JP2007175030A - 魚体処理装置および魚体処理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 小売販売店および一般家庭などの小規模な魚体処理の需要でかつ小形魚であっても、高い効率および歩留まりで処理することができる安価な魚体処理装置および魚体処理方法を提供する。
【解決手段】 基台2に、移動方向Aの移動経路3に沿って、第1切断刃4が第1領域W1にわたって形成され、かつ第1切断刃4から移動方向A下流側に魚体Fの境界部F3に挿入する第1挿入部5が第2領域W2にわたって直線状に延びて形成される第1分離部材6と、第1分離部材6の第1切断刃4に対向して第2切断刃7が第3領域W3にわたって形成され、かつ第2切断刃7から移動方向A下流側に第1挿入部5に対向して魚体Fの境界部F3に挿入する第2挿入部8が第4領域W4にわたって直線状に延びて形成される第2分離部材9とを設ける。
【選択図】 図1
Description
本発明は、魚体から中骨および内蔵などを除去し、ドレス、開きおよび三枚下ろしに容易に処理するために実施することができる魚体処理装置および魚体処理方法に関する。
魚を食材として用いるために、小売販売店および一般家庭では、包丁などの切断用調理具によって、魚体の頭部および腹部を切断して頭部と内臓とを除去したドレス、前記頭部と内蔵とを除去した魚体を中骨を残したままで腹腔から背部近傍まで切断した開き、ならびに前記頭部と内蔵とを除去した魚体を腹腔から背部にわたって背骨の両側で切断し、2枚のフィレと中骨に背骨、尾ひれおよび背びれなどが残着した残渣とに分離した三枚下ろしに処理している。
また食品加工業者は、少量の魚体の処理を処理するだけで済む前記小売販売店および一般家庭とは異なり、大量の魚体を短時間で前記ドレス、開きおよび三枚下ろしに処理する必要があるため、魚体を連続的に搬送しながら、頭部の切除、内蔵の除去、2枚のフィレと尾ひれおよび背びれのつながった残渣との分離などの各種の処理を機械的に行なう魚体処理装置および魚体処理方法が用いられている。
前記魚体処理装置および魚体処理方法は、鮭などの大形で冷凍された魚体の三枚下ろし処理に適用されるものとして、たとえば特許文献1に提案されている。この特許文献1に記載される魚体処理装置は、頭部を切除した魚体の腹腔内に下方から挿入された腹中ガイドによって、その魚体の中骨を三方把持金具によって把持して引き抜くことによって、魚体をドレスに処理することができるように構成されている。
前記三方把持金具は、背部を上方にした魚体に対して、中骨の上方で左右両側に配置される2つの上段把持金具と、各上段把持金具の下方でかつ中間に配置される1つの下段把持金具とを有する。これらの3つの把持金具によって、頭部と胴部との間の境界部を切断して頭部が除去された魚体の中骨を把持し、引き抜くことによって、前記中骨が除去される。
このとき、前記魚体は冷凍されているため、温熱注入手段によって中骨の周囲を加熱して、凍結した魚体の筋肉を軟化させることによって、確実にピンボーンとも呼ばれる小骨を中骨とともに除去した後、背部側から挿入する回転刃によって、背骨および中骨の両側を切断し、魚体を2枚のフィレと前記中骨を含む残渣とに分離する三枚下ろし処理を実現している。
前記従来技術の魚体処理装置および魚体処理方法では、頭部、尾ひれ、背びれおよび内蔵などが除去された魚体を対象とし、その魚体に対して三枚下ろしに処理する装置および方法が提案されているが、前記小売販売店および一般家庭では、前記頭部、尾ひれ、背びれおよび内蔵などが除去されていない魚体を解体して、ドレス、開きおよび三枚下ろしなどに処理する場合が多く、前記従来技術のような魚体処理装置および魚体処理方法では、前記頭部、尾ひれ、背びれおよび内蔵などを除去する処理を前記包丁などの切断用調理具を用いて手作業で行なう必要があり、処理作業の効率が悪いという問題がある。
