JP2007177639A - 電源装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】イオン加速装置であるホールスラスタの放電振動現象を抑制する制御を行うことができる電源装置を得る。
【解決手段】電源装置1は、アノード電極12へアノード電圧Vaを印加するアノード電源2、磁場生成用コイルへコイル電流Icを流すコイル電源3,4、ガス流量調節器15を介してガス流量Qを調整するガス流量制御装置5および制御装置9を備え、制御装置9は、アノード電圧Vaとコイル電流Icとに関係付けられた関数にしたがってアノード電圧Vaとガス流量Qとコイル電流Icとを制御し、イオン加速装置であるホールスラスタ11のイオン加速量を調整する。
【選択図】図1

Description

この発明は、イオン加速を行うための放電機器であるイオン加速装置に用いる電源装置であって、特に人工衛星などに搭載される電気推進装置であるホールスラスタの電源装置に関する。
ホールスラスタは、環状の放電空間の一方からガスを導入し、放電空間内でガスをイオン化して加速し、放電空間の他方に出力する。このイオンの出力の反作用によってホールスラスタの推力が得られる。環状の放電空間には径方向に磁束が形成されており、この磁束によるホール効果のために、電子は環状の放電空間の周方向にドリフトし、軸方向の動きが抑制される。これによって、イオンのみを効率的に加速することができる(例えば特許文献1参照)。
ホールスラスタを安定に動作させる上での問題の一つとして、放電振動現象の発生がある。放電振動現象に関しては、いくつかの種類の振動現象がある。この中で最も周波数の低いイオナイゼーション・オシレーション(Ionization Oscillation)と呼ばれる放電振動現象が発生する。この放電振動現象は10kHz前後の周波数で、アノード電流の電流波形が振動を生じてしまい、ホールスラスタを搭載したシステムの安定性、信頼性および耐久性に重大な影響を及ぼす。このため、この放電振動現象を抑制する制御方法が必要とされている(例えば非特許文献1参照)。また、比較的簡単なモデルを用いて、ホールスラスタの放電振動現象の発生条件を定式化されている(例えば非特許文献2参照)。
従来の電源装置は、アノード電流が変動し、負荷が不安定な挙動を示し始めた場合には、アノード電流信号を電源制御部へフィードバックして、アノード電流の変動を抑制することによって、放電振動現象を抑制している(例えば特許文献2参照)。
栗木恭一、荒川義博著「電気推進ロケット入門」東京大学出版会出版、p.152−154、2003年 N.Yamamoto、K.Komurasaki and Y.Arakawa、"Discharge Current Oscillation in Hall Thrusters"、Journal of Propulsion and Power、Vol.21、NO.5、p.870−876、2005年 特表2002−517661号公報(第17頁、第1図) 特開2005−282403号公報(第3−4頁、第1図)
従来の電源装置では、アノード電流が変動した場合には、アノード電流信号を電源制御部へフィードバックして、アノード電流の変動を抑制していた。しかしながら、このようなアノード電流が変動を始めたことを検出するという方法では、放電振動現象の原理的な抑制を行っているわけではないので、本質的にホールスラスタの安定性を高めることは困難である。また、放電振動現象は例えば10kHzなどの周波数で発生するものであり、電源制御部へのフィードバックによって振動を抑制しようとした場合には、かなり高速な制御系が必要となる。制御系が高速な応答に対応できない場合には、安定な制御を行うことができないだけでなく、制御系との間に発振現象が生じてホールスラスタの不安定性を助長する可能性がある、という問題点があった。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、放電振動現象の発生を抑え、安定にイオン加速装置であるホールスラスタを動作させる電源装置を得るものである。
この発明に係る電源装置は、アノード電極とガス流量調節器と磁場生成用コイルとを設けたイオン加速装置を制御する電源装置であって、アノード電極へ印加されるアノード電圧とガス流量調節器を介して流されるガス流量と磁場生成用コイルへ流されるコイル電流とを制御してイオン加速装置のイオン加速量を調整する制御装置を備え、制御装置は、少なくともアノード電圧とコイル電流とに関係付けられた関数に従ってアノード電圧とガス流量とコイル電流とを制御するものである。
この発明に係る電源装置は、アノード電極とガス流量調節器と磁場生成用コイルとを設けたイオン加速装置を制御する電源装置であって、アノード電極へ印加されるアノード電圧とガス流量調節器を介して流されるガス流量と磁場生成用コイルへ流されるコイル電流とを制御してイオン加速装置のイオン加速量を調整する制御装置を備え、制御装置は、少なくともアノード電圧とコイル電流とに関係付けられた関数に従ってアノード電圧とガス流量とコイル電流とを制御するので、放電振動現象の発生を抑え、安定にイオン加速装置であるホールスラスタを動作させる電源装置を得ることができる。
実施の形態1.
