JP2007172669A - 磁気抵抗効果型磁気ヘッド - Google Patents
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Abstract
【課題】下層シールド1aおよび上層シールド1b間に配設されたGMR素子4を備えた磁気抵抗効果型磁気ヘッドにおいて、磁束誘導効率の向上を図って再生出力を向上させる。
【解決手段】一端が磁気テープとの摺動面2に臨んで配設されたフロントフラックスガイド3と、フロントフラックスガイド3の、所定クリアランスを介した上部後方に設けられたGMR素子4と、GMR素子4の、所定クリアランスを介した上部後方に設けられたバックフラックスガイド5とを備え、前記バックフラックスガイド5の厚さを20nm以上とし、GMR素子4およびバックフラックスガイド5のオーバーラップ量を0〜0.8μmとした。
【選択図】図1
【解決手段】一端が磁気テープとの摺動面2に臨んで配設されたフロントフラックスガイド3と、フロントフラックスガイド3の、所定クリアランスを介した上部後方に設けられたGMR素子4と、GMR素子4の、所定クリアランスを介した上部後方に設けられたバックフラックスガイド5とを備え、前記バックフラックスガイド5の厚さを20nm以上とし、GMR素子4およびバックフラックスガイド5のオーバーラップ量を0〜0.8μmとした。
【選択図】図1
Description
本発明は、磁気抵抗効果を利用して磁気記録媒体に記録された磁気信号を読み取る磁気抵抗効果型磁気ヘッドに関する。
近年、デジタル記録等による情報量の大容量化が要求され、高記録密度化がなされている。これに伴って、磁気記録再生システムにおける磁気ヘッドとしては、高い再生感度が得られる磁気抵抗効果型磁気ヘッド(MRヘッド)が多用されてきている。
この磁気抵抗効果型磁気ヘッドにおいて、高い再生出力を得るためには、記録メディアから発生する磁束を磁気抵抗効果型磁気ヘッド素子(以下、磁気抵抗効果素子と称する)に効率よく検出させるために、記録メディアとの接触面、例えば磁気テープとの摺動面から磁気抵抗効果素子までの距離を極力近づける必要がある。
しかしながら、磁気抵抗効果素子のアプリケーションとして、ヘリカルスキャン方式のVTR(ビデオテープレコーダ)のようなコンタクトスキャン系ヘッドに適用させることを考えた場合、「ヘッドの磨耗による特性変化」「耐サーマルノイズ」の二つの問題に加えて、異方性磁気抵抗効果を示すAMR(Anisotropic Magneto Resistive)素子を適用した場合は「バイアス点の変動によるアシンメトリーの変化」、スピンバルブ構造の巨大磁気抵抗効果を示すGMR(Giant Magneto Resistive)素子を適用した場合は「反強磁性層の腐食」といった問題が挙げられる。
以上の理由により、磁気抵抗効果素子を摺動面に配置させることは信頼性の面で困難となる。そこで、例えば下記特許文献1に記載のように、磁気抵抗効果素子を摺動面から後退した位置に配置して、摺動面側には磁気抵抗効果素子に磁束を誘導するフラックスガイドを配置する構造が有効となる。
特開2002−133615号公報
しかしながら、特許文献1を含む磁気抵抗効果型磁気ヘッドの構造において、フラックスガイドと磁気抵抗効果素子は電気的に絶縁されているため磁束がロスし、磁束を誘導する効率を向上させることが困難であり、これがヘッド再生出力の低下につながる可能性がある。
本発明は上記の点に鑑みてなされたものでその目的は、磁束誘導効率の向上を図って再生出力を向上させた磁気抵抗効果型磁気ヘッドを提供することにある。
