JP2011051526A - 頭部保護用エアバッグ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】正突時や後突時に乗員の頭部を確実に保護し、且つ通常時に乗員の頭部を快適に支持可能な頭部保護用エアバッグ装置を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明にかかる頭部保護用エアバッグ装置200の構成は、ヘッドレスト120内部に埋設され、ヘッドレストから車両前方側に膨張展開するエアバッグ250と、ヘッドレスト内部のエアバッグの車両前方側の面に当接して配置され、エアバッグの膨張展開時に開裂するクッション材240と、を備え、エアバッグは、ヘッドレスト近傍またはヘッドレスト近傍からシートバック110肩部近傍まで膨張展開するメインチャンバ252と、メインチャンバの上下方向もしくは左右方向のいずれか一方または両方に延設されるサブチャンバ260と、を有することを特徴とする。
【選択図】図3

Description

本発明は、車両内のシートクッション装置(座席)のシートバック上に配置されたヘッドレストに設けられる頭部保護用エアバッグ装置に関するものである。
車両のシートクッション装置(座席)では、シートバック上部にヘッドレストが設置されている。ヘッドレストは、車両の正突時や後突時における乗員の頭部の後方への傾動を防ぎ、乗員の頸部の損傷を防止または軽減する。ヘッドレストは、シートバックからの高さ(位置)を調節可能なものが主流である。
近年、ヘッドレスト内に埋設されるエアバッグ装置が普及し始めている。かかるエアバッグ装置として、例えば特許文献1には、車両の座席のシートバック上に備えられるヘッドレストに内蔵され、衝撃時に前方へ膨張展開するエアバッグ装置が開示されている。これによれば、車両の追突等の衝撃時に、乗員の頭部および頸部をエアバッグにより好適に保護することができるとしている。
また特許文献2には、ヘッドレストをシートバックの上下方向へ移動可能に支持するヘッドレスト支持部材と、ヘッドレストの前部に膨張展開するエアバッグとを備え、エアバッグの展開力がヘッドレストを押し上げるエアバッグ装置が開示されている。これによれば、乗員の頭部位置とヘッドレストの位置が上下方向にオフセットしている場合においても、エアバッグによって乗員の頭部と頸部に加わる衝撃を効果的に吸収できるとしている。
特開平7−137592号公報 特開平10−6907号公報
しかし、特許文献1に記載のエアバッグ装置では、乗員がヘッドレストを自身の頭部に合う位置に調整していない場合等、乗員の頭部とヘッドレストの位置がずれていると、エアバッグは、乗員の頭部からずれた位置に膨張展開してしまう。したがって、乗員の頭部が適切に保護されない可能性がある。
また特許文献2に記載のエアバッグ装置では、エアバッグの展開力でヘッドレストを上方に移動させているが、エアバッグは必ずしも均一に膨張展開するとは限らず、仮に均一に膨張展開しなかった場合には、ヘッドレストを移動させるヘッドレストステーには均一な引張り力が作用しない。このため、ヘッドレストが上昇できないという事態が生じる可能性があり、上述した特許文献1に記載のエアバッグ装置と同様の問題が生じてしまう。
また特許文献2に記載のエアバッグ装置では、ヘッドレストを構成するエアバッグケース内に緩衝材等を設けることなくエアバッグ装置が埋設されている。このため、通常時に乗員がヘッドレストに頭部を支持させた際に、エアバッグケースを介してエアバッグが頭部に当たることとなり、快適性に劣るという課題も有していた。
本発明は、このような課題に鑑み、正突時や後突時に乗員の頭部をより確実に保護し、且つ通常時に乗員の頭部を快適に支持可能な頭部保護用エアバッグ装置を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明にかかる頭部保護用エアバッグ装置の代表的な構成は、車両内の座席のシートバック上に配置されたヘッドレストに設けられる頭部保護用エアバッグ装置であって、ヘッドレスト内部に埋設され、ヘッドレストから車両前方側に膨張展開するエアバッグと、ヘッドレスト内部のエアバッグの車両前方側の面に当接して配置され、エアバッグの膨張展開時に開裂するクッション材と、を備え、エアバッグは、ヘッドレスト近傍またはヘッドレスト近傍からシートバック肩部近傍まで膨張展開するメインチャンバと、メインチャンバの上下方向もしくは左右方向のいずれか一方または両方に延設されるサブチャンバと、を有することを特徴とする。