図1は、この発明を実施するための実施の形態1における電源装置の構成図である。図1において、電源装置1は、イオン加速装置であるホールスラスタ11およびホールスラスタ11へ電子を供給するホローカソード21を制御するものである。図1では、環状の装置であるホールスラスタ11の中心軸を通り、中心軸に平行な面でのホールスラスタ11の断面図を示している。ホールスラスタ11は、アノード電極12、磁場生成用コイルである内部コイル13と外部コイル14、ガス流量調節器15および円環状のイオン加速領域18を形成する内側リング16と外側リング17によって構成されている。図2は、図1に示した直線A−Aでの断面図(ホールスラスタ11の軸方向に垂直な面での断面図)である。アノード電極12、外部コイル14、内側リング16および外側リング17は円環状の形状である。
イオン加速領域18の底面側(図1では下側)からイオン化するガスが導入される。導入されるガスは、イオン加速領域18においてガス放電を生じさせるためのものである。また、底面側にアノード電極12が設けられている。アノード電極12に印加されるアノード電圧によって、ガス粒子はホールスラスタ11の軸方向に加速され、開放となっているイオン加速領域18の底面の反対側(図1では上側)であるイオン出力端側に加速されて出力される。イオン加速領域18の内部および外部には、ホールスラスタ11の軸方向に磁場を形成するための内部コイル13および外部コイル14が設けられている。内部コイル13および外部コイル14は、アノード電極12側では磁性体材料によってつながっており、磁気回路を形成している。イオン出力端側には、磁束密度を調整するためのポールピース19が設けられている。通常、各コイル13,14で発生する磁束は、イオン出力端の位置で最も強くなり、アノード電極12側で弱くなるように、ポールピース19が設計されている。
ガス放電を生じさせるためには電子の供給が必要である。また、加速して放出されたイオンによってホールスラスタ11を搭載した人工衛星本体が電気的に帯電することを防ぐために、電子源が必要である。本実施の形態では、ホールスラスタ11のイオン出力端の近傍にホローカソード21が設けられており、ホローカソード21からホールスラスタ11へ電子が供給される。このようなホールスラスタのシステムでは、ホールスラスタ11およびホローカソード21を駆動し、制御するための電源および制御システムが必要である。
電源装置1は、ホールスラスタ11を制御するためのアノード電源2、コイル電源である内部コイル電源3と外部コイル電源4およびガス流量制御装置5ならびにホローカソード21を制御するためのヒータ電源6、キーパ電源7およびカソード用ガス流量制御装置8ならびにこれらを制御する制御装置9によって構成されている。電源装置1は、アノード電極12と磁場生成用コイルである内部コイル13および外部コイル14とガス流量調節器15とを設けたイオン加速装置であるホールスラスタ11を制御する。アノード電源2はアノード電極12へアノード電圧Vaを印加し、コイル電源である内部コイル電源3および外部コイル電源4は磁場生成用コイルである内部コイル13および外部コイル14へコイル電流Icを流し、ガス流量制御装置5はガス流量調節器15を介してガス流量Qを調整する。制御装置9は、アノード電極12へ印加されるアノード電圧と磁場生成用コイルである内部コイル13および外部コイル14へ流されるコイル電流とガス流量調節器15を介して流されるガス流量とを制御してイオン加速装置であるホールスラスタ11のイオン加速量を調整し、少なくともアノード電圧とコイル電流とに関係付けられた関数に従ってアノード電圧とコイル電流とガス流量とを制御する。
ガス流量制御装置5は、制御装置9からの指令に従ってホールスラスタ11のガス導入部におけるガス流量Qを制御する。また、制御装置9からの指令に従って内部コイル電源3および外部コイル電源4は、内部コイル13および外部コイル14に流れるコイル電流Icを制御する。内部コイル13および外部コイル14には、通常は一定の直流電流であるコイル電流Icを流し、このコイル電流Icによってイオン加速領域18内に一定の磁界が形成される。内部コイル電源3および外部コイル電源4によって、内部コイル13に流れる電流および外部コイル14に流れる電流は、それぞれ独立して設定することができ、これによってイオン加速領域18内の磁束密度の微調整および磁界分布の微調整を行うことができる。本実施の形態では、内部コイル13および外部コイル14に同じ電流値のコイル電流Icを流す。
アノード電源2は、アノード電極12に印加するアノード電圧を制御する。定常運転時には、一定値のアノード電圧Vaがアノード電極12へ印加される。アノード電圧Vaによってイオンが加速され、ホールスラスタ11の推力が得られる。通常、アノード電圧Vaは100〜400Vの範囲の中で設定される。加速されたイオンによるイオン電流および放電空間内の電子の移動による電子電流は、回路上ではアノード電源2によって流されることになる。このため、アノード電源2は、ホールスラスタ11の推力を得るためのエネルギを供給する部分であり、ホールスラスタ11のシステムでは最も容量の大きな電源である。
電子源であるホローカソード21は、ホローカソード21にガスを供給するためのカソード用ガス流量制御装置8、ホローカソード21の陰極を過熱するためのヒータ電源6、およびホローカソード21からの電子の流れを安定に維持するためのキーパ電源7によって制御されている。
ホールスラスタ11を駆動するための制御装置9は、ホールスラスタ11を搭載する人工衛星のシステム(図示せず)または地上からの指令(図示せず)によって制御されている。本実施の形態では、制御装置9によって、少なくとも、アノード電源2、コイル電源3,4およびガス流量制御装置5が制御されている。
ホールスラスタ11を駆動する際には、放電振動現象が発生する場合がある。放電振動現象の発生要因は、ホールスラスタ11の装置構造、磁界分布、アノード電圧など様々であり、特定の条件下では発生しない。ホールスラスタ11の稼動中に外部から制御できるパラメータは、アノード電圧Vaとガス流量Qとコイル電流Icとの3つである。ホローカソード21の駆動条件は、放電振動現象にあまり依存しない。
