JP3545597B2 - 二次電池充電装置 - Google Patents

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  • Secondary Cells (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ニッケル水素電池などの二次電池を搭載した機器に用いられる二次電池充電装置及び二次電池充電方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
二次電池は、残量を使い切らない放電深度が浅い状態で充電を繰り返すと電池容量が減少してしまうメモリー効果を生ずる。この現象は一旦完全放電近くの深度まで放電させると回復するため、充電前に装置駆動とは別に強制的に放電させることで解決を図る場合が多く、この動作は「リフレッシュ」と呼ばれている。
【0003】
図3に従来のリフレッシュ部が搭載されている二次電池充電装置の構成概略図を示す。充電装置はリフレッシュ部301と充電装置電源部302と充電出力制御部303を有し、二次電池304を充電する。
【0004】
リフレッシュ部301は、リフレッシュSW305と放電出力部306と放電SW部307と放電負荷部308とを有し、利用者がリフレッシュSW305を押すと、放電出力部306は、放電SW部307をONに、放電を開始する。また放電出力部306は放電深度が規定値に達すると放電を中止するよう放電SW部307をOFFにする。
【0005】
利用者はメーカーから指示のあった頻度で、何充電か毎に一度、充電前にリフレッシュSW305を押す。すると放電出力部306により放電SW部307がONにされ、充電前に放電が行われ、メモリー効果が解消し、続けて行われる充電終了後には電池容量が回復している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来の方法では、リフレッシュを行う時期・頻度はあくまで利用者任せであり、必要以上に頻繁にリフレッシュが行われ、かえって電池寿命を縮めてしまう場合が生ずる。
【0007】
また、リフレッシュ開始時の電池電圧が満充電に近い状態でリフレッシュが行なれると、放電に時間が掛かり引いてはその後に行われる充電終了までの時間が長期化する。その時、充電装置の発熱も増加するため、その発熱に耐え得る回路・装置が必要となり、装置が大型化・煩雑化・高コスト化する問題があった。
【0008】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、二次電池寿命短縮を防ぎ、充電装置の小型化・簡素化・低コスト化を図る二次電池充電装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
以上の問題点を鑑み、本発明では、以下の対策を講じた。
【0010】
本発明の二次電池充電装置は、二次電池の充電毎に充電開始前の電池電圧を記憶し保持する電圧記憶手段と、充電実施回数を記憶し保持する充電回数記憶手段と、前記充電開始前の電池電圧が第1規定値より大きく、かつ、前記充電実施回数が所定回数以上になった場合には、充電開始前に前記二次電池を放電させ、前記二次電池の電池電圧が一定の電圧以下になったとき、前記充電回数記憶手段に保持された前記充電実施回数をリセットし、前記充電開始前の電池電圧が前記第1規定値以下の場合は、前記充電実施回数にかかわらず、前記二次電池の充電開始前の放電を行わずに、前記充電回数記憶手段に保持された前記充電実施回数をリセットする放電手段と、電池電圧の値によって前記放電手段による放電時の放電レートを変化させる放電出力手段と、を具備し、前記放電出力手段は、前記充電開始前の電池電圧が第2規定値より大きい場合、低い放電レートと高い放電レートのうち前記低い放電レートで前記放電手段に放電を実施させる構成を採る。
【0011】
この構成によれば、リフレッシュを最適な頻度で実施し、且つその回数を最小限に留めることができるため、メモリー効果抑制とリフレッシュの過少・過多実施による電池寿命低減防止とを図ることができる。また利用者の手間も解消される。また、充電開始前の電池電圧がメモリー効果が解消されると考えられるほど充分に低い場合には、リフレッシュ目的の充電前放電を行わないため、過放電の防止となる。さらに、放電中の発熱の抑制を図ることができる。
【0020】
本発明の電動自転車は、上記の二次電池充電装置を用いる構成を採る。