また前記従来技術では、魚体処理装置の形態が大きく、しかも高価であるため、小売販売店および一般家庭で用いるには、調理場などにおいて大きな設置面積を占有し、購入コストも高価であり、実用性が極めて低いという問題がある。
さらに前記従来技術では、鮭などの大形魚を対象としているため、冷凍されていない魚体および解凍された鰯などの小形魚を処理すると、中骨および背骨などに残着する肉質が多く、歩留まりが悪いという問題がある。
本発明の目的は、小売販売店および一般家庭などの処理を要する魚体の数が少なくかつ小形魚であっても、高い効率および歩留まりで安価に処理することができる魚体処理装置および魚体処理方法を提供することである。
本発明は、基台と、
前記基台に設けられ、魚体の頭部と胴部との間の境界部が移動する移動経路に沿って、前記移動方向上流側に第1切断刃が形成され、かつ前記第1切断刃から前記移動方向下流側に、前記魚体の境界部に挿入する第1挿入部が前記移動経路に沿って形成される第1分離手段と、
前記基台に設けられ、前記第1分離手段の第1切断刃に対向して第2切断刃が形成され、かつ前記第2切断刃から前記移動方向下流側に、前記第1挿入部に対向して前記魚体の境界部に挿入する第2挿入部が前記移動経路に沿って形成される第2分離手段とを含むことを特徴とする魚体処理装置である。
前記基台に設けられ、魚体の頭部と胴部との間の境界部が移動する移動経路に沿って、前記移動方向上流側に第1切断刃が形成され、かつ前記第1切断刃から前記移動方向下流側に、前記魚体の境界部に挿入する第1挿入部が前記移動経路に沿って形成される第1分離手段と、
前記基台に設けられ、前記第1分離手段の第1切断刃に対向して第2切断刃が形成され、かつ前記第2切断刃から前記移動方向下流側に、前記第1挿入部に対向して前記魚体の境界部に挿入する第2挿入部が前記移動経路に沿って形成される第2分離手段とを含むことを特徴とする魚体処理装置である。
本発明に従えば、基台に設けられる第1分離手段の第1切断刃と第2分離手段の第2切断刃との間に魚体の境界部を配置して、その魚体を移動方向下流側に移動させると、前記境界部が第1および第2切断刃によって前記境界部が切断される。これらの第1および第2切断刃は、最も近接した部分間の間隔を、対象とする魚体の中骨の太さ程度に予め調整しておくことによって、前記第1切断刃から移動方向下流側に第1挿入部が移動経路に沿って形成され、前記第2切断刃から移動方向下流側に第1挿入部に対向して第2挿入部が移動経路に沿って形成されるので、第1および第2切断刃の間に中骨が案内され、前記境界部は中骨近傍まで切り込まれた切り込みに第1および第2挿入部が挿入される。
さらにその魚体を移動方向下流側に移動させると、魚体は第1および第2分離手段の第1および第2挿入部に至り、魚体を前記移動方向下流側ながら頭部を胴部から離反する方向に引き抜くことよって、魚体の胴部は第1および第2挿入部によって支持され、魚体の胴部から頭部に連なる中骨および内蔵を抜き取ることができる。
このように冷凍されていない魚体および解凍された魚体に対して、第1および第2切断刃間に魚体の境界部を挿入して移動方向下流側に移動させながら頭部を引き抜くという簡単な操作によって、魚体の胴部から頭部に中骨が連なった状態で内蔵とともに容易に分離して除去することができる。これによって簡素で安価な構成によって、短時間で魚体のドレスを得ることができ、小売販売店および一般家庭などのように、処理を要する魚体の数が少なくかつ小形魚を処理する場合であっても、高い効率および歩留まりで安価に処理することが可能となる。
また本発明は、前記魚体の頭部を挟持して、前記魚体の頭部を、前記移動方向下流側になるにつれて胴部から離反する方向に搬送する頭部搬送手段を含むことを特徴とする。
