JP2007181795A - 細孔が1次元構造のアルミノホスフェート系ゼオライト吸着剤及びその用途 - Google Patents
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Abstract
【課題】水の有効吸着量が大きく、且つ優れた耐久性を持つ、ヒートポンプ用、デシカント空調用、湿度調節壁材用、湿度調節シート用の吸着剤を提供する。
【解決手段】骨格を構成する元素として少なくともAlとPを含み、且つ、細孔が3.8から7.1オングストロームの径を有する1次元構造であり、且つ骨格密度が18.0T/オングストローム3以下のゼオライト、ATS構造、ATN構造、AWW構造、LTL構造、SAS構造の何れかからなる吸着剤を用いる。当該吸着剤はヒートポンプ用、デシカント空調、湿度調節壁材、湿度調節シートの吸着剤として優れる。
【選択図】図4
【解決手段】骨格を構成する元素として少なくともAlとPを含み、且つ、細孔が3.8から7.1オングストロームの径を有する1次元構造であり、且つ骨格密度が18.0T/オングストローム3以下のゼオライト、ATS構造、ATN構造、AWW構造、LTL構造、SAS構造の何れかからなる吸着剤を用いる。当該吸着剤はヒートポンプ用、デシカント空調、湿度調節壁材、湿度調節シートの吸着剤として優れる。
【選択図】図4
Description
本発明は、ヒートポンプ、デシカント空調、湿度調節壁材、湿度調節シートに用いられる吸着剤として有用なアルミノホスフェート系ゼオライト吸着剤に関するものである。
アルミノホスフェート系ゼオライトの吸着剤を用いたヒートポンプとしては、細孔径が3オングストローム以上(細孔入り口が酸素8員環以上と実質的に同義)で細孔が2次元以上に繋がっている構造のゼオライトが数多く提案されている。
例えば、SAPO−34(CHA構造;細孔径3.8×3.8オングストロームの酸素8員環を持つ;細孔は3次元)、ALPO−34(CHA構造;細孔径3.8×3.8オングストロームの酸素8員環を持つ;細孔は3次元)、ALPO−18(AEI構造;細孔径3.8×3.8オングストロームの酸素8員環を持つ;細孔は3次元)などが例示されている(特許文献1,2参照。)。
しかし、これらのゼオライトは、細孔径が3オングストローム以上と大きく、且つ細孔が3次元に繋がっているため安定性が低く、耐久性が十分でないという問題があった。また、細孔径が3オングストローム以上で細孔構造が1次元のゼオライトとして、ALPO−5(AFI構造)が提案されているが、高い相対湿度で吸着量が大きく変化するため、ヒートポンプ用吸着剤としては適していなかった(特許文献2)。これは、ALPO−5の細孔径が7.3×7.3オングストロームと大きすぎることが原因と考えられる。
また、特許文献2において、「25℃で測定した水蒸気吸着等温線において、相対蒸気圧0.05以上、0.30以下の範囲で相対蒸気圧が0.15変化したときに水の吸着量変化が0.18g/g以上の相対蒸気圧域を有する吸着材からなる吸着ヒートポンプ用吸着材」が提案されている。しかし、実施例としてSAPO−34が示されているのみであり、細孔の構造、1次元と3次元との相違については検討されていなかった。
更に、特許文献3、4にはアルミニウムとリンと鉄を含むゼオライトからなるヒートポンプ用吸着剤として数多くのアルミノホスフェート系ゼオライトの構造と共にATS構造が例示されている。しかし、これらの特許文献においても細孔の構造、1次元と3次元との相違については検討されていなかった。
これまで開放式ヒートポンプとも呼ばれるデシカント空調機では、吸着剤として一般にシリカゲルが用いられていた。アルミノホスフェート系ゼオライト吸着剤を用いた開放式ヒートポンプとしては、特許文献5において、ALPO−5(細孔径7.3×7.3オングストロームの酸素12員環を持つ)が例示されているが、高い相対湿度で吸着量が大きく変化するため、デシカント空調用としての実用的な価値はまだ不十分であった。
また湿度調節壁材および湿度調節シートは、自律的調湿機能を持つ吸着剤が用いられ、例えば特許文献6ではアルミノケイ酸塩の多孔質材などが提案されているが、その性能は十分とは言えなかった。
