JP2007174781A - インバータ回路の駆動保護装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】アームを停止させているときに半導体スイッチング素子が誤作動するのを防止する。
【解決手段】アームUP、UN、VP、VN、WP、WNが半導体スイッチング素子21〜26及びドライバ31〜36を含んでいる。電圧供給回路2が、半導体スイッチング素子21〜26に駆動信号を絶縁供給するための駆動用フォトカプラにおける発光素子側アノード端子に駆動電圧を供給する。そして、コントローラ10が、発光素子側カソード端子に逆論理の駆動信号を供給する。ドライバ31〜36から異常信号が出力されたとき、保護回路4が、電圧供給回路2に駆動電圧の供給を停止させるとともに、短絡回路5に発光素子側アノード端子とグランドとを短絡させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、半導体スイッチング素子を有するインバータ回路の駆動保護装置に関する。
半導体スイッチング素子及びこれを駆動するドライバを含むアームを1又は複数有するインバータ回路がある。アームにおいて短絡、過電流、過温度、制御電源電圧低下などの異常が発生したときに、ドライバがその異常を検出するとともに保護用フォトカプラを介して異常信号を出力する。そして、これらの異常信号を検出してドライバの駆動を停止させるインバータ回路の駆動保護装置が知られている。
この駆動保護装置を有するインバータ回路の一例として、図6に示すように、三相インバータの各アームUP、UN、VP、VN、WP、WNと、ドライバ31〜36からの異常信号を伝達する保護用フォトカプラPC12、PC22、PC32、PC42、PC52、PC62と、異常検出回路3とを有しており、保護用フォトカプラPC12、PC22、PC32、PC42、PC52、PC62のトランジスタ側端子を各々直列接続して直列アレイを構成するとともに、その両端に電源と異常検出回路3とを接続したものがある(例えば、特許文献1参照)。
異常検出回路3は、ドライバ31〜36からの異常信号を検出可能となっている。これは、図7に示すように、保護用フォトカプラPC12、PC22、PC32、PC42、PC52、PC62の出力を論理和演算することにより、ドライバ31〜36からの異常信号を検出可能にしたものと等価である。なお、異常信号は安全性を考慮して逆論理となっている。
このようなインバータ回路においては、半導体スイッチング素子21〜26を駆動するための駆動信号がコントローラ10から駆動用フォトカプラPC11、PC21、PC31、PC41、PC51、PC61を介してドライバ31〜36に供給される(例えば、特許文献2参照)。具体的には、電圧供給回路2からの駆動電圧が駆動用フォトカプラPC11、PC21、PC31、PC41、PC51、PC61の発光素子側アノード端子に供給され、発光素子側カソード端子にコントローラ10からの駆動信号が供給される。
そして、駆動信号の電圧値がLow(VL)となったときに、発光素子に電流が流れて駆動用フォトカプラPC11、PC21、PC31、PC41、PC51、PC61のトランジスタがONされる。これにより、ドライバ31〜36が駆動し、半導体スイッチング素子21〜26がONする。
また、駆動信号の電圧値がHigh(VH)となったときに、発光素子に電流が流れなくなり駆動用フォトカプラPC11、PC21、PC31、PC41、PC51、PC61のトランジスタがOFFされる。これにより、ドライバ31〜36が駆動を停止し、半導体スイッチング素子21〜26がOFFする。つまり、駆動信号は逆論理となっている。
図8に示すように、異常検出回路3が異常信号を検知していないときは、異常検出回路3からの出力電圧値がVHとなり、トランジスタQ2が駆動される。そして、電圧供給回路2におけるトランジスタQ2のコレクタ電圧値(A点)がVLとなり、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor FET)Q1がONする。これにより、B点の電圧値がVHとなり、電圧供給回路2から駆動用フォトカプラPC11、PC21、PC31、PC41、PC51、PC61の発光素子側アノード端子に電圧が供給される。
