JP2007176571A - 2層分離液体組成物入り容器 - Google Patents
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Abstract
【課題】容器を振って使用する場合でも、内容液が飛び出したり漏れ出たりすることを確実に防止することができ、なお且つ、内容液である2層分離液体組成物の性能を充分に発揮させることができる2層分離液体組成物入り容器を提供する。
【解決手段】弾性復元力を有する容器と、容器の口元部2bに装着された液体注出キャップ1とを備え、液体注出キャップ1は、容器の口元部2bに装着されると共に、先端部に開口部3aが設けられたキャップ本体3と、スリット5aが形成された弾性部材からなり、キャップ本体3の開口部3aからスリット5aを外部に露出させた状態でキャップ本体3内に保持されると共に、容器をスクイズ操作したときに容器内の圧力に応じてスリット5aを開閉する弁体5と、キャップ本体3内の弁体5よりも容器側に位置する含浸部材6とを有し、容器には、2層分離液体組成物が収容されている。
【選択図】図3
【解決手段】弾性復元力を有する容器と、容器の口元部2bに装着された液体注出キャップ1とを備え、液体注出キャップ1は、容器の口元部2bに装着されると共に、先端部に開口部3aが設けられたキャップ本体3と、スリット5aが形成された弾性部材からなり、キャップ本体3の開口部3aからスリット5aを外部に露出させた状態でキャップ本体3内に保持されると共に、容器をスクイズ操作したときに容器内の圧力に応じてスリット5aを開閉する弁体5と、キャップ本体3内の弁体5よりも容器側に位置する含浸部材6とを有し、容器には、2層分離液体組成物が収容されている。
【選択図】図3
Description
本発明は、2層分離液体組成物が入った容器を振って使用する2層分離液体組成物入り容器に関する。
従来より、液体洗剤や、シャンプー、リンス、口腔洗浄剤などの液体を容器に収容した液体製品がある。これらの液体製品では、容器の口元部に内部の液体を注出するための液体注出キャップが装着されている。このような液体製品を使用する場合、通常は容器の口元部を下方に向けた状態で容器を押圧(スクイズ)する。これにより、容器内の液体がキャップの注出口から注出されることになる。しかしながら、従来の液体注出キャップは、液切れが悪かったり、容器の口元部を下方に向けただけで内部の液体が漏れ出したりするなど、必ずしも使い勝手のよいものではなかった。
そこで、スリットが形成された柔軟な樹脂からなる弁体をキャップ本体に設け、この弁体に容器内の圧力がある程度加わらないとスリットが開かないようにしたセルフシールキャップ(以下、SSキャップという。)と呼ばれる液体注出キャップが提案されている(例えば、特許文献1を参照。)。このようなSSキャップが装着された液体注出容器では、容器が転倒したり逆さになったりした場合でも、内部の液体がキャップから簡単に漏れ出さないことから、従来のものよりも使い勝手のよいものとなっている。また、従来のようなキャップを開閉するといった操作を省くことができるため、非常に便利である。
特開平11−278515号公報
特開昭62−138595号公報
特開昭62−263297号公報
特開昭61−296099号公報
特開昭60−243199号公報
欧州特許第0116422号明細書
ところで、このようなSSキャップでは、液体の排出性能(例えばコントロール性や押し出しやすさなど)を良くするため、弁体に柔軟なものを使用している。このため、例えば容器を振ったり転倒させたりした場合には、その衝撃によって弁体が一瞬開き、内部の液体が飛び出してしまうなどの問題があった。
この問題を解決するため、上述した特許文献1に記載の発明では、液体の注出経路上で弁体よりも容器側に位置し、かつ、開口部面積が弁体基部の開口部面積よりも小さい遮蔽部材を設けることが提案されている。このような遮蔽部材を設けた場合には、容器の転倒時に液体が弁体に向かう衝撃を制限して弁体への当たりを和らげることから、不用意な弁体の開きを防止することができる。
しかしながら、弁体の不用意な開きを防止することに加えて、この弁体からの液漏れを確実に防ぐためには更なる改善が望まれる。特に、容器を振って使用するものとして、2層分離液体組成物が収容された2層分離液体組成物入り容器がある。この2層分離液体組成物は、静止時には比重の異なる成分が上下2層に分離しており、使用時には容器を振って2層を混合させる必要があるため、上述したSSキャップを使用する容器の場合、液漏れに対する更なる対策が求められている。
本発明は、このような従来の事情に鑑みて提案されたものであり、2層分離液体組成物が入った容器を振って使用する場合でも、内容液が飛び出したり漏れ出たりすることを確実に防止することができ、なお且つ、内容液である2層分離液体組成物の性能を充分に発揮させることができる2層分離液体組成物入り容器を提供することを目的とする。
この目的を達成するために、請求項1に係る発明は、弾性復元力を有する容器と、前記容器の口元部に装着された液体注出キャップとを備え、前記液体注出キャップは、前記容器の口元部に装着されると共に、先端部に開口部が設けられたキャップ本体と、スリットが形成された弾性部材からなり、前記キャップ本体の開口部から前記スリットを外部に露出させた状態で前記キャップ本体内に保持されると共に、前記容器をスクイズ操作したときに前記容器内の圧力に応じて前記スリットを開閉する弁体と、前記キャップ本体内の前記弁体よりも前記容器側に位置する含浸部材とを有し、前記容器には、2層分離液体組成物が収容されてなることを特徴とする2層分離液体組成物入り容器である。
また、請求項2に係る発明は、前記含浸部材よりも前記容器側に位置して、前記キャップ本体の内側に嵌合された遮蔽部材を備え、前記遮蔽部材には、少なくとも1つ以上の貫通孔が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の2層分離液体組成物入り容器である。
また、請求項3に係る発明は、前記遮蔽部材が、底壁と、この底壁の周囲から立ち上がり形成された側壁とを有し、且つ、これら底壁と側壁とから構成される凹部の内側を前記弁体側に向けた状態で前記キャップ本体の内側に嵌合されると共に、前記側壁に形成された少なくとも1つ以上の貫通孔を通して前記凹部の内側と外側とが連通されてなることを特徴とする請求項2に記載の2層分離液体組成物入り容器である。
また、請求項4に係る発明は、前記含浸部材がスポンジであることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の2層分離液体組成物入り容器である。
また、請求項5に係る発明は、前記スポンジのセル数が5〜50個/25mmであることを特徴とする請求項4に記載の2層分離液体組成物入り容器である。
また、請求項6に係る発明は、前記スポンジの厚みが3〜20mmであることを特徴とする請求項4又は5に記載の2層分離液体組成物入り容器である。
また、請求項7に係る発明は、前記2層分離液体組成物が、ノニオン界面活性剤5〜50質量%、アニオン界面活性剤1〜30質量%、両性界面活性剤及び/又は半極性界面活性剤1〜20質量%、ポリカルボン酸及び/又はその塩5〜25質量%を含有し、20℃において2層に分離する液体洗浄剤組成物であることを特徴とする請求項1〜6の何れか一項に記載の2層分離液体組成物入り容器である。
また、請求項8に係る発明は、前記液体洗浄剤組成物が、更に低級アルコールを含有することを特徴とする請求項7記載の2層分離液体組成物入り容器である。
また、請求項2に係る発明は、前記含浸部材よりも前記容器側に位置して、前記キャップ本体の内側に嵌合された遮蔽部材を備え、前記遮蔽部材には、少なくとも1つ以上の貫通孔が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の2層分離液体組成物入り容器である。
また、請求項3に係る発明は、前記遮蔽部材が、底壁と、この底壁の周囲から立ち上がり形成された側壁とを有し、且つ、これら底壁と側壁とから構成される凹部の内側を前記弁体側に向けた状態で前記キャップ本体の内側に嵌合されると共に、前記側壁に形成された少なくとも1つ以上の貫通孔を通して前記凹部の内側と外側とが連通されてなることを特徴とする請求項2に記載の2層分離液体組成物入り容器である。
また、請求項4に係る発明は、前記含浸部材がスポンジであることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の2層分離液体組成物入り容器である。
また、請求項5に係る発明は、前記スポンジのセル数が5〜50個/25mmであることを特徴とする請求項4に記載の2層分離液体組成物入り容器である。
また、請求項6に係る発明は、前記スポンジの厚みが3〜20mmであることを特徴とする請求項4又は5に記載の2層分離液体組成物入り容器である。
また、請求項7に係る発明は、前記2層分離液体組成物が、ノニオン界面活性剤5〜50質量%、アニオン界面活性剤1〜30質量%、両性界面活性剤及び/又は半極性界面活性剤1〜20質量%、ポリカルボン酸及び/又はその塩5〜25質量%を含有し、20℃において2層に分離する液体洗浄剤組成物であることを特徴とする請求項1〜6の何れか一項に記載の2層分離液体組成物入り容器である。
また、請求項8に係る発明は、前記液体洗浄剤組成物が、更に低級アルコールを含有することを特徴とする請求項7記載の2層分離液体組成物入り容器である。
以上のように、本発明に係る2層分離液体組成物入り容器では、2層分離液体組成物が入った容器を振って使用する場合でも、弁体に向かって流れる内容液の流出圧力を含浸部材が吸収することによって、弁体に内容液の流出圧力が直接的に加わることはなく、また、含浸部材が内容液を含浸することによって、弁体のスリットから不用意に内容液が飛び出したり漏れ出たりすることを確実に防ぐことができる。
したがって、この2層分離液体組成物入り容器では、使用時に容器を振って内容液である2層分離液体組成物を混合させるといった操作を液漏れを生じさせることなく適切に行うことが可能なことから、使い勝手を更に向上させることが可能であると共に、この2層分離液体組成物の性能を充分に発揮させることが可能である。
したがって、この2層分離液体組成物入り容器では、使用時に容器を振って内容液である2層分離液体組成物を混合させるといった操作を液漏れを生じさせることなく適切に行うことが可能なことから、使い勝手を更に向上させることが可能であると共に、この2層分離液体組成物の性能を充分に発揮させることが可能である。
以下、本発明を適用した2層分離液体組成物入り容器について、図面を参照して詳細に説明する。
(2層分離液体組成物入り容器)
本発明を適用した2層分離液体組成物入り容器(液体注出容器)は、例えば図1、図2及び図3に示すようなSSキャップ1と、このSSキャップ1が装着された容器2とを備えている。
(2層分離液体組成物入り容器)
本発明を適用した2層分離液体組成物入り容器(液体注出容器)は、例えば図1、図2及び図3に示すようなSSキャップ1と、このSSキャップ1が装着された容器2とを備えている。
容器2は、繰り返し押圧(スクイズ)操作することができるスクイズ容器として、例えばポリエチレン樹脂やポリプロピレン樹脂、ポリエステル樹脂などの比較的軟質な合成樹脂材料をブロー成形によってボトル状に成形したものからなる。この容器2の底部から筒状に起立した胴部2aは、繰り返し弾性変形(スクイズ変形)させることが可能な弾性復元力を有している。そして、この胴部2aの上部に位置する口元部2bには、例えばSSキャップ1が螺合によって装着されている。このため、口元部2bの外周面には、後述するSSキャップ1のキャップ本体3を螺合により固定するためのネジ山2cが形成されている。
なお、容器2の形状については、特に限定されないものの、使用する際に持ち易く、振り易く、且つ負荷がかかっても液漏れが生じ難い形状のものが好ましく、このような形状のものとして、例えば円柱状のシリンダーボトルを用いることが好ましい。
また、容器2の肉厚(樹脂量)については、使用時の押しやすさ(硬さ)に影響を与えるため、例えば容量250mlのシリンダーボトルについては、樹脂量が21.5〜23g程度のものであれば比較的押しやすく、24.5gを超えるものは硬く、スクイズ操作がし難くなる。
なお、このようなスクイズ容器では、粘度によって異なるものの、例えば0.5〜5.0kgの押圧で約0.1〜5ml/0.5sの内容液を排出するものが好ましい。また、振ったときや倒れたときに負荷がかかっても液漏れが生じない、あるいは内容液の保存に影響を与えないものが好ましい。
