JP2007178786A - メカニカルスプライス及び光ファイバの接続方法 - Google Patents

メカニカルスプライス及び光ファイバの接続方法 Download PDF

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壮一 小林
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Abstract

【課題】 使用環境の温度が変化しても、一対の光ファイバ間の芯線の接続状態を適切に維持することができる信頼性の高いメカニカルスプライス及び光ファイバの接続方法を提供する。
【解決手段】 光ファイバの芯線が挿入され接続される貫通路が設けられたフェルールと、光ファイバが挿入される挿入路、該挿入路と通じフェルールを収容するフェルール収容室、及び、該挿入路及び該フェルール収容室に通じ且つ光ファイバの一部が撓んで収容される撓み室が設けられたプラスチックケースとを備え、撓み室の光ファイバの挿入方向に垂直な断面の面積が、挿入路の光ファイバの挿入方向に垂直な断面の面積より大きいメカニカルスプライスを提供することにより上記課題を解決する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、一対の光ファイバの端面同士を対向した状態で接続するためのメカニカルスプライス及びそれを用いた光ファイバの接続方法に関する。
一般に、一対の光ファイバの端面同士を接続するための技術は、融着接続技術、光ファイバメカニカルスプライス技術及び光コネクタ技術の3種類に大別することができ、それらの技術は、用途に応じて適宜使い分けられている。光ファイバメカニカルスプライス技術は、メカニカルスプライスと呼ばれる接続部材を用いて、一対もしくは複数対の光ファイバを対向させた状態で接続するものである(例えば、特許文献1を参照)。
光ファイバメカニカルスプライス技術を用いた光ファイバの接続方法をより具体的に説明する。まず、光ファイバは、通常の状態ではその芯線が被覆部材によって保護されているので、被覆部材の一部分を除去して光ファイバの芯線を露出させる。次いで、この芯線の先端を光ファイバカッタなどで切断し、その切断面同士を対向させた状態で、一対の光ファイバを、メカニカルスプライスを構成する2つの基板で挟み込むようにして把持することにより光ファイバ同士を接続する。それゆえ、光ファイバメカニカルスプライス技術を用いた場合には、光ファイバを把持する構造が簡易であり、また、簡単に光ファイバ同士を接続することが可能であるので様々な分野で用いられている。
従来のメカニカルスプライスの一例を図15及び16に示す。図15はメカニカルスプライスの外観を示し、図16は、メカニカルスプライスの内部の構造を示している。従来のメカニカルスプライス100は、図15及び16に示すように、V字溝121aが形成された基板部材121と、光ファイバ500の芯線500aを固定する押え部材122と、光ファイバ500の被覆部500bを固定する被覆押え部材123と、コ型の金属クランプ124とから構成されている。押え部材122及び被覆押え部材123と基板部材121とは、図15に示すように、コ型の金属クランプ124の両側板間に挟み込まれて固定される。コ型の金属クランプ124で覆われていない側面には、押え部材122及び被覆押え部材123と、基板部材121とにより画成された楔挿入口125が複数設けられている。このメカニカルスプライス100により一対の光ファイバ500が接続されるとき、光ファイバ500の端面同士が幾分離れた状態で固定されることもあるので、通常、図16に示すように、一対の光ファイバ500の対向する端面付近(図16中の一点鎖線で囲まれた領域126)には屈折率整合剤が注入される。
このようなメカニカルスプライス100による光ファイバの接続は次のようにして行われる。まず、図15に示すような楔130を楔挿入口125に挿入して、基板部材121と押え部材122及び被覆押え部材123との間の空間を押し広げる。次いで、2本の光ファイバ500を基板部材121に形成されたV字溝121aに沿って互いに反対側から挿入する。そして、楔130を楔挿入口125から引き抜くと、コ型の金属クランプ124の弾性力(図16中の太黒矢印)により押え部材122及び被覆押え部材123と基板部材121との間の空間が狭くなり、光ファイバ500が押え部材122及び被覆押え部材123と基板部材121との間に挟み込まれて固定される。
また、従来、開閉式の収納チューブ内に非開閉式構造のキャピラリを備え、そのキャピラリに、光ファイバの接続部位を視認することのできる逃光穴を設けたメカニカルスプライスも提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開平9−318836号公報 特開2005−266721号公報
上述したように、特許文献1に開示されているメカニカルスプライスでは光ファイバをコ型の金属クランプの弾性力のみでメカニカルスプライスに固定する構造であるため、メカニカルスプライスに何らかの外部応力が与えられたり、使用環境の変化等の影響によって、一対の光ファイバの接続部において光ファイバが離れたり、軸ずれが生じたりし、それにより光ファイバの接続不良が発生する恐れがある。また、実際に現場で光ファイバを接続する際に、光ファイバ素線(芯線)がコ型の金属クランプにより変形圧迫され、光伝搬の損失が増加する恐れがある。
また、特許文献1に開示されているメカニカルスプライスでは、メカニカルスプライスを構成する押え部材及び基板部材、並びに光ファイバの被覆部材及び芯線の熱膨張あるいは熱収縮の度合がそれぞれ異なるので、メカニカルスプライスの使用環境の温度が変化した場合、上述のように光ファイバをコ型の金属クランプの弾性力のみで固定しているだけでは、光ファイバがたわみ、芯線の先端部の位置に変動が生じ、一対の光ファイバ間の芯線の接続状態を適切に維持できなくなる恐れがある。それゆえ、従来のメカニカルスプライスは使用される環境温度の変動に対する信頼性も低い。
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、本発明の第1の目的は、容易且つ確実に光ファイバの接続及び把持が可能であり、且つ、接続する光ファイバ間の位置合わせを高精度にできるメカニカルスプライスを提供することである。また、本発明の第2の目的は、使用環境が変動しても、高精度に位置合わせされた光ファイバの接続状態が十分に維持できるメカニカルスプライスを提供することである。
本発明の第1の態様に従えば、光ファイバを接続するためのメカニカルスプライスであって、上記光ファイバの芯線が挿入され接続される貫通路が設けられたフェルールと、上記光ファイバが挿入される挿入路、上記フェルールを収容するフェルール収容室、及び、該挿入路及び該フェルール収容室に通じ且つ上記光ファイバの一部が撓んで収容される撓み室が設けられたプラスチックケースとを備え、上記撓み室は、上記撓み室の上記光ファイバの挿入方向に垂直な断面の面積が上記挿入路の上記光ファイバの挿入方向に垂直な断面の面積より大きくなる部分を有することを特徴とするメカニカルスプライスが提供される。
なお、本明細書でいう、貫通路、挿入路、フェルール収容室及び撓み室とは、貫通路、挿入路、フェルール収容室及び撓み室を画成する壁面に囲まれた空間のみならず、貫通路、挿入路、フェルール収容室及び撓み室を画成する壁面も含むものである。
