JP2007180463A - 有機半導体層用組成物、薄膜トランジスタの製造方法、アクティブマトリクス装置の製造方法、電気光学装置の製造方法および電子機器の製造方法 - Google Patents

有機半導体層用組成物、薄膜トランジスタの製造方法、アクティブマトリクス装置の製造方法、電気光学装置の製造方法および電子機器の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】分子構造の平面性が高く、薄膜特性に優れた有機半導体層を形成することができる有機半導体層用組成物、これを用いて製造された信頼性の高い薄膜トランジスタを製造可能な薄膜トランジスタの製造方法、アクティブマトリクス装置の製造方法、電気光学装置の製造方法、および電子機器の製造方法を提供すること。
【解決手段】有機半導体層用組成物は、π共役系構造を含む主鎖と、側鎖とを有し、所定の条件を満たす有機半導体材料と、この材料に対する第二ビリアル係数が−1×10−3〜1×10−3cm3・mol/g2の溶媒を含む。例えば、有機半導体材料としてポリ(3−ヘキシルチオフェン)を使用した場合、溶媒はアニソールまたはトリクロロエタンを用いることができる。この組成物は、ゲート電極50、ゲート絶縁層40、ソース電極20a、ドレイン電極20bおよび有機半導体層30を有する薄膜トランジスタ1の有機半導体層30を形成するのに用いることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、有機半導体層用組成物、薄膜トランジスタの製造方法、アクティブマトリクス装置の製造方法、電気光学装置の製造方法および電子機器の製造方法に関する。
近年、無機半導体材料を用いた薄膜トランジスタを置き換え得るデバイスとして、有機半導体材料を用いた薄膜トランジスタが注目されている(例えば、特許文献1参照。)。
この薄膜トランジスタは、有機半導体層を高温・高真空を必要としない液相プロセスによって形成することができ、また、薄型軽量化に適すること、可撓性を有すること等の長所を有している。
ところで、液相プロセスでは、有機半導体材料を含有するインクを、所定の有機半導体層形成領域に塗布し、後処理することによって有機半導体層を形成する。
ここで、インクを均一に塗布し、形成される有機半導体層毎のバラツキを抑えるには、インクの性状が重要となる。
例えば、インクの塗布方法としてインクジェット法を用いる場合に、インクを均一に塗布するには、インクの表面張力、粘度および沸点を適正範囲に調整することが必要であり、これらのパラメータについては多くの研究がなされている。
また、インクの性状や組成は、形成される有機半導体層の結晶性等の薄膜特性にも影響するものと考えられる。
しかし、インクと、有機半導体層の薄膜特性との関係については、ほとんど検討がなされていない。このため、これまでのインクでは、十分に薄膜特性に優れた有機半導体層を形成することができないという問題がある。
特開2004−6782号公報
本発明の目的は、分子構造の平面性が高く、薄膜特性に優れた有機半導体層を形成することができる有機半導体層用組成物、これを用いて製造された信頼性の高い薄膜トランジスタを製造可能な薄膜トランジスタの製造方法、アクティブマトリクス装置の製造方法、電気光学装置の製造方法、および電子機器の製造方法を提供することにある。
このような目的は、下記の本発明により達成される。
本発明の有機半導体層用組成物は、下記条件IおよびIIを満足する有機半導体材料と、25℃における前記有機半導体材料に対する第二ビリアル係数が−1×10−3〜1×10−3cm・mol/gである溶媒とを含むことを特徴とする。
条件I:前記有機半導体材料は、π共役系構造を含む主鎖と、該主鎖の少なくとも1ヶ所から分枝し、複数の炭素原子を含む側鎖とを有する。
条件II:前記有機半導体材料は、前記溶媒以外の溶媒に溶解したとき、前記側鎖が伸長して、前記側鎖同士が干渉し、前記主鎖の平面性が損なわれるものである。
これにより、分子構造の平面性が高く、薄膜特性に優れた有機半導体層を形成することができる有機半導体層用組成物が得られる。
本発明の有機半導体層用組成物では、前記側鎖の総炭素数は、4〜12であることが好ましい。
これにより、有機半導体材料の溶媒に対する溶解性を十分に維持しつつ、側鎖の長さを、隣接する側鎖同士が立体構造的な障害(干渉)を特に生じ難い程度の長さとすることができる。その結果、有機半導体材料を構成する主鎖の立体構造の平面性を高めることができ、この有機半導体材料を用いて形成された有機半導体層のキャリア移動度を高めることができる。
本発明の有機半導体層用組成物では、前記側鎖は、アルキル鎖であることが好ましい。
アルキル鎖は、主にC−H結合に起因する非極性部分で構成されているため、溶媒に対して溶解性を特に高めることができる。
本発明の有機半導体層用組成物では、前記π共役系構造として、チオフェン環を含むことが好ましい。
チオフェン環は、隣接するチオフェン環同士の間におけるキャリア移動性に特に優れ、主鎖にチオフェン環を含む有機半導体材料を用いて形成された有機半導体層は、優れたキャリア移動度を示す。
本発明の有機半導体層用組成物では、前記主鎖は、複数のチオフェン環同士が直鎖状に結合して構成されていることが好ましい。
これにより、より良好な薄膜特性を有し、より優れた半導体特性が得られる有機半導体層を形成することができる。
本発明の有機半導体層用組成物では、前記溶媒は、アニソールまたはトリクロロエタンであることが好ましい。
これにより、π共役系構造の共役長がより長くなり、特に優れたキャリア移動度を示す有機半導体層を得ることができる。
本発明の有機半導体層用組成物では、前記有機半導体材料の重量平均分子量は、1000〜1000000であることが好ましい。
これにより、有機半導体材料の合成および取り扱いが特に容易なものとなる。
本発明の有機半導体層用組成物では、当該有機半導体層用組成物における前記有機半導体材料の含有率は、0.1〜5wt%であることが好ましい。
これにより、有機半導体材料の析出を確実に防止しつつ、十分な膜厚の有機半導体層を形成することができる。
本発明の薄膜トランジスタの製造方法は、ソース電極と、ドレイン電極と、ゲート電極と、有機半導体層と、前記ゲート電極に対して前記ソース電極および前記ドレイン電極を絶縁するゲート絶縁膜とを備える薄膜トランジスタの製造方法であって、
下記条件IおよびIIを満足する有機半導体材料と、25℃における前記有機半導体材料に対する第二ビリアル係数が−1×10−3〜1×10−3cm・mol/gである溶媒とを含む有機半導体層用組成物を塗布して前記有機半導体層を形成することを特徴とする。
条件I:前記有機半導体材料は、π共役系構造を含む主鎖と、該主鎖の少なくとも1ヶ所から分枝し、複数の炭素原子を含む側鎖とを有する。
条件II:前記有機半導体材料は、前記溶媒以外の溶媒に溶解したとき、前記側鎖が伸長して、前記側鎖同士が干渉し、前記主鎖の平面性が損なわれるものである。
これにより、トランジスタ特性に優れ、かつ信頼性の高い薄膜トランジスタが得られる。
本発明のアクティブマトリクス装置の製造方法は、本発明の薄膜トランジスタの製造方法を備えることを特徴とする。