また、容器2の肉厚(樹脂量)については、使用時の押しやすさ(硬さ)に影響を与えるため、例えば容量250mlのシリンダーボトルについては、樹脂量が21.5〜23g程度のものであれば比較的押しやすく、24.5gを超えるものは硬く、スクイズ操作がし難くなる。
なお、このようなスクイズ容器では、粘度によって異なるものの、例えば0.5〜5.0kgの押圧で約0.1〜5ml/0.5sの内容液を排出するものが好ましい。また、振ったときや倒れたときに負荷がかかっても液漏れが生じない、あるいは内容液の保存に影響を与えないものが好ましい。
このような容器2には、後述する2層分離液体組成物が内容液として収容される。2層分離液体組成物は、比重の異なる成分が上下2層に分離した液体からなるもので、例えば上層と下層とにきれいに分離したものは、視覚的に訴える効果があり、ファッション性に富んだものとなる。したがって、このような2層分離液体組成物を収容する容器2には、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレン(PP)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリスチレン(PS)、アクリルなどの中身が透けて見える透明なシリンダー又はオーバル形状の容器を用いることが好ましい。
また、2層分離液体組成物が色素を含有している場合には、容器2を構成する材料に色素の褪色防止効果を有する成分が含まれていることが好ましい。かかる褪色防止成分の具体的としては、例えば2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェノール)−5−クロロベンゾトリアゾール、ナフタレンテトラカルボン酸イミド等の紫外線吸収剤を挙げることができる。
また、2層分離液体組成物が色素を含有している場合には、容器2を構成する材料に色素の褪色防止効果を有する成分が含まれていることが好ましい。かかる褪色防止成分の具体的としては、例えば2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェノール)−5−クロロベンゾトリアゾール、ナフタレンテトラカルボン酸イミド等の紫外線吸収剤を挙げることができる。
SSキャップ1は、容器2の口元部2bに装着されて、この容器2に収容された内容液を注出するものであり、容器2の口元部2bに固定されるキャップ本体3を備えている。このキャップ本体3は、容器2の口元部2bを塞ぐように全体が略円筒状に形成されたプラスチック部材からなる。また、キャップ本体3の先端部には、円形状の開口部3aが設けられている。このキャップ本体3の内周面には、ねじ山3bが形成されている。SSキャップ1は、このキャップ本体3側のネジ山3bと容器2側のねじ山2cとの螺合によって容器2の口元部2bに装着されている。なお、このSSキャップ1には、更にキャップ本体3に被せるプラスチック製のオーバーキャップ4が着脱自在に設けられている。
このようなキャップ本体3の内側には、容器2をスクイズ操作したときに容器2内の圧力に応じてスリット5aを開閉する弁体5と、弁体5のスリット5aからの液漏れを防止するための含浸部材6と、容器2側から弁体5側に向かって流れる内容液の流量を調整するための遮蔽部材7とが、先端側から順に配置されている。
弁体5は、例えばシリコンゴムやエラストマーなどの柔軟な弾性部材からなる。その中でも特に、成形し易く、切り裂きにくいシリコンゴムを用いることが好ましい。この弁体5は、略円形状の天井部5bと、この天井部5bの周囲から徐々に拡径しながら立ち下がる筒状のスカート部5cと、このスカート部5cの端縁部から外側に向かって拡径された環状のフランジ部5dとが一体に形成されたキャップ形状を有している。スリット5aは、図4に示すような+形状の切り目からなり、内側に窪んだ天井部5bの中央に形成されている。
この弁体5は、天井部5bとスカート部5cとから構成される凹部5eの内側を容器2側に向けた状態でキャップ本体3の内側に嵌め込まれている。これにより、キャップ本体3の開口部3aからは、天井部5bのスリット5aが外部に露出した状態となっている。そして、この弁体5は、キャップ本体3の内側に嵌め込まれたリング状のストッパ8によりフランジ部5dがキャップ本体3の内面に押し付けられることによって、キャップ本体3内に固定保持されている。なお、ストッパ8の中心部には、弁体5の凹部5eと略同径の開口部8aが形成されている。
含浸部材6は、その弾性により弁体5に向かって流れる内容液の流出圧力(衝撃)を吸収し易くしたもので、弁体5に内容液の流出圧力が直接的に加わらないようにする衝撃吸収機能と、内容液を含浸して弁体5のスリット5aからの液漏れを防ぐ液漏れ防止機能とを兼ね備えている。
このような含浸部材6としては、内容液を含浸し得るもので、なお且つ、容器2をスクイズ操作したときに弁体5のスリット5aからの内容液の注出及び外気の導入を妨げないもの、例えばスポンジや、メッシュ、不織布、繊維体、発泡体、多孔質体、3次元網目構造体等を挙げることができる。その中でも特に、スポンジを用いること好ましい。また、ポリエチレンの焼結体からなる多孔質構造体を用いることもできる。
スポンジは、ポリエステル系の軟質ウレタンフォームを用いることが好ましく、このようなウレタンフォームを完全なオープンセル構造とし、圧力損失を低減したものを用いることが特に好ましい。
また、スポンジのセル数は、5〜50個/25mmであることが好ましく、更に好ましくは8〜40個/25mmである。このスポンジのセル数は、5個/25mm未満になると、液漏れの防止効果を不充分となり、一方、50個/25mmを超えると、内容液の排出性能が悪くなる。
また、スポンジの厚みは、3〜20mmであることが好ましく、更に好ましくは5〜10mmである。
また、スポンジのセル数は、5〜50個/25mmであることが好ましく、更に好ましくは8〜40個/25mmである。このスポンジのセル数は、5個/25mm未満になると、液漏れの防止効果を不充分となり、一方、50個/25mmを超えると、内容液の排出性能が悪くなる。
また、スポンジの厚みは、3〜20mmであることが好ましく、更に好ましくは5〜10mmである。
このような含浸部材6は、弁体5と遮蔽部材7との間に形成される空間に合わせて配置することが好ましい。具体的に、本実施の形態では、含浸部材6として、弁体5の凹部5eの内側に第1のスポンジ6aと、ストッパ8と遮蔽部材7との間に第2のスポンジ6bとが配置されている。
遮蔽部材7には、例えばポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、ABS樹脂、ジュラコン(ポリアセタール)(POM)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレンテレフタレート(ポリエステル)(PET)、アクリルなどを用いることができる。その中でも、ポリエチレンや、低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂を用いることが好ましく、成形や設計等に合わせて、このような合成樹脂材料を選択して使用することができる。この遮蔽部材7は、円形状の底壁7aと、この底壁7aの周囲から円筒状に立ち上がる側壁7bと、この側壁7bの周端部から拡径する方向に突出されたフランジ7cとが一体に形成されたキャップ形状を有している。
この遮蔽部材7は、底壁7aと側壁7bとから構成される凹部7dの内側を弁体5側に向けた状態で、キャップ本体3の内側にある内周壁3cにフランジ部7cを嵌合させることで、キャップ本体3内に固定保持されている。
また、遮蔽部材7の側壁7bには、少なくとも1つ以上の貫通孔9が形成されている。具体的に、本実施の形態では、側壁7bの周囲に等間隔に並ぶ4つの貫通孔9が設けられている。そして、これら複数の貫通孔9を通して遮蔽部材7の凹部7dの内側と外側とが連通されている。
以上のような構造を有するSSキャップ1が装着された2層分離液体組成物入り容器を使用する場合には、先ず、容器2を振ることにより内部の2層分離液体組成物を混合させる。これにより、2層分離液体組成物は、2層に分離した状態から2層を均一に混合した状態となる。
次に、容器2の口元部2bを下方に向けた状態で、容器2の胴部2aを押圧(スクイズ)する。このとき、容器2内の圧力上昇により弁体5が弾性変形してスリット5aが押し広げられる。これにより、容器2内で加圧された内容液が弁体5のスリット5aから注出されることになる。
一方、容器2に対する押圧を解除することによって、容器2の胴部2aが元の形状に弾性復帰する。このとき、容器2内に発生する負圧により弁体5が弾性変形してスリット5aが押し広げられる。これにより、外部の空気が弁体5のスリット5aから吸い込まれて容器2内に導入されることになる。
以上のようなスクイズ操作によって、容器2に収容された2層分離液体組成物を弁体5のスリット5aから注出させることができる。なお、このSSキャップ1は、弁体5に容器2内の圧力がある程度加わらないとスリット5aが開かないため、容器2の口元部2bを下方に向けただけでは内部の内容液が漏れ出すことはない。
次に、容器2の口元部2bを下方に向けた状態で、容器2の胴部2aを押圧(スクイズ)する。このとき、容器2内の圧力上昇により弁体5が弾性変形してスリット5aが押し広げられる。これにより、容器2内で加圧された内容液が弁体5のスリット5aから注出されることになる。
一方、容器2に対する押圧を解除することによって、容器2の胴部2aが元の形状に弾性復帰する。このとき、容器2内に発生する負圧により弁体5が弾性変形してスリット5aが押し広げられる。これにより、外部の空気が弁体5のスリット5aから吸い込まれて容器2内に導入されることになる。
以上のようなスクイズ操作によって、容器2に収容された2層分離液体組成物を弁体5のスリット5aから注出させることができる。なお、このSSキャップ1は、弁体5に容器2内の圧力がある程度加わらないとスリット5aが開かないため、容器2の口元部2bを下方に向けただけでは内部の内容液が漏れ出すことはない。
ところで、上記SSキャップ1では、上述した弁体2と遮蔽部材7との間に含浸部材6が配置されている。この場合、例えば容器2を繰り返し振った場合でも、弁体5に向かって流れる内容液の流出圧力(衝撃)を含浸部材6が吸収することによって、弁体5に内容液の流出圧力が直接的に加わることはなく、また、含浸部材6が内容液を含浸することによって、弁体5のスリット5aから不用意に内容液が飛び出したり漏れ出たりすることを確実に防ぐことができる。
さらに、このSSキャップ1では、遮蔽部材7が容器2側から弁体5側に向かって流れる内容液の流量を調整することから、容器2を振ったときに内容液が弁体5に向かう衝撃を制限して、このような衝撃による弁体5の不用意な開きを防ぐことができる。特に、上述した遮蔽部材7のように、弁体5に向かう内容液の衝撃を直接受ける底壁7aに対して、側壁7bに形成された複数の貫通孔9を通して凹部7d内に内容液の注出方向と略直交する方向から内容液が流入される構成とした場合には、容器2を振ったときの内容液が弁体5に向かう衝撃を更に緩和させることができる。これにより、弁体5の不用意な開きを防止し、この弁体5のスリット5aから不用意に内容液が飛び出したり漏れ出たりすることを確実に防ぐことができる。
以上のように、本発明を適用した2層分離液体組成物入り容器では、使用時に容器2を振って2層分離液体組成物を混合させるといった操作を液漏れを生じさせることなく適切に行うことが可能であり、混合された2層分離液体組成物を弁体5のスリット5aから適切に注出させることが可能である。また、従来のようなキャップを開閉するといった操作を省くことができるため、非常に便利である。したがって、このような2層分離液体組成物が入った容器2を振って使用する2層分離液体組成物入り容器の使い勝手を更に向上させることが可能である。
また、2層分離液体組成物は、静止時に比重の異なる成分が上下2層に分離しているため、これら上下2層に含まれる成分の性能を発揮させるためには、使用時に容器を振って2層を充分に混合させる必要がある。これに対して、本発明を適用した2層分離液体組成物入り容器では、使用時に容器2を振って2層分離液体組成物を混合させるといった操作を液漏れを生じさせることなく適切に行うことが可能なことから、このような2層分離液体組成物の性能を充分に発揮させることが可能である。
