JP2007177025A - ポリエステル系水性分散体用樹脂 - Google Patents

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Abstract

【課題】 重合時の着色がなく、コストも高くなく、重金属を含まない環境問題に配慮したポリエステル系水性分散体用樹脂とその製造方法及び、被塗物との密着性に優れたポリエステル系水性分散体を提供する。
【解決手段】 主として芳香族ジカルボン酸成分とグリコール成分からなるポリエステルであって、酸価が3〜40mgKOH/g、水酸基価が20mgKOH/g以下であり、かつ、チタン酸からなる被覆層が形成されたマグネシウム化合物を100〜400ppm含有するポリエステル系水性分散体用樹脂。
【選択図】 なし

Description

本発明は、高酸価、高水酸基価でポリエステル系水性分散体用の樹脂として好適であり、かつアンチモンに代表される重金属を含まない環境面に配慮したポリエステル系水性分散体用樹脂とその製造方法及びポリエステル系水性分散体に関するものである。
ポリエステル樹脂は、ポリエチレンテレフタレート(以下、PETと称する。)、ポリブチレンテレフタレート(以下、PBTと称する。)、各種金属、塩化ビニル等の成型品やフイルムへの密着性が非常に良好であり、塗料、インキ、接着剤用樹脂として有機溶剤に溶解して大量に使用されている。しかし、近年では、環境に対する配慮から有機溶剤を使用しない塗料、インキ、接着剤が要望されるようになり、ポリエステルを水性分散体として供給することが求められている。
ポリエステルの水性分散体を得る方法として、ポリエステルにカルボキシル基を付与し、これをアミン等により中和して安定化する方法がある。この時、カルボキシル基と水酸基を有するポリエステルを得るために、いったん末端が水酸基のポリエステルを製造して、これにジカルボン酸を付加するか、あるいはジカルボン酸で解重合する方法が一般的である。
両末端が水酸基のポリエステル樹脂を製造する時は、重縮合触媒を用いることが一般的であるが、重縮合触媒には、従来より三酸化アンチモンに代表されるアンチモン化合物が広く用いられている。三酸化アンチモンは安価で、かつ優れた触媒活性を有する重縮合触媒であるが、近年、環境面からアンチモンの安全性に対する問題が欧米をはじめ各国で指摘されている。
三酸化アンチモン等のアンチモン系触媒に代わる重合触媒の検討も行われており、テトラアルコキシチタネートに代表されるチタン化合物やスズ化合物がすでに提案されているが、これらを用いて製造されたポリエステル樹脂は、重合時の着色が激しいという問題を有している。
このようなチタン化合物を重合触媒として用いたときの問題を克服する試みとして、例えば、特許文献1には、重合触媒としてテトラアルコキシチタネートとマグネシウム化合物とを接触させた成分を触媒として使用することが提案されているが、この触媒においても、得られるポリエステル樹脂の着色の問題は解決されていない。
また、チタン化合物を触媒として用いて重合したポリエステルの熱劣化を抑制する他の試みとして、特許文献2には、チタン化合物を触媒としてポリエステルを重合した後にリン系化合物を添加する方法が開示されている。しかし、重合後に添加剤を効果的に混ぜ込むことは、生産工程が複雑になるのと同時にコストアップにもつながり、実用的でない。
アンチモン化合物以外で優れた触媒活性を有し、かつ色調並びに熱安定性に優れた重合触媒としてゲルマニウム化合物がすでに実用化されているが、この触媒は非常に高価であるという問題や、重合中に系外へ溜出しやすいため、反応系の触媒濃度が変化し、重合の制御が困難になるという問題を有しており、触媒主成分として使用することには問題がある。
特開2002-293906号公報 特開平10-259296号公報
本発明は、上記の問題を解決し、重合時の着色がなく、コストも高くなく、重金属を含まない環境問題に配慮したポリエステル系水性分散体用樹脂と、その製造方法及び、被塗物との密着性に優れたポリエステル系水性分散体を提供することを技術的な課題とするものである。
本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意検討した結果、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、次の構成を要旨とするものである。
(1)主として芳香族ジカルボン酸成分とグリコール成分からなるポリエステルであって、酸価が3〜40mgKOH/g、水酸基価が20mgKOH/g以下であり、かつ、チタン酸からなる被覆層が形成されたマグネシウム化合物を100〜400ppm含有することを特徴とするポリエステル系水性分散体用樹脂。
