JP2007179950A - Elパネル - Google Patents

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Abstract

【課題】 EL素子本来の発光特性が十分に得られるとともに、安定した発光特性を維持できるELパネルを提供すること。
【解決手段】 好適な実施形態のELパネル10は、基板2、EL素子4、その上面に設けられたパッシベーション膜5、EL素子4を覆う保護層6、及び、封止板8をこの順に備えた構成を有している。この保護層6は、光カチオン硬化型樹脂及び酸トラップ剤を含有するものである。
【選択図】 図1

Description

本発明は、樹脂からなる保護層に覆われることによりEL素子が保護されたELパネルに関する。
有機EL(Electro Luminescence)や無機EL等のEL素子は、自発光型の発光素子であり、高輝度であるほか、小型・軽量化が容易であるという特徴を有しており、ディスプレイや照明等への応用が期待されている。ところが、これらのEL素子に用いられる発光材料は、外気(特に湿気等の水分)によって劣化し易い傾向にあり、これが素子の高寿命化を妨げる一つの要因となっていた。このため、従来、EL素子は、外気との接触を少なくするため、当該素子を封止したELパネルの形態で用いられている。
かかる封止の形態としては、EL素子を基板と封止板との間に配置し、外周部のみを樹脂等からなるシール剤で塞ぐ中空型の封止が知られている。ところが、この中空型の封止では、中空部の湿気を完全に取り除くために内部に乾燥剤等を導入する必要がある場合が多く、ELパネルの小型化・薄型化を図るのが困難な傾向にあった。
そこで、このような不都合を低減するために、基板と封止板との間のEL素子を含む領域を中空にせずに、当該領域全体を硬化性樹脂で満たして接着層とした固体封止型の構造が知られている。こうすれば、EL素子の周囲が完全に封止されることから湿気等の浸入や残存が困難となり、乾燥剤の導入が不要となる。このような接着層を形成するための材料としては、基板と封止板とを良好に接着でき、しかも透湿性が低いという特性を有するエポキシ樹脂が用いられている。
ところが、接着層の形成材料として熱硬化型のエポキシ樹脂を用いる場合、熱硬化の際の加熱によって、かかる樹脂が硬化前に非常に粘度が低い状態となる。低粘度化された樹脂は、EL素子中に浸透し易いことから、当該EL素子にダメージを与える場合がある。EL素子の上部には、ITO等からなる電極を保護するために無機酸化物等の膜(パッシベーション膜)が設けられていることもあるが、この場合であっても、低粘度化された樹脂の浸透を十分に防止するのは困難であった。そして、このようにEL素子がダメージを受けると、EL素子本来の発光が十分に得られなくなり、ELパネルにおける発光輝度の低下や発光面積の減少が生じる結果となる。
そこで、このような不都合を回避するために、接着層形成用の材料(接着用樹脂)として光カチオン硬化型のエポキシ樹脂が用いられている(例えば、特許文献1参照)。光カチオン硬化型の樹脂は、硬化の際に加熱する必要がないため上記のような低粘度化を生じ難く、EL素子に浸透してダメージを与えることが少ない。
特開2003−197366号公報
しかしながら、上述した光カチオン硬化型樹脂を用いて接着層を形成した場合、ELパネルの製造時にEL素子がダメージを受けることは低減できるものの、得られたELパネルは、時間の経過とともに発光特性が著しく低下してしまい、発光特性を長期にわたって良好に維持するのが困難であった。
そこで、本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、EL素子本来の発光特性が十分に得られるとともに、安定した発光特性を維持できるELパネルを提供することを目的とする。
光カチオン硬化型エポキシ樹脂を接着層に用いた場合に、ELパネルの発光特性が経時的に低下する要因について本発明者らが詳細に検討を行ったところ、かかる発光特性の低下は、光カチオン硬化型樹脂の硬化反応時に副生する酸によって引き起こされていることを見出した。すなわち、光カチオン硬化型樹脂は光カチオン硬化剤を含んでおり、硬化剤は光を照射されることによって酸を発生する。そして、この発生した酸を触媒としてモノマー成分の重合が生じ、これによって光カチオン硬化型樹脂の硬化が進行する。
