JP2007172418A - 力率自動調整装置 - Google Patents

力率自動調整装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2007172418A
JP2007172418A JP2005371181A JP2005371181A JP2007172418A JP 2007172418 A JP2007172418 A JP 2007172418A JP 2005371181 A JP2005371181 A JP 2005371181A JP 2005371181 A JP2005371181 A JP 2005371181A JP 2007172418 A JP2007172418 A JP 2007172418A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
power factor
capacitor
virtual
power
cutoff
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2005371181A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4476216B2 (ja
Inventor
Yuji Kame
裕二 亀
Hisato Fujiwara
央登 藤原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Corp filed Critical Mitsubishi Electric Corp
Priority to JP2005371181A priority Critical patent/JP4476216B2/ja
Priority to CNB2006100765850A priority patent/CN100507795C/zh
Publication of JP2007172418A publication Critical patent/JP2007172418A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4476216B2 publication Critical patent/JP4476216B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E40/00Technologies for an efficient electrical power generation, transmission or distribution
    • Y02E40/30Reactive power compensation

Landscapes

  • Supply And Distribution Of Alternating Current (AREA)
  • Control Of Electrical Variables (AREA)

Abstract

【課題】装置の異常が想定された場合に、手動操作により力率調整用コンデンサを実際に遮断することなく、または手動操作により力率調整用コンデンサを実際に遮断する前に、ある制御を行なった場合における予測力率を表示することのできる力率自動調整装置を提案する。
【解決手段】予測力率演算手段が、複数の力率調整用コンデンサの中の遮断対象コンデンサが遮断された場合における遮断予測力率、仮想投入遮断状態における仮想制御予測力率、手動遮断対象コンデンサが遮断された場合の手動遮断予測力率、または複数の仮想コンデンサを設置した場合における仮想容量予測力率を演算し、また前記予測値表示手段が、前記遮断予測力率、仮想制御予測力率、手動遮断予測力率、または仮想容量予測力率を表示する。
【選択図】図1

