JP2007171341A - グランドピアノのダンパー - Google Patents

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Abstract

【課題】ダンパーの組立時におけるダンパーワイヤの曲げ作業を省略でき、それにより、製造コストを削減することができるグランドピアノのダンパーを提供する。
【解決手段】左右方向に配置された複数の鍵5aの回動に連動して弦Sに離接することにより、弦Sの振動を許容または停止するグランドピアノ2のダンパー1であって、対応する鍵5aの押鍵に連動して上方に回動するダンパーレバー17と、ダンパーレバー17に、左右方向に延びる軸線を中心として回動自在に取り付けられ、左右方向に変位可能に構成されたダンパーワイヤフレンジ18と、ダンパーワイヤフレンジ18から上方に延びるダンパーワイヤ19と、ダンパーワイヤ19に取り付けられ、鍵5aの離鍵状態において、弦Sに上方から当接するダンパーヘッド20と、ダンパーワイヤ19が通された案内孔21cを有するダンパーホルダ21と、を備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、複数の鍵の回動などに連動して弦に離接することによって、弦の振動を許容または停止するグランドピアノのダンパーに関する。
従来のこの種のグランドピアノのダンパーとして、例えば特許文献1に開示されたものが知られている。このダンパーは、前後方向に延びる複数の回動自在のダンパーレバーと、上下方向に延び、下端部において各ダンパーレバーに取り付けられたダンパーワイヤフレンジと、鋼製などの金属で構成され、ダンパーワイヤフレンジから上方に延びるダンパーワイヤと、ダンパーワイヤが通された案内孔を有するダンパーホルダと、ダンパーワイヤの上端部に取り付けられ、水平な弦に上方から離接するダンパーヘッドなどで構成されている。ダンパーレバーは、その後端部において、左右方向に延びる水平な軸線を中心としてダンパーレールに回動自在に設けられており、その前端部が、対応する鍵の後端部に上方から対向している。また、ダンパーワイヤフレンジは一般に、木材や高い剛性の合成樹脂で構成されており、ダンパーレバーに、左右方向に延びる水平な軸線を中心として回動自在に取り付けられている。
この構成により、鍵が押鍵されると、その後端部でダンパーレバーが突き上げられるのに伴い、ダンパーワイヤフレンジを介してダンパーワイヤが上方に移動し、これと一体のダンパーヘッドも上方に移動することによって、ダンパーヘッドが弦から離れ、弦の振動を許容する。一方、鍵が離鍵されると、ダンパーレバーが下方に復帰回動するのに伴い、ダンパーヘッドなどが下方に移動し、ダンパーヘッドが弦に当接することによって、弦の振動を停止する。
以上のようなダンパーでは一般に、多くの鍵において、ダンパーワイヤフレンジとダンパーヘッドが左右方向に互いにずれた状態で配置されている。これは、鍵および弦の配置や延び方向の相違などから、弦が鍵に対して左右方向にずれた状態で配置されており、それに応じて、鍵で突き上げられるダンパーワイヤフレンジと、弦に離接するダンパーヘッドもまた、互いにずれた状態で配置されるためである。一方、前述したように、ダンパーワイヤフレンジは、木材や高い剛性の合成樹脂で構成されるとともに、左右方向に延びる軸線を中心としてダンパーレバーに回動自在に取り付けられているため、前後方向には移動できるものの、左右方向には移動できない。このため、ダンパーワイヤを案内孔で案内するとともに、ダンパーワイヤの鉛直性を保つために、従来においては一般に、ダンパーワイヤが曲げられるようになっている。