このような硬化反応時に生じた酸は、通常、硬化終了後も除去されないことから接着層中に残存することになる。ところが、EL素子(特に素子を構成している電極)やこれを保護するパッシベーション膜は、酸によって極めて腐食され易いものであった。このため、接着層中に酸が残存していると、これに密着しているEL素子がかかる酸によって徐々に腐食され、これによってELパネルの発光特性の経時的な低下が生じることが判明した。
本発明者らはこのような知見に基づき、接着層中に残存した酸の影響を低減することができれば、EL素子の腐食を抑制してELパネルの発光特性を安定に維持できるようになることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明のELパネルは、基板と、この基板上に設けられたEL素子と、基板上にEL素子の少なくとも一部を覆うように設けられた保護層とを備え、保護層は、光カチオン硬化型樹脂及び酸トラップ剤を含有することを特徴とする。
ここで、酸トラップ剤とは、保護層中に存在する酸成分を補足するか、または、酸成分と反応して中性〜塩基性とすることにより酸トラップ剤を保護層中で失活させ得る成分である。本発明のELパネルにおいては、保護層が光カチオン硬化型樹脂を含むとともに、上述した酸トラップ剤を含有している。このため、保護層に光カチオン硬化型樹脂の硬化時に生じた酸が残存していたとしても、かかる酸は酸トラップ剤によって補足又は中和等される。したがって、本発明のELパネルは、光カチオン硬化型樹脂を含む保護層がEL素子に密着した構成を有しているにもかかわらず、EL素子の腐食に起因する発光特性の経時的な低下が小さいものとなる。なお、本発明のELパネルにおいて、保護層は、EL素子上に直接形成されていてもよく、パッシベーション膜等を介して間接的にEL素子に接していてもよい。
より具体的には、上記酸トラップ剤は、アルカリ土類金属の塩であると好ましい。かかるアルカリ土類金属の塩は、保護層に含まれる酸を良好に中和等することができる。
また、酸トラップ剤は、光カチオン硬化型樹脂100質量部に対して2〜10質量部含まれていると好ましい。酸トラップ剤は、少なすぎると酸を失活させる効果が十分に得られない傾向にあり、多すぎると保護層としての特性(耐湿性等)を低下させる傾向にある。したがって、上記のような含有量とすることによって、保護層の特性を良好に維持しながら酸トラップ剤の効果を確実に得ることが可能となり、ELパネルの信頼性が更に向上する。
さらに、本発明のELパネルにおいて、保護層に含まれる光カチオン硬化型樹脂は、30〜70%の硬化度を有していると好ましい。ここで、硬化度とは、光カチオン硬化型樹脂を誘電分析(DEA分析)して得られる誘電損失から導き出されるイオン粘度カーブから、温度依存を除いて得られる硬化進行の指標であり、イオン粘度カーブが平坦となったときを硬化度100%(完全硬化)として換算して得られる値である。
このように、硬化度が30〜70%である光カチオン硬化型樹脂は、硬化反応が完全に進行していないため、完全硬化されたものに比して硬化の際に生じた酸の含有量が少ないものとなる。したがって、このような光カチオン硬化型樹脂を含む保護層は、酸の含有量がもともと少ない上に酸トラップ剤を含むことから、EL素子等を一層腐食させ難いものとなる。また、上記の硬化度を有する光カチオン硬化型樹脂は、完全硬化させた場合に比して柔軟であるという特性も有している。このため、保護層は、硬化時等に発生した応力を良好に緩和することができる。したがって、従来、硬い保護層を形成した場合に、保護層−EL素子間の応力によって生じ易かったEL素子の破壊も大幅に低減することが可能となる。
本発明によれば、EL素子本来の発光特性が十分に得られるとともに、安定した発光特性を維持できるELパネルを提供することが可能となる。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施の形態について説明する。