(2)主として芳香族ジカルボン酸成分とグリコール成分からなり、酸価が3〜40mgKOH/g、水酸基価が20mgKOH/g以下のポリエステル系水性分散体用樹脂を製造するに際し、重合触媒として、チタン酸からなる被覆層が形成されたマグネシウム化合物を100〜400ppm添加することを特徴とするポリエステル系水性分散体用樹脂の製造方法。
(3)上記(1)記載のポリエステル系水性分散体用樹脂が、水性媒体に分散もしくは溶解されてなるポリエステル系水性分散体。
本発明によれば、重合時の着色がなく、コストも高くなく、かつ、アンチモンに代表される重金属を含まない環境問題に配慮したポリエステル系水性分散体用樹脂と、その製造方法及び、被塗物との密着性に優れたポリエステル系水性分散体が提供される。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明のポリエステル系水性分散体用樹脂(以下、樹脂と略称することがある。)は、主として芳香族ジカルボン酸成分とグリコール成分からなるポリエステルであるが、本発明において、芳香族ジカルボン酸成分としては、テレフタル酸、イソフタル酸、無水フタル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸を主体とするものが用いられ、必要に応じてアジピン酸、セバシン酸、ドデカン二酸等の脂肪族ジカルボン酸、さらにはトリメリット酸、ピロメリット酸等の三価以上のカルボン酸を併用することができる。
また、グリコール成分としては、エチレングリコール、ジ゛エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール等の脂肪族グリコールを主体とするものが用いられ、必要に応じて1,4−シクロヘキサンジメタノール等の脂環族のアルコール、さらには、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール等の三価以上のアルコールを併用することができる。また、必要に応じて4−ヒドロキシ安息香酸、ε−カプロラクトン等のヒドロキシカルボン酸を併用してもよい。
本発明の樹脂は、酸価が3〜40mgKOH/g、好ましくは5〜39mgKOH/gであることが必要である。酸価が3mgKOH/gに満たないと、樹脂の水性化が困難となる。一方、酸価が40mgKOH/gを超えると、分子量の低下に伴い、コーテイング面の物性が著しく低下する。
また、本発明の樹脂は、水酸基価が20mgKOH/g以下、好ましくは5〜17mgKOH/gであることが必要であり、水酸基価が20mgKOH/gを超えると、耐水性が低下する。
さらに、本発明の樹脂は、チタン酸からなる被覆層が形成されたマグネシウム化合物を100〜400ppm、好ましくは150〜350ppm含有することが必要である。マグネシウム化合物の含有量が100ppm未満では、重合時の触媒活性が十分ではなく、400ppmを超えると、得られる樹脂の色調が悪化したり、マグネシウム化合物が樹脂中で凝集して異物の原因となり、外見を損なうことになる。
なお、チタン酸からなる被覆層が形成されたマグネシウム化合物は、ゲルマニウム化合物よりは安価であり、重合触媒としてゲルマニウム化合物を使用する場合よりコストの上昇を抑えることができる。
本発明において、チタン酸からなる被覆層が形成されたマグネシウム化合物とは、5〜100℃の範囲温度、好ましくは、15〜70℃の範囲の温度でマグネシウム化合物の存在下にチタン化合物を加水分解して、その表面にチタン酸を析出させることによって、マグネシウム化合物の表面にチタン酸からなる被覆層を形成したものである。
上記したマグネシウム化合物としては、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、酢酸マグネシウム、マグネシウムアセチルアセトネート、酢酸以外のカルボン酸等が挙げられるが、特に水酸化マグネシウムが好ましい。
また、チタン化合物としては、チタンハロゲン化物、チタン酸塩、チタンアルコキシド類が用いられる。
本発明で用いるチタン酸からなる被覆層が形成されたマグネシウム化合物は、2種類以上の化合物でもよい。
本発明におけるチタン酸からなる被覆層が形成されたマグネシウム化合物は、必要に応じて、チタン、マグネシウム以外の他の金属を含有してもよいが、その場合には、70質量%以上がチタン化合物とマグネシウム化合物であることが好ましい。他の金属としては、マンガン、ニオブ、タンタル、タングステン、インジウム、ジルコニウム、ハフニウム、ケイ素、ニッケル、ガリウム等が挙げられる。
本発明の樹脂には、本発明の効果を阻害しない範囲であれば、ヒンダードフエノール系化合物のような抗酸化剤、蛍光剤、染料のような色調改良剤、耐光剤等の添加物が含有されていてもよい。