具体的には、この曲げ作業は、ダンパーの組立時に行われており、図5に示すように、ダンパーワイヤ51のダンパーホルダ53の案内孔53aを通る部分と、ダンパーワイヤフレンジ52から延びる部分がそれぞれ鉛直になるように行われている。しかし、このような曲げ作業は、鍵ごとの実際のずれの大きさに応じてきめ細かく行う必要があり、勘や感覚に頼らざるを得ず、熟練を要する。また、そのような曲げ作業を多数の鍵に対して行う必要があるため、それらの作業全体として、かなりの手間や時間を要するので、製造コストが上昇してしまう。
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、ダンパーの組立時におけるダンパーワイヤの曲げ作業を省略でき、それにより、製造コストを削減することができるグランドピアノのダンパーを提供することを目的とする。
特開2001−318666号公報
この目的を達成するために、請求項1に係る発明は、左右方向に配置された複数の鍵の回動に連動して弦に離接することによって、弦の振動を許容または停止するグランドピアノのダンパーであって、複数の鍵ごとに設けられ、対応する鍵の押鍵に連動して上方に回動するダンパーレバーと、ダンパーレバーに、左右方向に延びる水平な軸線を中心として回動自在に取り付けられ、左右方向に変位可能に構成されたダンパーワイヤフレンジと、ダンパーワイヤフレンジから上方に延びるダンパーワイヤと、ダンパーワイヤの上端部に取り付けられ、鍵の離鍵状態において、弦に上方から当接するダンパーヘッドと、ダンパーワイヤが通された案内孔を有するダンパーホルダと、を備えることを特徴とする。
このグランドピアノのダンパーによれば、ダンパーワイヤフレンジは、ダンパーレバーに、左右方向に延びる水平な軸線を中心として回動自在に取り付けられている。ダンパーワイヤは、ダンパーワイヤフレンジから上方に延びるとともに、ダンパーホルダの案内孔に通されており、その上端部に、ダンパーヘッドが取り付けられている。ダンパーヘッドは、離鍵状態において、弦に上方から当接している。このダンパーの基本的な動作は、前述した従来のダンパーの動作と同様であり、鍵の押鍵に連動して、ダンパーレバーが上方に回動し、ダンパーワイヤフレンジ、ダンパーワイヤおよびダンパーヘッドが、案内孔で案内されながら上方に移動し、ダンパーヘッドが弦から離れることによって、弦の振動が許容される。一方、鍵の離鍵時には、上記と上下逆の動作で、ダンパーヘッドが下方に移動し、弦に当接することによって、弦の振動が停止される。
この構成によれば、ダンパーワイヤフレンジが左右方向に変位可能に構成されている。このため、前述したように、ダンパーワイヤフレンジとダンパーヘッドが左右方向に互いにずれている場合、ダンパーワイヤフレンジをダンパーヘッド側に変位させることによって、両者の間のずれを修正でき、ダンパーワイヤフレンジに取り付けられたダンパーワイヤの下端部を、ダンパーヘッドと左右方向に一致させることができる。それにより、ダンパーワイヤを曲げることなく、ダンパーワイヤの鉛直性を保つことができ、ダンパーの動作時におけるダンパーワイヤの上下の移動を、案内孔で円滑に案内することによって、ダンパーの良好な動作を確保することができる。その結果、図5に示す従来のダンパーと異なり、ダンパーの組立時におけるダンパーワイヤの煩雑な曲げ作業を省略でき、それにより、製造コストを削減することができる。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載のグランドピアノのダンパーにおいて、ダンパーワイヤフレンジの少なくとも一部が、弾性材で構成されていることを特徴とする。
この構成によれば、ダンパーワイヤフレンジの少なくとも一部が、弾性材で構成されているので、ダンパーワイヤフレンジに外力を加え、弾性材を変形させることによって、ダンパーワイヤフレンジを左右方向に容易に変位させることができる。
請求項3に係る発明は、請求項2に記載のグランドピアノのダンパーにおいて、ダンパーホルダは、上下方向に互いに間隔を存して配置されるとともに、鉛直に延びる1つの線上に配置された案内孔をそれぞれ有する上下のホルダ材で構成されていることを特徴とする。