本発明に従えば、前記魚体の頭部が頭部搬送手段によって挟持され、前記移動方向下流側になるにつれて胴部から離反する方向に搬送される。これによって魚体を移動方向下流側に移動し、頭部を胴部から離反する方向に引き抜くという2つ操作を同時に行なうことができ、前記胴部から中骨および内蔵などを頭部とともに容易に除去することができ、魚体処理が簡素化および迅速化され、魚体処理の効率がより一層向上される。
さらに本発明は、前記魚体の胴部を、前記移動方向下流側に搬送する胴部搬送手段を含むことを特徴とする。
本発明に従えば、前記魚体の胴部が胴部搬送手段によって移動方向下流側に搬送されるので、頭部を胴部から離反する方向に引き抜く操作だけによって、前記胴部から中骨および内蔵などを頭部とともに除去することができ、魚体処理が簡素化および迅速化され、魚体処理の効率がより一層向上される。
さらに本発明は、前記第1分離手段の第1挿入部および第2分離手段の第2挿入部は、前記魚体の胴部が通過する一側方に向けて刃先が形成される横刃部を有することを特徴とする。
本発明に従えば、前記第1分離手段の第1挿入部および第2分離手段の第2挿入部に魚体の胴部が通過する一側方に向けて刃先が形成される横刃部が設けられるので、頭部を胴部から離反する方向に引き抜く操作によって、前記胴部から中骨および内蔵などを頭部とともに除去しながら胴部を中骨の両側で切断することができる。これによって魚体を2枚のフィレと中骨および背骨を含む残渣との3つに分離する三枚下ろし処理を実現することができ、魚体処理が簡素化および迅速化され、魚体処理の効率がより一層向上される。
さらに本発明は、魚体を移動方向下流側に移動させながら、前記魚体の胴部と頭部との間の境界部を、前記魚体の背腹方向に垂直な厚み方向両側から切断刃によって中骨近傍まで切り込み、前記切断刃に沿って前記魚体の移動方向下流側に設けられる挿入部材が前記魚体の境界部に挿入された状態で、前記魚体の頭部を胴部から離反する方向に引き抜くことを特徴とする魚体処理方法である。
本発明に従えば、魚体を移動方向下流側に移動させることによって、魚体の境界部が中骨近傍まで切り込まれて切断され、頭部を胴部から離反する方向に引き抜くことよって、魚体の胴部は第1および第2挿入部によって支持され、魚体の胴部から頭部に連なる中骨および内蔵を抜き取ることができる。
このように冷凍されていない魚体および解凍された魚体に対して、第1および第2切断刃間に魚体の境界部を挿入して移動方向下流側に移動させながら頭部を引き抜くという簡単な操作によって、魚体の胴部から頭部に中骨が連なった状態で内蔵とともに容易に分離して除去することができる。これによって簡素で安価な構成によって、短時間で魚体のドレスを得ることができ、小売販売店および一般家庭などのように、処理を要する魚体の数が少なくかつ小形魚を処理する場合であっても、高い効率および歩留まりで安価に処理することが可能となる。
本発明の魚体処理装置および魚体処理方法によれば、冷凍されていない魚体および解凍された魚体に対して、切断刃間に魚体の境界部を挿入して移動方向下流側に移動させながら頭部を引き抜くという簡単な操作によって、頭部に中骨が連なった状態で内蔵とともに容易に除去し、簡素で安価な構成によって短時間で魚体のドレスを得ることができる。これによって魚体処理の効率および歩留まりの向上を安価に実現することができる。
図1は本発明の実施の一形態の魚体処理装置1を示す簡素化した正面図であり、図2は図1の右方から見た側面図である。本発明の魚体処理方法は、本実施の形態の魚体処理装置1によって実施される。魚体処理装置1は、調理台などである載置台10の水平な載置面11上に載置される基台2と、前記基台2に設けられ、魚体Fの頭部F1と胴部F2との間の境界部F3が水平な移動方向Aに移動する移動経路3に沿って、前記移動方向A上流側に第1切断刃4が第1領域W1にわたって形成され、かつ前記第1切断刃4から前記移動方向A下流側に、前記魚体Fの境界部F3に挿入する第1挿入部5が第2領域W2にわたって直線状に延びて形成される第1分離手段である板状の第1分離部材6と、前記基台2に設けられ、前記第1分離部材6の第1切断刃4に対向して第2切断刃7が第3領域W3にわたって形成され、かつ前記第2切断刃7から前記移動方向A下流側に、前記第1挿入部5に対向して前記魚体Fの境界部F3に挿入する第2挿入部8が第4領域W4にわたって直線状に延びて形成される第2分離手段である第2分離部材9とを含む。