なお、本実施の形態では、上記含浸部材6として、第1のスポンジ6a及び第2のスポンジ6bを備えた構成となっているが、このような構成に必ずしも限定されるものではない。すなわち、内容液の排出性能(例えばコントロール性や押し出しやすさなど)を調整するために、弁体5の凹部5eの内側に形成される空間と、ストッパ8と遮蔽部材7との間に形成される空間と、遮蔽部材7の凹部7dの内側に形成される空間との何れかの空間に含浸部材6を配置することができる。例えば、上記SSキャップ1では、図5に示すように、弁体5の凹部5eの内側に第1のスポンジ6aと、ストッパ8と遮蔽部材7との間に第2のスポンジ6bと、遮蔽部材7の凹部7dの内側に第3のスポンジ6cとが配置された構成とすることができる。また、図6に示すように、弁体5の凹部5eの内側に第1のスポンジ6aのみ配置された構成とすることができる。
また、これら第1〜第3のスポンジ6a〜6cの中でセル数や厚み等を異ならせることもできる。この場合、弁体5側に配置されるスポンジのセル数を、それよりも容器2側に配置されるスポンジのセル数よりも小さくすることが好ましく、これにより、内容液の排出性を損なうことなく、充分な液漏れ防止効果を得ることができる。
また、上記遮蔽部材7については、容器2側から弁体5側に向かって流れる内容液の流量を調整するため、貫通孔9の数や大きさ等についても任意に変更することができる。
また、上記SSキャップ1では、上述したオーバーキャップ4の代わりに、ノズルの先端から内容液を注出するノズルキャップをキャップ本体3に被せることもできる。
また、上記遮蔽部材7については、容器2側から弁体5側に向かって流れる内容液の流量を調整するため、貫通孔9の数や大きさ等についても任意に変更することができる。
また、上記SSキャップ1では、上述したオーバーキャップ4の代わりに、ノズルの先端から内容液を注出するノズルキャップをキャップ本体3に被せることもできる。
(2層分離液体組成物)
次に、上記容器2に収容される2層分離液体組成物について説明する。
上記容器2に収容される2層分離液体組成物の一例として挙げる本発明の液体洗浄剤組成物は、(a)ノニオン界面活性剤5〜50質量%、(b)アニオン界面活性剤1〜30質量%、(c)両性界面活性剤及び/又は半極性界面活性剤1〜20質量%、(d)ポリカルボン酸及び/又はその塩5〜25質量%を含有し、20℃において2層に分離することを特徴とするものである。さらに、この液体洗浄剤組成物には、(e)低級アルコールを含有させることもできる。
次に、上記容器2に収容される2層分離液体組成物について説明する。
上記容器2に収容される2層分離液体組成物の一例として挙げる本発明の液体洗浄剤組成物は、(a)ノニオン界面活性剤5〜50質量%、(b)アニオン界面活性剤1〜30質量%、(c)両性界面活性剤及び/又は半極性界面活性剤1〜20質量%、(d)ポリカルボン酸及び/又はその塩5〜25質量%を含有し、20℃において2層に分離することを特徴とするものである。さらに、この液体洗浄剤組成物には、(e)低級アルコールを含有させることもできる。
ところで、このような2層分離型の液体洗浄剤組成物では、分離した状態で上層、下層ともに透明で外観に優れていることが好ましく、洗浄剤組成物として良好な洗浄力を有していることが必要であり、洗浄力の向上が求められる。例えば、一般家庭において、食器などの硬表面の洗浄は基本的には水道水で行われる。水道水には、カルシウムイオンやマグネシウムイオンなどのイオンが含まれている。このため、茶渋などの着色成分による汚れ(ステイン汚れ)が発生する。ステイン汚れを落とす洗浄剤としては、酸性洗浄剤又は漂白系洗浄剤が一般的であるが、このような洗浄剤は直接手に触れる台所洗剤のような硬表面洗浄剤には好ましくない。一方、クレンザーなどの研磨系洗浄剤は、ステイン汚れに対して研磨粒子による物理的な除去が可能であるが、被洗浄物への傷付き性などが懸念される。また、硬表面に対する液体洗浄剤においては、ステイン汚れだけではなく、油分をも落とすことができる優れた洗浄力が求められる。
このような要求に対して、本発明の液体洗浄組成物は、硬表面の油汚れやステイン汚れなどに対する洗浄力に優れ、皮膚刺激が少なく、泡性能にも優れ、なお且つ常温(20℃)で2層にきれいに分離することによって、視覚的に訴える効果を有し、その下層体積の温度依存性が小さく、分離時間が短いといった多くの利点を有している。
以下、上記液体洗浄組成物の各成分(a)〜(e)について説明する。
(a)ノニオン界面活性剤
ノニオン界面活性剤としては、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、脂肪酸アルカノールアミド、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアシルエステル、アルキルポリグリコシド、脂肪酸グリコシドエステル、脂肪酸メチルグリコシドエステル、アルキルメチルグルカミド等が挙げられる。これらは単独で或いは2種以上組み合わせて含有することができる。これらのうち、2層分離性を効率的に促進するために、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル及び/又は脂肪酸アルカノールアミドを含有することが望ましい。
(a)ノニオン界面活性剤
ノニオン界面活性剤としては、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、脂肪酸アルカノールアミド、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアシルエステル、アルキルポリグリコシド、脂肪酸グリコシドエステル、脂肪酸メチルグリコシドエステル、アルキルメチルグルカミド等が挙げられる。これらは単独で或いは2種以上組み合わせて含有することができる。これらのうち、2層分離性を効率的に促進するために、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル及び/又は脂肪酸アルカノールアミドを含有することが望ましい。
ポリオキシアルキレンアルキルエーテルにおいて、アルキル疎水基の炭素数が8〜18が好ましく、10〜16がより好ましい。アルキル疎水基の構造は、直鎖型または分枝型またはそれらを混合したもののいずれでもかまわないが、低温安定性の観点から、分枝型構造を有するものが望ましい。ポリオキシアルキレンアルキルエーテルのオキシアルキレン基は、オキシエチレン基、オキシプロピレン基などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。オキシアルキレン基は1種単独でも2種以上が混合されていてもよい。泡性能及び分離性の面からはオキシエチレン基が好ましい。
オキシアルキレン基の平均重合度(平均付加モル数)は、泡性能の面から1〜50が好ましく、さらには5〜15のものが好ましい。また、オキシアルキレン基がアルキル疎水基の末端以外の部位に結合した2級型でもよい。
ポリオキシアルキレンアルキルエーテルの具体例としては、炭素数(以下、「C」と記載することもある)12−13混合ポリオキシエチレンアルキルエーテル(平均エチレンオキサイド付加モル数(以下、平均EO付加モル数と記載することもある):5モル)、C12−13混合ポリオキシエチレンアルキルエーテル(平均EO付加モル数:7モル)、C12−13混合ポリオキシエチレンアルキルエーテル(平均EO付加モル数:12モル)、C12−13混合ポリオキシエチレンアルキルエーテル(平均EO付加モル数:15モル)等があげられる。
オキシアルキレン基の平均重合度(平均付加モル数)は、泡性能の面から1〜50が好ましく、さらには5〜15のものが好ましい。また、オキシアルキレン基がアルキル疎水基の末端以外の部位に結合した2級型でもよい。
ポリオキシアルキレンアルキルエーテルの具体例としては、炭素数(以下、「C」と記載することもある)12−13混合ポリオキシエチレンアルキルエーテル(平均エチレンオキサイド付加モル数(以下、平均EO付加モル数と記載することもある):5モル)、C12−13混合ポリオキシエチレンアルキルエーテル(平均EO付加モル数:7モル)、C12−13混合ポリオキシエチレンアルキルエーテル(平均EO付加モル数:12モル)、C12−13混合ポリオキシエチレンアルキルエーテル(平均EO付加モル数:15モル)等があげられる。
脂肪酸アルカノールアミドは、脂肪酸アルカノールアミドおよびそのアルキレンオキサイド付加物を含む。中でもポリオキシアルキレンモノアルカノールアミドが好ましく、アルキル疎水基の炭素数は10〜16が望ましい。アルキル疎水基の構造は、直鎖型または分枝型またはそれらを混合したもののいずれでもかまわないが、低温安定性の観点から、分枝型構造を含有するものが望ましい。脂肪酸アルカノールアミドの親水基、すなわちオキシアルキレン基は脂肪酸アルカノールアミドに付加したオキシアルキレン基、オキシエチレン基、オキシプロピレン基などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。オキシアルキレン基は1種単独でも2種以上が混合されていてもよい。泡性能及び分離性の面からオキシエチレン基が好ましい。オキシアルキレン基の平均重合度(平均付加モル数)は、泡性能の点で1〜3が望ましい。
脂肪酸アルカノールアミドの具体例としては、C12ポリオキシアルキレンモノアルカノールアミド(平均EO付加モル数:1モル)、C12ポリオキシアルキレンモノアルカノールアミド(平均EO付加モル数:1.5モル)、C12ポリオキシアルキレンモノアルカノールアミド(平均EO付加モル数:2モル)、C12ポリオキシアルキレンモノアルカノールアミド(平均EO付加モル数:3モル)等があげられる。
脂肪酸アルカノールアミドの具体例としては、C12ポリオキシアルキレンモノアルカノールアミド(平均EO付加モル数:1モル)、C12ポリオキシアルキレンモノアルカノールアミド(平均EO付加モル数:1.5モル)、C12ポリオキシアルキレンモノアルカノールアミド(平均EO付加モル数:2モル)、C12ポリオキシアルキレンモノアルカノールアミド(平均EO付加モル数:3モル)等があげられる。
上記液体洗浄剤組成物における(a)ノニオン界面活性剤の配合量は、5〜50質量%であり、5〜30質量%が好ましく、7〜25質量%がより好ましい。ノニオン界面活性剤の配合量が5質量%以上であると良好な2層分離状態が得られる。50質量%以下とすることによりゲル化が抑えられて安定性が良好となる。
(b)アニオン界面活性剤
アニオン界面活性剤としては、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、アルキルエーテルカルボン酸塩、アルカンスルホン酸塩、α−スルホ脂肪酸塩、石鹸、アミドエーテルカルボン酸塩、スルホコハク酸塩、アミノ酸系アニオン性界面活性剤等が挙げられる。これらは単独で或いは2種以上組み合わせて含有することができる。ここで用いられる塩は、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム等の金属塩、アンモニウム塩、又はモノ、ジ、トリいずれの低級アルカノールアミン塩等が挙げられる。
幅広いpH範囲において良好な泡性能を発揮させるためには、非石鹸型アニオン界面活性剤が好ましく、その中でもスルホン酸型および硫酸エステル型アニオン界面活性剤がより望ましい。特に、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩を含有させることが望ましい。
ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩におけるアルキル基の構造は、直鎖型または分枝型またはそれらを混合したもののいずれでもかまわないが、低温安定性の観点から、分枝型構造を含有するものが望ましい。該アルキル基の炭素数は、洗浄力の点から8〜18が好ましく、炭素数10〜16がより好ましい。ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩におけるオキシアルキレン基としては、エチレンオキサイドやプロピレンオキサイド等が挙げられる。
オキシアルキレン基の平均付加モル数は、洗浄力の点から1〜5が好ましく、2〜4がより望ましい。
