JP2007176347A - エアバッグユニットを備えた車両用シート - Google Patents

エアバッグユニットを備えた車両用シート Download PDF

Info

Publication number
JP2007176347A
JP2007176347A JP2005377800A JP2005377800A JP2007176347A JP 2007176347 A JP2007176347 A JP 2007176347A JP 2005377800 A JP2005377800 A JP 2005377800A JP 2005377800 A JP2005377800 A JP 2005377800A JP 2007176347 A JP2007176347 A JP 2007176347A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pad member
airbag
embedded
vehicle
seat
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2005377800A
Other languages
English (en)
Inventor
Norisuke Inoue
順介 井上
Tsutomu Watanabe
努 渡辺
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mazda Motor Corp filed Critical Mazda Motor Corp
Priority to JP2005377800A priority Critical patent/JP2007176347A/ja
Publication of JP2007176347A publication Critical patent/JP2007176347A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Seats For Vehicles (AREA)
  • Air Bags (AREA)

Abstract

【課題】ワイヤ部材がパッド部材から外れることを抑制しながら、破断部の破断性を向上させるエアバッグユニットを備えた車両用シートを提供する。
【解決手段】シートバック10はパッド部材11とシート表皮12とインサートワイヤ13とサイドエアバッグユニットとを有している。パッド部材11の左側端部11bの左側面にはエアバッグ収容用孔部11fが形成されている。サイドエアバッグユニット14はエアバッグ収容用孔部11f内に収容されている。インサートワイヤ13は上下埋設部13aを有している。上下埋設部13aはパッド部材11の車幅方向中央部と左側端部との境目部分に上下方向に延びるように埋設されている。上下埋設部13aは、境目部分の溝部11dの底部に埋設された第1埋設部13cと、境目部分にその溝部11dの底面との距離が第1埋設部13cよりも大きくなるように埋設された上下部13eを有する第2埋設部13dとを有している。
【選択図】図5