図1は、好適な実施形態に係るELパネルの断面構成を模式的に示す図である。図示されるように、ELパネル10は、基板2と、基板2上に形成されたEL素子4と、EL素子4の上面に設けられたパッシベーション膜5と、EL素子4を覆うように基板2上に形成された保護層6と、基板2と対向しており保護層6を挟むように配置された封止板8とを備えた構成を有している。本実施形態においては、封止板8側からEL素子4の発光を取り出すトップエミッション型の構造を有するELパネル10について説明する。
基板2は、EL素子4における基板を兼ねるものであり、EL素子用の基板として通常用いられるものであれば特に制限なく適用できる。基板2の構成材料としては、例えば、ガラス基板、シリコン基板、フィルム基板、樹脂基板に代表される有機基板等が挙げられる。封止板8は、EL素子4からの発光を取り出すことが可能な透明材料から構成され、例えば、ガラスやプラスチック材料からなるものが挙げられる。
EL素子4としては、有機EL素子及び無機EL素子の両方が適用できる。これらのEL素子は、例えば、基板2上において、下部電極、上部電極及びこれらの間に配置された有機又は無機発光体からなる発光層を含む積層構造を有している。また、かかる積層構造の好適な位置には、所望の特性に応じてその他の層が設けられていてもよい。
下部電極又は上部電極としては、発光を取り出す側(本実施形態では上部電極)にITOやIZO等からなる透明電極を適用できる。また、これと対向する側に、前記の透明電極のほかアルミニウム等の金属からなる電極を適用できる。また、発光体としては、有機発光体として低分子系や高分子系の有機化合物からなるものが特に制限なく適用される。無機発光体としては無機化合物からなる母材に金属等の発光中心がドーピングされたものが例示できる。
パッシベーション膜5は、EL素子4の上面を覆うように設けられ、EL素子4の上部電極等を保護する機能を有している。このようなパッシベーション膜5としては、金属の酸化物や窒化物或いは酸窒化物等からなるものが挙げられる。例えば、SiOやSiONで表される成分からなるものが例示できる。
保護層6は、基板2と封止板8とに挟まれており、その内部にEL素子4を含む構造となっている。保護層6は、光カチオン硬化型樹脂から主に構成され、酸トラップ剤を更に含む構成を有している。なお、ここでいう光カチオン硬化型樹脂は、原料の組成物(モノマー成分や硬化剤等)が重合・硬化されたものであり、重合により得られたポリマーが架橋した構造を有している。なお、保護層6を構成する光カチオン硬化型樹脂は、後述の如く、完全に硬化したものでなくてもよく、重合前のモノマー成分や硬化剤等や、これらが重合してなるオリゴマー成分が含まれていてもよい。
光カチオン硬化型樹脂としては、光カチオン硬化型エポキシ樹脂が好ましく、例えば、脂環式エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂等のエポキシ樹脂を主剤として、ジアゾニウム化合物、スルホニウム化合物、ヨードニウム化合物等の光カチオン触媒を組み合わせたものが例示できる。光カチオン硬化型エポキシ樹脂としては、具体的には、ナガセケムテックス社製UVカチオン硬化型エポキシ樹脂XNR5570、XNR5516、スリーボンド社製threeBond3124等が挙げられる。
ここで、保護層6に含まれる硬化性樹脂は、30〜70%の硬化度を有するものであると好ましく、40〜60%の硬化度を有するものであるとより好ましい。この硬化度が30%未満であると、保護層6が過度に柔軟となり、EL素子4を十分に保護することが困難となる傾向にある。硬化性樹脂は完全に硬化されたもの(硬化度100%)でもよいが、70%未満の硬化度を有していると硬化時に生じた酸の量が少なくなり、この酸によるEL素子4の腐食をより確実に抑制することができるようになるため好ましい。
酸トラップ剤は、上述の如く、保護層中に存在する酸成分を補足するか、又は、酸成分と反応して中性〜塩基性とすることにより酸トラップ剤を保護層中で失活させ得る成分である。このような酸トラップ剤としては、塩基性を発揮し得る金属塩、金属酸化物或いは粘土化合物が挙げられる。なかでも、アルカリ土類金属の塩が好ましく、これらの炭酸塩、リン酸塩、リン酸水素塩等が挙げられる。
このような酸トラップ剤としては、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、炭酸マグネシウム、リン酸水素マグネシウム、酸化マグネシウム、炭酸ストロンチウム、ハイドロタルサイトが挙げられる。なかでも、リン酸水素マグネシウムが好ましい。
