JP2007176399A - 走行車両 - Google Patents

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Abstract

【課題】 乗員搭載部にかかる慣性力又は遠心力に釣り合うように乗員搭載部を移動する走行車両を提供する。
【解決手段】 車体2と、車体2に回転可能に支持し、一軸上に配置された車輪5と、車体2に支持し乗員を搭載する乗員搭載部3と、を有した走行車両において、車体2の姿勢を検出する車体姿勢検出手段と、車体姿勢検出手段の検出した車体姿勢を制御する車体姿勢制御手段と、を備え、乗員搭載部3は、走行車両1の加減速又は旋回動作によって生じる慣性力又は遠心力に対応して、慣性力又は遠心力に釣り合うように移動することを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、一軸上に車輪を配置した車両の乗員の姿勢を快適に保持できるようにした走行車両に関する。
従来、左右に配置された2個の車輪を有する台車に搭載されるサドルとして、搭乗者の荷重が付加される可動永久磁石と、この可動永久磁石に反発磁極を対向させて配置されるとともに台車に固定される浮上用固定永久磁石を有し、可動永久磁石と浮上用固定永久磁石で構成される磁性バネにより可動永久磁石を浮上用固定永久磁石から浮上させて支持する構造の車両装置がある(特許文献1)。
また、図17(a)及び図17(b)は、従来の加速時における走行車両1及び乗員Mの状態を示す概念図である。図中、1は走行車両、2は車体、3は搭載手段の一例としてのシート、4は車軸、5は車輪、G1は全体の重心、G2は乗員の重心、gは重力、Fiは慣性力、Ffは前方への力、Vは鉛直軸、Eは平衡軸、Bは車体軸、Pは接地点である。
図17(a)において、走行車両1は、車体2に、車軸4及び車輪5を連結し、シート3を載置したものである。この走行車両1が加速するときには、車体2及び乗員Mには慣性力Fiが作用するので、このまま加速すると、車体2及び乗員Mは、その慣性力Fiの影響で後方に転倒してしまう。そこで、平衡軸E上に全体の重心G1を置き、転倒を防止する必要がある。
次に、図18(a)及び図18(b)は、従来の旋回時における走行車両1及び乗員Mの状態を示す図である。図中、1は走行車両、2は車体、3は搭載手段の一例としてのシート、4は車軸、5は車輪、G1は全体の重心、G2は乗員の重心、gは重力、Fcは遠心力、Vは鉛直軸、Eは平衡軸、Bは車体軸、Tはトレッドである。
図18(a)において、走行車両1は、車体2に、車軸4及び車輪5を連結し、シート3を載置したものである。この走行車両1が旋回するときには、車体2及び乗員Mには遠心力Fcが作用するので、このまま加速すると、車体2及び乗員Mは、その遠心力Fcの影響で外側に転倒しまう。そこで、車体2を鉛直軸Vよりも大きく内側に傾斜させ、車輪のトレッド内に点線E//Sが地面を交差する点を置くことで、転倒を防止し、釣り合いを保持しなければならない。
特開2005−145296号公報
しかしながら、図17(b)で示すように、車体2を平衡軸Eよりも大きく前方に傾斜させ釣り合いを保持した場合、乗員には前方への力Ffが働くことになる。この場合、加速しているにもかかわらず、前方への力Ffを感じることとなり、乗員には、前方への力Ffは不自然なので、乗り心地が悪いものである。
また、旋回時における乗員Mの状態は、図18(b)のようになる。乗員の重心G2は、車体2を鉛直軸Vよりも大きく内側に傾斜させたことで、トレッドTの外側に位置することとなり、障害物と接触する場合がある。また、乗員の視界が傾斜することで、速度及び操舵等の操作に影響を及ぼす恐れがある。
本発明は、上記課題を解決するものであって、乗員搭載部にかかる慣性力又は遠心力に釣り合うように乗員搭載部を移動する走行車両を提供することを目的とする。
そのために本発明は、車体と、前記車体に回転可能に支持し、一軸上に配置された車輪と、前記車体に支持し乗員を搭載する乗員搭載部と、を有した走行車両において、前記車体の姿勢を検出する車体姿勢検出手段と、前記車体姿勢検出手段の検出した車体姿勢を制御する車体姿勢制御手段と、を備え、前記乗員搭載部は、前記走行車両の加減速又は旋回動作によって生じる慣性力又は遠心力に対応して、前記慣性力又は遠心力に釣り合うように移動することを特徴とする。