従来の頭部保護用エアバッグ装置ではヘッドレスト近傍に(またはヘッドレスト近傍からシートバック肩部近傍まで)膨張展開するエアバッグ、すなわち本発明におけるメインチャンバしか備えていない。これに対し本発明の構成では、メインチャンバに加えて、その上下方向や左右方向に延設されるサブチャンバを備える。したがって、乗員の頭部を広範囲にわたって保護可能であり、安全性が向上する。更に、ヘッドレスト内部のエアバッグの車両前方側の面にクッション材を備えることで、通常時に乗員がヘッドレストに頭部を支持させた際に違和感が生じない。このため、快適性を向上させることが可能となる。
また当該頭部保護用エアバッグ装置に設けられるエアバッグを、メインチャンバとサブチャンバとからなるエアバッグとすることで、1つのインフレータによりこれらを膨張展開させることができる。したがって、当該頭部保護用エアバッグ装置に複数のエアバッグを設ける場合と比べて、コストを低減可能となる。
上記の上下方向に延設されるサブチャンバは、メインチャンバの上方からヘッドレスト上面部に沿って延設される上部サブチャンバと、メインチャンバの下方からシートバックに沿って延設される下部サブチャンバとからなり、膨張展開後の側面から見た形状が略L字状であるとよい。
かかる構成によれば、メインチャンバの上下方向にサブチャンバが膨張展開するため、乗員の頭部をより広範囲にわたって保護可能である。したがって、乗員がヘッドレストの高さを自身の頭部に合わせて調節していなかったとしても、頭部を好適に保護可能となる。
また仮に上部サブチャンバをメインチャンバから単に上方に延設した場合、乗員の頭部の後傾に伴って延設した部位がヘッドレスト上面部方向に屈折してしまうため、頭部の後傾を防ぎきれない。これに対し、上記構成では上部サブチャンバがヘッドレスト上面部に沿って延設されるため、サブチャンバの屈折が生じることがない。したがって、頭部を確実に受け止め、後傾を確実に防ぐことができる。
上記の左右方向に延設されるサブチャンバは、メインチャンバの側面からヘッドレストの側面に沿って延設されるサイドサブチャンバであり、膨張展開後の上方から見た形状が略コ字状であるとよい。
かかる構成によれば、メインチャンバの左右方向にサブチャンバが膨張展開するため、乗員の頭部をより広範囲にわたって保護可能である。したがって、正突時や後突時に乗員の頭部が左右方向に振られた場合においても、これを好適に保護可能となる。またサブチャンバがヘッドレスト側面に沿って延設されるため、サブチャンバはヘッドレストを挟持する状態となる。これにより、サブチャンバひいてはエアバッグの左右方向へのずれを好適に防止することができる。
上記のクッション材は、エアバッグの膨張展開時に開裂する部位に、切込もしくは薄肉化のいずれか一方または両方が施されているとよい。かかる構成により、クッション材の開裂が容易になるため、エアバッグがより迅速且つ確実に膨張展開可能となる。
上記のヘッドレストは表皮材により被覆されていて、表皮材は、エアバッグの膨張展開時に開裂する部位に縫製部が設けられているとよい。これにより、表皮材は縫製部において容易に開裂するため、エアバッグの膨張展開を更に迅速且つ確実に行うことができる。
上記のエアバッグは、エアバッグ内の圧力を調整するための排気口を有するとよい。これにより、エアバッグ内の圧力を好適化可能であるため、膨張展開時のエアバッグによる乗員への加害性を低減可能である。
本発明によれば、正突時や後突時に乗員の頭部を確実に保護し、且つ通常時に乗員の頭部を快適に支持する頭部保護用エアバッグ装置を提供可能である。