これにより、信頼性の高いアクティブマトリクス装置が得られる。
本発明の電気光学装置の製造方法は、本発明のアクティブマトリクス装置の製造方法を備えることを特徴とする。
これにより、信頼性の高い電気光学装置が得られる。
本発明の電子機器の製造方法は、本発明の電気光学装置の製造方法を備えることを特徴とする。
これにより、信頼性の高い電子機器が得られる。
以下、本発明の有機半導体層用組成物、薄膜トランジスタの製造方法、アクティブマトリクス装置の製造方法、電気光学装置の製造方法および電子機器の製造方法について、図示の好適実施形態に基づいて詳細に説明する。
<第1実施形態>
まず、本発明の有機半導体層用組成物を使用して製造される薄膜トランジスタの第1実施形態について説明する。
図1は、本発明の有機半導体層用組成物を使用して製造される薄膜トランジスタの第1実施形態を示す概略図(図1中(a)は縦断面図、(b)は平面図)、図2は、図1に示す薄膜トランジスタの製造方法を説明するための図(縦断面図)、図3は、ポリ(3−ヘキシルチオフェン)の立体構造を説明するための図(模式図)である。
図1に示す薄膜トランジスタ1は、ボトムゲート型の薄膜トランジスタであり、ゲート電極50と、ゲート電極50を覆うように設けられたゲート絶縁層40と、ゲート絶縁層40上に、互いに分離して設けられたソース電極20aおよびドレイン電極20bと、ソース電極20aおよびドレイン電極20bを覆うように設けられた有機半導体層30とを有し、基板10上に設けられている。
以下、各部の構成について、順次説明する。
基板10は、薄膜トランジスタ1を構成する各層(各部)を支持するものである。
基板10には、例えば、ガラス基板、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルスルホン(PES)、芳香族ポリエステル(液晶ポリマー)、ポリイミド(PI)等で構成されるプラスチック基板(樹脂基板)、石英基板、シリコン基板、金属基板、ガリウム砒素基板等を用いることができる。
薄膜トランジスタ1に可撓性を付与する場合には、基板10には、プラスチック基板、あるいは、薄い(比較的膜厚の小さい)金属基板が選択される。
基板10上には、後述する有機半導体層30に電界を生じさせるゲート電極50が設けられている。
このゲート電極50の構成材料としては、公知の電極材料であれば、種類は特に限定されるものではない。具体的には、Cr、Al、Ta、Mo、Nb、Cu、Ag、Au、Pd、In、Ni、Nd、Coまたはこれらを含む合金のような金属材料、およびそれらの酸化物等を用いることができる。
また、ゲート電極50は、導電性有機材料で構成することもできる。
ゲート電極50の平均厚さは、特に限定されないが、0.1〜2000nm程度であるのが好ましく、1〜1000nm程度であるのがより好ましい。
ゲート電極50上には、ゲート絶縁層(絶縁体層)40が設けられている。
このゲート絶縁層40は、ゲート電極50を、後述するソース電極20aおよびドレイン電極20bに対して絶縁するものである。
ゲート絶縁層40の構成材料としては、公知のゲート絶縁体材料であれば、種類は特に限定されるものではなく、有機材料、無機材料のいずれも使用可能である。
有機材料としては、ポリメチルメタクリレート、ポリビニルフェノール、ポリイミド、ポリスチレン、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセテート、ポリビニルフェノール等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
一方、無機材料としては、シリカ、窒化珪素、酸化アルミ、酸化タンタル等の金属酸化物、チタン酸バリウムストロンチウム、ジルコニウムチタン酸鉛等の金属複合酸化物が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
ゲート絶縁層40の平均厚さは、特に限定されないが、10〜5000nm程度であるのが好ましく、100〜2000nm程度であるのがより好ましい。ゲート絶縁層40の厚さを前記範囲とすることにより、ソース電極20aおよびドレイン電極20bとゲート電極50とを確実に絶縁しつつ、薄膜トランジスタ1の動作電圧を低くすることができる。
なお、ゲート絶縁層40は、単層構成のものに限定されず、複数層の積層構成のものであってもよい。
ゲート絶縁層40上には、ソース電極20aおよびドレイン電極20b(一対の電極)が設けられている。すなわち、ソース電極20aおよびドレイン電極20bは、ほぼ同一平面上に設けられている。
ソース電極20aおよびドレイン電極20bの構成材料は、ゲート電極50の構成材料と同様のものを用いることができる。
また、有機半導体層30がp型である場合には、ソース電極20aおよびドレイン電極20bの構成材料としては、それぞれ、Au、Ag、Cu、Ptまたはこれらを含む合金を主とするものが好ましい。これらのものは、比較的仕事関数が大きいため、ソース電極20aをこれらの材料で構成することにより、有機半導体層30への正孔(キャリア)の注入効率を向上させることができる。
なお、ソース電極20aおよびドレイン電極20bの平均厚さは、特に限定されないが、それぞれ、10〜2000nm程度であるのが好ましく、50〜1000nm程度であるのがより好ましい。
ソース電極20aとドレイン電極20bとの距離、すなわち、図1に示すチャネル長Lは、2〜30μm程度であるのが好ましく、2〜20μm程度であるのがより好ましい。このような範囲にチャネル長Lの値を設定することにより、薄膜トランジスタ1の特性の向上(特に、ON電流値の上昇)を図ることができる。
また、ソース電極20aおよびドレイン電極20bの長さ、すなわち、図1に示すチャネル幅Wは、0.1〜5mm程度であるのが好ましく、0.3〜3mm程度であるのがより好ましい。このような範囲にチャネル幅Wの値を設定することにより、寄生容量を低減させることができ、薄膜トランジスタ1の特性の劣化を防止することができる。また、薄膜トランジスタ1の大型化を防止することもできる。
ゲート絶縁層40上には、各ソース電極20aおよびドレイン電極20bに接触するように、有機半導体層30が設けられている。
この有機半導体層30の構成材料については、後述する薄膜トランジスタの製造方法において説明する。
この有機半導体層30の平均厚さは、特に限定されないが、0.1〜1000nm程度であるのが好ましく、1〜500nm程度であるのがより好ましく、1〜100nm程度であるのがさらに好ましい。
このような薄膜トランジスタ1では、ソース電極20aおよびドレイン電極20bの間に電圧を印加した状態で、ゲート電極50にゲート電圧を印加すると、有機半導体層30のゲート絶縁層40との界面付近にチャネルが形成され、チャネル領域をキャリア(正孔)が移動することで、ソース電極20aおよびドレイン電極20bの間に電流が流れる。
すなわち、ゲート電極50に電圧が印加されていないOFF状態では、ソース電極20aおよびドレイン電極20bとの間に電圧を印加しても、有機半導体層30中にほとんどキャリアが存在しないため、微少な電流しか流れない。