次に、ポリエステル系水性分散体用樹脂の製造方法について説明する。
本発明の製造方法は、主として芳香族ジカルボン酸成分とグリコール成分からなり、酸価が3〜40mgKOH/g、水酸基価が20mgKOH/g以下のポリエステル系水性分散体用樹脂を製造するに際し、重合触媒として、チタン酸からなる被覆層が形成されたマグネシウム化合物を100〜400ppm添加することを特徴とするものである。
具体的には、例えば次のようにして製造することができる。まず、前記のジカルボン酸成分、多価アルコール成分(それらのエステル形成誘導体を含む)等の原料をエステル化反応槽に仕込み、200〜280℃の温度で、窒素ガス雰囲気下で2〜10時間、エステル化反応又はエステル交換反応を行う。次いで、重縮合反応槽に移送し、チタン酸からなる被覆層が形成されたマグネシウム化合物のスラリーを濃度が100〜400ppmとなるように添加し、温度200〜300℃、5hPa以下の減圧下で重縮合反応を行い、末端が水酸基の高重合度のポリエステル樹脂を得る。その後、カルボン酸を添加して、220〜290℃の反応温度で1〜5時間解重合することにより、目的とする樹脂を得ることができる。また、この際、水酸基価を同時に制御するためにグリコール成分を添加することもできる。
なお、ポリエステル樹脂の水性化に寄与するカルボキシル基は、樹脂骨格中に存在するよりも樹脂分子鎖の末端に偏在していることが、被膜の耐熱水性の面から好ましい。
上記のように、チタン酸からなる被覆層が形成されたマグネシウム化合物を重縮合反応槽に添加する際には、スラリーとして添加するが、スラリーに用いる分散媒としては、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,2−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、2,3−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコール等が挙げられ、これらの中でも特にエチレングリコールが好ましい。
また、ポリエステル系水性分散体用樹脂中でマグネシウム化合物が凝集して異物となり、コーテイング面が外観異常になるのを防ぐには、エチレングリコール等の分散媒に所定量の固溶体を添加し、撹拌混合した後、超音波処理を行って、重縮合反応槽に添加するのが好ましい。
なお、超音波の周波数は通常の周波数領域でよく、例えば、20kHz程度から100kHzの範囲を適用できる。超音波を発生させる発振源としては、公知の手段でよく、例えば水晶を用いた圧電振動子、ニッケルやフエライトを用いた電歪発振子等が挙げられる。また、超音波処理の時間は、0.5〜5時間の範囲が好ましい。
次に、本発明のポリエステル系水性分散体(以下、水性分散体と略称することがある。)について説明する。
本発明の水性分散体は、上記のポリエステル系水性分散体用樹脂が水性媒体に分散もしくは溶解されているものである。水性媒体とは、水と有機溶剤を主成分とする液体からなる媒体であり、後述する塩基性化合物を含有していてもよい。
本発明の水性分散体において、ポリエステル系水性分散体用樹脂の含有率は、成膜条件、目的とする樹脂被膜の厚さや性能等により適宜選択でき、特に限定されるものではないが、コーテイング面の粘性を適度に保ち、かつ良好な被膜を形成させるためには10〜45質量%が好ましい。
本発明の水性分散体において、ポリエステル系水性分散体用樹脂のカルボキシル基は、塩基性化合物によって中和されていることが好ましく、中和されてれば、生成したカルボキシルアニオン間の電気反発力によって微粒子間の凝集が防止され、ポリエステル系水性分散体に安定性が付与される。
上記の塩基性化合物としては、揮散しやすいものが好ましくトリエチルアミン、N,N−ジエチルエタノールアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、アミノエタノールアミン、N−メチル−N,N−ジエタノールアミン、イソプロピルアミン、イミノビスプロピルアミン、sec−ブチルアミン、プロピルアミン、メチルアミノプロピルアミン、ジ゛メチルアミノプロピルアミン、メチルイミノビスプロピルアミン、3−メトキシプロピルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モルホリン、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン等が挙げられる。その中でもトリエチルアミンが最も好ましい。