Description

本発明は、エアバッグユニットを備えた車両用シートに関するものである。
従来から、シートバック内にサイドエアバッグユニットが収容された車両用シートが知られている。特許文献1のものでは、シートバックは、パッド部材と、そのパッド部材を覆う表皮部材と、パッド部材の車幅方向中央部と外側端部との境目部分の前面側に上下方向に延びるように埋設され、表皮部材が固定されたワイヤ部材と、パッド部材の車幅方向外側端部内に設けられ、エアバッグを有するサイドエアバッグユニットとを備えている。
表皮部材は、一端縁部がワイヤ部材に固定され、パッド部材の車幅方向外側端部の前面を覆う前面部と、一端縁部がその前面部の他端縁部と結合され、パッド部材の車幅方向外側端部の側面を覆う側面部とを有している。これらの前面部及び側面部の結合部には、エアバッグの展開時に、そのエアバッグがシートバック外に展開するようにそのエアバッグの展開圧によって破断される破断部が形成されている。パッド部材と表皮部材の前面部との間には低伸長部材が設けられている。この低伸長部材は、一端縁部がワイヤ部材に固定され、他端縁部が破断部に固定され、伸長率が表皮部材よりも低い。このため、エアバッグの展開時には、表皮部材の前面部の伸長がその低伸長部材によって抑制され、破断部の破断が促進される。エアバッグは、展開時は、車両用シートに着座した乗員の胸部を保護するようになっている。
特開平11−348709号公報
ここで、サイドエアバッグユニットをパッド部材の車幅方向外側端部における車幅方向外側の側面に形成された孔部内に収容することが考えられる。この場合、エアバッグは、展開時は、車幅方向外側に向かって展開する。これにより、表皮部材の側面部がその展開圧によって車幅方向外側に向かって膨らみ、表皮部材の前面部及び前側低伸長部材が破断部側に引っ張られる。
ところで、エアバッグは、乗員の保護性を向上させるため、乗員の体の広い範囲を保護するのが望ましい。この場合、エアバッグを大きくする必要があり、これに伴って、インフレータのガス量も大きくしなければならない。このため、エアバッグの展開圧が大きくなってしまい、表皮部材の側面部がその展開圧によって車幅方向外側に向かって大きく膨らみ、これに伴って、表皮部材の前面部及び低伸長部材が破断部側に強く引っ張られてしまう。この結果、ワイヤ部材が表皮部材の前面部及び低伸長部材の張力によってパッド部材から外れるおそれがある。また、ワイヤ部材がパッド部材から外れてしまうと、破断部の破断性が低下してしまう。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ワイヤ部材がパッド部材から外れることを抑制しながら、破断部の破断性を向上させる車両用シートを提供することにある。
第1の発明は、パッド部材と、該パッド部材を覆う表皮部材と、少なくとも一部が該パッド部材の車幅方向中央部と外側端部との境目部分に上下方向に延びるように埋設され、上記表皮部材が固定されたワイヤ部材と、上記パッド部材の車幅方向外側端部内に設けられ、エアバッグを有するサイドエアバッグユニットとを有するシートバックを備えた車両用シートであって、上記パッド部材の車幅方向外側端部の側面には、孔部が形成されており、上記サイドエアバッグユニットは、上記孔部内に収容されており、上記表皮部材は、一端縁部が上記ワイヤ部材に固定され、上記パッド部材の車幅方向外側端部の前面を覆う前面部と、一端縁部が該前面部の他端縁部と結合され、上記パッド部材の車幅方向外側端部の側面を覆う側面部とを有しており、上記前面部及び上記側面部の結合部には、上記エアバッグの展開時に、該エアバッグが上記シートバック外に展開するように上記エアバッグの展開圧によって破断される破断部が形成されており、上記シートバックは、上記パッド部材と上記前面部との間に設けられ、一端縁部が上記ワイヤ部材に固定され、他端縁部が上記破断部に固定され、伸長率が上記表皮部材よりも低い、上記エアバッグの展開時に上記破断部の破断を促進するための前側低伸長部材をさらに有しており、上記ワイヤ部材は、上記パッド部材の上記境目部分の前面側に上下方向に延びるように埋設された第1埋設部と、上記パッド部材におけるその前面との距離が該第1埋設部の埋設部分よりも大きい部分に上下方向に延びるように埋設された上下部を有する第2埋設部とを有することを特徴とするものである。
これにより、ワイヤ部材が、パッド部材の車幅方向中央部と外側端部との境目部分の前面側に上下方向に延びるように埋設された第1埋設部と、パッド部材におけるその前面との距離がその第1埋設部の埋設部分よりも大きい部分に上下方向に延びるように埋設された上下部を有する第2埋設部とを有するので、表皮部材の前面部及び前側低伸長部材が表皮部材の側面部が車幅方向外側に向かって大きく膨らむことによって破断部側に強く引っ張られても、パッド部材におけるその前面から比較的離れた部位(パッド部材の比較的深い部位)に埋設された第2埋設部の上下部によって、ワイヤ部材がパッド部材から外れることを抑制できる。
また、ワイヤ部材がパッド部材から外れることを抑制できるので、破断部の破断性を向上させることができる。
第2の発明は、上記第1の発明において、上記パッド部材の車幅方向外側端部の前面が、平面断面視で車幅方向内側から外側に行くに従って徐々にシート前方に突出するように形成されており、上記第2埋設部は、上記パッド部材の上記境目部分又は該パッド部材の車幅方向外側端部における上記境目部分の近傍に埋設されていることを特徴とするものである。
これにより、第2埋設部をパッド部材の車幅方向中央部と外側端部との境目部分又はそのパッド部材の車幅方向外側端部における境目部分の近傍に埋設している。すなわち、第2埋設部は、第1埋設部からシート後方又は車幅方向外側に向かって延びている。
また、パッド部材の車幅方向外側端部の前面が、平面断面視で車幅方向内側から外側に行くに従って徐々にシート前方に突出するように形成されている。すなわち、パッド部材の車幅方向外側端部の前面は、斜めシート前方に向かって延びている。そのため、前側低伸長部材も斜めシート前方に向かって延び、その張力の方向も斜めシート前方を向く。
ここで、パッド部材の車幅方向外側端部の前面は、上述のように、斜めシート前方に向かって延びているので、パッド部材の車幅方向外側端部の上記張力方向長さが長くなる。そのため、前側低伸長部材がエアバッグの展開圧によって破断部側に強く引っ張られても、第2埋設部が、その張力方向長さが比較的長いパッド部材の車幅方向外側端部によって掛止される。したがって、ワイヤ部材がパッド部材から外れることを確実に抑制できる。
また、第2埋設部をパッド部材の車幅方向中央部と外側端部との境目部分又はそのパッド部材の車幅方向外側端部における境目部分の近傍に埋設しているので、パッド部材の車幅方向中央部に埋設している場合と比較して、車両用シートの座り心地を向上させることができる。
第3の発明は、上記第1の発明において、上記エアバッグは、展開時は、着座した乗員の胸部と頭部及び腰部の少なくとも一方とを保護するように構成されていることを特徴とするものである。
これにより、エアバッグが、展開時は、着座した乗員の胸部と頭部及び腰部の少なくとも一方とを保護するので、乗員の胸部だけを保護する場合と比較して、エアバッグの展開圧が大きくなる。この場合、本発明の作用効果を顕著に発揮できる。
第4の発明は、上記第3の発明において、上記エアバッグは、展開時は、上記乗員の少なくとも胸部及び腰部を保護するように構成されており、上記シートバックの車幅方向外側端部の前面が、シート側方視で車両前方に突出する略湾曲状に形成されており、上記第2埋設部は、上記シートバックの車幅方向外側端部における前面と後面との距離が最も大きい部分と略同じ高さ位置に位置していることを特徴とするものである。
ところで、シートバックの車幅方向外側端部における前面と後面との距離が最も大きい部分では、前側低伸長部材の一端縁部から他端縁部までの長さが最も長くなっている。そのため、前側低伸長部材のその最長部分では、表皮部材の側面部の張力を吸収できる。したがって、ワイヤ部材における前側低伸長部材の最長部分に対応する部位では、表皮部材の前面部及び前側低伸長部材の張力を小さくできる。