以上、従来の細孔径が3オングストローム以上(細孔入り口が酸素8員環以上と実質的に同義)で細孔構造が2次元以上に繋がっているアルミノホスフェート系ゼオライト吸着剤は、ヒートポンプ用の吸着剤、特にデシカント空調用、湿度調節壁材用、湿度調節シート用の吸着剤としての性能及び耐久性が低く、実用的な価値が不十分であった。
本発明の目的は、従来技術の問題点を解決するために、水の有効吸着量が大きく、且つ優れた耐久性を持つ、ヒートポンプ用、デシカント空調用、湿度調節壁材用、湿度調節シート用の吸着剤を提供することにある。
本発明者らは従来技術の問題点を解決するために、アルミノホスフェート系ゼオライトの構造、組成、および水分吸着・脱離特性、サイクル試験による耐久性について鋭意検討を重ねた結果、水の有効吸着量が大きく、且つ優れた耐久性を持つゼオライトとして、骨格を構成する元素として少なくともAlとPを含み、且つ、細孔が3.8から7.1オングストロームの径を有する1次元構造であり、且つ骨格密度が18.0T/オングストローム3以下のゼオライト、例えば特に少なくともAlとPを含んだATS構造のゼオライトは水の有効吸着量が大きく、且つ優れた耐久性を持つことを見出し、当該ゼオライトは、ヒートポンプ用吸着剤、デシカント空調用、湿度調節壁材用、湿度調節シート用の吸着剤として有用であることを見出し本発明を完成するに至った。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のゼオライトは、骨格を構成する元素として少なくともAlとPを含み、且つ、細孔が3.8から7.1オングストロームの径を有する1次元構造であり、且つ骨格密度が18.0T/オングストローム3以下である。
本発明では、骨格を構成する元素とは、酸素以外でゼオライト骨格を構築している元素のことを呼び、いわゆる交換カチオンや担持成分は含まない。
本発明のゼオライトは、骨格を構成する元素として少なくともAlとPを含むことが必須である。少なくともAlとPを含むことにより、水などの吸着質の有効吸着量が大きくなり、吸着剤として優れた特性が発現する。
本発明のゼオライトでは、AlとP以外の元素が含まれても良い。含まれている場合の元素の種類も特に限定されないが、例えば、Mg、Si、Fe、Li、Be、B、Ti、V、Cr、Mn、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Geなどが例示できる。これらの中で、Mg、Si、Fe、B、Ga、Geが耐久性の点から好ましく、MgとSiが最も好ましい。これらの元素は、単独で含まれても良いし、2種以上の元素が同時に含まれても良い。
また、AlとP以外の元素の量は特に限定されないが、AlとP以外の元素をMとすると、Mの割合(M/(Al+P+M)のモル比)として、0.4以下が例示できる。Mの割合は、大きいほど水の有効吸着量が小さくなるため、有効吸着量の点からは0.2以下が好ましく、特に0.1以下が好ましく、0つまりAlとP以外の元素を含まないものが最も好ましい。
本発明のゼオライトは、細孔が3.8から7.1オングストロームの径を有する1次元構造であり、且つ骨格密度が18.0T/オングストローム3以下である。
本発明のゼオライトの細孔径とは、細孔の形状が円状の場合には直径、楕円状の場合には長径と短径の平均と定義する。また、複数の細孔をもつゼオライトの場合には、その中で最も大きな細孔の径を細孔径とする。
本発明のゼオライトでは、細孔が3.8から7.1オングストロームの径である。3.8オングストロームより小さいと細孔が1次元構造となることは困難で、7.1オングストロームより大きいと高い相対湿度で吸着量が大きく変化するため、吸着剤としては適していない。
また本発明のゼオライトでは、細孔が1次元構造である。細孔が2次元以上に繋がっているゼオライトは、構造不安定の箇所が多いため、結晶としての安定性が低くなり、吸着剤としての耐久性が低くなる。
さらに本発明では、骨格密度が18.0T/オングストローム3以下である。骨格密度が18.0T/オングストローム3より大きいと吸着質が吸着できる空間が狭くなり、吸着量が小さくなる。18.0T/オングストローム3以下であると吸着質が吸着できる空間が広くなり、吸着量が大きくなる。
本発明のゼオライトの構造の好適な例として、ATS構造が挙げられる。ATS構造は、刊行物(「ATLAS OF ZEOLITE FRAMEWORK TYPES(第5改訂版)」、p.66〜67、発行所:ELSEVIER、発行年:2001)に記載されている。