本発明のメカニカルスプライスの一例を図1に示す。なお、図1では、プラスチックケース3の内部構造を説明するために、プラスチックケース3をその中心軸に沿って半分に切断した切断分解図を示した。本発明のメカニカルスプライス1は、図1に示すように、フェルール2と、プラスチックケース3とから構成される。フェルール2はメカニカルスプライス1を組立てた際にプラスチックケース3のフェルール2の収容室3bに収容される。
フェルール2には、図1に示すように、光ファイバの芯線を貫通させる貫通路2aが形成されている。貫通路2aの内径は挿入される光ファイバの芯線の外径より若干大きくなるように高精度に形成されている。なお、貫通路2aの内径寸法は、屈折率整合剤が貫通路2a内に注入された状態で光ファイバの芯線をフェルール2に挿入した際に、フェルール2又は屈折率整合剤内に溜まった空気を外部に逃がすには十分な程度の隙間が光ファイバの芯線と貫通路2aとの間に画成されるような寸法にする。このような内径寸法を有するフェルール2を用いることにより、光ファイバの芯線の挿入及び接続がより容易且つ確実になる。また、上述のようなフェルール2を用いたことにより、外部応力が与えられた場合でも、光ファイバ間の位置合わせを高精度に維持することができ、光ファイバの接続不良を抑制することができる。
プラスチックケース3は、図1に示すように、2つの板状部材からなる柱状部材であり、その内部には、その長手方向に沿って光ファイバを貫通させる挿入路3a、フェルール2の収容室3b、及び、挿入路3aと収容室3bと通じる撓み室3cが形成されている。図1の例では、収容室3bがプラスチックケース3の長手方向の中央部分に形成されており、撓み室3cが収容室3bの長手方向の両側に設けられている。
図1の例では、挿入路3aの内壁形状を光ファイバの外形と同様に円筒状としているが、本発明はこれに限定されず、光ファイバが挿入路3a内で移動しないように収容できる形状であれば、四角柱や多角柱などの任意の形状で形成し得る。収容室3bの内壁形状は、図1に示すようにフェルール2の外壁形状とほぼ同じ形状で形成しても良いが、フェルール2が収容室3b内で移動しないように固定して収容できる形状であれば、四角柱や多角柱などの任意の形状で形成し得る。
撓み室3cは、後述するように、メカニカルスプライス1に光ファイバが挿入された際に、光ファイバの一部が撓んで収容される部分である。本発明のメカニカルスプライスでは、挿入された光ファイバの一部を撓み室3cで撓ませた状態で固定する。その結果、この光ファイバの撓みにより、フェルール2内の光ファイバの接続面には所定の圧力が加わった状態で光ファイバがメカニカルスプライスに固定される。このような構造にすると、メカニカルスプライスの使用環境の温度が変化してプラスチックケースが熱膨張または熱収縮しても、そのプラスチックケースの伸縮に応じて、光ファイバの端面同士が離れないようにメカニカルスプライス内の光ファイバの撓み量が変動するので、一対の光ファイバ間の芯線の接続状態を適切に維持することができる。すなわち、メカニカルスプライスの使用環境の温度が変化しても、光ファイバの撓みによりプラスチックケースの熱膨張または熱収縮の影響が相殺され、一対の光ファイバ間の芯線の接続状態を適切に維持することができる。
本発明のメカニカルスプライスでは、上記撓み室の上記断面が、上記撓み室の上記フェルール収容室側の端部及び上記挿入路側の端部から上記撓み室の長手方向の中央に向かって大きくなっていることが好ましい。また、上記撓み室と上記フェルール収容室との間に通路が設けられており、該通路の上記光ファイバの挿入方向に垂直な断面の形状及び面積が上記光ファイバの挿入方向に一定であることが好ましい。このような構造のメカニカルスプライスを用いることにより、光ファイバの芯線をフェルールにスムーズに挿入することができる。
また、本発明のメカニカルスプライスでは、上記撓み室の上記断面の最大面積が、上記挿入路の上記断面の最小面積の8〜9倍であることが好ましい。本発明のメカニカルスプライスでは、上述のように、メカニカルスプライスの使用環境の温度が変化した場合でも一対の光ファイバ間の芯線の接続状態を適切に維持するために、光ファイバを撓み室で撓んだ状態で固定して光ファイバの接続面に適度な圧力を与える。それゆえ、光ファイバの接続面に適度な圧力を与えるために、光ファイバの撓み室も適当な寸法で形成することが望ましい。
本発明のメカニカルスプライスでは、上記撓み室が、上記フェルール収容室の一方の端部側にのみ設けられていることが好ましい。図1では、フェルール収容室の両側に撓み室を設けた例を説明したが、本発明はこれに限定されず、例えば、図13に示すように、撓み室をフェルール収容室の長手方向の一方の端部側に設けても良い。このような構造にした場合、撓み室内で撓む光ファイバの曲率半径(光ファイバの撓み量)が小さくなるので、光ファイバの曲げによる損失増加及び撓み室のフェルール収容室側端部における光ファイバの破断を防止することができる。
本発明のメカニカルスプライスは、光ファイバの現場での接続作業を効率良く行うために、上記フェルールの上記貫通路に屈折率整合剤が注入されていることが好ましい。この際、適正な粘性を有する屈折率整合剤を使用することにより、外界の温度変化によって2本の光ファイバの芯線間の距離が多少広がっても、屈折率整合剤が2本の光ファイバの芯線間から流出しないため、常に光ファイバの接続状態を適切に維持することが可能である。
本発明のメカニカルスプライスでは、上記プラスチックケースが同じ形状の2つのプラスチック製部材で構成されていることが好ましい。プラスチックケースを同じ形状の2つのプラスチック製部材で構成した場合、プラスチックケースの内部構造を成形加工により容易に形成することができる。また、同じ型を用いてプラスチックケースを構成する2つのプラスチック製部材を成形加工することができるので、量産性を向上させることも可能になる。
本発明のメカニカルスプライスでは、さらに、上記プラスチックケースを固定するための押え部材を備えることが好ましい。プラスチックケースが2つのプラスチック製部材で構成されている場合、プラスチックケースを固定するための押え部材を設けることにより、メカニカルスプライスの強度の補強することができる。
本発明のメカニカルスプライスでは、上記メカニカルスプライスを組み立てた際に上記押え部材が押圧する上記プラスチックケースの表面の上記光ファイバが挿入される側の端部付近に凸部(図1の例では凸部3f)が形成されていることが好ましい。この場合、メカニカルスプライスを組み立てた際に、プラスチックケースの凸部に押え部材による大きな応力(弾性力)が集中的に加わり、プラスチックケースの挿入路に挿入された光ファイバの被覆部にかかるプラスチックケースの把持力が増大する。この結果、プラスチックケースに光ファイバをより強固に固定することができ、外部応力の付加等のよる光ファイバの軸ずれ等をといった問題を防止することができる。
また、本発明のメカニカルスプライスでは、上記プラスチック製部材が、上記プラスチックケースの挿入路を画成する凹部を有し、該凹部の深さが光ファイバの半径より小さいことが好ましい。なお、ここでいう「光ファイバの半径」とは光ファイバの被覆部材で被覆されている部分の半径のことをいう。例えば、プラスチックケースが2つのプラスチック製部材で構成されている場合、プラスチックケースの挿入路を画成するプラスチック製部材の凹部の深さを光ファイバの被覆部の半径より小さくしておくと、光ファイバを2つのプラスチック製部材間で挟み込んで固定した際に、光ファイバの被覆部を押圧する力が増大するので、光ファイバの引き抜け等を防止することができる。なお、プラスチックケースの挿入路を画成する凹部の幅は光ファイバの外径より若干大きくても良い。