一方、異常検出回路3が異常信号を検出したときは、異常検出回路3からの出力電圧値がVLとなり、トランジスタQ2の駆動が停止される。そして、電圧供給回路2におけるMOSFETQ1のゲート電圧値がVHとなり、MOSFETQ1がOFFする。これにより、B点の電圧値が低下し、電圧供給回路2から駆動用フォトカプラPC11、PC21、PC31、PC41、PC51、PC61の発光素子側アノード端子に対する電圧の供給が停止する。
また、このとき、コントローラ10が、発光素子側カソード端子に電圧値がVHの駆動信号を供給する。これにより、ドライバ31〜36の駆動が停止し、インバータ回路が保護される。
特開2001−25267号公報(図1) 特開平9―23644号公報(図1)
図7に示すように、駆動用フォトカプラPC11、PC21、PC31、PC41、PC51、PC61を用いる場合には、発光素子に流れる電流を制限するために、発光素子側カソード端子とコントローラ10との間に電流制限抵抗R11、R21、R31、R41、R51、R61を接続するとともに、アノード端子とカソード端子との間に電流制限抵抗R12、R22、R32、R42、R52、R62を接続することがある。この状態で、異常検出回路3が異常信号を検出したときのことを考える。
図9は、図7に示したインバータ回路1相(U相)の拡大図である。また、図10は、図9に示した各点(A点〜D点)の電圧波形図である。
図9及び図10に示すように、異常検出回路3が異常信号を検出すると、異常検出回路3からトランジスタQ2への出力電圧値がVLになり、トランジスタQ2がOFFする。これにより、MOSFETQ1のゲート電圧値がVHとなり、MOSFETQ1がOFFする。したがって、このとき、理想的にはB点の電圧値がVLとなることが好ましい。
しかしながら、コントローラ10が駆動用フォトカプラPC11、PC21、PC31、PC41、PC51、PC61の発光素子側カソード端子に電圧値がVHの駆動信号を供給している(C点及びD点の電圧値がVH)ため、アノード端子の接続点であるB点にコントローラ10から電流制限抵抗を介して電圧が供給され続ける。この結果、B点の電圧値がVLとVHとの中間電圧であるVTHよりも高いVH’となる。なお、VH’=VH×R3/(R0+R3)であり、R0は(R11+R12)、(R21+R22)、(R31+R32)、(R41+R42)、(R51+R52)、(R61+R62)を並列接続した合成抵抗である。
このとき、例えば、ノイズなどの影響により、C点の電圧値がVHからVTH(VH’−フォトカプラ順方向電圧降下分)よりも低くなった場合、駆動用フォトカプラPC21のダイオードが発光し、ドライバ31が駆動されて半導体スイッチング素子21が誤作動してしまうことがある。
そこで、本発明の主たる目的は、アームを停止させているときに、半導体スイッチング素子が誤作動するのを防止するインバータ回路の駆動保護装置を提供することである。
本発明のインバータ回路の駆動保護装置は、半導体スイッチング素子及びこれを駆動するためのスイッチング駆動回路を有するアーム、前記スイッチング駆動回路に駆動信号を絶縁供給するための駆動用フォトカプラ、前記駆動用フォトカプラの発光素子側アノード端子に駆動電圧を供給する電圧供給手段、及び、前記駆動用フォトカプラの発光素子側カソード端子に前記駆動信号を供給するコントローラを有するインバータ回路の駆動保護装置である。そして、前記アームからの異常信号を検出する異常検出回路と、前記異常検出回路が前記アームからの異常信号を検出したとき、前記電圧供給手段に駆動電圧の供給を停止させるとともに、前記駆動用フォトカプラの発光素子側アノード端子をグランドと短絡させる保護手段とを備えている。
また、本発明においては、前記保護手段が、前記電圧供給手段による駆動電圧の供給が完全に停止した事を検知した後に、前記駆動用フォトカプラの発光素子側アノード端子をグランドに短絡させることが好ましい。
本発明によると、異常検出回路がアームからの異常信号を検出したときに、保護手段が、電圧供給手段に駆動電圧の供給を停止させるとともに、駆動用フォトカプラの発光素子側アノード端子をグランドと短絡させるため、駆動用フォトカプラの発光素子側カソード端子に供給されている駆動信号の電圧が、電流制限抵抗などを介して発光素子側アノード端子に供給される場合であっても、供給された電圧が直接グランドに流れることによって発光素子側アノード端子に係る電圧が確実に低くなる。