Description

この発明は、電気回路の有効電力と無効電力を検出し、力率調整用コンデンサを制御する力率自動調整装置に関するものである。
従来の力率自動調整装置は、例えば特開平5−341863号公報に開示されている。この従来の力率自動調整装置は、無効電力が投入レベルより小さい投入ゾーンと、無効電力が遮断レベルより大きい遮断ゾーンと、それらの間の中間ゾーンの3つのゾーンで、力率調整用コンデンサを投入または遮断し、また、力率を表示する表示部を備えている。無効電力が、投入ゾーンにあれば、力率調整用コンデンサが投入され、遮断ゾーンにあれば、力率調整用コンデンサが遮断され、中間ゾーンにあれば、力率調整用コンデンサは投入も遮断もされない。表示部は、現在力率を表示するように構成される。
特開平5−341863号公報
従来の力率自動調整装置は、力率調整用コンデンサが投入も遮断もされない中間ゾーンを有しており、無効電力が力率調整用コンデンサの遮断レベルを下回り、かつ進み力率側の中間ゾーンにある場合に、力率自動調整装置は、力率調整用コンデンサの遮断を行なわないが、この場合に装置が異常と誤って判断されてしまう問題があった。この場合、力率自動調整装置は、力率調整用コンデンサを遮断すると、力率が目標力率を下回り、無効電力が、力率調整用コンデンサの投入レベルを下回るようになるため、力率調整用コンデンサの遮断を行なわない。このような力率自動調整装置が異常と誤って判断される事態は、例えば手動操作により力率調整用コンデンサを遮断し、その遮断後の力率を確かめることにより、回避できるが、一旦力率調整用コンデンサを遮断すると、そのコンデンサが放電する時間中は、力率調整用コンデンサを再投入できないため、一時的に力率が悪くなる。このために、手動操作により、力率調整用コンデンサを遮断し、遮断後の力率を確かめる方法も採用できない。
この発明は、力率自動調整装置の異常が想定された場合に、手動操作により力率調整用コンデンサを実際に遮断することなく、または手動操作により力率調整用コンデンサを実際に遮断する前に、ある制御を行なった場合における予測力率を表示することのできる力率自動調整装置を提案するものである。
この発明の第1の観点による力率自動調整装置は、複数の力率調整用コンデンサを用いて、電気回路の力率を自動的に調整する力率自動調整装置であって、
前記電気回路の有効電力を演算する有効電力演算手段、
前記電気回路の無効電力を演算する無効電力演算手段、
前記有効電力と前記無効電力に基づいて、現在力率を演算する現在力率演算手段、
目標力率と、前記複数の力率調整用コンデンサのコンデンサ容量と、前記複数の力率調整用コンデンサの投入順序と遮断順序を含む制御モードを設定する設定手段、
前記複数の力率調整用コンデンサのコンデンサ容量と、前記制御モードに基づき、前記複数の力率調整用コンデンサの中で、次に投入される投入対象コンデンサと、次に遮断される遮断対象コンデンサとを選択し、併せて前記遮断対象コンデンサのコンデンサ容量を選択する次制御コンデンサ選択手段、
前記有効電力と、前記目標力率に基づいて、前記投入対象コンデンサに対する投入レベルを演算し、併せて、前記有効電力と、前記目標力率と、前記遮断対象コンデンサのコンデンサ容量に基づき、前記遮断対象コンデンサに対する遮断レベルを演算する投入遮断レベル演算手段、
前記無効電力が、前記投入レベルと前記遮断レベルの間に区分された中間ゾーンと、この中間ゾーンよりも小さい投入ゾーンと、前記中間ゾーンよりも大きい遮断ゾーンのいずれにあるかを判別し、前記無効電力が前記投入ゾーンにある場合には、前記投入対象コンデンサに対する投入信号を、前記無効電力が前記遮断ゾーンにある場合には、前記遮断対象コンデンサに対する遮断信号をそれぞれ発生し、また前記無効電力が前記中間ゾーンにある場合には、前記投入信号も前記遮断信号も発生しない投入遮断判別手段、
前記投入信号と遮断信号に基づき、前記複数の力率調整用コンデンサの現在の投入遮断状態を記憶し、前記次制御コンデンサ選択手段へ前記複数の力率調整用コンデンサの現在の投入遮断状態を出力する制御状態記憶手段、
前記投入遮断判別手段の判別結果に応じて、前記有効電力と、前記無効電力と、前記遮断対象コンデンサのコンデンサ容量に基づき、前記遮断対象コンデンサが遮断された場合における遮断予測力率を演算する予測力率演算手段、および
前記遮断予測力率を表示する予測値表示手段を備えたことを特徴とする。
また、この発明に第2の観点による力率自動制御装置は、複数の力率調整用コンデンサを用いて、電気回路の力率を自動的に調整する力率自動調整装置であって、
前記電気回路の有効電力を演算する有効電力演算手段、
前記電気回路の無効電力を演算する無効電力演算手段、
前記有効電力と前記無効電力に基づいて、現在力率を演算する現在力率演算手段、
目標力率と、前記各力率調整用コンデンサのコンデンサ容量と、前記複数の力率調整用コンデンサの投入順序と遮断順序を含む制御モードを設定する設定手段、
前記複数の力率調整用コンデンサのコンデンサ容量と、前記制御モードに基づき、前記複数の力率調整用コンデンサの中で、次に投入される投入対象コンデンサと、次に遮断される遮断対象コンデンサとを選択し、併せて前記遮断対象コンデンサのコンデンサ容量を選択する次制御コンデンサ選択手段、
前記有効電力と、前記目標力率に基づいて、前記投入コンデンサに対する投入レベルを演算し、併せて、前記有効電力と、前記目標力率と、前記遮断対象コンデンサのコンデンサ容量に基づき、前記遮断対象コンデンサに対する遮断レベルを演算する投入遮断レベル演算手段、
前記無効電力が、前記投入レベルと前記遮断レベルの間に区分された中間ゾーンと、この中間ゾーンよりも小さい投入ゾーンと、前記中間ゾーンよりも大きい遮断ゾーンのいずれにあるかを判別し、前記無効電力が前記投入ゾーンにある場合には、前記投入対象コンデンサに対する投入信号を、前記無効電力が前記遮断ゾーンにある場合には、前記遮断対象コンデンサに対する遮断信号をそれぞれ発生し、また前記無効電力が前記中間ゾーンにある場合には、前記投入信号も前記遮断信号も発生しない投入遮断判別手段、
前記投入信号と遮断信号に基づき、前記複数の力率調整用コンデンサの現在の投入遮断状態を記憶し、前記次制御コンデンサ選択手段へ前記複数の力率調整用コンデンサの現在の投入遮断状態を出力する制御状態記憶手段、
前記複数の力率調整用コンデンサに対して現在の投入遮断状態と異なる仮想投入遮断状態を設定する仮想制御状態設定手段、
前記無効電力と、前記制御状態記憶手段に記憶された前記複数の力率調整用コンデンサの現在の投入遮断状態と、前記仮想制御設定手段で設定された仮想投入遮断状態に基づき、前記複数の力率調整用コンデンサが、前記仮想投入遮断状態になった場合における仮想制御予測無効電力を演算する予測無効電力演算手段、
前記有効電力と、前記仮想制御予測無効電力に基づき、前記複数の力率調整用コンデンサが、前記仮想投入遮断状態になった場合における仮想制御予測力率を演算する予測力率演算手段、および
前記予測力率演算手段で演算された仮想制御予測力率を表示する予測値表示手段を備えたことを特徴とする。
この発明の第3の観点による力率自動制御装置は、複数の力率調整用コンデンサを用いて、電気回路の力率を自動的に調整する力率自動調整装置であって、
前記電気回路の有効電力を演算する有効電力演算手段、
前記電気回路の無効電力を演算する無効電力演算手段、
前記有効電力と前記無効電力に基づいて現在力率を演算する現在力率演算手段、
目標力率と、前記複数の力率調整用コンデンサのコンデンサ容量と、前記複数の力率調整用コンデンサの投入順序と遮断順序を含む制御モードを設定する設定手段、
前記複数の力率調整用コンデンサのコンデンサ容量と、前記制御モードに基づき、前記複数の力率調整用コンデンサの中で、次に投入される投入対象コンデンサと、次に遮断される制御コンデンサを選択し、併せて前記遮断対象コンデンサのコンデンサ容量を選択する次制御コンデンサ選択手段、
前記有効電力と、前記目標力率に基づいて、前記投入対象コンデンサに対する投入レベルを演算し、併せて、前記有効電力と、前記目標力率と、前記遮断対象コンデンサのコンデンサ容量に基づき、前記遮断対象コンデンサに対する遮断レベルを演算する投入遮断レベル演算手段、
前記無効電力が、前記投入レベルと前記遮断レベルの間に区分された中間ゾーンと、この中間ゾーンよりも小さい投入ゾーンと、前記中間ゾーンよりも大きい遮断ゾーンのいずれにあるかを判別し、前記無効電力が前記投入ゾーンにある場合には、前記投入対象コンデンサに対する投入信号を、前記無効電力が前記遮断ゾーンにある場合には、前記遮断対象コンデンサに対する遮断信号をそれぞれ発生し、また前記無効電力が前記中間ゾーンにある場合には、前記投入信号も前記遮断信号も発生しない投入遮断判別手段、
前記複数の力率調整用コンデンサの中で、投入状態にある力率調整用コンデンサの1つの手動遮断対象コンデンサに対する遮断操作を行なう手動操作手段、
前記手動操作手段による遮断操作に基づき、前記手動遮断対象コンデンサのコンデンサ容量を選択する手動操作コンデンサ容量選択手段、
前記有効電力と、前記無効電力と、前記手動遮断対象コンデンサのコンデンサ容量に基づき、前記手動遮断対象コンデンサが遮断された場合における手動遮断予測力率を演算する予測力率演算手段、
前記現在力率演算手段により演算された現在力率の絶対値と、前記予測力率演算手段で演算された手動遮断予測力率の絶対値とを比較し、さらに、ある一定時間内に前記手動操作手段により再度遮断操作が行なわれたかどうかを判定して、その結果に基づき、前記手動遮断対象コンデンサに対する手動遮断信号を出力する手動操作判定手段、
前記投入信号と遮断信号、および前記手動遮断信号に基づき、前記複数の力率調整用コンデンサの現在の投入遮断状態を記憶し、前記次制御コンデンサ選択手段へ前記複数の力率調整用コンデンサの現在の投入遮断状態を出力する制御状態記憶手段、
前記手動操作判定手段より出力される警報信号に基づき警報出力を発生する警報手段、および
前記予測力率演算手段により演算された手動遮断予測力率を表示する予測値表示手段を備えたことを特徴とする。
また、この発明の第4の観点による力率自動調整装置は、複数の力率調整用コンデンサを用いて、電気回路の力率を自動的に調整する力率自動調整装置であって、
前記電気回路の有効電力を演算する有効電力演算手段、
前記電気回路の無効電力を演算する無効電力演算手段、
前記有効電力と前記無効電力に基づいて現在力率を演算する現在力率演算手段、
目標力率と、前記複数の力率調整用コンデンサの力率コンデンサ容量と、前記複数の力率調整用コンデンサの投入順序と遮断順序を含む制御モードを設定する設定手段、
前記複数の力率調整用コンデンサのコンデンサ容量とは異なるコンデンサ容量を持った複数の仮想コンデンサを前記複数の力率調整用コンデンサに代わって、前記電気回路に設置したと仮想して、前記複数の仮想コンデンサのコンデンサ容量を設定する仮想コンデンサ容量設定手段、
前記複数の力率調整用コンデンサのコンデンサ容量と、前記制御モードに基づき、前記複数の力率調整用コンデンサの中で、次に投入される投入対象コンデンサと、次に遮断される遮断対象コンデンサを選択し、また、前記遮断対象コンデンサのコンデンサ容量を選択し、併せて、前記複数の仮想コンデンサのコンデンサ容量と、前記制御モードに基づき、前記複数の仮想コンデンサの中で、次に投入される仮想投入対象コンデンサと、次に遮断される仮想遮断対象コンデンサを選択し、また、前記仮想遮断対象コンデンサのコンデンサ容量を選択する次制御コンデンサ選択手段、
前記有効電力と、前記目標力率に基づいて、前記投入対象コンデンサに対する投入レベルと、前記仮想投入対象コンデンサに対する仮想投入レベルを演算し、また、前記有効電力と、前記目標電力と、前記遮断対象コンデンサのコンデンサ容量に基づき、前記遮断対象コンデンサに対する遮断レベルを演算し、併せて、前記有効電力と、前記目標力率と、前記仮想遮断対象コンデンサのコンデンサ容量に基づき、前記仮想遮断対象コンデンサに対する仮想遮断レベルを演算する投入遮断レベル演算手段、
前記無効電力と、前記複数の力率調整用コンデンサのコンデンサ容量と、前記複数の仮想コンデンサのコンデンサ容量に基づき、前記電気回路に前記仮想コンデンサを設置した場合における仮想容量予測無効電力を演算する予測無効電力演算手段、
前記無効電力が、前記投入レベルと前記遮断レベルの間に区分された中間ゾーンと、この中間ゾーンよりも小さい投入ゾーンと、前記中間ゾーンよりも大きい遮断ゾーンのいずれにあるかを判別し、前記無効電力が前記投入ゾーンにある場合には、前記投入対象コンデンサに対する投入信号を、前記無効電力が前記遮断ゾーンにある場合には、前記遮断対象コンデンサに対する遮断信号をそれぞれ発生し、また前記無効電力が前記中間ゾーンにある場合には、前記投入信号も前記遮断信号も発生しない機能、および前記仮想容量無効電力が、前記仮想投入レベルと前記仮想遮断レベルの間に区分された仮想中間ゾーンと、この仮想中間ゾーンよりも小さい仮想投入ゾーンと、前記仮想中間ゾーンよりも大きい仮想遮断ゾーンのいずれにあるかを判別し、前記仮想容量無効電力が前記仮想投入ゾーンにある場合には、前記仮想投入対象コンデンサに対する仮想投入信号を、前記仮想容量無効電力が前記仮想遮断ゾーンにある場合には、前記仮想遮断対象コンデンサに対する仮想遮断信号をそれぞれ発生し、また前記仮想無効電力が前記仮想中間ゾーンにある場合には、前記仮想投入信号も前記仮想遮断信号も発生しない機能を有する投入遮断判別手段、
前記投入信号と遮断信号に基づき、前記複数の力率調整用コンデンサの現在の投入遮断状態を記憶し、前記次制御コンデンサ選択手段へ前記複数の力率調整用コンデンサの現在の投入遮断状態を出力し、併せて、前記仮想投入信号と仮想遮断信号に基づき、前記複数の仮想コンデンサの現在の仮想投入遮断状態を記憶し、前記次制御コンデンサ選択手段へ前記複数の仮想コンデンサの現在の仮想投入遮断状態を出力する制御状態記憶手段、
前記有効電力と、前記仮想容量予測無効電力に基づき、前記電気回路に前記複数の力率調整用コンデンサに代わって、前記複数の仮想コンデンサを設置した場合における仮想容量予測力率を演算する予測力率演算手段、および
前記仮想容量予測力率を表示する予測値表示手段を備えたことを特徴とする。
この発明の第1の観点による前記力率自動調整装置では、前記予測力率演算手段が、前記遮断対象コンデンサが遮断された場合における遮断予測力率を演算し、また前記予測値表示手段が、前記遮断予測力率を表示する。したがって、無効電力が遮断対象コンデンサの遮断レベルLcを下回り、かつ進み力率側にある場合に、力率自動調整装置が、遮断対象コンデンサの遮断を行なわないのは、その遮断対象コンデンサを遮断した場合には、目標力率を下回るためであることが、遮断予測力率により確認できるので、力率自動調整装置の異常と判断されない。また、手動操作によるコンデンサ遮断を行なうことなく、遮断対象コンデンサの遮断後の遮断予測力率を確かめることができるので、手動操作によるコンデンサ遮断のために、電気回路の力率が悪くなる事態も回避できる。
また、この発明の第2の観点による前記力率自動調整装置では、前記予測力率演算手段は、前記複数の力率調整用コンデンサが、前記仮想投入遮断状態になった場合における仮想制御予測力率を演算し、前記予測値表示手段が、前記仮想制御予測力率を表示する。したがって、無効電力が遮断対象コンデンサの遮断レベルLcを下回り、かつ進み力率側にある場合に、力率自動調整装置が、遮断対象コンデンサの遮断を行なわないのは、その遮断対象コンデンサを遮断した場合には、目標力率を下回るためであることが、遮断予測力率により確認できるので、力率自動調整装置の異常と判断されない。また、手動操作によるコンデンサ遮断を行なうことなく、前記力率調整コンデンサが、仮想投入遮断状態となった場合の仮想制御予測力率を確かめることができるので、手動操作によるコンデンサ遮断のために、電気回路の力率が悪くなる事態も回避できる。
また、この発明の第3の観点による力率自動調整装置では、前記予測力率演算手段が、前記手動遮断対象コンデンサが遮断された場合における手動遮断予測力率を演算し、前記予測値表示手段が、前記手動遮断予測力率を表示する。したがって、力率自動調整装置の異常が想定された場合には、手動遮断対象コンデンサを実際に遮断する前に、その手動遮断対象コンデンサを遮断した場合における手動遮断予測力率を確認することができるので、不要な手動操作によるコンデンサ遮断のために、電気回路の力率が悪くなる事態を回避しながら、力率自動調整装置が誤って異常と判断される事態を解消することができる。
また、この発明の第4の観点による力率自動調整装置では、前記予測力率演算手段が、前記複数の力率調整用コンデンサに代わって、前記複数の仮想コンデンサを設置した場合における仮想容量予測力率を演算し、前記予測値表示手段が、前記仮想容量予測力率を表示する。したがって、力率自動調整装置の異常が想定された場合には、手動操作によるコンデンサ遮断を行なうことなく、複数の仮想コンデンサを設置した場合における仮想容量予測力率を確認することができるので、不要な手動操作によるコンデンサ遮断のために、電気回路の力率が悪くなる事態を回避しながら、力率自動調整装置が誤って異常と判断される事態を解消することができる。
実施の形態1.
図1は、この発明による力率自動調整装置の実施の形態1を示すブロック回路図である。図2A、図2Bは、実施の形態1の処理動作を示すフローチャートである。
実施の形態1の力率自動調整装置は、電気回路100と、力率調整ユニット1と、力率調整用コンデンサの投入遮断装置50を含んでいる。電気回路100は交流回路である。この電気回路100の交流電圧は、例えば6600[V]クラス、その交流電流は、例えば200[A]クラスである。電気回路100には、計測用変圧器101と計測用変流器102が設けられている。計測用変圧器101は、電気回路100の交流電圧を、例えば110[V]クラスに降圧して計測し、交流電圧Vを出力する。計測用変流器102は、電気回路100の交流電流Iを、例えば5[A]クラスに減流して計測し、交流電流Iを出力する。交流電圧Vと交流電流Iは、力率調整ユニット1に供給される。
力率調整用コンデンサの投入遮断装置50は、電気回路100に設置され、電気回路100の力率を調整する。力率調整用コンデンサの投入遮断装置50は、複数の力率調整用コンデンサ52a、52b、52c、・・・と、複数の直列リアクトル51a、51b、51c、・・・と、複数の電磁接触器50a、50b、50c、・・・を有する。力率調整用コンデンサ52a、52b、52c、・・・は、それぞれ直列リアクトル51a、51b、51c、・・・と、電磁接触器50a、50b、50c、・・・を介して電気回路100に接続される。電磁接触器50a、50b、50c、・・・は、力率調整ユニット1により投入され、また遮断される。
力率調整用コンデンサ52a、52b、52c、・・・は、それらのすべてが同一のコンデンサ容量を有するように構成されるか、またはそれぞれのコンデンサ容量が相違するように構成される。力率調整用コンデンサ52a、52b、52c、・・・のコンデンサ容量がすべて同じにされる場合には、これらの力率調整用コンデンサ52a、52b、52c、・・・は、例えば配列された順番に、電磁接触器50a、50b、50c、・・・により遮断され、またこの遮断された順番に投入される。力率調整用コンデンサ52a、52b、52c、・・・のそれぞれのコンデンサ容量が相違する場合には、力率調整用コンデンサ52a、52b、52c、・・・は、コンデンサ容量の小さいコンデンサから順番に制御される。
力率調整制御ユニット1は、設定手段2と、有効電力演算手段3と、無効電力演算手段4と、現在力率演算手段5と、次制御コンデンサ選択手段6と、投入遮断レベル演算手段7と、投入遮断判別手段8と、制御状態記憶手段9と、コンデンサ投入遮断手段10と、予測力率演算手段11と、現在値表示手段12と、予測値表示手段13を含んでいる。これらの各手段は、例えばコンピュータにより構成される。設定手段2は、コンピュータのレジスタまたはメモリを用いて構成され、制御状態記憶手段9は、コンピュータのメモリを用いて構成され、コンデンサ投入遮断手段10は、コンピュータの出力回路で構成される。有効電力演算手段3、無効電力演算手段4、現在力率演算手段5、次制御コンデンサ選択手段6、投入遮断レベル演算手段7、投入遮断判別手段8、予測力率演算手段11は、コンピュータのCPUを用いて実行される手段である。現在値表示手段12、予測値表示手段13は、コンピュータの表示器を用いて構成される。