一方、ゲート電極50に電圧が印加されているON状態では、有機半導体層30のゲート絶縁層40に面した部分に電荷が誘起され、チャネル(キャリアの流路)が形成される。この状態でソース電極20aおよびドレイン電極20bの間に電圧を印加すると、チャネル領域を通って電流が流れる。
次に、本発明の有機半導体層用組成物を、図1に示す薄膜トランジスタを製造する場合を例にして説明する。
図1に示す薄膜トランジスタ1の製造方法は、基板10上にゲート電極50を形成する工程[A1]と、ゲート電極50上にゲート絶縁層40を形成する工程[A2]と、ゲート絶縁層40上にソース電極20aおよびドレイン電極20bを形成する工程[A3]と、ソース電極20aおよびドレイン電極20bを覆うように有機半導体層30を形成する工程[A4]とを有している。
[A1] ゲート電極形成工程
基板10上に、ゲート電極50を形成する(図2(a)参照。)。
まず、金属膜(金属層)を形成する。
これは、例えば、プラズマCVD、熱CVD、レーザーCVDのような化学蒸着法(CVD)、蒸着、スパッタリング(低温スパッタリング)、イオンプレーティング等の乾式メッキ法、電解メッキ、浸漬メッキ、無電解メッキ等の湿式メッキ法、溶射法、ゾル・ゲル法、MOD法、金属箔の接合等により形成することができる。
この金属膜上に、レジスト材料を塗布した後に硬化させ、ゲート電極50の形状に対応する形状のレジスト層を形成する。このレジスト層をマスクに用いて、金属膜の不要部分を除去する。
この金属膜の除去には、例えば、プラズマエッチング、リアクティブイオンエッチング、ビームエッチング、光アシストエッチング等の物理的エッチング法、ウェットエッチング等の化学的エッチング法等のうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
その後、レジスト層を除去することにより、ゲート電極50が得られる。
なお、ゲート電極50は、ゲート絶縁層40上に、例えば、導電性粒子や、導電性有機材料を含む導電性材料を塗布(供給)して塗膜を形成した後、必要に応じて、この塗膜に対して後処理(例えば加熱、赤外線の照射、超音波の付与等)を施すことにより形成することもできる。
導電性粒子を含む導電性材料としては、金属微粒子を分散させた分散液、導電性粒子を含むポリマー混合物等が挙げられる。
また、導電性有機材料を含む導電性材料としては、導電性有機材料の溶液または分散液が挙げられる。
基板10上に導電性材料を塗布(供給)する方法としては、例えば、スピンコート法やディップコート法のような塗布法、インクジェット印刷法(液滴吐出法)やスクリーン印刷法のような印刷法等が挙げられる。
[A2] ゲート絶縁層形成工程
次に、ゲート電極50上に、ゲート絶縁層40を形成する(図2(b)参照。)。
例えば、ゲート絶縁層40を有機高分子材料で構成する場合、ゲート絶縁層40は、有機高分子材料またはその前駆体を含む溶液を、ゲート電極50上を覆うように塗布(供給)した後、必要に応じて、この塗膜に対して後処理(例えば加熱、赤外線の照射、超音波の付与等)を施すことにより形成することができる。
有機高分子材料またはその前駆体を含む溶液を、ゲート電極50上へ塗布(供給)する方法としては、前記工程[A1]で挙げた塗布法、印刷法等を用いることができる。
また、ゲート絶縁層40を無機材料で構成する場合、ゲート絶縁層40は、例えば、熱酸化法、CVD法、SOG法により形成することができる。また、原材料にポリシラザンを用いることにより、ゲート絶縁層40として、シリカ膜、窒化珪素膜を湿式プロセスで成膜することが可能となる。
[A3] ソース電極およびドレイン電極形成工程
次に、ゲート絶縁層40上に、ソース電極20aおよびドレイン電極20bを形成する(図2(c)参照。)。
このソース電極20aおよびドレイン電極20bは、例えば、エッチング法、リフトオフ法等を用いて形成することができる。
エッチング法によりソース電極20aおよびドレイン電極20bを形成する場合には、I:まず、例えば、スパッタ法、蒸着法、メッキ法等を用いて、基板10の全面に金属膜(金属層)を形成する。II:次に、例えばフォトリソグラフィー法、マイクロコンタクトプリンティング法等を用いて、金属膜上(表面)にレジスト層を形成する。III:次に、このレジスト層をマスクに用いて、金属膜にエッチングを施して、所定の形状にパターニングする。
また、リフトオフ法によりソース電極20aおよびドレイン電極20bを形成する場合には、I:まず、ソース電極20aおよびドレイン電極20bを形成する領域以外の領域に、レジスト層を形成する。II:次に、例えば、蒸着法、メッキ法等を用いて、基板10のレジスト層側の全面に金属膜(金属層)を形成する。III:次に、レジスト層を除去する。
なお、ソース電極20aおよびドレイン電極20bは、ゲート絶縁層40上に、例えば、導電性粒子や、導電性有機材料を含む導電性材料を塗布(供給)して塗膜を形成した後、必要に応じて、この塗膜に対して後処理(例えば加熱、赤外線の照射、超音波の付与等)を施すことにより形成することもできる。
導電性粒子を含む導電性材料としては、金属微粒子を分散させた溶液、導電性粒子を含むポリマー混合物等が挙げられる。
また、導電性有機材料を含む導電性材料としては、導電性有機材料の溶液または分散液が挙げられる。
ゲート絶縁層40上に導電性材料を塗布(供給)する方法としては、例えば、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイヤーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法のような塗布法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェット法、マイクロコンタクトプリンティング法のような印刷法等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
[A4] 有機半導体層形成工程
次に、ソース電極20aおよびドレイン電極20bを覆うように、有機半導体層30を形成する(図2(d)参照。)。
有機半導体層30は、有機半導体材料と、この有機半導体材料を溶解する溶媒とを含む有機半導体層用組成物を、ソース電極20aおよびドレイン電極20bを覆うように供給し、その後、必要に応じて後処理を施すことによって形成する。なお、以下では、溶解とは、溶質が微分散した状態のことを含んでおり、また、溶媒は、溶質が微分散した分散媒(媒質)を含んでいる。
まず、有機半導体材料と、溶媒とを含む有機半導体層用組成物を調製する。
ここで、有機半導体層30は、この有機半導体層用組成物を用いて形成されるが、このようにして形成された有機半導体層30の薄膜特性は、溶質である有機半導体材料と溶媒との相関関係により変化するとされている。
しかしながら、これまで、この相関関係に関する明確な知見が得られていない。このため、優れた薄膜特性を有する有機半導体層を得ることができる材料(有機半導体層用組成物)が求められていた。