この構成によれば、ダンパーホルダが互いに間隔を隔てた上下のホルダ材で構成されるとともに、ホルダ材に形成された案内孔が鉛直に延びる1つの線上に配置されているので、これらの案内孔によって、ダンパーワイヤの鉛直性を確保することができる。このため、請求項2のようにダンパーワイヤフレンジの一部が弾性材で構成されている場合でも、ダンパーの動作時に、鉛直に保たれたダンパーワイヤが、案内孔に引っかかることなくスムーズに移動でき、ダンパーの良好な動作を確保することができる。
請求項4に係る発明は、請求項1に記載のグランドピアノのダンパーにおいて、ダンパーワイヤフレンジは、ダンパーレバーに回動自在に取り付けられた下フレンジ部と、ダンパーワイヤの下端部が連結され、下フレンジ部に左右方向にスライド自在に係合する上フレンジ部で構成されていることを特徴とする。
この構成によれば、ダンパーワイヤフレンジが、互いに左右方向にスライド自在に係合する下フレンジ部および上フレンジ部で構成されている。このため、上フレンジ部を下フレンジ部に対して左右方向にスライドさせるだけで、ダンパーヘッドとのずれを修正でき、ダンパーワイヤの鉛直性を容易に保つことができる。また、上フレンジ部とダンパーヘッドとの間のずれを、例えば手作業により大まかに修正しても、ダンパーの動作が繰り返されるうちに、上フレンジ部が、ダンパーヘッド側に引き寄せられるようにしてスライドし、最終的に、ダンパーヘッドと左右方向に一致するように位置決めされる。このように、ダンパーワイヤの鉛直性の調整を、自動的に精度良く容易に行うことができる。
以下、図面を参照しながら、本発明の好ましい実施形態を詳細に説明する。図1は、本発明のダンパー1を備えたアコースティックタイプのグランドピアノ2の鍵盤装置を、離鍵状態において示している。なお、以下の説明では、グランドピアノ2を演奏者から見た場合の手前側(同図の右側)を「前」、奥側(同図の左側)を「後」とし、さらに左側および右側をそれぞれ「左」および「右」として、説明を行うものとする。
同図に示すように、このグランドピアノ2は、棚板3と、棚板3に移動自在に載置された筬4と、筬4に載置された複数(例えば88個)の鍵5a(1つのみ図示)からなる鍵盤5と、鍵盤5の後部上方に設けられたアクション6と、鍵5aごとに設けられ、弦Sを打弦するハンマー7などを備えている。
鍵5aは、その中央に形成されたバランスピン孔(図示せず)を介して、筬4に立設されたバランスピン8に回動自在に支持されている。
アクション6は、鍵5aの押鍵に伴ってハンマー7を回動させるためのものであり、筬4の左右端部に設けられたブラケット9(1つのみ図示)に渡されたウィッペンレール10に取り付けられている。ウィッペンレール10には、鍵5aに対応する複数のウィッペン12が左右方向に並ぶように取り付けられている。各ウィッペン12は、前後方向に延び、その後端部において、ウィッペンフレンジ12aを介してウィッペンレール10に回動自在に取り付けられるとともに、鍵5aの後端部にキャプスタンスクリュー13を介して載置されている。
ウィッペン12には、レペティションレバー14およびジャック15などが取り付けられている。レペティションレバー14は、斜め前上がりに前後方向に延びており、その中央部においてウィッペン12に回動自在に取り付けられている。レペティションレバー14の前部の所定の位置には、上下方向に貫通するジャック案内孔14aが形成されている。
ジャック15は、上下方向に延びる突き上げ部15aと、その下端部から前方にほぼ直角に延びる係合部15bとから、L字状に形成されており、その角部においてウィッペン12に回動自在に取り付けられている。突き上げ部15aの上端部は、レペティションレバー14のジャック案内孔14aに、前後方向に移動自在に係合している。