また、前記車体は、前記乗員搭載部を吊り下げ支持する乗員搭載支持部を有することを特徴とする。
また、前記車体と前記乗員搭載部とは、前記乗員搭載部及び前記乗員の重心よりも下方において減衰手段で連結することを特徴とする。
また、前記車体は、前記乗員搭載部を支持する乗員搭載支持部を有し、前記乗員搭載部と前記乗員搭載支持部との間に球体を介在させ、さらにバネで連結したことを特徴とする。
また、前記乗員搭載支持部は、周縁に止め部を有することを特徴とする。
また、前記乗員搭載支持部は、液体が貯留されていることを特徴とする。
それによって、車体と、前記車体に回転可能に支持し、一軸上に配置された車輪と、前記車体に支持し乗員を搭載する乗員搭載部と、を有した走行車両において、前記車体の姿勢を検出する車体姿勢検出手段と、前記車体姿勢検出手段の検出した車体姿勢を制御する車体姿勢制御手段と、を備え、前記乗員搭載部は、前記走行車両の加減速又は旋回動作によって生じる慣性力又は遠心力に対応して、前記慣性力又は遠心力に釣り合うように移動するので、釣り合い時、乗員は静止しているのと同じような力を感じ、加減速や旋回時の乗員の負担を軽減することができる。
また、前記車体は、前記乗員搭載部を吊り下げ支持する乗員搭載支持部を有するので、慣性力又は遠心力に釣り合うように自動的に傾斜し、余分なエネルギーを使用する必要がない。
また、前記車体と前記乗員搭載部とは、前記乗員搭載部及び前記乗員の重心よりも下方において減衰手段で連結するので、釣り合い時、乗員は静止しているのと同じような力を感じ、乗員部の重量、慣性モーメント、重心高さ、減衰手段の減衰能等で決まる固有振動数を調整することで,加減速や旋回時の乗員の負担を軽減できる。また、減衰手段を車体と乗員搭載部の間に配設するので、車体軸の素早い変化に対して,乗員の姿勢変化を緩やかにすることができる。
また、前記車体は、前記乗員搭載部を支持する乗員搭載支持部を有し、前記乗員搭載部と前記乗員搭載支持部との間に球体を介在させ、さらにバネで連結したので、釣り合い時、乗員は静止しているのと同じような力を感じ、乗員部の重量、慣性モーメント、重心高さ、底面の曲率半径で決まる固有振動数を調整することで,慣性力又は遠心力の急激な変化に対する乗員の負担を軽減でき、両面の摩擦を減らし車体と連結することができると共に、慣性力又は遠心力により自動的に傾斜するので、エネルギーがいらない。
また、前記乗員搭載支持部は、周縁に止め部を有するので、車体の上端面とシートの底面との間の空間から該ボールが飛び出さない。
また、前記乗員搭載支持部は、液体が貯留されているので、減衰能をもたせることができ、減衰係数をパラメータとして固有振動数を調整することができる。
以下、本発明の一例としての実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は第一実施形態の概念図である。図中の符号については、従来の技術である図17又は図18で示したものと同じものを使用する。 この場合、走行車両1は、車体の姿勢を検出する車体姿勢検出手段の一例としての角速度計121及び加速度計122と、角速度計121及び加速度計122の検出した車体姿勢を制御する車体姿勢制御手段120により、走行可能に制御されている。また、シート3にかかる慣性力又は遠心力に釣り合うように、車体2とは独立に,シート3を平衡軸Eの向きに傾斜する構造とする。
このような構造とすることにより、釣り合い時、乗員Mは静止しているのと同じような力を感じ、加減速や旋回時の乗員の負担を軽減することができる。
図2及び図3は第一実施形態の第1実施例を示す図である。図2及び図3は、シートの回転中心をシートと乗員の重心よりも上方に設置し、吊り下げたシートにダンパを適用した例を示す。図2は乗員を搭載した状態の概略図、図3(a)は、乗員搭載部分の拡大図、図3(b)は、図3(a)の平面図である。
図中、1は走行車両、12は車体、12aは上部、12bは中間部、12cは下部、12dは第一吊り下げ部、12eは第二吊り下げ部、13は乗員搭載部の一例としてのシート、14は車軸、15は車輪、16は減衰手段の一例としてのダンパ、17はジョイントである。