設定手段2には、計測用変圧器101の変圧比VTr、変流器102の変流比CTr、力率調整用コンデンサ52a、52b、52c、・・・のコンデンサ番号と、このコンデンサ番号のそれぞれに対応する力率調整用コンデンサ51a、52b、52c、・・・のそれぞれのコンデンサ容量と、目標力率cosΦTと、力率調整用コンデンサ52a、52b、52c、・・・の投入順序および遮断順序を含む制御モードが設定される。それらの設定値に変更があった場合は、随時、設定値を更新する。
有効電力演算手段3は、計測用変圧器101から出力される交流電圧V、計測用変流器102から出力される交流電流Iと、設定手段2で設定された変圧比VTr、変流比CTrに基づいて、次の(式1)により有効電力Wを演算する。
W=V×VTr×I×CTr×cosθ・・・(式1)
なお、θは交流電圧Vと交流電流Iとの間の位相角である。
無効電力演算手段4は、次の(式2)により無効電力VARを演算する。
VAR=V×VTr×I×CTr×sinθ・・・(式2)
現在力率演算手段5は、有効電力演算手段3により演算された有効電力W、および無効電力演算手段4により演算された無効電力VARに基づいて、次の(式3)により、現在の力率である現在力率cosΦを演算する。この現在力率cosΦは、現在値表示手段12に供給され、表示される。
cosΦ=cos{tan-1(VAR/W)}・・・(式3)
次制御コンデンサ選択手段6は、実施の形態1の力率自動調整装置の起動開始時には、設定手段2で設定された力率調整用コンデンサ52a、52b、52c、・・・のそれぞれのコンデンサ容量、およびこれらの力率調整用コンデンサの投入順序と遮断順序を含む制御モードに基づき、力率調整用コンデンサ52a、52b、52c、・・・の中から、次に投入される投入対象コンデンサ52n1、および次に遮断される遮断対象コンデンサ52n2を選択し、また、投入対象コンデンサ52n1のコンデンサ容量Cn1、および遮断対象コンデンサ52n2のコンデンサ容量Cn2を選択する。
次制御コンデンサ選択手段6は、実施の形態1の力率自動調整装置の起動完了後には、設定手段2で設定された力率調整用コンデンサ52a、52b、52c、・・・のそれぞれのコンデンサ容量と、前記制御モードと、制御状態記憶手段9に記憶される現在の力率調整用コンデンサ52a、52b、52c、・・・の投入遮断状態に基づき、次に投入される投入対象コンデンサ52n1、および遮断対象コンデンサ52n2を選択し、また投入対象コンデンサ52n1のコンデンサ容量Cn1、および遮断対象コンデンサ52n2のコンデンサ容量Cn2を選択する。
投入遮断レベル演算手段7は、設定手段2で設定された目標力率cosΦTと、有効電力演算手段3で演算された有効電力Wに基づいて、投入対象コンデンサ52n1に対する投入レベルLjを、次の(式4)により演算する。
Lj=−[tan{cos−1(cosΦT)}×W]・・・(式4)
なお、この投入レベルLjの単位は、無効電力VARの単位と同じ[var]である。
また、投入遮断レベル演算手段7は、目標力率cosΦTと、有効電力Wと、次制御コンデンサ選択手段6で選択された遮断対象コンデンサ52n2のコンデンサ容量Cn2に基づいて、遮断対象コンデンサ52n2に対する遮断レベルLcを、次の(式5)により演算する。
Lc=−[tan{cos−1(cosΦT)}×W]+(Cn2×a)・・・(式5)
ただし、Lcの計算結果が0もしくは0より小さいときには、Lc=0とする。
なお、(式5)において、aは定数である。遮断レベルLcの単位も、無効電力VARの単位と同じ[var]である。
投入遮断判別手段8は、投入遮断レベル演算手段7からの投入レベルLjと遮断レベルLcを受け、両端がこれらの投入レベルLjと遮断レベルLcとで区分された中間ゾーンMDZと、この中間ゾーンMDZよりも小さい投入ゾーンONZ、および中間ゾーンMDZよりも大きい遮断ゾーンOFZの3つのゾーンを設定し、無効電力演算手段4で演算された無効電力VARが、これらの各ゾーンMDZ、ONZ、OFZのいずれに存在するかを判別し、その判別結果に基づいて、投入信号Son、遮断信号Sofを発生する。具体的には、中間ゾーンMDZは、投入レベルLjと遮断レベルLcの間のゾーンに設定され、例えばLj<VAR<Lcを満足するゾーンである。投入ゾーンは、無効電力VARが、この中間ゾーンMDZよりも小さいゾーンであり、例えばVAR≦Ljを満足するゾーンである。遮断ゾーンOFZは、無効電力VARが、中間ゾーンMDZよりも大きいゾーンであり、例えばLc≦VARを満足するゾーンである。
投入遮断判別手段8は、無効電力VARが投入ゾーンONZにあれば、投入対象コンデンサ52n1に対する投入信号Sonを発生し、無効電力VARが遮断ゾーンOFZにあれば、遮断対象コンデンサ52n2に対する遮断信号Sofを発生する。しかし、無効電力VARが中間ゾーンMDZにあれば、投入信号Sonも遮断信号Sofも発生しない。
投入遮断判別手段8は、具体的には、まず無効電力演算手段4からの無効電力VARと、投入遮断レベル演算手段7で演算された投入レベルLjとを比較し、その比較結果が、VAR≦Ljの場合、すなわち無効電力VARが投入ONZに存在するとの比較結果であれば、その比較結果を予測力率演算手段11に出力し、また投入対象コンデンサ52n1に対する投入信号Sonを出力する。一方、無効電力VARと投入レベルLjとの比較結果が、VAR>Ljの場合、その比較結果を予測力率演算手段11に出力し、続いて無効電力VARと、投入遮断レベル演算手段7で演算された遮断レベルLcとを比較し、その比較結果が、VAR≧Lcならば、すなわち無効電力VARが遮断ゾーンOFZに存在するとの比較結果であれば、遮断対象コンデンサ52n2に対する遮断信号Sofを出力する。しかし、VAR<Lcならば、無効電力VARが中間ゾーンMDZに存在するので、投入信号Sonも、また、遮断信号Sofも出力しない。
制御状態記憶手段9は、投入遮断判別手段8から出力される投入対象コンデンサ52n1に対する投入信号Son、および遮断対象コンデンサ52n2に対する遮断信号Sofに基づき、投入対象コンデンサ52n1と遮断対象コンデンサ52n2の投入遮断状態を更新し、記憶することで、すべての力率調整用コンデンサ52a、52b、52c、・・・の現在の投入遮断状態を記憶する。制御状態記憶手段9は、このすべての力率調整用コンデンサ52a、52b、52c、・・・の現在の投入遮断状態を、さらに、次制御コンデンサ選択手段6へ出力する。例えば、投入対象コンデンサ52n1が力率調整用コンデンサ52aである場合に、投入遮断判別手段8より、力率調整用コンデンサ52aに対し、投入信号Sonが出力されたときには、制御状態記憶手段9は、記憶している力率調整用コンデンサ52a、52b、52c、・・・の投入遮断状態の中から、力率調整用コンデンサ52aのみの投入遮断状態を投入状態に更新して記憶し、それを次制御コンデンサ選択手段6に出力する。
コンデンサ投入遮断手段10は、投入遮断判別手段8から、投入対象コンデンサ52n1に対する投入信号Son、および遮断対象コンデンサ52nに対する遮断信号Sofを受けて、電磁接触器50a、50b、50c、・・・の中で、投入対象コンデンサ52n1に接続された電磁接触器を投入し、また遮断対象コンデンサ52n2に接続された電磁接触器を遮断する。
予測力率演算手段11は、投入遮断判別手段8の判別結果に基づき、無効電力VARが投入ゾーンにあり、VAR≦Ljを満足する場合には、有効電力演算手段3からの有効電力Wと、無効電力演算手段4からの無効電力VARと、次制御コンデンサ選択手段6で選択された投入対象コンデンサ52n1のコンデンサ容量Cn1に基づいて、仮にこの投入対象コンデンサ52n1が投入された場合における投入予測力率(cosΦf1)を、次の(式6)により演算する。
cosΦf1=cos{tan-1[VAR+Cn1]/W}}・・・(式6)
また予測力率演算手段11は、投入遮断判別手段8の判別結果に基づき、無効電力VARが遮断ゾーンOFZまたは中間ゾーンMDZにあり、VAR>Ljを満足する場合には、有効電力Wと、無効電力VARと、遮断対象コンデンサ52n2のコンデンサ容量Cn2に基づいて、遮断対象コンデンサ52n2が、仮に遮断された場合の遮断予測力率cosΦf2を、次の(式7)により演算する。
cosΦf2=cos{tan-1[(VAR−Cn2)/W]}・・・(式7)
予測力率演算手段11により、(式6)(式7)に基づいて演算された投入予測力率cosΦ1、および遮断予測力率cosΦ2は、予測値表示手段13に供給され、この予測値表示手段13により表示される。
実施の形態1の力率自動調整装置において、予測力率演算手段11が、遮断予測力率cosΦ2を演算し、予測値表示手段13がその遮断予測力率cosΦ2を表示することは重要である。実施の形態1の力率自動調整装置の操作者は、力率調整用コンデンサ52a、52b、52c、・・・の中で、次に遮断される遮断対象コンデンサ52n2を遮断した場合における遮断予測力率cosΦ2を、予測値表示手段13から認識することができる。特に、実施の形態1の力率自動調整装置は、投入対象コンデンサ52n1が投入されず、また遮断対象コンデンサ52n2が遮断されない中間ゾーンMDZを有しており、無効電力VARが遮断レベルLcを下回り、かつ進み力率側の中間ゾーンMDZにある場合には、力率自動調整装置は、遮断対象コンデンサ52n2の遮断を行なわない。この場合に、予測力率演算手段11が(式7)により、遮断対象コンデンサ52n2が遮断された場合における遮断予測力率coΦ2を演算し、この遮断予測力率cosΦ2が予測値表示手段13に表示されるので、操作者は、この遮断予測力率cosΦ2から、力率自動調整装置が遮断対象コンデンサ52n2の遮断を行なわないのは、それを行なえば、力率が目標力率(目標力率は、投入対象コンデンサ52n1に投入レベルLjに等しい)以下に低下するためであると認識し、力率自動調整装置の異常と誤って判断するのを防止することができる。
次に、以上のように構成された実施の形態1における力率自動調整装置の処理動作を図2A、図2Bに基づいて説明する。図2A、図2Bは実施の形態1の処理動作を示すフローチャートである。この図2A、図2Bのフローチャートは、スタートに続くステップST101〜ST128を含んでいる。図2A、図2BにおけるポイントP1、P2は、それぞれ同じポイントを示す。
まず図2Aにおいて、ステップST101は、ポイントP1を経てスタートに続いている。このステップST101では、設定手段2により設定された設定値に、変更があったかどうかを判定する。設定手段2の設定値に変更があり、ステップST101の判定結果がYESであれば、ステップST102に進み、設定手段2の設定値を更新し、ステップST104に進む。一方、設定手段2の設定値に変更がなく、ステップST101の判定結果がNOであれば、ステップST103に進み、設定手段2の現在の設定値を維持し、ステップST104に進む。
ステップST104では、有効電力演算手段3により、(式1)に基づき、有効電力Wを演算する。次のステップST105では、無効電力演算手段4により、(式2)に基づき、無効電力VARを演算する。
次のステップST106では、有効電力演算手段3により演算された有効電力Wと、無効電力演算手段4により演算された無効電力VARを用いて、現在力率演算手段5により、(式3)に基づいて現在力率cosΦを演算する。次のステップST107では、現在値表示手段12により、現在力率演算手段5により演算された現在力率cosΦを表示する。
次のステップST108では、力率自動調整装置の起動開始時には、次制御コンデンサ選択手段6により、設定手段2で設定された力率調整用コンデンサ52a、52b、52c、・・・のコンデンサ容量と、それらの力率調整用コンデンサ52a、52b、52c、・・・の投入順序と遮断順序を含む制御モードとに基づき、次に投入される投入対象コンデンサ52n1と、そのコンデンサ容量Cn1を選択し、また、次に遮断される遮断対象コンデンサ52n2と、そのコンデンサ容量Cn2を選択する。また、力率自動調整装置の起動後には、力率調整用コンデンサ52a、52b、52c、・・・のコンデンサ容量、前記制御モード、および制御状態記憶手段9で記憶されている現在の投入遮断状態に基づき、次に投入される投入対象コンデンサ52n1と、そのコンデンサ容量Cn1、および次に遮断される遮断対象コンデンサ52n2と、そのコンデンサ容量Cn2を選択する。
次のステップST109では、投入遮断レベル演算手段7により、設定手段2で設定された目標力率cosΦTと、有効電力演算手段3演算された有効電力Wに基づいて、(式5)により、投入レベルLjを演算し、投入レベルLj=投入レベル演算結果として、投入レベルLjを決定する。
次のステップST110では、投入遮断レベル演算手段7により、設定手段2で設定された目標力率cosΦTと、次制御コンデンサ選択手段6で選択された遮断対象コンデンサ52n2のコンデンサ容量Cn2に基づいて、次に遮断しようとする遮断対象コンデンサ52n2の遮断レベルLcを、(式5)で演算する。次のステップST111では、ステップST110で演算された遮断レベルLcの演算結果が、遮断レベルLcの演算結果>0であるかどうかを判定する。
遮断レベルLcの演算結果>0の場合には、ステップST111の判定結果がYESとなり、ステップST112に進み、このステップST112において、遮断レベルLc=遮断レベルLcの演算結果として、遮断レベルLcを決定し、ポイントP2に進む。一方、遮断レベルLcの演算結果≦0の場合には、ステップST111の判定結果がNOとなり、ステップST113に進み、このステップST113において、遮断レベルLc=0として、遮断レベルLcを決定し、ポイントP2に進む。
図2Bに移り、ポイントP2からステップST114に進む。ステップST114では、投入遮断判別手段8により、無効電力演算手段4で演算された無効電力VARと、投入遮断レベル演算手段7で演算された投入レベルLjとを比較し、無効電力VAR≦投入レベルLjであるかどうかを判定する。
無効電力VAR≦投入レベルLjの場合には、無効電力VARが投入ゾーンONZに存在し、ステップST114の判定結果がYESとなるので、ステップST115に進み、このステップST115において、ステップST114の判定結果を、投入遮断判別手段8から予測力率演算手段11へ出力し、次のステップST116に進む。ステップST116では、予測力率演算手段11により、投入遮断判別手段8の判別結果に応じて、有効電力演算手段3で演算された有効電力Wと、無効電力演算手段4で演算された無効電力VARと、次制御コンデンサ選択手段6で選択された投入対象コンデンサ52n1のコンデンサ容量Cn1に基づき、(式6)で投入予測力率cosΦf1を演算する。
次のステップST117では、予測値表示手段13により、ステップST116で、予測力率演算手段11により演算された投入予測力率cosΦf1を表示する。次のステップST118では、投入遮断判別手段8により、次に投入しようとする投入対象コンデンサ52n1に対する投入信号Sonを出力する。次のステップST119では、コンデンサ投入遮断手段10により、ステップST118で出力された投入信号Sonに基づき、投入対象コンデンサ52n1に接続されている電磁接触器を動作させ、投入対象コンデンサ52n1を電気回路100に投入する。
次のステップST120では、制御状態記憶手段9により、投入遮断判別手段8から出力された投入信号Sonに基づき、投入が行われた投入対象コンデンサ52n1のみの投入遮断状態を投入状態に更新し、記憶し、すべての力率調整用コンデンサ52a、52b、52c、・・・の投入遮断状態を更新する。併せて、制御状態記憶手段9で更新され、記憶された力率調整用コンデンサ52a、52b、52c、・・・の投入遮断状態を、次制御コンデンサ選択手段6へ出力する。ステップST120は、ポイントP1に続いており、ステップST120以降は、図2AのポイントP1を経て、ステップST101にリターンし、ステップST101以降の処理を繰り返す。
一方、ステップST114において、無効電力VAR>投入レベルLjである場合には、ステップST114の判定結果がNOとなるので、ステップST121に進み、このステップST121において、投入遮断判別手段8から予測力率演算手段11へ、ステップST114の判定結果を出力し、次のステップST122へ進む。ステップST122では、予測力率演算手段11により、投入遮断判別手段8の判別結果に応じて、有効電力演算手段3で演算された有効電力Wと、無効電力演算手段4で演算された無効電力VARと、次制御コンデンサ選択手段6で選択された遮断対象コンデンサ52n2のコンデンサ容量Cn2に基づき、(式7)で遮断予測力率cosΦf2を演算する。
次のステップST123では、予測値表示手段13により、ステップST122で演算された遮断予測力率cosΦf2を表示する。次のステップST124では、投入遮断判別手段8により、無効電力演算手段4で演算された無効電力VARと、ステップST112またはST113により決定された遮断レベルLcとを比較し、無効電力VAR<遮断レベルLcであるかどうかを判定する。
無効電力VAR<遮断レベルLcである場合には、無効電力VARが中間ゾーンMDZに存在し、ステップST124の判定結果がYESとなるので、ステップST125に進む。このステップST125では、現在の投入遮断状態を維持するため、投入遮断判別手段8は、投入信号Sonも、また、遮断信号Sofも出力しない。ステップST125は、ポイントP1に続いており、ステップST125以降は、図2AのポイントP1を経て、ステップST101へリターンし、ステップST101以降の処理を繰り返す。
一方、ステップST124において、無効電力VAR≧遮断レベルLcである場合には、無効電力VARが遮断ゾーンOFZに存在し、ステップST124の判定結果がNOとなるので、ステップST126に進む。このステップST126では、投入遮断判別手段8により、次に遮断しようとする遮断対象コンデンサ52n2に対する遮断信号Sofを出力する。次のステップST127では、コンデンサ投入遮断手段10により、ステップST126で出力された遮断信号Sofに基づき、遮断対象コンデンサ52n2に接続されている電磁接触器を遮断し、遮断対象コンデンサ52n2を電気回路100から遮断する。
次のステップST128では、制御状態記憶手段9により、投入遮断判別手段8から出力された遮断信号Sofに基づき、遮断が行なわれた遮断対象コンデンサ52n2のみの投入遮断状態を遮断状態に更新し、記憶し、すべての力率調整用コンデンサ52a、52b、52c、・・・の投入遮断状態を更新する。併せて、この制御状態記憶手段9で更新され、記憶された力率調整用コンデンサ52a、52b、52c、・・・の投入遮断状態を、次制御コンデンサ選択手段6へ出力する。ステップST128は、ポイントP1に続いており、ステップST128以降は、図2AのポイントP1を経て、ステップST101へリターンし、ステップST101以降の処理を繰り返す。
以上のように実施の形態1の力率自動調整装置では、次に遮断される遮断対象コンデンサ52n2を遮断した場合における遮断予測力率cosΦ2を演算し、この遮断予測力率cosΦ2を表示するので、現在力率が遮断対象コンデンサ52n2の遮断レベルLcを下回り、かつ進み力率側にある場合に、遮断対象コンデンサ52n2の遮断を行なわないのは、その遮断対象コンデンサ52n2を遮断した場合には、目標力率(目標力率=投入レベルLj)を下回るためであることが、遮断予測力率cosΦ2により確認でき、力率自動調整装置の異常と判断されない。また、手動操作によるコンデンサ遮断を行なうことなく、遮断対象コンデンサ52n2の遮断後の遮断予測力率cosΦ2を確かめることができるので、手動操作によるコンデンサ遮断で電気回路の力率が悪くなるような事態も回避することができる。
実施の形態2.
図3は、この発明による力率自動調整装置の実施の形態2を示すブロック回路図、図4A、図4Bは実施の形態2の力率自動調整装置の処理動作を示すフローチャートである。