図3は、アノード電圧Vaとガス流量Qとコイル電流Icとの3つのパラメータに対するアノード電流の振動の強さの依存性について実験を行った結果の一例を模式的に示したものである。アノード電流の振動の強さによって放電振動現象の強さがわかる。図3において、横軸はコイル電流Ic、縦軸はアノード電流の振動の強さである。図3(a)はガス流量Qが小さい場合のコイル電流Icとアノード電流の振動の強さとの関係、図3(b)はガス流量Qが大きい場合のコイル電流Icとアノード電流の振動の強さとの関係である。図3からわかるように、アノード電流の振動の強さは、アノード電圧Vaとガス流量Qとコイル電流Icとのいずれにも依存していることがわかる。このため、アノード電流の振動の強さは、これら3つのパラメータの関数として関連づけることができる。つまり、放電振動現象の強さは、アノード電圧Vaとガス流量Qとコイル電流Icとの関数として関連づけることができる。
このように、アノード電圧Vaとガス流量Qとコイル電流Icとがどのような値のときにアノード電流の振動が小さいかというデータベースを得ることができる。したがって、イオン加速装置の出力であるイオン加速量に対応するアノード電流の振動を抑制するようなアノード電圧Vaとコイル電流Icとに関係付けられた関数を得ることができ、制御装置9によって、この関数に従ってアノード電圧Vaとガス流量Qとコイル電流Icとを制御することで、アノード電流の振動を抑制することができる。いいかえれば、アノード電圧Vaとガス流量Qとコイル電流Icとを調節することで、アノード電流の振動を避けることができる。
アノード電圧Vaおよびガス流量Qは、ホールスラスタ11の推力を決定する上で、非常に重要なパラメータであり、特定の推力でホールスラスタ11を運転する場合には、アノード電圧Vaおよびガス流量Qはあらかじめ設定されていることが多い。これに対してコイル電流Icは、ある範囲内であれば自由に値を選ぶことができる。また、ガス流量Qは設定した値に追従するために時間を要するものの、コイル電流Icは設定した値に比較的容易に追従する。このため、アノード電圧Vaおよびガス流量Qが外部からの制御指令として入力され、アノード電圧Vaとガス流量Qとコイル電流Icとのそれぞれの値を調整する際には、これらの値の組合せとデータベースとを照らし合わせてコイル電流Icを設定することが適切である。
放電振動現象が生じにくいアノード電圧Vaとガス流量Qとコイル電流Icとのパラメータの組合せについて説明する。放電振動現象が生じにくいアノード電圧Vaとガス流量Qとコイル電流Icとの3つのパラメータの組合せのデータベースを得ることは、3つのパラメータの可変範囲全てにわたってアノード電流の振動の強さを測定する実験を行うことで可能となる。このデータベースによって、放電振動現象が生じにくい3つのパラメータの組合せの条件を選んで、電源装置1によってホールスラスタ11を駆動させる。また、アノード電圧Vaおよびガス流量Qが過渡的に変化する場合において、同時に変化させるコイル電流Icの設定値がわかる。このデータベースを用いたホールスラスタ11の制御も原理的に可能である。
しかしながら、このデータベースを得るためには、3つのパラメータの可変範囲全てにわたってアノード電流の振動の強さを測定する実験を行う必要がある。また、3つのパラメータの可変範囲全てにわたってアノード電流の振動の強さのデータベースを取得しても、全てのアノード電圧Vaおよびガス流量Qの可変範囲内で、アノード電流の振動を抑制できるコイル電流Icの値が存在するのかどうか不明である。そこで、物理的な原理に基づいたアノード電流の振動発生の条件の定式化と、この式に基づいた制御方法の確立とが必要である。
振動の発生条件の定式化については、例えば非特許文献2の式22に、放電振動現象を抑制するための条件式として式(1)のように表される。
Figure 2007177639
ここで、kiはイオン化周波数、Nnは中性原子密度、Lはイオン化が生じている領域の軸方向の代表的な長さである。図1で示したように、通常、ホールスラスタ11ではイオン出力端で磁束密度が最も大きくなるように設計されている。この結果、イオン化が生じる領域は、イオン出力端付近となる。Veaはイオン化が生じている領域のアノード電極12側の面での電子速度、Vexはイオン化が生じている領域のイオン出力端側の面での電子速度である。ここでは左辺の電子の速度に着目する。まず、電子の速度Veは、非特許文献2の式10に示されているように、電子の移動度μを用いて式(2)のように表される。
Figure 2007177639
ここで、μは電子の移動度、Eは電界強度、Dは拡散係数、Neは電子密度、kBはボルツマン定数、Teは電子温度、qeは電子の電荷量である。拡散の効果を無視すると、右辺第一項の電界によるドリフトの項だけとなる。ところで、移動度は、古典拡散を仮定した場合、式(3)のように表される。
Figure 2007177639
ここで、Bは磁束密度、ν=kmNnは電子の衝突の周波数、Nnはガス密度である。次に、磁束密度Bがコイル電流Icに比例し、ガス密度がガス流量Qに比例し、イオン加速装置であるホールスラスタ11の出口であるイオン出力端の出口断面積Sに反比例すると仮定する。出口断面積Sは、図2の内側リング16の外径と外側リング17の内径とに囲まれたリング状の領域の面積である。ホールスラスタ11においては、電界強度Eは、磁束密度の強い部分で電界強度が強くなるため、電界強度は磁束密度の軸方向の分布に依存する。ここで、磁束密度の軸方向はイオン加速装置のイオン加速方向、磁束密度の半径方向は磁束密度の軸方向に垂直な方向である。
軸方向zに沿った磁束密度の半径方向成分の分布をB(z)、イオン出力端での磁束密度の半径方向成分をBとすると、図1で述べたように、B(z)の分布の中で、一般に、イオン出力端における磁束密度Bが最も大きくなり、従ってプラズマの発生も概ねこの付近で最も強くなるので、このBを代表的な磁束密度の値として考えてよい。イオン加速方向である軸方向の磁束密度の平均値に対するイオン出力端での磁束密度の比率である磁束偏り率βを式(4)のように定義することができる。