本発明のメカニカルスプライスでは、上記光ファイバの挿入路が表面処理されていることが好ましい。光ファイバの挿入路と光ファイバの被覆部との摩擦力が大きくなるように、挿入路を表面処理することにより、光ファイバをより強固にメカニカルスプライスに固定することができ、光ファイバの引き抜け等を防止することができる。
本発明のメカニカルスプライスでは、フェルールがNi合金などの金属フェルールであることが好ましい。例えば、電鋳法で製造した金属フェルールはその貫通路の内径精度及び製造コスト面で優れるからである。また、金属フェルール以外では、ガラス製、プラスチック製、セラミック製等のフェルールを用いても良い。
本発明の第2の態様に従えば、光ファイバの挿入路及び該挿入路と通じ且つ該光ファイバの一部が撓んで収容される撓み室を備えるメカニカルスプライスを用いて一対の光ファイバを接続する方法であって、上記挿入路に一対の光ファイバを挿入して、光ファイバ同士の端面を接合することと、上記光ファイバを上記メカニカルスプライス内にさらに押し込み、該押し込まれた光ファイバの一部を上記撓み室内で撓ませることと、上記光ファイバを撓ませた状態で、上記一対の光ファイバを上記メカニカルスプライスに固定することとを含む光ファイバの接続方法が提供される。
本発明の光ファイバの接続方法は、上述した本発明のメカニカルスプライスを用いた光ファイバの接続方法であり、その接続方法を図2を用いて簡単に説明する。図2は、メカニカルスプライスに一対の光ファイバを挿入している際の概略断面図である。
まず、図2(a)に示すように、プラスチックケース2の両端から挿入路3aを介して、一対の光ファイバ500をメカニカルスプライス1内に挿入する。次いで、一対の光ファイバ500の芯線500aの端面同士が接するまで光ファイバを挿入する(図2(b)の状態)。次いで、図2(c)に示すように、さらに光ファイバ500をメカニカルスプライス1内に押し込む。この際、本発明のメカニカルスプライス1内には、撓み室3cを設けているので、この撓み室3c内で光ファイバ500の一部が撓む。そして、光ファイバ500の一部が撓んだ状態で光ファイバ500を固定する。
上述のように、本発明の光ファイバの接続方法では、光ファイバを撓んだ状態で固定しているので、メカニカルスプライスの使用環境の温度が変化し、プラスチックケース2が熱膨張または熱収縮しても、光ファイバの撓みによりそれらの影響を相殺することができ、一対の光ファイバ間の芯線の接続状態を適切な状態で維持することができる。
本発明の光ファイバの接続方法では、上記光ファイバの一部を上記撓み室内で撓ませる際に、上記一対の光ファイバのうち一方の光ファイバを上記メカニカルスプライス内にさらに押し込み、一方の光ファイバのみを上記撓み室内で撓ませることが好ましい。
本発明の光ファイバの接続方法では、上記光ファイバの一部を上記撓み室内で撓ませる際に、上記光ファイバの撓み部分のうち、上記挿入路の中心位置から最も中心位置がずれる箇所の中心位置が上記挿入路の中心位置から0.5mm〜1.0mmずれるように、上記光ファイバの一部を撓ませることが好ましい。光ファイバの撓み部分の中心位置が上記範囲となるように光ファイバを撓ませることにより、一対の光ファイバ間の芯線の接続状態をより適切な状態で維持することができる。
本発明のメカニカルスプライスによれば、光ファイバの芯線の貫通路の内径が光ファイバの芯線の外径より若干大きくなるように高精度に寸法制御されたフェルールを用いて一対の光ファイバの芯線の端面同士を接続しているので、一対の光ファイバの芯線をメカニカルスプライスに挿入するだけで、光ファイバの端面同士を高精度に位置合わせすることができる。また、フェルールを用いて一対の光ファイバを接続しているので、外部応力が加えられた場合でも、光ファイバ間の接続状態を確実に維持することができ、光ファイバの接続不良を防止することができる。
また、本発明のメカニカルスプライス及び光ファイバの接続方法によれば、光ファイバをメカニカルスプライスに固定する際、光ファイバの一部をメカニカルスプライス内で撓ませた状態で固定するので、メカニカルスプライスの使用環境の温度が変化しても、光ファイバの撓みにより一対の光ファイバ間の芯線の接続状態を適切に維持することができる。それゆえ、従来より、信頼性の高いメカニカルスプライス及び光ファイバの接続方法を提供することができる。
さらに、本発明のメカニカルスプライスにおいて、メカニカルスプライスを組み立てた際に押え部材に押圧されるプラスチックケース表面の外端部付近に凸部を形成した場合には、プラスチックケースの挿入路に挿入された光ファイバの被覆部にかかるプラスチックケースの把持力が増大し、プラスチックケースに光ファイバをより強固に固定することができる。それゆえ、メカニカルスプライスの使用環境の変化(例えば、温度変化や意図しない外力)による光ファイバの芯線の位置ずれを抑制することができ、従来より、一層信頼性の高いメカニカルスプライスを提供することができる。
以下に、本発明のメカニカルスプライスの実施形態について図面を参照しながら具体的に説明するが、本発明はこれに限定されない。
第1実施形態
[メカニカルスプライスの構成]
本発明のメカニカルスプライスの第1実施形態の概略構成の斜視図を図3に示した。本実施形態のメカニカルスプライス10は、図3に示すように、金属フェルール20と、第1プラスチック製部材31と、第2プラスチック製部材32と、押えバネ40(押え部材)とから構成される。本実施形態のメカニカルスプライス10では、プラスチックケースを第1プラスチック製部材31と、第2プラスチック製部材32とから構成し、第1プラスチック製部材31と、第2プラスチック製部材32を同じ形状で形成した。
まず、本実施形態のメカニカルスプライス10の金属フェルール20の構造について図4を用いて説明する。図4は、金属フェルール20の長手方向の断面図である。なお、本実施形態で用いた金属フェルール20はNi合金製であり、電鋳法により形成することができる。
金属フェルール20は、図4に示すように、棒状の部材であり、その中心軸上に光ファイバの芯線を挿入するための貫通路20aが形成されている。貫通路20aの内径は挿入される光ファイバの芯線の外径より若干大きくなるように高精度に寸法制御されている。本実施形態では、光ファイバの芯線の外径が125±1μmであるので、貫通路20aの内径は126μm〜128μmとした。貫通路20aの両端部には、図4に示すように、光ファイバの芯線を容易に挿入できるように、テーパ状の通路20bがそれぞれ形成されている。
上述のように、本実施形態のメカニカルスプライス10では、一対の光ファイバの芯線の端面同士を接続するために、芯線の貫通路20aの内径を光ファイバの芯線の外径より若干大きくなるように高精度に寸法制御された金属フェルール20を用いているので、一対の光ファイバの芯線を金属フェルール20に挿入するだけで、光ファイバの芯線の端面同士の高精度な位置合わせが可能となる。また、上述のような金属フェルール20を用いたことにより、外部応力が加えられた場合でも、光ファイバ間の位置合わせを高精度に維持することができ、光ファイバの接続不良を防止することができる。
次に、本実施形態のメカニカルスプライス10のプラスチックケースを構成する第1及び第2プラスチック製部材31,32について説明する。なお、本実施形態では、上述のように、第1プラスチック製部材31と、第2プラスチック製部材32とを同じ構造で形成したので、ここでは、第1プラスチック製部材31の構造について説明し、第2プラスチック製部材32の説明は省略する。