そこで、本発明者は、薄膜特性に優れた有機半導体層を形成可能な有機半導体層用組成物に対し、溶質である有機半導体材料を溶解する溶媒の選択条件について鋭意検討した結果、有機半導体材料としては、下記条件IおよびIIを満足するものであり、かつ、溶媒としては、25℃における有機半導体材料に対する第二ビリアル係数が−1×10−3〜1×10−3cm・mol/gのものであることが有効であることを見出し、本発明を完成するに至った。
条件I:有機半導体材料は、π共役系構造を含む主鎖と、主鎖の繰り返し単位構造の少なくとも1ヶ所から分枝し、複数の炭素原子を含む直鎖状の側鎖を有する。
条件II:有機半導体材料は、この有機半導体材料に対する第二ビリアル係数が前記範囲外の溶媒(前記溶媒以外の溶媒)に溶解したとき、側鎖が伸長して、側鎖同士が干渉し、主鎖の平面性が損なわれるものである。
なお、上記条件IIにおいて、有機半導体材料に対する第二ビリアル係数が前記範囲外の溶媒とは、有機半導体材料を十分に溶解し得る溶媒であり、より具体的には、25℃における有機半導体材料に対する第二ビリアル係数が1×10−3cm・mol/g超の溶媒である。
このような条件を満足する有機半導体材料は、主鎖にπ共役系構造を含むことから、共役長の長さに応じた高いキャリア移動度を示すことができ、優れた薄膜特性を示す有機半導体層の形成材料として用いることができるものである。
また、主鎖から分枝した側鎖には、複数の炭素原子同士が直鎖状の部分を含んでいるため、一般的な溶媒に対する親和性が高く、有機半導体材料の溶媒への溶解性を高めている。
ここで、第二ビリアル係数は、溶質である有機半導体材料の溶媒中における相互作用の程度を示す指標となり得るものである。
具体的には、第二ビリアル係数が正の値を示す場合、すなわち有機半導体材料に対して溶媒が良溶媒である場合には、値が大きいほど、有機半導体材料が溶媒に溶解する溶解性が高いことを意味する。
一方、第二ビリアル係数が負の値を示す場合、すなわち有機半導体材料に対して溶媒が貧溶媒である場合には、値が小さいほど、有機半導体材料が溶媒に溶解する溶解性が低下し、有機半導体材料が析出し易くなることを意味する。
また、このように有機半導体材料に対する溶媒の溶解性が変化したときには、側鎖(特に、前述した複数の炭素原子同士が直鎖状の部分)が伸長したり短縮したりする。
例えば、溶媒の第二ビリアル係数が正の値を示す場合、側鎖が伸長し、溶媒の第二ビリアル係数が負の値を示す場合、側鎖が短縮する。
側鎖が伸長すると、伸長した側鎖同士が立体構造的な障害(干渉)を起こすことによって、主鎖にねじれや折れ曲がり等の変形が生じ、有機半導体材料の分子構造の平面性が低下する。これにより、有機半導体層用組成物を用いて形成した有機半導体層の共役長が短くなり、その結果、有機半導体層のキャリア移動度の低下を招く。
一方、側鎖が短縮すると、側鎖同士が立体構造的な障害(干渉)を起こす確率が低下するため、主鎖がねじれたり折れ曲がったりすることを防止することができ、平面性が向上する。これにより、形成される有機半導体層の共役長が長くなり、その結果、有機半導体層のキャリア移動度を高めることができる。
なお、このような第二ビリアル係数は、溶媒の温度に応じてある程度変化させることができる。一般的には、溶媒または溶媒に溶解している有機半導体材料の変質を伴わない範囲で、溶媒の温度を高めることにより、第二ビリアル係数を若干高めることができる。
以上のような観点から、有機半導体材料に対する溶媒の第二ビリアル係数は、前述のような範囲内とされる。第二ビリアル係数の範囲を前述のような範囲内とすれば、溶媒の温度を適宜設定することにより、有機半導体材料の析出を防止しつつ、側鎖を短縮させ、主鎖の平面性を向上させることができる。そして、このような有機半導体材料を用いて形成した有機半導体層30では共役長が長くなり、これにより、有機半導体層30のキャリア移動度等の薄膜特性を高めることができる。その結果、例えば、かかる有機半導体層30を備える薄膜トランジスタ1は、優れたトランジスタ特性(例えば、ドレイン電流値の増大等)を得ることができる。
ところで、有機半導体材料を、所定の溶媒(有機半導体材料に対する第二ビリアル係数が1×10−3cm・mol/g超の溶媒)に溶解したとき、前述のように、側鎖が伸長して、側鎖同士の立体構造的な障害を生じるか否かは、次のようにして判定することができる。すなわち、有機半導体材料を、各種溶媒に溶解して液状材料(有機半導体層用組成物)としたとき、その液状材料の吸収スペクトルのピーク波長が、(A)溶媒の屈折率および/または誘電率の変化に応じて変化するか、または、(B)溶媒の第二ビリアル係数の変化に応じて変化するかを調べることによって判定することができる。
(A)の場合
上記のような有機半導体材料を含む液状材料における吸収スペクトルのピーク波長の変化は、有機半導体材料の主鎖の立体構造の変化による共役長の変化に起因するものである。
ところで、有機半導体材料と溶媒とを含む液状材料において、溶質である有機半導体材料と溶媒との間に、何ら相互作用が生じていないとすれば、液状材料の吸収スペクトルのピーク波長は、溶媒の屈折率および/または誘電率の変化に応じて変化する性質を有しているとされている。
したがって、液状材料の吸収スペクトルのピーク波長が、溶媒の屈折率および/または誘電率の変化に応じて変化したとすれば、溶質である有機半導体材料と溶媒との間に、何ら相互作用が生じていないことが推察される。
すなわち、(A)の場合は、有機半導体材料を、所定の溶媒に溶解したとき、側鎖同士の立体構造的な障害は生じないと判定することができる。
(B)の場合
前述したように、第二ビリアル係数とは、溶質である有機半導体材料の溶媒中における相互作用の程度を示す指標である。したがって、液状材料の吸収スペクトルのピーク波長が、溶媒の第二ビリアル係数の変化に応じて変化したとすれば、溶質である有機半導体材料と溶媒との間に、何らかの相互作用が生じていると推察される。
すなわち、(B)の場合は、有機半導体材料を、所定の溶媒に溶解したとき、側鎖同士の立体構造的な障害が生じると判定することができる。
以上のような条件を考慮することにより、有機半導体材料を溶解するのに適した溶媒を選択することができる。そして、このような有機半導体材料と溶媒とを含む有機半導体層用組成物は、有機半導体材料の析出を防止する安定性と、形成された有機半導体層における優れた薄膜特性とを高度に両立し得るものとなる。
有機半導体材料が有する1つの側鎖の総炭素数は、4〜12であるのが好ましく、6〜10であるのがより好ましい。溶媒の第二ビリアル係数に依存した主鎖の立体構造(平面性)の変化は、第二ビリアル係数が大きい溶媒中において、伸長した側鎖同士が干渉し合い、立体構造的な障害を生じることによって起こるものである。このため、側鎖に含まれる炭素原子の数が多くなる程、側鎖の長さが長くなり、主鎖の立体構造の変化の度合いは大きくなる。したがって、前述の炭素原子の数が前記範囲内であれば、有機半導体材料の溶媒に対する溶解性を十分に維持しつつ、側鎖の長さを、隣接する側鎖同士が立体構造的な障害(干渉)を特に生じ難い程度の長さとすることができる。その結果、有機半導体材料を構成する主鎖の立体構造の平面性を高めることができ、この有機半導体材料を用いて形成された有機半導体層のキャリア移動度を高めることができる。