Figure 2007177639
ここで、dはイオン加速装置であるホールスラスタ11のイオン加速領域18の長さであるイオン加速領域長dである。イオン加速領域長dは、アノード電極12からイオン出力端までの距離であり、積分はアノード電極12(Anode)からイオン出力端(Exit)までの軸方向距離に対する積分を表している。磁束偏り率β、イオン加速領域長dおよびイオン出力端の出口断面積Sはホールスラスタ11の形状および設計に依存するパラメータである。陰極であるホローカソード21がイオン出力端に十分に近い位置に設置されていると仮定すると、磁束偏り率βを用いることで、イオン出力端での電界強度Exを式(5)のように近似的に表わすことができる。
Figure 2007177639
古典拡散の場合には、式(2)および式(5)から、電子の速度Ve_cは、式(6)のように表わすことができる。
Figure 2007177639
電子の速度がこの依存性を示すならば、式(1)の左辺も同様の依存性があるはずである。つまり、振動の生じやすさが、式(6)の右辺のような形で整理できる。そこで、式(6)で得られた関係式を用いて、(β×Va×Q)/(d×S×B)とアノード電流の振動の強さとの関係を調べた。
図4は、この発明を実施するための実施の形態1におけるアノード電流の振動の強さを示すグラフである。図5において、横軸は(β×Va×Q)/(d×S×B)、縦軸は規格化したアノード電流の振動の強さとして実験結果をプロットしている。また、図中にプロットした点は、さまざまなアノード電圧Va〔V〕とガス流量Q〔sccm〕とコイル電流Icに比例する磁束密度B〔T〕とを組合せた条件において、アノード電流の振動の強さを測定したものである。ガス流量Qの単位sccmは、Standard Cubic Centimeter per Minutesの略語である。アノード電流の振動の強さは、アノード電流の電流波形の変動の振幅によって求めることができる。この実験において、ホールスラスタ11に流したガスはXeである。場所によって磁束密度の値は異なる。本実施の形態では、ホールスラスタ11のイオン出力端付近の磁束密度を磁束密度B〔T〕とした。また、ホールスラスタ11のイオン出力端の出口断面積をS〔m〕、イオン加速領域長をd〔m〕、磁束偏り率をβとした。
図4より、古典拡散に基づいて規格化した式(6)から、(β×Va×Q)/(d×S×B)を横軸にして実験結果をプロットした場合には、全てのアノード電流の振動の強さのデータが、ほぼひとつの曲線上に集まっていることがわかる。図4において、領域1は非常に激しいアノード電流の振動が生じている領域である。これに対して、領域2はアノード電流の振動が抑制され、安定に動作している領域である。このため、ホールスラスタ11の動作領域として、領域2を選べばよいことがわかる。なお、領域3では、アノード電流の振動が一部発生している。領域3では磁場が比較的弱く、ホール効果が十分に強いホールスラスタ11の典型的な動作領域から外れているため、いくつかの近似によって得られた式(1)では現象を説明できない領域である。つまり、領域3もホールスラスタ11の動作領域としては好ましくない。
また、領域2と領域3との境界は領域1と領域2との境界ほど明確でない。このため、式(1)の等号に相当すると領域1と領域2との境界に近い領域2を制御範囲として選ぶ方が適切である。ホールスラスタ11の構造および種類によっては、領域2が非常に狭くなるので、アノード電流が振動しやすい場合には、図4に示したような関係図に基づく制御が有効である。
これらのことから、(β×Va×Q)/(d×S×B)が領域2に入るように、アノード電圧Vaとガス流量Qとコイル電流Icに比例する磁束密度Bとの組合せを選ぶべきであることがわかる。そこで、推進剤としてXeを用いた場合には、アノード電圧Vaとコイル電流Icとに関係付けられた関数である式(7)を満足するように、つまり、(β×Va×Q)/(d×S×B)が200×10以上500×10以下の範囲に収まるように、アノード電圧Vaとガス流量Qとコイル電流Icに比例する磁束密度Bとの組合せ選べばよい。
Figure 2007177639
つまり、制御装置9は、イオン加速装置であるホールスラスタ11のイオン出力端の出口断面積Sとイオン加速装置のイオン加速領域長dと磁束密度のイオン加速装置のイオン加速方向の平均値に対するイオン出力端での磁束密度Bの比率である磁束偏り率βとに基づき、アノード電圧Vaとコイル電流Icとに関係付けられた関数である式(7)を満たすようにアノード電圧Vaとガス流量Qとコイル電流Icに依存するイオン出力端での磁束密度Bとを制御することによって、放電振動現象の発生を抑えることができる。以上のことから、ホールスラスタ11の駆動条件として、(β×Va×Q)/(d×S×B)をある一定範囲に収まるようにしておけば、放電振動現象は原理的に抑制できることが明確となった。
ここで、式(7)で示した値は、推進剤としてXeを用いた場合であり、他の推進剤、たとえばKrやArを用いた場合には式(7)の閾値は異なるものになるだろうと想像される。しかしながら、閾値は異なっても、駆動条件として、(β×Va×Q)/(d×S×B)をある一定範囲に収まるようにしておけば、放電振動現象は原理的に抑制できるであろうことは同様である。
ところで、磁束密度はコイル電流Icに依存するものの、磁束密度が低い領域ではコイル電流Icにほぼ比例し、磁束密度が大きくなるとコイル電流Icに関係なく飽和する傾向がある。したがって、磁束密度が飽和しない磁束密度が低い領域では、外部から制御できるパラメータで構成したVa×Q/Icを指標として選ぶことが妥当である。このことは明確な理論的裏づけを得ただけでなく、どのように制御すれば放電振動現象の発生を抑えることができるということに対して、極めて明確な指針を与えるものである。つまり、Va×Q/Icをある一定範囲に保つこと、いいかえれば、アノード電圧Vaとコイル電流Icとに関係付けられた関数として、アノード電圧Vaの平方根とガス流量Qの平方根とを乗算した値に略比例するようにコイル電流Icの値を維持すればよいということである。