第1プラスチック製部材31の斜視図を図5に示した。第1プラスチック製部材31は、図5に示すように、板状部材で形成されており、その一方の側面には、主に、光ファイバが挿入される挿入路の半部31aと、金属フェルール20を収容するための収容室の半部31bと、光ファイバが挿入された際に、光ファイバの一部が撓んで収容される撓み室の半部31cと、第1及び第2プラスチック製部材31,32を貼り合せる際に第1及び第2プラスチック製部材31,32の接合位置を固定するための接合用凸部31h及び凹部31iとから構成された凹凸パターン(半部パターン)が形成されている。本実施形態のメカニカルスプライス10では、第1及び第2プラスチック製部材31,32の上記凹凸パターンが形成された側面同士を対向するように接合することにより、光ファイバの挿入路、金属フェルール20を収容するための収容室及び撓み室が画成される。なお、本実施形態では、第1プラスチックケースの長さを40mmとした。
第1プラスチック製部材31の構造をより詳細に示した図面が図6であり、図6(a)は上面図であり、図6(b)は凹凸パターンが形成された側の側面図であり、図6(c)は撓み室の半部31cの概略断面図である。図6を用いて、第1プラスチック製部材31の構造をより詳細に説明する。
光ファイバの挿入路の半部31aは、第1プラスチック製部材31の長手方向に延在して形成されており、光ファイバの挿入路の半部31aの両端部には、図6(a)及び(b)に示すように、光ファイバを容易に挿入できるように、テーパ状の通路の半部31kがそれぞれ形成されている。挿入路の半部31aの幅は、挿入される光ファイバの被覆部の外径より若干大きくになるように形成し、深さは光ファイバの被覆部の半径より小さくなるように形成した。挿入路の半部31aの深さを光ファイバの被覆部の半径より小さくした理由は次の通りである。後述するように、メカニカルスプライスを組み立てる際、光ファイバは第1プラスチック製部材31及び第2プラスチック製部材32間に挟み込まれて固定される。それゆえ、挿入路の半部31aの深さを光ファイバの被覆部の半径より小さくなるよう形成しておくと、光ファイバを第1プラスチック製部材31及び第2プラスチック製部材32間に挟み込んだ際に、光ファイバの被覆部にかかる把持力を増大させることができ、光ファイバの被覆部をより強固にプラスチックケースに固定することができる。本実施形態では、具体的には、光ファイバの被覆部の外径が250μmであるので、挿入路の半部31aの深さ及び幅は、それぞれ100μm及び300μmとした。
金属フェルール20の収容室の半部31bは、図6(a)及び(b)に示すように、第1プラスチック製部材31の半部パターンが形成されている面の中央付近に形成されている。また、収容室の半部31bの長手方向の両端部は、挿入路31aと同じ幅を有し且つその幅が長手方向に一定の直線通路31a’を介して撓み室の半部31cと繋がっている。このような構造に直線通路31a’を設けることにより、光ファイバの芯線を収容室にスムーズに挿入することができる。また、本実施形態では、第1及び第2第1プラスチック製部材31,32を接合した際に、光ファイバの挿入路と金属フェルール20の収容室とが同軸上に形成されるように金属フェルール10の収容室の半部31bを形成した。さらに、金属フェルール20の収容室の内壁形状は、図5に示すように、金属フェルール20の外壁形状と同じ形状になるように金属フェルール20の収容室の半部31bを形成し、且つ金属フェルール20の収容室の内径、すなわち、金属フェルール20の収容室の半部31bの幅が金属フェルール20の外径より若干大きくなるように形成した。なお、収容室の半部31bの深さは、金属フェルール20の半径より小さくなるように形成した。これは、後述するように、メカニカルスプライスを組み立てる際、金属フェルール20は第1プラスチック製部材31及び第2プラスチック製部材32間に挟み込まれて固定されるが、その際に、金属フェルール20にかかる把持力を増大させて、金属フェルール20をプラスチックケースに確実に固定するためである。本実施形態では、具体的には、金属フェルール20の外径が0.75mmであるので、収容室の半部31bの深さ、幅及び長さは、それぞれ0.365±0.01mm、0.76±0.05mm及び5.1mmとした。
光ファイバの一部が撓んで収容される撓み室の半部31cは、図6(b)に示すように、収容室の半部31cの長手方向の両側に設けられており、撓み室の半部31cの収容室の半部31b側の端部は、直線通路31a’を介して収容室の半部31bと繋がっており、それとは反対側の端部は挿入路の半部31aと繋がっている。撓み室の半部31cは、図6(b)に示すように、その中央から両端部に向かって、高さが対称的に且つ連続的に小さくなる形状を有している。なお、この例では、図6(b)に示すように、撓み室の半部31cの底壁の長手方向の形状は直線状とし、上壁の長手方向の形状を円弧状にした。撓み室の半部31cをこのような形状にすることにより光ファイバの挿入をスムーズになる。また、撓み室の半部31cの底壁及び上壁の長手方向に垂直な方向(深さ方向)の形状は、図6(c)に示すように、円弧状とし、撓み室の半部31cの底壁及び上壁を繋ぐ部分の深さは一定とした。なお、本実施形態では、撓み室の半部31cの全長は9mmとし、挿入路の半部31aの中心軸から撓み室の半部31cの円弧状の上壁まで高さの最大値は1.05mmとし、そして、撓み室の半部31cの上壁の長手方向の曲率半径は3.92mmとした。また、撓み室の半部31cの深さを0.15mmとし、底壁及び上壁の深さ方向の径を0.15mmとした。なお、撓み室の半部31cの上壁の長手方向の曲率半径は、光ファイバが撓んで撓み室の上壁に接した際に、光ファイバの曲げにより放射損失が生じないような寸法にすることが望ましい。
上記本実施形態のメカニカルスプライスの各構成部材の寸法及び光ファイバの寸法から、本実施形態のメカニカルスプライスにおける撓み室の最大断面積と、挿入路の断面積とを計算すると、撓み室の最大断面積は挿入路の断面積の約8.5倍となる。また、撓み室の高さが最大となる位置(光ファイバの中心位置が挿入路の中心位置から最もずれる位置)における光ファイバの中心位置は挿入路の中心位置から最大で0.925mmずれることになる。
なお、撓み室の半部の形状は、本実施形態に限定されず、使用環境等に応じて適宜設定可能である。例えば、撓み室の半部の挿入路側の端部の高さを最も高くし、収容室に向かってその高さが連続的小さくなるような形状にしても良い。また、撓み室は、温度上昇に伴いプラスチックケースが膨張した際、光ファイバの端面同士が離れ難くなるような形状及び寸法で形成されていれば良い。例えば、本実施形態のメカニカルスプライスのようにプラスチックケースの長さを40mmとした場合、使用環境の温度変化が120℃であると、プラスチックケースは約300μm程度伸縮する。この場合、本実施形態のメカニカルスプライスでは、メカニカルスプライス内に収容される一方の光ファイバの長さが、光ファイバを撓ませない場合に比べて約150μm以上長くなるように撓ませて収容できるような撓み室の形状にすれば良い。
また、第1プラスチック製部材31の半部パターンが形成されている面の中央領域31dの面は、図6(a)及び(b)に示すように、その両端側の領域31d’の面より外側に突き出ている(凸状になっている)。すなわち、第1プラスチック製部材31の半部パターンが形成されている面の中央領域31dの面とその両端の領域31d’の面との間に段差を設けた。この段差を設けたことにより、押えバネ40で第1プラスチック製部材31及び第2プラスチック製部材32を把持した際に、メカニカルスプライス内に挿入された光ファイバへの把持力を高めることができる。