これにより、アームに異常が発生することによって半導体スイッチング素子の作動を停止させたときに、ノイズなどの影響によって発光素子側カソード端子に係る電圧が低くなっても、発光素子に電流が流れないため、半導体スイッチング素子が誤作動するのを防止することができる。
また、本発明において、前記保護手段が、前記電圧供給手段による駆動電圧の供給が完全に停止した事を検知した後に、前記駆動用フォトカプラの発光素子側アノード端子をグランドに短絡させることによって、電圧供給手段による駆動電圧の供給が完全に停止する前に、駆動用フォトカプラの発光素子側アノード端子がグランドに短絡することがなくなる。
このため、発光素子側アノード端子をグランドと短絡させたときに、過電流が流れるのを防止することができる。
<第1実施形態>
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を参照しつつ説明する。図1は本発明の好適な実施形態であるインバータ回路の回路図である。
インバータ回路1は、三相(U相、V相、W相)交流電源となるインバータ回路であって、図1に示すように、半導体スイッチング素子21〜26及び対応する半導体スイッチング素子21〜26を駆動するためのドライバ(スイッチング駆動回路)31〜36を含む6つのアームUP、UN、VP、VN、WP、WNと、各アームUP、UN、VP、VN、WP、WNに駆動信号を絶縁供給するための駆動用フォトカプラPC11、PC21、PC31、PC41、PC51、PC61と、各駆動用フォトカプラPC11、PC21、PC31、PC41、PC51、PC61の発光素子側アノード端子に駆動電圧を供給する電圧供給回路(電圧供給手段)2と、発光素子側カソード端子に駆動信号を供給する(ラベルUP、UN、VP、VN、WP、WN参照)コントローラ10とを有している。
また、インバータ回路1は、各アームUP、UN、VP、VN、WP、WNにおいて、短絡、過電流、過温度、制御電源電圧低下などの異常を検出するための異常検出回路3と、保護回路(保護手段)4とをさらに有している。
各アームUP、UN、VP、VN、WP、WNにおいて、短絡、過電流、過温度、制御電源電圧低下などの異常が発生したときに、各ドライバ31、32、33、34、35、36から対応する保護用フォトカプラPC12、PC22、PC32、PC42、PC52、PC62を介して異常信号が出力される。
この異常信号は、逆論理となっており、正常時にHigh(以下、High時の電圧値をVHと称す)、異常時にLow(以下、Low時の電圧値をVLと称す)となる。
保護用フォトカプラPC12、PC22、PC32、PC42、PC52、PC62の2次側出力が異常検出回路3にそれぞれ入力されている。
コントローラ10と各駆動用フォトカプラPC11、PC21、PC31、PC41、PC51、PC61の発光素子側カソード端子との間に電流制限抵抗R11、R21、R31、R41、R51、R61が接続されている。また、各駆動用フォトカプラPC11、PC21、PC31、PC41、PC51、PC61の発光素子側アノード端子とカソード端子との間に電流制限抵抗R12、R22、R32、R42、R52、R62が接続されている。
コントローラ10は、逆論理の駆動信号を出力する。つまり、半導体スイッチング素子21〜26をONさせるときは駆動信号の電圧値がVLとなり、OFFさせるときは駆動信号の電圧値がVHとなる。
電圧供給回路2、異常検出回路3及び保護回路4について図2を参照しつつ説明する。
図2は、電圧供給回路2、異常検出回路3及び保護回路4の回路図である。図2に示すように、異常検出回路3は、ドライバ31〜36から保護用フォトカプラPC12、PC22、PC32、PC42、PC52、PC62を介して入力された異常信号の論理和(逆論理の論理積)の値を検出し、その検出結果を保護回路4に出力する。
具体的には、6つのアームUP、UN、VP、VN、WP、WNのいずれかに異常が発生したときは、電圧値がVLの信号を保護回路4に出力し、これらに異常がないときは、電圧値がVHの信号を保護回路4に出力する。
保護回路4は、トランジスタQ2と、短絡回路5とを有している。トランジスタQ2のベース端子が異常検出回路3からの出力にドライブ抵抗を介して接続されている。トランジスタQ2のエミッタ端子がグランドに接続されており、コレクタ端子が電圧供給回路2及び短絡回路5に接続されている。