一方、ハンマー7は、前後方向に延びるハンマーシャンク7aと、ハンマーシャンク7aの後端部に取り付けられたハンマーヘッド7bなどで構成されており、ハンマーシャンク7aの前端部において、シャンクフレンジ7cを介してハンマーシャンクレール11に回動自在に支持されている。ハンマーシャンク7aの前端部の所定の位置には、円柱状のシャンクローラ7dが取り付けられている。図1に示す離鍵状態では、ハンマー7が、レペティションレバー14のジャック案内孔14a付近にシャンクローラ7dを介して載置されるとともに、ジャック15の突き上げ部15aがシャンクローラ7dと微小な間隔を存して対向している。
以上の構成によれば、鍵5aが押鍵されると、鍵5aはバランスピン8を中心として図1の時計方向に回動するのに伴い、ウィッペン12がキャプスタンスクリュー13を介して突き上げられ、上方に回動する。このウィッペン12の回動に伴い、レペティションレバー14およびジャック15がウィッペン12と一緒に上方に移動し、ジャック15の突き上げ部15aがシャンクローラ7dを介してハンマー7を突き上げることによって、ハンマー7が時計方向に回動する。そして、この回動の途中で、ジャック15がシャンクローラ7dから抜け、その直後においてハンマーヘッド7bが弦Sを打弦する。
図1に示すように、本発明に係るダンパー1は、鍵盤5の後方に配置されている。図2にも示すように、ダンパー1は、ダンパーレール16と、それに取り付けられた複数のダンパーレバー17(1つのみ図示)と、各ダンパーレバー17に取り付けられたダンパーワイヤフレンジ18と、ダンパーワイヤフレンジ18から上方に延びるダンパーワイヤ19と、その上端部に取り付けられたダンパーヘッド20と、ダンパーワイヤ20を案内するダンパーホルダ21などで構成されている。
ダンパーレール16は、例えばアルミニウムの押出成形品で構成され、鍵盤5の左右方向の全体にわたって延びている。ダンパーレール16は、ダンパーレール介物を介してピアノ本体(いずれも図示せず)に固定されている。
ダンパーレール16の前側には、リフティングレール24が設けられている。このリフティングレール24もまた、例えばアルミニウムの押出成形品で構成され、中空に形成されていて、鍵盤5の左右方向の全体にわたって延びている。リフティングレール24は、上下方向に延びるリフティングレール突揚棒22に載置されている。リフティングレール突揚棒22は、その下端部においてダンパーペダル(図示せず)に連結されている。また、リフティングレール24の上面には、これに沿ってリフティングレールクロス24aが貼られており、このリフティングレールクロス24aに、後述するパイロットスクリュー23が、所定の間隔を存して上方から対向している。
複数のダンパーレバー17は、鍵5aごとに設けられている。各ダンパーレバー17は、前後方向に延びており、後端部において、ダンパーフレンジ17aを介してダンパーレール16に、左右方向に延びる水平な軸線を中心として、回動自在に取り付けられている。また、ダンパーレバー17の前端部は、対応する鍵5aの後端部に上方から対向している(図1参照)。ダンパーレバー17には、これに重さを付加するために、高比重の金属製の2つの重り17b,17bが取り付けられている。また、ダンパーレバー17には、2つの重り17b,17bの間に、側方に貫通する孔(図示せず)が形成されている。さらに、ダンパーレバー17の下面には、パイロットスクリュー23がねじ込まれている。
ダンパーワイヤフレンジ18は、上下方向に互いに接合された下フレンジ部18a、中フレンジ部18bおよび上フレンジ部18cで構成されている。下フレンジ部18aは、例えばABS樹脂などの耐衝撃性に優れた合成樹脂の射出成形品で構成されている。下フレンジ部18aは、上側の直方体状の本体部18dと、本体部18dの左右の端部から互いに平行に下方に延びる一対の腕部18e,18eを一体に備えている。これらの腕部18e,18eには、側方に貫通する孔18f(1つのみ図示)が互いに対向するように形成されている。そして、これらの孔18f,18fとダンパーレバー17の孔にピン26が通されることによって、下フレンジ部18aは、このピン26を介してダンパーレバー17に、左右方向の水平な軸線を中心として回動自在に取り付けられている。