AlとPからなるATS構造のゼオライトは、ALPO−ATSまたはALPO−36と呼ばれ、AlとPとMgからなるATS構造のゼオライトは、MAPO−36と呼ばれ、AlとPとSiからなるATS構造のゼオライトは、SAPO−36と呼ばれている。
ATS構造のゼオライトは、酸素12員環の大きな環を持つ1次元の細孔構造のゼオライトである。そのため、ATS構造は安定性が高く、ヒートポンプ用の吸着剤、特にデシカント空調用、湿度調節壁材用、湿度調節シート用の吸着剤としての耐久性が高くなる。
また、ATS構造のゼオライトは、細孔径が6.5×7.5オングストローム(平均7.0オングストローム)と適度な大きさであり、骨格密度が16.4T/オングストローム3と小さいため、ヒートポンプ用の吸着剤、デシカント空調用、湿度調節壁材用、湿度調節シート用の吸着剤として好ましい相対湿度において大きな吸着量変化が得られる。従って、ATS構造のゼオライトは、これらの吸着剤として有用となる。
一方、ALPO−34(CHA構造)やALPO−18(AEI構造)では酸素8員環からなる細孔が3次元に繋がっているため、安定性が低く、耐久性が低い。
本発明のゼオライトの構造の他の例として、ATN構造、AWW構造、LTL構造、SAS構造が挙げられる。このATN構造、AWW構造、LTL構造、SAS構造は、既述のATS構造と類似の構造を有しており、ATS構造と同様に、安定性が高く、ヒートポンプ用、デシカント空調用、湿度調節壁材用、湿度調節シート用の吸着剤としての耐久性が高い。また、ATS構造と同様に、細孔径が適度な大きさのため、ヒートポンプ用、デシカント空調用、湿度調節壁材用、湿度調節シート用として好ましい相対湿度において吸着量が大きく変化し、これらの吸着剤として有用となる。
本発明のゼオライトの結晶の形状は特に限定されない。例えば、針状、柱状、板状などが例示できる。これらの形状の中では、結晶間の空隙が大きく、水などの吸着質の吸脱着速度が速くなるため、針状および柱状が好ましい。
本発明のゼオライトの結晶の粒子径としては、特に限定されないが、0.01μm〜100μmが例示でき、0.1μm〜10μmが好ましい。0.1μmより小さいと安定性が低くなり、10μmより大きいと結晶内の拡散速度が遅くなるため好ましくない。
本発明のゼオライトの製造方法は、特に限定されない。ATS構造のゼオライトを合成する方法としては、M.Hassan et al. ,Microporous and Mesoporous Materials,32,241−250 (1999)、および特公平3−75486に記載のトリプロピルアミンを有機SDA(Strusture Directing Agent;構造規定材,構造指向材)とした方法が例示できる。
アルミニウム源、リン源、上に示した有機SDA、水、およびAlとP以外の元素を含む場合にはその元素の化合物、また場合によってはフッ酸、塩酸などの酸を均一混合し、所定の温度で所定時間保持することによりATS構造のゼオライトを合成することができる。アルミニウム源としては、擬ベーマイト、リン源としてリン酸が例示でき、温度は80〜200℃、時間は12〜240時間が例示できる。温度は、階段状もしくは段階的に高くすることが好ましい。
ATS構造のゼオライトから有機SDAを取り除く方法としては、窒素または空気中での熱処理、塩酸または硫酸などの酸との接触による処理が例示できる。
本発明のゼオライトからなる吸着剤は、主成分がゼオライトの吸着剤のことである。ゼオライトは、粉末のまま用いても良いし、粉末スラリーをハニカムローターなどに適切な方法でコーティングしたものであっても良い。ゼオライト粉末に適切な量のバインダや成形助剤を混合して粒状成形体としても良い。また、他の材料と一体成型しても良く、紙又は樹脂に混合することによりシート状にして良い。
粒状成形体の形状は特に限定されず、使用されるシステムの容器の大きさや充填密度を考慮して形状、大きさが選択される。この際に使用されるバインダは特に限定されないが、熱交換を効率的に行うために、熱伝導度を上げる工夫をすることが好ましい。バインダの添加量が多くなると、それに伴い、吸着剤の重量および体積あたりの吸着量が低下する。したがって、バインダの混合比は少ない程よいが、使用条件に耐えうる強度を持つように調整することが好ましい。