本実施形態にかかる頭部保護用エアバッグ装置の配置を例示する概略図である。 表皮材の縫製部の詳細を例示する図である。 本実施形態にかかるエアバッグの膨張展開後の状態を例示する図である。 本実施形態にかかるエアバッグの膨張展開後の状態を例示する図である。 他の形状の上部サブチャンバとの比較を例示する図である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値などは、発明の理解を容易とするための例示に過ぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
図1は、本実施形態にかかる頭部保護用エアバッグ装置の配置を例示する概略図である。図1(a)は頭部保護用エアバッグ装置が設置される座席の斜視図であり、図1(b)は図1(a)のA−A断面図である。なお、図1では、頭部保護用エアバッグ装置が設置される座席として車両の前席(運転席や助手席)を例示する。また以下の説明では、車両進行方向を「前」、その逆方向を「後」、鉛直上方向を「上」、鉛直下方向を「下」と呼ぶ。
(シートクッション装置)
図1に例示するように、車両内に設けられる座席であるシートクッション装置100は、シートクッション(図示せず)と、シートバック110と、ヘッドレスト120とから構成される。シートバック110内部に埋設されたシートフレーム112には、ヘッドレスト120に設けられた2本のヘッドレストステー122が挿入されている。これにより、シートバック110とヘッドレスト120とが連結される。ヘッドレストステー122を上下方向に移動させることで、ヘッドレスト120の高さ(位置)を調整可能である。
上記のヘッドレスト120は表皮材124により被覆されている。本実施形態では、表皮材124の前面部124aの、エアバッグ250膨張展開時に開裂する部位に縫製部(図2参照)が設けられている。縫製部(開裂縫い線と称されることもある。)は、表皮材124を予め切断(分割)し、その切断部分を縫製した際の縫い目である。エアバッグ250の膨張展開初期に表皮材124が縫製部において容易に開裂するため、膨張展開がより迅速且つ確実となる。
図2は、表皮材124の縫製部の詳細を例示する図である。縫製部の形状は、図2(a)、(b)、(c)にそれぞれ例示するように、略I字形状の縫製部126a、略コ字形状の縫製部126b、略X字形状の縫製部126cのいずれにしてもよい。また図2(d)、(e)、(f)にそれぞれ例示するように、略十字形状の縫製部126d、略H字形状の縫製部126e、H字を変形させた形状の縫製部126fのいずれにしてもよい。
なお、図2に示す縫製部126a〜126fの形状はあくまでも例示であり、これらに限定するものではない。縫製部は、表皮材124の開裂を補助でき、略多角形、典型的には略四角形の開放孔を形成可能であれば如何なる形状であってもよい。また上記の縫製部126a〜126fを組み合わせた形状としてもよい。更に、力布やテンションクロスと称される部材を併用することにより、表皮材124の開裂を補助しても構わない。
(頭部保護用エアバッグ装置)
次に、再度図1を参照して、本実施形態にかかる頭部保護用エアバッグ装置の詳細について説明する。本実施形態にかかる頭部保護用エアバッグ装置200(以下、エアバッグ装置200と称する)は、ヘッドレストステー122に取り付けられてヘッドレスト120内部に埋設されている。エアバッグ装置200は、ハウジング210と、インフレータ220と、リテーナリング230と、クッション材240と、エアバッグ250とを備える。
ハウジング210は、エアバッグ装置200を構成する部材を収容し、エアバッグ装置200をヘッドレストステー122に取り付けるための部材である。ハウジング210の略中央には、インフレータ220の径より大きな径の貫通孔210aが設けられていて、この貫通孔210aにインフレータ220が挿入され固定されている。またハウジング210の内部には、折畳まれたエアバッグ250が収容されている。