塩基性化合物の使用量としては、ポリエステル系水性分散体用樹脂中に含まれるカルボキシル基の量に応じて、少なくともこれを部分中和し得る量、すなわち、カルボキシル基に対して0.4〜1.5倍等量が最も好ましい。塩基性化合物の使用量が0.4倍等量以上であれば保存安定性を十分に付与することができ、1.5倍当量以下であれば水性分散体を著しく増粘させることはない。
樹脂の水性化を行う場合、水溶性の有機溶剤と水との混合液に分散させて本発明の水性分散体とした後、有機溶剤を除去することで、塗料や接着剤等に使用するポリエステル系水性分散体とすることが一般的である。
使用する有機溶剤としては、20℃における水に対する溶解性が10g/L以上のものが好ましく、有機溶剤の沸点は150℃以下が好ましい。有機溶剤の沸点が200℃を超えると、樹脂被膜から乾燥によって揮散させることが困難になる。
本発明で使用される有機溶剤の具体例としては、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、n−アミルアルコール、イソアミルアルコール、sec−アミルアルコール、tert−アミルアルコール、1−エチル−1−プロパノール、2−メチル−1−ブタノール、n−ヘキサノール、シクロヘキサノール等のアルコール類、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、エチルブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン等のケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、酢酸エチル、酢酸−n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸−n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸−sec−ブチル、酢酸−3−メトキシブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、炭酸ジエチル、炭酸ジメチル等のエステル類、エチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールルメチルエーテルアセテート等のグリコール誘導体、さらには、3−メトキシ−3−メチルブタノール、3−メトキシブタノール、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジアセトンアルコール、アセト酢酸エチル等が挙げられ、これらを2種以上を混合使用してもよい。
上記の有機溶剤の中でも、水性媒体中から有機溶剤を除去しやすい点から、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、エチレングリコールモノブチルエーテル等が好ましい。
さらに、本発明の水性分散体には、必要に応じてレベリング剤、消泡剤、ワキ防止剤、顔料分散剤、紫外線吸収剤等の各種薬剤や、水性ウレタン樹脂や水性アクリル樹脂等の水性樹脂組成物、酸化チタン、亜鉛華、カーボンブラック等の顔料あるいは染料が添加されてもよい。
次に、ポリエステル系水性分散体の製法例について説明する。まず、液体を投入できる槽を備え、槽内に投入された水性媒体と樹脂粉末乃至は粒状物との混合物を適度に撹拌できる装置を用意する。そのような装置としては、固/液撹拌装置や乳化機として広く当業者に知られている装置を使用することができ、通常は簡易的な蓋部を備え付け、常圧又は微加圧下で使用されるが、必要に応じて0.1MPa以上の加圧が可能な装置を使用することもできる。
この装置の槽内に、水、塩基性化合物及び有機溶剤とからなる水性媒体、並びに粒状乃至は粉末状のポリエステル系水性分散体用樹脂を投入し、40℃以下の温度で撹拌混合して粗分散させる。この際にポリエステル系水性分散体用樹脂の形状が、粗分散が困難なシート状や大きな塊状である場合には、下記の加熱工程に移行すればよい。次いで槽内の温度を45℃以上に保ちつつ、15〜120分撹拌を続けることによりポリエステル系水性分散体用樹脂を十分に水性化させ、その後、撹拌下で40℃以下に冷却することにより、ポリエステル系水性分散体を得ることができる。
槽内の加熱方法としては、槽外部からの加熱が好ましく、例えば、オイルバスやウオーターバスを使用して外部加熱を行う方法や、槽自体にジャケットを備え付け、そのジャケット内に加熱されたオイル又は水を流すことにより、槽内を外部加熱する方法を挙げることができる。槽内の冷却方法としては、例えば室温で自然放冷する方法や、上記加熱方法において、0〜40℃のオイル又は水を使用して冷却する方法を挙げることができる。