粒状成形体はバインダレス成形体でもよい。バインダレス成形体は通常の成形体よりもゼオライト分が多く、粒状成形体単位量あたりの有効吸着量が大きいため更に好適に使用される。
本発明のゼオライトからなる吸着剤は、燃料電池、カーエアコン、などの排熱を用いたヒートポンプに用いることができる。吸着質としては、蒸発潜熱が大きく安全で安価な水が好ましい。
燃料電池の排熱は60〜80℃、低温熱として25〜35℃、生成冷熱として5〜10℃であり、この時、吸着時の相体湿度は16〜39%、脱着時の相対湿度は7〜28%に相当する。従って吸着剤は、吸着時と脱着時の相対湿度の中心である23%付近で吸着量が大きく変化することが望ましい。
本発明で使用されるゼオライトはこの様な低温排熱を用いても、高いヒートポンプ性能が発揮できる。また、水の吸脱着に対して非常に安定な結晶なため、水分吸着−加熱再生のサイクルを繰り返してもゼオライト構造はほとんど変化せず、有効吸着量の低下もほとんどない。
また、本発明のゼオライトからなる吸着剤は、開放式ヒートポンプとも呼ばれるデシカント空調機用の吸着剤として特に優れている。ゼオライトをコーティングしたハニカムローターに、熱交換器、冷却器、加熱器などを組み合わせることにより、主に除湿を目的とした空調機として使用させる。本発明のゼオライトは、低い加熱温度であっても、ハニカムローターからの水の脱着を十分に行える。
また、本発明のゼオライトからなる吸着剤は、湿度調節壁材、湿度調節シート用の吸着剤として特に優れている。湿度の高いときは水を吸着し、湿度が低いときは水を脱着するため、自律的な湿度の調整ができる。本発明のゼオライトからなる吸着剤は、既存のアルミノケイ酸塩などの多孔質材よりも低い湿度(5〜35%)で調節できる。また相対湿度に対する水の吸着量は、ある相対湿度で急激に変化するため、自律的な湿度の調整機能が大きい。
本発明のゼオライトからなる吸着剤は、水の有効吸着量が大きく、且つ優れた耐久性を持つ、ヒートポンプ用、デシカント空調用、湿度調節壁材用、湿度調節シート用の吸着剤として用いることができる。
以下、実施例を用いて、本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
水吸着特性評価はすべて減圧下350℃で2時間活性化した後、スプリングバランス法によって25℃の水分吸着等温線を測定し、相対湿度8%と28%の差による有効吸着量を求めた。
また、粉末X線回折はマックサイエンス社製のMXP3を用いて測定した。
実施例1
[ALPO−36(100−120−140℃合成)]
擬ベーマイト(Al2O3=74%):32.0g、85%リン酸:53.6g、トリプロピルアミン:66.8g、水:138gを均一に混合し、100℃×72時間、次いで120℃×90時間、次いで140℃×72時間でALPO−36(ALPO−ATS)を静置合成した。得られたALPO−36を590℃×5時間(窒素流通下1時間+空気流通下4時間)焼成し、シクロヘキシルアミンを取り除いた。粉末X線回折の評価結果を図1に示す。
[ALPO−36(100−120−140℃合成)]
擬ベーマイト(Al2O3=74%):32.0g、85%リン酸:53.6g、トリプロピルアミン:66.8g、水:138gを均一に混合し、100℃×72時間、次いで120℃×90時間、次いで140℃×72時間でALPO−36(ALPO−ATS)を静置合成した。得られたALPO−36を590℃×5時間(窒素流通下1時間+空気流通下4時間)焼成し、シクロヘキシルアミンを取り除いた。粉末X線回折の評価結果を図1に示す。
得られたALPO−36の初期水分吸着等温線を測定したところ、相対湿度19%で吸着量が大きく変化した。また、相対湿度8%と28%の差による有効吸着量は、18.7(g/100g)であった(図2)。
実施例2
[ALPO−36(105−125−145℃合成)]
合成温度と時間を105℃×72時間、次いで125℃×90時間、次いで145℃×72時間に変更した以外は実施例1と同様にしてALPO−36(ALPO−ATS)を合成し焼成した。粉末X線回折の評価結果を図3に示す。
[ALPO−36(105−125−145℃合成)]