アニオン界面活性剤としては、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、アルキルエーテルカルボン酸塩、アルカンスルホン酸塩、α−スルホ脂肪酸塩、石鹸、アミドエーテルカルボン酸塩、スルホコハク酸塩、アミノ酸系アニオン性界面活性剤等が挙げられる。これらは単独で或いは2種以上組み合わせて含有することができる。ここで用いられる塩は、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム等の金属塩、アンモニウム塩、又はモノ、ジ、トリいずれの低級アルカノールアミン塩等が挙げられる。
幅広いpH範囲において良好な泡性能を発揮させるためには、非石鹸型アニオン界面活性剤が好ましく、その中でもスルホン酸型および硫酸エステル型アニオン界面活性剤がより望ましい。特に、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩を含有させることが望ましい。
ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩におけるアルキル基の構造は、直鎖型または分枝型またはそれらを混合したもののいずれでもかまわないが、低温安定性の観点から、分枝型構造を含有するものが望ましい。該アルキル基の炭素数は、洗浄力の点から8〜18が好ましく、炭素数10〜16がより好ましい。ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩におけるオキシアルキレン基としては、エチレンオキサイドやプロピレンオキサイド等が挙げられる。
オキシアルキレン基の平均付加モル数は、洗浄力の点から1〜5が好ましく、2〜4がより望ましい。
上記液体洗浄剤組成物における(b)アニオン界面活性剤の配合量は1〜30質量%であり、5〜25質量%が好ましく、10〜20質量%がより好ましい。アニオン界面活性剤の配合量を1質量%以上とすることにより泡の持続力を向上させることができる。30質量%以下とすることによりゲル化が抑えられて安定性が良好となる。
また、上記液体洗浄剤組成物において、(a)ノニオン界面活性剤と(b)アニオン界面活性剤の配合量の質量比(ノニオン/アニオン)は、分散化状態から2層分離状態への移行時間(分離時間)を短縮するうえで、5/1〜1/9が好ましく、3/1〜1/4がより好ましい。特に、移行時間の短縮に加えて優れた分離状態および優れた安定性も同時に達成するためには、3/2〜3/7が好ましい。
また、上記液体洗浄剤組成物において、(a)ノニオン界面活性剤と(b)アニオン界面活性剤の配合量の質量比(ノニオン/アニオン)は、分散化状態から2層分離状態への移行時間(分離時間)を短縮するうえで、5/1〜1/9が好ましく、3/1〜1/4がより好ましい。特に、移行時間の短縮に加えて優れた分離状態および優れた安定性も同時に達成するためには、3/2〜3/7が好ましい。
(c)両性界面活性剤及び/又は半極性界面活性剤
両性界面活性剤としてはベタイン型界面活性剤が挙げられ、具体例としては、アルキルベタイン、アルキルヒドロキシスルホベタイン、アルキルアミドベタイン、イミダゾリニウムベタイン、N−アルキルアミノ酸等が挙げられる。
半極性界面活性剤としてはアミンオキシド型界面活性剤等が挙げられ、具体例としては、下記式(I)に示した構造のものが挙げられる。
両性界面活性剤としてはベタイン型界面活性剤が挙げられ、具体例としては、アルキルベタイン、アルキルヒドロキシスルホベタイン、アルキルアミドベタイン、イミダゾリニウムベタイン、N−アルキルアミノ酸等が挙げられる。
半極性界面活性剤としてはアミンオキシド型界面活性剤等が挙げられ、具体例としては、下記式(I)に示した構造のものが挙げられる。
〔上記式中、R1は炭素数8〜18の直鎖状または分岐鎖状のアルキル基またはアルケニル基であり、R2、R3はそれぞれ独立に炭素数1〜3のアルキル基またはヒドロキシアルキル基である。R4は炭素数1〜4のアルキル基であり、Aは−CONH−、−NHCO−、−COO−、−OCO−または−O−から選ばれる基であり、nは0または1の数である〕
R1の炭素数は、好ましくは8〜16であり、より好ましくは10〜14である。
式(I)に示した構造を有するものとしては、例えば、アルキルアミンオキシド、アルキルアミドプロピルジメチルアミンオキシド挙げられる。これらは単独で或いは2種以上組み合わせて用いることができる。
(c)成分の中でも、洗浄力の点から半極性界面活性剤を用いることが好ましく、炭素数が10〜14であるアルキルジメチルアミンオキシドを含有させることがより好ましい。
R1の炭素数は、好ましくは8〜16であり、より好ましくは10〜14である。
式(I)に示した構造を有するものとしては、例えば、アルキルアミンオキシド、アルキルアミドプロピルジメチルアミンオキシド挙げられる。これらは単独で或いは2種以上組み合わせて用いることができる。
(c)成分の中でも、洗浄力の点から半極性界面活性剤を用いることが好ましく、炭素数が10〜14であるアルキルジメチルアミンオキシドを含有させることがより好ましい。
上記液体洗浄剤組成物における(c)両性界面活性剤および/または半極性界面活性剤の配合量は1〜20質量%であり、好ましくは1〜8質量%、より好ましくは2〜6質量%である。該(c)成分の配合量を1質量%以上とすることにより洗浄力が向上し、20質量%以下とすることにより良好な低温安定性が得られる。
また、上記液体洗浄剤組成物において、(b)アニオン界面活性剤と(c)両性界面活性剤および/または半極性界面活性剤との配合量の質量比(アニオン/両性・半極性)は、優れた洗浄力を達成するうえで、7/1〜1/5が好ましく、6/1〜1/4がより好ましい。
また、上記液体洗浄剤組成物において、(b)アニオン界面活性剤と(c)両性界面活性剤および/または半極性界面活性剤との配合量の質量比(アニオン/両性・半極性)は、優れた洗浄力を達成するうえで、7/1〜1/5が好ましく、6/1〜1/4がより好ましい。
(d)ポリカルボン酸及び/又はその塩(以下、ポリカルボン酸/塩と表記する。)
ポリカルボン酸/塩としては、例えばクエン酸、シュウ酸、コハク酸、イミノジコハク酸、エチレンジアミンコハク酸、グルタル酸、メチルコハク酸、アジピン酸、イタコン酸、シクロプロパン−1,3−ジカルボン酸、シクロヘキサン−1,4−ジカルボン酸、ニトリロ3酢酸、エチレンジアミン4酢酸、ジエチレントリアミン5酢酸、トリエチレンテトラアミン6酢酸、ヒドロキシエチルエチレンジアミン3酢酸、マロン酸、リンゴ酸、酒石酸、フマル酸、マレイン酸、メチルグリシン2酢酸、グルタミン酸2酢酸、タウリン−N,N−2酢酸、アスパラギン酸、グルタミン酸およびそれらの塩等が挙げられる。これらは単独で或いは2種以上組み合わせて含有させることができる。
これらの中でも、特に、クエン酸、コハク酸、アジピン酸、マロン酸、リンゴ酸、酒石酸、アスパラギン酸、グルタミン酸およびそれらの塩は2層分離性に優れている点で好ましい。
また、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、エチレンジアミン4酢酸、ニトリロ3酢酸、メチルグリシン二酢酸、アスパラギン酸、グルタミン酸及びそれらの塩は、ステイン除去能が高い点で好ましい。特に、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、エチレンジアミン4酢酸およびそれらの塩は、ステイン除去能に優れている。
またクエン酸、リンゴ酸、アスパラギン酸、グルタミン酸及びそれらの塩は生分解性が高い点で好ましい。
また、アスパラギン酸、グルタミン酸及びそれらの塩は、上記液体洗浄剤組成物が肌に触れたときの皮膚刺激性を緩和する効果が得られる点で好ましい。
ポリカルボン酸/塩としては、例えばクエン酸、シュウ酸、コハク酸、イミノジコハク酸、エチレンジアミンコハク酸、グルタル酸、メチルコハク酸、アジピン酸、イタコン酸、シクロプロパン−1,3−ジカルボン酸、シクロヘキサン−1,4−ジカルボン酸、ニトリロ3酢酸、エチレンジアミン4酢酸、ジエチレントリアミン5酢酸、トリエチレンテトラアミン6酢酸、ヒドロキシエチルエチレンジアミン3酢酸、マロン酸、リンゴ酸、酒石酸、フマル酸、マレイン酸、メチルグリシン2酢酸、グルタミン酸2酢酸、タウリン−N,N−2酢酸、アスパラギン酸、グルタミン酸およびそれらの塩等が挙げられる。これらは単独で或いは2種以上組み合わせて含有させることができる。
これらの中でも、特に、クエン酸、コハク酸、アジピン酸、マロン酸、リンゴ酸、酒石酸、アスパラギン酸、グルタミン酸およびそれらの塩は2層分離性に優れている点で好ましい。
また、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、エチレンジアミン4酢酸、ニトリロ3酢酸、メチルグリシン二酢酸、アスパラギン酸、グルタミン酸及びそれらの塩は、ステイン除去能が高い点で好ましい。特に、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、エチレンジアミン4酢酸およびそれらの塩は、ステイン除去能に優れている。
またクエン酸、リンゴ酸、アスパラギン酸、グルタミン酸及びそれらの塩は生分解性が高い点で好ましい。
また、アスパラギン酸、グルタミン酸及びそれらの塩は、上記液体洗浄剤組成物が肌に触れたときの皮膚刺激性を緩和する効果が得られる点で好ましい。
ポリカルボン酸/塩は、塩として添加してもよく、または酸として添加し、配合層内で中和してもよい。ただし、(d)ポリカルボン酸/塩の配合量が比較的多いため、配合層内中和は大きく発熱する可能性があるため、必要に応じて、冷却等の手段を用いるとよい。
ポリカルボン酸の塩としてはナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム等の金属塩、アンモニウム塩、又はモノ、ジ、トリいずれかの低級アルカノールアミン塩等が挙げられ、これらは単独でもよく或いは2種以上組み合わせてもよい。
また、(d)ポリカルボン酸/塩の配合量が比較的多いため、溶解度の高い塩を用いることが好ましい。溶解度の高い好ましい塩として、カリウム塩、マグネシウム塩、モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩が挙げられる。中でも、カリウム塩、マグネシウム塩、トリエタノールアミン塩が好ましい。
ポリカルボン酸の塩としてはナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム等の金属塩、アンモニウム塩、又はモノ、ジ、トリいずれかの低級アルカノールアミン塩等が挙げられ、これらは単独でもよく或いは2種以上組み合わせてもよい。
また、(d)ポリカルボン酸/塩の配合量が比較的多いため、溶解度の高い塩を用いることが好ましい。溶解度の高い好ましい塩として、カリウム塩、マグネシウム塩、モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩が挙げられる。中でも、カリウム塩、マグネシウム塩、トリエタノールアミン塩が好ましい。
上記液体洗浄剤組成物における(d)ポリカルボン酸/塩の配合量は5〜25質量%であり、7〜20質量%が好ましく、10〜20質量%がより好ましい。ポリカルボン酸/塩の含有量を5質量%以上とすることにより、良好に2層分離させることができる。またステイン汚れに対する洗浄力も向上する。25質量%以下とすることにより良好な低温安定性が得られる。
また、上記液体洗浄剤組成物に含まれる界面活性剤の全量と、(d)ポリカルボン酸/塩の質量比(界面活性剤/ポリカルボン酸・塩)は、良好な分離性を達成するうえで1/6〜1/1が好ましく、1/5〜2/3がより好ましい。
また、上記液体洗浄剤組成物に含まれる界面活性剤の全量と、(d)ポリカルボン酸/塩の質量比(界面活性剤/ポリカルボン酸・塩)は、良好な分離性を達成するうえで1/6〜1/1が好ましく、1/5〜2/3がより好ましい。
(e)低級アルコール
低級アルコールとしては、炭素鎖長が5以下の短鎖アルコールがあげられ、分離性の面からは、炭素数2〜4のアルコールが望ましい。アルキル基の構造は、直鎖型または分枝型のいずれでもかまわない。具体例としては、エタノール、1−プロパノール、イソプロパノールがあげられる。特に、分離性及び取り扱い性の面から、エタノール、イソプロパノールが望ましい。
上記液体洗浄剤組成物において、(e)低級アルコールは必須成分ではないが、これを含有させることにより、2層分離状態の安定性が向上する。