中フレンジ部18bは、硬質ゴムなどの弾性材で構成されている。中フレンジ部18bは、上下方向に長い直方体状に形成されており、下フレンジ部18aの本体部18dの上面に、例えば接着によって、取り付けられている。
上フレンジ部18cは、下フレンジ部18aと同様、ABS樹脂などの合成樹脂の射出成形品で構成されている。上フレンジ部18cは、直方体状に形成されており、中フレンジ部18bの上面に、接着によって取り付けられている。上フレンジ部18cの上面には、ダンパーワイヤ19の先端部が差し込まれており、上フレンジ部18cの前面に取り付けたねじ27を締め付けることによって、ダンパーワイヤ19が上フレンジ部18cに固定されるとともに、その高さが調整されるようになっている。ダンパーワイヤ19は、従来と同様、鋼製などの金属で構成されている。
ダンパーホルダ21は、上下のホルダ板21a,21aと、両ホルダ板21a,21aの間に介在する付木21bで構成されている。これらのホルダ板21a,21aおよび付木21bは、木材で構成されるとともに、左右方向に延びており、鍵盤5の全体にわたって設けられている。ホルダー21は、下側のホルダ板21aの後部が響板(図示せず)の前端部に載せられた状態で、響板に固定されている。また、付木21bは、所定の厚さを有し、両ホルダ板21a,21aの後端部に接着されており、両ホルダ板21a,21aの間に所定の間隔を保つスペーサとして機能するとともに、ダンパーホルダ21全体の剛性を高める役割を果たす。また、両ホルダ板21a,21aにはそれぞれ、案内孔21c,21cが形成されている。これらの案内孔21c,21cは、上下方向に貫通しており、鉛直に延びる1つの線上に配置されている。案内孔21c,21cには、ダンパーワイヤ19が通されており、それにより、ダンパーワイヤ19の鉛直性が確保される。
ダンパーヘッド20は、木材で構成された本体部20aと、本体部20aの下面に取り付けられた前後2つのダンパーフェルト20b,20bで構成されている。本体部20aの一方の側面には、穴20cが形成されており、この穴20cに、側方に曲げられたダンパーワイヤ19の上端部が係合している。ダンパーヘッド20は、図1に示す離鍵状態において、水平に張設された弦Sに上方から当接している。
以上の構成により、鍵5aが押鍵されると、鍵5aはバランスピン8を中心として図1の時計方向に回動することによって、その後端部でダンパーレバー17を突き上げる。これにより、ダンパーレバー17は、その後端部を中心として図1の反時計方向に回動する。この回動に伴い、ダンパーワイヤフレンジ18を介して、ダンパーワイヤ19がダンパーホルダ21の案内孔21c,21cで案内されながら水平方向にぶれることなく、まっすぐ上方に移動する。これにより、ダンパーワイヤ19と一体のダンパーヘッド20も上方に移動することによって、ダンパーヘッド20が弦Sから離れ、弦Sの振動が許容される。その後、鍵5aの回動に連動して回動するハンマー7が弦Sを打弦することによって、弦Sが振動し、ピアノ音が発生する。
一方、鍵5aが離鍵されると、ダンパーレバー17が図1の時計方向に復帰回動するのに伴い、上記と逆の動作で、ダンパーヘッド20などが下方に移動し、ダンパーヘッド20が弦Sに当接することによって、弦Sの振動が停止され、それにより、発音が停止(止音)される。