前記課題を課題するための本発明の磁気抵抗効果型磁気ヘッドは、第1および第2の磁気シールド間に配設された磁気抵抗効果型磁気ヘッド素子を備えた磁気抵抗効果型磁気ヘッドにおいて、一端が磁気記録媒体との接触面側に臨んで配設された第1のフラックスガイドと、前記第1のフラックスガイドから、前記接触面と直交する方向に所定距離隔て、且つ該フラックスガイドとは異なる高さ位置に配設された磁気抵抗効果型磁気ヘッド素子と、前記磁気抵抗効果型磁気ヘッド素子から、前記接触面と直交する方向に所定距離隔て、且つ該磁気ヘッド素子とは異なる高さ位置に配設された第2のフラックスガイドとを備えたことを特徴としている。
また前記第2のフラックスガイドの厚さは20nm以上であることを特徴としている。
また前記磁気抵抗効果型磁気ヘッド素子と第2のフラックスガイドは、前記接触面と直交する方向に所定量オーバーラップして配設されていることを特徴としている。
また前記第1のフラックスガイドの、前記磁気抵抗効果型磁気ヘッド素子に対向する側の端面、および前記磁気抵抗効果型磁気ヘッド素子の、前記第2のフラックスガイドに対向する側の端面には、安定化用ハード膜が各々形成されていることを特徴としている。
(1)請求項1〜8に記載の発明によれば、磁気抵抗効果型磁気ヘッド素子を、磁気記録媒体との接触面に露出させず、該接触面から所定距離て配設しているにも拘わらず、磁気抵抗効果型磁気ヘッド素子に磁束を効率的に誘導することができ、ヘッドの再生出力向上を図ることができる。
(2)請求項2〜4に記載の発明によれば、より効率的に磁束を磁気抵抗効果型磁気ヘッド素子に誘導することができ、ヘッドの再生出力がより一層向上する。
(3)請求項5〜8に記載の発明によれば、磁気的安定化を図ることができる。
(2)請求項2〜4に記載の発明によれば、より効率的に磁束を磁気抵抗効果型磁気ヘッド素子に誘導することができ、ヘッドの再生出力がより一層向上する。
(3)請求項5〜8に記載の発明によれば、磁気的安定化を図ることができる。
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明するが、本発明は下記の実施形態例に限定されるものではない。図1は磁気抵抗効果素子としてGMR素子を採用した磁気抵抗効果型磁気ヘッドに、本発明を適用した実施形態例の要部のみの構成を表し、(a)は要部分解斜視図、(b)は要部の断面略図である。
図1において、1aは下層シールド(本発明の第1の磁気シールド)、1bは上層シールド(本発明の第2の磁気シールド)である。下層シールド1aと上層シールド1bの間には、一端が磁気テープとの摺動面(本発明の磁気記録媒体との接触面)2に臨むようにフロントフラックスガイド(本発明の第1のフラックスガイド)3が配設されている。
フラックスガイド3の、所定段差を設けた上部後方、すなわち摺動面2と直交する方向に所定距離隔て且つ所定間隔隔てた上方位置には、フラックスガイド3と所定量オーバーラップさせてGMR素子(本発明の磁気抵抗効果型磁気ヘッド素子)4が配設されている。
GMR素子4の、所定段差を設けた上部後方、すなわち摺動面2と直交する方向に所定距離隔て且つ所定間隔隔てた上方位置には、GMR素子4と所定量オーバーラップさせてバックフラックスガイド(本発明の第2のフラックスガイド)5が配設されている。
図1の構成において、フロントフラックスガイド3、GMR素子4およびバックフラックスガイド5はそれぞれ磁気的に結合しており、また後述の絶縁膜によって電気的に絶縁されている。
フロントフラックスガイド3からGMR素子4へ伝達される磁束はバックフラックスガイド5によって更にGMR素子4に誘導され、磁束の誘導効率が向上し、高い再生出力を得ることができる。
また、フロントフラックスガイド3の、GMR素子4に対向する側の端面、およびGMR素子4の、バックフラックスガイド5に対向する側の端面には、後述する図示省略の安定化用ハード膜が各々形成され、これによって磁気的安定化が図られる。
次に図1の磁気抵抗効果型磁気ヘッド素子の詳細な構成と、その製造方法を図2〜図21とともに説明する。
(1)下層シールド形成/溝形成/下層ギャップ形成