【0021】
この構成によれば、リフレッシュが不十分なことに起因して生じる電池容量の低下に伴い電動補助時間が短縮し、電池が単なる重量物となり利用者の負担が増すだけとなることを防止することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。
【0023】
図1は本発明の一実施の形態に係る二次電池充電装置のブロック図である。
【0024】
二次電池101は、本発明に係る充電装置で充電する対象である。
【0025】
放電手段102は、電池電圧判断部103と充電回数判断部104と放電出力部105とリセット部106と放電SW部107と放電負荷部108を有し、適切な時期・頻度で充電開始前の放電を行うようになっている。
【0026】
電池電圧判断部103は、後述する電圧記憶手段109によって測定された充電前電圧Vと後述する充電前放電を行うか否かの判断基準となる規定値Vを比較し、放電出力部105を介して放電SW部107を切り替える。又、放電開始後、電池電圧が後述する規定値以下になると放電出力部105を介して放電SW部107をOFFにする。更に、電池電圧判断部103は充電前電圧Vと後述する放電レートを変える判断基準となる規定値Vとを比較し、放電出力部105を介して放電レートを変えるため放電負荷部108の負荷値を可変させる。
【0027】
充電回数判断部104は、後述する充電回数記憶手段110によって測定された充電回数Nと、後述する充電前放電を実施するか否かの判断基準となる規定値Nとを比較し、放電出力部を介して放電SW部107を切り替える。
【0028】
リセット部106は、電池電圧判断部103が充電前電圧が後述する規定値V以下の状態から充電が行われたと判断した場合に、後述する充電回数記憶手段110の保持する累積加算された充電回数Nの計数値をクリアし、N=1をセットする。
【0029】
電圧記憶手段109は、充電開始前の二次電池電圧値を測定・記憶・保持し、放電深度が深い状態からの放電が行われないようにしている。
【0030】
充電回数記憶手段110は、充電装置電源部111からの充電開始の指令を受け充電出力を管理する充電出力制御部112の充電実施回数Nを読み取り、記憶・保持するようになっている。
【0031】
次に、図2に示すフロー図を用いて上記構成を有する二次電池充電装置の動作について説明する。
【0032】
ST201では、充電開始前に電池が接続されているかが確認される。
【0033】
ST202では、充電出力制御部112が充電装置電源部111から充電開始の指令を受け、充電回数記憶手段110が保持してある充電回数Nに1を加算する。
【0034】
ST203では、電池電圧判断部103が、電圧記憶手段109が測定した二次電池の電池電圧Vが放電深度が充分に深いとみなせる規定値V以下であるかどうかを判断する。V≦Vであれば、このまま充電を行えばメモリー効果が解消されるほど放電深度は深いと判断し、後述するST212へ進み、Nをリセットしてから、リフレッシュを行うことなく充電を開始する。一方、V≧Vであれば、ST204へ進む。
【0035】
ST204では、充電回数判断部104が、充電回記憶手段110が測定した充電回数Nがリフレッシュなしで行う充電の連続限界回数NA以上かどうかを判断する。N<NAであれば、ST213へ進み、放電を行わずに充電を行う。一方、N≧NAであれば、充電回数および充電前電圧共にリフレッシュに最適且つ必要な場合と判断し、充電前放電を行う。
【0036】
ST205では、電池電圧判断部103は、電池電圧値Vと放電レートを可変させる分岐点とする規定値Vと比較する。V≦VであればST209へ進み高い放電レートから実施し、V>VであればST206へ進み放電時の発熱軽減のため低い放電レートから実施する。
【0037】
ST206では、電池電圧判断部103からのV>Vの状態であり放電深度が浅いとの判断を受けた放電出力部105は、放電レートを低く設定する。
【0038】
ST207では、ST206で設定した低い放電レートで放電を実施する。この間も電圧記憶手段109により電池電圧は測定されている。
【0039】
ST208では、電池電圧判断部103が、電圧記憶手段109から放電中の電池電圧値を受け取り、V≦Vとなるまで放電が進んだかを判断する。まだV>Vであれば、ST206へ戻り引き続き低い放電レートで放電を実施する。V≦Vとなっていれば、ST209へ進み、放電レートを高める。
【0040】