上記液体洗浄剤組成物における(e)低級アルコールの含有量は3〜15質量%が好ましく、5〜10質量%がより好ましい。低級アルコールの添加量を3質量%以上とすることにより、良好な添加効果が得られ、15質量%以下とすることにより良好な安定性が得られる。
低級アルコールとしては、炭素鎖長が5以下の短鎖アルコールがあげられ、分離性の面からは、炭素数2〜4のアルコールが望ましい。アルキル基の構造は、直鎖型または分枝型のいずれでもかまわない。具体例としては、エタノール、1−プロパノール、イソプロパノールがあげられる。特に、分離性及び取り扱い性の面から、エタノール、イソプロパノールが望ましい。
上記液体洗浄剤組成物において、(e)低級アルコールは必須成分ではないが、これを含有させることにより、2層分離状態の安定性が向上する。
上記液体洗浄剤組成物における(e)低級アルコールの含有量は3〜15質量%が好ましく、5〜10質量%がより好ましい。低級アルコールの添加量を3質量%以上とすることにより、良好な添加効果が得られ、15質量%以下とすることにより良好な安定性が得られる。
(その他の成分)
上記液体洗浄剤組成物には、上記(a)〜(e)成分の他の任意成分を適宜含有させることができる。
例えば、2層分離性をより向上させるうえで、無機塩および/またはモノカルボン酸を添加することが好ましい。
無機塩としては、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属、マグネシウムやカルシウム等のアルカリ土類金属及びマンガン、亜鉛等の遷移金属の硫酸塩、塩酸塩、硝酸塩、炭酸塩、水酸化物等が挙げられる。無機塩を含有させる場合、上記液体洗浄剤組成物中における無機塩の含有量は、良好な添加効果を得るうえで0.1質量%以上が好ましく、0.3質量%以上がより好ましい。また低温で析出が生じるのを防止するうえで10質量%以下が好ましく、7.5質量%以下がより好ましい。
モノカルボン酸は、モノカルボン酸塩であってもよく、両方を併用してもよい。モノカルボン酸としては蟻酸、酢酸、グリコール酸、乳酸などが挙げられる。モノカルボン酸を含有させる場合、上記液体洗浄剤組成物中におけるモノカルボン酸の含有量は、良好な添加効果を得るうえで5質量%以上が好ましく、10質量%以上がより好ましい。また安定性の点で30質量%以下が好ましく、20質量%以下がより好ましい。
上記液体洗浄剤組成物には、上記(a)〜(e)成分の他の任意成分を適宜含有させることができる。
例えば、2層分離性をより向上させるうえで、無機塩および/またはモノカルボン酸を添加することが好ましい。
無機塩としては、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属、マグネシウムやカルシウム等のアルカリ土類金属及びマンガン、亜鉛等の遷移金属の硫酸塩、塩酸塩、硝酸塩、炭酸塩、水酸化物等が挙げられる。無機塩を含有させる場合、上記液体洗浄剤組成物中における無機塩の含有量は、良好な添加効果を得るうえで0.1質量%以上が好ましく、0.3質量%以上がより好ましい。また低温で析出が生じるのを防止するうえで10質量%以下が好ましく、7.5質量%以下がより好ましい。
モノカルボン酸は、モノカルボン酸塩であってもよく、両方を併用してもよい。モノカルボン酸としては蟻酸、酢酸、グリコール酸、乳酸などが挙げられる。モノカルボン酸を含有させる場合、上記液体洗浄剤組成物中におけるモノカルボン酸の含有量は、良好な添加効果を得るうえで5質量%以上が好ましく、10質量%以上がより好ましい。また安定性の点で30質量%以下が好ましく、20質量%以下がより好ましい。
また、2層分離状態の安定性を向上させるために、ハイドロトロープ剤を含有させることが好ましい。具体例としては、芳香族スルホン酸およびその塩、芳香族カルボン酸及びその塩、炭素数10〜16の炭化水素、炭素数1〜5の一価アルコール、炭素数4〜12の多価アルコール、分子量が200〜2000までのポリアルキレングリコール、グリセリン、ソルビトール等が挙げられる。これらを含有させることにより、2層分離した上下層のうち、特に、界面活性剤のほとんどが含まれる上層の低温安定性が向上する。
その他、ポリリジン、グルタルアルデヒド、塩化ベンザルコニウム、ゲラニオール等の殺菌剤、パール化剤、植物抽出液、色素、酸化防止剤、酵素、香料、香料可溶化剤、防腐剤などを配合してもよい。
特に色素を添加することにより、上層と下層の色調が異なる2層分離状態が得られ、ファッション性の高い外観を実現できる。
上記液体洗浄剤組成物中における、上記(a)〜(e)成分以外の任意成分の含有量は20質量%を越えないことが好ましく、15質量%以下がより好ましい。
その他、ポリリジン、グルタルアルデヒド、塩化ベンザルコニウム、ゲラニオール等の殺菌剤、パール化剤、植物抽出液、色素、酸化防止剤、酵素、香料、香料可溶化剤、防腐剤などを配合してもよい。
特に色素を添加することにより、上層と下層の色調が異なる2層分離状態が得られ、ファッション性の高い外観を実現できる。
上記液体洗浄剤組成物中における、上記(a)〜(e)成分以外の任意成分の含有量は20質量%を越えないことが好ましく、15質量%以下がより好ましい。
上記液体洗浄剤組成物は、上記(a)〜(d)成分および必要に応じて(e)成分および他の任意成分を混合して調製することができる。各成分の製造方法は特に限定されず、市販品を適宜用いることができる。
成分の混合方法は特に限定されないが、例えば以下の方法で行うことが好ましい。
まず第1の工程で(a)ノニオン界面活性剤と(b)アニオン界面活性剤を混合する。(e)低級アルコールを含有させる場合は、この第1の工程で(a)成分と(b)成分と(e)成分を混合し、よく撹拌してゲル化を抑える。
次いで、第1の工程で得られた混合物に、残りの成分のうち、(c)成分と香料を除く成分を添加して均一に混合する。(d)ポリカルボン酸および/またはその塩は、この第2の工程で加える。第2の工程で得られる混合物は濁りを生じている場合もある。
次いで、第2の工程で得られた混合物に、(c)両性界面活性剤および/または半極性界面活性剤と、香料を添加して撹拌する。
そして好ましくは、最後に中和して上記液体洗浄剤組成物を得る。中和剤としては水酸化カリウム水溶液、水酸化ナトリウム水溶液、硫酸水溶液を用いることができる。このような中和を行うことによって、層の分離が促進される。これは、ポリカルボン酸が中和されてイオン解離している状態となるためと考えられる。具体的には、上記液体洗浄剤組成物を撹拌して全体を均一に分散化した状態での、25℃におけるpHが5〜9であることが好ましく、6〜8であることがより好ましい。
成分の混合方法は特に限定されないが、例えば以下の方法で行うことが好ましい。
まず第1の工程で(a)ノニオン界面活性剤と(b)アニオン界面活性剤を混合する。(e)低級アルコールを含有させる場合は、この第1の工程で(a)成分と(b)成分と(e)成分を混合し、よく撹拌してゲル化を抑える。
次いで、第1の工程で得られた混合物に、残りの成分のうち、(c)成分と香料を除く成分を添加して均一に混合する。(d)ポリカルボン酸および/またはその塩は、この第2の工程で加える。第2の工程で得られる混合物は濁りを生じている場合もある。
次いで、第2の工程で得られた混合物に、(c)両性界面活性剤および/または半極性界面活性剤と、香料を添加して撹拌する。
そして好ましくは、最後に中和して上記液体洗浄剤組成物を得る。中和剤としては水酸化カリウム水溶液、水酸化ナトリウム水溶液、硫酸水溶液を用いることができる。このような中和を行うことによって、層の分離が促進される。これは、ポリカルボン酸が中和されてイオン解離している状態となるためと考えられる。具体的には、上記液体洗浄剤組成物を撹拌して全体を均一に分散化した状態での、25℃におけるpHが5〜9であることが好ましく、6〜8であることがより好ましい。
上記液体洗浄剤組成物は、20℃において2層に分離するものである。「20℃で2層に分離する」とは、PS−No.11の瓶(ガラス製、外径:50mm、高さ90mm、容量:100ml)に80gの液体洗浄剤組成物を入れ、20℃の雰囲気で24時間静置したときに、2層に分離していることをいう。
上記容器2に収納された液体洗浄剤組成物は、静置状態で上下2層に分離し、使用時には容器2を振ることによって2層を撹拌して分散化させる。容器2を振って良好な分散状態を得るためには、上記液体洗浄剤組成物の粘度が、25℃において350mPa・S以下であることが好ましく、200mPa・S以下であることがより好ましい。また使い勝手の点からは、上記液体洗浄剤組成物の粘度は5mPa・S以上であることが好ましく、10mPa・S以上であることがより好ましい。なお本明細書における粘度の値は、前記PS−No.11の瓶に80gの液体洗浄剤組成物を入れ、長さ3cmのスターラーを用い、1500rpmで30秒間撹拌した液体洗浄剤組成物(25℃)をB型粘度計で測定した値である。
上記液体洗浄剤組成物は、各種の対象物の洗浄に用いることができるが、硬表面の洗浄に好適であり、特に台所用洗剤として好適である。
上記液体洗浄剤組成物は、静置すると2層に分離し、上層および下層の両方が透明である良好な分離状態が得られるため、ファッション性に優れた外観が得られ、商品の付加価値を向上させることができる。また、茶渋汚れ等のステイン汚れと油汚れの両方を落とすことができる優れた洗浄力を有するとともに、泡立ちも良好である。また、皮膚に対する刺激が少ないため、手荒れを生じ難い。
さらに、温度変化による上層と下層の存在割合の変動が小さく、良好な温度安定性が得られる。また、撹拌して上層と下層を分散化した後、安定な2層分離状態になるまでの所要時間(本明細書では分離時間という)が短く、分離性が良好である。
上記液体洗浄剤組成物は、静置すると2層に分離し、上層および下層の両方が透明である良好な分離状態が得られるため、ファッション性に優れた外観が得られ、商品の付加価値を向上させることができる。また、茶渋汚れ等のステイン汚れと油汚れの両方を落とすことができる優れた洗浄力を有するとともに、泡立ちも良好である。また、皮膚に対する刺激が少ないため、手荒れを生じ難い。
さらに、温度変化による上層と下層の存在割合の変動が小さく、良好な温度安定性が得られる。また、撹拌して上層と下層を分散化した後、安定な2層分離状態になるまでの所要時間(本明細書では分離時間という)が短く、分離性が良好である。
なお、既存の各種台所用洗剤組成物にクエン酸を添加しても、条件によって分離する場合もあれば、分離しない場合もあり、濁ったり、析出が生じたりする。また台所用洗剤においては、含有されている界面活性剤の種類や含有量、および他の成分の種類や含有量の組み合わせが多様であり、その中で、上記液体洗浄組成物は、洗浄力、特に台所用洗剤としての優れた特性と良好な2層分離状態とを両立させることできる。
なお、上記容器2に収容される2層分離液体組成物については、静止時に上下2層に分離するものであればよく、上記液体洗浄組成物以外にも、いくつかの組成物を例示することができる。例えば、上記特許文献2に記載されるようなアニオン界面活性剤、塩析剤および着色成分を含有する2層分離型液体洗浄剤組成物を挙げることができる。また、上記特許文献3に記載されるような界面活性剤の存在下で液体−液体相分離を起こす水溶性高分子化合物を用いた2相分離型液体洗浄剤組成物を挙げることができる。また、上記特許文献4に記載されるような特定のアニオン界面活性剤と、アルカノールアミドと、縮合リン酸塩とを特定の比率で含有する層分離型液体洗浄剤組成物を挙げることができる。また、上記特許文献5に記載されるようなアニオン界面活性剤及び/又はノニオン界面活性剤と、カルボキシ化合物を含有する2層分離型液体洗浄剤組成物を挙げることができる。また、上記特許文献6に記載されるような2層分離型液体洗浄剤組成物を挙げることができる。
なお、上記容器2に収容される2層分離液体組成物については、これら例示された用途のものに必ずしも限定されるものではなく、例えば、台所用洗剤や住居用洗剤などの液体洗剤、衣料用漂白剤や台所用漂白剤などの漂白剤、柔軟仕上げ剤、液体石鹸、シャンプー、リンス、整髪料、洗顔剤、口腔洗浄剤、液体歯磨き、各種液状香料、液状化粧品などの液体製品を挙げることができる。或いは、ドレッシングなどの食料品等を挙げることができる。
以下、実施例により本発明の効果をより明らかなものとする。なお、本発明は、以下の実施例に限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲で適宜変更して実施することができる。
(第1の実施例)