インフレータ220は、エアバッグ250に膨張ガスを供給する。インフレータ220としてはディスク形インフレータを好適に用いることができるが、シリンダ形インフレータ等を用いてもよい。かかるインフレータ220にはガス噴出孔220aが設けられている。これにより、膨張ガスをインフレータ220からエアバッグ250に好適に流通させることができる。なお、ガス噴出孔220aは、図1では2つしか図示されていないが、実際にはインフレータ220の側面の同一円周上に等分割して複数設けられている。
リテーナリング230は、エアバッグ250内側のハウジング210との接続部分近傍に設けられる。リテーナリング230は組付用ボルト(図示せず)も備えている。この組付用ボルトに、エアバッグ250、ハウジング210、インフレータ220をこの順に挿入し、最後に固定用ナット(図示せず)を締込むことにより、これらの部材が固定される(組み立てられる)。この固定は膨張ガスの漏洩防止も兼ねている。なお、上記の固定方法は一例であり、これ以外の方法で固定しても構わない。
上記のように組み立てられたエアバッグ装置200において、車両の正突時や後突時に、インフレータ220内に充填された火薬(図示せず)が爆発する。これにより生じた膨張ガスが、ガス噴出孔220aを通過してインフレータ220外に流出し、エアバッグ250内に誘導されることとなる。
クッション材240は、ヘッドレスト120内部においてエアバッグ250の車両前方側の面に当接して配置される。これにより、通常時に乗員がヘッドレスト120に頭部を支持させた際に違和感が生じず、快適性を向上させることができる。クッション材240の表皮材124からエアバッグ250までの厚みは約20mm以上であるとよい。約20mm以上であれば、乗員が頭部をヘッドレスト120に支持させた際に感じる違和感を著しく低減可能だからである。
またクッション材240は、エアバッグ250の膨張展開時に開裂する部位に、切込もしくは薄肉化(肉盗みと称されることもある)のいずれか一方または両方が施されているとよい。これにより、エアバッグ250の膨張展開時にクッション材240が迅速且つ確実に開裂可能となる。上記の切込等の形状については、図2に例示した表皮材124の縫製部126a〜126fと同様の形状、または縫製部126a〜126fを組み合わせた形状としてもよいし、他の形状としてもよい。
なお、図1におけるクッション材240の配置は、最低限設置すべき範囲を示したにすぎず、これに限定するものではない。したがって、クッション材240は、少なくとも本実施形態のようにエアバッグ250の車両前方面に配置されればよく、ヘッドレスト120内のエアバッグ250やインフレータ220の周囲すべてに配置してもよい。
エアバッグ250は、折畳まれた状態でハウジング210に収容されてヘッドレスト120内部に埋設されている(図1参照)。そして、インフレータ220から膨張ガスが供給されると、エアバッグ250はヘッドレスト120から車両前方側に膨張展開する。
なお、図示は省略するが、エアバッグ内部にはテザーやディフューザが設けられている。テザー(吊り布とも称される)は、エアバッグの膨張展開形状を形成する形状制御部材であり、ディフューザは、インフレータから噴出される膨張ガスの方向を制御するガス流偏向部材である。これらにより、エアバッグが所定の形状により確実に膨張展開可能となる。
図3および図4は、本実施形態にかかるエアバッグ250の膨張展開後の状態を例示する図である。図3(a)は膨張展開後のエアバッグ250の垂直方向の断面図であり、図3(b)は膨張展開後のエアバッグ250の側面図である。図4(a)は膨張展開後のエアバッグ250の正面図であり、図4(b)は図4(a)の上面図であり、図4(c)は図4(a)のA−A断面図である。図3および図4に例示するように、本実施形態においてエアバッグ250は、メインチャンバ252と、サブチャンバとを有する。サブチャンバには上部サブチャンバ262と、下部サブチャンバ264と、サイドサブチャンバ266とがあり、以下、「サブチャンバ」と言うときには、これらすべてを指す。