好適な酸トラップ剤は、保護層6に含まれる光カチオン硬化型樹脂の種類に応じて適宜選択することが好ましい。光カチオン硬化型樹脂と酸トラップ剤との好適な組み合わせとしては、これらを含む硬化物の抽出液特性が、好ましくはpH6以上、より好ましくはpH6〜8、更に好ましくはpH6〜7となるような組み合わせが挙げられる。ここで、抽出液特性とは、光カチオン硬化型樹脂及び酸トラップ剤を混合して硬化させた後、得られた硬化物を水で処理し、硬化物中の水溶性の成分を水で抽出した後、かかる処理後の水のpHを測定することで得られる値である。ここでは、硬化物10gに対して50mLの水で処理した後、抽出液を100mLに希釈して得られる値であると定義する。このような抽出液特性は、光カチオン硬化型樹脂と酸トラップ剤との配合比や、これらの組み合わせを変更することによって調整することができる。
この抽出液特性がpH6よりも小さい場合、酸トラップ剤は、硬化物中の酸を十分に失活できていないものと考えられる。したがって、光カチオン硬化型樹脂に対して十分な酸トラップ効果を発揮することができず、ELパネル10においてEL素子4の腐食を十分に抑制することができない傾向にある。一方、pH8を超える場合、硬化物中に酸トラップ剤が過剰に存在しているため抽出液の電気伝導度が大きくなり、これによってリーク不良等の不具合が発生しやすくなる傾向にある。
酸トラップ剤による効果をより確実に得る観点からは、保護層6における酸トラップ剤の含有量は、光カチオン硬化型樹脂100質量部に対して2〜10質量部であると好ましく、2〜6質量部であるとより好ましい。この酸トラップ剤の含有量が2〜10質量部の範囲内であると、上述した抽出液特性が良好な範囲内となり易くなり、保護層6中の酸によるEL素子4の腐食を良好に抑制することができるようになる。
次に、上述した構成を有するELパネル10の好適な製造方法について説明する。
まず、基板2を準備し、その上にEL素子4を形成する。続いて、EL素子4上、例えば、EL素子4の最上部に設けられた上部電極上に、スパッタ法、化学気相成長法(CVD法)、ゾルゲル法等によって、SiO、SiON等からなるパッシベーション膜5を形成する。
それから、基板2上に硬化前の光カチオン硬化型樹脂(モノマー成分や硬化剤を含む組成物)及び酸トラップ剤を含む原料組成物を、ディスペンサーを用いた滴下法、スクリーン印刷法等により塗布し、少なくともEL素子4が覆われるように原料組成物からなる層を形成する。原料組成物は、光カチオン硬化型樹脂中に酸トラップ剤を加え、これを3本ロール、ボールミル、プラネタリーミキサー、ビーズミル等を用いて混合・混錬することにより調製することができる。
その後、封止板8を、原料組成物の層を介して基板2と貼り合わせる。そして、このようにして得られた構造体に対し、光を透過可能な封止板8側から活性光線を照射し、原料組成物中の光カチオン硬化型樹脂を硬化させて、保護層6を形成する。こうして、図1に示す構造のELパネル1を得る。ここで、活性光線とは、光カチオン硬化型樹脂の重合反応を生じさせ得るエネルギーを有する光線であり、例えば、紫外光(UV)が挙げられる。紫外光としては、例えば高圧水銀灯から出射された光を用いることができる。
硬化性樹脂の硬化においては、活性光線の照射条件を調整することで硬化度を30〜70%の範囲とすることが好ましい。具体的には、活性光線の照射量、照射時間や、照射中の温度等を調整することにより硬化度を制御することができる。好適な照射条件は、あらかじめ同じ光カチオン硬化型樹脂を用いて種々の条件で硬化度の測定を行うことによって求めることができる。
光カチオン硬化型樹脂の硬化度の測定は、当該樹脂を用いた誘電分析(DEA分析)により行うことができる。具体的には、まず、光カチオン硬化型樹脂を一対の電極間に配置し、一方の電極に交流電圧を励起し、これにより得られる他方の電極のレスポンスの位相及び振幅の変化から、誘電率及び誘電損失の誘電体特性を算出する。こうして得られた誘電損失の値から周波数に依存しないイオン移動のパラメータであるイオン粘度カーブを導き出す。そして、このイオン粘度変化から温度依存を除くことによって、硬化度の変化を示す曲線を求めることができる。そして、上記で得られたイオン粘度カーブが平坦となった点を硬化度100%として換算することで、硬化度の値を求めることができる。このような誘電分析は、例えば、ネッチ(NETZSCH)社製DEAシステム(DEA230、DEA231)を用いて行うことができる。