先ず、第1の実施例では、上記SSキャップ1と同様のSSキャップを用いた液体注出容器に、上記液体洗浄組成物の各成分を変更したサンプルを収容して、漏れ性、排出性、油洗浄力(油汚れの除去性能)、茶渋洗浄力(茶渋汚れの除去性能)及び皮膚刺激性についての評価試験を行った。また、従来のSSキャップを用いた液体注出容器、並びに容器を振らずに使用した場合についても同様の評価試験を行った。
具体的に、第1の実施例では、下記表1,2に示す配合で液体洗浄剤組成物のサンプル1〜15を調製した。なお、表1,2中の配合量は質量%である。
すなわち、(a)成分、(b)成分及び(e)成分を混合し、よく撹拌した。次いで(c)成分および香料を除く、その他成分を混合、撹拌し、均一化後(濁りを生じている場合もある)、(c)成分および香料を添加し、撹拌した。最後に1NのNaOH水溶液(純正試薬)で中和してpH6.7に調整し、目的の洗浄剤組成物を得た。
先ず、第1の実施例では、上記SSキャップ1と同様のSSキャップを用いた液体注出容器に、上記液体洗浄組成物の各成分を変更したサンプルを収容して、漏れ性、排出性、油洗浄力(油汚れの除去性能)、茶渋洗浄力(茶渋汚れの除去性能)及び皮膚刺激性についての評価試験を行った。また、従来のSSキャップを用いた液体注出容器、並びに容器を振らずに使用した場合についても同様の評価試験を行った。
具体的に、第1の実施例では、下記表1,2に示す配合で液体洗浄剤組成物のサンプル1〜15を調製した。なお、表1,2中の配合量は質量%である。
すなわち、(a)成分、(b)成分及び(e)成分を混合し、よく撹拌した。次いで(c)成分および香料を除く、その他成分を混合、撹拌し、均一化後(濁りを生じている場合もある)、(c)成分および香料を添加し、撹拌した。最後に1NのNaOH水溶液(純正試薬)で中和してpH6.7に調整し、目的の洗浄剤組成物を得た。
表1,2に記載した各成分は、次のとおりである。
AE(15):ポリオキシエチレンC12−13混合アルキルエーテル:平均EO付加モル数15モル(原料高級アルコール:ネオドール23:シェル社製)。
AE(7):C12−13混合アルキル2級アルコールに、EOを平均7モル付加させたもの(ソフタノール70:商品名、日本触媒社製)。
AE(5):C12−13混合アルキル2級アルコールに、EOを平均7モル付加させたもの(EMALEX705:商品名、日本エマルジョン社製)。
LME(2):ポリオキシエチレンラウリン酸モノエタノールアミド:平均EO付加モル数2モル(アミゾール2L:商品名、川研ファインケミカル製)。
AES(2):ポリオキシエチレンC12−13混合アルキルエーテル硫酸Na:平均EO鎖長2モル(原料高級アルコール:ネオドール23:商品名、シェル社製)。
LAS:直鎖アルキルベンゼンスルホン酸Na(ライオン社製)。
SAS:セカンダリーアルカンスルホン酸Na (クラリアント・ジャパン社製)。
AOS:α−オレフィンスルホン酸ナトリウム(C14)(ライオン社製)。
AX:ラウリル-N,N-ジメチルアミンオキシド(ライオンアクゾ社製)。
CA3K:クエン酸三カリウム一水和物(関東化学社製)。
アスパラギン酸K:アスパラギン酸カリウム(アスパラギン酸(関東化学社製)を水酸化カリウム水溶液で中和)。
EtOH:エタノール(NEDO社製)。
ZnSO4:硫酸亜鉛七水和物(ライオンケミカル社製)。
MgSO4:硫酸マグネシウム七水和物(赤穂化成社製)。
SB:安息香酸ナトリウム(東亞合成社製)。
PTS:パラトルエンスルホン酸(協和発酵工業社製)。
PEG:ポリエチレングリコール(分子量1000)(ライオンケミカル社製)。
色素:黄色4号(ダイワ化成社製)。
防腐剤:ネオロンM-10(商品名、ローム&ハース社製)。
AE(15):ポリオキシエチレンC12−13混合アルキルエーテル:平均EO付加モル数15モル(原料高級アルコール:ネオドール23:シェル社製)。
AE(7):C12−13混合アルキル2級アルコールに、EOを平均7モル付加させたもの(ソフタノール70:商品名、日本触媒社製)。
AE(5):C12−13混合アルキル2級アルコールに、EOを平均7モル付加させたもの(EMALEX705:商品名、日本エマルジョン社製)。
LME(2):ポリオキシエチレンラウリン酸モノエタノールアミド:平均EO付加モル数2モル(アミゾール2L:商品名、川研ファインケミカル製)。
AES(2):ポリオキシエチレンC12−13混合アルキルエーテル硫酸Na:平均EO鎖長2モル(原料高級アルコール:ネオドール23:商品名、シェル社製)。
LAS:直鎖アルキルベンゼンスルホン酸Na(ライオン社製)。
SAS:セカンダリーアルカンスルホン酸Na (クラリアント・ジャパン社製)。
AOS:α−オレフィンスルホン酸ナトリウム(C14)(ライオン社製)。
AX:ラウリル-N,N-ジメチルアミンオキシド(ライオンアクゾ社製)。
CA3K:クエン酸三カリウム一水和物(関東化学社製)。
アスパラギン酸K:アスパラギン酸カリウム(アスパラギン酸(関東化学社製)を水酸化カリウム水溶液で中和)。
EtOH:エタノール(NEDO社製)。
ZnSO4:硫酸亜鉛七水和物(ライオンケミカル社製)。
MgSO4:硫酸マグネシウム七水和物(赤穂化成社製)。
SB:安息香酸ナトリウム(東亞合成社製)。
PTS:パラトルエンスルホン酸(協和発酵工業社製)。
PEG:ポリエチレングリコール(分子量1000)(ライオンケミカル社製)。
色素:黄色4号(ダイワ化成社製)。
防腐剤:ネオロンM-10(商品名、ローム&ハース社製)。
また、上記SSキャップ1と同様の構成を有するSSキャップ(表中の自閉弁)を作製した。
具体的に、キャップ本体3には、ポリエチレン(PE)からなるものを用い、開口部3aの直径は約12mmである。
弁体5には、厚さ約0.5mmのシリコンゴムを用いた。凹部5eは、内径が約10mm、深さが約4mmである。スリット5aは、+形状をなす1つの切れ目の長さが約5mmである。
また、表1,2中の含浸部材(1),(2)は、第1のスポンジ6a及び第2のスポンジ6bに対応したものであり、これら含浸部材(1),(2)には、ポリエステル系の軟質ウレタンフォームからなるイノアックコーポレーション社製のモルトフィルターMF−13(セル数13個/25mm)、MF−20(セル数20個/25mm)、ブリヂストン社製のエバーライトSF HR−40(セル数40個/25mm)を用いた。
また、第1のスポンジ6aは、直径が約10mm、厚さが約6mmであり、第2のスポンジ6bは、直径が約14mm、厚さが約3mmである。
遮蔽部材7には、ポリアセタール(POM)からなるものを用い、側壁7bの周囲に等間隔に4つの貫通孔9を設けた。凹部7dは、内径が約3mm、深さが約6mmである。貫通孔7aの直径は2mmである。
容器2には、ライオン社製のチャーミーリブ(商品名)の容器を用いた。この容器は、ポリエチレンテレフタレート(PET)からなり、胴部2は最外径約65mm×48mmのオーバル形状を有し、口元部2bの直径は約20mmである。
具体的に、キャップ本体3には、ポリエチレン(PE)からなるものを用い、開口部3aの直径は約12mmである。
弁体5には、厚さ約0.5mmのシリコンゴムを用いた。凹部5eは、内径が約10mm、深さが約4mmである。スリット5aは、+形状をなす1つの切れ目の長さが約5mmである。
また、表1,2中の含浸部材(1),(2)は、第1のスポンジ6a及び第2のスポンジ6bに対応したものであり、これら含浸部材(1),(2)には、ポリエステル系の軟質ウレタンフォームからなるイノアックコーポレーション社製のモルトフィルターMF−13(セル数13個/25mm)、MF−20(セル数20個/25mm)、ブリヂストン社製のエバーライトSF HR−40(セル数40個/25mm)を用いた。
また、第1のスポンジ6aは、直径が約10mm、厚さが約6mmであり、第2のスポンジ6bは、直径が約14mm、厚さが約3mmである。
遮蔽部材7には、ポリアセタール(POM)からなるものを用い、側壁7bの周囲に等間隔に4つの貫通孔9を設けた。凹部7dは、内径が約3mm、深さが約6mmである。貫通孔7aの直径は2mmである。
容器2には、ライオン社製のチャーミーリブ(商品名)の容器を用いた。この容器は、ポリエチレンテレフタレート(PET)からなり、胴部2は最外径約65mm×48mmのオーバル形状を有し、口元部2bの直径は約20mmである。
得られた洗浄組成物について、下記の試験方法により漏れ性、排出性、油洗浄力(油汚れの除去性能)、茶渋洗浄力(茶渋汚れの除去性能)及び皮膚刺激性を評価した。
[漏れ性の評価]
容器を約30cmのストロークで上下に10秒間に5回振ったときの液体の漏れ具合について5人の専門パネラーによる官能評価を行った。
〔評価基準〕
◎:5人全て漏れないと評価した。
○:4人が漏れないと評価した。
△:2〜3人が漏れないと評価した。
×:0〜1人が漏れないと評価した。
容器を約30cmのストロークで上下に10秒間に5回振ったときの液体の漏れ具合について5人の専門パネラーによる官能評価を行った。
〔評価基準〕
◎:5人全て漏れないと評価した。
○:4人が漏れないと評価した。
△:2〜3人が漏れないと評価した。
×:0〜1人が漏れないと評価した。
[排出性の評価]
容器をスクイズ操作して液体を注出させたときの液体の出具合について5人の専門パネラーによる官能評価を行った。
(評価基準)
◎:5人全てが吐出しやすいと評価した。
○:4人が吐出しやすいと評価した。
△:2〜3人が吐出しやすいと評価した。
×:0〜1人が吐出しやすいと評価した。
容器をスクイズ操作して液体を注出させたときの液体の出具合について5人の専門パネラーによる官能評価を行った。
(評価基準)
◎:5人全てが吐出しやすいと評価した。
○:4人が吐出しやすいと評価した。
△:2〜3人が吐出しやすいと評価した。
×:0〜1人が吐出しやすいと評価した。
[油洗浄力の評価]
牛脂1gを10cm×15cm×5cmのタッパ容器に均一になるように塗布し、激しく汚れた疎水表面汚垢とした。11.5cm×7.5cm×3cmの食器洗い用スポンジに、38gの水道水と2gの洗浄剤組成物をとり、数回手で揉んだ後、上記で牛脂を塗布したタッパ容器を、25℃の水道水を用いて、通常家庭で行われるのと同様にして洗浄した。洗浄後、水道水でよくすすぎ、その時のタッパ容器の汚染されていた表面を手で触ったときの触感で、油洗浄力を下記の基準に基づき評価した。
(評価基準)
◎:タッパ容器のいずれの部位を触っても、油による皮膜がなく、油の残留によるぬるつきはまったく感じられない。
○:タッパ容器の底面及び側面を触ると、油による皮膜がなく、油の残留によるぬるつきは感じられないが、角の部位には僅かにぬるつきが残っている。
△:タッパ容器の底面を触ると、油による皮膜がなく、油の残留によるぬるつきは感じられないが、側面や角の部位にぬるつきが残っている。
×:タッパ容器全体にぬるつきが感じられ、明らかに油が残留していることがわかる。
牛脂1gを10cm×15cm×5cmのタッパ容器に均一になるように塗布し、激しく汚れた疎水表面汚垢とした。11.5cm×7.5cm×3cmの食器洗い用スポンジに、38gの水道水と2gの洗浄剤組成物をとり、数回手で揉んだ後、上記で牛脂を塗布したタッパ容器を、25℃の水道水を用いて、通常家庭で行われるのと同様にして洗浄した。洗浄後、水道水でよくすすぎ、その時のタッパ容器の汚染されていた表面を手で触ったときの触感で、油洗浄力を下記の基準に基づき評価した。
(評価基準)
◎:タッパ容器のいずれの部位を触っても、油による皮膜がなく、油の残留によるぬるつきはまったく感じられない。
○:タッパ容器の底面及び側面を触ると、油による皮膜がなく、油の残留によるぬるつきは感じられないが、角の部位には僅かにぬるつきが残っている。
△:タッパ容器の底面を触ると、油による皮膜がなく、油の残留によるぬるつきは感じられないが、側面や角の部位にぬるつきが残っている。
×:タッパ容器全体にぬるつきが感じられ、明らかに油が残留していることがわかる。
[茶渋洗浄力の評価]
市販紅茶ティーバック(BBLジャパン社製、製品名:リプトンイエローラベルティーバッグ)2個を500mlの沸騰した水道水中で30分間抽出した紅茶液を、直径60mmの白色陶器製マグカップに200ml注ぎ、60℃恒温槽で24時間静置して、蒸発乾固したものを激しく茶渋の付着したモデル汚垢とした。上記油洗浄力の評価方法と同様にして洗浄剤組成物を含ませたスポンジにより、通常家庭で行われるのと同様にして洗浄し、水でよくすすぎ、以下の評価基準に従って、目視により評価した。