ただし、この関係にはいくつもの近似が含まれている。まず、磁束密度はコイル電流Icにそれほど厳密に比例しないことが測定結果から確認されている。磁束密度はホールスラスタ11内部で分布を持ち、ホールスラスタ11の構造などにも強く影響されるので、磁束密度とコイル電流Icとの関係を明確にあらわすことは困難である。また、ガス流量Qとガス密度との比例関係もいくつかの近似の結果であり、特にホールスラスタ11内部のガスの速度(ガスの温度)を一定と近似したものであるので、かならずしも比例することが保証されているわけではない。ガス密度は空間的な分布もあり、これを実験的に求めることは困難であり、両者の比例関係が保証されているわけではない。さらに、アノード電圧Vaと電界強度Eとの関係についても、先に述べたように、磁束密度の分布と電界強度の分布とが正確に比例するわけではない。
このように、式(6)はあくまで近似式であり、便宜上のものである。式(3)の理論式に近づけるためには、Va×Q/Icではなく、E×Nn/Bを制御の指針にすることが望ましい。E、NnおよびBは空間的な分布であるので、制御することは容易ではない。しかしながら、E、NnおよびBとVa、QおよびIcとの関係がより厳密に対応付けることが可能であれば、E×Nn/Bの関係式に従って、それぞれのパラメータの制御を行うことによって、より精度の高い制御を行うことができる。
また、式(6)の関係式が適用できるのは、図4の領域1と領域2との境界だけである。領域3については、これまで説明した理論を適用することができない。このため、領域3についても明確な関係式を得るためには、放電振動現象に関する実験結果が必要である。つまり、式(6)の関係式に基づき制御を行う方法と実験結果から得られるデータベースに基づき制御を行う方法とを併用することが望ましい。
このように、ホールスラスタ11の放電振動現象は、アノード電圧Va、磁束密度B、ガス流量Qに依存するガス密度によって決まるので、これらのパラメータを互いに関連するように変化させることでホールスラスタ11の動作が不安定になる動作領域を避けることができる。そして、放電振動現象の発生は、Va×Q/Icで表わされる関数に依存することがわかった。
以上のように、制御装置9によって、コイル電流Icがアノード電圧Vaの平方根とガス流量Qの平方根とを乗算した値に略比例するように制御を行う、つまり、アノード電圧Vaとコイル電流Icとに関係付けられた関数に従ってアノード電圧Vaとガス流量Qとコイル電流Icとを制御するので、ホールスラスタ11はあらゆる動作領域で、放電振動現象の発生を抑え、安定にイオン加速装置であるホールスラスタ11を動作させる電源装置1を得ることができる。
実施の形態2.
実施の形態1においては、コイル電流Icがアノード電圧Vaの平方根に略比例するように制御する場合について説明した。本実施の形態では、コイル電流Icがアノード電圧Vaに略比例するように制御する場合について説明する。一般的に、ホールスラスタ11内部の電子の速度は、磁束密度の弱い領域では古典拡散に従うが、強い領域では異常拡散に従う。異常拡散(Bohm拡散)を仮定した場合には、電子の移動度μおよび電子の速度Vは式(8)および式(9)のように表わすことができる。
Figure 2007177639
Figure 2007177639
式(9)と式(6)とを比較すると、放電振動現象が依存するパラメータが(β×Va)/(d×B)またはVa/Icなっている。しかしながら、図4においてプロットしたデータを横軸に(β×Va)/(d×B)としてプロットしても、放電振動現象が低減するような明確な傾向はない。このことから、図4で示した領域2のデータは、古典拡散の領域のデータであると理解できるので、異常拡散が支配的となる磁束密度Bがより大きくなる領域では、Va/Icが一定範囲に収まるように、つまり、アノード電圧Vaとコイル電流Icとに関係付けられた関数としてコイル電流Icがアノード電圧Vaに略比例するように制御することが適切である。
以上のように、コイル電流Icがアノード電圧Vaに略比例するように制御するので、磁束密度Bがより大きくなる領域でも、放電振動現象を低減させることができる。
実施の形態3.
実施の形態1において説明したようなホールスラスタ11の制御を行うことで、放電振動現象が発生しにくい安定な動作を行うことができる。つまり、任意のアノード電圧Vaおよびガス流量Qの条件に対して、適切なコイル電流値Icを選ぶことで、ホールスラスタ11はあらゆる動作領域で、安定な動作を行うことができる。このような条件下で制御を行うことは、定常的にホールスラスタ11が動作している場合に重要であるだけではなく、ホールスラスタ11の動作開始時に、アノード電圧Vaを立ち上がる場合や、ホールスラスタ11の推力を変更するために、イオン加速量の変更時に、アノード電圧Vaおよびガス流量Qを変化させる場合などの過渡状態においても、放電振動現象が発生しにくくなり、ホールスラスタ11の動作の安定性を向上させるために非常に効果的である。
図5は、ホールスラスタ11の動作開始時(放電開始時)のアノード電圧の電圧波形、アノード電流の電流波形およびコイル電圧の電流波形を示したものである。図5において、横軸は時間経過であり、縦軸は電圧または電流である。アノード電圧Vaを急激に印加すると、ホールスラスタ11の動作開始時の突入電流が大きくなるので、msオーダの時定数をもって、緩やかにアノード電圧Vaを上昇させている。本実施の形態においては、ガス流量Qは急な調節はできないと考えているので、アノード電圧Vaの印加前から所定の流量でガスを流している。
図5(a)は、アノード電圧Vaの印加前から、コイル電流Icを所定値で流している場合の電圧波形および電流波形である。この場合には、ガス流量Qおよびコイル電流Icが所定の値のままであり、アノード電圧Vaだけが変化する。このため、アノード電圧Vaが初期値から安定値まで変化する過程で、特にアノード電圧Vaが低い場合に、実施の形態1で説明した図4の領域1の状態になるので、放電振動現象が発生する。放電振動現象の発生は、ホールスラスタ11のシステムの安定性にとって非常に問題である。