トランジスタQ2のベース端子の電圧値がVHになると、トランジスタQ2がONとなり、コレクタ端子の電圧値がVLとなる。トランジスタQ2のベース端子の電圧値がVLになると、トランジスタQ2がOFFとなり、コレクタ端子の電圧値がVHとなる。
短絡回路5は、トランジスタQ3と、ダイオードD1とを有している。トランジスタQ3のベース端子がトランジスタQ2のコレクタ端子にドライブ抵抗を介して接続されている。トランジスタQ3のエミッタ端子がグランドに接続されており、コレクタ端子がダイオードD1のカソード端子に接続されている。そして、ダイオードD1のアノード端子が、電圧供給回路2から駆動用フォトカプラPC11、PC21、PC31、PC41、PC51、PC61の発光素子側アノード端子に電圧を供給するための電圧供給線に接続されている。
トランジスタQ3のベース端子の電圧値がVHになると、トランジスタQ3がONとなり、電圧供給線とグランドとがダイオードD1を介して短絡される。トランジスタQ3のベース端子の電圧値がVLになると、トランジスタQ3がOFFとなり、電圧供給線とグランドとが短絡しない。
電圧供給回路2は、MOSFETQ1を有している。MOSFETQ1のゲート端子が保護回路4におけるトランジスタQ2のコレクタ端子及び電源にそれぞれ抵抗を介して接続されている。MOSFETQ1のソース端子が電源に直接接続されており、ドレイン端子がグランドに抵抗を介して接続されているとともに電圧供給線に接続されている。
MOSFETQ1のゲート端子の電圧値がVLになるとMOSFETQ1がONとなり、電圧供給線に電圧が供給される。MOSFETQ1のゲート端子の電圧値がVHになるとMOSFETQ1がOFFとなり、電圧供給線に電圧が供給されなくなる。
次に、インバータ回路の動作について説明する。異常検出回路3が異常信号を検出していないときは、異常検出回路3が、電圧値がVHの信号を保護回路4に出力する。これにより、保護回路4におけるトランジスタQ2がONする。このとき、A点の電圧であるトランジスタQ2のコレクタ端子電圧値がVLとなり、MOSFETQ1がONとなる。これにより、B点の電圧であるドレイン端子の電圧値がVHとなる。そして、電圧供給回路2が電圧供給線を介して駆動用フォトカプラPC11、PC21、PC31、PC41、PC51、PC61の発光素子側アノード端子に電圧を供給する。
一方、コントローラ10において、電圧値がVLの駆動信号を各アームUP、UN、VP、VN、WP、WNに対応する信号線に出力すると、信号線に対応する駆動用フォトカプラPC11、PC21、PC31、PC41、PC51、PC61の発光素子に電流が流れ、各ドライバ31〜36が駆動される。これにより、対応する半導体スイッチング素子21〜26がONとなる。
逆に、電圧値がVHの駆動信号を各アームUP、UN、VP、VN、WP、WNに対応する信号線に出力すると、信号線に対応する駆動用フォトカプラPC11、PC21、PC31、PC41、PC51、PC61の発光素子に電流が流れなくなり、各ドライバ31〜36の駆動が停止する。これにより、対応する半導体スイッチング素子21〜26がOFFとなる。
次に、異常検出回路3が異常信号を検出したときにおけるインバータ回路1の動作について図3をさらに参照しつつ説明する。図3は、図1及び図2に示した各点(A点〜D点)の電圧波形図である。
各アームUP、UN、VP、VN、WP、WNにおいて、短絡、過電流、過温度、制御電源電圧低下などの異常が発生すると、各ドライバ31〜36から対応する保護用フォトカプラPC12、PC22、PC32、PC42、PC52、PC62を介して逆論理の異常信号が異常検出回路3に出力される。これにより、異常検出回路3は電圧値がVLの信号を保護回路4に出力する。このため、保護回路4のトランジスタQ2がOFFとなる。このとき、電圧供給回路2において、A点の電圧であるトランジスタQ2のコレクタ端子電圧値がVHとなり、MOSFETQ1がOFFする。これにより、B点の電圧であるドレイン端子の電圧値がVLになろうとする。つまり、電圧供給線を介して駆動用フォトカプラPC11、PC21、PC31、PC41、PC51、PC61の発光素子側アノード端子に電圧が供給されなくなる。