なお、ポリエステル系水性分散体用樹脂を上記槽内に投入する前に、必要に応じて前記樹脂にジェット粉砕処理を行ってもよい。ここでいうジェット粉砕処理とは、ポリエステル系水性分散体用樹脂のような流体を、高圧下でノズルやスリットのような細孔より噴出させ、樹脂粒子同士や樹脂粒子と衝突板とを衝突させて、機械的なエネルギーによって樹脂粒子をさらに細粒化することであり、そのための装置の具体例としては、A.P.VGAULIN社製ホモジナイザー、みずほ工業社製マイクロフルタイザーM-110E/H、Sonic社製ソノレーターA-HP型等が挙げられる。
次いで、上記のようにして得られた本発明のポリエステル系水性分散体から、有機溶剤を除去することにより、塗料や接着剤等に使用するポリエステル系水性分散体を得ることができる。
有機溶剤の除去方法としては、常圧又は減圧下でポリエステル系水性分散体を撹拌しながら加熱し、有機溶剤を留去する方法を挙げることができる。有機溶剤の含有率はガスクロマトグラフイーで定量することができ、含有率が0.5質量%以上の場合には、上記と同様にして有機溶剤の留去作業を繰り返し行えばよい。また、水性媒体が留去されることにより固形分濃度が高くなるため、例えば粘度が上昇し作業性が悪くなるような場合には、予めポリエステル系水性分散体に水を添加しておくこともできる。
上記のようにして、塗料や接着剤等に使用する水性分散体は、ポリエステル系水性分散体用樹脂が水性媒体中に分散又は溶解され、均一な液状に調製されて得られる。ここで均一な液状であるとは、外観上、水性分散体中に沈殿、相分離あるいは皮張りといった、固形分濃度が局部的に他の部分と相違する部分が見出されない状態にあることをいう。
また、調製直後のポリエステル系水性分散体中には、粗大な粒子が含まれないことが好ましい。ここで粗大な粒子とは、具体的には、ポリエステル系水性分散体を300メツシュのステンレス製フイルター(線径0.035mm、平織)で加圧濾過(空気圧0.2MPa)した際にフイルター上に残存するような粒子のことであり、ポリエステル系水性分散体への粗大な粒子の混入を防ぐ目的で、製造工程中に上記の濾過等を行ってもよい。
次に、本発明のポリエステル系水性分散体から有機溶剤を除去した水性分散体の使用方法について説明する。このポリエステル系水性分散体は、公知の製膜方法、例えばデイツピング法、ハケ塗り法、スプレーコート法、カーテンフローコート法等により各種基材表面に均一にコーテイングし、必要に応じて室温付近でセッテイングした後、乾燥又は乾燥と焼き付けのための加熱処理を施すことにより、均一な樹脂被膜を各種基材表面に密着させて形成することができる。
このときの加熱処理装置としては、通常の熱風循環型のオーブンや赤外線ヒーター等を使用すればよい。また、加熱温度や加熱時間は、被コーテイング物である基材の特性や後述する硬化剤の種類、配合量により適宜選択されるものであるが、経済性を考慮した場合、加熱温度は90〜160℃、加熱時間は10秒〜5分が好ましい。なお、使用前のポリエステル系水性分散体に沈殿や析出物が生じている場合には、これらが取り除かれた状態で使用することが好ましい。
また、上記ポリエステル系水性分散体を用いて形成される樹脂被膜の厚さは、その用途によって適宜選択されるものであるが、0.5〜25μmが特に好ましい。樹脂被膜の厚さが上記範囲となるように成膜すれば、均一性に優れた樹脂被膜を得ることができる。なお、樹脂被膜の厚さを調節するためには、コーテイングに用いる装置やその使用条件を適宜選択することに加えて、目的とする樹脂被膜の厚さに適した濃度のポリエステル系水性分散体を使用することが好ましい。このときの濃度は、調製時の仕込み組成により調節することができる。また、一旦調製したポリエステル系水性分散体を適宜希釈して調製してもよい。
上記のポリエステル系水性分散体は、そのままでも使用できるが、さらに硬化剤を配合して得られるポリエステル系水性分散体を焼付硬化することにより、高度な被膜性能、すなわち、より優れた加工性、耐水性、耐溶剤性の性能を発現することができる。
硬化剤としては、ポリエステル樹脂の有する官能基、例えばカルボキシル基や水酸基、特にカルボキシル基と反応性を有する硬化剤であれば特に限定されるものではなく、例えば尿素樹脂やメラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂等のアミノ樹脂、多官能エポキシ化合物、多官能イソシアネート化合物及びその各種ブロックイソシアネート化合物、多官能アジリジン化合物、カルボジイミド基含有化合物、オキサゾリン基含有重合体、フエノール樹脂等が挙げられる。それらのうちの1種類を使用しても2種類以上を併用してもよい。上記した硬化剤の中でも、アミノ樹脂、特にメラミン樹脂、多官能エポキシ化合物、多官能イソシアネート化合物及びその各種ブロックイソシアネート化合物、オキサゾリン基含有重合体及びカルボジイミド基含有化合物は、ポリエステル樹脂との反応性に優れることから好ましい。その中でも、メラミン樹脂を使用すると、特に優れた耐溶剤性を有する樹脂被膜を形成することができる。