これに対して、図5(b)に示したような制御を行うことによって放電振動現象の発生を抑えることができる。図5(b)においては、アノード電圧Vaの印加後からアノード電圧Vaが安定するまでの間、アノード電圧Vaの上昇に従ってコイル電流Icを徐々に上昇させている。アノード電圧Vaとコイル電流Icとに関係付けられた関数であるVa×Q/Icに基づいて制御を行う場合には、ガス流量Qが一定であることを考慮して、アノード電圧Vaの平方根に略比例するようにコイル電流Icを制御する。つまり、コイル電流がアノード電圧Vaの平方根とガス流量Qの平方根とを乗算した値に略比例するように制御されている。別のアノード電圧Vaとコイル電流Icとに関係付けられた関数であるVa/Icに基づいて制御を行う場合には、アノード電圧Vaに比例するようにコイル電流Icを制御する。このように、式(6)または式(9)の関係式を満足するように、アノード電圧Vaの上昇に従ってコイル電流Icを徐々に上昇させる制御によって、ホールスラスタ11の動作開始から安定動作時までの間で放電振動現象の発生を抑えることができ、安定な立ち上がり動作を実現できる。
ホールスラスタ11の動作開始時、つまり、放電開始時に、コイル電流Icが大きくなり磁束密度Bがかなり高い場合には、ホール効果によって放電が生じにくくなる。このためにも、放電開始時には、コイル電流Icを比較的小さくしておく。また、アノード電圧Vaの立ち上がりは、アノード電源2内部の回路のCRなどの時定数で調整するか、またはアノード電源2の電圧制御部分でなだらかに立ち上がるような設定を行う。アノード電圧Vaのなだらかな変化に対応して、コイル電流Icをなだらかに変化させる。コイル電流Icをなだらかに変化させるためには、コイル電源3,4内部の回路構成によって行うか、または電流設定を段階的に行う事によって、コイル電流Icを階段状に増大させる。図4に示すように、放電振動現象が生じにくい安定な領域にはある程度の余裕があるので、この範囲内に収まるようにコイル電流Icを調整すればよい。
ここで、ホールスラスタ11の動作開始時に、アノード電圧Vaに対応してコイル電流Icを変化させる場合には、アノード電圧Vaの印加開始と同時かまたはアノード電圧Vaの印加開始より前にコイル電流Icを流し始める必要がある。つまり、制御装置9は、アノード電圧Vaの印加開始以前にコイル電流Icが流れるように制御している。コイル電流Icが流れていない状態、つまり、ホールスラスタ11内部で磁束が発生していない状態で、アノード電圧Vaを印加すると、電子の速度が磁場によって遅くなることがないので、陰極とアノード電極12との間にアークが発生して電極間が短絡状態になる。このような場合には、ホールスラスタ11内部に大きな電流が流れて、ホールスラスタ11が損傷することがある。
アノード電圧Vaを印加する前に、コイル電流Icを流し始める場合には、少なくともアノード電圧Vaが立ち上がる瞬間には、コイル電流Icがアノード電圧Vaの平方根とガス流量Qの平方根とを乗算した値に比例するという関数には適合しない。アノード電圧Vaがゼロから始まることを考えれば、アノード電圧Vaが十分小さい領域で必ず図4の領域1を通過するはずである。しかしながら、図5をみてもわかるようにアノード電流はアノード電圧Vaがある程度大きくなってから流れ始める。アノード電圧Vaが、ある程度大きくならないと放電が開始しないので、アノード電圧Vaが小さい場合には、電流が流れていない。つまり、放電が開始していない段階では不安定な放電振動現象も生じない。このため、アノード電圧Vaが所定値以下の場合には領域1の条件であっても放電振動現象の問題は生じない。また、コイル電流Icはアノード電圧Vaの平方根とガス流量Qの平方根とを乗算した値、またはアノード電圧Vaに略比例していればよいので、厳密に比例させる必要はなく、図4の領域2に示すように放電振動現象が発生しにくい条件には裕度がある。立ち上がり時のコイル電流Icの制御は困難であるので、コイル電流Icをアノード電圧Vaの平方根とガス流量Qの平方根とを乗算した値に厳密に比例させる必要はなく、図4の領域2に示すような裕度の範囲に入るように、略比例するように制御すればよい。
なお、図5(c)に示すように、電力の損失が問題にならなければ、予めコイル電流Icを小さく流しておき、弱い磁場を常に形成しておいてもよい。
このように、ホールスラスタ11の動作開始時(放電開始時)には、アノード電圧Vaが大きく変化するので、アノード電圧Vaが増大する途中で放電振動が強くなる領域を通過するため、不安定になりやすい。したがって、Va×Q/Icの条件に従って、ガス流量Qを一定として、コイル電流Icをアノード電圧Vaと同時に変化させれば、動作開始時のホールスラスタ11の安定性が大きく向上する。また、コイル電流Icが比較的小さい時に放電が開始するので、ホール効果の影響を受けにくく、確実に放電が開始できる。さらに、ホールスラスタ11の動作開始時には、ガス流量Qはすぐには変化しないので、最初にガスを流し始めてから、アノード電圧Vaを印加する。このときアノード電圧Vaと同時にコイル電流Ic上昇させるので、アノード電圧Vaの立ち上がり時にアノード電流が不安定になることを防ぐことができる。
以上のように、イオン加速装置であるホールスラスタ11の動作開始時に、制御装置9は、アノード電圧Vaの印加開始以前にコイル電流Icが流れ、アノード電圧Vaの印加後からアノード電圧Vaが安定するまでの間、コイル電流Icがアノード電圧Vaの平方根とガス流量Qの平方根とを乗算した値に略比例するように制御する、またはコイル電流Icがアノード電圧Vaに略比例するように制御するようにしたので、ホールスラスタ11の動作開始時においても、放電振動現象の発生を抑え、安定にイオン加速装置であるホールスラスタ11を動作させる電源装置1を得ることができる。
実施の形態4.