本実施形態では、第1及び第2プラスチック製部材31,32の接合用の凸部31h及び凹部31iを、図6に示すように、光ファイバの挿入路の半部31aに対して対称となる位置に形成し、その凸部31h及び凹部31iの組を2組設けた。凸部31h及び凹部31iの各組は、第1プラスチック製部材31の中央領域31dの両端部付近にそれぞれ形成した。凸部31h及び凹部31iの各組は、第1プラスチック製部材31の端部からの距離が同じになるような位置にそれぞれ形成した。また、図6に示すように、一方の端部における凸部31h及び凹部31iの組の凹凸パターンと他方の端部における凸部31h及び凹部31iの組の凹凸パターンとが逆になるように形成した。なお、凸部31hの外径及び高さが、それぞれ凹部31iの内径及び深さより若干小さくなるように形成した。図6に示すような凸部31h及び凹部31iが形成された第1及び第2プラスチック製部材31,32を、凸部31h及び凹部31iが形成された側面同士が対向するように接合すると、一方のプラスチック製部材の凸部31hがそれに対向する他方のプラスチック製部材の凹部31iに挿入され、第1及び第2プラスチック製部材31,32の接合位置が固定される。
一方、第1プラスチック製部材31の半部パターンが形成されている面とは反対側の表面には、図5及び6に示すように、第1プラスチック製部材31の長手方向に沿って延在した溝31gを形成した。この溝31gは、後述するように、メカニカルスプライスを組み立てた際に、押えバネ40のU字状の凹部40a(図3参照)がこの溝31gに嵌まり込み、押えバネ40がプラスチックケースから外れないようにするために設けた。
また、第1プラスチック製部材31の半部パターンが形成されている面とは反対側の面の両端部付近(光ファイバが挿入される側の端部)の溝31gの両側には、図5に示すように、凸部31fを設けた。第1プラスチック製部材31の半部パターンが形成されている面とは反対側の表面は、後述するように、メカニカルスプライスを組み立て際に、押さえバネ40の側板40cに押圧される面である。それゆえ、図5に示すように、第1プラスチック製部材31の両端部付近の溝31gの両側に凸部31fを設けておくと、第1及び第2プラスチック製部材31,32の挿入路の半部間に光ファイバを挿入し、その後、第1及び第2プラスチック製部材31,32を押えバネ40で固定した際に、プラスチック製部材の凸部31f(プラスチックケースの光ファイバ挿入側の両端部)に押えバネ40による大きな応力(弾性力)が集中的に加わる。これにより、プラスチックケースの挿入路に挿入された光ファイバの被覆部にかかるプラスチックケースの把持力が増大し、光ファイバをプラスチックケースにより強固に固定することができる。それゆえ、本実施形態のメカニカルスプライスでは、使用環境の変化(例えば、温度変化や意図しない外力)による光ファイバの芯線の位置ずれを抑制することができ、従来より、一層信頼性の高いメカニカルスプライス及び光ファイバの接続方法を提供することができる。
さらに、第1プラスチック製部材31の半部パターンが形成されている面とは反対側の面の中央付近の溝31gの両側には、図5に示すように、凸部31jを設けた。なお、この凸部31jの高さは、図6(a)に示すように、第1プラスチック製部材31の両端部付近に設けた凸部31fの高さより低くした。このような凸部31jを設けることにより、メカニカルスプライスに挿入された光ファイバを把持するプラスチックケースの両端部(図6(a)中の凸部31f)に応力を集中させることができる。
次に、本実施形態のメカニカルスプライス10の押えバネ40の構造について、図3及び図7を用いて説明する。図7には、押えバネ40の長手方向の断面図を示した。
押えバネ40は、図3に示すように、その断面がコ型の板状の金属製部材である。また、メカニカルスプライス10を組立てた際に、第1及び第2プラスチック製部材31,32を押えバネ40の側板40c間で挟み込んで固定するための弾性力を発生させるために、押えバネ40の側板40cの間隔は、押えバネ40の開口側に向かって(図3上では下方)若干狭くなっている。また、押えバネ40の側板40cの表面の中央には、図7に示すように、断面がU字状であり、押えバネ40の長手方向に延在した凹部40aを設けた。なお、図7に示すように、一方の側板40cのU字状の凹部40aの底部が他方の側板40cに向かって突き出るようにU字状の凹部40aを形成した。
この押えバネ40のU字状の凹部40aは、後述するように、メカニカルスプライスを組み立てた際に、プラスチックケースの外側表面に形成された溝31g(図3参照)に嵌まり込み、プラスチックケースから押えバネ40が外れないようにするためのものである。それゆえ、押えバネ40のU字状の凹部40aの突き出ている側の表面の幅(図7中のt)は、プラスチックケースの外側表面に形成された溝31gより若干小さくなるように形成した。また、押えバネ40のU字状の凹部40aの突き出ている側の表面の高さ(図7中のh)は、第1プラスチック製部材31の両端部付近の凸部31fが設けられている領域の溝31gの深さと同じまたは若干小さくなるように形成した。
[メカニカルスプライスの組立方法及び光ファイバの接続方法]
次に、本実施形態のメカニカルスプライス10の組立方法及び光ファイバの接続方法について、図2及び図8〜12を用いて説明する。まず、図8に示すように、シリンジ200を用いて金属フェルール20の貫通路20a内部(中心部)に屈折率整合剤50を注入した。この際、適正な粘性を有する屈折率整合剤50を使用することにより、外界の温度変化によって2本の光ファイバの芯線間の距離が多少広がっても、屈折率整合剤50が2本の光ファイバの芯線間から流出しないため、常に光ファイバの接続状態を適切に維持することが可能である。具体的には、屈折率整合剤50としては、貫通路20aから屈折率整合剤の流出を防止するために、粘度が10〜20P(ポアズ)程度のものを使用することが好ましく、また、屈折率が、1.44〜1.47(室温、波長1.55μm)であるものを用いることが好ましい。上記性質を有する屈折率整合剤としては、NTT−AT製「屈折率調整品」やGE東芝シリコーン製「TSK5353」、コニックス製「RC GEL」等が挙げられる。本実施形態では、屈折率整合剤として、TSK5353を用いた。
次いで、第1及び第2プラスチック製部材31,32の側面に形成された金属フェルール20の収容室の半部31bに金属フェルール20が収容されるように、第1及び第2プラスチック製部材31,32の凹凸パターンが形成された側面同士対向するように重ね合わせた(図8中の黒矢印)。この際、第1プラスチック製部材31の接合用の凸部31h及び凹部31iを、それらと対向する第2プラスチック製部材32の凹部32i及び凸部32hに嵌合させる。これにより、第1及び第2プラスチック製部材31,32の側面にそれぞれ形成された光ファイバの挿入路の半部31a及び金属フェルール20の収容室の半部31bの開口部同士を精度良く重ね合わせることができ、所定形状の光ファイバの挿入路(図9中の通路30a)、金属フェルール20の収容室、及び、光ファイバの撓み部を収容する撓み室を画成することができる。
次いで、図9及び10に示すように、押えバネ40の側板40c間で、プラスチックケース30の両側面(図9中の溝31g及び32gが形成されている面)を挟み込みながら、押えバネ40をプラスチックケース30上面から押し付ける(図9中の黒矢印)。そして、押えバネ40の凹部40aの下端部がプラスチックケース30の上面に当たるまで、押えバネ40をプラスチックケース30に押し込んだ(図10の状態)。