メラミン樹脂とは、メラミンにホルムアルデヒドが付加縮合したものの総称であり、さらにアルコール(ROH)が付加縮合されたりすることにより、メラミンのアミノ基が(1)そのまま残存しているか(―NH2)、(2)イミノメチロール基(―NHCH2OH)、(3)イミノアルキルエーテル基(―NHCH2OR)、(4)ジメチロールアミノ基(―n(CH2OH)2)、(5)部分アルキルエーテル化ジメチロールアミノ基(―N(CH2OH)CH2OR)、(6)完全アルキルエーテル化ジメチロールアミノ基(―N(CH2OR2)のいずれかの構造に変換され、しかもこれら(1)〜(6)が縮合して高分子量化した複雑で様々な構造を含有する化合物である。
硬化剤に用いるメラミン樹脂の平均重合度としては、1.1〜3.0が最も好ましい。そのようなメラミン樹脂としては、例えば三井サイテック社製「サイメル325、サイメル303、サイメル370」等のサイメルシリーズ、あるいは「マイコート212」等のマイコートシリーズ等が挙げられる。
メラミン樹脂を配合して得られるポリエステル系水性分散体には、必要に応じて有機アミン化合物でブロックされたp―トルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸等の酸触媒を添加してもよい。
次に、硬化剤に用いる多官能エポキシ化合物としては、一般的にグリシジルエーテルタイプ、グリシジルエステルタイプ、グリシジルアミンタイプ等が知られている。使用されるエポキシ化合物は特に限定されるものではないが、特にエポキシ基を3個以上有する化合物を用いると、耐水性、耐溶剤性、加工性を向上させることができる。
多官能エポキシ化合物の中でも、その分子構造中にベンゼン環、ナフタレン環等の芳香族環、シクロヘキサン環等の環状脂肪族環、トリアジン環等の複素環、特に芳香族環を有するものが、耐熱性、加工性をより向上させることができる。芳香族環を有する多官能エポキシ化合物としては、ビスフエノールA型、ビスフエノールF型、ビスフエノールAD型、ビスフエノールS型、テトラブロモビスフエノールA型、クレゾールノボラック型、フエノールノボラック型等のエポキシ樹脂が一般的に知られている。
多官能エポキシ化合物の中で、特に芳香族を有する多官能エポキシ化合物は、耐熱性と加工性とのバランスの観点から、JIS K-7234に記載されている環球法により測定された軟化点が60〜100℃のものが好ましく、例えばナガセ化成工業社製「デナコールEM-150、デナキャストEM-101、デナキャストEM-103」等が好適に使用できる。
多官能エポキシ化合物を配合して得られる水性分散体には、必要に応じて硬化触媒が配合されてもよく、硬化触媒としては、第一アミン、第二アミン、第三アミン及びこれらの各種ポリアミン、イミダゾール類等が挙げられる。具体的には、第三アミンしてトリエチレンジアミン、イミダゾール類として2−メチルイミダゾール類等が挙げられる。これらは、ポリエステル樹脂中のカルボキシル基やその無水物と多官能エポキシ化合物との反応促進に特に効果がある。
また、硬化剤に用いる多官能イソシアネート化合物とは、イソシアネート基を1分子中に2個以上有するものであり、3個以上有することにより、さらに耐水性、耐溶剤性、加工性を向上させることができる。ブロックイソシアネート化合物としては、上記多官能イソシアネート化合物のイソシアネート基の一部あるいは全てがカプロラクタム、フエノール、オキシム、有機アミン等、公知のブロック剤で安定化されたものが挙げられる。
多官能イソシアネート化合物としては、例えば住友バイエルウレタン社製「バイヒジュール3100、デスモジュールN3400、デスモジュールDN」、三井武田ケミカル社製「タケネートWD720、タケネートWD725、タケネートWD730」、旭化成工業社製「デュラネートWB40-100、デュラネートWB40-80D、デュラネートWX-1741」等が挙げられる。ブロックイソシアネートとしては、例えば住友バイエルウレタン社製「バイヒジュールBL5140、バイヒジュールBL5235」、第一工業製薬社製「エラストロンBN-69、エラストロンBN77、エラストロンBN-27、エラストロンBN-04」、三井武田ケミカル社製「タケネートWB-700、タケネートWB-720、タケネートWB-730、タケネートWB-920、タケネートXWB-72-K55」等が挙げられる。
多官能イソシアネート化合物及びその各種ブロックイソシアネート化合物を配合して得られるポリエステル系水性分散体には、必要に応じて硬化触媒が配合されてもよく、硬化触媒としては、ジ−n−ブチル錫ジラウレート、テトラ−n−ブチル錫、テトラメチルブタンジアミン等の錫系の硬化触媒が挙げられる。