以上、本発明の好適な実施形態に係るELパネル及びその製造方法について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されず、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することができる。
まず、上述したELパネル10では、保護層6上に封止板8を配置したが、かかる封止板8は必ずしも必要ではなく、保護層6のみでEL素子4の保護を十分に図れる場合は、封止板8を設けない構成としてもよい。また、EL素子4上に設けたパッシベーション膜5は必ずしも必要ではなく、かかる膜がない構成としても、保護層6中の酸によるEL素子4の腐食を十分に低減することができる。ELパネル10の構造を簡略化するとともに、EL素子4からの発光を効率よく取り出す観点からは、保護層6をEL素子4上に直接形成することが好ましい。
さらに、ELパネル10は、トップエミッション型の構成としたが、例えば、基板2を透明材料から構成することで、基板2側から光を取り出すボトムエミッション型のELパネルとしてもよい。この場合、基板2と封止板8との構成材料を上述した実施形態における場合と入れ替えればよい。
さらに、上記実施形態では最小限の構成を有するELパネル10を例示したが、ELパネルは、必要に応じて他の構成を更に有していてもよい。例えば、ELパネルをディスプレイ等に用いる場合は、当該パネルのカラー化を可能とするため、封止板8側にカラーフィルタが設けられた構成としてもよい。
さらにまた、上述したELパネルの製造方法では、封止板8を基板2と張り合わせた後に硬化性樹脂の硬化を行ったが、必ずしもこれに限定されず、封止板8の貼り合せは、硬化性樹脂の硬化後に行ってもよく、硬化させながら行ってもよい。ただし、良好な接着性を確保する観点からは、封止板は、硬化性樹脂の硬化前に貼り合せておくことが好ましい。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[抽出液特性の測定]
まず、以下の実施例で用いる組み合わせのUVカチオン硬化型樹脂及び酸トラップ剤を含む保護層による抽出液特性を、以下に示すようにして評価した。すなわち、まず、UVカチオン硬化型エポキシ樹脂(XNR5570、ナガセケムテックス社製)に、酸トラップ剤である炭酸マグネシウム(MgCO)を混合した後、この混合物に対し、12000mJ/cm、80℃でUV照射及び加熱を行い、UVカチオン硬化型樹脂を光及び熱により硬化させた。得られた硬化物を抽出液特性測定用のサンプルとした。
次いで、得られたサンプルの10gを、50mLの水に入れて攪拌した。攪拌後、水と硬化物とをろ過により分離し、ろ液を100mLに希釈し、得られたろ液のpHをpH計により測定した。このろ液のpHの値を抽出液特性とした。
この測定を、光カチオン型エポキシ樹脂100質量部に対して、酸トラップ剤を1、2、10、20又は30質量部となるようにそれぞれ添加して得られたサンプルについて行った。その結果、酸トラップ剤の添加量を1、2、10、20又は30質量部とした場合の抽出液特性は、それぞれpH4、pH6、pH7、pH8又はpH10であった。
[ELパネルの作製]
(実施例1)
まず、基板上に有機EL素子を形成した。また、UVカチオン硬化型エポキシ樹脂(XNR5570、ナガセケムテックス社製)100質量部に、酸トラップ剤である炭酸マグネシウム(MgCO)1質量部を加え、これらを3本ロールにより混合して、保護層形成用の原料組成物を調製した。それから、この原料組成物を、有機EL素子が形成された基板上に滴下した。続いて、透明な封止板を、EL素子側から当該素子に接触しないように基板に貼り付けた。こうして得られた構造体に対し、封止板側から12000mJ/cm、80℃で、原料組成物中のUVカチオン硬化型エポキシ樹脂を紫外線硬化及び熱硬化して、保護層を形成した。なお、かかる保護層の抽出液特性は、上述の如く、pH4である。これにより、パッシベーション膜を有しないこと以外は図1と同様の構成を有するELパネルを得た。