図6は、この発明を実施するための実施の形態4におけるイオン加速量の変更時のアノード電圧Vaとガス流量Qとコイル電流Icとの設定値の変更を行うための手順を示すフローチャートである。ホールスラスタ11の推力を変化させるためにイオン加速量を変更する場合にも、実施の形態1で説明したアノード電圧Vaとガス流量Qとコイル電流Icとの制御を行って放電振動現象を抑える必要がある。しかしながら、設定値の変更時に過渡的に各パラメータが変化するので、特にガス流量Qを変更する場合の手順について説明する。ガス流量Qは、アノード電圧Vaおよびコイル電流Icなどの電気的な諸量と比較すると、その値を変更するためにはるかに長い時間が必要である。
安定に動作する条件としては、式(6)と式(9)との2つの場合があり得ることは既に述べた。イオン加速量の変更時には、まず変更前に、式(6)と式(9)とのどちらの領域で動作しているかを把握する必要がある。古典拡散領域の式(6)では、コイル電流Icは、アノード電圧Vaの平方根とガス流量Qの平方根とを乗算した値に比例して変化させるべきであるし、異常拡散領域の式(9)では、コイル電流Icは、アノード電圧Vaに比例して変化させるべきである。このことを前提として、イオン加速量を安定に変更する手順について説明する。
まず、ステップST101において、アノード電圧Va1、ガス流量Q1およびコイル電流Ic1を変更前の値とする。ステップST102において、ガス流量だけQ1からQ2へ変更した場合に放電振動現象が発生しやすいかどうか判断する。放電振動現象が発生しにくい場合には、ステップST103に進み、ガス流量だけQ1からQ2へ変更する。そして、ガス流量Q2の値が安定していることを確認し、ステップST104において、アノード電圧をVa1からVa2へ、コイル電流をIc1からIc2へ変更する。変更する際に、古典拡散領域で動作している場合には、コイル電流Icは、アノード電圧Vaの平方根とガス流量Qの平方根とを乗算した値に略比例するように制御され、異常拡散領域で動作している場合には、コイル電流Icは、アノード電圧Vaに略比例するように制御される。そして、ステップST105において、アノード、ガス流量およびコイル電流が、それぞれVa2、Q2およびIc2へ変更される。
ステップST102の判断時に、放電振動現象が発生する可能性があると判断される場合には、ステップST106へ進む。ガス流量をQ1からQ2へ変更する際に、放電振動現象が発生する可能性があっても、最初にコイル電流Icを少し変化させておけば安定に変更できる場合には、ステップST107へ進み、最初にコイル電流Icを少し変化させてIc1’とする。ステップST108において、この状態でガス流量をQ1からQ2へ変更する。そして、ガス流量Q2の値が安定していることを確認する。ステップST109において、アノード電圧をVa1からVa2へ、コイル電流をIc1’からIc2へ変更する。変更する際に、古典拡散領域で動作している場合には、コイル電流Icは、アノード電圧Vaの平方根とガス流量Qの平方根とを乗算した値に略比例するように制御され、異常拡散領域で動作している場合には、コイル電流Icは、アノード電圧Vaに略比例するように制御される。そして、ステップST105において、アノード、ガス流量およびコイル電流が、それぞれVa2、Q2およびIc2へ変更される。
ステップST106の判断時に、最初にコイル電流Icを少し変化させても放電振動現象が発生する可能性があると判断される場合には、ステップST110に進む。ここでは、ガス流量Qの変更と同時に、アノード電圧Vaまたはコイル電流Icもしくはこの両方を変更する。ガス流量Qは時間的な細かい調節はできない。しかしながら、電気的な諸量であるアノード電圧Vaおよびコイル電流Icは時間的に値を微調節することは容易である。
ここで、ガス流量制御装置5に与えられた指定値に基づいてガス流量Qを変更する際には、実際のガス流量Qがどのように変化するか、ガス流量Qの変化の時定数をあらかじめ実験などで求めておく必要がある。このガス流量Qの変化の時定数に従って、古典拡散領域で動作している場合には、コイル電流Icがアノード電圧Vaの平方根とガス流量Qの平方根とを乗算した値に略比例するように、異常拡散領域で動作している場合には、コイル電流Icがアノード電圧Vaに略比例するように、アノード電圧Vaおよびコイル電流Icを電気的に制御しながら変更することによって、ガス流量Qの変化時にも、放電振動現象の発生を防ぐ制御を行うことができる。ガス流量が目標値Q2で安定した後に、アノード電圧Vaおよびコイル電流Icを、それぞれ目標値であるVa2およびIc2に変更する。以上の説明では、ガス流量Qを最初に変更することを前提としたが、ガス流量Qと同時にアノード電圧Vaおよびコイル電流Icを変更してもよい。
以上のように、イオン加速量の変更時には、制御装置9は、古典拡散領域で動作している場合には、コイル電流Icがアノード電圧Vaの平方根とガス流量Qの平方根とを乗算した値に略比例するように制御し、異常拡散領域で動作している場合には、コイル電流Icがアノード電圧Vaに略比例するように制御し、放電振動現象が生じる動作条件にならないようにしているので、イオン加速量の変更時においても、放電振動現象の発生を抑え、安定にイオン加速装置であるホールスラスタ11を動作させる電源装置1を得ることができる。
実施の形態5.