また、ダンパーペダルが踏み込み操作されると、リフティングレール24がリフティングレール突揚棒22により突き上げられることによって、上方に回動する。これにより、すべてのダンパレバー17がパイロットスクリュー23を介して上方に突き上げられ、ダンパーヘッド20が弦Sから一斉に離れることによって、すべての弦Sの振動が許容され、ダンパーペダル効果が付与される。
以上のように、本実施形態によれば、ダンパーワイヤフレンジ18の中フレンジ部18bが硬質ゴムで構成されているので、ダンパー1の組立時に、ダンパーワイヤフレンジ18に外力を加え、中フレンジ部18bを変形させることによって、ダンパーワイヤフレンジ18を左右方向に容易に変位させることができる。このため、前述したように、ダンパーワイヤフレンジ18とダンパーヘッド20が左右方向に互いにずれている場合でも、ダンパーワイヤフレンジ18に外力を加えるだけで、両者の間のずれを容易に修正できる。このため、前述した図5に示す従来のダンパーと異なり、ダンパー1の組立時におけるダンパーワイヤ19の煩雑な曲げ作業を省略でき、それにより、製造コストを削減することができる。
また、ダンパーホルダ21が、互いに間隔を隔てた上下のホルダ板21a,21aで構成されるとともに、両ホルダ板21a,21aに形成された案内孔21c,21cが鉛直に延びる1つの線上に配置されているので、これらの案内孔21c,21cにより、それらに通されたダンパーワイヤ19の鉛直性を確保することができる。このため、本実施形態のようにダンパーワイヤフレンジ18の中フレンジ部18bを硬質ゴムで構成しても、ダンパー1の動作時に、鉛直に保たれたダンパーワイヤ19が、案内孔21c,21cに引っかかることなくスムーズに移動でき、ダンパー1の良好な動作を確保することができる。
図3は、本発明の第2実施形態によるダンパー41を示している。このダンパー41は、第1実施形態のダンパー1と比較し、ダンパーワイヤフレンジ42の構成が異なる。このため、以下の説明において、前述した第1実施形態と同じ構成については、同一の参照番号を付し、その詳細な説明は省略するものとする。ダンパーワイヤフレンジ42は、ABS樹脂などの耐衝撃性に優れた合成樹脂の射出成形品で構成されている。図4に示すように、ダンパーワイヤフレンジ42は、下フレンジ部43と上フレンジ部44で構成されている。下フレンジ部43は、第1実施形態と同じ構成の本体部18dおよび一対の腕部18e,18eに加え、本体部18dの上側に係合部43aを一体に有している。この係合部43aは、本体部18dの左右方向に連続して延びており、T字状の一定の断面を有している。
上フレンジ部44は、上下方向に長い直方体状に形成されている。上フレンジ部44の下部には、係合孔44aが形成されている。係合孔44aは、上フレンジ部44の左右方向に連続して延びており、下面が開口している。また、係合孔44aは、下フレンジ部43の係合部43aと相補的なT字状の一定の断面を有している。以上の構成の係合部43aおよび係合孔44aは、互いにぴったりと係合しており、それにより、上フレンジ部44が、下フレンジ部43に対して左右方向にスライド自在にかつ上下方向に移動不能に連結されている。
以上の構成によれば、上フレンジ部44を下フレンジ部43に対して左右方向にスライドさせるだけで、ダンパーヘッド20とのずれを修正でき、ダンパーワイヤ19の鉛直性を容易に保つことができる。また、上フレンジ部44とダンパーヘッド20との間のずれを、例えば手作業により大まかに修正しても、ダンパー41の動作が繰り返されるうちに、上フレンジ部44が、ダンパーヘッド20側に引き寄せられるようにしてスライドし、最終的に、ダンパーヘッド20と左右方向に一致するように位置決めされる。このように、ダンパーワイヤ19の鉛直性の調整を、自動的に精度良く容易に行うことができる。
また、係合部43aと係合孔44aが互いに相補的な断面T字状に形成されているので、両者を互いにきつく係合させることができるとともに、上下方向への相対的な移動や抜けを防止することができる。このため、ダンパー41のがたつきや動作時のノイズの発生を防止することができる。