この実施の形態2に力率自動調整装置は、実施の形態1の力率調整ユニット1に代わって、力率調整ユニット1Aを使用する。この力率調整ユニット1Aは、実施の形態1で使用した力率調整ユニット1に対して、仮想制御状態設定手段14と、予測無効電力演算手段15を追加し、また力率調整ユニット1の予測力率演算手段11と、予測値表示手段13を、それぞれ、予測力率演算手段11Aと、予測値表示手段13Aに代えたものである。予測無効電力演算手段15は、仮想制御無効電力VARfctLを演算し、この仮想制御無効電力VARfctLを予測力率演算手段11Aに供給する。仮想制御状態設定手段14は、コンピュータのレジスタまたはメモリを用いて構成され、予測力率演算手段11Aと予測無効電力演算手段15は、コンピュータのCPUにより実行される手段である。予測値表示手段13Aは、コンピュータの表示器により構成される。その他は、実施の形態1と同じに構成される。
実施の形態2の力率調整ユニット1Aにおける仮想制御状態設定手段14は、力率調整用コンデンサ52a、52b、52c、・・・に対し、現在の投入遮断状態とは異なる仮想の投入遮断状態を設定する。予測無効電力演算手段15は、設定手段2で設定された力率調整用コンデンサ52a、52b、52c、・・・のコンデンサ容量と、無効電力演算手段4で演算された無効電力VARと、制御状態記憶手段9で記憶されている力率調整用コンデンサ52a、52b、52c、・・・の現在の投入遮断状態と、仮想制御設定手段14で設定された力率調整用コンデンサ52a、52b、52c、・・・の仮想の投入遮断状態に基づき、力率調整用コンデンサ52a、52b、52c、・・・が、前記仮想の投入遮断状態になった場合における予測無効電力、すなわち仮想制御予測無効電力VARfctLを演算する。
実施の形態2の力率調整ユニット1Aにおける予測力率演算手段11Aは、有効電力演算手段3で演算された有効電力W、予測無効電力演算手段15で演算された仮想制御予測無効電力VARfctLに基づき、力率調整用コンデンサ52a、52b、52c、・・・が前記仮想の投入遮断状態になった場合の力率、すなわち仮想制御予測力率cosΦfctLを演算する。予測値表示手段13Aは、予測力率演算手段11Aで演算された仮想制御予測力率cosΦfctLを表示する。
具体的には、仮想制御状態設定手段14は、力率調整ユニット1Aにより実際に制御されている、力率調整用コンデンサ52a、52b、52c、・・・の現在の投入遮断状態とは無関係に、力率調整用コンデンサ52a、52b、52c、・・・に対し、仮想の投入遮断状態を設定する。例えば、3つの力率調整用コンデンサ52a、52b、52cが使用されているものにおいて、前記現在の投入遮断状態において、力率調整ユニット1Aにより、力率調整コンデンサ52a、52bが投入状態、力率調整用コンデンサ52cが遮断状態に制御されていたとすると、仮想制御状態設定手段14では、それとは無関係に、前記仮想の投入遮断状態、例えば力率調整用コンデンサ52a、52cは投入状態、力率調整用コンデンサ52bは遮断状態と設定することができる。
予測無効電力演算手段15は、設定手段2で設定された力率調整用コンデンサ52a、52b、52c、・・・のコンデンサ容量と、制御状態記憶手段9で記憶されている力率調整用コンデンサ52a、52b、52c、・・・の現在の投入遮断状態に基づき、現在、投入されているすべての力率調整用コンデンサのコンデンサ容量を総和した総和容量ΣCを求める。また、予測無効電力演算手段15は、設定手段2で設定された力率調整用コンデンサ52a、52b、52c、・・・のコンデンサ容量、および仮想制御設定手段14で設定された力率調整用コンデンサ52a、52b、52c、・・・の仮想の投入遮断状態に基づき、前記仮想の投入遮断状態で、投入されているすべての力率調整用コンデンサのコンデンサ容量を総和した仮想制御総和容量ΣCctLを求める。さらに、予測無効電力演算手段15は、総和容量ΣC、仮想制御総和容量ΣCctL、および無効電力演算手段4で演算された無効電力VARに基づき、力率調整用コンデンサ52a、52b、52c、・・・が仮想制御状態設定手段14により設定された、仮想の投入遮断状態になった場合における予測無効電力、すなわち仮想制御予測無効電力VARfctLを、次の(式8)により演算する。
VARfctL=VAR−ΣC+ΣCctL・・・(式8)
予測力率演算手段11Aは、有効電力演算手段3により演算された有効電力W、および予測無効電力演算手段15により演算された仮想制御予測無効電力VARfctLに基づき、力率調整用コンデンサ52a、52b、52c、・・・が、仮想制御状態設定手段14により設定された、仮想の投入遮断状態になった場合における予測力率、すなわち仮想制御予測力率cosΦfctLを、次の(式9)により演算する。
cosΦfctL=cos{tan-1[VARfctL/W]}・・・(式9)
予測値表示手段13Aは、予測力率演算手段11Aで演算された仮想制御予測力率cosΦfctLを表示する。
次に、以上のように構成された実施の形態2の力率自動調整装置の処理動作を図4A、図4Bに基づいて説明する。図4A、図4Bのフローチャートは、図4Aのスタートに続くステップST101〜ST114、ステップST118〜ST120、ステップST124〜ST128と、ステップST201〜ST206を含んでいる。図4A、図4BにおけるポイントP1、P3は、それぞれ同じポイントである。
図4Aにおいて、スタートからポイントP1を経て、ステップST101〜ステップST103が実行される。このステップST101〜ST103は、図2Aに示す実施の形態1のステップST101〜ST103と同じであり、ステップST102またはST103からステップST201に進む。ステップST201では、仮想制御状態設定手段14により設定された仮想制御状態設定値に、変更があったかどうかを判定する。仮想制御状態設定手段14で設定された仮想制御状態設定値に変更があれば、ステップST201の判定結果がYESとなり、次のステップS202に進み、このステップST202で仮想制御状態設定値を更新する。一方、前記仮想制御状態設定値に変更がなければ、ステップST201の判定結果がNOとなり、ステップST203に進み、このステップST203では、現在の仮想制御状態設定値をそのまま維持する。
ステップST202またはST203に続き、ステップST104〜ステップST107を実行する。これらのステップST104〜ST107は、図2Aに示す実施の形態1のステップS104〜ST107と同じである。ステップST107から、ステップST204に進む。
ステップST204では、予測無効電力演算手段15により、設定手段2で設定された力率調整用コンデンサ52a、52b、52c、・・・のコンデンサ容量と、制御状態記憶手段9で記憶されている力率調整用コンデンサ52a、52b、52c、・・・の現在の投入遮断状態とに基づき求められた総和容量ΣC、および設定手段2で設定された力率調整用コンデンサ52a、52b、52c、・・・のコンデンサ容量と、仮想制御設定手段14で設定された力率調整用コンデンサ52a、52b、52c、・・・の仮想の投入遮断状態とに基づき求められた仮想制御総和容量ΣCctL、並びに無効電力演算手段4で演算された無効電力VARに基づき、仮想制御予測無効電力VARfctLを、(式8)により演算する。
次のステップST205では、予測力率演算手段11Aにより、有効電力演算手段3により演算された有効電力W、および予測無効電力演算手段15により演算された仮想制御予測無効電力VARfctLに基づき、仮想制御予測力率cosΦfctLを、(式9)により演算する。次のステップST206では、予測値表示手段13Aにより、予測力率演算手段11Aで演算された仮想制御予測力率cosΦfctLを表示する。ステップST206からポイントP3に至る。
図4Bに移り、ポイントP3から、ステップST108〜ステップST114を実行する。これらのステップST108〜ST114は、図2Aの実施の形態1のステップST108〜ST114と同じである。
ステップST114の判定結果がYESであり、無効電力VAR≦投入レベルLjである場合には、無効電力VARが投入ゾーンONZに存在するので、ステップST118〜ST120までを実行する。これらのステップST118〜ST120は、図2Bに示す実施の形態1のステップST118〜ST120と同じである。ステップST119では、投入対象コンデンサ52n1の投入が行なわれる。
一方、ステップST114の判定結果がNOであり、無効電力VAR>投入レベルLjである場合には、ステップST124〜ST128までを実行する。ステップST124〜ST128は、図2Bに示す実施の形態1のステップST124〜ST128と同じである。ステップST125では、無効電力VARが中間ゾーンMDZに存在するので、投入対象コンデンサ52n1の投入も、また、遮断対象コンデンサ52n2の遮断も行なわれず、現在の力率調整用コンデンサ52a、52b、52c、・・・の状態が維持される。ステップST127では、無効電力VARが遮断ゾーンOFZに存在するので、遮断対象コンデンサ52n2の遮断が行なわれる。
以上のように実施の形態2の力率自動調整装置では、実際に投入対象コンデンサ52n1の投入、または遮断対象コンデンサ52n2の遮断を行なう前に、ステップST207において、前記仮想の投入遮断状態における仮想制御予測力率cosΦfctLを演算し、ステップST208でそれを表示する。仮想の投入遮断状態を、例えば遮断対象コンデンサ52n2を遮断した状態とすれば、遮断対象コンデンサ52n2を遮断する前に、それを遮断した場合における予測力率を、仮想制御予測力率cosΦfctLにより確認することができる。したがって、手動操作によるコンデンサの遮断を行なうことなく、仮想の投入手段状態における仮想制御予測力率cosΦfctLを確かめることができ、手動操作により電気回路の力率を悪くすることなく、力率自動調整装置が誤って異常と判断されるのを防止することができる。
実施の形態3.
図5は、この発明による力率自動調整装置の実施の形態3をを示すブロック回路図、図6A、図6B、図6Cは、実施の形態3の力率自動調整装置の処理動作を示すフローチャートである。
この図5の実施の形態3は、実施の形態1における力率制御調整ユニット1に代わって、力率制御調整ユニット1Bを使用する。この力率制御調整ユニット1Bは、図1に示す力率制御調整ユニット1に、手動操作手段16、手動操作コンデンサ容量選択手段17、手動操作判定手段18、および警報手段19を追加し、また力率調整ユニット1における次制御コンデンサ選択手段6、制御状態記憶手段9、コンデンサ投入遮断手段10、予測力率演算手段11、予測値表示手段13を、それぞれ、次制御コンデンサ選択手段6B、制御状態記憶手段9B、コンデンサ投入遮断手段10B、予測力率演算手段11B、予測値表示手段13Bに代えたものである。次制御コンデンサ選択手段6B、予測力率演算手段11B、手動操作コンデンサ選択手段17、および手動操作判定手段18は、コンピュータのCPUにより実行される手段である。コンデンサ投入遮断手段10Bは、コンピュータの出力回路で構成される。制御状態記憶手段9Bは、コンピュータのメモリを用いて構成され、予測値表示手段13Bは、コンピュータの表示器により構成される。手動操作手段16は、コンピュータの外部に設置され、コンピュータの入力回路に接続される。警報手段19は、コンピュータの外部に設置され、コンピュータの出力回路に接続される。これ以外は、実施の形態1と同じに構成される。
実施の形態3における力率制御調整ユニット1Bの手動操作手段16は、力率調整用コンデンサ52a、52b、52c、・・・の中で、投入状態にある任意の1つのコンデンサ52mを、手動により遮断することができる。また手動操作手段16により手動遮断対象コンデンサ52mに対する遮断操作が行なわれた場合には、手動操作手段16は、この手動遮断対象コンデンサ52mに対する手動操作信号を出力する。手動操作コンデンサ選択手段17は、手動操作手段16からの手動操作信号に基づき、設定手段2で設定された力率調整用コンデンサ52a、52b、52c、・・・の中から、手動遮断対象コンデンサ52mを選択し、そのコンデンサ容量Cmを選択する。
予測力率演算手段11Bは、有効電力演算手段3で演算された有効電力W、無効電力演算手段4で演算された無効電力VAR、および手動遮断対象コンデンサ52mのコンデンサ容量Cmに基づき、手動操作手段16により手動遮断対象コンデンサ52mが遮断された場合における予測力率、すなわち手動遮断予測力率cosΦfmを、次の(式10)により演算する。
cosΦfm=cos{tan-1[(VAR−Cm)/W]・・・(式10)
力率制御調整ユニット1Bにおける手動操作判定手段18は、現在力率演算手段5で演算された現在力率cosΦの絶対値と、予測力率演算手段11Bで演算された手動遮断予測力率cosΦfmの絶対値とを比較し、比較結果が|cosΦ|≦|cosΦfm|である場合には、手動遮断対象コンデンサ52mに対する遮断信号、すなわち手動遮断信号MSofを出力し、比較結果が|cosΦ|>|cosΦfm|である場合には、警報信号を出力し、さらに、ある一定時間T、例えば10秒以内に手動操作手段16により、再度遮断操作が行なわれたかどうかを判定する。一定時間T以内に手動操作手段16により、再度遮断操作が行なわれた場合には、手動遮断信号MSofを出力し、また、一定時間T以内に手動操作手段16により、遮断操作が行なわれなかった場合には、手動操作手段16による遮断操作をキャンセルする。
力率制御調整手段1Bにおける次制御コンデンサ選択手段6Bは、力率自動調整装置の起動開始時には、設定手段2で設定された力率調整用コンデンサ52a、52b、52c、・・・のコンデンサ容量と、これらのコンデンサの投入順序と遮断順序を含む制御モードに基づき、次に投入される投入対象コンデンサ52n1と、そのコンデンサ容量Cn1を選択し、また次に遮断される遮断対象コンデンサ52n2と、そのコンデンサ容量Cn2を選択する。また力率自動調整装置の起動完了後には、手動操作判定手段18より手動遮断信号MSofが出力されると、手動操作手段16で遮断操作される手動遮断対象コンデンサ52mを、力率自動調整により、次に投入される投入対象コンデンサ52n1、および次に遮断される遮断対象コンデンサ52n2の選択対象コンデンサから除き、設定手段2で設定された力率調整用コンデンサ52a、52b、52c、・・・のコンデンサ容量、それらのコンデンサの投入順序と遮断順序を含む制御モード、および制御状態記憶手段9Bで記憶されている現在の力率調整用コンデンサ52a、52b、52c、・・・の投入遮断状態に基づき、次に投入される投入対象コンデンサ52n1と、そのコンデンサ容量Cn1、および次に遮断される遮断対象コンデンサ52n2と、そのコンデンサ容量Cn2を選択する。
例えば、手動操作判定手段18より、力率調整用コンデンサ52aに対する手動遮断信号MSofが出力されたとすると、次制御コンデンサ選択手段6Bは、このコンデンサ52aを選択の対象外として、設定手段2で設定された力率調整用コンデンサ52a、52b、52c、・・・のコンデンサ容量、これらのコンデンサの投入順序と遮断順序を含む制御モード、および制御状態記憶手段9Bで記憶されている現在の力率調整用コンデンサ52a、52b、52c、・・・の投入遮断状態に基づき、コンデンサ52b、52c、・・・の中から、投入対象コンデンサ52n1と、そのコンデンサ容量Cn1、および遮断対象コンデンサ52n2と、そのコンデンサ容量Cn2を選択する。すなわち、この場合には、力率調整用コンデンサ52aは、力率制御調整ユニット1Bによる自動制御の対象外とされる。
制御状態記憶手段9Bは、投入遮断判別手段8から出力される投入対象コンデンサ52n1に対する投入信号Son、遮断対象コンデンサ52n2に対する遮断信号Sof、および手動操作判定手段18から出力される手動遮断対象コンデンサ52mに対する手動遮断信号MSofに基づき、力率調整用コンデンサ52a、52b、52c、・・・の投入遮断状態を更新し、記憶することで、力率調整用コンデンサ52a、52b、52c、・・・の現在の投入遮断状態を記憶する。さらに、この更新され、記憶された投入遮断状態を、次制御コンデンサ選択手段6Bへ出力する。
例えば、投入遮断判別手段8により、力率調整用コンデンサ52aに対し、投入信号Sonが出力された場合には、制御状態記憶手段9Bは、現在、記憶している力率調整用コンデンサ52a、52b、52c、・・・の投入遮断状態の中から、力率調整用コンデンサ52aのみの投入遮断状態を投入状態に更新し、記憶する。さらに、この更新され、記憶された投入遮断状態を、次制御コンデンサ選択手段6Bへ出力する。また手動操作手段16で、力率調整用コンデンサ52aの遮断操作が行なわれ、手動操作判定手段18から、この力率調整用コンデンサ52aに対し、手動遮断信号MSofが出力された場合、制御状態記憶手段9Bは、現在、記憶している力率調整用コンデンサ52a、52b、52c、・・・の投入遮断状態の中から、力率調整用コンデンサ52aのみの投入遮断状態を遮断状態に更新し、記憶する。さらに、この更新され、記憶された投入遮断状態を、次制御コンデンサ選択手段6Bへ出力する。
コンデンサ投入遮断手段10Bは、投入遮断判別手段8から出力される投入信号Sonと、遮断信号Sof、および手動操作判定手段18から出力される手動遮断信号MSofに基づき、力率調整用コンデンサ52a、52b、52c、・・・の投入または遮断を行なう。警報手段19は、手動操作判定手段18より出力される警報信号に基づき、警報出力を発生する。予測値表示手段13Bは、予測力率演算手段11Bにより演算された手動遮断予測力率cosΦfmを表示する。
次に、以上のように構成された実施の形態3の力率自動調整装置の処理動作を図6A、図6B、図6Cに基づき説明する。この図6A、図6B、図6Cのフローチャートは、図6Aのスタートに続くステップST101〜ST114、ステップST118〜ST120、ステップST124〜ST128と、ステップST301〜ST314を含んでいる。これらの図6A、図6B、図6Cのフローチャートにおいて、ポイントP1、P4、P5は、それぞれ同じポイントを示す。
最初に、図6Aにおいて、スタートからポイントP1を経て、ステップST101に至り、ステップST101〜ST107が実行される。これらのステップST101は、図1Aに示す実施の形態1のステップST101〜ST107と同じであり、それらと同じ処理が実行される。ステップST107では、現在力率cosΦが現在値表示手段12に表示される。
次のステップST301では、手動操作コンデンサ選択手段17により、手動操作手段16からの手動操作信号を検出し、手動による遮断操作があったかどうかを判定する。手動による遮断操作があった場合には、ステップST301の判定結果はYESとなり、ポイントP4に進む。このポイントP4以降の処理フローは、図6Bに示される。手動による遮断操作がない場合には、ステップST301の判定結果はNOとなり、ポイントP5に進む。このポイントP5以降の処理フローは、図6Cに示される。
図6Bの移り、ポイントP4からステップST302に進む。このステップST302では、手動操作コンデンサ選択手段17により、手動操作手段16で遮断対象とされた手動遮断対象コンデンサ52mと、そのコンデンサ容量Cmを選択する。次のステップST303では、予測力率演算手段11Bにより、有効電力演算手段3で演算された有効電力W、無効電力演算手段4で演算された無効電力VAR、およびコンデンサ容量Cmに基づき、(式10)により、手動遮断予測力率cosΦfmを演算する。
次のステップST304では、予測値表示手段13Bにより、ステップST303で演算された手動遮断予測力率cosΦfmを表示する。次のステップST305では、手動操作判定手段18により、ステップST106で演算された現在力率cosΦの絶対値と、ステップST303で演算された手動遮断予測力率cosΦfmの絶対値との比較を行ない、|cosΦ|≦|cosΦfm|であるかどうかを判定する。
ステップST305の判定結果がYESであれば、ステップST306に進み、このステップST306で、手動操作判定手段18により、手動操作手段16で遮断対象とされた手動遮断対象コンデンサ52mに対する手動遮断信号MSofを出力する。次のステップST307では、コンデンサ投入遮断手段10Bにより、ステップST306で出力された手動遮断信号MSofに基づき、手動遮断対象コンデンサ52mに接続されている電磁接触器を動作させ、手動遮断対象コンデンサ52mを遮断する。