第1分離部材6の第1切断刃4は、移動方向A上流側になるにつれて第2分離部材9の第2切断刃7から離反しかつ第2切断刃7に向かって凸に湾曲して形成される。
第1挿入部5と第2挿入部8とは、図1の紙面に平行な鉛直仮想一平面上で、移動方向Aに平行に延び、かつ移動方向Aに垂直な方向に間隔ΔLをあけて設けられる。前記間隔ΔLは、魚体Fの中骨の直径程度、たとえば魚体Fが鰯である場合、ΔL=3mm〜7mmに選ばれる。
第2分離部材9の第2切断刃7の移動方向A上流側の端部は、第1分離部材6の第1切断刃4の移動方向A上流側の端部よりも移動方向A上流側に延び、魚体Fを第1および第2切断刃4,7間の挿入位置に位置決めし易くしている。また第2分離部材9の第2分離部材9の移動方向下流側の端部は、第1分離部材6の第1分離部材6の移動方向A下流側の端部よりも移動方向A下流側に延び、魚体Fが第1および第2挿入部5,8間で、胴部F2から頭部F1および中骨などが確実に分離される位置まで、その魚体Fを支持するようにしている。これらの第1および第2分離部材6,9は、ステンレス鋼板から成る。
前記基台2は、偏平な直方体状の硬質合成樹脂からなる板状体15と、板状体15の上面から突出する略J字状の硬質合成樹脂からなる取付けアーム16と、板状体15の裏面の四隅に嵌着され、ゴムなどの適度の弾性を有する材料から成る複数の脚部パッド17とを有する。
前記板状体15には、前記第2分離部材9が垂直に立設される。前記取付けアーム16は、板状体15の上面から立ち上がる立ち上がり部18と、立ち上がり部18に一体的に連なり、板状体15と平行に延びる取付け部19とを有する。前記取付け部19の板状体15に対向する下部には、前記第1分離部材6の基端部が固定される。
前記第1分離部材6は、取付け部19に着脱可能に装着され、長期の使用による刃先の損耗などが生じたとき、容易に交換することができるように構成される。また、第2分離部材9は、板状体15着脱可能に装着され、長期の使用による刃先の損耗などが生じたとき、容易に交換することができるように構成される。
前記板状体15と取付けアーム16とは、一体成形されてもよく、取付けアーム16の立ち上がり部18が板状体15に対してボルトなどを用いて着脱可能に連結してもよい。
図3は魚体処理装置1による魚体処理動作を説明するための図であり、図3(1)は境界部F3が切断された状態を示し、図3(2)は頭部F1が胴部F2から離反する方向Bに引き抜かれた状態を示す。
図3(1)に示すように、第1および第2切断刃4,7間に腹部を移動方向A上流側(図1では右側)に向けて配置した魚体Fを、移動方向A下流側に移動させながら、前記魚体Fの胴部F2と頭部F1との間の境界部F3を、前記魚体Fの背腹方向に垂直な厚み方向両側から第1および第2切断刃4,7によって中骨近傍まで切り込む。
次に、図3(2)に示すように、前記魚体Fの頭部F1と胴部F2との間の境界部F3が第1および第2分離部材6,9の第1および第2挿入部5,8の間隔ΔLの開始端である移動方向Aの上流位置mに達すると、前記第1切断刃4から移動方向A下流側に第1挿入部5が移動経路に沿って形成され、前記第2切断刃7から移動方向A下流側に第1挿入部5に対向して第2挿入部8が移動経路Aに沿って形成されるので、前記第1および第2切断刃4,7に沿って前記魚体Fの移動方向A下流側に設けられる第1および第2挿入部5,8が前記魚体Fの境界部F3に挿入され、前記魚体Fの胴部F2を手で移動方向A上流側へ倒しながら頭部F1と中骨の一部を把持して胴部F2から離反する方向Bに引き抜くことによって、第1および第2挿入部5,8に押し付けられた腹部が中骨によって破れ、さらに頭部F1を離反する方向Bに引っ張り、尾部F3付近まで中骨が引き出されると、胴部F2を把持していた手で尾部F3の付け根を折り曲げて中骨を折り、頭部F1に中骨がつながった状態で胴体F2から抜去し、いわゆる開き状態に処理することができる。