また、複数の炭素原子を含む直鎖状の側鎖は、炭素原子と水素原子とにより構成される炭化水素であってもよく、水素原子の一部または全部をフッ素原子で置換したものであってもよい。さらに、側鎖の途中や末端が分枝して、さらに別の側鎖があってもよい。
なお、側鎖中には、その他の構造または原子等を有していてもよい。
また、側鎖は、特にアルキル鎖であるのが好ましい。アルキル鎖は、主にC−H結合に起因する非極性部分で構成されているため、溶媒に対して溶解性を特に高めることができる。
以上で説明したような有機半導体材料としては、例えば、下記化学式(1)〜(4)で表されるようなポリパラフェニレンビニレン誘導体、下記化学式(5)〜(8)で表されるようなポリチオフェン誘導体、下記化学式(9)、(10)で表されるようなポリパラフェニレン誘導体、下記化学式(11)で表されるようなポリフルオレン誘導体等が挙げられる。
Figure 2007180463
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ただし、前記化学式(1)〜(11)において、xおよびyは、それぞれ独立してモノマーユニットの繰り返し単位の数を表す整数であり、同一であっても異なっていてもよい。また、a、b、cおよびdは、それぞれ独立して炭素原子の数を表す整数であり、同一であっても異なっていてもよい。
これらの有機半導体材料の中でも、主鎖のπ共役系構造としてポリチオフェン誘導体のようなチオフェン環を含むものが好ましい。チオフェン環は、隣接するチオフェン環同士の間におけるキャリア移動性に特に優れ、主鎖にチオフェン環を含む有機半導体材料を用いて形成された有機半導体層は、優れたキャリア移動度を示す。
また、主鎖は、前記化学式(5)〜(8)のように、複数のチオフェン環同士が直鎖状に結合して構成されているのが好ましい。これにより、π共役系構造の共役長がより長くなり、特に優れたキャリア移動度を示す有機半導体層を得ることができる。
このような有機半導体材料中の繰り返し単位の数は、5〜6000程度であるのが好ましく、5〜1000程度であるのがより好ましい。これにより、有機半導体材料として十分な特性を示しつつ、合成および取り扱いが容易なものとなる。
また、有機半導体材料の重量平均分子量は、1000〜1000000程度であるのが好ましく、1000〜200000程度であるのがより好ましい。これにより、有機半導体材料の合成および取り扱いが特に容易なものとなる。
ここで、上記の有機半導体材料のうち、前記化学式(5)において、アルキル鎖の炭素数nが6であるポリ(3−ヘキシルチオフェン)(P3HT)を代表例として、溶媒の第二ビリアル係数に依存した立体構造の変化を説明する。
図3は、ポリ(3−ヘキシルチオフェン)の立体構造を説明するための図(模式図)である。図3の各図のうち、(a)、(c)は、それぞれP3HTの分子構造の平面図を、(b)、(d)は、それぞれP3HTの分子構造の斜視図を示している。
まず、この有機半導体材料を、所定の溶媒(例えば、キシレン、クロロホルム等)に溶解させると、図3(a)に示すように、アルキル鎖(側鎖)が、この溶媒との接触面積を広げるように伸長し、図3(b)に示すように、伸長したアルキル鎖同士が立体障害を起こすことによって主鎖にねじれが生じる。
一方、第二ビリアル係数が負の値を示す溶媒に接触させると、図3(c)に示すように、アルキル鎖が、この溶媒との接触面積を狭めるように短縮し、図3(d)に示すように、主鎖の平面性が高くなる。このような溶媒の第二ビリアル係数に依存した立体構造の変化は、前記化学式(1)〜(11)で表されるような、その他の有機半導体材料においても同様に生じる。
なお、前述したように、本発明の有機半導体層用組成物に含まれる溶媒の25℃における有機半導体材料に対する第二ビリアル係数は、−1×10−3〜1×10−3cm・mol/gとされるが、−1×10−3〜0cm・mol/gであるのが好ましい。第二ビリアル係数の範囲をこのような範囲とすれば、有機半導体層用組成物において、室温下でも確実に有機半導体材料の析出を防止しつつ、側鎖を短縮させ、主鎖の平面性を向上させることができる。また、前記範囲内において第二ビリアル係数が小さいほど、主鎖の平面性が向上するという傾向は、より顕著なものとなる。その結果、薄膜特性に優れた有機半導体層や、この有機半導体層を備え、トランジスタ特性に優れた薄膜トランジスタを得ることができる。
なお、この第二ビリアル係数が前記下限値より小さい場合には、有機半導体材料が著しく析出し易くなり、安定な有機半導体層用組成物が得られない。
一方、第二ビリアル係数が前記上限値より大きいと、側鎖が著しく伸長し、伸長した側鎖同士が立体構造的な障害を非常に生じ易くなる。これにより、主鎖にねじれや折れ曲がり等の変形が生じ、共役長が著しく短くなる。その結果、有機半導体層用組成物を用いて形成された有機半導体層は、十分なキャリア移動度が得られず、薄膜特性が特に低いものとなる。
なお、有機半導体材料を溶解する溶媒としては、例えば、シクロヘキサン、シクロヘキサノン、1,4−ジオキサン、インダン、インデン、エチルナフタレン、メチルナフタレン、ベンゾフラン、トリメチルベンゼン、キシレン、トルエン、シクロヘキシルベンゼン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、クロロホルム、ジクロロメタン、トリクロロエタン、テトラヒドロナフタレン、テトラヒドロフラン(THF)、ブタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン、テトラデカン、ヘキサデカン、メシチレン、テトラリン、デカリン、アニソール、ブチルアセテート等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて選択することができるが、特にアニソールまたはトリクロロエタンが好ましい。これらの溶媒は、主鎖のπ共役系構造としてチオフェン環を含む有機半導体材料に対して、第二ビリアル係数を前記範囲内で小さくすることができる。これにより、有機半導体層用組成物において、有機半導体材料の主鎖の平面性を特に高めることができる。
また、この有機半導体層用組成物における有機半導体材料の含有率は、0.1〜5wt%であるのが好ましく、0.5〜2wt%であるのがより好ましい。これにより、有機半導体材料の析出を確実に防止しつつ、十分な膜厚の有機半導体層を形成することができる。
次に、基板10上に、ソース電極およびドレイン電極を覆うように、前述したような有機半導体層用組成物を供給する。
有機半導体形成用液状材料を基板10上に供給する方法としては、例えば、前記工程[A1]で挙げた塗布法、印刷法等を用いることができる。
このうちインクジェット法を使用するのが好ましい。インクジェット法は、液状材料を微細なパターンで供給できるので、パターニングが不要であり、簡易な工程で精密な形状の有機半導体層を形成することができる。
なお、有機半導体層用組成物に、有機半導体材料の前駆体を含有させた場合には、その後、アニール処理を行う。