車体12は、上部12a、中間部12b、下部12c、第一吊り下げ部12d及び第二吊り下げ部12eを有する。
乗員搭載支持部の一例としての上部12aは、シート13の上方から後方にシート13の背もたれ13bを迂回するように湾曲して設け、上端を第一吊り下げ部12d及び第二吊り下げ部12eとジョイント17を介して連結し、下端をシート13の後方において中間部12b及びダンパ16とジョイント17を介して連結する。第一吊り下げ部12d及び第二吊り下げ部12eとの連結点である上端はシート13の回転中心となる。
中間部12bは、湾曲部12b1と放射状部12b2とを有し、湾曲部12b1は、シート13のわずかに下方において、シート座面43cを迂回するように一方の側部から後方を経て他方の側部へ湾曲して延びる形状のもので、放射状部12b2は、下部12cの上端と湾曲部12b1とを結ぶものである。本例の放射状部12b1において、一本は、下部12cの上端から上部12aと湾曲部12b1との交点へ延び、残りの二本は下部12cの上端から湾曲部12b1の端部へ延び、それぞれジョイント47を介して結合されている。中間部12bとシート13とは、ダンパ16とジョイント17を介して連結する。本例では、一本は、上部12aと湾曲部12b1との交点と、シート座面13cとの間に連結し、残りの二本は湾曲部12b1の端部と、シート座面13cの左右前方とを連結する。
下部12cは、上端が中間部12bの放射状部12b2の中心に位置し、下端は車軸14を支持している。第一吊り下げ部12dは、上部12aの上端とシート13のヘッドレスト13aとをジョイントを介して連結するもので、これにより、シート13が上部13aの上端から吊された状態となる。第二吊り下げ部12eは、上部12aの上端と中間部12bの湾曲部12b1端部とを連結する。
このような構造とすることにより、釣り合い時、乗員は静止しているのと同じような力を感じ、乗員部の重量、慣性モーメント、重心高さ、ダンパの減衰能等で決まる固有振動数を調整することで,加減速や旋回時の乗員の負担を軽減できる。また、ダンパを車体とシートの間に配設するので、車体軸の素早い変化に対して,乗員の姿勢変化を緩やかにすることができる。
次に、第一実施形態の第二実施例について説明する。図4及び図5は、球面とボールを適用した例を示す。図4は乗員を搭載した状態の概略図、図5(a)は、シート駆動部分の拡大図、図5(b)は、図5(a)の平面図である。
図中、1は走行車両、22は車体、22aは上端面、22bは止め部、23は乗員搭載部の一例としてのシート、23aは底面、23bはバネ取付部、24は車軸、25は車輪、26はボール、27はバネ、28は液体である。
車体22は、上部に乗員搭載支持部の一例としての球面状の上端面22a及び上端面の周縁に止め部22bを有し、バネ29によりシート23と連結されている。シート23は、球面状の底面23aを有する。車体22の上端面22aとシート23の底面23aとの間には、ボール26を介在させる。車体22の上端面22a周縁には、止め部22bを設け、該止め部22bとシート23のバネ取付部23bとの間に径方向にバネ27を配設する。また、車体22の球面上の上端面22aには、液体28が貯留されている。
このような構造とすることで、釣り合い時、乗員は静止しているのと同じような力を感じ、乗員部の重量、慣性モーメント、重心高さ、底面の曲率半径、液体の粘性で決まる固有振動数を調整することで,加減速や旋回時の乗員の負担を軽減できる。また、車体22の上端面22aには、止め部22bを設けるので、車体22の上端面22aとシート23の底面23aとの間の空間から該ボール26が飛び出さない。さらに、該止め部22bとシート23のバネ取付部23bとの間に径方向にバネ27を配設するので、車体22とシート23とを連結することができる。そして、車体22の上端面22aとシート23の底面23aとの間には、ボール26を介在させるので、両面間の摩擦を減らすことができる。また、液体28を貯留させることにより、減衰能をもたせることができる。さらに、相対速度に対して不連続な特性をもつ静摩擦、動摩擦ではなく、相対速度に対して連続的な特性をもつ液体の粘性摩擦を使うことにより、姿勢変化が滑らかになる。