次に、図10の状態で、光ファイバ500の端部の芯線500aを露出させた(被覆部500bを除去した)一対の光ファイバ500を用意し、この一対の光ファイバ500を、図10に示すように、メカニカルスプライス10の両端からその挿入路30aにそれぞれ挿入する(図2(a)の状態)。なお、本実施形態では、第1及び第2プラスチック製部材31,32の挿入路の半部の深さを光ファイバの被覆部の半径より小さくしているので、第1及び第2プラスチック製部材31,32を合体させた時点で、プラスチックケース内に画成される挿入路における押えバネ40の押圧方向の幅は光ファイバの被覆部の直径より狭くなるが、図10の状態では、押えバネ40によりプラスチックケースにかかる押圧力(弾性力)はそれほど大きなものではないので、光ファイバをプラスチックケースの挿入路に押し込むことにより、第1及び第2プラスチック製部材間を若干広げながら簡単に挿入することができる。
次いで、一対の光ファイバ500の端面同士が互いに突き当たるまで挿入する(図2(b)の状態)。そして、さらに、一対の光ファイバ500をメカニカルスプライス10内に押し込み、光ファイバの一部をメカニカルスプライス10内の撓み室で撓ませる(図2(c)の状態)。
この際、本実施形態では、撓み室の上壁と光ファイバとの間に僅かに隙間ができるように光ファイバを撓ませた。これは、次の理由によるものである。使用温度が上昇してプラスチック製部材が伸びた場合、撓み室もその長手方向に伸びる。その際、撓み室内で撓んでいた光ファイバの部分はその弾性力により直線形状に戻ろうとするので、光ファイバの接続部分における光ファイバの端面の位置は変わらず、適切な接合状態が保たれる。一方、使用温度が下降してプラスチック製部材が縮んだ場合、撓み室も縮むが、撓み室の上壁と光ファイバとの間に僅かに隙間を設けておくと、撓み室が縮んだ分だけ光ファイバが撓み室内でさらに撓むことができる。それゆえ、使用温度が下降してプラスチック製部材が縮んだ場合にも、光ファイバの端面の位置は変わらず、適切な接合状態が保たれる。すなわち、撓み室の上壁と光ファイバとの間に僅かに隙間ができるように光ファイバを撓ませることにより、使用温度が変化してプラスチックケースが伸縮しても、光ファイバの接続面における光ファイバ間の距離変動を抑制することができるので、接続損失を一定に保つことができる。なお、本実施形態では、予め、光ファイバの挿入長さと、光ファイバの撓み量との関係を調べておき、その関係から上述のように状態で光ファイバが撓むような所定の挿入量を求め、その挿入量だけ光ファイバを押し込み、光ファイバを撓ませた。
次に、上述のようにして、光ファイバをメカニカルスプライス内で撓ませた状態で、図11に示すように、押えバネ40をプラスチックケース30にさらに押し付けて(図11中の黒矢印方向に押し付けて)、押えバネ40の側板40cに形成されたU字状の凹部40aを、プラスチックケース30の側面に形成された溝31g,32gに嵌め込む(図12の状態)。これにより、プラスチックケース30と押えバネ40とを合体させる。この結果、光ファイバ500の被覆部500bが第1及び第2プラスチック製部材の挿入路の半部間に挟み込まれ、光ファイバをメカニカルスプライス10に固定することができる。また、この際、プラスチックケース30の両端部には凸部30fが形成されているので、凸部30fには他の領域より大きな弾性力が加わるので、プラスチックケース30の両端部でより強固に光ファイバをメカニカルスプライス10に固定することができる。なお、本発明のメカニカルスプライス及び光ファイバの接続方法は、光ファイバの種類(シングルモードファイバまたはマルチモードファイバ)に関係なく適用できる。
上述のように、本実施形態の光ファイバの接続方法では、光ファイバをメカニカルスプライス内で撓ませた状態で、従来より一層強固に光ファイバを固定することができるので、メカニカルスプライスの使用環境の変化(例えば、温度変化や意図しない外力)による光ファイバの接続部における芯線の位置ずれを抑制することができる。それゆえ、従来より、一層信頼性の高いメカニカルスプライス及び光ファイバの接続方法を提供することができる。
[変形例]
変形例のメカニカルスプライスにおける第1プラスチック製部材及び第2プラスチック製部材の概略構造を図17に示した。図17(a)が第1プラスチック製部材の概略断面図であり、図17(b)が第2プラスチック製部材の概略断面図である。変形例のメカニカルスプライスでは、第1プラスチック製部材及び第2プラスチック製部材の構造を変えたこと以外は、第1実施形態と同様の構造とした。
この例の第1プラスチック製部材では、図17(a)に示すように、フェルール収容室31bを間に挟んで設けられた2つの撓み室の半部のうち、図面上でフェルール収容室31bの左側に位置する撓み室の半部31cを第1実施形態と同様に、撓み室の半部の上壁の長手方向の形状を円弧状とし、底壁の長手方向の形状を直線状とした。そして、図17(a)面上でフェルール収容室31bの右側に位置する撓み室の半部31c’は、上壁の長手方向の形状を直線状とし、底壁の長手方向の形状を円弧状とした。すなわち、2つの撓み室の半部の長手方向の形状を第1プラスチック製部材の長手方向の中心軸に対して対称となるような構造にした。
一方、第2プラスチック製部材では、第1プラスチック製部材と第2プラスチック製部材とを重ね合わせた際に、第1プラスチック製部材及び第2プラスチック製部材の撓み室の半部の開口部同士を重ね合わせて撓み室を画成するために、図17(b)に示すように、フェルール収容室31bを間に挟んで設けられた2つの撓み室の半部のパターンを第1プラスチック製部材の撓み室の半部のパターン(図17(a))と逆にした。具体的には、図17(b)面上でフェルール収容室31bの左側に位置する撓み室の半部31c’の上壁の長手方向の形状を直線状とし、底壁の長手方向の形状を円弧状とした。そして、フェルール収容室31bの右側に位置する撓み室の半部31cの上壁の長手方向の形状を円弧状とし、底壁の長手方向の形状を直線状とした。この例のメカニカルスプライスに一対の光ファイバを挿入した際には、2つの撓み室にそれぞれ収容される光ファイバは互いに逆方向に撓むこととなる。
第1及び第2プラスチック製部材をこの例のような構造にすることにより、次のような利点がある。例えば、現場等で実際に第1及び第2プラスチック製部材を重ね合わせる際に、第1実施形態で用いた第1及び第2プラスチック製部材の構造では、第1及び第2プラスチック製部材のうち一方のプラスチック製部材を図6(b)に示す状態から半部パターン(凹凸パターン)が形成されている面の面内方向に180度回転させた状態で2つのプラスチック製部材を重ね合わせる恐れがある。すなわち、第1実施形態の第1及び第2プラスチック製部材を重ね合わせる際に、互いに対向する撓み室の半部の開口部形状が逆になった状態で2つのプラスチック製部材を重ね合わせる恐れがあり、この場合にはプラスチックケース内に撓み室を画成することができない。それゆえ、第1実施形態で用いた第1及び第2プラスチック製部材の構造では組立不良が起こる恐れがある。
それに対して、この例の第1及び第2プラスチック製部材は、図17から明らかなように、第1及び第2プラスチック製部材を半部パターンが形成されている面の面内方向に180度回転させても同じ構造となる。すなわち、この例の第1及び第2プラスチック製部材は、半部パターンが形成されている面内で回転対称の構造である。それゆえ、第1及び第2プラスチック製部材を重ね合わせる際に、第1プラスチック製部材の接合用の凸部31h及び凹部31iを、それらと対向する第2プラスチック製部材32の凹部32i及び凸部32hに嵌合させて重ね合わせる限り、どのように重ね合わせても確実に撓み室の半部の開口部同士を重ね合わせることができる。それゆえ、この例のメカニカルスプライスでは、上述のようなメカニカルスプライスの組立不良を防止することができる。