このようにして、ソース電極20aおよびドレイン電極20bを覆うように有機半導体層30が形成される。このとき、ソース電極20aおよびドレイン電極20bとの間には、チャネル領域が形成される。
なお、有機半導体層30の形成領域は、図示の構成に限定されず、有機半導体層30は、ソース電極20aおよびドレイン電極20bとの間の領域(チャネル領域)に選択的に形成してもよい。これにより、同一基板上に、複数の薄膜トランジスタ(素子)1を並設する場合に、各素子の有機半導体層30を独立して形成することにより、リーク電流、各素子間のクロストークを抑えることができる。また、有機半導体材料の使用量を削減することができ、製造コストの削減を図ることもできる。
以上のような工程を経て、第1実施形態の薄膜トランジスタ1が得られる。
このようにして製造される薄膜トランジスタ1は、有機半導体層に含有される有機半導体材料の共役長が長く、また、有機半導体層が良好な薄膜特性を有していることにより、良好なトランジスタ特性を得ることができる。
<第2実施形態>
次に、本発明の有機半導体層用組成物を使用して製造される薄膜トランジスタの第2実施形態について説明する。
図4は、本発明の有機半導体層用組成物を使用して製造される薄膜トランジスタの第2実施形態を示す概略断面図である。
以下、第2実施形態の薄膜トランジスタについて、前記第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
第2実施形態の薄膜トランジスタ1は、各電極の配設位置が異なる以外は、前記第1実施形態の薄膜トランジスタ1と同様である。
すなわち、図4に示す薄膜トランジスタ1は、ソース電極20aおよびドレイン電極20bが、有機半導体層30およびゲート絶縁層40を介して、ゲート電極50より基板10側に位置するトップゲート型の薄膜トランジスタである。
そして、有機半導体層30が、前記第1実施形態と同様の有機半導体層用組成物を使用して形成されている。
このような薄膜トランジスタ1も、前記第1実施形態の薄膜トランジスタ1と同様にして製造することができる。
このような第2実施形態の薄膜トランジスタ1によっても、前記第1実施形態の薄膜トランジスタ1と同様の作用・効果が得られる。
なお、本発明の有機半導体層用組成物によって有機半導体層を形成してなる電子デバイスは、前述したような薄膜トランジスタへの適用に限定されるものではなく、例えば有機EL素子や光電変換素子等に適用することもできる。
<電気光学装置>
次に、前述したような薄膜トランジスタ1を備えるアクティブマトリクス装置(基板上に前述の電子デバイスが形成されたもの)が組み込まれた本発明の電気光学装置について、電気泳動表示装置を一例に説明する。なお、アクティブマトリクス装置は基板上に前述の電子デバイスを複数形成することで製造される。
図5は、電気泳動表示装置の実施形態を示す縦断面図、図6は、図5に示す電気泳動表示装置が備えるアクティブマトリクス装置の構成を示すブロック図である。
図5に示す電気泳動表示装置200は、基板500上に設けられたアクティブマトリクス装置300と、このアクティブマトリクス装置300に電気的に接続された電気泳動表示部400とで構成されている。
図6に示すように、アクティブマトリクス装置300は、互いに直交する複数のデータ線301と、複数の走査線302と、これらのデータ線301と走査線302との各交点付近に設けられた薄膜トランジスタ1とを有している。
そして、薄膜トランジスタ1が有するゲート電極50は走査線302に、ソース電極20aはデータ線301に、ドレイン電極20bは後述する画素電極(個別電極)401に、それぞれ接続されている。
図5に示すように、電気泳動表示部400は、基板500上に、順次積層された、画素電極401と、マイクロカプセル402と、透明電極(共通電極)403および透明基板404とを有している。
そして、マイクロカプセル402がバインダ材405により、画素電極401と透明電極403との間に固定されている。
画素電極401は、マトリクス状に、すなわち、縦横に規則正しく配列するように分割されている。
各カプセル402内には、それぞれ、特性の異なる複数種の電気泳動粒子、本実施形態では、電荷および色(色相)の異なる2種の電気泳動粒子421、422を含む電気泳動分散液420が封入されている。
このような電気泳動表示装置200では、1本あるいは複数本の走査線302に選択信号(選択電圧)を供給すると、この選択信号(選択電圧)が供給された走査線302に接続されている薄膜トランジスタ1がONとなる。
これにより、かかる薄膜トランジスタ1に接続されているデータ線301と画素電極401とは、実質的に導通する。このとき、データ線301に所望のデータ(電圧)を供給した状態であれば、このデータ(電圧)は画素電極401に供給される。
これにより、画素電極401と透明電極403との間に電界が生じ、この電界の方向、強さ、電気泳動粒子421、422の特性等に応じて、電気泳動粒子421、422は、いずれかの電極に向かって電気泳動する。
一方、この状態から、走査線302への選択信号(選択電圧)の供給を停止すると、薄膜トランジスタ1はOFFとなり、かかる薄膜トランジスタ1に接続されているデータ線301と画素電極401とは非導通状態となる。
したがって、走査線302への選択信号の供給および停止、あるいは、データ線301へのデータの供給および停止を適宜組み合わせて行うことにより、電気泳動表示装置200の表示面側(透明基板404側)に、所望の画像(情報)を表示させることができる。
特に、本実施形態の電気泳動表示装置200では、電気泳動粒子421、422の色を異ならせていることにより、多階調の画像を表示することが可能となっている。
また、本実施形態の電気泳動表示装置200は、アクティブマトリクス装置300を有することにより、特定の走査線302に接続された薄膜トランジスタ1を選択的にON/OFFすることができるので、クロストークの問題が生じにくく、また、回路動作の高速化が可能であることから、高い品質の画像(情報)を得ることができる。
また、本実施形態の電気泳動表示装置200は、低い駆動電圧で作動するため、省電力化が可能である。
なお、前述したような薄膜トランジスタ1を備えるアクティブマトリクス装置が組み込まれた電気光学装置は、このような電気泳動表示装置200への適用に限定されるものではなく、例えば、液晶装置、有機または無機EL装置等の表示装置または発光装置に適用することもできる。
この電気光学装置の製造方法は、例えば前述の電気泳動表示装置の製造方法の場合、前述の透明電極403に前記バインダ材405でマイクロカプセル402が固定されている、いわゆる電気泳動表示シートに対し、アクティブマトリクス装置を貼り合わせる製造工程を有する。また、例えば、液晶装置の場合、図示はないが、アクティブマトリクス装置を対向基板に貼り合わせ、その間に液晶材料を注入する製造工程を含む。
<電子機器>
このような電気泳動表示装置200は、各種電子機器に組み込むことができる。以下、電気泳動表示装置200を備える本発明の電子機器について説明する。
<<電子ペーパー>>