表面に酸化膜がコーティングされている非磁性基板6上に、下層シールド1aとなるFeAlSiあるいはNiFeなどの強磁性薄膜をスパッタリング法あるいはめっき法により所定量成膜する(図2)。次に、下層シールド1aの再生ギャップ部以外にフォトリソグラフィー技術とイオンエッチング技術により所定量の溝7を形成する。そこにAl2O3などの非磁性非導電性膜8をスパッタ法により成膜し、リフトオフして埋め込みを行う(図3)。次に、下層ギャップ膜9としてAl2O3などの非磁性非導電性膜をスパッタリング法により所定量成膜した後、ケミカルポリシングにより面粗度を向上させると共に所定の膜厚に制御する(図4)。
(2)フロントフラックスガイド膜成膜
次に、フロントフラックスガイド3となる例えばNiFeなどの軟磁性材料をスパッタリング法により所定量成膜する(図5)。
(3)フロントフラックスガイド安定化用ハード膜形成、フロントフラックスガイドと磁気抵抗効果素子間絶縁層1層目形成
フロントフラックスガイド3に対して安定化バイアス磁界を与えるためのハード膜用フォトレジストパターンをフォトリソグラフィー技術により形成し、イオンエッチング技術により所定量エッチングした後、安定化用ハード膜10となるCr/CoCrPtあるいはCr/CoNiPtなどをスパッタリング法により所定量成膜する(図6)。続いて、フロントフラックスガイド3とGMR素子4を電気的に絶縁するための絶縁層の1層目としてAl2O3などの非磁性非導電性膜11を所定量成膜後、リフトオフによりフロントフラックスガイド3と安定化用ハード膜10をアバット接続する(図7)。
(4)フロントフラックスガイドハイト形成
フロントフラックスガイド3のハイト形状を形成するためのフォトレジストパターンをフォトリソグラフィー技術により作成し、イオンエッチング技術により所定の形状に加工する(図8)。
(5)フロントフラックスガイドと磁気抵抗効果素子間絶縁層2層目形成
フロントフラックスガイド3とGMR素子4を電気的に絶縁するための絶縁層の2層目として、Al2O3などの非磁性非導電性膜12をスパッタリング法により所定量成膜し、ケミカルポリシグにより面粗度を向上させると共に所定の膜厚に制御する(図9)。
(6)磁気抵抗効果素子形成
磁気抵抗効果素子となる膜40をスパッタリング法により所定量成膜する(図10)。本実施形態例のように磁気抵抗効果素子としてGMR素子4を採用した場合、最終的に得られるGMR素子4のフリー層(磁化自由層)の磁化容易軸が無磁界の状態で摺動面2に対して平行となり、ピン層(磁化固定層)の磁化容易軸が摺動面2に対して垂直となるように成膜される。また、信号再生効率を考慮して、フリー層が前の工程で形成されたフロントフラックスガイド3に最も近接するよう最下層に形成される構造(トップ型)が望ましい。
(7)磁気抵抗効果素子安定化用ハード膜形成
GMR素子4に対して安定化バイアス磁界を与えるためのハード膜用フォトレジストパターンをフォトリソグラフィー技術により形成し、イオンエッチング技術により所定量エッチングした後、安定化用ハード膜13となるCr/CoCrPtあるいはCr/CoNiPtなどをスパッタリング法により所定量成膜する。続いてGMR素子4に電流を供給するための電極14としてTi/Cu/TiあるいはTiw/Taなどをスパッタリング法により所定量成膜後リフトオフにより、磁気抵抗効果素子膜40(GMR素子4)と安定化用ハード膜13をアバット接続する(図11)。
(8)磁気抵抗効果素子ハイト形成
GMR素子4のハイト形状を形成するためのフォトレジストパターンをフォトリソグラフィー技術により作成し、イオンエッチング技術により所定の形状に加工する(図12)。
(9)上層ギャップ形成
GMR素子4と上層シールド1b間との絶縁膜としてAl2O3などの非磁性非導電性膜15をスパッタリング法により所定量成膜する(図13)。
(10)バックフラックスガイド形成