ここで、本発明によれば、第2埋設部が、シートバックの車幅方向外側端部における前面と後面との距離が最も大きい部分と略同じ高さ位置に位置している。すなわち、第2埋設部が、前側低伸長部材の最長部分と略同じ高さ位置に位置している。そのため、上述のように、ワイヤ部材における前側低伸長部材の最長部分に対応する部位、すなわち、第2埋設部の部位では、表皮部材の前面部及び前側低伸長部材の張力を小さくできるので、ワイヤ部材の第2埋設部がパッド部材から外れることを確実に抑制できる。
第5の発明は、上記第1の発明において、上記シートバックは、上記パッド部材と上記側面部との間に設けられ、一端縁部が上記破断部に固定され、伸長率が上記表皮部材よりも低い、上記エアバッグの展開時に上記破断部の破断を促進するための外側低伸長部材をさらに有することを特徴とするものである。
このように、パッド部材と表皮部材の側面部との間に外側低伸長部材を設けている場合、表皮部材の側面部及び外側低伸長部材がエアバッグの展開圧によって車幅方向外側に向かって大きく膨らみ、破断部がシート後方に移動すると、表皮部材の前面部及び前側低伸長部材が表皮部材の側面部及び外側低伸長部材の張力によって破断部側に強く引っ張られ、これに伴って、パッド部材の車幅方向外側端部がシート後方側に縮み変形する。この場合、本発明の作用効果を顕著に発揮できる。
第6の発明は、上記第5の発明において、上記外側低伸長部材の他端縁部が、上記シートバック内における上記サイドエアバッグユニットよりもシート後方の部分に設けられた固定部材に固定されていることを特徴とするものである。
このように、パッド部材と表皮部材の側面部との間に、他端縁部がシートバック内におけるサイドエアバッグユニットよりもシート後方の部分に設けられた固定部材に固定されている外側低伸長部材を設けている場合、前側低伸長部材の張力がその外側低伸長部材の張力によって大きくなる。この場合、本発明の作用効果を顕著に発揮できる。
第7の発明は、上記第1の発明において、上記前側低伸長部材の一端縁部は上記第1埋設部に固定されていることを特徴とするものである。
これにより、前側低伸長部材の一端縁部を第1埋設部に固定しているので、表皮部材の前面部及び前側低伸長部材からワイヤ部材に伝達される衝撃力を第1埋設部によって吸収できる。そのため、第2埋設部の上下部によって、ワイヤ部材がパッド部材から外れることを確実に抑制できる。
本発明によれば、ワイヤ部材が、パッド部材の車幅方向中央部と外側端部との境目部分の前面側に上下方向に延びるように埋設された第1埋設部と、パッド部材におけるその前面との距離がその第1埋設部の埋設部分よりも大きい部分に上下方向に延びるように埋設された上下部を有する第2埋設部とを有するので、パッド部材におけるその前面から比較的離れた部位に埋設された第2埋設部の上下部によって、ワイヤ部材がパッド部材から外れることを抑制しながら、破断部の破断性を向上させることができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、車両用シートの側面図であり、図2は、図1のII−II線の矢視断面図であり、図3は、図1のIII−III線の矢視断面図であり、図4は、車両用シートのシートバックの正面図であり、図5は、図4のV−V線の矢視断面図であり、図6は、図3の破断部近傍の拡大図であり、図7は、図3の溝部近傍の拡大図であり、図8は、図3のサイドエアバッグユニット近傍の図である。
本発明の実施形態に係る車両用シートは、車両のフロアパネルの上面上にシート左右方向が車幅方向と一致するように設置されている。以下、車両用シートとして、助手席について説明する。なお、他のシートの構成も助手席とほぼ同様である。
図1〜図5に示すように、助手席1は、シートバック10とシートクッション30とを備えている。このシートバック10は、シートクッション30の後端部にそのシートクッション30の上面に対して倒伏可能に取り付けられている。シートバック10の車幅方向両端部が、その車幅方向中央部よりも車両前方(シート前方に相当)に隆起(膨出)したサイドサポート部10aをそれぞれ構成している。これらのサイドサポート部10a,10aの前面が、車両側方視(シート側方視に相当)で車両前方に突出する略湾曲状にそれぞれ形成され、平面断面視で車幅方向内側から外側に行くに従って次第に車両前方に突出する(傾く)曲面状にそれぞれ形成されている。このため、後述するパッド部材11の車幅方向両端部の前面も、車両側方視で車両前方に突出する略湾曲状にそれぞれ形成され、平面断面視で車幅方向内側から外側に行くに従って次第に車両前方に突出する曲面状にそれぞれ形成されている。各サイドサポート部10aにおける前面と後面との距離が最も大きい最長部分が、そのサイドサポート部10aの下部(例えば、サイドサポート部10aの下端からサイドサポート部10a全長の1/4の長さだけ上側の部分)に位置している。このため、パッド部材11の車幅方向各端部における前面と後面との距離が最も大きい最長部分も、そのパッド部材11の下部に位置している。
シートバック10は、パッド部材11とシート表皮(表皮部材に相当)12とインサートワイヤ(ワイヤ部材に相当)13とサイドエアバッグユニット14とを有している。
パッド部材11は、硬度が比較的大きいスポンジからなっている。パッド部材11の車幅方向中央部11aと左側端部(車幅方向外側端部に相当)11bとの境目部分(境界部分)11cの車両前方側には、溝部11dが上下方向に延びるように形成されている。このように、境目部分11cに溝部11dを形成しているので、この境目部分11cは、厚さがこれ以外の部分よりも薄くなっている。溝部11dの底部には、4つの凹部11eが互いに所定間隔を開けて形成されている。これらの凹部11eでは、インサートワイヤ13の上下埋設部13aの第1埋設部13cが露出していて、インサートワイヤ13を視認できるようになっている。なお、パッド部材11の前面には、パッド部材11の溝部11dの側面及び底面が含まれる。
ここで、パッド部材11は発泡成形されている。そして、パッド部材11の境目部分11cは、上述のように、厚さがこれ以外の部分よりも薄いので、成形がこれ以外の部分よりも早く終了する。このため、境目部分11cは、密度がこれ以外の部分よりも高くなり、硬度がこれ以外の部分よりも大きくなる。
パッド部材11の左側端部11bの左側面の中央部には、エアバッグ収容用孔部11fが形成されている。このエアバッグ収容用孔部11fは、開口断面が略矩形状に形成され、右側開口がシートバックフレーム17によって塞がれ、左側開口がシート表皮12の側面部12c及び外側低伸長部材16によって塞がれている。このシートバックフレーム17は、パッド部材11の左側端部11b内に上下方向に延びるように設けられていて、平面断面視で略L字状に形成されている。
上記シート表皮12は、パッド部材11の外面を覆っている。シート表皮12は、複数の部分で構成されていて、左端縁部がインサートワイヤ13の上下埋設部13aの第1埋設部13cに固定(結合)され、パッド部材11の車幅方向中央部11aの前面を覆う中央前面部12aと、右端縁部(一端縁部に相当)がインサートワイヤ13の上下埋設部13aの第1埋設部13cに固定され、パッド部材11の左側端部11bの前面を覆う外側前面部(前面部に相当)12bと、前端縁部(一端縁部に相当)がその外側前面部12bの左端縁部(他端縁部に相当)と結合され、パッド部材11の左側端部11bの左側面を覆う側面部12cとを有している。この外側前面部12bは、インサートワイヤ13の上下埋設部13aから車両外方に向かって延びている。側面部12cは、外側前面部12bとの結合部から車両後方(シート後方に相当)に向かって延びている。