図7は、この発明を実施するための実施の形態5における電源装置の構成図である。図7において、電源装置1は、データベース記憶部10を備えたことが実施の形態1と異なる。図7において、図1と同一の符号を付したものは、同一またはこれに相当するものであり、このことは明細書の全文において共通することである。また、明細書全文に表れている構成要素の形容は、あくまで例示であってこれらの記載に限定されるものではない。
データベース記憶部10は、アノード電流の振動を抑えることができるアノード電圧Vaとコイル電流Icとに関係付けられた関数に従うアノード電圧Vaとガス流量Qとコイル電流Icとの関係をテーブル化したデータベースを蓄積している。制御装置9は、データベース記憶部10に蓄積されたデータベースに基づいて、アノード電流の振動を小さくするようにアノード電圧Vaとガス流量Qとコイル電流Icとを制御する。アノード電流の振動を小さくすることで、ホールスラスタ11の出力であるイオン加速量の変動を小さくすることができる。
このようなデータベース記憶部10に蓄積したテーブル化したデータベースを有することによって、放電振動現象の発生の理論が成立しない領域においても、予め実験によって放電振動現象が生じにくいアノード電圧Vaとガス流量Qとコイル電流Icとの3つのパラメータの組合せを求めて、組合せのデータベースとして蓄積することができる。また、ある離散的に放電振動現象が生じにくい動作条件がある場合には、この動作条件で放電振動現象が生じにくいアノード電圧Vaとガス流量Qとコイル電流Icとの3つのパラメータの組合せのデータベースを蓄積することによって、安定したホールスラスタ11の稼動ができる。
以上のように、アノード電流の振動を小さくすることができるようなアノード電圧Vaとガス流量Qとコイル電流Icとのデータベースを蓄積するデータベース記憶部10を備えたので、放電振動現象が生じにくい、安定にイオン加速装置であるホールスラスタ11を動作させる電源装置1を得ることができる。
なお、全ての実施の形態において、イオン加速装置として、ホールスラスタという人工衛星の推進装置について述べている。しかしながら、本発明を、ホールスラスタと同様の装置をイオン源装置として用いる場合などに適用してもよい。また、本発明は、円環状のイオン源装置だけではなく、ガスを流す、電圧を印加する、磁場を形成する、という3要素が含まれている装置について広く一般的に適用できる。
この発明の実施の形態1を示す電源装置の構成図である。 この発明の実施の形態1におけるホールスラスタの断面図である。 この発明の実施の形態1におけるVa、QおよびIcの3つのパラメータに対するアノード電流の振動の強さの依存性を示すグラフである。 この発明の実施の形態1におけるアノード電流の振動の強さを示すグラフである。 この発明の実施の形態3におけるホールスラスタの動作開始時の電圧波形および電流波形を示したものである。 この発明の実施の形態4を示すイオン加速量の変更時の設定値の変更を行うための手順を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態5を示す電源装置の構成図である。
符号の説明
1 電源装置、2 アノード電源、3 内部コイル電源、4 外部コイル電源、5 ガス流量制御装置、6 ヒータ電源、7 キーパ電源、8 カソード用ガス流量制御装置、9 制御装置、10 データベース記憶部、11 ホールスラスタ、12 アノード電極、13 内部コイル、14 外部コイル、15 ガス流量調節器、16 内側リング、17 外側リング、18 イオン加速領域、19 ポールピース、21 ホローカソード。

Claims (8)

  1. アノード電極とガス流量調節器と磁場生成用コイルとを設けたイオン加速装置を制御する電源装置であって、
    前記アノード電極へ印加されるアノード電圧と前記ガス流量調節器を介して流されるガス流量と前記磁場生成用コイルへ流されるコイル電流とを制御して前記イオン加速装置のイオン加速量を調整する制御装置を備え、
    前記制御装置は、少なくとも前記アノード電圧と前記コイル電流とに関係付けられた関数に従って前記アノード電圧と前記ガス流量と前記コイル電流とを制御することを特徴とする電源装置。
  2. 制御装置は、コイル電流がアノード電圧の平方根とガス流量の平方根とを乗算した値に略比例するように制御することを特徴とする請求項1に記載の電源装置。
  3. 制御装置は、イオン加速装置のイオン出力端の出口断面積と前記イオン加速装置のイオン加速領域長と前記イオン加速装置のイオン加速方向の磁束密度の平均値に対する前記イオン出力端での磁束密度の比率である磁束偏り率とに基づき、式(1)を満たすように前記アノード電圧とガス流量と前記コイル電流に依存する前記イオン出力端での磁束密度とを制御することを特徴とする請求項1または2に記載の電源装置。
    Figure 2007177639
    ただし、
    S:イオン出力端の出口断面積[m
    d:イオン加速領域長[m]
    β:磁束偏り率β
    Va:アノード電圧[V]
    Q:ガス流量[sccm]
    B:イオン出力端での磁束密度[T]。
  4. イオン加速装置の動作開始時には、制御装置は、アノード電圧の印加開始以前にコイル電流が流れ、前記アノード電圧の印加後から前記アノード電圧が安定するまでの間、前記コイル電流が前記アノード電圧の平方根とガス流量の平方根とを乗算した値に略比例するように制御することを特徴とする請求項1または2に記載の電源装置。
  5. イオン加速装置の動作開始時には、制御装置は、アノード電圧の印加開始以前にコイル電流が流れ、前記アノード電圧の印加後から前記アノード電圧が安定するまでの間、前記コイル電流が前記アノード電圧に略比例するように制御することを特徴とする請求項1に記載の電源装置。
  6. イオン加速量の変更時には、制御装置は、コイル電流がアノード電圧の平方根とガス流量の平方根とを乗算した値に略比例するように制御することを特徴とする請求項1または2に記載の電源装置。
  7. イオン加速量の変更時には、制御装置は、コイル電流がアノード電圧に略比例するように制御することを特徴とする請求項1に記載の電源装置。
  8. 少なくともアノード電圧とコイル電流とに関係付けられた関数に従う前記アノード電圧とガス流量と前記コイル電流との関係をテーブル化したデータベースを蓄積するデータベース記憶部を備え、
    制御装置は、前記データベースに基づいて前記アノード電圧と前記ガス流量と前記コイル電流とを制御することを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の電源装置。
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