磁束をより多く誘導するため、GMR素子4に所定量オーバーラップさせた位置にバックフラックスガイド5を形成するためのフォトレジストパターンをフォトリソグラフィー技術により作成し、バックフラックスガイド5となる例えばNiFeなどの軟磁性材料をスパッタリング法により所定量成膜し、リフトオフする(図14)。
(11)デプス規制レジスト形成
ヘッドの磨耗可能量を定めるために、ヘッドのギャップが開きだす地点に、フォトレジストを所定の方法にて硬化させたレジストキュア膜16を形成する(図15)。ここでは、キュア膜の作成方法として比較的低温でフォトレジストを硬化させることが出来る電子ビーム照射による硬化法(EBキュア)を適用する。EBキュアに於いては、硬化時にかかる温度は120℃程度以下であり、磁気抵抗効果素子の熱劣化を回避したプロセスを構築できる。
(12)下層シールド形状形成
下層シールド1aを所定の形状にするためのフォトレジストパターンをフォトリソグラフィー技術により形成し、イオンエッチング技術により所定の形状に加工する(図16)。
(13)下層シールドとリード間絶縁レジスト形成
下層シールド1aとリードの絶縁層として、フォトレジストを所定の方法にて硬化させたレジストキュア膜17を形成する(図17)。レジストキュア膜17の形成方法については前記(12)と同様とする。
(14)リード接続孔形成
GMR素子4およびフロントフラックスガイド3に電流を供給するためのリード接続孔18のフォトレジストパターンをフォトリソグラフィー技術により作成し、イオンエッチング技術により所定量エッチングを行う(図18)。
(15)リード形成
GMR素子4およびフロントフラックスガイド3に電流を供給するためのリードのフォトレジストパターンをフォトリソグラフィー技術により作成し、リード19となるTi/Cu/Tiをスパッタリング法により成膜し、リフトオフする(図19)。
(16)リード-上層シールド絶縁レジスト形成
リード19と上層シールド1bの絶縁層として、フォトレジストを所定の方法にて硬化させたレジストキュア膜20を形成する(図20)。レジストキュア膜20の形成方法については前記(12)と同様とする。
(17)上層シールド形成
上層シールド形成用フォトレジストパターンをフォトリソグラフィー技術により作成し、上層シールド1bとなる例えばNiFe、Co系アモルファス薄膜などをめっき法あるいはスパッタリング法により所定量成膜する。その後、フォトリソグラフィー技術あるいはイオンエッチング技術により所定の形状に加工する(図21)。
(1)下層シールド形成/溝形成/下層ギャップ形成
表面に酸化膜がコーティングされている非磁性基板6上に、下層シールド1aとなるFeAlSiあるいはNiFeなどの強磁性薄膜をスパッタリング法あるいはめっき法により所定量成膜する(図2)。次に、下層シールド1aの再生ギャップ部以外にフォトリソグラフィー技術とイオンエッチング技術により所定量の溝7を形成する。そこにAl2O3などの非磁性非導電性膜8をスパッタ法により成膜し、リフトオフして埋め込みを行う(図3)。次に、下層ギャップ膜9としてAl2O3などの非磁性非導電性膜をスパッタリング法により所定量成膜した後、ケミカルポリシングにより面粗度を向上させると共に所定の膜厚に制御する(図4)。
(2)フロントフラックスガイド膜成膜
次に、フロントフラックスガイド3となる例えばNiFeなどの軟磁性材料をスパッタリング法により所定量成膜する(図5)。
(3)フロントフラックスガイド安定化用ハード膜形成、フロントフラックスガイドと磁気抵抗効果素子間絶縁層1層目形成
フロントフラックスガイド3に対して安定化バイアス磁界を与えるためのハード膜用フォトレジストパターンをフォトリソグラフィー技術により形成し、イオンエッチング技術により所定量エッチングした後、安定化用ハード膜10となるCr/CoCrPtあるいはCr/CoNiPtなどをスパッタリング法により所定量成膜する(図6)。続いて、フロントフラックスガイド3とGMR素子4を電気的に絶縁するための絶縁層の1層目としてAl2O3などの非磁性非導電性膜11を所定量成膜後、リフトオフによりフロントフラックスガイド3と安定化用ハード膜10をアバット接続する(図7)。