シート表皮12の中央前面部12aと外側前面部12bとの境目部分が、車両後方に凹んだ折り目部12dを構成している。シート表皮12の外側前面部12b及び側面部12cの結合部には、破断部12eが上下方向に延びるように形成されている。この破断部12eは、サイドエアバッグユニット14のエアバッグ14aの展開膨張時は、そのエアバッグ14aがシートバック10外に展開膨張するようにそのエアバッグ14aの展開膨張圧によって破断されるようになっている。
パッド部材11の左側端部11bの前面とシート表皮12の外側前面部12bとの間には、前側低伸長部材15がこれらに沿うように設けられている。この前側低伸長部材15は、エアバッグ14aの展開膨張時に破断部12eの破断を促進するための布である。前側低伸長部材15は、右端縁部(一端縁部に相当)がインサートワイヤ13の上下埋設部13aの第1埋設部13cに固定され、左端縁部(他端縁部に相当)が破断部12eに固定され、伸長率がシート表皮12よりも低い。すなわち、前側低伸長部材15は、シート表皮12よりも伸び難い。前側低伸長部材15は、上端縁部がサイドエアバッグユニット14の高さ位置よりも上方に位置する。
パッド部材11の左側端部11bの左側面及び後面とシート表皮12の側面部12c及び後面部12fとの間には、外側低伸長部材16がこれらに沿うように設けられている。この外側低伸長部材16は、エアバッグ14aの展開膨張時に破断部12eの破断を促進するための布である。外側低伸長部材16は、前端縁部(一端縁部に相当)が破断部12eに固定され、その前端縁部とは反対側の端縁部(後端縁部。他端縁部に相当)がシートバックフレーム17おけるサイドエアバッグユニット14よりも車両後方の部分(固定部材に相当)に固定され、伸長率がシート表皮12よりも低い。すなわち、外側低伸長部材16は、パッド部材11の左側端部11bの左側面及び後面とシート表皮12の側面部12c及び後面部12fとの間を通った後、車両前方に延び、前端縁部とは反対側の端縁部がシートバックフレーム17に固定されていて、シート表皮12よりも伸び難い。
以上のように、パッド部材11とシート表皮12との間に前側低伸長部材15及び外側低伸長部材16を設けたので、エアバッグ14aの展開膨張時には、シート表皮12の外側前面部12b及び側面部12cの伸長がそれらの低伸長部材15,16によって抑制され、破断部12eの破断が促進される。
ここで、図6を参照しながら、シート表皮12の破断部12eの形成方法について簡単に説明する。まず、シート表皮12の外側前面部12bと前側低伸長部材15とを重ね合わせ、これらの左端縁部同士を第1縫製糸18で縫い合わせて縫合部を形成する。また、シート表皮12の側面部12cと外側低伸長部材16とを重ね合わせ、これらの前端縁部同士を第1縫製糸18で縫い合わせて縫合部を形成する。そして、これらの両縫合部同士を第2縫製糸19で縫い合わせる。それから、各縫合部をその裏面側に折り返して折返し部を形成して、各折返し部を第3縫製糸20で縫い合わせる。以上により、シート表皮12の外側前面部12b及び側面部12cの結合部に破断部12eが形成される。そして、通常時には、シート表皮12の外側前面部12b及び側面部12cの間が第2縫製糸19で閉じられ、エアバッグ14aの展開膨張時には、第2縫製糸19がその展開膨張圧によって切断されてシート表皮12の外側前面部12b及び側面部12cの間が開口し、エアバッグ14aがシートバック10外に展開膨張するようになっている。なお、各折返し部を第3縫製糸20で縫い合わせなくても良い。
図1〜図5に示すように、上記インサートワイヤ13は、上下埋設部13aと上側及び下側水平埋設部13b,13bとを有している。
上下埋設部13aは、パッド部材11の車幅方向中央部11aと左側端部11bとの境目部分11cに、パッド部材11の上端部から下端部に亘って車両正面視(シート正面視)で上下方向に延びるように埋設されている。上下埋設部13aは、上端が破断部12eの上端の高さ位置及び前側低伸長部材15の上端縁の高さ位置よりも上方に位置し、下端が破断部12eの下端の高さ位置及び前側低伸長部材15の下端縁の高さ位置よりも下方に位置している。上下埋設部13aは、シート表皮11の中央前面部11a(パッド部材11の溝部11dの底面)に沿うように、車両側方視で車両前方に突出する略湾曲状に形成されている。上下埋設部13aは、境目部分11cの溝部11dの底部(境目部分の前面側に相当)に上下方向に延びるようにそれぞれ埋設された上側及び下側第1埋設部13c,13cと、境目部分11cにおけるその溝部11dの底面(パッド部材の前面に相当)との距離が各第1埋設部13cの埋設部分よりも大きい部分に上下方向に延びるように埋設された上下部13eを有する第2埋設部13dとを有している。すなわち、各第1埋設部13cと溝部11dの底面との間隔は、第2埋設部13dの上下部13eと溝部11dの底面との間隔よりも小さい。各第1埋設部13cの長さは、車両正面視で例えば100mm以上であり、本実施形態では、170mmである。第2埋設部13dは、境目部分11cにおけるその溝部11dの底面の車両後方側に埋設されていて、上下埋設部13aの中央部に配設されている。第2埋設部13dは、左側サイドサポート部10aにおける前面と後面との距離が最も大きい最長部分とほぼ同じ高さ位置に位置している。第2埋設部13dは、前述の上下部13eと、各第1埋設部13cと上下部13eとをそれぞれつなぐ上側及び下側段差部13f,13fとを有している。この上下部13eの長さは、車両正面視で例えば50〜80mmであり、本実施形態では、50mmである。各段差部13fは車両前後方向に延びている。上側段差部13fの長さは、例えば10〜20mmであり、本実施形態では、10mmである。下側段差部13fの長さは、例えば15〜30mmであり、本実施形態では15mmである。上側及び下側段差部13f,13fの長さは長いのが望ましい。
図4に示すように、上記上側及び下側水平埋設部13b,13bは、上下埋設部13aの両端から車幅方向内側(シートバック10の車幅方向中心側)に向かってそれぞれ延びてパッド部材11の車幅方向中央部11aに埋設されている。上側水平埋設部13bは、破断部12eの上端の高さ位置よりも上方に位置している。下側水平埋設部13bは、破断部12eの下端の高さ位置よりも下方に位置している。各水平埋設部13bの先端部は折り返され、これが折返し部13gを構成している。各水平埋設部13bは、シートバック10(パッド部材11)の車幅方向中心の近傍まで延びている。各水平埋設部13bの長さは、例えば50mm以上であり、本実施形態では、300mmである。
上下埋設部13a及び各水平埋設部13bの境目部分の上側及び下側折れ曲がり部13h,13hは、円弧状にそれぞれ形成されている。
ここで、図1、図4及び図5を参照しながら、インサートワイヤ13の製造方法について簡単に説明する。すなわち、1本のワイヤの上端部及び下端部をそれぞれ車幅方向に折り曲げて上側及び下側水平埋設部13b,13bを形成する。そして、そのワイヤの中央部を車両後方にコの字状に突出するように折り曲げて第2埋設部13dを形成する。以上により、インサートワイヤ13が製造される。
また、パッド部材11の発泡成形方法について簡単に説明する。まず、パッド部材11を発泡成形するための金型を、パッド部材11の前面を成形する側が下側になるように設置する。そして、金型内の所定の位置にインサートワイヤ13を配置する。それから、金型内に発泡剤を含む発泡材料を流し込んで発泡させる。以上により、パッド部材11が発泡成形される。なお、パッド部材11の境目部分11cは、上述のように、厚さがこれ以外の部分よりも薄いので、その境目部分11cは、パッド部材11の発泡成形の際、発泡剤が充満した状態で比較的長い時間維持される。