このとき、短絡回路5において、トランジスタQ3のベース端子の電圧値がVHとなることによって、トランジスタQ3がONとなり、電圧供給線とグランドとが短絡される。このように、異常検出回路3が異常信号を検出すると、保護回路4が電圧供給回路2に駆動電圧の供給を停止させるとともに、短絡回路5に駆動用フォトカプラPC11、PC21、PC31、PC41、PC51、PC61の発光素子側アノード端子をグランドに短絡させる。同時に、トランジスタQ3のコレクタ端子の電圧値が異常信号としてコントローラ10に出力する。
一方、コントローラ10が駆動用フォトカプラPC11、PC21、PC31、PC41、PC51、PC61の発光素子側カソード端子に電圧値がVHの駆動信号が供給されている(例えば、C点及びD点の電圧がVH)ため、アノード端子の接続点であるB点にコントローラ10から電流制限抵抗R11、R21、R31、R41、R51、R61、R12、R22、R32、R42、R52、R62を介して電圧が供給され続けることになる。しかしながら、供給された電圧はダイオードD1を介してグランドに流されるため、B点の電圧値はVLとVHとの中間電圧であるVTHより低いVH’’(ダイオードD1の順方向電圧降下分に相当)となる。
以上説明した本実施形態によると、異常検出回路3が各ドライバ31〜36からの異常信号を検出したときに、保護回路4が、電圧供給回路2に駆動用フォトカプラPC11、PC21、PC31、PC41、PC51、PC61の発光素子側アノード端子に対する駆動電圧の供給を停止させるとともに、短絡回路5に発光素子側アノード端子とグランドとを短絡させるため、コントローラ10が駆動用フォトカプラPC11、PC21、PC31、PC41、PC51、PC61の発光素子側カソード端子に供給している駆動信号の電圧が、電流制限抵抗R11、R21、R31、R41、R51、R61、R12、R22、R32、R42、R52、R62を介して発光素子側アノード端子に供給される場合であっても、発光素子側アノード端子に係る電圧がVTHより低いVH’’となる。これにより、アームUP、UN、VP、VN、WP、WNに異常が発生することによって半導体スイッチング素子21〜26をOFFにしたときに、ノイズなどの影響によってコントローラ10からの駆動信号の電圧が低下しても(図3のC点参照)、発光素子に電流が流れることなく、半導体スイッチング素子21〜26が誤作動するのを防止することができる。
<第2実施形態>
次に、本発明に係る第2実施形態について図4を参照しつつ説明する。図4は、第2実施形態のインバータ回路における保護回路104の回路図である。なお、第1実施形態と実質的に同じ回路については同一の符号を付して説明を省略する。
図4に示すように、保護回路104は、トランジスタQ2と、短絡回路5と、AND回路6とを有している。トランジスタQ2のベース端子が異常検出回路3からの出力にドライブ抵抗を介して接続されている。トランジスタQ2のエミッタ端子がグランドに接続されており、コレクタ端子が電圧供給回路2及びAND回路6の入力端子に接続されている。
トランジスタQ2のベース端子の電圧値がVHになると、トランジスタQ2がONとなり、コレクタ端子の電圧値がVLとなる。トランジスタQ2のベース端子の電圧値がVLになると、トランジスタQ2がOFFとなり、コレクタ端子の電圧値がVHとなる。
AND回路6は、トランジスタQ2のコレクタ端子の電圧値と、電圧供給線の電圧値の逆論理値との論理積を短絡回路5に出力するものである。つまり、AND回路6は、トランジスタQ2のコレクタ端子の電圧値がVHとなっているとともに、電圧供給線の電圧値がVLとなっているときに、電圧値がVHの信号を短絡回路5に出力する。
短絡回路5は、トランジスタQ3と、ダイオードD1とを有している。トランジスタQ3のベース端子がAND回路6の出力端子にドライブ抵抗を介して接続されている。トランジスタQ3のエミッタ端子がグランドに接続されており、コレクタ端子がダイオードD1のカソード端子に接続されている。そして、ダイオードD1のアノード端子が電圧供給線に接続されている。
次に、異常検出回路3が異常信号を検出したときにおけるインバータ回路の動作について図5をさらに参照しつつ説明する。図5は、図4に示した各点(A点B点、E点及びF点)の電圧波形図である。なお、第1実施形態と実質的に同一の動作については説明を省略する。
各アームUP、UN、VP、VN、WP、WNにおいて異常が発生すると、異常検出回路3は電圧値がVLの信号を保護回路104に出力する。これにより、保護回路104のトランジスタQ2がOFFとなる。このとき、電圧供給回路2において、A点の電圧であるトランジスタQ2のコレクタ端子電圧値がVHとなり、MOSFETQ1がOFFとなる。これにより、B点の電圧であるドレイン端子の電圧値がVLとなる。つまり、電圧供給線の電圧値がVLとなる。