(4)フロントフラックスガイドハイト形成
フロントフラックスガイド3のハイト形状を形成するためのフォトレジストパターンをフォトリソグラフィー技術により作成し、イオンエッチング技術により所定の形状に加工する(図8)。
(5)フロントフラックスガイドと磁気抵抗効果素子間絶縁層2層目形成
フロントフラックスガイド3とGMR素子4を電気的に絶縁するための絶縁層の2層目として、Al2O3などの非磁性非導電性膜12をスパッタリング法により所定量成膜し、ケミカルポリシグにより面粗度を向上させると共に所定の膜厚に制御する(図9)。
(6)磁気抵抗効果素子形成
磁気抵抗効果素子となる膜40をスパッタリング法により所定量成膜する(図10)。本実施形態例のように磁気抵抗効果素子としてGMR素子4を採用した場合、最終的に得られるGMR素子4のフリー層(磁化自由層)の磁化容易軸が無磁界の状態で摺動面2に対して平行となり、ピン層(磁化固定層)の磁化容易軸が摺動面2に対して垂直となるように成膜される。また、信号再生効率を考慮して、フリー層が前の工程で形成されたフロントフラックスガイド3に最も近接するよう最下層に形成される構造(トップ型)が望ましい。
(7)磁気抵抗効果素子安定化用ハード膜形成
GMR素子4に対して安定化バイアス磁界を与えるためのハード膜用フォトレジストパターンをフォトリソグラフィー技術により形成し、イオンエッチング技術により所定量エッチングした後、安定化用ハード膜13となるCr/CoCrPtあるいはCr/CoNiPtなどをスパッタリング法により所定量成膜する。続いてGMR素子4に電流を供給するための電極14としてTi/Cu/TiあるいはTiw/Taなどをスパッタリング法により所定量成膜後リフトオフにより、磁気抵抗効果素子膜40(GMR素子4)と安定化用ハード膜13をアバット接続する(図11)。
(8)磁気抵抗効果素子ハイト形成
GMR素子4のハイト形状を形成するためのフォトレジストパターンをフォトリソグラフィー技術により作成し、イオンエッチング技術により所定の形状に加工する(図12)。
(9)上層ギャップ形成
GMR素子4と上層シールド1b間との絶縁膜としてAl2O3などの非磁性非導電性膜15をスパッタリング法により所定量成膜する(図13)。
(10)バックフラックスガイド形成
磁束をより多く誘導するため、GMR素子4に所定量オーバーラップさせた位置にバックフラックスガイド5を形成するためのフォトレジストパターンをフォトリソグラフィー技術により作成し、バックフラックスガイド5となる例えばNiFeなどの軟磁性材料をスパッタリング法により所定量成膜し、リフトオフする(図14)。
(11)デプス規制レジスト形成
ヘッドの磨耗可能量を定めるために、ヘッドのギャップが開きだす地点に、フォトレジストを所定の方法にて硬化させたレジストキュア膜16を形成する(図15)。ここでは、キュア膜の作成方法として比較的低温でフォトレジストを硬化させることが出来る電子ビーム照射による硬化法(EBキュア)を適用する。EBキュアに於いては、硬化時にかかる温度は120℃程度以下であり、磁気抵抗効果素子の熱劣化を回避したプロセスを構築できる。
(12)下層シールド形状形成
下層シールド1aを所定の形状にするためのフォトレジストパターンをフォトリソグラフィー技術により形成し、イオンエッチング技術により所定の形状に加工する(図16)。
(13)下層シールドとリード間絶縁レジスト形成
下層シールド1aとリードの絶縁層として、フォトレジストを所定の方法にて硬化させたレジストキュア膜17を形成する(図17)。レジストキュア膜17の形成方法については前記(12)と同様とする。
(14)リード接続孔形成
GMR素子4およびフロントフラックスガイド3に電流を供給するためのリード接続孔18のフォトレジストパターンをフォトリソグラフィー技術により作成し、イオンエッチング技術により所定量エッチングを行う(図18)。