次に、第二実施形態として、乗員姿勢制御手段を適用した場合について述べる。
図6は第二実施形態の概念図である。第二実施形態の加速時における制御後の乗員の状態は第1図と同様のものである。図6は第二実施形態の旋回時における制御後の乗員の状態を示す図である。図中の符号については、従来の技術である図12で示したものと同じものを使用する。
加速時における制御後の乗員Mの状態は第1図と同様のものであり、搭乗軸Sが平衡軸Eと同じ傾斜角度となるように、シートを後方に傾斜させる。
このように制御することで、乗員Mに慣性力が加わることがなくなり、静止状態のように感じることとなる。また、シート3を更に後方に傾斜させるように制御すると、後ろ向きの力を感じ、加速度を体感することができる。すなわち、乗員Mのシート3の姿勢を変更することによって、走行車両1の加速度が変化するときに、乗員Mが体感する加速度を任意に設定することが可能となるので、乗員Mを滑らかに動かすことが可能となると共に、乗員Mの姿勢を自由に設定することができる。
図6は、旋回時における制御後の乗員Mの状態を示す図であり、シート3を側方に回動させ、正面から見て乗員Mの姿勢が鉛直方向となるように車体軸Bを制御する。
このように制御することで、乗員Mが常に直立した状態で旋回することが可能となり、乗員MがトレッドTの外側に出ることはない。また、ある程度の遠心力を感じるように旋回することが可能となり、旋回中であることを実感することができる。すなわち、乗員Mのシート3の姿勢を変更することによって、走行車両1の旋回半径や速度の変化に対して、乗員Mを滑らかに動かすことが可能となると共に、乗員Mの姿勢を自由に設定することができる。
次に、このような走行車両の制御手段構成を図7により説明する。図7は、第二実施形態の制御手段構成を示す図である。図中、110は走行車両制御システム、120は車体姿勢制御手段、121は車体姿勢検出手段の一例としての角速度計、122は車体姿勢検出手段の一例としての加速度計、123は操作手段、124は車体ECU、125は車体姿勢制御用アクチュエータ、130は乗員姿勢制御手段の一例としてのシート姿勢制御手段、131はシート相対傾斜角測定装置、132はシートECU、133はシート傾斜角調整用アクチュエータである。
車体制御手段120は、2軸の角速度計121が検出した車体傾斜角速度及び3軸の加速度計122が検出した加速度若しくはジョイスティック等の操作手段123からの操作情報を車体ECU124で演算して、指令値を車体姿勢制御用アクチュエータ125に出力することで車体2を制御するものである。また、車体姿勢制御手段120は、シート姿勢制御手段130を連結し、車体ECU124から車体傾斜角及び加速度をシートECU132に出力し、シート制御手段130から車体傾斜角・位置目標修正量を車体ECU124に出力することで、シート3の相対傾斜角を考慮した車体の姿勢制御を実行することができる。
シート姿勢制御手段130は、既存の車体姿勢制御手段120に連結可能であり、乗員姿勢検出手段の一例としての2軸のシート相対傾斜角測定装置131が検出した車体とのシート相対傾斜角並びに車体姿勢制御手段120の車体ECU124からの車体傾斜角及び加速度をシートECU132で演算して、車体傾斜角目標修正量を車体ECU124に出力すると共に指令値をシート傾斜角調整用アクチュエータ133に出力することでシート傾斜角を制御するものである。なお、車体ECU124への入力としては、角速度計121、加速度計122又は操作手段123を独立で使用してもよいし、様々な組み合わせで使用してもよい。