(評価基準)
◎:マグカップ内面のいずれの部位にも、茶渋の残存が認められない。
○:マグカップ内面の底面若しくは側面の一部分に茶渋の残存が認められる。
×:マグカップ内面の底面若しくは側面の半分以上に茶渋の残存が認められる。
市販紅茶ティーバック(BBLジャパン社製、製品名:リプトンイエローラベルティーバッグ)2個を500mlの沸騰した水道水中で30分間抽出した紅茶液を、直径60mmの白色陶器製マグカップに200ml注ぎ、60℃恒温槽で24時間静置して、蒸発乾固したものを激しく茶渋の付着したモデル汚垢とした。上記油洗浄力の評価方法と同様にして洗浄剤組成物を含ませたスポンジにより、通常家庭で行われるのと同様にして洗浄し、水でよくすすぎ、以下の評価基準に従って、目視により評価した。
(評価基準)
◎:マグカップ内面のいずれの部位にも、茶渋の残存が認められない。
○:マグカップ内面の底面若しくは側面の一部分に茶渋の残存が認められる。
×:マグカップ内面の底面若しくは側面の半分以上に茶渋の残存が認められる。
[皮膚刺激性の評価]
1%の洗浄剤組成物を水道水で希釈した希釈液3リットルを入れた桶に、1日30分、手を手首まで浸漬させた。この操作を3日間繰り返し、翌日の手の荒れ具合を、下記の評価基準に従って官能評価した。
(評価基準)
◎ :全く荒れなかった。
○ :やや手荒れした。
△ :手荒れした。
× :かなり手荒れした。
××:非常に手荒れした。
1%の洗浄剤組成物を水道水で希釈した希釈液3リットルを入れた桶に、1日30分、手を手首まで浸漬させた。この操作を3日間繰り返し、翌日の手の荒れ具合を、下記の評価基準に従って官能評価した。
(評価基準)
◎ :全く荒れなかった。
○ :やや手荒れした。
△ :手荒れした。
× :かなり手荒れした。
××:非常に手荒れした。
表1,2の結果に示されるように、本発明のSSキャップを用いたサンプル1〜10については、液漏れの発生はなく、漏れ性、排出性、油洗浄力、茶渋洗浄力及び皮膚刺激性のいずれも良好であった。特に、アスパラギン酸を含むサンプル7,9では、皮膚刺激性が良好であった。
一方、従来のSSキャップを用いたサンプル10では、含浸部材が無いために、液漏れが生じた。また、サンプル11,12のように、容器を振らないで使用した場合には、下層がほとんど注出されず、この下層成分の性能が充分に発揮されないため、茶渋洗浄力が悪く、皮膚刺激性も悪くなった。
以上のことから、本発明では、2層分離液体組成物が入った容器を振って使用する場合でも、内容液が飛び出したり漏れ出たりすることを確実に防止することができ、なお且つ、内容液である2層分離液体組成物の性能を充分に発揮させることができる。
一方、従来のSSキャップを用いたサンプル10では、含浸部材が無いために、液漏れが生じた。また、サンプル11,12のように、容器を振らないで使用した場合には、下層がほとんど注出されず、この下層成分の性能が充分に発揮されないため、茶渋洗浄力が悪く、皮膚刺激性も悪くなった。
以上のことから、本発明では、2層分離液体組成物が入った容器を振って使用する場合でも、内容液が飛び出したり漏れ出たりすることを確実に防止することができ、なお且つ、内容液である2層分離液体組成物の性能を充分に発揮させることができる。
(第2の実施例)
次に、第2の実施例として、上記液体洗浄組成物の各成分を変更した場合の各サンプルについて、層分離性(2層分離状態)、油洗浄力(油汚れの除去性能)、茶渋洗浄力(茶渋汚れの除去性能)、泡立ち性、分離の温度安定性(下層体積の温度依存性)、および分離時間の評価試験を行った。
具体的に、第2の実施例では、下記表3〜7に示す配合で液体洗浄剤組成物のサンプル1〜39を調製した。なお、表3〜7中の配合量は質量%である。
すなわち、(a)成分、(b)成分及び(e)成分を混合し、よく撹拌した。次いで(c)成分および香料を除く、その他成分を混合、撹拌し、均一化後(濁りを生じている場合もある)、(c)成分および香料を添加し、撹拌した。最後に1NのNaOH水溶液(純正試薬)で中和してpH6.7に調整し、目的の洗浄剤組成物を得た。
次に、第2の実施例として、上記液体洗浄組成物の各成分を変更した場合の各サンプルについて、層分離性(2層分離状態)、油洗浄力(油汚れの除去性能)、茶渋洗浄力(茶渋汚れの除去性能)、泡立ち性、分離の温度安定性(下層体積の温度依存性)、および分離時間の評価試験を行った。
具体的に、第2の実施例では、下記表3〜7に示す配合で液体洗浄剤組成物のサンプル1〜39を調製した。なお、表3〜7中の配合量は質量%である。
すなわち、(a)成分、(b)成分及び(e)成分を混合し、よく撹拌した。次いで(c)成分および香料を除く、その他成分を混合、撹拌し、均一化後(濁りを生じている場合もある)、(c)成分および香料を添加し、撹拌した。最後に1NのNaOH水溶液(純正試薬)で中和してpH6.7に調整し、目的の洗浄剤組成物を得た。
表3〜7に記載した各成分は、次のとおりである。
AE(15):ポリオキシエチレンC12−13混合アルキルエーテル:平均EO付加モル数15モル(原料高級アルコール:ネオドール23:シェル社製)。
AE(7):C12−13混合アルキル2級アルコールに、EOを平均7モル付加させたもの(ソフタノール70:商品名、日本触媒社製)。
AE(5):C12−13混合アルキル2級アルコールに、EOを平均7モル付加させたもの(EMALEX705:商品名、日本エマルジョン社製)。
LME(2):ポリオキシエチレンラウリン酸モノエタノールアミド:平均EO付加モル数2モル(アミゾール2L:商品名、川研ファインケミカル製)。
APG:ラウリルグルコシド(マイドール12:商品名、花王社製)。
AES(2):ポリオキシエチレンC12−13混合アルキルエーテル硫酸Na:平均EO鎖長2モル(原料高級アルコール:ネオドール23:商品名、シェル社製)。
LAS:直鎖アルキルベンゼンスルホン酸Na(ライオン社製)。
SAS:セカンダリーアルカンスルホン酸Na (クラリアント・ジャパン社製)。
AOS:α−オレフィンスルホン酸ナトリウム(C14)(ライオン社製)。
AX:ラウリル-N,N-ジメチルアミンオキシド(ライオンアクゾ社製)。
CA3K:クエン酸三カリウム一水和物(関東化学社製)。
CA3Na:クエン酸三ナトリウム(扶桑化学工業社製)。
(CA)2Mg3:クエン酸マグネシウム九水和物(和光純薬工業社製)。
マロン酸2Na:マロン酸2ナトリウム1水和物(関東化学社製)。
コハク酸2Na:コハク酸ナトリウム(コハク酸(関東化学社製)を水酸化ナトリウム水溶液で中和)。
リンゴ酸2Na:リンゴ酸ナトリウム(リンゴ酸(関東化学社製)を水酸化ナトリウム水溶液で中和)。
酒石酸2Na:酒石酸ナトリウム(扶桑化学工業社製)。
アジピン酸2Na:アジピン酸ナトリウム(アジピン酸(関東化学社製)を水酸化ナトリウム水溶液で中和)。
アスパラギン酸K:アスパラギン酸カリウム(アスパラギン酸(関東化学社製)を水酸化カリウム水溶液で中和)。
グルタミン酸K:グルタミン酸カリウム(グルタミン酸(関東化学社製)を水酸化カリウム水溶液で中和)。
EtOH:エタノール(NEDO社製)。
SB:安息香酸ナトリウム(東亞合成社製)。
PTS:パラトルエンスルホン酸(協和発酵工業社製)。
PEG:ポリエチレングリコール(分子量1000)(ライオンケミカル社製)。
ZnSO4:硫酸亜鉛七水和物(ライオンケミカル社製)。
MgSO4:硫酸マグネシウム七水和物(赤穂化成社製)。
色素:黄色4号(ダイワ化成社製)。
防腐剤:ネオロンM-10(商品名、ローム&ハース社製)。
EDTA:エチレンジアミン4酢酸(アクゾノーベルファンクショナルケミカルズ社製)。
AE(15):ポリオキシエチレンC12−13混合アルキルエーテル:平均EO付加モル数15モル(原料高級アルコール:ネオドール23:シェル社製)。
AE(7):C12−13混合アルキル2級アルコールに、EOを平均7モル付加させたもの(ソフタノール70:商品名、日本触媒社製)。
AE(5):C12−13混合アルキル2級アルコールに、EOを平均7モル付加させたもの(EMALEX705:商品名、日本エマルジョン社製)。
LME(2):ポリオキシエチレンラウリン酸モノエタノールアミド:平均EO付加モル数2モル(アミゾール2L:商品名、川研ファインケミカル製)。
APG:ラウリルグルコシド(マイドール12:商品名、花王社製)。
AES(2):ポリオキシエチレンC12−13混合アルキルエーテル硫酸Na:平均EO鎖長2モル(原料高級アルコール:ネオドール23:商品名、シェル社製)。
LAS:直鎖アルキルベンゼンスルホン酸Na(ライオン社製)。
SAS:セカンダリーアルカンスルホン酸Na (クラリアント・ジャパン社製)。
AOS:α−オレフィンスルホン酸ナトリウム(C14)(ライオン社製)。
AX:ラウリル-N,N-ジメチルアミンオキシド(ライオンアクゾ社製)。
CA3K:クエン酸三カリウム一水和物(関東化学社製)。
CA3Na:クエン酸三ナトリウム(扶桑化学工業社製)。
(CA)2Mg3:クエン酸マグネシウム九水和物(和光純薬工業社製)。
マロン酸2Na:マロン酸2ナトリウム1水和物(関東化学社製)。
コハク酸2Na:コハク酸ナトリウム(コハク酸(関東化学社製)を水酸化ナトリウム水溶液で中和)。
リンゴ酸2Na:リンゴ酸ナトリウム(リンゴ酸(関東化学社製)を水酸化ナトリウム水溶液で中和)。
酒石酸2Na:酒石酸ナトリウム(扶桑化学工業社製)。
アジピン酸2Na:アジピン酸ナトリウム(アジピン酸(関東化学社製)を水酸化ナトリウム水溶液で中和)。
アスパラギン酸K:アスパラギン酸カリウム(アスパラギン酸(関東化学社製)を水酸化カリウム水溶液で中和)。
グルタミン酸K:グルタミン酸カリウム(グルタミン酸(関東化学社製)を水酸化カリウム水溶液で中和)。
EtOH:エタノール(NEDO社製)。
SB:安息香酸ナトリウム(東亞合成社製)。
PTS:パラトルエンスルホン酸(協和発酵工業社製)。
PEG:ポリエチレングリコール(分子量1000)(ライオンケミカル社製)。
ZnSO4:硫酸亜鉛七水和物(ライオンケミカル社製)。
MgSO4:硫酸マグネシウム七水和物(赤穂化成社製)。
色素:黄色4号(ダイワ化成社製)。
防腐剤:ネオロンM-10(商品名、ローム&ハース社製)。
EDTA:エチレンジアミン4酢酸(アクゾノーベルファンクショナルケミカルズ社製)。
得られた洗浄組成物について、下記の試験方法により層分離性(2層分離状態)、油洗浄力(油汚れの除去性能)、茶渋洗浄力(茶渋汚れの除去性能)、泡立ち性、分離の温度安定性(下層体積の温度依存性)、および分離時間を評価した。
[層分離性の評価]
洗浄剤組成物を前記PS−No.11の瓶に80g入れ、開口部をヒンジ型キャップで塞いだ容器入り液体洗浄剤を得た。これを20℃でよく振って撹拌・分散化させて、24時間放置した後の外観を目視で評価した。撹拌条件は、長さ3cmのスターラーを用い、1500rpmで10分間撹拌した。
(評価基準)
◎:上下層の高さの比率が、上層/下層=5/5以上7/3以下で、両層が透明。
○:上下層の高さの比率が、上層/下層=1/9以上5/5未満、または7/3より大きく9/1以下で、両層が透明。
×:分離せず。
洗浄剤組成物を前記PS−No.11の瓶に80g入れ、開口部をヒンジ型キャップで塞いだ容器入り液体洗浄剤を得た。これを20℃でよく振って撹拌・分散化させて、24時間放置した後の外観を目視で評価した。撹拌条件は、長さ3cmのスターラーを用い、1500rpmで10分間撹拌した。
(評価基準)
◎:上下層の高さの比率が、上層/下層=5/5以上7/3以下で、両層が透明。
○:上下層の高さの比率が、上層/下層=1/9以上5/5未満、または7/3より大きく9/1以下で、両層が透明。
×:分離せず。
[油洗浄力の評価]
牛脂1gを10cm×15cm×5cmのタッパ容器に均一になるように塗布し、激しく汚れた疎水表面汚垢とした。11.5cm×7.5cm×3cmの食器洗い用スポンジに、38gの水道水と2gの洗浄剤組成物をとり、数回手で揉んだ後、上記で牛脂を塗布したタッパ容器を、25℃の水道水を用いて、通常家庭で行われるのと同様にして洗浄した。洗浄後、水道水でよくすすぎ、その時のタッパ容器の汚染されていた表面を手で触ったときの触感で、油洗浄力を下記の基準に基づき評価した。
(評価基準)
◎:タッパ容器のいずれの部位を触っても、油による皮膜がなく、油の残留によるぬるつきはまったく感じられない。
○:タッパ容器の底面及び側面を触ると、油による皮膜がなく、油の残留によるぬるつきは感じられないが、角の部位には僅かにぬるつきが残っている。