次のステップST308では、制御状態記憶手段9Bにより、ステップST306で出力された手動遮断信号MSofに基づき、手動遮断対象コンデンサ52mのみの投入遮断状態を遮断状態に更新し、記憶する。さらに、この更新され、記憶された投入遮断状態を出力する。次のステップST309では、次制御コンデンサ選択手段6Bにより、手動遮断対象コンデンサ52mを、力率自動調整により、次に投入される投入対象コンデンサ52n1、および次に遮断される遮断対象コンデンサ52n2の対象コンデンサから除く。ステップST309以降は、ポイントP1に至り、図6AのポイントP1を経て、ステップST101へリターンし、ステップST101以降の処理を繰り返す。
一方、ステップST305の判定結果がNOである場合、すなわち|cosΦ|>|cosΦfm|である場合には、ステップST310に進み、このステップST310において、手動操作判定手段18により、警報信号を出力する。次のステップST311では、警報手段19により、警報出力を発生する。
次のステップST312では、手動操作判定手段18により、ある一定時間T以内に手動操作手段16により、再度遮断操作が行なわれたかどうかを判定する。ステップST312の判定結果がYESである場合、すなわち一定時間T以内に手動操作手段16により、再度遮断操作が行なわれた場合には、ステップST313に進む。このステップST313では、手動操作判定手段18により、手動遮断対象コンデンサ52mに対する手動遮断信号MSofを出力し、ステップST307〜ST309の処理を行なう。
一方、ステップST312の判定結果がNOである場合、すなわち一定時間T以内に、手動操作手段16により、再度遮断操作が行なわれなかった場合には、ステップST314に進み、このステップST314において、手動操作手段16による遮断操作をキャンセルする。ステップST314以降は、ポイントP1に至り、図6AのポイントP1を経てステップST101へリターンし、ステップST101以降の処理を繰り返す。
次に図6Cに移り、ポイントP5からステップST108に至り、ステップST108〜ST14の処理が実行される。このステップST108〜ST114は、図2Bに示す実施の形態1のステップST108〜114と同じであり、この実施の形態1のステップST108〜ST114の処理と同じ処理が実行される。ステップST114では、無効電力VAR≦投入レベルLjであるかどうかの判定が行なわれる。
ステップST114の判定結果がYESである場合、すなわち無効電力VAR≦投入レベルLjであり、無効電力VARが投入ゾーンONZに存在する場合には、ステップST118〜ST120の処理が実行される。このステップST118〜ST120は、図2Bに示す実施の形態1のステップST118〜120と同じであり、この実施の形態1のステップST118〜ST120の処理と同じ処理が実行される。ステップST120以降は、ポイントP1に至り、図6AのポイントP1を経てステップST101へリターンし、ステップST101以降の処理を繰り返す。
ステップST114の判定結果がNOである場合、すなわち無効電力VAR>投入レベルLjである場合には、ステップST124〜ST128の処理が実行される。このステップST124〜ST128は、図2Bに示す実施の形態1のステップST124〜128と同じであり、この実施の形態1のステップST124〜ST128の処理と同じ処理が実行される。ステップST125では、無効電力VARが中間ゾーンMDZに存在するので、投入対象コンデンサ52n1の投入も、また、遮断対象コンデンサ52n2の遮断も行なわれず、現在の力率調整用コンデンサ52a、52b、52c、・・・の状態が維持される。ステップST127では、無効電力VARが遮断ゾーンOFZに存在するので、遮断対象コンデンサ52n2の遮断が行なわれる。ステップST125、ST128以降は、ポイントP1に至り、図6AのポイントP1を経てステップST101へリターンし、ステップST101以降の処理を繰り返す。
以上のように実施の形態3の力率自動調整装置では、実際に手動操作による手動遮断対象コンデンサ52mの遮断を行なう前に、この手動遮断対象コンデンサ52mの遮断が行なわれた場合における手動遮断予測力率cosΦfmを演算し、表示する。この手動遮断対象コンデンサ52mは、力率自動調整装置の異常が想定された場合に、その力率調整動作を確認するために、選択されるコンデンサである。この実施の形態3では、力率自動調整装置の異常が想定されたときに、遮断操作される手動遮断対象コンデンサ52mを、実際に遮断する前に、それを遮断した場合における手動遮断予測力率cosΦfmを予め確認し、力率自動調整装置が、誤って異常と判断されるのを防止することができる。また、現在力率cosΦより、手動遮断予測力率cosΦfmが悪くなる場合には、警報出力を行ない、手動遮断対象コンデンサ52mの遮断を本当に行なうかどうか確認するため、誤操作による電気回路の力率への影響を防ぐことができ、また、手動操作手段16により、手動遮断対象コンデンサ52mに対する遮断操作をした場合には、その手動操作を行なってからある一定時間T内に、再度手動操作を行なった場合に限り、手動遮断対象コンデンサ52mを実際に遮断するので、誤った手動操作による手動遮断対象コンデンサ52mの遮断を防止することができる。
実施の形態4.
図7は、この発明による力率自動調整装置の実施の形態4を示すブロック回路図、図8A、図8Bは実施の形態4の力率自動制御装置の処理動作を示すフローチャートである。
この実施の形態4の力率自動調整装置では、実施の形態1の力率制御調整ユニット1に代わって、力率制御調整ユニット1Cが使用される。この力率制御調整ユニット1Cは、実施の形態1で使用した力率調整ユニット1に仮想コンデンサ容量設定手段20と、予測無効電力演算手段15Cを加え、また、力率調整ユニット1おける次制御コンデンサ選択手段6、投入遮断レベル演算手段7、投入遮断判別手段8、制御状態記憶手段9、コンデンサ投入遮断手段10、予測力率演算手段11、予測値表示手段13を、それぞれ、次制御コンデンサ選択手段6C、投入遮断レベル演算手段7C、投入遮断判別手段8C、制御状態記憶手段9C、コンデンサ投入遮断手段10C、予測力率演算手段11C、予測値表示手段13Cに代えたものである。次制御コンデンサ選択手段6C、投入遮断レベル演算手段7C、投入遮断判別手段8C、予測力率演算手段11C、および予測無効電力演算手段15Cは、コンピュータのCPUで実行される手段であり、制御状態記憶手段9Cは、コンピュータのメモリで構成され、仮想コンデンサ容量設定手段20は、コンピュータのレジスタまたはメモリで構成され、また予測値表示手段13Cは、コンピュータの表示器で構成される。その他は、実施の形態1と同じに構成される。
この実施の形態4の力率調整ユニット1Cにおける仮想コンデンサ容量設定手段20は、力率調整用コンデンサ52a、52b、52c、・・・のコンデンサ容量とは異なるコンデンサ容量Cva、Cvb、Cvc・・・を持った複数の仮想コンデンサVCa、VCb、VCc、・・・を、力率調整用コンデンサ52a、52b、52c、・・・の代わりに電気回路100に設置した状態を仮想し、それらの仮想コンデンサVCa、VCb、VCc、・・・のコンデンサ番号と、コンデンサ容量Cva、Cvb、Cvc、・・・を設定する。例えば、実際の力率調整用コンデンサ52a、52b、52cのコンデンサ容量が100[kvar]、150[kvar]、200[kvar]とすると、仮想コンデンサVCa、VCb、VCcの仮想コンデンサ容量Cva、Cvb、Cvcは、力率調整用コンデンサ52a、52b、52cのコンデンサ容量とは異なる、50[kvar]、75[kvar]、100[kvar]と設定される。
力率調整ユニット1Cの次制御コンデンサ選択手段6Cは、力率自動調整装置の起動時には、設定手段2に設定された実際の力率調整用コンデンサ52a、52b、52c、・・・のコンデンサ容量と、実際の力率調整用コンデンサ52a、52b、52c、・・・の投入順序と遮断順序を含む制御モードに基づいて、実際の力率調整用コンデンサ52a、52b、52c、・・・の中から、次に投入される投入対象コンデンサ52n1と、そのコンデンサ容量Cn1、および次に遮断される遮断対象コンデンサ52n2と、そのコンデンサ容量Cn2を選択する。また、次制御コンデンサ選択手段6Cは、力率自動調整装置に起動時には、併せて設定手段2に設定された前記制御モードと、仮想コンデンサ容量設定手段20に設定された設定値に基づいて、仮想の力率調整用コンデンサVCa、VCb、VCc、・・・の中で、次に投入される仮想投入対象コンデンサVCn1と、そのコンデンサ容量Cvn1、および次に遮断される仮想遮断対象コンデンサVCn2と、そのコンデンサ容量Cvn2を選択する。
また、次制御コンデンサ選択手段6Cは、力率自動調整装置の起動後には、設定手段2に設定された実際の力率調整用コンデンサ52a、52b、52c、・・・のコンデンサ容量、前記制御モード、および制御状態記憶手段9Cで記憶されている実際の力率調整用コンデンサ52a、52b、52c、・・・の現在の制御状態に基づき、実際の力率調整用コンデンサ52a、52b、52c、・・・の中から、次に投入される投入対象コンデンサ52n1と、そのコンデンサ容量Cn1を選択し、また、次に遮断される遮断対象コンデンサ52n2と、そのコンデンサ容量Cn2を選択する。また、次制御コンデンサ選択手段6Cは、力率自動調整装置の起動後には、設定手段2に設定された前記制御モード、仮想コンデンサ容量設定手段20に設定された仮想の力率調整用コンデンサVCa、VCb、VCc、・・・のコンデンサ容量Cva、Cvb、Cvc、・・・、および制御状態記憶手段9Cで記憶されている仮想の力率調整用コンデンサVCa、VCb、VCc、・・・の現在の制御状態に基づき、仮想の力率調整用コンデンサVCa、VCb、VCc、・・・の中から、次に投入される仮想投入対象コンデンサVCn1と、そのコンデンサ容量Cvn1を選択し、また、次に遮断される仮想遮断対象コンデンサVCn2と、そのコンデンサ容量Cvn2を選択する。
力率調整ユニット1Cの投入遮断レベル演算手段7Cは、設定手段2に設定された目標力率cosΦT、有効電力演算手段3で演算された有効電力Wに基づいて、実際の力率調整用コンデンサ52a、52b、52c、・・・の中から選択された投入対象コンデンサ52n1に対する投入レベルLiを(式4)により演算し、また、目標力率cosΦT、有効電力W、および次制御コンデンサ選択手段6Cにより選択された遮断対象コンデンサ52n2のコンデンサ容量Cn2に基づいて、遮断対象コンデンサ52n2に対する遮断レベルLcを(式5)により演算する。
投入遮断レベル演算手段7Cは、併せて、設定手段2に設定された目標力率cosΦT、有効電力演算手段3で演算された有効電力Wに基づいて、仮想の力率調整用コンデンサVCa、VCb、VCc、・・・の中から選択された仮想投入対象コンデンサVCn1に対する投入レベルLjvを、次の(式11)により演算する。
Ljv=−[tan{cos−1(cosΦT)}×W] (式11)
なお、仮想投入レベルLjvの単位は、無効電力VARの単位と同じ[var]である。
また、投入遮断レベル演算手段7Cは、目標力率cosΦT、有効電力W、および次制御コンデンサ選択手段6Cにより選択された仮想遮断対象コンデンサVCn2のコンデンサ容量Cvn2に基づいて、仮想遮断対象コンデンサVCn2に対する遮断レベルLcvを、次の(式12)により演算する。
Lcv=−[tan{cos−1(cosΦT)}×W]+(Cvn2×a)・・・(式12)
なお、(式12)において、仮想遮断レベルLcvの単位は、無効電力VARの単位と同じ[var]であり、aは定数である。
ただし、Lcvの計算結果が、0もしくは0より小さいときはLcv=0とする。
力率調整ユニット1Cの投入遮断判別手段8Cは、無効電力演算手段4で演算された無効電力VARと、投入レベルLjまたは遮断レベルLcとを比較し、実際の力率調整用コンデンサ52a、52b、52c、・・・の中から選択された投入対象コンデンサ52n1の投入、および遮断対象コンデンサ52n2の遮断を行なうかどうかの判別を行ない、その判別結果に基づき投入信号Son、および遮断信号Sofを出力する。投入遮断判別手段8Cは、併せて、予測無効電力演算手段15Cにより演算された仮想容量予測無効電力VARfcと、仮想投入レベルLjvまたは仮想遮断レベルLcvとを比較し、仮想コンデンサVCa、VCb、VCc、・・・の中から選択された仮想投入対象コンデンサVCn1の投入、および仮想遮断対象コンデンサVCn2の遮断を行なうかどうかの判別を行ない、その判別結果に基づき、仮想投入対象コンデンサVCn1に対する投入信号、すなわち仮想投入信号VSon、および仮想遮断対象コンデンサVCn2に対する遮断信号、すなわち仮想遮断信号VSofを出力する。
投入遮断判別手段8Cは、無効電力演算手段4で演算された無効電力VARと、投入遮断レベル演算手段7Cで演算された投入レベルLjとを比較し、比較結果が、無効電力VAR≦投入レベルLjである場合には、無効電力VARが投入ゾーンONZに存在するので、実際の力率調整用コンデンサ52a、52b、52c、・・・の中の投入対象コンデンサ52n1に対する投入信号Sonを出力する。一方、比較結果が、無効電力VAR>投入レベルLjである場合には、次に、無効電力VARと、投入遮断レベル演算手段7Cで演算された遮断レベルLcとを比較し、無効電力VAR≧遮断レベルLcならば、無効電力VARが遮断ゾーンOFZに存在するので、実際の力率調整用コンデンサ52a、52b、52c、・・・の中の遮断対象コンデンサ52n2に対する遮断信号Sofを出力する。無効電力VARと遮断レベルLcとの比較結果が、無効電力VAR<遮断レベルLcならば、無効電力VARが中間ゾーンMDZに存在するので、投入信号Sonも遮断信号Sofも出力しない。
さらに、投入遮断判別手段8Cは、予測無効電力演算手段15Cで演算される仮想容量予測無効電力VARfcと、投入遮断レベル演算手段7Cで演算された仮想投入レベルLjvとを比較し、その比較結果が、仮想容量予測無効電力VARfc≦仮想投入レベルLjvである場合には、仮想コンデンサVCa、VCb、VCc、・・・の中の仮想投入対象コンデンサVCn1に対する投入信号、すなわち仮想投入信号VSonを出力する。一方、仮想容量予測無効電力VARfcと仮想投入レベルLjvとの比較結果が、仮想容量予測無効電力VARfc>仮想投入レベルLjvである場合には、次に、仮想容量予測無効電力VARfcと、投入遮断レベル演算手段7Cで演算された仮想遮断レベルLcvとを比較し、その比較結果が、仮想容量予測無効電力VARfc≧仮遮断レベルLcvならば、仮想遮断対象コンデンサVCn2に対する遮断信号、すなわち仮遮断信号VSofを出力し、仮想容量予測無効電力VARfc<仮遮断レベルLcvならば、仮想投入信号VSonも仮想遮断信号VSofも出力しない。コンデンサ投入遮断手段10Cは、投入信号Son、遮断信号Sof、仮想投入信号VSon、および仮想遮断信号VSonを受け、投入信号Son、遮断信号Sofにより、コンデンサ投入遮断手段手段10と同様に、投入対象コンデンサ52n1を遮断し、また遮断対象コンデンサ52n2を遮断する。仮想投入信号VSonおよび仮想遮断信号VSofは、実際の力率調整用コンデンサ52あ、52b、・・・の制御は行なわない。
力率調整ユニット1Cの制御状態記憶手段9Cは、投入遮断判別手段8Cから出力される投入信号Son、および遮断信号Sofに基づき、実際の力率調整用コンデンサ52a、52b、52c、・・・の現在の投入遮断状態を更新して記憶し、併せて投入遮断判別手段8Cから出力される仮想投入信号VSon、および仮想遮断信号VSofに基づき、仮想コンデンサVCa、VCb、VCc、・・・の現在の仮想投入遮断状態を更新して記憶し、さらに、これらの更新した実際の力率調整用コンデンサ52a、52b、52c、・・・の現在の投入の投入遮断状態、および更新した仮想コンデンサVCa、VCb、VCc、・・・現在の投入遮断状態を、次制御コンデンサ選択手段6Cと、予測無効電力演算手段15Cへ出力する。
力率調整ユニット1Cの予測無効電力演算手段15Cは、設定手段2に設定した設定値、無効電力演算手段4で演算された無効電力VAR、および仮想コンデンサ容量設定手段20に設定した設定値に基づき、電気回路100に仮想コンデンサVCa、VCb、VCc、・・・を設置し、力率調整を行なった場合における現在の無効電力、すなわち仮想容量予測無効電力VARfcを演算する。
予測無効電力演算手段15Cは、具体的には、設定手段2に設定された実際の力率調整用コンデンサ52a、52b、52c、・・・のコンデンサ容量、および制御状態記憶手段9Cで記憶されている実際の力率調整用コンデンサ52a、52b、52c、・・・の現在の投入遮断状態に基づき、現在、投入されている実際の力率調整用コンデンサのコンデンサ容量を総和したコンデンサ総和容量ΣCを求める。併せて、仮想コンデンサ容量設定手段20に設定された複数の仮想コンデンサ容量Cva、Cvb、Cvc、・・・、および制御状態記憶手段9Cで記憶されている各仮想コンデンサVCa、VCb、VCc、・・・の現在の仮想投入遮断状態に基づき、現在、投入されている仮想コンデンサのコンデンサ容量を総和した仮想コンデンサ総和容量ΣCを求める。さらに、コンデンサ総和容量ΣCおよび仮想コンデンサ総和容量ΣC、および無効電力演算手段4で演算された無効電力VARに基づき、電気回路100に仮想コンデンサVCa、VCb、VCcを接続し、制御状態記憶手段9Cで記憶されている仮想制御状態になった場合における現在の無効電力、すなわち仮想容量予測無効電力VARfcを、次の(式13)により演算する。
VARfc=VAR−ΣC+ΣC・・・(式13)
予測力率演算手段11Cは、有効電力演算手段3で演算された有効電力W、および予測無効電力演算手段15Cにより演算された仮想容量予測無効電力VARfcに基づき、電気回路100に仮想コンデンサVCa、VCb、VCc、・・・を設置し、制御状態記憶手段9Cで記憶されている仮想制御状態になった場合における現在の力率、すなわち仮想容量予測力率cosΦfcを、次の(式14)によりを演算する。
cosΦfc=cos{tan-1[(VARfc)/W]}・・・(式14)
予測値表示手段13Cは、予測力率演算手段11Cで演算された仮想容量予測力率cosΦfcを表示する。
次に、以上のように構成された実施の形態4の力率自動調整装置の動作を図8A、図8Bに基づき説明する。図8A、図8Bは、実施の形態4の手動操作実行時の動作フローを説明するフローチャートである。図8A、図8Bのフローチャートは、図8Aのスタートに続くステップST101〜ST107、ST110〜ST114、ST118〜ST120、ST124〜ST128、およびステップST401〜419を含んでいる。図8A、図8BにおけるポイントP1、P6は、それぞれ同じポイントを示す。
まず、図8Aにおいて、スタートからポイントP1を経由してステップST101に到り、ステップST101〜ステップST103までの処理が実行される。このステップST101〜ST103は、図2Aに示す実施の形態1のステップST101〜ST103と同じであり、この実施の形態1のステップST101〜ST103と同じ処理が実行される。
ステップST102またはST103から、次のステップST401に進む。このステップST401では、仮想コンデンサ容量設定手段20により、設定された仮想コンデンサ容量Cva、Cvb、Cvc、・・・の設定値に変更があったかどうかを判定する。次のステップST402では、ステップST401で判定した結果、仮想コンデンサ容量に変更があった場合は、仮想コンデンサ容量を更新する。一方、ステップST401で判定した結果、仮想コンデンサ容量に変更がなかった場合は、現在の仮想コンデンサ設定値を維持する。
ステップST402またはST430から、ステップST104に到り、ステップST104〜ステップST107までの処理を実行する。このステップST104〜ST107は、図2Aに示す実施の形態1のステップST104〜ST107と同じであり、この実施の形態1のステップST104〜ST107と同じ処理が実行され、ステップST107では、現在力率(cosΦ)が表示され、ステップST404に進む。