このように、基台2に設けられる第1分離部材6の第1切断刃4と第2分離部材9の第2切断刃7との間に魚体Fの境界部F3を配置して、その魚体Fを移動方向A下流側に移動させて前記境界部F3を第1および第2切断刃4,7によって切り込むとき、第1および第2切断刃4,7の最も近接した部分間の間隔ΔLを対象とする魚体、たとえば鰯の中骨の太さ程度に予め調整しておくことによって、第1および第2切断刃4,7によって中骨が切断されることなしに第1および第2挿入部5,8間に案内され、前記境界部F3の肉質部だけが中骨近傍まで切り込まれて切断されるので、前述のように頭部F1を離反する方向Bに引っ張ったとき、中骨が途中で分断してしまうことが防がれ、中骨を尾部F3近傍まで内蔵とともに抜き取れないという不具合が生じない。
また、ドレス処理の場合、第1および第2挿入部5,8で移動方向A下流側に移動させながら頭部F1を第2分離部材9の表面に近接する方向、すなわち下方に折り曲げて中骨を折った後、胴部F2から離反する方向Bに引き抜くことよって、魚体Fの胴部F2が第1および第2挿入部5,8によって支持され、魚体Fの胴部F2から頭部F1内蔵とともに抜き取り、頭部F1と内蔵とが除去されたドレスを得ることができる。
このように冷凍されていない魚体および解凍された魚体に対して、第1および第2切断刃4,7間に魚体Fの境界部F3を挿入して移動方向A下流側に移動させながら頭部F1を引き抜くという簡単な操作によって、頭部F1に中骨が連なった状態で内蔵とともに容易に除去し、簡素で安価な構成によって短時間で魚体Fの開きやドレスを得ることができる。これによって小売販売店および一般家庭などの処理を要する魚体の数が少なくかつ鰯などの小形魚であっても、包丁などの調理用処理具を用いて処理する場合に比べて高い効率および歩留まりで安価に魚体Fを処理することが可能となる。
図4は本発明の実施の他の形態の魚体処理装置1aの一部の断面図であり、図1の切断面線IV−IVから見た拡大断面を示す。なお、本実施の形態の魚体処理装置1aは、図1〜3に示す前述の実施の形態に類似し、対応する部分には同一の参照符を付し、重複を避けて説明は省略する。前記第1分離部材6の第1挿入部5および第2分離部材9の第2挿入部8は、前記魚体Fの胴部F2が通過する一側方である図4の右方に向けて刃先21,22が形成される横刃部23,24を有する。
このような構成を採用することによって、前記第1分離部材6の第1挿入部5および第2分離部材9の第2挿入部8に魚体Fの胴部F2が通過する一側方に向けて刃先21,22が形成される横刃部23,24が設けられるので、頭部F1を胴部F2から離反する方向Bに引き抜く操作によって、前記胴部F2から中骨および内蔵などを頭部F1とともに除去しながら胴部F2を中骨の両側で切断することができる。これによって、魚体Fを2枚のフィレF2a,F2bと、中骨および背骨を含む残渣との3枚に分離する三枚下ろし処理を実現することができ、魚体処理が簡素化および迅速化され、魚体処理の効率がより一層向上される。
図5は本発明の実施のさらに他の形態の魚体処理装置1bの簡略化した平面図であり、図6は図5の切断面線VI−VIから見た断面図である。本実施の形態の魚体処理装置1bは、魚体Fの境界部F3に中骨近傍まで切り込んで挿入する第1および第2分離手段30,31と、前記魚体Fの頭部F1を挟持して、前記魚体Fの頭部F1を移動方向A下流側に搬送しながら、前記移動方向A下流側になるにつれて第1および第2分離手段30,31から離反する方向Bに引き離す頭部搬送手段32と、前記魚体Fの胴部F2を、前記移動方向A下流側に搬送する胴部搬送手段33とを含む。