まず、本発明の電子機器を電子ペーパーに適用した場合の実施形態について説明する。
図7は、本発明の電子機器を電子ペーパーに適用した場合の実施形態を示す斜視図である。
この図に示す電子ペーパー600は、紙と同様の質感および柔軟性を有するリライタブルシートで構成される本体601と、表示ユニット602とを備えている。
このような電子ペーパー600では、表示ユニット602が、前述したような電気泳動表示装置200で構成されている。
<<ディスプレイ>>
次に、本発明の電子機器をディスプレイに適用した場合の実施形態について説明する。
図8は、本発明の電子機器をディスプレイに適用した場合の実施形態を示す図であり、(a)は断面図、(b)は平面図である。
この図に示すディスプレイ800は、本体部801と、この本体部801に対して着脱自在に設けられた電子ペーパー600とを備えている。なお、この電子ペーパー600は、前述したような構成、すなわち、図6に示す構成と同様のものである。
本体部801は、その側部(図中、右側)に電子ペーパー600を挿入可能な挿入口805が形成され、また、内部に二組の搬送ローラ対802a、802bが設けられている。電子ペーパー600を、挿入口805を介して本体部801内に挿入すると、電子ペーパー600は、搬送ローラ対802a、802bにより挟持された状態で本体部801に設置される。
また、本体部801の表示面側(下図(b)中、紙面手前側)には、矩形状の孔部803が形成され、この孔部803には、透明ガラス板804が嵌め込まれている。これにより、本体部801の外部から、本体部801に設置された状態の電子ペーパー600を視認することができる。すなわち、このディスプレイ800では、本体部801に設置された状態の電子ペーパー600を、透明ガラス板804において視認させることで表示面を構成している。
また、電子ペーパー600の挿入方向先端部(図中、左側)には、端子部806が設けられており、本体部801の内部には、電子ペーパー600を本体部801に設置した状態で端子部806が接続されるソケット807が設けられている。このソケット807には、コントローラー808と操作部809とが電気的に接続されている。
このようなディスプレイ800では、電子ペーパー600は、本体部801に着脱自在に設置されており、本体部801から取り外した状態で携帯して使用することもできる。
また、このようなディスプレイ800では、電子ペーパー600が、前述したような電気泳動表示装置200で構成されている。
なお、本発明の電子機器は、以上のようなものへの適用に限定されず、例えば、テレビ、ビューファインダ型、モニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電卓、電子新聞、ワードプロセッサ、パーソナルコンピュータ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルを備えた機器等を挙げることができ、これらの各種電子機器の表示部に、電気泳動表示装置200を適用することが可能である。
以上、本発明の有機半導体層用組成物、薄膜トランジスタの製造方法、アクティブマトリクス装置の製造方法、電気光学装置の製造方法および電子機器の製造方法について説明したが、本発明は、これらに限定されるものではない。
また、本発明の薄膜トランジスタ、アクティブマトリクス装置、電気光学装置および電子機器の各部の構成は、同様の機能を発揮し得る任意のものと置換することができ、あるいは、任意の構成のものを付加することもできる。
次に、本発明の具体的実施例について説明する。
(実施例A)
1−1.液状材料(本発明の有機半導体層用組成物)の調製
以下に示すようにして、液状材料No.1〜15を、それぞれ調製した。
((液状材料No.1))
ポリ(3−ヘキシルチオフェン)(P3HT)(Aldrich社製)を、25℃のアニソール(溶媒)に、1wt%の割合で溶解することによって、液状材料を調製した。
((液状材料No.2〜6))
P3HTを溶解する溶媒を、表1に示すように変更した以外は、前記液状材料No.1と同様にして、液状材料を調製した。
(比較例A)
((液状材料No.7))
下記化学式(12)で表されるポリアリルアミン系有機半導体材料(PAA)(ADS社製)を、ジクロロベンゼン(溶媒)に、1wt%の割合で溶解することによって、液状材料を調製した。
Figure 2007180463
((液状材料No.8〜15))
ポリアリルアミン系有機半導体材料の溶媒を、表1に示すように変更した以外は、前記液状材料No.7と同様にして、液状材料を調製した。
なお、各溶媒の第二ビリアル係数および屈折率を、表1に示す。
Figure 2007180463
1−2.液状材料の評価
各液状材料について、それぞれ、吸収スペクトルを測定し、吸収スペクトルが極大値を示す波長(ピーク波長)を調べた。
有機半導体材料としてP3HTを使用した液状材料について、溶媒の有機半導体材料に対する第二ビリアル係数とピーク波長の関係を図9に、溶媒の屈折率とピーク波長の関係を図10にそれぞれ示す。なお、図9の横軸では、左から第二ビリアル係数の小さい順に、液状材料を配置し、図10の横軸では、左から屈折率の大きい順に、液状材料を配置した。
また、有機半導体材料としてPAAを使用した液状材料について、溶媒の有機半導体材料に対する第二ビリアル係数とピーク波長の関係を図11に、溶媒の屈折率とピーク波長の関係を図12にそれぞれ示す。なお、図11の横軸では、左から第二ビリアル係数の小さい順に、液状材料を配置し、図12の横軸では、左から屈折率の大きい順に、液状材料を配置した。
図9、図10に示すように、有機半導体材料としてP3HTを使用した実施例Aの液状材料では、その吸収スペクトルにおけるピーク波長が、第二ビリアル係数の変化に応じて変化することが明らかとなった。
これに対して、図11、12に示すように、有機半導体材料としてPAAを使用した比較例Aの液状材料では、その吸収スペクトルにおけるピーク波長が溶媒の屈折率の変化に応じて変化することが明らかとなった。
これらにより、P3HTは、所定の溶媒に溶解したとき、側鎖同士の立体構造的な障害が生じるものであると認められる。一方、PAAは、側鎖が短く、また、隣接する側鎖同士の距離も比較的長いことから、そのような障害が生じないことが推察される。
2−1.薄膜トランジスタの製造
(実施例B)
以下に示すようにして、サンプルNo.1〜7の薄膜トランジスタを、それぞれ、200個ずつ製造した。
((サンプルNo.1))
まず、ガラス基板(NECコーニング社製、「OA10」)を用意し、水を用いて洗浄した後、乾燥した。
次に、ガラス基板上に、Ag微粒子水分散液を、インクジェット法により塗布した後、80℃×10分間で乾燥した。これにより、平均厚さ100nm、平均幅30μmのゲート電極を形成した。
次に、ゲート電極上に、ポリメチルメタアクリレート(PMMA)の5wt%酢酸ブチル溶液を、スピンコート法(2400rpm)により塗布した後、60℃×10分間で乾燥した。
これにより、平均厚さ(合計)500nmのゲート絶縁層を形成した。
次に、ゲート絶縁層上に、蒸着法により、平均厚さ100nmのソース電極およびドレイン電極を形成した。