ステップST404では、仮想容量予測無効電力演算手段15Cにより、無効電力演算手段4で演算された無効電力VARとコンデンサ総和容量ΣC、および仮想コンデンサ総和容量ΣCに基づき、(式13)で仮想容量予測無効電力VARfcを演算する。次のステップST405では、予測力率演算手段11Cにより、有効電力演算手段3で演算された有効電力W、および予測無効電力演算手段15Cにより演算された仮想容量予測無効電力VARfcに基づき、(式14)で仮想容量予測力率cosΦfcを演算する。
次のステップST406では、予測値表示手段13Cにより、予測力率演算手段11Cで演算された仮想容量予測力率cosΦfcを表示する。次のステップST407では、次制御コンデンサ選択手段6Cにより、実際の力率調整用コンデンサ52a、52b、52c、・・・の中から、次に投入される投入対象コンデンサ52n1と、そのコンデンサ容量Cn1、および次に遮断される遮断対象コンデンサ52n2とそのコンデンサ容量Cn2を選択する。また、ステップST406では、仮想コンデンサ容量設定手段20に設定された仮想コンデンサVCa、VCb、VCcのコンデンサ容量Cva、Cvb、Cvc、・・・の中から、次に投入される仮想投入対象コンデンサVCn1と、その仮想コンデンサ容量Cvn1、および次に遮断される仮想遮断対象コンデンサVCn2と、その仮想コンデンサ容量Cvn2を選択する。
次のステップST408では、投入遮断レベル演算手段7Cにより、実際の力率調整用コンデンサ52a、52b、52c、・・・から選択された投入対象コンデンサ52n1の投入レベルLjを(式5)により演算し、投入レベルLj=投入レベル演算結果として、投入レベルLjを決定する。またステップST408では、仮想コンデンサVCa、VCb、VCc、・・・から選択された仮想投入対象コンデンサVCn1の仮想投入レベルLjvを、(式11)により演算し、仮想投入レベルLjv=仮想投入レベル演算結果として、仮想投入レベルLjvを決定する。ステップST408からポイントP6に進む。
次に、図8Bに移り、ポイントP6からステップST110に到り、ステップST110〜ST113までの処理を実行する。このステップST110〜ST113は、図2Aに示す実施の形態1のステップST110〜ST113と同じであり、この実施の形態1のステップST110〜ST113と同じ処理が実行され、ステップST112では、遮断レベルLc=遮断レベル演算結果として、遮断レベルLcが決定され、ステップST113では、遮断レベルLc=0とされる。ステップST112またはステップST113から、次のステップST409に進む。
ステップST409では、投入遮断レベル演算手段7Cにより、仮想コンデンサVCa、VCb、VCc、・・・から選択された仮想投入対象コンデンサVCn1の仮想遮断レベルLcvを(式12)で演算する。次のステップST410では、ステップST409で演算された仮想遮断レベルLcvの演算結果が、仮想遮断レベルLcvの演算結果>0であるかどうかを判定する。仮想遮断レベルLcvの演算結果>0であり、ステップST410の判定結果がYESとなる場合には、ステップST411に進み、このステップST411で、仮想遮断レベルLcv=仮想遮断レベルLcvの演算結果として、仮想遮断レベルLcvを決定する。一方、仮想遮断レベルLcvの演算結果≦0であり、ステップST410の判定結果がNOとなる場合には、ステップST412に進み、このステップST412で、仮想遮断レベルLcv=0として、仮想遮断レベルLcvを決定する。
次に、ステップST114を実行する。ステップST114は、図2Aに示す実施の形態1のステップST114と同じであり、実施の形態1のステップST114と同じ処理を行ない、無効電力VARと投入レベルLjとを比較し、無効電力VAR≦投入レベルLjであるかどうかを判定する。
無効電力VAR≦投入レベルLjである場合には、ステップST114の判定結果がYESとなり、無効電力VARが投入ゾーンONZに存在するので、ステップST118〜ST120までの処理を実行する。ステップST118〜ST120は、図2Aに示す実施の形態1のステップST118〜ST120と同じであり、実施の形態1のステップST118〜ST120と同じ処理を行なう。ステップST119では、コンデンサ投入遮断手段10Cにより、投入対象コンデンサ52n1の投入を行ない、ステップST120では、制御状態記憶手段9Cの更新を行なう。
無効電力VAR>投入レベルLjである場合には、ステップST114の判定結果がNOとなり、ステップST124に進み、ステップST124〜ST128までの処理を実行する。ステップST124〜ST128は、図2Aに示す実施の形態1のステップST124〜ST128と同じであり、実施の形態1のステップST124〜ST128と同じ処理を行なう。ステップST125では、無効電力VARが、中間ゾーンMDZにあり、投入対象コンデンサ52n1に対する投入信号Sonも、また遮断対象コンデンサ52n2に対する遮断信号Sofも出力されない。ステップST127では、無効電力VARが遮断ゾーンOFZにあり、コンデンサ投入遮断手段10Cにより、遮断対象コンデンサ52n2に対する遮断信号Sofが出力され、ステップST128では、制御状態記憶手段9Cの更新を行なう。
ステップST120、ST125またはST128からステップST413に進み、このステップST413では、投入遮断判別手段8Cにより、予測無効電力演算手段15Cで演算された仮想容量予測無効電力VARfcと、投入遮断レベル演算手段7Cで演算された仮想投入レベルLjvとを比較し、仮想容量予測無効電力VARfc≦仮想投入レベルLjvであるかどうかを判定する。仮想容量予測無効電力VARfc≦仮想投入レベルLjvである場合には、ステップST413の判定結果がYESとなり、ステップST414に進み、このステップST414で、投入遮断判別手段8Cにより、仮想コンデンサVCa、VCb、VCc、・・・から選択された仮想投入対象コンデンサVCn1に対する仮想投入信号VSonを出力する。
次のステップST415では、制御状態記憶手段9Cにより、投入遮断判別手段8Cから出力された仮想投入信号VSonに基づき、仮想コンデンサの中で、仮想投入信号VSonが出力された仮想コンデンサVCn1のみの仮想投入遮断状態を仮想投入状態に更新し、記憶する。さらに、この制御状態記憶手段9Cにおいて、更新され、記憶された力率調整用コンデンサ52a、52b、52c、・・・の投入遮断状態、および仮想コンデンサVCa、VCb、VCc、・・・の投入遮断状態を、次制御コンデンサ選択手段6Cおよび予測無効電力演算手段15へ出力する。ステップST415以降は,ポイントP1に至り、図8AのポイントP1を経て、ステップST101へリターンし、ステップST101以降の処理を繰り返す。
一方、仮想容量予測無効電力VARfc>仮想投入レベルLjvである場合には、ステップST413の判定結果がNOとなり、ステップST416に進む。このステップST416では、投入遮断判別手段8Cにより、予測無効電力演算手段15Cで演算された仮想容量予測無効電力VARfcと、投入遮断レベル演算手段7Cで演算された仮想遮断レベルLcvとを比較し、仮想容量予測無効電力VARfc<仮想遮断レベルLcvであるかどうか判定する。
仮想容量予測無効電力VARfc<仮想遮断レベルLcvである場合には、ステップST416の判定結果がYESとなり、ステップST417に進む。このステップST417では、現在の仮想投入遮断状態を維持するため、投入遮断判別手段8Cは、仮想投入信号VSonも、仮想遮断信号VSofを出力しない。ステップST417以降は,ポイントP1に至り、図8AのポイントP1を経て、ステップST101へリターンし、ステップST101以降の処理を繰り返す。
一方、仮想容量予測無効電力VARfc≧仮想遮断レベルLcvである場合には、ステップST416の判定結果がNOとなり、ステップST418に進む。このステップST418では、投入遮断判別手段8Cにより、仮想コンデンサから選択された仮想遮断対象コンデンサVCn2に対する仮想遮断信号VSofを出力する。
次のステップST419では、制御状態記憶手段9Cにより、投入遮断判別手段8Cから出力された仮想遮断信号VSofに基づき、仮想コンデンサの中で、仮想遮断信号VSofが出力された仮想コンデンサVCn2のみの仮想投入遮断状態を仮想遮断状態に更新し、記憶する。さらに、この制御状態記憶手段9Cで、更新され、記憶された力率調整用コンデンサ52a、52b、52c、・・・の投入遮断状態、および仮想コンデンサVCa、VCb、VCc、・・・の投入遮断状態を、次制御コンデンサ選択手段6Cおよび予測無効電力演算手段15Cへ出力する。ステップST319以降は,ポイントP1に至り、図8AのポイントP1を経てステップST101へリターンし、ステップST101以降の処理を繰り返す。
以上のように実施の形態4の力率自動調整装置では、実際の力率調整用コンデンサ52a、52b、52c、・・・のコンデンサ容量とは異なるコンデンサ容量を持った複数の仮想コンデンサVCa、VCb、VCc、・・・の仮想コンデンサ容量Cva、Cvb、Cvc、・・・を仮想コンデンサ設定手段20に設定することで、電気回路100に実際に設置されている力率調整用コンデンサの代わりに、仮想コンデンサ容量の仮想コンデンサを設置し、力率改善を行なった場合における力率を、実際に設置されている力率調整用コンデンサ52a、52b、52c、・・・を変更することなく確認することができ、力率自動調整装置の異常が想定されたときに、手動操作によるコンデンサ遮断を行なうことなく、またそのために力率を悪くする事態を避けながら、力率自動調整装置が、誤って異常と判断されるのを防止することができる。
実施の形態5.
図9は、この発明による力率自動調整装置の実施の形態5を示すブロック回路図である。図10A、10Bは、実施の形態5の力率自動制御装置の処理動作を示すフローチャートである。
この実施の形態5は、実施の形態4で使用した力率調整ユニット1Cに代わり、力率調整ユニット1Dを使用する。この力率調整ユニット1Dは実施の形態4における力率調整ユニット1Cに、有効電力量演算手段21、無効電力量演算手段22、予測無効電力量演算手段23、平均力率演算手段24、および予測平均力率演算手段25を追加し、また実施の形態4で使用した力率調整ユニット1Cにおける現在値表示手段12と、予測値表示手段13Cとを、それぞれ、現在値表示手段12Dと、予測値表示手段13Dに代えたものである。有効電力量演算手段21、無効電力量演算手段22、予測無効電力量演算手段23、平均力率演算手段24、および予測平均力率演算手段25は、コンピュータのCPUによって実行される手段である。現在値表示手段12D、および予測値表示手段13Dは、コンピュータの表示器によって構成される。その他は、実施の形態4と同じに構成される。
実施の形態5の力率調整ユニット1Dにおける有効電力量演算手段21は、有効電力演算手段3で演算された有効電力Wに基づき、所定期間M、例えば1カ月間における有効電力Wの積算値である有効電力量Whを演算する。無効電力量演算手段22は、無効電力演算手段4で演算された無効電力VARに基づき、所定期間Mにおける無効電力VARの積算値である無効電力量VARhを演算する。予測無効電力量演算手段23は、予測無効電力演算手段15Cで演算された仮想容量予測無効電力VARfcに基づき、所定期間Mにおける仮想容量無効電力VARfcの積算値である仮想容量無効電力量VARhfcを演算する。平均力率演算手段24は、有効電力量演算手段21で演算された有効電力量Wh、および無効電力量演算手段22で演算された無効電力量VARhに基づき、現在力率cosΦの所定期間Mの平均値である平均力率cosΦavgを演算する。予測平均力率演算手段25は、有効電力量演算手段21で演算された有効電力量Wh、および予測無効電力量演算手段23で演算された仮想容量予測無効電力量VARhfcに基づき、電気回路100に実際の力率調整用コンデンサ52a、52b、52c、・・・の代わりに、仮想コンデンサ容量設定手段20に設定した仮想コンデンサ容量VCa、VCb、VCc、・・・のコンデンサ容量Cva、Cvb、Cvc、・・・を用いて、力率改善を行なった場合における仮想容量予測力率cosΦfcのある所定期間Mの平均値である仮想容量予測平均力率cosΦfcavgを演算する。現在値表示手段12Dは、現在力率演算手段5で演算された現在力率cosΦ、および平均力率演算手段24で演算された平均力率cosΦavgを表示する。予測値表示手段13Dは、予測力率演算手段11Cで演算された仮想容量予測力率cosΦfc、および予測平均力率演算手段25で演算された仮想容量予測平均力率cosΦfcavgを表示する。
平均力率演算手段24は、有効電力量演算手段21で演算された有効電力量Wh、および無効電力量演算手段22で演算された無効電力量VARhに基づき、現在力率cosΦの所定期間Mの平均値である平均力率cosΦavgを、次の(式15)により演算する。
cosΦavg=cos{tan-1(VARh/Wh)}・・・(式15)
予測平均力率演算手段25は、有効電力量演算手段21で演算された有効電力量Wh、および予測無効電力量演算手段22で演算された仮想容量予測無効電力量VARhrfcに基づき、仮想容量予測力率cosΦfcの所定期間Mの平均値である仮想容量予測平均力率(cosΦfcavg)を、次の(式16)により演算する。
cosΦfcavg=cos{tan-1(VARhfc/Wh)}・・・(式16)
現在値表示手段12Dは、現在力率演算手段5で演算された現在力率cosΦ、および平均力率演算手段24で演算された平均力率cosΦavgを表示する。予測値表示手段13Dは、予測力率演算手段11Cで演算された仮想容量予測力率cosΦfc、および予測平均力率演算手段25で演算された仮想容量予測平均力率cosΦfcavgを表示する。
次に、以上のように構成された実施の形態5の力率自動調整装置の処理動作を図10A、図10Bに基づき説明する。図10A、図10Bは、実施の形態5の力率自動調整装置における手動操作実行時の処理動作を示すフローチャートである。この図10A、図10Bのフローチャートは、図10Aのスタートに続くステップST101〜ST103、ST401〜ST403、ST104〜ST107、ST404〜ST406、ST501〜ST504、ST407〜ST408、ST110〜ST113、ST409〜ST412、ST114、ST118〜ST120、ST124〜ST128、およびST413〜ST419を含んでいる。図10A、図10BのポイントP1、P7は、それぞれ同じポイントを示す。
まず、図10Aにおいて、スタートからステップST101に到り、ステップST101〜ステップST103、次にステップST401〜ステップST403、次にステップST104〜ステップST107、次にステップST404〜ステップST406までの処理を実行する。これらのステップは、図8Aに示す実施の形態4のステップST101〜ステップST103、ステップST401〜ステップST403、ステップST104〜ステップST107、ステップST404〜ステップST406と同じであり、それらと同じ処理を実行する。ステップST406では、仮想容量予測力率cosΦfcを表示する。
次のステップST501では、平均力率演算手段24により、有効電力量演算手段21で演算された有効電力量Wh、および無効電力量演算手段22で演算された無効電力量VARhに基づき、現在力率cosΦの所定期間Mの平均値である平均力率cosΦavgを(式15)で演算する。次のステップST502では、現在値表示手段12Dにより、平均力率演算手段24で演算された平均力率cosΦavgを表示する。
次のステップST503では、予測平均力率演算手段25により、有効電力量演算手段21で演算された有効電力量Wh、および予測無効電力量演算手段23で演算された仮想容量予測無効電力量VARhfcに基づき、仮想容量予測力率cosΦfcの所定期間Mの平均値である仮想容量予測平均力率cosΦfcavgを(式16)で演算する。次のステップST504では、予測値表示手段13Dにより、予測平均力率演算手段25で演算された仮想容量予測平均力率cosΦfcavgを表示する。
ステップST504以降は、ステップST407〜ST408を実行し、ポイントP7に至る。ステップST407、408は、図8Aに示す実施の形態4のステップST407、408と同じであり、実施の形態4のステップST407、408と同じ処理を実行する。
ポイントP7以降は、図10Bに移り、ステップST110〜ST113を実行し、次にステップST409〜ST412を実行し、次にステップST114とステップST118〜ST120、ステップST124〜ST128を実行し、次にステップST413〜ST419を実行する。これらの各ステップは、図8Bの示す実施の形態4のステップと同じであり、実施の形態4と同じ処理を実行する。ステップST415、417、419以降は、ポイントP1を経て、図10AのステップST101にリターンし、このステップST101以降の処理を繰返す。
以上のように実施の形態5の力率自動調整装置では、実際の力率調整用コンデンサ52a、52b、52c、・・・のコンデンサ容量とは異なるコンデンサ容量を持った複数の仮想コンデンサVCa、VCb、VCc、・・・の仮想コンデンサ容量Cva、Cvb、Cvc、・・・を仮想コンデンサ設定手段20に設定することで、電気回路100に実際に設置されている力率調整用コンデンサの代わりに、仮想コンデンサ容量の仮想コンデンサを設置し、力率調整を行なった場合における力率を、実際に設置されている力率調整用コンデンサ52a、52b、52c、・・・を変更することなく確認することができ、力率自動調整装置の異常が想定されたときに、手動操作によるコンデンサ遮断を行なうことなく、またそのために力率を悪くする事態を避けながら、力率自動調整装置が、誤って異常と判断されるのを防止することができ、併せて所定期間Mの平均力率を確認することができる。
この発明による力率自動調整装置は、交流電気回路において、力率を改善する用途に応用することができる。
この発明による力率自動調整装置の実施の形態1を示すブロック回路図。 実施の形態1の力率自動調整装置の処理動作の一部を示すフローチャート。 実施の形態1の力率自動調整装置の処理動作の残りの部分を示すフローチャート。 この発明による力率自動調整装置の実施の形態2を示すブロック回路図。 実施の形態2の力率自動調整装置の処理動作の一部を示すフローチャート。 実施の形態2の力率自動調整装置の処理動作の残りの部分を示すフローチャート。 この発明による力率自動調整装置の実施の形態3を示すブロック回路図。 実施の形態3の力率自動調整装置の処理動作の一部を示すフローチャート。 実施の形態3の力率自動調整装置の処理動作の別の一部を示すフローチャート。 実施の形態3の力率自動調整装置の処理動作の残りの部分を示すフローチャート。 この発明による力率自動調整装置の実施の形態4を示すブロック回路図。 実施の形態4の力率自動調整装置の処理動作の一部を示すフローチャート。 実施の形態4の力率自動調整装置の処理動作の残りの部分を示すフローチャート。 この発明による力率自動調整装置の実施の形態5を示すブロック回路図。 実施の形態5の力率自動調整装置の処理動作の一部を示すフローチャート。 実施の形態5の力率自動調整装置の処理動作の残りの部分を示すフローチャート。
符号の説明
1、1A、1B、1C、1D:力率調整ユニット、2:設定手段、3:有効電力演算手段、
4:無効電力演算手段、5:現在力率演算手段、
6、6B、6C:次制御コンデンサ選択手段、7、7C:投入遮断レベル演算手段、
8、8C:投入遮断判別手段、9、9B、9C:制御状態記憶手段、
10、10B:コンデンサ投入遮断手段、
11、11A、11B、11C:予測力率演算手段、12、12D:現在値表示手段、
13、13A、13B、13C、13D:予測値表示手段、14:仮想制御状態設定手段、15、15C:予測無効電力演算手段、16:手動操作手段、
17:手動操作コンデンサ容量選択手段、18:手動操作判定手段、19:警報手段、
20:仮想コンデンサ容量設定手段、24:平均力率演算手段、
25:予測平均力率演算手段、101:計測用変圧器、102:計測用変流器。