前記第1および第2分離手段30,31は、魚体Fの境界部F2を中骨近傍まで切り込み、上下に刃先を対向させて配置される一対のセパレータナイフ36,37と、各セパレータナイフ36,37の刃先に、図5の紙面に垂直な鉛直仮想一平面上で移動方向A下流側に連続する第1および第2分離部38,39が張架して設けられる一対のワイヤ40,41とを有する。各ワイヤ40,41は、直径が0.6mm〜0.95mmのステンレス鋼線によって実現されてもよく、スクリュー状に鋭利な鋼線が巻回された直系0.85mm程度のジグソーとも呼ばれる線状切断具によって実現されてもよい。
前記頭部搬送手段32は、一対の無端状の搬送ベルト43,44と、各搬送ベルト43,44が巻き掛けられて張架される各一対のプーリ45a,45b;46a,46bとによって構成される。各搬送ベルト43,44は、移動方向A上流側に配置される各プーリ45a,45bから移動方向A下流側に配置される各プーリ46a,46bに向かって、第1および第2分離手段30,31から水平方向に離反する方向に傾斜して配置される。
前記上下に対を成す上流側プーリ45a,46aおよび下流側プーリ45B、46bのいずれか一方は、電動モータおよび減速機などを含んで構成される胴部搬送用駆動装置49によって、各搬送ベルト43,44の上下に対向する各張架部分が前記移動方向A下流側に向けて走行駆動されるように、回転力が与えられる。
前記頭部搬送手段33は、無端状の搬送ベルト50と、搬送ベルト50が巻き掛けられて張架される一対のプーリ51a,51bとを有する。搬送ベルト50は、各プーリ51a,51bにいずれか一方に胴部搬送用駆動装置53から与えられる回転力によって、魚体Fの胴部F2が乗載される上張架部分が移動方向A下流側に移動するように走行駆動される。前記胴部搬送用駆動装置53は、前述の頭部搬送用駆動装置49と同様に構成され、魚体Fの搬送速度が同一となるように同期して駆動される。
このような構成を採用することによって、前記魚体Fの胴部F2が胴部搬送手段33によって移動方向A下流側に搬送され、頭部搬送手段32によって頭部F1が胴部F2から離反する方向Bに引き抜かれ、前記胴部F2から中骨および内蔵などを頭部F1とともに除去することができ、魚体処理が簡素化および迅速化され、魚体処理の効率をより一層向上することができる。
前述の図1〜図3に示す実施の形態では、第1および第2分離部材6,9が魚体Fの境界部F3の移動経路3に沿って直線状に延びて形成されたが、本発明の他の実施の形態では、前記第1および第2分離部材6,9を、水平な仮想一平面上において移動方向A下流側になるにつれて一側方へ湾曲して形成されてもよい。このような構成を採用することによって、第1および第2分離手段6,9の半径方向内方で魚体Fの頭部F1を把持する手の移動距離を短くすることができ、作業性を向上することができる。
また、前述の図1〜図3に示す実施の形態では、第1切断刃4は移動方向A上流側になるにつれて第2切断刃7から離反しかつ第2切断刃7に向かって凸に湾曲して形成されたが、本発明の実施の他の形態では、前記第1切断刃4は移動方向A上流側になるにつれて第2切断刃7から離反する方向に直線的に傾斜する構成であってもよく、あるいは第2切断刃7に向かって凹状に湾曲して形成されてもよい。
さらに、前述の図1〜図3に示す実施の形態では、前記基台2の板状体15および取付けアーム16は硬質合成樹脂製であったが、ステンレス鋼などの耐腐食性の高い金属からなってもよい。
さらに、前述の図1〜図3に示す実施の形態では、第1および第2挿入部5,8は第1および第2切断刃4,7に一体的に形成された第1および第2分離部材6,9を用いる構成であったが、本発明の実施の他の形態では、第1および第2挿入部5,8をワイヤによって実現されてもよい。このように第1および第2挿入部5,8がワイヤなどの索条からなる第1および第2分離部材6,9を用いることによって、第1および第2挿入部5,8によって魚体Fの胴部F2を背腹方向に切断して、2枚のフィレと頭部F1、中骨、尾部F3および内蔵などの残渣とに分離する三枚下ろし処理を行なうことができる。