また、図7を参照しながら、インサートワイヤ13にシート表皮12や前側伸長部材15を固定する方法について簡単に説明する。まず、シート表皮12の中央前面部12aの左端縁部とシート表皮12の外側前面部12bの右端縁部と前側低伸長部材15の右端縁部とを第1縫製糸21で縫い合わせて縫合部を形成する。そして、この縫合部における凹部11eに対応する部分を樹脂ピン23に第2縫製糸24で留める。それから、これらの樹脂ピン23をそれぞれインサートワイヤ13の第1埋設部13c,13cにおける凹部11eに対応する部分にOリング(ホックリング)22で固定して、シート表皮12及び前側低伸長部材15をパッド部材11に被せる。以上により、インサートワイヤ13にシート表皮12の中央前面部12a及び外側前面部12b、並びに前側低伸長部材15がOリング22を介して固定される。
図1及び図3に示すように、上記サイドエアバッグユニット14は、車両の側突時に助手席1に着座した乗員Pを保護するためのものである。サイドエアバッグユニット14は、パッド部材11の左側端部11bのエアバッグ収容用孔部11f内に収容されている。すなわち、サイドエアバッグユニット14は、インサートワイヤ13よりも車幅方向外側に配設されている。サイドエアバッグユニット14は、エアバッグ14aとインフレータ14bとを有している。これらのエアバッグ14a及びインフレータ14bは、通常時は、紙14cで覆われている。このように、エアバッグ14a及びインフレータ14bを紙14cで覆った場合、これらをケーシング内に収容する場合と比較して、コストを削減できる。
エアバッグ14aは、通常時は、折り畳まれた状態でインフレータ14bの車両前方に配設され(図3を参照)、車両の側突時は、インフレータ14bからのガス圧によって展開膨張し、その展開膨張圧によって破断部12eを破断してシートバック10外に展開膨張する。詳細には、図8に示すように、エアバッグ14aは、車両の側突時は、まず左側(車幅方向外側)に向かって展開膨張する。これにより、シート表皮12の側面部12c及び外側低伸長部材16がその展開膨張圧によって左側に向かって大きく膨らみ、これに伴って、破断部12eが車両後方に移動する(図8の二点鎖線を参照)。このため、シート表皮12の外側前面部12b及び前側低伸長部材15がシート表皮12の側面部12c及び外側低伸長部材16の張力によってインサートワイヤ13の上下埋設部13aの第1埋設部13cを中心として図8の反時計回りに回転移動しながら破断部12e側に強く引っ張られ、これに伴って、パッド部材11の左側端部11bにおけるエアバッグ収容用孔部11fよりも車両前方の部分が車両後方側に縮み変形する(図8の二点鎖線を参照)。これに加えて、パッド部材11の左側端部11bの前側部分の車両後方には、エアバッグ収容用孔部11fが設けられているので、車両の側突時は、エアバッグ14aがエアバッグ収容用孔部11fで展開膨張するにも拘わらず、パッド部材11の左側端部11bの前側部分が前側低伸長部材15によって車両後方に押されて瞬時に車両後方に移動する。その後、破断部12eが破断して、エアバッグ14aがシートバック10外に展開膨張する。
エアバッグ14aは、展開膨張時は、乗員Pの胸部及び腰部を保護するようになっている(図1を参照)。すなわち、シートバック10外に展開膨張したエアバッグ14aは、乗員Pの胸部を保護するための胸部保護部14dと、その胸部保護部14dの下側にこれと連通するように設けられ、乗員Pの腰部を保護するための腰部保護部14eとを有している。この腰部保護部14eは、左側サイドサポート部10aにおける前面と後面との距離が最も大きい最長部分とほぼ同じ高さ位置で展開膨張するようになっている。このように、車両の側突時には、エアバッグ14aが乗員Pの胸部及び腰部と車体側壁(図示せず)との間に展開膨張して、乗員Pの胸部及び腰部が車体側壁に衝突するのが抑制される。インフレータ14bは、シートバックフレーム17の左側面に固定されている。インフレータ14bのガス供給口(図示せず)は、エアバッグ14aの下部に接続されていて、胸部保護部14eよりも腰部保護部14eに近接している。
−サイドエアバッグユニットの動作−
以下、サイドエアバッグユニット14の動作について説明する。
車両が側突されると、エアバッグ14aがインフレータ14bからのガス圧によって展開膨張し、その展開膨張圧によって破断部12eを破断してシートバック10外に飛び出し、乗員Pの胸部及び腰部と車体側壁との間に展開膨張する。
ここで、エアバッグ14aの展開膨張時には、シート表皮12の外側前面部12b及び前側低伸長部材15がその展開膨張圧によって破断部12e側に強く引っ張られるが、インサートワイヤ13の上下埋設部13aに第2埋設部13dを設けたことで、インサートワイヤ13がパッド部材11から外れることを抑制できる。
−効果−
以上により、本実施形態によれば、インサートワイヤ13が、パッド部材11の車幅方向中央部11aと左側端部11bとの境目部分11cにおける溝部11dの底部に上下方向に延びるように埋設された第1埋設部と、パッド部材11の境目部分11cにおけるその溝部11dの底面との距離が第1埋設部13cの埋設部分よりも大きい部分に上下方向に延びるように埋設された上下部13eを有する第2埋設部13dとを有するので、シート表皮12の外側前面部12b及び前側低伸長部材15がシート表皮12の側面部12cが左側に向かって大きく膨らむことによって破断部12e側に強く引っ張られても、パッド部材11における溝部11dの底面から比較的離れた部位(パッド部材11の比較的深い部位)に埋設された第2埋設部13dの上下部13eによって、インサートワイヤ13がパッド部材11から外れることを抑制できる。
また、インサートワイヤ13がパッド部材11から外れることを抑制できるので、破断部12eの破断性を向上させることができる。
また、破断部12eの破断性を向上させることができるので、シートバック10が変形することを抑制できる。
また、第2埋設部13dをパッド部材11の車幅方向中央部11aと左側端部11bとの境目部分11cに埋設している。すなわち、第2埋設部13dは、第1埋設部13cから車両後方に向かって延びている。さらに、パッド部材11の左側端部11bの前面が、平面断面視で車幅方向内側から外側に行くに従って徐々に車両前方に突出するように形成されている。すなわち、パッド部材11の左側端部11bの前面は、斜め車両前方に向かって延びている。そのため、前側低伸長部材15も斜め車両前方に向かって延び、その張力の方向も斜め車両前方を向く。ここで、パッド部材11の左側端部11bの前面は、上述のように、斜め車両前方に向かって延びているので、パッド部材11の左側端部11bの上記張力方向長さが長くなる。そのため、前側低伸長部材15がエアバッグ14aの展開圧によって破断部12e側に強く引っ張られても、第2埋設部13dが、その張力方向長さが比較的長いパッド部材11の左側端部11bによって掛止される。したがって、インサートワイヤ13がパッド部材11から外れることを確実に抑制できる。
ところで、パッド部材11の車幅方向中央部11aと左側端部11bとの境目部分11cは、上述のように、硬度がこれ以外の部分よりも大きい。
ここで、本実施形態によれば、第2埋設部13dをパッド部材11の車幅方向中央部11aと左側端部11bとの境目部分11cに埋設している。そのため、シート表皮12の外側前面部12b及び前側低伸長部材15がエアバッグ14aの展開圧によって破断部12e側に強く引っ張られても、パッド部材11における硬度が比較的大きい部分が第2埋設部13dを保持する。したがって、パッド部材11における硬度が比較的大きい部位に埋設された第2埋設部13dの上下部13eによって、インサートワイヤ13がパッド部材11から外れることを確実に抑制できる。
また、第2埋設部13dをパッド部材11の車幅方向中央部11aと左側端部11bとの境目部分11cに埋設しているので、パッド部材11の車幅方向中央部11aに埋設している場合と比較して、車両用シート1の座り心地を向上させることができる。
また、エアバッグ14aが、展開時は、着座した乗員Pの胸部及び腰部を保護するので、乗員Pの胸部だけを保護する場合と比較して、エアバッグ14aの展開圧が大きくなる。この場合、本実施形態の作用効果を顕著に発揮できる。