△:タッパ容器の底面を触ると、油による皮膜がなく、油の残留によるぬるつきは感じられないが、側面や角の部位にぬるつきが残っている。
×:タッパ容器全体にぬるつきが感じられ、明らかに油が残留していることがわかる。
牛脂1gを10cm×15cm×5cmのタッパ容器に均一になるように塗布し、激しく汚れた疎水表面汚垢とした。11.5cm×7.5cm×3cmの食器洗い用スポンジに、38gの水道水と2gの洗浄剤組成物をとり、数回手で揉んだ後、上記で牛脂を塗布したタッパ容器を、25℃の水道水を用いて、通常家庭で行われるのと同様にして洗浄した。洗浄後、水道水でよくすすぎ、その時のタッパ容器の汚染されていた表面を手で触ったときの触感で、油洗浄力を下記の基準に基づき評価した。
(評価基準)
◎:タッパ容器のいずれの部位を触っても、油による皮膜がなく、油の残留によるぬるつきはまったく感じられない。
○:タッパ容器の底面及び側面を触ると、油による皮膜がなく、油の残留によるぬるつきは感じられないが、角の部位には僅かにぬるつきが残っている。
△:タッパ容器の底面を触ると、油による皮膜がなく、油の残留によるぬるつきは感じられないが、側面や角の部位にぬるつきが残っている。
×:タッパ容器全体にぬるつきが感じられ、明らかに油が残留していることがわかる。
[茶渋洗浄力の評価]
市販紅茶ティーバック(BBLジャパン社製、製品名:リプトンイエローラベルティーバッグ)2個を500mlの沸騰した水道水中で30分間抽出した紅茶液を、直径60mmの白色陶器製マグカップに200ml注ぎ、60℃恒温槽で24時間静置して、蒸発乾固したものを激しく茶渋の付着したモデル汚垢とした。上記油洗浄力の評価方法と同様にして洗浄剤組成物を含ませたスポンジにより、通常家庭で行われるのと同様にして洗浄し、水でよくすすぎ、以下の評価基準に従って、目視により評価した。
(評価基準)
◎:マグカップ内面のいずれの部位にも、茶渋の残存が認められない。
○:マグカップ内面の底面若しくは側面の一部分に茶渋の残存が認められる。
×:マグカップ内面の底面若しくは側面の半分以上に茶渋の残存が認められる。
市販紅茶ティーバック(BBLジャパン社製、製品名:リプトンイエローラベルティーバッグ)2個を500mlの沸騰した水道水中で30分間抽出した紅茶液を、直径60mmの白色陶器製マグカップに200ml注ぎ、60℃恒温槽で24時間静置して、蒸発乾固したものを激しく茶渋の付着したモデル汚垢とした。上記油洗浄力の評価方法と同様にして洗浄剤組成物を含ませたスポンジにより、通常家庭で行われるのと同様にして洗浄し、水でよくすすぎ、以下の評価基準に従って、目視により評価した。
(評価基準)
◎:マグカップ内面のいずれの部位にも、茶渋の残存が認められない。
○:マグカップ内面の底面若しくは側面の一部分に茶渋の残存が認められる。
×:マグカップ内面の底面若しくは側面の半分以上に茶渋の残存が認められる。
[泡立ち性の評価]
11.5cm×7.5cm×3cmの食器洗い用スポンジに、38gの水道水と2gの洗浄剤組成物をとり、10回手で揉んだ後の泡立ちを下記の基準に基づき目視により評価した。
(評価基準)
◎:よく泡立つ。
○:泡立つ。
×:泡立たない。
11.5cm×7.5cm×3cmの食器洗い用スポンジに、38gの水道水と2gの洗浄剤組成物をとり、10回手で揉んだ後の泡立ちを下記の基準に基づき目視により評価した。
(評価基準)
◎:よく泡立つ。
○:泡立つ。
×:泡立たない。
[分離の温度安定性の評価]
洗浄剤組成物をよく撹拌・分散化させた後、前記PS−No.11の瓶へ80g入れたサンプルを、各洗浄剤組成物ごとに2つ調製した。一方のサンプルは−5℃で、他方のサンプルは50℃で、それぞれ24時間放置した後の下層長さ及び全長を測定し、下層体積比(=下層長さ/全体の長さ×100、単位:%)を求めた。
(評価基準)
◎:−5℃と50℃における下層体積比の差が、0%以上10%未満。
○:−5℃と50℃における下層体積比の差が、10%以上20%未満。
×:−5℃と50℃における下層体積比の差が、20%以上。
洗浄剤組成物をよく撹拌・分散化させた後、前記PS−No.11の瓶へ80g入れたサンプルを、各洗浄剤組成物ごとに2つ調製した。一方のサンプルは−5℃で、他方のサンプルは50℃で、それぞれ24時間放置した後の下層長さ及び全長を測定し、下層体積比(=下層長さ/全体の長さ×100、単位:%)を求めた。
(評価基準)
◎:−5℃と50℃における下層体積比の差が、0%以上10%未満。
○:−5℃と50℃における下層体積比の差が、10%以上20%未満。
×:−5℃と50℃における下層体積比の差が、20%以上。
[分離時間の評価]
洗浄剤組成物を前記PS−No.11の瓶へ80g入れたサンプルを、よく撹拌して分散化させた後、10分おきに下層の長さ及び全長を測定した。各測定値より下層体積比(=下層の長さ/全長の長さ×100、単位:%)の値を算出し、該下層体積比の値が一定となった状態を終点とし、該終点に達するまでの時間を記録した。
(評価基準)
◎:0分以上30分未満。
○:30分以上60分未満。
×:60分以上。
洗浄剤組成物を前記PS−No.11の瓶へ80g入れたサンプルを、よく撹拌して分散化させた後、10分おきに下層の長さ及び全長を測定した。各測定値より下層体積比(=下層の長さ/全長の長さ×100、単位:%)の値を算出し、該下層体積比の値が一定となった状態を終点とし、該終点に達するまでの時間を記録した。
(評価基準)
◎:0分以上30分未満。
○:30分以上60分未満。
×:60分以上。
表3〜7の結果に示されるように、サンプル1〜32の洗浄剤組成物は、層分離性、油洗浄力、茶渋洗浄力、泡立ち性、分離の温度安定性、および分離時間のいずれも良好であった。
これに対して、(a)成分を含有しないサンプル35では、(d)成分を添加しても2層に分離しなかった。(b)成分を含有しないサンプル36では、層分離性は良好であったが、油洗浄力が劣っていた。(c)成分を含有しないサンプル37では、透明な2層に分離したが、油洗浄力が劣っていた。(d)成分を含有しないサンプル38では、2層に分離せず、茶渋洗浄力も劣っていた。(d)成分の含有量が本発明の範囲より少ないサンプル39では、2層に分離しなかった。
これに対して、(a)成分を含有しないサンプル35では、(d)成分を添加しても2層に分離しなかった。(b)成分を含有しないサンプル36では、層分離性は良好であったが、油洗浄力が劣っていた。(c)成分を含有しないサンプル37では、透明な2層に分離したが、油洗浄力が劣っていた。(d)成分を含有しないサンプル38では、2層に分離せず、茶渋洗浄力も劣っていた。(d)成分の含有量が本発明の範囲より少ないサンプル39では、2層に分離しなかった。
1…SSキャップ(液体注出キャップ) 2…容器 2a…胴部 2b…口元部 3…キャップ本体 3a…開口部 4…オーバーキャップ 5…弁体 5a…スリット 6…含浸部材 6a…第1のスポンジ 6b…第2のスポンジ 6c…第3のスポンジ 7…遮蔽部材 7a…底壁 7b…側壁 7d…凹部 8…ストッパ 9…貫通孔
Claims (8)
- 弾性復元力を有する容器と、
前記容器の口元部に装着された液体注出キャップとを備え、
前記液体注出キャップは、前記容器の口元部に装着されると共に、先端部に開口部が設けられたキャップ本体と、
スリットが形成された弾性部材からなり、前記キャップ本体の開口部から前記スリットを外部に露出させた状態で前記キャップ本体内に保持されると共に、前記容器をスクイズ操作したときに前記容器内の圧力に応じて前記スリットを開閉する弁体と、
前記キャップ本体内の前記弁体よりも前記容器側に位置する含浸部材とを有し、
前記容器には、2層分離液体組成物が収容されてなることを特徴とする2層分離液体組成物入り容器。 - 前記含浸部材よりも前記容器側に位置して、前記キャップ本体の内側に嵌合された遮蔽部材を備え、
前記遮蔽部材には、少なくとも1つ以上の貫通孔が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の2層分離液体組成物入り容器。 - 前記遮蔽部材は、底壁と、この底壁の周囲から立ち上がり形成された側壁とを有し、且つ、これら底壁と側壁とから構成される凹部の内側を前記弁体側に向けた状態で前記キャップ本体の内側に嵌合されると共に、前記側壁に形成された少なくとも1つ以上の貫通孔を通して前記凹部の内側と外側とが連通されてなることを特徴とする請求項2に記載の2層分離液体組成物入り容器。
- 前記含浸部材がスポンジであることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の2層分離液体組成物入り容器。
- 前記スポンジのセル数が5〜50個/25mmであることを特徴とする請求項4に記載の2層分離液体組成物入り容器。
- 前記スポンジの厚みが3〜20mmであることを特徴とする請求項4又は5に記載の2層分離液体組成物入り容器。
- 前記2層分離液体組成物は、ノニオン界面活性剤5〜50質量%、アニオン界面活性剤1〜30質量%、両性界面活性剤及び/又は半極性界面活性剤1〜20質量%、ポリカルボン酸及び/又はその塩5〜25質量%を含有し、20℃において2層に分離する液体洗浄剤組成物であることを特徴とする請求項1〜6の何れか一項に記載の2層分離液体組成物入り容器。
- 前記液体洗浄剤組成物は、更に低級アルコールを含有することを特徴とする請求項7記載の2層分離液体組成物入り容器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005378629A JP2007176571A (ja) | 2005-12-28 | 2005-12-28 | 2層分離液体組成物入り容器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005378629A JP2007176571A (ja) | 2005-12-28 | 2005-12-28 | 2層分離液体組成物入り容器 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2007176571A true JP2007176571A (ja) | 2007-07-12 |
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ID=38302138
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2005378629A Withdrawn JP2007176571A (ja) | 2005-12-28 | 2005-12-28 | 2層分離液体組成物入り容器 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2007176571A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN104150079A (zh) * | 2014-08-11 | 2014-11-19 | 李红彪 | 一种可自动密封的瓶盖 |
WO2015034251A1 (ko) * | 2013-09-05 | 2015-03-12 | (주)아모레퍼시픽 | 스퀴즈가 가능한 퍼프 일체형 화장품용기 |
KR101518444B1 (ko) * | 2013-11-12 | 2015-05-08 | 주식회사 오네스 | 튜브형 화장품용기 |
-
2005
- 2005-12-28 JP JP2005378629A patent/JP2007176571A/ja not_active Withdrawn
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2015034251A1 (ko) * | 2013-09-05 | 2015-03-12 | (주)아모레퍼시픽 | 스퀴즈가 가능한 퍼프 일체형 화장품용기 |
KR200478729Y1 (ko) * | 2013-09-05 | 2015-11-12 | (주)아모레퍼시픽 | 스퀴즈가 가능한 퍼프 일체형 화장품용기 |
KR101518444B1 (ko) * | 2013-11-12 | 2015-05-08 | 주식회사 오네스 | 튜브형 화장품용기 |
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