メインチャンバ252は、膨張展開後の正面から見た形状が略長方形状であり、ヘッドレスト120近傍からシートバック110の肩部近傍まで膨張展開する。換言すれば、メインチャンバ252は、乗員Pの頭部Ph近傍から肩部Ps近傍まで膨張展開する(図3(a)および図4(a)参照)。メインチャンバ252は、従来の頭部保護用エアバッグ装置に設けられるエアバッグとほぼ同一の範囲に膨張展開するため、従来の頭部保護用エアバッグ装置と同様に乗員Pの頭部Phを好適に保護する。
なお、本実施形態においては、メインチャンバ252の形状を略長方形状としたが、これは一例であり他の形状としてもよく、例えば略円形状としてもよい。またメインチャンバ252は、膨張展開した際に下端がシートバック110の肩部近傍まで到達するが、これに限定するものではなく、ヘッドレスト120近傍のみに膨張展開する構成としてもよい。
メインチャンバ252は、サブチャンバとの接続面に複数の連通孔を備える。詳細には、メインチャンバ252の上面には連通孔254aが、下面には連通孔254bが、両側面には各々連通孔254cが設けられている。これらにより、インフレータ220からメインチャンバ252に供給された膨張ガスがサブチャンバに流通し、サブチャンバが膨張展開可能となる。
更に、メインチャンバ252は、その左右の端部近傍それぞれに排気口252aを有する。これにより、余剰な膨張ガスが排気口252aからメインチャンバ252外に排出されるため、メインチャンバ252内(エアバッグ250内)の圧力が調整される。したがって、エアバッグ250内の圧力が好適化され、膨張展開時における乗員への加害性を低減可能である。なお、図示された排気口252aの位置、数、および形状は一例であるため、これに限定されず適宜変更可能である。
サブチャンバは、メインチャンバ252の上下方向および左右方向に延設され、連通孔254aを通じて供給される膨張ガスにより膨張展開する。これにより、エアバッグ250の乗員保護可能領域を拡大可能であるため、乗員をより確実に保護可能となる。かかるサブチャンバは、上部サブチャンバ262と、下部サブチャンバ264と、サイドサブチャンバ266とから構成される。
上部サブチャンバ262は、連通孔254aからの膨張ガスにより、メインチャンバ252の上方からヘッドレスト120上面部に沿って膨張展開するように延設される。下部サブチャンバ264は、連通孔254bからの膨張ガスにより、メインチャンバ252の下方からシートバック110に沿って膨張展開するように延設される。上部サブチャンバ262および下部サブチャンバ264が延設されたエアバッグ250は、図3(a)に例示するように膨張展開後の側面から見た形状(断面)が略L字状となる。このような構成により、メインチャンバ252と略同一の膨張展開形状を有するエアバッグのみを備える従来の頭部保護用エアバッグ装置と比較すると、エアバッグ250による頭部保護領域を上下方向に拡大可能である。
本実施形態は、図3のように、例えば乗員Pがヘッドレスト120の位置を自身の頭部に合わせて調整していない場合に対応可能である。ヘッドレスト120が乗員Pの頭部Phよりも下方に位置する場合であっても、上部サブチャンバ262により頭部Phを受け止めることができる。
図5は、他の形状の上部サブチャンバ20との比較を例示する図である。例えば、図5(a)に示すように、メインチャンバ252から単に上方に延設される上部サブチャンバ20の場合、ヘッドレスト120がエアバッグ全体を支持する力は、水平方向(図5中のヘッドレスト120近傍の矢印)のみである。このため、正突時や後突時に頭部Phが衝撃を受けると、図5(b)に示すようにその負荷により、上部サブチャンバ20は、頭部Phの後傾に伴ってヘッドレスト120上面部方向に屈折してしまう。したがって、頭部Phの後傾を防ぎきれない。
これに対し、本実施形態にかかる上部サブチャンバ262はヘッドレスト120上面部に沿って延設されるため、ヘッドレスト120がエアバッグ250を支持する力は、水平方向および上方向(図5(c)中矢印)に作用することとなる。したがって、上部サブチャンバ262の屈折が生じることがなく、正突時や後突時における頭部Phの後傾をより確実に防ぐことが可能となる。