ST209では、V≦Vの状態であり電池電圧が低いので、放電時間短縮のため、放電出力部105は放電レートを高く設定する。
【0041】
ST210では、ST209で設定した高い放電レートで放電を実施する。この間も電圧記憶手段109により電池電圧は測定されている。
【0042】
ST211では、電池電圧判断部103は、電圧記憶手段109によって測定されたVが二次電池1セル当たり1V以下になっているかを判断する。V≦1V/セルであれば、完全放電したとみなし放電を終了する。V≦1V/セルとなっていなければ、ST209へ戻り引き続き放電を実施する。
【0043】
ST212では、リフレッシュの実施、又はリフレッシュ実施と同等の効果を有する充電前の放電深度、により改めて充電回数を数え直すため、ST211での電池電圧判断部103の完全放電の判断を受けたリセット部106が、充電回数記憶手段110内に蓄積されているNの計数値をクリアし、代わりにN=1をセットする。そして充電回数記憶手段110は再び計数値1から記憶を開始する。
【0044】
ST213では、電池電圧判断部103が放電出力部105を介して放電SW部107をOFFとし、充電を開始する。
【0045】
ST214では、満充電につき充電終了となる。
【0046】
上記実施の形態では、二次電池が搭載されている機器に充電装置も搭載されている一体型を前提にしたが、本発明の効果はこれが機器とは分かれた充電装置単体の場合でも同様の効果を得られる。
【0047】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の二次電池充電装置及び二次電池充電方法は、リフレッシュの過少・過多実施を防止し、電池寿命短縮を軽減できる。
【0048】
また、本発明はリフレッシュが満充電に近い状態で開始されることを防止し、また放電開始前の電池電圧に応じて放電レートを変えることにより、放電時の発熱を軽減させた。これにより充電装置の発熱が軽減できるため、充電装置の小型化・簡素化・低コスト化を図ることができる。
【0049】
さらに、利用者任せであったリフレッシュを充電装置が行うことで、利用者の手間が解消される。
【0050】
また、電動自転車では確実にリフレッシュが行われることで、メモリー効果による電池容量の低下を軽減し、電動補助時間の短縮化を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る二次電池充電装置及び二次電池充電方法の構成を示すブロック図
【図2】上記実施の形態の二次電池充電装置の動作を示すフロー図
【図3】従来の二次電池充電装置の構成を示す構成概略図
【符号の説明】
101 二次電池
103 電池電圧判断部
104 充電回数判断部
109 電圧記憶手段
110 充電回数記憶手段

Claims (3)

  1. 二次電池の充電毎に充電開始前の電池電圧を記憶し保持する電圧記憶手段と、
    充電実施回数を記憶し保持する充電回数記憶手段と、
    前記充電開始前の電池電圧が第1規定値より大きく、かつ、前記充電実施回数が所定回数以上になった場合には、充電開始前に前記二次電池を放電させ、前記二次電池の電池電圧が一定の電圧以下になったとき、前記充電回数記憶手段に保持された前記充電実施回数をリセットし、
    前記充電開始前の電池電圧が前記第1規定値以下の場合は、前記充電実施回数にかかわらず、前記二次電池の充電開始前の放電を行わずに、前記充電回数記憶手段に保持された前記充電実施回数をリセットする放電手段と、
    電池電圧の値によって前記放電手段による放電時の放電レートを変化させる放電出力手段と、を具備し、
    前記放電出力手段は、前記充電開始前の電池電圧が第2規定値より大きい場合、低い放電レートと高い放電レートのうち前記低い放電レートで前記放電手段に放電を実施させる、
    ことを特徴とする二次電池充電装置。
  2. 前記放電手段による放電中に現在の電池電圧を測定する電圧測定手段、をさらに具備し、
    前記放電出力手段は、前記放電手段による放電中に現在の電池電圧が前記第2規定値以下になったときに前記低い放電レートから前記高い放電レートに放電レートを高める、
    ことを特徴とする請求項1記載の二次電池充電装置。
  3. 請求項1または請求項2記載の二次電池充電装置を用いることを特徴とする電動自転車。
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