合成温度と時間を105℃×72時間、次いで125℃×90時間、次いで145℃×72時間に変更した以外は実施例1と同様にしてALPO−36(ALPO−ATS)を合成し焼成した。粉末X線回折の評価結果を図3に示す。
得られたALPO−36の初期水分吸着等温線を測定したところ、相対湿度19%で吸着量が大きく変化した。また、相対湿度8%と28%の差による有効吸着量は、18.7(g/100g)であった(図4)。
次に、乾燥器と水の蒸発器からなる水吸脱着装置(装置No.1)を用いて、吸着:40℃、相対湿度38%、脱着:90℃、相対湿度2%を繰り返すサイクル耐久試験を行った。200サイクル後の試料を粉末X線回折で評価したところ、ATS構造のみが確認できた。また、得られたALPO−36のサイクル耐久試験後の水分吸着等温線を測定したところ、相対湿度8%と28%の差による有効吸着量は、18.7(g/100g)と大きな変化は認められなかった(図4)。
比較例1
[ALOP−34]
特開平9−294931号公報に基づき、モルホリンを有機SDAとして、200℃×240時間でALPO−34を合成した。得られたALPO−34を560℃×7時間(窒素流通下1時間+空気流通下6時間)焼成し、モルホリンを取り除いた。
[ALOP−34]
特開平9−294931号公報に基づき、モルホリンを有機SDAとして、200℃×240時間でALPO−34を合成した。得られたALPO−34を560℃×7時間(窒素流通下1時間+空気流通下6時間)焼成し、モルホリンを取り除いた。
試料を粉末X線回折で評価したところ、CHA構造が確認できた。
得られたALPO−34の初期水分吸着等温線を測定したところ、相対湿度6%で吸着量が大きく変化した。また、相対湿度8%と28%の差による有効吸着量は、4.1(g/100g)であった(図5)。
次に装置No.1の水吸脱着装置を用いて、吸着:40℃、相対湿度38%、脱着:90℃、相対湿度2%を繰り返すサイクル耐久試験を行った。200サイクル、500サイクル後の試料を粉末X線回折で評価したところ、CHA構造のみが確認できたが、ピーク強度の低下が認められた。また、得られたALPO−34のサイクル耐久試験後の水分吸着等温線を測定したところ、相対湿度8%と28%の差による有効吸着量は、200サイクル:15.3(g/100g)、500サイクル:10.8(g/100g)と大きく変動し、飽和吸着量は、サイクル数の増加に従い低下した(図5)。
比較例2
[ALOP−5]
国際ゼオライト学会出版のVERIFIED SYNTHESES OF ZEOLITIC MATERIALS(Second Revised Edition,2001)のp. 90〜92に基づき、トリエチルアミンを有機SDAとして、180℃×6時間でALPO−5を合成した。得られたALPO−5を600℃×5時間(窒素流通下1時間+空気流通下4時間)焼成し、トリエチルアミンを取り除いた。
[ALOP−5]
国際ゼオライト学会出版のVERIFIED SYNTHESES OF ZEOLITIC MATERIALS(Second Revised Edition,2001)のp. 90〜92に基づき、トリエチルアミンを有機SDAとして、180℃×6時間でALPO−5を合成した。得られたALPO−5を600℃×5時間(窒素流通下1時間+空気流通下4時間)焼成し、トリエチルアミンを取り除いた。
試料を粉末X線回折で評価したところ、AFI構造が確認できた。
得られたALPO−5の初期水分吸着等温線を測定したところ、相対湿度28%で吸着量が大きく変化した。また、相対湿度8%と28%の差による有効吸着量は、7.7(g/100g)であった(図6)。
Claims (4)
- 骨格を構成する元素として少なくともAlとPを含み、且つ、細孔が3.8から7.1オングストロームの径を有する1次元構造であり、且つ骨格密度が18.0T/オングストローム3以下のゼオライトからなる吸着剤。
- ゼオライトがATS構造、ATN構造、AWW構造、LTL構造、SAS構造の何れかである請求項1の吸着剤。
- 骨格を構成する元素として少なくともAlとP以外にMgまたはSiを含むゼオライトからなる請求項1〜2に記載の吸着剤。
- 請求項1〜3に記載の吸着剤を使用するヒートポンプ、デシカント空調、湿度調節壁材、湿度調節シートのいずれか1種の用途。
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