次に、このような制御手段のフローチャートについて説明する。図8は、第二実施形態の制御フローチャートを示す図である。まず、ステップ1で、車体搭載の加速度計122で加速度の向きを測定する(S1)。次に、ステップ2で、車体傾斜角の目標値(釣り合い角度)を算出する(S2)。次に、ステップ3で、車体搭載の加速度計122と角速度計121の測定値から車体傾斜角を算出する(S3)。次に、ステップ4で、後述するシート傾斜角調整処理を実行する(S4)。次に、ステップ5で、車体傾斜角の測定値と修正目標値が等しいかどうか及び各々の時間変化率が等しいかどうかを判断する(S5)。判断の結果、車体傾斜角の測定値と修正目標値が等しく、各々の時間変化率も等しい場合、スタートに戻る。判断の結果、車体傾斜角の測定値と修正目標値が等しくないか、又は、各々の時間変化率が等しくない場合、ステップ6へ進む。ステップ6では、車体傾斜角の目標値に近づけるのに必要なアクチュエータ出力値の算出を実行する(S6)。最後に、ステップ6で算出した結果をもとに、ステップ7で、車体姿勢制御用アクチュエータに出力する(S7)。
ここで、ステップ4におけるシート傾斜角調整処理について説明する。まず、ステップ41で、車体の加速度の向きと車体傾斜角からシート傾斜角の目標値を算出する(S41)。次に、ステップ42で、車体とシートの間に設置されたシート相対傾斜角測定装置でシート傾斜角を測定する(S42)。次に、ステップ43で、シート傾斜に伴う重心移動に対する車体傾斜角目標値の修正量を算出する(S43)。次に、ステップ44で、シート傾斜角の測定値と目標値は等しいかどうか、及び、各々の時間変化率も等しいかどうかを判断する(S44)。判断の結果、シート傾斜角の測定値と目標値、及び、各々の時間変化率も等しい場合、シート傾斜角調整処理を終了する。シート傾斜角の測定値と目標値が等しくないか、又は、各々の時間変化率が等しくない場合、ステップ45で、シート傾斜角の目標値に近づけるのに必要なアクチュエータ出力値の算出を実行する(S45)。最後に、ステップ45で算出した結果をもとに、ステップ46でシート傾斜角制御用アクチュエータに出力する(S46)。
続いて、このような第二実施形態の様々な実施例を示す。まず、第二実施形態の第一実施例について説明する。図9及び図10は、上方から吊り下げシートにロッド型アクチュエータを適用した例を示す。図9は乗員を搭載した状態の概略図、図10(a)は、乗員搭載部分の拡大図、図10(b)は、図10(a)の平面図である。
図中、1は走行車両、62は車体、62aは上部、62bは中間部、62cは下部、62dは第一吊り下げ部、62eは第二吊り下げ部、63は乗員搭載部の一例としてのシート、64は車軸、65は車輪、66はアクチュエータ、67はジョイントである。
この構造は、図2及び図3で示した第1実施形態の第一実施例のダンパ16をアクチュエータ66に変えたものであり、このような構造とし、アクチュエータ46を制御することにより、シート13を任意の傾斜角に制御することができる。
したがって、乗員搭載部は、走行車両の加減速又は旋回動作によって生じる慣性力又は遠心力に対応して、慣性力又は遠心力に釣り合うように移動できるので、釣り合い時、乗員は静止しているのと同じような力を感じ、加減速や旋回時の乗員の負担を軽減することができる。さらに、停止時及び一定速度走行時の直立姿勢保持にエネルギーが不要となる。
次に、第二実施形態の第二実施例について説明する。図11及び図12は、電磁力を適用した例を示す。図11は乗員を搭載した状態の概略図、図12(a)は、シート駆動部分の拡大図、図12(b)は、図12(a)の平面図である。
図中、1は走行車両、72は車体、72aは上端面、72bは止め部、72cはコイル取付部、73は乗員搭載部の一例としてのシート、73aは底面、73bはバネ取付部、74は車軸、75は車輪、76はコイル、77は永久磁石、78はボール、79はバネである。
車体72は、上部に球面状の上端面72a及び上端面の縁に止め部72bを、該上端面72aの下方に複数のコイル76を設置したコイル取付部72cを有し、バネ79によりシート73と連結されている。シート73は、球面状の底面73aを有し、該底面73aには永久磁石77を、車体72のコイル取付部72aに取り付けたコイル76に対向して設置する。車体72の上端面72aとシート73の底面73aとの間には、非磁性体のボール78を介在させる。車体72の上端面72aには、止め部72bを設け、該止め部72bとシート73のバネ取付部73bとの間に径方向にバネ79を配設する。