(15)リード形成
GMR素子4およびフロントフラックスガイド3に電流を供給するためのリードのフォトレジストパターンをフォトリソグラフィー技術により作成し、リード19となるTi/Cu/Tiをスパッタリング法により成膜し、リフトオフする(図19)。
(16)リード-上層シールド絶縁レジスト形成
リード19と上層シールド1bの絶縁層として、フォトレジストを所定の方法にて硬化させたレジストキュア膜20を形成する(図20)。レジストキュア膜20の形成方法については前記(12)と同様とする。
(17)上層シールド形成
上層シールド形成用フォトレジストパターンをフォトリソグラフィー技術により作成し、上層シールド1bとなる例えばNiFe、Co系アモルファス薄膜などをめっき法あるいはスパッタリング法により所定量成膜する。その後、フォトリソグラフィー技術あるいはイオンエッチング技術により所定の形状に加工する(図21)。
次に本実施形態例におけるフロントフラックスガイド3、GMR素子4、バックフラックスガイド5の各部の寸法を図22に示す。図22において、フロントフラックスガイド3の奥行き(摺動面に直交する方向の長さ)は2.5μmであり、GMR素子4とのオーバーラップ量は0.3μmである。
GMR素子4の奥行きは1.3μmであり、バックフラックスガイド5とのオーバーラップ量は0.3μmである。バックフラックスガイド5の幅(図1のW)は4.5μmであり、奥行き(ハイト)(図1のH)は5μmであり、厚さtは50nmである。尚GMR素子4とバックフラックスガイド5の対向間隔は80nm隔てられている。
次に上記のような各部の寸法を基準モデルとし、各部の寸法をシミュレーションにより変えて出力改善量を計算した。その結果、バックフラックスガイド5の厚さt(BFG膜厚)と出力改善量との関係は図23のとおりであった。図23によれば、バックフラックスガイド5の厚さは20nm以上であれば出力が改善することがわかる(例えば図22の基準モデルである50nmでは+2dB強に改善している)。
またGMR素子4およびバックフラックスガイド5のオーバーラップ量と出力改善量との関係は図24のとおりであった。図24によれば、前記オーバーラップ量は0〜0.8μmぐらいの範囲で出力が改善することがわかる(例えば図22の基準モデルである0.3μmでは+2dB強に改善している)。
またバックフラックスガイド5の奥行き(BFGハイト)と出力改善量との関係は図25のとおりであった。図25によれば、前記奥行きは、1.5μm以上であれば出力が改善することがわかる(例えば図22の基準モデルである5μmでは+2dB強に改善している)。
以上のように、メディアとして磁気テープなどを用いるような、コンタクトスキャン系ヘッドに磁気抵抗効果型磁気ヘッドを適用する場合、磁気抵抗効果素子をテープ摺動面から所定の距離をおいて配置させることにより、磨耗による特性変化、摺動ノイズなどによる特性変化の少ないヘッドを得ることが出来る。
またテープ摺動面側に磁気抵抗効果素子に磁束を誘導するためのフロントフラックスガイドを配置し、磁気抵抗効果素子の後方上部にも同様に磁束を誘導するバックフラックスガイドを配置することによって、摺動面から後退した位置にある磁気抵抗効果素子に効率的に磁束を誘導することができ、ヘッドの再生出力向上を図ることが可能となる。
尚、図1(b)に示す配置に限らず、フロントフラックスガイド3をGMR素子4の上方側に配設し、バックフラックスガイド5をGMR素子4の下方側に配設するように構成しても良く、この場合も前記と同様の作用、効果を奏する。
1a…下層シールド、1b…上層シールド、2…摺動面、3…フロントフラックスガイド、4…GMR素子、5…バックフラックスガイド、6…非磁性基板、7…溝、8、11、12、15…非磁性非導電性膜、9…下層ギャップ膜、10、13…安定化用ハード膜、14…電極、16、17、20…レジストキュア膜、18…リード接続孔、19…リード、40…磁気抵抗効果素子膜。