ところで、シートバック10の左側サイドサポート部10aにおける前面と後面との距離が最も大きい部分では、前側低伸長部材15の右端縁部から左端縁部までの長さが最も長くなっている。そのため、前側低伸長部材15のその最長部分では、シート表皮12の側面部12c及び外側低伸長部材16の張力を吸収できる。したがって、インサートワイヤ13における前側低伸長部材15の最長部分に対応する部位では、シート表皮12の外側前面部12b及び前側低伸長部材15の張力を小さくできる。
ここで、本実施形態によれば、第2埋設部13dが、シートバック10の左側サイドサポート部10aにおける前面と後面との距離が最も大きい部分と略同じ高さ位置に位置している。すなわち、第2埋設部13dが、前側低伸長部材15の最長部分と略同じ高さ位置に位置している。そのため、上述のように、インサートワイヤ13における前側低伸長部材15の最長部分に対応する部位、すなわち、第2埋設部13dの部位では、シート表皮12の外側前面部12b及び前側低伸長部材15の張力を小さくできるので、インサートワイヤ13の第2埋設部13dがパッド部材11から外れることを確実に抑制できる。
上述のように、パッド部材11とシート表皮12の側面部12cとの間に外側低伸長部材16を設けている場合、シート表皮12の側面部12c及び外側低伸長部材16がエアバッグ14aの展開圧によって左側に向かって大きく膨らみ、破断部12eが車両後方に移動すると、シート表皮12の外側前面部12b及び前側低伸長部材15がシート表皮12の側面部12c及び外側低伸長部材16の張力によって破断部12e側に強く引っ張られ、これに伴って、パッド部材11の左側端部11bが車両後方側に縮み変形する。この場合、本実施形態の作用効果を顕著に発揮できる。
上述のように、パッド部材11とシート表皮12の側面部12cとの間に、前端縁部とは反対側の端縁部がシートバックフレーム17おけるサイドエアバッグユニット14よりも車両後方の部分に固定されている外側低伸長部材16を設けている場合、前側低伸長部材15の張力がその外側低伸長部材16の張力によって大きくなる。この場合、本実施形態の作用効果を顕著に発揮できる。
また、前側低伸長部材15の右端縁部を第1埋設部13cに固定しているので、シート表皮12の外側前面部12b及び前側低伸長部材15からインサートワイヤ13に伝達される衝撃力を第1埋設部13cによって吸収できる。そのため、第2埋設部13dの上下部13eによって、インサートワイヤ13がパッド部材11から外れることを確実に抑制できる。
(その他の実施形態)
上記実施形態では、第2埋設部13dをパッド部材11の車幅方向中央部11aと左側端部11bとの境目部分11cに埋設しているが、パッド部材11の左側端部11bにおける境目部分11cの近傍に埋設しても良く、特に、図3に示すように、平面断面視で、第1埋設部13cからその真後ろ方向へ延びる線L1と第1埋設部13cから外側前面部12bとほぼ平行な方向へ延びる線L2とで区画される範囲内に埋設するのが望ましい。この場合、第2埋設部13dの上下部13eをパッド部材11におけるその前面との距離が第1埋設部13cの埋設部分よりも大きい部分に埋設する必要がある。このように、第2埋設部13dをパッド部材11の左側端部11bにおける境目部分11cの近傍に埋設すると、第2埋設部13dは、第1埋設部13cから車幅方向外側に向かって延びる。ここで、パッド部材11の左側端部11bの前面は、上述のように、斜め車両前方に向かって延びているので、パッド部材11の左側端部11bの上記張力方向長さが長くなる。そのため、前側低伸長部材15がエアバッグ14aの展開圧によって破断部12e側に強く引っ張られても、第2埋設部13dが、その張力方向長さが比較的長いパッド部材11の左側端部11bによって掛止される。したがって、インサートワイヤ13がパッド部材11から外れることを確実に抑制できる。さらに、第2埋設部13dをパッド部材11の左側端部11bにおける境目部分11cの近傍に埋設すると、パッド部材11の車幅方向中央部11aに埋設している場合と比較して、車両用シート1の座り心地を向上させることができる。
また、上記実施形態では、第2埋設部13dを上下埋設部13aの中央部に配設しているが、上下埋設部13aの上端部や下端部に配設しても良い。
また、上記実施形態では、第2埋設部13dをすべてパッド部材11に埋設しているが、第2埋設部13dの一部をパッド部材11の後面に露出させたり、パッド部材11の後面から突き出させても良い。
また、上記実施形態では、エアバッグ14aが、展開時に乗員Pの胸部及び腰部を保護するが、乗員Pの胸部及び頭部、又は乗員Pの胸部、頭部、及び腰部を保護しても良い。この場合も、乗員Pの胸部だけを保護する場合と比較して、エアバッグ14aの展開圧が大きくなり、上記実施形態の作用効果を顕著に発揮できる。
また、上記実施形態では、水平埋設部13bを上下埋設部13aの両端に設けているが、上下埋設部13aの上端及び下端のいずれか一方に設けても良い。但し、インサートワイヤ13がパッド部材11から外れることを確実に抑制するためには、両端に設けるのが望ましい。さらに、上下埋設部13aの上端及び下端以外の部分に設けても良い。
また、上記実施形態では、上下埋設部13aの上端が破断部12eの上端の高さ位置よりも上方に位置しているが、これと略同じ高さ位置に位置しても良い。
また、上記実施形態では、上下埋設部13aの下端が破断部12eの下端の高さ位置よりも下方に位置しているが、これと略同じ高さ位置に位置しても良い。
また、上記実施形態では、インサートワイヤ13にシート表皮12の中央前面部12a及び外側前面部12b、並びに前側低伸長部材15をOリング22を介して固定しているが、Cリングを介して固定しても良い。さらに、インサートワイヤ13にシート表皮12の中央前面部12a及び外側前面部12b、並びに前側低伸長部材15をこれら以外の手段で固定しても良い。
また、上記実施形態では、外側低伸長部材16における前端縁部とは反対側の端縁部をシートバックフレーム17おけるサイドエアバッグユニット14よりも車両後方の部分に固定しているが、これに限らず、シートバック10内におけるサイドエアバッグユニット14よりも車両後方の部分に設けられた固定部材に固定すれば良い。
また、パッド部材11の下端部は車両用シート1の座り心地にほとんど無関係なので、その厚さを薄くしてその硬度を大きくしても良い。
また、上記実施形態では、パッド部材11のエアバッグ収納用孔部11fの左側開口をシート表皮12の側面部12cによって覆っているが、これらの間にパッド部材が介在しても良い。
本発明は、実施形態に限定されず、その精神又は主要な特徴から逸脱することなく他の色々な形で実施することができる。
このように、上述の実施形態はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は請求の範囲によって示すものであって、明細書本文には何ら拘束されない。さらに、請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
以上説明したように、本発明にかかるエアバッグユニットを備えた車両用シートは、ワイヤ部材がパッド部材から外れることを抑制しながら、破断部の破断性を向上させる用途等にも適用できる。
本発明の実施形態に係る車両用シートの側面図である。 図1のII−II線の矢視断面図である。 図1のIII−III線の矢視断面図である。 車両用シートのシートバックの正面図である。 図4のV−V線の矢視断面図である。 図3のシート表皮の破断部近傍の拡大図である。 図3のパッド部材の溝部近傍の拡大図である。 図3のサイドエアバッグユニット近傍の図である。
符号の説明
1 車両用シート
10 シートバック
11 パッド部材
11f エアバッグ収容用孔部
12 シート表皮(表皮部材)
12b 外側前面部(前面部)
12c 側面部
12e 破断部
13 インサートワイヤ(ワイヤ部材)
13a 上下埋設部
13c 第1埋設部
13d 第2埋設部
13h 折れ曲がり部
14 サイドエアバッグユニット
14a エアバッグ
15 前側低伸長部材
16 外側低伸長部材
P 乗員