また車両が正突した場合または後突された場合、乗員Pは大きく前傾した後にシートベルト装置(図示せず)の拘束力により後方へ引き戻されるため、上半身がシートバック110に二次衝突してしまう。このとき、上記の下部サブチャンバ264を備えていれば、シートバック110上に膨張展開した下部サブチャンバ264により乗員Pのシートバック110への衝突が緩和されるため、二次衝突時の衝撃を低減可能である。
なお、ヘッドレスト120の上下高さ調整寸法は、どのような車両であっても概ね60mm前後であるため、上部サブチャンバ262および下部サブチャンバ264の延出寸法(図3(a)中の矢印)は約60mm以上とすることが好ましい。これにより、ヘッドレスト120の位置に拘わらず、乗員Pの頭部Phをエアバッグ250により好適に保護可能である。
サイドサブチャンバ266は、連通孔254cからの膨張ガスにより、メインチャンバ252の側面からヘッドレスト120の側面に沿って膨張展開するように延設される。サイドサブチャンバ266が延設されたエアバッグ250は、図4(c)に例示するように膨張展開後の側面から見た形状(断面)が略コ字状となる。このような構成により、従来の頭部保護用エアバッグ装置と比較すると、エアバッグ250による頭部保護領域を左右方向に拡大可能である。したがって、乗員Pの頭部Phが、正突時や後突時に左右方向に振られた場合においても好適に保護される。
またエアバッグ250が略コ字状となることで、ヘッドレスト120はサブチャンバ266により挟持される状態となる。これにより、サブチャンバ266ひいてはエアバッグ250の左右方向へのずれを好適に防止することができる。
上記のサイドサブチャンバ266は、各々排気口266aを有する。これにより、排気口252aと同様の利点を得ることができる。排気口266aにおいても、図示された位置、数、および形状は一例であるため、これに限定されず適宜変更可能である。
なお、本実施形態においては、サイドサブチャンバ266をメインチャンバ252の側面からヘッドレストの側面に沿って膨張展開させる形状とした。しかし、これに限定するものではなく、サイドサブチャンバ266と一体にまたは別体に、メインチャンバ252の側面から車両前方側に膨張展開するチャンバまたはエアバッグを更に設けてもよい。これにより、正突や後突の他に、斜突や側突・スピン・ロールオーバ等の事故形態において、乗員の頭部を挟持するように(覆うように)乗員を保護可能である。
以上説明したように、本実施形態にかかる頭部保護用エアバッグ装置200によれば、メインチャンバ252に加えてサブチャンバを備えるため、従来の頭部保護用エアバッグ装置よりも広範囲にわたって乗員Pの頭部Phを保護可能である。また当該エアバッグ装置200に設けられるエアバッグ250を、メインチャンバ252とサブチャンバとから構成することで、1つのインフレータ220により膨張展開可能となる。したがって、当該エアバッグ装置200に複数のエアバッグを設ける場合と比べて、コストを低減可能となる。
また広範囲を保護するサブチャンバをメインチャンバ252から延設させるため、まずメインチャンバ252が膨張展開することで主要部位である頭部Phを先に保護する。その後にサブチャンバ252が膨張展開することで乗員Pの頭部Phの後傾やシートバック110への二次衝突を好適に防止することができる。
なお、本実施形態においては、エアバッグ250が乗員Pの頭部Phを保護可能な領域を最大限に拡大し確実性を向上させるために、最も好適な例としてメインチャンバ252の上下方向および左右方向のすべてにサブチャンバを設けた。しかし、これに限定するものではなく、サブチャンバは、メインチャンバ252の上下方向もしくは左右方向のいずれか一方に設ける構成としてもよい。