Claims (6)

  1. 複数の力率調整用コンデンサを用いて、電気回路の力率を自動的に調整する力率自動調整装置であって、
    前記電気回路の有効電力を演算する有効電力演算手段、
    前記電気回路の無効電力を演算する無効電力演算手段、
    前記有効電力と前記無効電力に基づいて、現在力率を演算する現在力率演算手段、
    目標力率と、前記複数の力率調整用コンデンサのコンデンサ容量と、前記複数の力率調整用コンデンサの投入順序と遮断順序を含む制御モードを設定する設定手段、
    前記複数の力率調整用コンデンサのコンデンサ容量と、前記制御モードに基づき、前記複数の力率調整用コンデンサの中で、次に投入される投入対象コンデンサと、次に遮断される遮断対象コンデンサとを選択し、併せて前記遮断対象コンデンサのコンデンサ容量を選択する次制御コンデンサ選択手段、
    前記有効電力と、前記目標力率に基づいて、前記投入対象コンデンサに対する投入レベルを演算し、併せて、前記有効電力と、前記目標力率と、前記遮断対象コンデンサのコンデンサ容量に基づき、前記遮断対象コンデンサに対する遮断レベルを演算する投入遮断レベル演算手段、
    前記無効電力が、前記投入レベルと前記遮断レベルの間に区分された中間ゾーンと、この中間ゾーンよりも小さい投入ゾーンと、前記中間ゾーンよりも大きい遮断ゾーンのいずれにあるかを判別し、前記無効電力が前記投入ゾーンにある場合には、前記投入対象コンデンサに対する投入信号を、前記無効電力が前記遮断ゾーンにある場合には、前記遮断対象コンデンサに対する遮断信号をそれぞれ発生し、また前記無効電力が前記中間ゾーンにある場合には、前記投入信号も前記遮断信号も発生しない投入遮断判別手段、
    前記投入信号と遮断信号に基づき、前記複数の力率調整用コンデンサの現在の投入遮断状態を記憶し、前記次制御コンデンサ選択手段へ前記複数の力率調整用コンデンサの現在の投入遮断状態を出力する制御状態記憶手段、
    前記投入遮断判別手段の判別結果に応じて、前記有効電力と、前記無効電力と、前記遮断対象コンデンサのコンデンサ容量に基づき、前記遮断対象コンデンサが遮断された場合における遮断予測力率を演算する予測力率演算手段、および
    前記遮断予測力率を表示する予測値表示手段を備えたことを特徴とする力率自動調整装置。
  2. 請求項1記載の力率自動調整装置であって、前記次制御コンデンサ選択手段が、前記投入対象コンデンサのコンデンサ容量をも選択し、
    前記予測力率演算手段が、前記投入遮断判別手段の判別結果に応じて、前記有効電力と、前記無効電力と、前記投入対象コンデンサ容量に基づき、前記投入対象コンデンサが投入された場合における投入予測力率をも演算し、
    前記予測値表示手段が、前記投入予測力率をも表示することを特徴とする力率自動調整装置。
  3. 複数の力率調整用コンデンサを用いて、電気回路の力率を自動的に調整する力率自動調整装置であって、
    前記電気回路の有効電力を演算する有効電力演算手段、
    前記電気回路の無効電力を演算する無効電力演算手段、
    前記有効電力と前記無効電力に基づいて、現在力率を演算する現在力率演算手段、
    目標力率と、前記各力率調整用コンデンサのコンデンサ容量と、前記複数の力率調整用コンデンサの投入順序と遮断順序を含む制御モードを設定する設定手段、
    前記複数の力率調整用コンデンサのコンデンサ容量と、前記制御モードに基づき、前記複数の力率調整用コンデンサの中で、次に投入される投入対象コンデンサと、次に遮断される遮断対象コンデンサとを選択し、併せて前記遮断対象コンデンサのコンデンサ容量を選択する次制御コンデンサ選択手段、
    前記有効電力と、前記目標力率に基づいて、前記投入コンデンサに対する投入レベルを演算し、併せて、前記有効電力と、前記目標力率と、前記遮断対象コンデンサのコンデンサ容量に基づき、前記遮断対象コンデンサに対する遮断レベルを演算する投入遮断レベル演算手段、
    前記無効電力が、前記投入レベルと前記遮断レベルの間に区分された中間ゾーンと、この中間ゾーンよりも小さい投入ゾーンと、前記中間ゾーンよりも大きい遮断ゾーンのいずれにあるかを判別し、前記無効電力が前記投入ゾーンにある場合には、前記投入対象コンデンサに対する投入信号を、前記無効電力が前記遮断ゾーンにある場合には、前記遮断対象コンデンサに対する遮断信号をそれぞれ発生し、また前記無効電力が前記中間ゾーンにある場合には、前記投入信号も前記遮断信号も発生しない投入遮断判別手段、
    前記投入信号と遮断信号に基づき、前記複数の力率調整用コンデンサの現在の投入遮断状態を記憶し、前記次制御コンデンサ選択手段へ前記複数の力率調整用コンデンサの現在の投入遮断状態を出力する制御状態記憶手段、
    前記複数の力率調整用コンデンサに対して現在の投入遮断状態と異なる仮想投入遮断状態を設定する仮想制御状態設定手段、
    前記無効電力と、前記制御状態記憶手段に記憶された前記複数の力率調整用コンデンサの現在の投入遮断状態と、前記仮想制御設定手段で設定された仮想投入遮断状態に基づき、前記複数の力率調整用コンデンサが、前記仮想投入遮断状態になった場合における仮想制御予測無効電力を演算する予測無効電力演算手段、
    前記有効電力と、前記仮想制御予測無効電力に基づき、前記複数の力率調整用コンデンサが、前記仮想投入遮断状態になった場合における仮想制御予測力率を演算する予測力率演算手段、および
    前記予測力率演算手段で演算された仮想制御予測力率を表示する予測値表示手段を備えたことを特徴とする力率自動制御装置。
  4. 複数の力率調整用コンデンサを用いて、電気回路の力率を自動的に調整する力率自動調整装置であって、
    前記電気回路の有効電力を演算する有効電力演算手段、
    前記電気回路の無効電力を演算する無効電力演算手段、
    前記有効電力と前記無効電力に基づいて現在力率を演算する現在力率演算手段、
    目標力率と、前記複数の力率調整用コンデンサのコンデンサ容量と、前記複数の力率調整用コンデンサの投入順序と遮断順序を含む制御モードを設定する設定手段、
    前記複数の力率調整用コンデンサのコンデンサ容量と、前記制御モードに基づき、前記複数の力率調整用コンデンサの中で、次に投入される投入対象コンデンサと、次に遮断される制御コンデンサを選択し、併せて前記遮断対象コンデンサのコンデンサ容量を選択する次制御コンデンサ選択手段、
    前記有効電力と、前記目標力率に基づいて、前記投入対象コンデンサに対する投入レベルを演算し、併せて、前記有効電力と、前記目標力率と、前記遮断対象コンデンサのコンデンサ容量に基づき、前記遮断対象コンデンサに対する遮断レベルを演算する投入遮断レベル演算手段、
    前記無効電力が、前記投入レベルと前記遮断レベルの間に区分された中間ゾーンと、この中間ゾーンよりも小さい投入ゾーンと、前記中間ゾーンよりも大きい遮断ゾーンのいずれにあるかを判別し、前記無効電力が前記投入ゾーンにある場合には、前記投入対象コンデンサに対する投入信号を、前記無効電力が前記遮断ゾーンにある場合には、前記遮断対象コンデンサに対する遮断信号をそれぞれ発生し、また前記無効電力が前記中間ゾーンにある場合には、前記投入信号も前記遮断信号も発生しない投入遮断判別手段、
    前記複数の力率調整用コンデンサの中で、投入状態にある力率調整用コンデンサの1つの手動遮断対象コンデンサに対する遮断操作を行なう手動操作手段、
    前記手動操作手段による遮断操作に基づき、前記手動遮断対象コンデンサのコンデンサ容量を選択する手動操作コンデンサ容量選択手段、
    前記有効電力と、前記無効電力と、前記手動遮断対象コンデンサのコンデンサ容量に基づき、前記手動遮断対象コンデンサが遮断された場合における手動遮断予測力率を演算する予測力率演算手段、
    前記現在力率演算手段により演算された現在力率の絶対値と、前記予測力率演算手段で演算された手動遮断予測力率の絶対値とを比較し、さらに、ある一定時間内に前記手動操作手段により再度遮断操作が行なわれたかどうかを判定して、その結果に基づき、前記手動遮断対象コンデンサに対する手動遮断信号を出力する手動操作判定手段、
    前記投入信号と遮断信号、および前記手動遮断信号に基づき、前記複数の力率調整用コンデンサの現在の投入遮断状態を記憶し、前記次制御コンデンサ選択手段へ前記複数の力率調整用コンデンサの現在の投入遮断状態を出力する制御状態記憶手段、
    前記手動操作判定手段より出力される警報信号に基づき警報出力を発生する警報手段、および
    前記予測力率演算手段により演算された手動遮断予測力率を表示する予測値表示手段を備えたことを特徴とする力率自動調整装置。
  5. 複数の力率調整用コンデンサを用いて、電気回路の力率を自動的に調整する力率自動調整装置であって、
    前記電気回路の有効電力を演算する有効電力演算手段、
    前記電気回路の無効電力を演算する無効電力演算手段、
    前記有効電力と前記無効電力に基づいて現在力率を演算する現在力率演算手段、
    目標力率と、前記複数の力率調整用コンデンサの力率コンデンサ容量と、前記複数の力率調整用コンデンサの投入順序と遮断順序を含む制御モードを設定する設定手段、
    前記複数の力率調整用コンデンサのコンデンサ容量とは異なるコンデンサ容量を持った複数の仮想コンデンサを前記複数の力率調整用コンデンサに代わって、前記電気回路に設置したと仮想して、前記複数の仮想コンデンサのコンデンサ容量を設定する仮想コンデンサ容量設定手段、
    前記複数の力率調整用コンデンサのコンデンサ容量と、前記制御モードに基づき、前記複数の力率調整用コンデンサの中で、次に投入される投入対象コンデンサと、次に遮断される遮断対象コンデンサを選択し、また、前記遮断対象コンデンサのコンデンサ容量を選択し、併せて、前記複数の仮想コンデンサのコンデンサ容量と、前記制御モードに基づき、前記複数の仮想コンデンサの中で、次に投入される仮想投入対象コンデンサと、次に遮断される仮想遮断対象コンデンサを選択し、また、前記仮想遮断対象コンデンサのコンデンサ容量を選択する次制御コンデンサ選択手段、
    前記有効電力と、前記目標力率に基づいて、前記投入対象コンデンサに対する投入レベルと、前記仮想投入対象コンデンサに対する仮想投入レベルを演算し、また、前記有効電力と、前記目標電力と、前記遮断対象コンデンサのコンデンサ容量に基づき、前記遮断対象コンデンサに対する遮断レベルを演算し、併せて、前記有効電力と、前記目標力率と、前記仮想遮断対象コンデンサのコンデンサ容量に基づき、前記仮想遮断対象コンデンサに対する仮想遮断レベルを演算する投入遮断レベル演算手段、
    前記無効電力と、前記複数の力率調整用コンデンサのコンデンサ容量と、前記複数の仮想コンデンサのコンデンサ容量に基づき、前記電気回路に前記仮想コンデンサを設置した場合における仮想容量予測無効電力を演算する予測無効電力演算手段、
    前記無効電力が、前記投入レベルと前記遮断レベルの間に区分された中間ゾーンと、この中間ゾーンよりも小さい投入ゾーンと、前記中間ゾーンよりも大きい遮断ゾーンのいずれにあるかを判別し、前記無効電力が前記投入ゾーンにある場合には、前記投入対象コンデンサに対する投入信号を、前記無効電力が前記遮断ゾーンにある場合には、前記遮断対象コンデンサに対する遮断信号をそれぞれ発生し、また前記無効電力が前記中間ゾーンにある場合には、前記投入信号も前記遮断信号も発生しない機能、および前記仮想容量無効電力が、前記仮想投入レベルと前記仮想遮断レベルの間に区分された仮想中間ゾーンと、この仮想中間ゾーンよりも小さい仮想投入ゾーンと、前記仮想中間ゾーンよりも大きい仮想遮断ゾーンのいずれにあるかを判別し、前記仮想容量無効電力が前記仮想投入ゾーンにある場合には、前記仮想投入対象コンデンサに対する仮想投入信号を、前記仮想容量無効電力が前記仮想遮断ゾーンにある場合には、前記仮想遮断対象コンデンサに対する仮想遮断信号をそれぞれ発生し、また前記仮想無効電力が前記仮想中間ゾーンにある場合には、前記仮想投入信号も前記仮想遮断信号も発生しない機能を有する投入遮断判別手段、
    前記投入信号と遮断信号に基づき、前記複数の力率調整用コンデンサの現在の投入遮断状態を記憶し、前記次制御コンデンサ選択手段へ前記複数の力率調整用コンデンサの現在の投入遮断状態を出力し、併せて、前記仮想投入信号と仮想遮断信号に基づき、前記複数の仮想コンデンサの現在の仮想投入遮断状態を記憶し、前記次制御コンデンサ選択手段へ前記複数の仮想コンデンサの現在の仮想投入遮断状態を出力する制御状態記憶手段、
    前記有効電力と、前記仮想容量予測無効電力に基づき、前記電気回路に前記複数の力率調整用コンデンサに代わって、前記複数の仮想コンデンサを設置した場合における仮想容量予測力率を演算する予測力率演算手段、および
    前記仮想容量予測力率を表示する予測値表示手段を備えたことを特徴とする力率自動調整装置。
  6. 請求項5記載の力率自動調整装置であって、さらに、
    前記有効電力および前記無効電力に基づき、前記現在力率の所定期間における平均力率を演算する平均力率演算手段、および
    前記有効電力および前記仮想容量無効電力に基づき、前記仮想容量予測力率の所定期間における仮想容量予測平均力率を演算する予測平均力率演算手段を備えたことを特徴とする力率自動調整装置。
JP2005371181A 2005-12-23 2005-12-23 力率自動調整装置 Active JP4476216B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005371181A JP4476216B2 (ja) 2005-12-23 2005-12-23 力率自動調整装置
CNB2006100765850A CN100507795C (zh) 2005-12-23 2006-05-08 功率因数自动调整装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005371181A JP4476216B2 (ja) 2005-12-23 2005-12-23 力率自動調整装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007172418A true JP2007172418A (ja) 2007-07-05
JP4476216B2 JP4476216B2 (ja) 2010-06-09