さらに、硬化剤に用いる多官オキサゾリン基含有重合体は、例えば特開平9-328656号公報に記載されているように、オキサゾリン誘導体を含むモノマー組成物を重合させて容易に得ることができる。そのようなオキサゾリン誘導体としては、例えば、2−ビニル−2−オキサゾリン、2−ビニル−4−メチル−2−オキサゾリン、2−ビニル−5−メチル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−4−メチル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−5−メチル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−5−エチル−2−オキサゾリンが挙げられる。また、オキサゾリン誘導体を含むモノマー組成物に含まれるオキサゾリン誘導体以外のモノマーとしては、オキサゾリン誘導体と共重合し、かつ、オキサゾリン基に対して不活性な化合物であればよく、特に限定されるものではない。オキサゾリン基含有共重合体中において、オキサゾリン誘導体に由来する構造単位が占める割合としては、5質量%以上であることが好ましい。
オキサゾリン基含有重合体としては、例えば日本触媒社製「エポクロスWS-500、エポクロスWS-700、エポクロスK1010E、エポクロスK1020E、エポクロスK1030E、エポクロスK2010E、エポクロスK2020E、エポクロスK2030E」等が挙げらる。
また、硬化剤に用いるカルボジイミド基含有化合物とは、カルボジイミド基(−N=C=N−)を1分子中に1個以上有する化合物であり、通常2個以上のカルボジイミド基を有する重合体として市販されている。例えば、日清紡績社製「カルボジライトE-01、カルボジライトE-02、カルボジライトV-02、カルボジライトV-02-L2、カルボジライトV-04、カルボジライトV-06」等が挙げられる。
硬化剤の配合量は、ポリエステル樹脂の硬化が達成される範囲であれば特に制限されるものではないが、ポリエステル系水性分散体用樹脂の有する各種基材への密着性や加工等を損なわない範囲であることが好ましく、この観点からポリエステル系水性分散体中のポリエステル系水性分散体用樹脂と硬化剤の質量比(不揮発分比)は、ポリエステル系水性分散体用樹脂:硬化剤=95:5〜75:25が好ましい。また、2種以上の硬化剤を配合する場合においては、それらの合計配合量が上記範囲内であればよい。
また、硬化温度と硬化時間については、硬化剤の種類や形成しようとする樹脂被膜の厚み等に依存するため、一概に規定できないが、通常の硬化温度としては80〜250℃で硬化時間は10秒〜30分程度である。
次に、本発明を実施例によって具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例における各特性の評価は、次の方法により行なった。
(1)酸価
ポリエステル系水性分散体用樹脂0.5gをジオキサン/蒸留水=10/1(質量比)の混合溶媒50mlに溶解し、加熱還流した後、0.1×10mol/Lの水酸化カリウムメタノール溶液で滴定して求めた。
(2)水酸基価
樹脂3gをピリジン50mlに溶解し、無水酢酸6mlとピリジン44mlからなるアセチル化液5mlを加えてアセチルを行った後、0.5規定の水酸化カリウムメタノール溶液で滴定して求めた。
(3)色調
日本電飾工業社製の色差計ND-シグマ80型を用い、ハンターLab表色計のb値を求めて評価した。
b値は、が大きいほど黄色味が強くなり、極端に小さくならない限り、小さい方がよい。
○:b値が15.0未満であった。
×:b値が15.0以上であった。
(4)水性分散体の状態
○:層分離や沈殿物が生じなかった。
×:層分離や沈殿物が生じた。
(5)密着性
JIS K 5400に準じ、塗装した塗板を沸騰水中に2時間浸漬し、次いで室温で24時間風乾した。その後、塗膜にカッターナイフで碁盤目状にカットを入れ、粘着テープによる剥離試験を行い、剥離状態によって2段階で評価した。
○:塗膜と素材の界面で、剥離が全く認められない。
×:塗膜と素材の界面で、部分的あるいは全面的に剥離が認められる。
(実施例1)