したがって、AND回路6は、電圧供給回路2による駆動電圧の供給が完全に停止した後に、E点である短絡回路5におけるトランジスタQ3のベース端子に電圧値がVHの信号を出力する。これにより、トランジスタQ3がONとなり、電圧供給線とグランドとが短絡する。そして、F点であるダイオードD1のカソード端子の電圧値がVLとなる。トランジスタQ3のコレクタ端子の電圧値が異常信号としてコントローラ10に出力される。
本実施形態によると、異常検出回路3が異常信号を検出すると、電圧供給回路2が駆動電圧の供給を完全に停止した後に、短絡回路5が駆動用フォトカプラPC11、PC21、PC31、PC41、PC51、PC61の発光素子側アノード端子をグランドに短絡させる。このため、電圧供給回路2による駆動電圧の供給が完全に停止する前に、駆動用フォトカプラPC11、PC21、PC31、PC41、PC51、PC61の発光素子側アノード端子がグランドに短絡することがない。これにより、発光素子側アノード端子をグランドと短絡させたときに、過電流が流れるのを防止することができる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はその趣旨を超えない範囲において変更が可能である。例えば、上述の実施形態においては、短絡回路5が、ダイオードD1を介して駆動用フォトカプラPC11、PC21、PC31、PC41、PC51、PC61の発光素子側アノード端子をグランドと短絡する構成であるが、ダイオードD1を介さず発光素子側アノード端子をグランドと短絡する構成であってもよい。
また、上述の実施の形態においては、インバータ回路が6つのアームを有する構成であるが、インバータ回路は5つ以下又は7つ以上のアームを有する構成であってもよい。
本発明に係る第1実施形態であるインバータ回路の回路図である。 図1に示す電圧供給回路、異常検出回路及び保護回路の回路図である。 図1及び図2に示した各点の電圧波形図である。 本発明に係る第2実施形態の保護回路の回路図である。 図4に示した各点の電圧波形図である。 従来例のインバータ回路の回路図である。 従来例のインバータ回路の回路図である。 従来例の異常検知回路の回路図である。 従来例のインバータ回路の拡大図である。 図9に示した各点の電圧波形図である。
符号の説明
1 インバータ回路
2 電圧供給回路
3 異常検出回路
4 保護回路
5 短絡回路
6 AND回路
10 コントローラ
21〜26 半導体スイッチング素子
31〜36 ドライバ
104 保護回路
D1 ダイオード
PC11、PC21、PC31、PC41、PC51、PC61 駆動用フォトカプラ
PC12、PC22、PC32、PC42、PC52、PC62 保護用フォトカプラ
Q1 MOSFET
Q2、Q3 トランジスタ
R11、R21、R31、R41、R51、R61 電流制限抵抗
R12、R22、R32、R42、R52、R62 電流制限抵抗
UP、UN、VP、VN、WP、WN アーム

Claims (2)

  1. 半導体スイッチング素子及びこれを駆動するためのスイッチング駆動回路を有するアーム、前記スイッチング駆動回路に駆動信号を絶縁供給するための駆動用フォトカプラ、前記駆動用フォトカプラの発光素子側アノード端子に駆動電圧を供給する電圧供給手段、及び、前記駆動用フォトカプラの発光素子側カソード端子に前記駆動信号を供給するコントローラを有するインバータ回路の駆動保護装置であって、
    前記アームからの異常信号を検出する異常検出回路と、
    前記異常検出回路が前記アームからの異常信号を検出したとき、前記電圧供給手段に駆動電圧の供給を停止させるとともに、前記駆動用フォトカプラの発光素子側アノード端子をグランドと短絡させる保護手段とを備えていることを特徴とするインバータ回路の駆動保護装置。
  2. 前記保護手段が、前記電圧供給手段による駆動電圧の供給が完全に停止した事を検知した後に、前記駆動用フォトカプラの発光素子側アノード端子をグランドに短絡させることを特徴とする請求項1に記載のインバータ回路の駆動保護装置。
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