また、ソース電極とドレイン電極との距離(チャネル長L)は20μm、チャネル幅Wは1mmであった。
次に、ポリ(3−ヘキシルチオフェン)(P3HT)(Aldrich社製)を、25℃のアニソールに、0.5wt%の割合で溶解し、有機半導体層用組成物を調製した。この有機半導体層用組成物を、ゲート絶縁層上に、スピンコート法(2400rpm)により塗布した後、60℃×10分間で乾燥した。これにより、平均厚さ50nmの有機半導体層を形成した。
以上の工程により、サンプルNo.1の薄膜トランジスタを得た。
((サンプルNo.2〜5))
有機半導体層用組成物の溶媒を、表2に示すように変更した以外は、前記サンプルNo.1と同様にして、薄膜トランジスタを製造した。
(比較例B)
((サンプルNo.6〜7))
有機半導体層用組成物の溶媒を、表2に示すように変更した以外は、前記サンプルNo.1と同様にして、薄膜トランジスタを製造した。
2−2.薄膜トランジスタの評価
まず、各実施例Bおよび比較例Bで製造した薄膜トランジスタについて、それぞれ、窒素雰囲気下において、ドレイン電流の電流値を測定した。
ここで、ドレイン電流の電流値は、ソース電極−ドレイン電極間の電位差を40Vとし、ゲート電圧の値を変化させて測定した。
各実施例Bおよび比較例Bの薄膜トランジスタにおいて、有機半導体層の形成に用いた液状材料(有機半導体層用組成物)の溶媒の第二ビリアル係数および屈折率と、ドレイン電流の電流値を表2に示す。
なお、表2中のドレイン電流の電流値は、200個の薄膜トランジスタの平均値である。
Figure 2007180463
表2に示すように、各実施例Bの薄膜トランジスタは、いずれも比較例Bの薄膜トランジスタよりドレイン電流の電流値が高く、優れたトランジスタ特性を示すことが明らかとなった。
また、各実施例Bの薄膜トランジスタの中でも、有機半導体層を形成するのに用いた有機半導体層用組成物に含まれた溶媒の第二ビリアル係数が小さくなるほど、ドレイン電流の電流値が大きくなっており、トランジスタ特性が向上することが明らかとなった。
本発明の有機半導体層用組成物を使用して製造される薄膜トランジスタの第1実施形態を示す概略図である。 図1に示す薄膜トランジスタの製造方法を説明するための図(縦断面図)である。 ポリ(3−ヘキシルチオフェン)の立体構造を説明するための図(模式図)である。 本発明の電子デバイスを薄膜トランジスタに適用した場合の第2実施形態を示す概略断面図である。 電気泳動表示装置の実施形態を示す縦断面図である。 図5に示す電気泳動表示装置が備えるアクティブマトリクス装置の構成を示すブロック図である。 本発明の電子機器を電子ペーパーに適用した場合の実施形態を示す斜視図である。 本発明の電子機器をディスプレイに適用した場合の実施形態を示す図である。 実施例Aで調製した液状材料において、溶媒の第二ビリアル係数と吸収スペクトルのピーク波長の関係を示すグラフである。 実施例Aで調製した液状材料において、溶媒の屈折率と吸収スペクトルのピーク波長の関係を示すグラフである。 比較例Aで調製した液状材料において、溶媒の第二ビリアル係数と吸収スペクトルのピーク波長の関係を示すグラフである。 比較例Aで調製した液状材料において、溶媒の屈折率と吸収スペクトルのピーク波長の関係を示すグラフである。
符号の説明
1……薄膜トランジスタ 10……基板 20a……ソース電極 20b……ドレイン電極 20……電極 30……有機半導体層 40……ゲート絶縁層 50……ゲート電極 200‥‥電気泳動表示装置 300‥‥アクティブマトリクス装置 301‥‥データ線 302‥‥走査線 400‥‥電気泳動表示部 401‥‥画素電極 402‥‥マイクロカプセル 420‥‥電気泳動分散液 421、422‥‥電気泳動粒子 403‥‥透明電極 404‥‥透明基板 405‥‥バインダ材 500‥‥基板 600‥‥電子ペーパー 601‥‥本体 602‥‥表示ユニット 800‥‥ディスプレイ 801‥‥本体部 802a、802b‥‥搬送ローラ対 803‥‥孔部 804‥‥透明ガラス板 805‥‥挿入口 806‥‥端子部 807‥‥ソケット 808‥‥コントローラー 809‥‥操作部

Claims (12)

  1. 下記条件IおよびIIを満足する有機半導体材料と、25℃における前記有機半導体材料に対する第二ビリアル係数が−1×10−3〜1×10−3cm・mol/gである溶媒とを含むことを特徴とする有機半導体層用組成物。
    条件I:前記有機半導体材料は、π共役系構造を含む主鎖と、該主鎖の少なくとも1ヶ所から分枝し、複数の炭素原子を含む側鎖とを有する。
    条件II:前記有機半導体材料は、前記溶媒以外の溶媒に溶解したとき、前記側鎖が伸長して、前記側鎖同士が干渉し、前記主鎖の平面性が損なわれるものである。
  2. 前記側鎖の総炭素数は、4〜12である請求項1に記載の有機半導体層用組成物。
  3. 前記側鎖は、アルキル鎖である請求項1または2に記載の有機半導体層用組成物。
  4. 前記π共役系構造として、チオフェン環を含む請求項1ないし3のいずれかに記載の有機半導体層用組成物。
  5. 前記主鎖は、複数のチオフェン環同士が直鎖状に結合して構成されている請求項1ないし4のいずれかに記載の有機半導体層用組成物。
  6. 前記溶媒は、アニソールまたはトリクロロエタンである請求項4または5に記載の有機半導体層用組成物。
  7. 前記有機半導体材料の重量平均分子量は、1000〜1000000である請求項1ないし6のいずれかに記載の有機半導体層用組成物。
  8. 当該有機半導体層用組成物における前記有機半導体材料の含有率は、0.1〜5wt%である請求項1ないし7のいずれかに記載の有機半導体層用組成物。
  9. ソース電極と、ドレイン電極と、ゲート電極と、有機半導体層と、前記ゲート電極に対して前記ソース電極および前記ドレイン電極を絶縁するゲート絶縁膜とを備える薄膜トランジスタの製造方法であって、
    下記条件IおよびIIを満足する有機半導体材料と、25℃における前記有機半導体材料に対する第二ビリアル係数が−1×10−3〜1×10−3cm・mol/gである溶媒とを含む有機半導体層用組成物を塗布して前記有機半導体層を形成することを特徴とする薄膜トランジスタの製造方法。
    条件I:前記有機半導体材料は、π共役系構造を含む主鎖と、該主鎖の少なくとも1ヶ所から分枝し、複数の炭素原子を含む側鎖とを有する。
    条件II:前記有機半導体材料は、前記溶媒以外の溶媒に溶解したとき、前記側鎖が伸長して、前記側鎖同士が干渉し、前記主鎖の平面性が損なわれるものである。
  10. 請求項9に記載の薄膜トランジスタの製造方法を備えることを特徴とするアクティブマトリクス装置の製造方法。
  11. 請求項10に記載のアクティブマトリクス装置の製造方法を備えることを特徴とする電気光学装置の製造方法。
  12. 請求項11に記載の電気光学装置の製造方法を備えることを特徴とする電子機器の製造方法。
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