テレフタル酸9.35kmol(1554kg)、イソフタル酸3.34kmol(555kg)、アジピン酸0.53kmol(78kg)、水10質量%混合ネオペンチルグリコール6.41kmol(742kg)、エチレングリコール6.94kmol(431kg)をエステル化反応槽に仕込み、圧力0.3MPa、温度260℃で4時間エステル化反応を行った。得られたエステル化物を重縮合反応槽に移送した後、重縮合触媒として、水酸化マグネシウムの表面にチタン酸からなる被覆層を形成したマグネシウム化合物(堺化学工業社製TiコートMGZ)の濃度が1.5質量%に調製されたエチレングリコールスラリー40kg(マグネシウム化合物の含有量がポリエステル系水性分散体用樹脂に対して200ppm)を加えて0.5hPaに減圧し、280℃で4時間の重縮合反応を行い、極限粘度0.45dl/gの高重合度のポリエステル系水性分散体用樹脂を得た。次いで、イソフタル酸1.071kmol(178kg)を加え、常圧下、250℃で2時間の解重合を行った後、払出しを行った。
次いで、ジャケット付きの密閉できる2Lのガラス容器を備えた攪拌機「特殊機化工業社製、T.K.ロボミックス」を用いて、300gの得られたポリエステル樹脂、180gのイソプロピルアルコール、24gのトリエチルアミン、496gの蒸留水をガラス容器内に仕込み、攪拌機(ホモデイスパー)の回転速度を7000rpmとして撹拌したところ、容器底部に樹脂粒状物の沈殿は認められず、完全浮遊状態となっていることが確認された。そこでこの状態を保ちつつ、10分後にジャケットに熱水を通して加熱した。そして系内温度を73〜75℃に保ってさらに30分間撹拌した。その後、ジャケット内に冷水を流し、回転速度を4000rpmに下げて撹拌しつつ室温(約25℃)まで冷却して、乳白色の均一なポリエステル系水性分散体を得た。
この水性分散体を用い、リン酸亜鉛処理鋼板上に膜圧が15μmとなるようにスプレー塗装し、130℃で5分間の焼き付けを行った。
(実施例2、4、5)
仕込組成、重合触媒の添加量を表1のように変更した以外は実施例1と同様にしてポリエステル系水性分散体用樹脂を得た。次いで、得られたポリエステル系水性分散体用樹脂を用いて、表1に示す配合比率でポリエステル系水性分散体を得た。
(実施例3)
仕込組成、重合触媒の添加量を表1のように変更した以外は実施例1と同様にしてポリエステル系水性分散体用樹脂を得た。さらに、得られたポリエステル系水性分散体用樹脂にネオペンチルグリコール0.4992kmol(52kg)を添加し、常圧で270℃で1時間の解重合を行った後、トリメリット酸0.3283kmol(69kg)を添加し、常圧で250℃で2時間の解重合を行うことで表1に示すようなポリエステル系水性分散体用樹脂を得た。
次いで、得られたポリエステル系水性分散体用樹脂を用いて、表1に示す配合比率でポリエステル系水性分散体を得た。
(比較例1〜5)
仕込組成、重合触媒の添加量を表1のように変更した以外は実施例1と同様にしてポリエステル系水性分散体用樹脂を得た。次いで、得られたポリエステル系水性分散体用樹脂を用いて、表1に示す配合比率でポリエステル系水性分散体を得た。
実施例1〜5及び比較例1〜5で得られた塗膜の性能を併せて表1に示す。
表1から明らかなように、実施例1〜5で得られたポリエステル系水性分散体用樹脂の色調は良好であり、また、この樹脂を使用したポリエステル系水性分散体は、鋼板との密着性、耐衝撃性、平滑性等の塗膜物性が良好であった。
一方、比較例1は、ポリエステル系水性分散体用樹脂の酸価が高く、塗膜の耐衝撃性と密着性が劣っていた。
比較例2は、ポリエステル系水性分散体用樹脂の酸価が低く、ポリエステル系水性分散体の作液後に沈殿や層分離が生じ、塗膜の評価ができなかった。
比較例3は、ポリエステル系水性分散体用樹脂の水酸基価が高く、塗膜の密着性が劣っていた。
比較例4は、ポリエステル系水性分散体用樹脂の製造時、重合触媒の添加量が多かったため、得られた樹脂の色調が悪かった。
比較例5は、ポリエステル系水性分散体用樹脂の製造時、重合触媒の添加量が少なかったため、重合度が上がらず、反応を途中で中止した。

Claims (3)

  1. 主として芳香族ジカルボン酸成分とグリコール成分からなるポリエステルであって、酸価が3〜40mgKOH/g、水酸基価が20mgKOH/g以下であり、かつ、チタン酸からなる被覆層が形成されたマグネシウム化合物を100〜400ppm含有することを特徴とするポリエステル系水性分散体用樹脂。
  2. 主として芳香族ジカルボン酸成分とグリコール成分からなり、酸価が3〜40mgKOH/g、水酸基価が20mgKOH/g以下のポリエステル系水性分散体用樹脂を製造するに際し、重合触媒として、チタン酸からなる被覆層が形成されたマグネシウム化合物を100〜400ppm添加することを特徴とするポリエステル系水性分散体用樹脂の製造方法。
  3. 請求項1記載のポリエステル系水性分散体用樹脂が、水性媒体に分散もしくは溶解されてなるポリエステル系水性分散体。
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