Claims (7)

  1. パッド部材と、該パッド部材を覆う表皮部材と、少なくとも一部が該パッド部材の車幅方向中央部と外側端部との境目部分に上下方向に延びるように埋設され、上記表皮部材が固定されたワイヤ部材と、上記パッド部材の車幅方向外側端部内に設けられ、エアバッグを有するサイドエアバッグユニットとを有するシートバックを備えた車両用シートであって、
    上記パッド部材の車幅方向外側端部の側面には、孔部が形成されており、
    上記サイドエアバッグユニットは、上記孔部内に収容されており、
    上記表皮部材は、一端縁部が上記ワイヤ部材に固定され、上記パッド部材の車幅方向外側端部の前面を覆う前面部と、一端縁部が該前面部の他端縁部と結合され、上記パッド部材の車幅方向外側端部の側面を覆う側面部とを有しており、
    上記前面部及び上記側面部の結合部には、上記エアバッグの展開時に、該エアバッグが上記シートバック外に展開するように上記エアバッグの展開圧によって破断される破断部が形成されており、
    上記シートバックは、上記パッド部材と上記前面部との間に設けられ、一端縁部が上記ワイヤ部材に固定され、他端縁部が上記破断部に固定され、伸長率が上記表皮部材よりも低い、上記エアバッグの展開時に上記破断部の破断を促進するための前側低伸長部材をさらに有しており、
    上記ワイヤ部材は、上記パッド部材の上記境目部分の前面側に上下方向に延びるように埋設された第1埋設部と、上記パッド部材におけるその前面との距離が該第1埋設部の埋設部分よりも大きい部分に上下方向に延びるように埋設された上下部を有する第2埋設部とを有することを特徴とするエアバッグユニットを備えた車両用シート。
  2. 請求項1記載のエアバッグユニットを備えた車両用シートにおいて、
    上記パッド部材の車幅方向外側端部の前面が、平面断面視で車幅方向内側から外側に行くに従って徐々にシート前方に突出するように形成されており、
    上記第2埋設部は、上記パッド部材の上記境目部分又は該パッド部材の車幅方向外側端部における上記境目部分の近傍に埋設されていることを特徴とするエアバッグユニットを備えた車両用シート。
  3. 請求項1記載のエアバッグユニットを備えた車両用シートにおいて、
    上記エアバッグは、展開時は、着座した乗員の胸部と頭部及び腰部の少なくとも一方とを保護するように構成されていることを特徴とするエアバッグユニットを備えた車両用シート。
  4. 請求項3記載のエアバッグユニットを備えた車両用シートにおいて、
    上記エアバッグは、展開時は、上記乗員の少なくとも胸部及び腰部を保護するように構成されており、
    上記シートバックの車幅方向外側端部の前面が、シート側方視で車両前方に突出する略湾曲状に形成されており、
    上記第2埋設部は、上記シートバックの車幅方向外側端部における前面と後面との距離が最も大きい部分と略同じ高さ位置に位置していることを特徴とするエアバッグユニットを備えた車両用シート。
  5. 請求項1記載のエアバッグユニットを備えた車両用シートにおいて、
    上記シートバックは、上記パッド部材と上記側面部との間に設けられ、一端縁部が上記破断部に固定され、伸長率が上記表皮部材よりも低い、上記エアバッグの展開時に上記破断部の破断を促進するための外側低伸長部材をさらに有することを特徴とするエアバッグユニットを備えた車両用シート。
  6. 請求項5記載のエアバッグユニットを備えた車両用シートにおいて、
    上記外側低伸長部材の他端縁部が、上記シートバック内における上記サイドエアバッグユニットよりもシート後方の部分に設けられた固定部材に固定されていることを特徴とするエアバッグユニットを備えた車両用シート。
  7. 請求項1記載のエアバッグユニットを備えた車両用シートにおいて、
    上記前側低伸長部材の一端縁部は上記第1埋設部に固定されていることを特徴とするエアバッグユニットを備えた車両用シート。
JP2005377800A 2005-12-28 2005-12-28 エアバッグユニットを備えた車両用シート Pending JP2007176347A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005377800A JP2007176347A (ja) 2005-12-28 2005-12-28 エアバッグユニットを備えた車両用シート