なお、本発明は、説明した実施形態に限定されることなく種々の態様で実施することができる。例えば、第1実施形態では、中フレンジ部18bを、直方体状に形成しているが、これに限らず、例えば円柱状に形成してもよい。また、第2実施形態では、ダンパーワイヤ19を、上下のホルダ板21a,21aで案内しているが、下側のホルダ板21aを省略し、上側のホルダ板21aのみで案内してもよい。さらに、第2実施形態の上フレンジ部44を、ダンパーワイヤ19が連結された上半部と、係合孔44aを有する下半部とに互いに別個に構成してもよく、その場合には、下半部を硬質ゴムなどの弾性材で構成してもよい。このように、下半部を硬質ゴムで構成することにより、その弾性によって、両者をよりぴったりと係合させることができる。
さらに、実施形態は、本発明をアコースティックタイプのグランドピアノに適用した例であるが、これに限らず、自動演奏タイプや消音タイプなどの他のタイプのグランドピアノに適用してもよいことはもちろんである。その他、本発明の趣旨の範囲内で、細部を適宜変更することが可能である。
本発明の実施形態によるダンパーを備えたグランドピアノの鍵盤装置の側面図である。 図1のダンパーの斜視図である。 本発明の第2実施形態によるダンパーの斜視図である。 図3のダンパーワイヤフレンジの(a)分解斜視図および(b)組立斜視図である。 従来のダンパーの斜視図である。
符号の説明
1 ダンパー
2 グランドピアノ
5a 鍵
17 ダンパーレバー
18 ダンパーワイヤフレンジ
19 ダンパーワイヤ
20 ダンパーヘッド
21 ダンパーホルダ
21a ホルダ板(ホルダ材)
21c 案内孔
41 ダンパー
42 ダンパーワイヤフレンジ
43 下フレンジ部
44 上フレンジ部
S 弦

Claims (4)

  1. 左右方向に配置された複数の鍵の回動に連動して弦に離接することによって、当該弦の振動を許容または停止するグランドピアノのダンパーであって、
    前記複数の鍵ごとに設けられ、対応する前記鍵の押鍵に連動して上方に回動するダンパーレバーと、
    当該ダンパーレバーに、左右方向に延びる水平な軸線を中心として回動自在に取り付けられ、左右方向に変位可能に構成されたダンパーワイヤフレンジと、
    当該ダンパーワイヤフレンジから上方に延びるダンパーワイヤと、
    当該ダンパーワイヤの上端部に取り付けられ、前記鍵の離鍵状態において、前記弦に上方から当接するダンパーヘッドと、
    前記ダンパーワイヤが通された案内孔を有するダンパーホルダと、
    を備えることを特徴とするグランドピアノのダンパー。
  2. 前記ダンパーワイヤフレンジの少なくとも一部が、弾性材で構成されていることを特徴とする、請求項1に記載のグランドピアノのダンパー。
  3. 前記ダンパーホルダは、上下方向に互いに間隔を存して配置されるとともに、鉛直に延びる1つの線上に配置された案内孔をそれぞれ有する上下のホルダ材で構成されていることを特徴とする、請求項2に記載のグランドピアノのダンパー。
  4. 前記ダンパーワイヤフレンジは、前記ダンパーレバーに回動自在に取り付けられた下フレンジ部と、前記ダンパーワイヤの下端部が連結され、前記下フレンジ部に左右方向にスライド自在に係合する上フレンジ部で構成されていることを特徴とする、請求項1に記載のグランドピアノのダンパー。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013148675A (ja) * 2012-01-18 2013-08-01 Yamaha Corp リフティングレールの駆動機構および楽器

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