このような構造とすることで、車体72のコイル取付部72cに取り付けたコイル76の電流配分を制御することにより、シート73を任意の傾斜角に制御することができる。また、車体72の上端面72aには、止め部72bを設けるので、車体72の上端面72aとシート73の底面73aとの間の空間から該ボール78が飛び出さない。さらに、該止め部72bとシート73のバネ取付部73bとの間に径方向にバネ79を配設するので、車体72とシート73とを連結することができる。そして、車体72の上端面72aとシート73の底面73aとの間には、非磁性体のボール78を介在させるので、両面間の摩擦を減らすことができる。さらに、停止時及び一定速度走行時の直立姿勢保持にエネルギーが不要となる。
したがって、乗員搭載部は、走行車両の加減速又は旋回動作によって生じる慣性力又は遠心力に対応して、慣性力又は遠心力に釣り合うように移動できるので、釣り合い時、乗員は静止しているのと同じような力を感じ、加減速や旋回時の乗員の負担を軽減することができる。
次に、第三実施例について説明する。図13及び図14は、ロッド型アクチュエータを適用した例を示す。図13は、乗員を搭載した状態の概略図、図14(a)は、シート駆動部分の拡大図、図14(b)は、図14(a)の平面図である。
図中、1は走行車両、82は車体、82aはメインフレーム、82bはシート取付フレーム、83は乗員搭載部の一例としてのシート、84は車軸、85は車輪、86はアクチュエータ、87はバネ、88はジョイントである。
車体82は、メインフレーム82a及びシート取付フレーム82bからなる。シート取付フレーム82bは、シート83の下部に対角線上に配設し、メインフレーム82aは、シート取付フレーム82bの対角線の交点と車軸84とをユニバーサルジョイント等のジョイント88を介して連結している。また、アクチュエータ86は、ボールネジ又は電磁アクチュエータ等を用い、メインフレーム82aの略中間部とシート取付フレーム82bの進行方向側一端とをジョイント88を介して連結している。さらに、バネ87は、メインフレーム82aの略中間部とシート取付フレーム82bの進行方向後側一端とをジョイント88を介して連結している。
このような構造とすることで、アクチュエータ86を伸縮させることにより、シート83を任意の傾斜角に制御することが可能となる。また、バネ87を設置することにより、停止時及び一定速度走行時の直立姿勢保持にエネルギーが不要となると共に、アクチュエータ86故障時に後方に転倒することを防止することができる。
したがって、乗員搭載部は、走行車両の加減速又は旋回動作によって生じる慣性力又は遠心力に対応して、慣性力又は遠心力に釣り合うように移動できるので、釣り合い時、乗員は静止しているのと同じような力を感じ、加減速や旋回時の乗員の負担を軽減することができる。
次に、第四実施例について説明する。図15及び図16は、スライドアクチュエータを適用した例を示す。図15は乗員を搭載した状態の概略図、図16(a)は、シート駆動部分の拡大図、図16(b)は、図16(a)の平面図である。
図中、1は走行車両、92は車体、92aは上端部、92bは中間部、92cは下部、92dはレール、93は乗員搭載部の一例としてのシート、94は車軸、95は車輪、96はアクチュエータ、96aは棒状部、96bは台状部、97は移動体、98はバネ、99はジョイントである。
車体92は、四角形状の上端部92aと、車軸94と連結する下部92cと、上端部92aの四角形の頂点と、下部92cとを連結する中間部92bとを有し、該上端部92aの各辺上面には、レール92dが配設されている。各レール92d上には、各移動体97を設置し、各移動体97はアクチュエータ96と結合されている。アクチュエータ96は、ボールねじ型又は電磁型のものを適用し、対向する二辺上の移動体97と結合される直交する2本の棒状部96aと、それぞれの棒状部96aと相対移動可能に連結させる台状部96bとを有する。バネ98は、車体92の中間部92bと下部92cとの交点と、アクチュエータ96の台状部96bとの間に、ボールジョイント又はユニバーサルジョイント等のジョイント99を介して設けられ、アクチュエータ96の台状部96bが車体92の下部92cの延長線上にあるように付勢されている。