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005377800A JP2007176347A (ja) 2005-12-28 2005-12-28 エアバッグユニットを備えた車両用シート

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2007176347A true JP2007176347A (ja) 2007-07-12

Family

ID=38301950

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005377800A Pending JP2007176347A (ja) 2005-12-28 2005-12-28 エアバッグユニットを備えた車両用シート

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2007176347A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2019244493A1 (ja) * 2018-06-19 2019-12-26 オートリブ ディベロップメント エービー サイドエアバッグ装置及び、これを備えた車両用シート
CN112498202A (zh) * 2019-09-13 2021-03-16 提爱思科技股份有限公司 车辆用座椅

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2019244493A1 (ja) * 2018-06-19 2019-12-26 オートリブ ディベロップメント エービー サイドエアバッグ装置及び、これを備えた車両用シート
CN112292290A (zh) * 2018-06-19 2021-01-29 奥托立夫开发公司 侧面安全气囊装置以及具备该侧面安全气囊装置的车辆用座椅
JPWO2019244493A1 (ja) * 2018-06-19 2021-05-13 オートリブ ディベロップメント エービー サイドエアバッグ装置及び、これを備えた車両用シート
JP7008816B2 (ja) 2018-06-19 2022-01-25 オートリブ ディベロップメント エービー サイドエアバッグ装置及び、これを備えた車両用シート
US11267433B2 (en) 2018-06-19 2022-03-08 Autoliv Development Ab Side airbag device and vehicle seat provided with same
CN112498202A (zh) * 2019-09-13 2021-03-16 提爱思科技股份有限公司 车辆用座椅
JP2021041898A (ja) * 2019-09-13 2021-03-18 テイ・エス テック株式会社 車両用シート
JP7112995B2 (ja) 2019-09-13 2022-08-04 テイ・エス テック株式会社 車両用シート
US11505152B2 (en) 2019-09-13 2022-11-22 Ts Tech Co., Ltd. Vehicle seat

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5082363B2 (ja) エアバッグユニットを備えた車両用シート
JP4760533B2 (ja) エアバッグ装置
US8152197B2 (en) Side airbag structure
KR101775857B1 (ko) 차량용 시트
CN111918795B (zh) 侧面安全气囊装置以及具有该装置的车辆用座椅
KR101283698B1 (ko) 차량의 사이드 에어백
JP6265189B2 (ja) 後席用サイドエアバッグ装置
CN104590195B (zh) 交通工具座椅
JPWO2006049101A1 (ja) サイドエアバッグ装置及びサイドエアバッグシステム
KR20160014634A (ko) 성형 에어백
JP6365589B2 (ja) 車両用乗員保護装置
JP2007176350A (ja) エアバッグユニットを備えた車両用シート
JP2011051526A (ja) 頭部保護用エアバッグ装置
JP4901213B2 (ja) エアバッグユニットを備えた車両用シート
CN112339697B (zh) 安全气囊装置
JP5125223B2 (ja) 車両用エアバッグ装置
JP2007176347A (ja) エアバッグユニットを備えた車両用シート
JP2007176349A (ja) エアバッグユニットを備えた車両用シート
JP5365433B2 (ja) 助手席用エアバッグ装置
JP4541778B2 (ja) シート用パッドの製造方法
JP3589732B2 (ja) 車両のシート構造
JP4165372B2 (ja) エアバッグ装置
JP5228674B2 (ja) サイドエアバッグユニットを搭載した車両用シート構造
JP2007145211A (ja) 車両エアバッグドア構造
WO2023282017A1 (ja) エアバッグ装置