第2実施形態
[プラスチック製部材の構成]
第2実施形態のメカニカルスプライスでは、第1及び第2プラスチック製部材の構造を第1実施形態と異なる構造とした。本実施形態の第1プラスチック製部材の凹凸パターン側の側面図を図13に示した。なお、本実施形態では、第2プラスチック製部材も同様の構造としたので、ここでは、第1プラスチック製部材についてのみ説明する。また、本実施形態のメカニカルスプライスでは、プラスチック製部材の構造を変えたこと以外は、第1実施形態のメカニカルスプライスと同様の構造とした。
本実施形態の第1プラスチック製部材50は、図13に示すように、板状部材で形成されており、その一方の側面には、主に、光ファイバが挿入される挿入路の半部50aと、金属フェルールを収容するための収容室の半部50bと、光ファイバが挿入された際に、光ファイバの一部が撓んで収容される撓み室の半部50cと、第1及び第2プラスチック製部材を貼り合せる際に第1及び第2プラスチック製部材の接合位置を固定するための接合用凸部50h及び凹部50iとから構成された凹凸パターン(半部パターン)が形成されている。そして、本実施形態では、図13に示すように、収容室の半部50bを第1プラスチック製部材50の中央ではなく、図面上では中央より左側に設け、収容部の半部50bの端部のうち光ファイバ挿入口の遠い側(図13上では右側)にのみ、撓み室の半部50cを設けた。そして、収容部の半部50bと、撓み室の半部50cとは、図13に示すように、挿入路50aと同じ幅を有し且つその幅が長手方向に一定の直線通路50a’を介して繋がっている。なお、本実施形態では、第1プラスチック製部材の長さを40mmとした。
光ファイバの挿入路の半部50aは、第1プラスチック製部材50の長手方向に延在して形成されており、光ファイバの挿入路の半部50aの両端部には、図13に示すように、光ファイバを容易に挿入できるように、テーパ状の通路の半部がそれぞれ形成されている。挿入路の半部50の形状及び幅、深さ等の寸法は、第1実施形態と同様にした。また、金属フェルールの収容室の半部50bの形状及び寸法も第1実施形態と同様にした。
光ファイバが撓んで収容される撓み室の半部50cは、図13に示すように、第1実施形態と同様の形状とした。ただし、本実施形態の撓み室の半部50cの全長は13±2mmとし、挿入路の半部50aの中心軸から撓み室の半部50cの円弧状の上壁まで高さの最大値は1.15±0.2mmとし、そして、撓み室の半部50cの上壁の長手方向の曲率半径は21.5±2mmとした。また、撓み室の半部50cの深さを0.15mmとし、底壁及び上壁の深さ方向の径を0.15mmとした。
上記本実施形態のメカニカルスプライスの各構成部材の寸法及び光ファイバの寸法から、本実施形態のメカニカルスプライスにおける撓み室の最大断面積と、挿入路の断面積とを計算すると、撓み室の最大断面積は挿入路の断面積の約8.5倍となる。また、撓み室の高さが最大となる位置(光ファイバの中心位置が挿入路の中心位置から最もずれる位置)における光ファイバの中心位置は挿入路の中心位置から最大で0.925mmずれることになる。
[伝送損失の変動特性]
本実施形態では、本実施形態のメカニカルスプライスにおける温度変化に対する伝送損失の変動特性を調べた。具体的には、第1実施形態で説明したメカニカルスプライスの組立方法及び光ファイバの接続方法により光ファイバを接続し、その後、20〜85℃の範囲で温度変化を与え、その温度範囲内における伝送損失を測定した。なお、本実施形態では、光ファイバの一部をメカニカルスプライス内で撓ませる際に、撓み室側から挿入された光ファイバのみを撓ませた。それ以外は、第1実施形態と同様にして光ファイバを接続した。
上記伝送特性の測定結果を図14に示した。図14から明らかなように、本実施形態の光ファイバの接続方法のように光ファイバを撓ませた場合には、20〜85℃の温度範囲では、伝送損失の変動量は約0.3dB以下となり、伝送損失の変動を非常に低減することができることが分かった。すなわち、本発明の光ファイバの接続方法のように光ファイバを撓ませることにより、使用温度に変化が生じても、光ファイバの適切な接続状態を維持できることが分かった。
上記実施形態では、金属フェルールの貫通路を介して屈折率整合剤を注入する例を説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、金属フェルールの外壁から貫通路の中心部に通ずる通路を設け、その通路を介して屈折率整合剤を注入しても良い。また、上記実施形態では、フェルールとして金属フェルールを用いた例を説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、ガラス、プラスチック、セラミック等で形成されたフェルールを用いても良い。
上記実施形態では、メカニカルスプライスを組立てる際に屈折率整合剤を金属フェルール内部に注入する例を説明したが、本発明はこれに限定されず、予め屈折率整合剤が内部に注入された金属フェルールを用意しても良い。
上記実施形態では、一つのメカニカルスプライスで一対の光ファイバを接続する例を説明したが、本発明はこれに限定されない。一つのメカニカルスプライスで複数対の光ファイバを接続することも可能である。その場合には、プラスチックケース内部にフェルールの収容室を複数設けるか、あるいは、光ファイバの芯線の貫通路を複数備える金属フェルールを用いれば良い。
上記実施形態では、プラスチックケースを構成する第1及び第2プラスチック製部材を固定するために、押えバネを用いた例を説明したが、本発明はこれに限定されない。第1及び第2プラスチック製部材を接合するだけで、十分な強度が得られるような構造の第1及び第2プラスチック製部材を用いた場合には、必ずしも押えバネを必要としない。
また、上記実施形態では、プラスチックケースを構成する第1及び第2プラスチック製部材を同じ形状とした例を説明したが、本発明はこれに限定されない。第1及び第2プラスチック製部材の形状が異なっていても良いし、3つ以上のプラスチック製部材からプラスチックケースを構成しても良い。
さらに、上記実施形態では、光ファイバをより強固にプラスチックケースに固定するために、プラスチックケースの両端部付近に凸部を設けた例を説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、プラスチックケースの外部から光ファイバの挿入路に通ずる貫通穴を設け、光ファイバ挿入後、その貫通穴から接着剤を注入して固定しても良い。
また、光ファイバをさらに強固にメカニカルスプライスに固定するために、プラスチックケースの挿入路と光ファイバの被覆部との摩擦力が増大するように、プラスチックケースの挿入路を表面処理しても良い。表面処理の方法としては、化学薬品を用いて挿入路を腐食させる方法、サンドブラストにより挿入路の表面を荒らす方法、及び、予め粗し加工が施された金型でプラスチックケースを成型する方法等が挙げられる。中でも特に、化学薬品を用いて挿入路を腐食させる方法が好ましい。以下に、その方法の具体例を説明する。