またすべてのサブチャンバは各々メインチャンバ252とのみ連結(接続)されているが、かかる形状は例示であり、これに限定するものではない。例えば上部サブチャンバ262とサイドサブチャンバ266との間に膨張展開可能な空間を設け、それらのサブチャンバを一体に形成してもよい。更に、本実施形態ではメインチャンバ252に延設される部分をサブチャンバとしたが、複数のサブチャンバを、チャンバとして区分することなく1つのエアバッグとしてもよいし、別々のエアバッグとしてもよい。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施例について説明したが、以上に述べた実施形態は、本発明の好ましい例であって、これ以外の実施態様も、各種の方法で実施または遂行できる。特に本願明細書中に限定される主旨の記載がない限り、この発明は、添付図面に示した詳細な部品の形状、大きさ、および構成配置等に制約されるものではない。また、本願明細書の中に用いられた表現および用語は、説明を目的としたもので、特に限定される主旨の記載がない限り、それに限定されるものではない。
したがって、当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。例えば本発明の実施形態にかかるサイドエアバッグ装置は、すべて、前部座席(運転席、助手席)に適用されるものであったが、後部座席にも、無論、適用可能である。
本発明は、車両内のシートクッション装置(座席)のシートバック上に配置されたヘッドレストに設けられる頭部保護用エアバッグ装置に利用することができる。
P…乗員、Ph…頭部、Ps…肩部、100…シートクッション装置、110…シートバック、112…シートフレーム、120…ヘッドレスト、122…ヘッドレストステー、124…表皮材、124a…前面部、126a…縫製部、126b…縫製部、126c…縫製部、126d…縫製部、126e…縫製部、126f…縫製部、200…エアバッグ装置、210…ハウジング、210a…貫通孔、220…インフレータ、220a…ガス噴出孔、230…リテーナリング、240…クッション材、250…エアバッグ、252…メインチャンバ、252a…排気口、254a…連通孔、254b…連通孔、254c…連通孔、262…上部サブチャンバ、264…下部サブチャンバ、266…サイドサブチャンバ、266a…排気口

Claims (6)

  1. 車両内の座席のシートバック上に配置されたヘッドレストに設けられる頭部保護用エアバッグ装置であって、
    前記ヘッドレスト内部に埋設され、該ヘッドレストから車両前方側に膨張展開するエアバッグと、
    前記ヘッドレスト内部のエアバッグの車両前方側の面に当接して配置され、該エアバッグの膨張展開時に開裂するクッション材と、
    を備え、
    前記エアバッグは、
    前記ヘッドレスト近傍または該ヘッドレスト近傍から前記シートバック肩部近傍まで膨張展開するメインチャンバと、
    前記メインチャンバの上下方向もしくは左右方向のいずれか一方または両方に延設されるサブチャンバと、
    を有することを特徴とする頭部保護用エアバッグ装置。
  2. 前記上下方向に延設されるサブチャンバは、前記メインチャンバの上方から前記ヘッドレスト上面部に沿って延設される上部サブチャンバと、該メインチャンバの下方から前記シートバックに沿って延設される下部サブチャンバとからなり、膨張展開後の側面から見た形状が略L字状であることを特徴とする請求項1に記載の頭部保護用エアバッグ装置。
  3. 前記左右方向に延設されるサブチャンバは、前記メインチャンバの側面から前記ヘッドレストの側面に沿って延設されるサイドサブチャンバであり、膨張展開後の上方から見た形状が略コ字状であることを特徴とする請求項1に記載の頭部保護用エアバッグ装置。
  4. 前記クッション材は、前記エアバッグの膨張展開時に開裂する部位に、切込もしくは薄肉化のいずれか一方または両方が施されていることを特徴とする請求項1に記載の頭部保護用エアバッグ装置。
  5. 前記ヘッドレストは表皮材により被覆されていて、
    前記表皮材は、前記エアバッグの膨張展開時に開裂する部位に縫製部が設けられていることを特徴する請求項1に記載の頭部保護用エアバッグ装置。
  6. 前記エアバッグは、該エアバッグ内の圧力を調整するための排気口を有することを特徴する請求項1に記載の頭部保護用エアバッグ装置。
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