Claims (8)
- 第1および第2の磁気シールド間に配設された磁気抵抗効果型磁気ヘッド素子を備えた磁気抵抗効果型磁気ヘッドにおいて、
一端が磁気記録媒体との接触面側に臨んで配設された第1のフラックスガイドと、
前記第1のフラックスガイドから、前記接触面と直交する方向に所定距離隔て、且つ該フラックスガイドとは異なる高さ位置に配設された磁気抵抗効果型磁気ヘッド素子と、
前記磁気抵抗効果型磁気ヘッド素子から、前記接触面と直交する方向に所定距離隔て、且つ該磁気ヘッド素子とは異なる高さ位置に配設された第2のフラックスガイドと
を備えたことを特徴とする磁気抵抗効果型磁気ヘッド。 - 前記第2のフラックスガイドの厚さは20nm以上であることを特徴とする請求項1に記載の磁気抵抗効果型磁気ヘッド。
- 前記磁気抵抗効果型磁気ヘッド素子と第2のフラックスガイドは、前記接触面と直交する方向に所定量オーバーラップして配設されていることを特徴とする請求項1に記載の磁気抵抗効果型磁気ヘッド。
- 前記磁気抵抗効果型磁気ヘッド素子と第2のフラックスガイドは、前記接触面と直交する方向に所定量オーバーラップして配設されていることを特徴とする請求項2に記載の磁気抵抗効果型磁気ヘッド。
- 前記第1のフラックスガイドの、前記磁気抵抗効果型磁気ヘッド素子に対向する側の端面、および前記磁気抵抗効果型磁気ヘッド素子の、前記第2のフラックスガイドに対向する側の端面には、安定化用ハード膜が各々形成されていることを特徴とする請求項1に記載の磁気抵抗効果型磁気ヘッド。
- 前記第1のフラックスガイドの、前記磁気抵抗効果型磁気ヘッド素子に対向する側の端面、および前記磁気抵抗効果型磁気ヘッド素子の、前記第2のフラックスガイドに対向する側の端面には、安定化用ハード膜が各々形成されていることを特徴とする請求項2に記載の磁気抵抗効果型磁気ヘッド。
- 前記第1のフラックスガイドの、前記磁気抵抗効果型磁気ヘッド素子に対向する側の端面、および前記磁気抵抗効果型磁気ヘッド素子の、前記第2のフラックスガイドに対向する側の端面には、安定化用ハード膜が各々形成されていることを特徴とする請求項3に記載の磁気抵抗効果型磁気ヘッド。
- 前記第1のフラックスガイドの、前記磁気抵抗効果型磁気ヘッド素子に対向する側の端面、および前記磁気抵抗効果型磁気ヘッド素子の、前記第2のフラックスガイドに対向する側の端面には、安定化用ハード膜が各々形成されていることを特徴とする請求項4に記載の磁気抵抗効果型磁気ヘッド。
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Cited By (2)
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US20110085261A1 (en) * | 2009-10-14 | 2011-04-14 | Hitachi Global Storage Technologies Netherlands B.V. | Magnetoresistive magnetic head having a non-magnetic part on a medium facing surface side of the sensor |
JP2014049145A (ja) * | 2012-08-29 | 2014-03-17 | Hitachi Ltd | 磁気ヘッド及び磁気記憶装置 |
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2005
- 2005-12-19 JP JP2005364184A patent/JP2007172669A/ja active Pending
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