化学薬品を用いてプラスチックケースの挿入路を腐食させる方法では、例えば、次のようにして表面処理を行う。まず、金型または機械加工によりプラスチックケースを作製する。次いで、作製されたプラスチックケースの表面処理を行わない領域(挿入路以外の領域)をマスキングする。次いで、マスキングされたプラスチックケースを化学薬品(例えば、アセトン等)に浸す(あるいは、化学薬品をプラスチックケースに噴霧する)。この際、マスキングされていない領域、すなわち、挿入路の表面が化学薬品により腐食する。次いで、純水でプラスチックケースを洗浄し、マスキングを除去する。以上の工程により、プラスチックケースの挿入路表面を荒らすことができる。このような方法でプラスチックケースの挿入路表面が荒らされたメカニカルスプライスに光ファイバを固定すると、プラスチックケースの挿入路と光ファイバの被覆部との摩擦力が上記表面処理を行わない場合に比べて増大するので、光ファイバをより強固にメカニカルスプライスに固定することができる。
上述のように本発明のメカニカルスプライスでは、容易に且つ高精度に光ファイバを接続することができ、使用環境の変動に伴う接続状態の変動も抑制することができる。すなわち、本発明は、従来より、信頼性の高いメカニカルスプライスであるので、種々の環境で容易に用い得るメカニカルスプライスとして好適である。
図1は、本発明のメカニカルスプライスの概略構成の一例を示す切断分解図である。 図2(a)〜(c)は、本発明の光ファイバの接続方法の一例を示した図である。 図3は、第1実施形態のメカニカルスプライスの構成を示す概略斜視図である。 図4は、第1実施形態の金属フェルールの長手方向の断面斜視図である。 図5は、第1実施形態の第1プラスチック製部材の構造を示す概略斜視図である。 図6は、第1実施形態の第1プラスチック製部材の構造を示す図であり、図6(a)は上面図であり、図6(b)は側面図であり、そして、図6(c)は図6(b)中のA−A’断面図である。 図7は、第1実施形態の押えバネの長手方向の断面斜視図である。 図8は、第1実施形態におけるメカニカルスプライスの組立方法を説明するための図である。 図9は、第1実施形態におけるメカニカルスプライスの組立方法を説明するための図である。 図10は、第1実施形態におけるメカニカルスプライスの組立方法及び光ファイバの接続方法を説明するための図である。 図11は、第1実施形態におけるメカニカルスプライスの組立方法及び光ファイバの接続方法を説明するための図である。 図12は、第1実施形態におけるメカニカルスプライスの組立方法及び光ファイバの接続方法を説明するための図である。 図13は、第2実施形態の第1プラスチック製部材の構造を示す側面図である。 図14は、第2実施形態のメカニカルスプライスで光ファイバを接続した際の伝送損失特性である。 図15は、従来のメカニカルスプライスの概略斜視図である。 図16は、従来のメカニカルスプライスの構成を示す概略斜視図である。 図17は、変形例のメカニカルスプライスのプラスチックケースの概略構成図であり、図17(a)は第1プラスチック製部材の概略断面図であり、図17(b)は第2プラスチック製部材の概略断面図である。
符号の説明
1,10 メカニカルスプライス
2,20 金属フェルール
2a,20a 貫通路
3,30 プラスチックケース
3a,30a,50a 挿入路
3b 収容室
3c 撓み室
31,50 第1プラスチック製部材
31a 挿入路の半部
31b 収容室の半部
31c 撓み室の半部
32 第2プラスチック製部材
40 押えバネ
400 屈折率整合剤
500 光ファイバ

Claims (14)

  1. 光ファイバを接続するためのメカニカルスプライスであって、
    上記光ファイバの芯線が挿入され接続される貫通路が設けられたフェルールと、
    上記光ファイバが挿入される挿入路、上記フェルールを収容するフェルール収容室、及び、該挿入路及び該フェルール収容室に通じ且つ上記光ファイバの一部が撓んで収容される撓み室が設けられたプラスチックケースとを備え、
    上記撓み室は、上記撓み室の上記光ファイバの挿入方向に垂直な断面の面積が上記挿入路の上記光ファイバの挿入方向に垂直な断面の面積より大きくなる部分を有することを特徴とするメカニカルスプライス。
  2. 上記撓み室の上記断面が、上記撓み室の上記フェルール収容室側の端部及び上記挿入路側の端部から上記撓み室の長手方向の中央に向かって大きくなっていることを特徴とする請求項1に記載のメカニカルスプライス。
  3. 上記撓み室と上記フェルール収容室との間に通路が設けられており、該通路の上記光ファイバの挿入方向に垂直な断面の形状及び面積が上記光ファイバの挿入方向に一定であることを特徴とする請求項1または2に記載のメカニカルスプライス。
  4. 上記撓み室の上記断面の最大面積が、上記挿入路の上記断面の最小面積の8〜9倍であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のメカニカルスプライス。
  5. 上記撓み室が、上記フェルール収容室の一方の端部側にのみ設けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のメカニカルスプライス。
  6. 上記フェルールの上記貫通路に屈折率整合剤が注入されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のメカニカルスプライス。
  7. 上記プラスチックケースが同じ形状の2つのプラスチック製部材で構成されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のメカニカルスプライス。
  8. さらに、上記プラスチックケースを固定するための押え部材を備える請求項1〜7のいずれか一項に記載のメカニカルスプライス。
  9. 上記メカニカルスプライスを組み立てた際に上記押え部材が押圧する上記プラスチックケースの表面の上記光ファイバが挿入される側の端部付近に凸部が形成されていることを特徴とする請求項8に記載のメカニカルスプライス。
  10. 上記プラスチック製部材が、上記プラスチックケースの挿入路を画成する凹部を有し、該凹部の深さが光ファイバの半径より小さいことを特徴とする請求項7〜9のいずれか一項に記載のメカニカルスプライス。
  11. 上記光ファイバの挿入路が表面処理されていることを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載のメカニカルスプライス。
  12. 光ファイバの挿入路及び該挿入路と通じ且つ該光ファイバの一部が撓んで収容される撓み室を備えるメカニカルスプライスを用いて一対の光ファイバを接続する方法であって、
    上記挿入路に一対の光ファイバを挿入して、光ファイバ同士の端面を接合することと、
    上記光ファイバを上記メカニカルスプライス内にさらに押し込み、該押し込まれた光ファイバの一部を上記撓み室内で撓ませることと、
    上記光ファイバを撓ませた状態で、上記一対の光ファイバを上記メカニカルスプライスに固定することとを含む光ファイバの接続方法。
  13. 上記光ファイバの一部を上記撓み室内で撓ませる際に、上記一対の光ファイバのうち一方の光ファイバを上記メカニカルスプライス内にさらに押し込み、一方の光ファイバのみを上記撓み室内で撓ませることを特徴とする請求項12に記載の光ファイバの接続方法。
  14. 上記光ファイバの一部を上記撓み室内で撓ませる際に、上記光ファイバの撓み部分のうち、上記挿入路の中心位置から最も中心位置がずれる箇所の光ファイバの中心位置が上記挿入路の中心位置から0.5mm〜1.0mmずれるように、上記光ファイバの一部を撓ませることを特徴とする請求項12または13に記載の光ファイバの接続方法。
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