このような構造とすることにより、アクチュエータ96を制御することにより、シート93を車体92の上端部92a内の任意の位置に移動可能に制御することができる。また、バネ98を取り付けることにより、停止時及び一定速度走行時の直立姿勢保持にエネルギーが不要となると共に、アクチュエータ96が故障した場合に、姿勢の保持を助けることができる。
したがって、乗員搭載部は、走行車両の加減速又は旋回動作によって生じる慣性力又は遠心力に対応して、慣性力又は遠心力に釣り合うように移動できるので、釣り合い時、乗員は静止しているのと同じような力を感じ、加減速や旋回時の乗員の負担を軽減することができる。
第一実施形態の概念図 第一実施形態の第1実施例を示す図 第一実施形態の第1実施例を示す図 第一実施形態の第2実施例を示す図 第一実施形態の第2実施例を示す図 第二実施形態の概念図 第二実施形態の制御手段構成を示す図 第二実施形態の制御フローチャートを示す図 第二実施形態の第1実施例を示す図 第二実施形態の第1実施例を示す図 第二実施形態の第2実施例を示す図 第二実施形態の第2実施例を示す図 第二実施形態の第3実施例を示す図 第二実施形態の第3実施例を示す図 第二実施形態の第4実施例を示す図 第二実施形態の第4実施例を示す図 従来の技術を示す図 従来の技術を示す図
符号の説明
1…走行車両、2,12,22,62,72,82,92…車体、12a,62a…上部、12b,62b…中間部、12c,62c…下部、12d,62d…第一吊り下げ部、12e,62e…第二吊り下げ部、22a…上端面、22b…止め部、72a…上端面、72b…止め部、72c…コイル取付部、82a…メインフレーム、82b…シート取付フレーム、92a…上端部、92b…中間部、92c…下部、92d…レール、3,13,23,63,73,83,93…搭載手段の一例としてのシート、23a…底面、23b…バネ取付部、4,14,24,64,74,84,94…車軸、5,15,25,65,75,85,95…車輪、16…ダンパ、17…ジョイント、26…ボール、27…バネ、28…液体、66…アクチュエータ、67…ジョイント、76…コイル、77…永久磁石、78…ボール、79…バネ、86…アクチュエータ、87…バネ、88…ジョイント、96…アクチュエータ、96a…棒状部、96b…台状部、97…移動体、98…バネ、99…ジョイント、110…走行車両制御手段、120…車体制御手段、121…角速度計、122…加速度計、123…車体ECU、124…車体姿勢制御用アクチュエータ、130…シート制御手段、131…シート相対傾斜角測定装置、132…シートECU、133…シート傾斜角調整用アクチュエータ、G1…全体の重心、G2…乗員の重心、g…重力、Fi…慣性力、Ff…前方への力、V…鉛直軸、E…平衡軸、B…車体軸、P…接地点

Claims (6)

  1. 車体と、
    前記車体に回転可能に支持し、一軸上に配置された車輪と、
    前記車体に支持し乗員を搭載する乗員搭載部と、を有した走行車両において、
    前記車体の姿勢を検出する車体姿勢検出手段と、
    前記車体姿勢検出手段の検出した車体姿勢を制御する車体姿勢制御手段と、を備え、
    前記乗員搭載部は、前記走行車両の加減速又は旋回動作によって生じる慣性力又は遠心力に対応して、前記慣性力又は遠心力に釣り合うように移動することを特徴とする走行車両。
  2. 前記車体は、前記乗員搭載部を吊り下げ支持する乗員搭載支持部を有することを特徴とする請求項1に記載の走行車両。
  3. 前記車体と前記乗員搭載部とは、前記乗員搭載部及び前記乗員の重心よりも下方において減衰手段で連結することを特徴とする請求項2に記載の走行車両。
  4. 前記車体は、前記乗員搭載部を支持する乗員搭載支持部を有し、
    前記乗員搭載部と前記乗員搭載支持部との間に球体を介在させ、さらにバネで連結したことを特徴とする請求項1に記載の走行車両。
  5. 前記乗員搭載支持部は、周縁に止め部を有することを特徴とする請求項4に記載の走行車両。
  6. 前記乗員搭載支持部は、液体が貯留されていることを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の走行車両。
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