電吸着板

Claims (5)

  1. インクジェット用インクをベルトにより搬送された記録紙上にインクジェットヘッドより吐出させて画像を形成するインクジェット画像記録装置において、該インクジェット用インクが少なくとも水、水溶性有機溶剤及び顔料を含有し、水の含有量が全インク質量の10質量%以上50質量%未満であり、且つ該水溶性有機溶剤のうちSP値((MPa)1/2)が16.5以上24.6未満の水溶性有機溶剤を全インクの30質量%以上含有し、且つ該記録紙が枚葉単位に切断されたカットシートであり、搬送される記録紙と記録紙との間隔が10mm以上30mm未満であり、更に記録紙と記録紙との間にインクの吐き捨て動作を行うことを特徴とするインクジェット画像記録装置。
  2. SP値((MPa)1/2)が16.5以上24.6未満の水溶性有機溶剤の20℃における蒸気圧が0.01Pa以上133Pa以下であることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット画像記録装置。
  3. SP値((MPa)1/2)が16.5以上24.6未満の水溶性有機溶剤として水と混合した際にその混合比により粘度の極大部を示す水溶性有機溶剤を用い、且つ極大部の近傍の比率で水と該水溶性有機溶剤とが混合されていることを特徴とする請求項1または2に記載のインクジェット画像記録装置。
  4. 画像記録をラインヘッド方式のインクジェットプリンタにより行うことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のインクジェット画像記録装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のインクジェット画像記録装置を用いることを特徴とするインクジェット画像形成方法。
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