(実施例2〜4)
炭酸マグネシウムの添加量をそれぞれ2、10及び20質量部としたこと以外は、実施例1と同様にして実施例2、3及び4のELパネルを得た。なお、得られた各ELパネルにおける保護層の抽出液特性は、それぞれpH6、pH7及びpH8である。
(比較例1)
炭酸マグネシウムを添加しなかったこと以外は、実施例1と同様にして比較例1のELパネルを得た。
[発光面積の経時変化の測定]
実施例1〜4及び比較例1のELパネルを用い、所定時間経過後の発光領域の減少を測定する発光試験を行った。すなわち、まず、製造直後のELパネルを発光させて、その発光領域の面積を測定した。それから、ELパネルを60℃、95%RHの条件で放置し、24時間、48時間及び72時間経過後の発光領域の面積をそれぞれ同様に測定した。そして、製造直後の発光領域の面積を100とした場合の各時間経過時点での発光領域の面積(発光面積率)を求めた。得られた結果を図2に示す。
図2は、実施例1〜4及び比較例1の各ELパネルにおける発光面積の経時変化を示すグラフである。図2中、L11、L12、L13、L14及びL15は、それぞれ実施例1、2、3、4及び比較例1のELパネルで得られた結果を示している。
図2より、酸トラップ剤を含む保護層を備える実施例1〜4のELパネルは、酸トラップ剤を含まない保護層を備える比較例1のELパネルに比して、発光面積の経時的な低下が少ないことが確認された。
[ELパネルの作製]
(実施例5)
EL素子の上面にSiOからなるパッシベーション膜をスパッタ法により形成したこと以外は、実施例1と同様にしてELパネルを作製した。なお、かかるELパネルにおける保護層の抽出液特性は、上述の如く、pH4である。
(実施例6〜9)
炭酸マグネシウムの添加量を、それぞれ2、10、20及び30質量部としたこと以外は、実施例5と同様にして実施例6〜9のELパネルを作製した。なお、得られた各ELパネルにおける保護層の抽出液特性は、それぞれpH6、pH7、pH8及びpH10である。
[発光面積の経時変化の測定]
実施例5〜9のELパネルを用い、上記と同様にして所定時間経過後の発光領域の減少を測定する発光試験を行った。発光面積の測定時間は、それぞれ200、400、600及び800時間経過後とした。得られた結果を図3に示す。
図3は、実施例5〜9の各ELパネルにおける発光面積の経時変化を示すグラフである。図3中、L21、L22、L23、L24及びL25は、それぞれ実施例5、6、7、8及び9のELパネルで得られた結果を示している。
図3より、実施例5〜9のELパネルは80時間経過後でも70%以上の発光面積率を維持していた。なかでも、実施例6(保護層の抽出液特性pH6)、7(同pH7)又は8(同pH8)、特に、実施例6又は7のELパネルは、800時間経過後でも発光面積率の低下が極めて小さいことが判明した。
好適な実施形態に係るELパネルの断面構成を模式的に示す図である。 実施例1〜4及び比較例1の各ELパネルにおける発光面積の経時変化を示すグラフである。 実施例5〜9の各ELパネルにおける発光面積の経時変化を示すグラフである。
符号の説明
2…基板、4…EL素子、5…パッシベーション膜、6…保護層、8…封止板、10…ELパネル。

Claims (4)

  1. 基板と、前記基板上に設けられたEL素子と、前記基板上に前記EL素子の少なくとも一部を覆うように設けられた保護層と、を備え、
    前記保護層は、光カチオン硬化型樹脂及び酸トラップ剤を含有する、
    ことを特徴とするELパネル。
  2. 前記酸トラップ剤は、アルカリ土類金属の塩であることを特徴とする請求項1記載のELパネル。
  3. 前記酸トラップ剤は、前記光カチオン硬化型樹脂100質量部に対して2〜10質量部含まれていることを特徴とする請求項1又は2記載のELパネル。
  4. 前記光カチオン硬化型樹脂は、30〜70%の硬化度を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のELパネル。
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