さらに、前述の図4に示す実施の形態において、第1および第2分離部材6,9を間隔ΔLよりも大きい中骨が介在されたとき、その中骨によって互いに離反する方向C1,C2に弾性変形可能な材料を選択することによって、大きさの異なる魚体Fに対しても、第1および第2分離部材6,9を共通に用いて、開き、三枚下ろし、ドレスのいずれの処理にも用いることができ、第1および第2分離部材6,9間の間隔ΔLの調整作業などの手間を要さず、利便性を向上することができる。
1,1a,1b 魚体処理装置
2 基台
3 移動経路
4 第1切断刃
5 第1挿入部
6 第1分離部材
7 第2切断刃
8 第2挿入部
9 第2分離部材
15 板状体
16 取付けアーム
30,31 分離手段
32 頭部搬送手段
33 頭部搬送手段
38,39 分離部
40,41 ワイヤ
43,44 搬送ベルト
A 移動方向
F 魚体
F1 頭部
F2 胴部
F3 境界部
W1 第1領域
W2 第2領域
W3 第3領域
W4 第4領域
2 基台
3 移動経路
4 第1切断刃
5 第1挿入部
6 第1分離部材
7 第2切断刃
8 第2挿入部
9 第2分離部材
15 板状体
16 取付けアーム
30,31 分離手段
32 頭部搬送手段
33 頭部搬送手段
38,39 分離部
40,41 ワイヤ
43,44 搬送ベルト
A 移動方向
F 魚体
F1 頭部
F2 胴部
F3 境界部
W1 第1領域
W2 第2領域
W3 第3領域
W4 第4領域
Claims (5)
- 基台と、
前記基台に設けられ、魚体の頭部と胴部との間の境界部が移動する移動経路に沿って、前記移動方向上流側に第1切断刃が形成され、かつ前記第1切断刃から前記移動方向下流側に、前記魚体の境界部に挿入する第1挿入部が前記移動経路に沿って形成される第1分離手段と、
前記基台に設けられ、前記第1分離手段の第1切断刃に対向して第2切断刃が形成され、かつ前記第2切断刃から前記移動方向下流側に、前記第1挿入部に対向して前記魚体の境界部に挿入する第2挿入部が前記移動経路に沿って形成される第2分離手段とを含むことを特徴とする魚体処理装置。 - 前記魚体の頭部を挟持して、前記魚体の頭部を、前記移動方向下流側になるにつれて胴部から離反する方向に搬送する頭部搬送手段を含むことを特徴とする請求項1記載の魚体処理装置。
- 前記魚体の胴部を、前記移動方向下流側に搬送する胴部搬送手段を含むことを特徴とする請求項1または2記載の魚体処理装置。
- 前記第1分離手段の第1挿入部および第2分離手段の第2挿入部は、前記魚体の胴部が通過する一側方に向けて刃先が形成される横刃部を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の魚体処理装置。
- 魚体を移動方向下流側に移動させながら、前記魚体の胴部と頭部との間の境界部を、前記魚体の背腹方向に垂直な厚み方向両側から切断刃によって中骨近傍まで切り込み、前記切断刃に沿って前記魚体の移動方向下流側に設けられる挿入部材が前記魚体の境界部に挿入された状態で、前記魚体の頭部を胴部から離反する方向に引き抜くことを特徴とする魚体処理方法。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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- 2005-12-28 JP JP2005380385A patent/JP2007175030A/ja active Pending
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