Family

ID=38184536

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005371181A Active JP4476216B2 (ja) 2005-12-23 2005-12-23 力率自動調整装置

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP4476216B2 (ja)
CN (1) CN100507795C (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013013217A (ja) * 2011-06-29 2013-01-17 Fuji Electric Co Ltd 無効電力補償装置の補償効果検証装置

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101611340B1 (ko) 2015-09-22 2016-04-12 윤홍섭 전력 효율 제어 및 절전장치
KR102480714B1 (ko) * 2020-05-28 2022-12-23 주식회사 필인 전력제어장치

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN1157841C (zh) * 2000-04-12 2004-07-14 蔡世水 功率因数改善装置
US6462519B1 (en) * 2001-06-05 2002-10-08 Mcdaniel William D. Automatic power factor correction system
CN2563809Y (zh) * 2002-06-21 2003-07-30 李瑞凯 智能无功补偿控制器

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013013217A (ja) * 2011-06-29 2013-01-17 Fuji Electric Co Ltd 無効電力補償装置の補償効果検証装置

Also Published As

Publication number Publication date
CN100507795C (zh) 2009-07-01
JP4476216B2 (ja) 2010-06-09
CN1987712A (zh) 2007-06-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4476216B2 (ja) 力率自動調整装置
CN107851383B (zh) 车辆用信息通信系统及车辆用信息通信方法
EP3481160A1 (en) High-frequency power supply device, and control method for high-frequency power supply device
KR101053759B1 (ko) 단상 유도전동기의 기동방법 및 이를 이용한 전자식 계전기
US7859217B2 (en) System and method for operating a soft starter in conjunction with a single to three phase static converter
EP1999835A1 (en) Battery charge temperature control
JP2010081543A (ja) 無線通信端末及び無線通信方法
US4631658A (en) Method of and apparatus for controlling a domestic appliance
CN111157892B (zh) 多相电机绕组基于马尔科夫模型的可靠性定量评估方法
CA2036699C (en) Multilevel phase unbalance compressor motor protection system
JP2021061643A (ja) 充電制御装置
US7613455B2 (en) Rescan method and apparatus of a mobile terminal
EP3503330B1 (en) Dynamic motor current phase unbalance protection
CN112130497B (zh) 半导体设备中的电源输出控制方法和系统、处理器
JP3545597B2 (ja) 二次電池充電装置
JP2009182607A (ja) 携帯電話機及びバッテリパック
CN113587373A (zh) 用于改善空调停机故障的方法、装置及空调
KR100631569B1 (ko) 용량 가변형 왕복동식 압축기의 운전제어장치 및 방법
JP7010052B2 (ja) 情報読取システム
JP2002247878A (ja) 電動機の制御方法
JPH04224795A (ja) 洗濯機
CN113959078B (zh) 用于压缩机的控制方法、装置、设备及存储介质
JP6843571B2 (ja) 運転制御装置および熱源システム
JP6394813B2 (ja) 冷凍サイクルシステム
JP2013093924A (ja) 直流電源装置、それを備えた電動機駆動装置、ならびにその電動機駆動装置を備えた空気調和機、洗濯機および洗濯乾燥機

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080402

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100112

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100203

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100302

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100309

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 4476216

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130319

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130319

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140319

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250