JP2007169563A - 反射防止膜および反射防止膜形成用組成物 - Google Patents

反射防止膜および反射防止膜形成用組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】良好な機械強度、滑り性及び耐擦傷性を有する低屈折率反射防止膜を形成する。
【解決手段】反応性シリル基を有する架橋性成分と、この架橋性成分を可溶な溶媒と、この溶媒に対する溶解度が0.001〜10重量%である潤滑剤(例えば、パラフィン)とを含んでおり、前記溶媒に対して実質的に溶解した割合で潤滑剤が含む組成物を基材に塗布し、前記架橋性成分を反応により架橋させる。膜全体に対する潤滑剤の割合は、0.5〜10重量%であってもよい。前記架橋性成分は、テトラアルコキシシラン類およびビス(トリアルコキシシリル)アルカン類から選択された少なくとも1種で構成してもよい。前記組成物において、前記潤滑剤の割合は、膜形成後の固形分換算で、0.5〜10重量%程度である。
【選択図】なし

Description

本発明は、低反射性能を有し、かつ優れた滑り性および耐擦傷性を有する反射防止膜、この膜を形成するための組成物、並びにこの膜の形成方法に関する。
基材より屈折率の低い被膜を当該基材の表面に形成させると、当該被膜の表面から反射する光の反射率が低下し、いわゆる低反射性能を示すことが知られている。このような低反射性能を示す被膜は、光反射防止膜として種々の基材表面に適用され、例えば、ディスプレイなどの表示材料の外光の映り込み防止などに使用される。
一般に、反射防止膜は、その膜厚が0.1μm前後の薄膜であるため、優れた低反射性能を有していたとしても、十分な耐擦傷性を付与することは困難である。耐擦傷性が不十分であれば、反射防止膜表面に付着した汚れ等を布等で擦って除去した場合、膜に傷が付いたり、膜が剥離することにより、低反射性能の低下や外観の悪化などの問題が生じることになる。このため、低反射性能と耐擦傷性能とを併せ持つ被膜の開発が求められている。
反射防止用樹脂として、低屈折率を示すフッ素原子含有ポリマーを利用することが検討されている。例えば、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体等のパーフルオ口重合体は1.40以下の低屈折率を有する。しかしながら、これらの低屈折率を示すフッ素原子含有ポリマーは、透明性が不十分な上に、有機溶剤に対する溶解性に劣り、さらには熱加工性も悪い。このため、当該ポリマーを基材に薄膜(例えば、0.1〜0.2μm程度)の膜厚で塗布することは非常に困難であり、反射防止用樹脂としては不適当である。
そこで熱加工性および有機溶剤に対する溶解性の改良を目的として、テトラフルオロエチレンモノマーと他のモノマーとの共重合体が提案されている。しかしながら、このような共重合体は、屈折率が1.40以上になるため、反射防止用樹脂としては不適当である。
このほかに、高い透明性及び溶剤に対する溶解性を有する非結晶性パーフルオロ樹脂(例えば、「サイトップ」(商品名、旭硝子株式会社製)、「テフロン(登録商標)AF」(商品名、アメリカ・デュポン社製)等)が開発されている。しかしながら、当該樹脂からなる被膜の表面硬度は低く、耐摩耗性にも劣る。
また、反射防止用樹脂として、フッ素化された芳香族性ポリマー[例えば、側鎖にフルオロアルキル基を有する芳香族性モノマーをモノマー成分とするポリマー(例えば、含フルオロアルキルスチレンを含むモノマー成分の重合体など)など]も提案されている。しかしながら、このような芳香族性ポリマーは、有機溶剤に対する溶解性は改善されているものの、芳香族基が紫外線を吸収するため劣化が進行し、長期安定性(耐候性)に劣る上、芳香族基が高い屈折率を示し、反射防止用樹脂としては不適当である。
また、特開昭64−18573号公報(特許文献1)、特開平1−149808号公報(特許文献2)および特開平6−115023号公報(特許文献3)では、アクリル酸フルオロアルキルエステル重合体やメタアクリル酸フルオロアルキルエステル重合体、その他含フッ素非晶性共重合体等の透明含フッ素共重合体が合成され、低反射コート等への応用が試みられている。しかしながら、これら含フッ素共重合体からなる被膜は、屈折率は低いものの、いずれも硬度が低く、ベンコット摩耗試験により30往復以内で該被膜に傷が付くため、低反射コート層として、実用上使用するのが困難な状況である。
また、特開昭61−85345号公報(特許文献4)、特開昭60−78940号公報(特許文献5)および日本化学会誌、1985、(10)、1924〜1928(非特許文献1)では、α−フルオロアクリル酸及びそのフルオロアルキルエステルについて種々検討されており、例えば、α−フルオロアクリル酸フルオライドの製造法、α−フルオロアクリル酸メチルの製造法、α−フルオロアクリル酸−2,2,2−トリフルオロエチルの製造法が報告されている。さらに、特許第3374495号公報(特許文献6)には、ジ−(α−フルオロアクリル酸)フルオロアルキルエステルと含フッ素重合体とを含有する含フッ素硬化性組成物を重合硬化して得られる反射防止用含フッ素硬化被膜が、鉛筆硬度H以上の表面硬度と、1.388以下の屈折率とを有することが開示されている。しかしながら、これらのα−フルオロアクリル酸及びそのフルオロアルキルエステルは、アクリル酸フルオロアルキルエステルに比べてより低い屈折率を示すが、表面硬度は低く、耐摩耗性に劣る。
また、細孔(ミクロボイド)により被膜を低屈折率化させる方法も種々検討されている。例えば、「シンソリッドフィルムズ(Thin solid Films)、129、1985、1」(非特許文献2)では、テトラエトキシシランを原料に用いて、ゾルゲル法により細孔を有するSiO薄膜を基体に塗布し、反射防止膜を製造する方法が開示されている。また、特許第2913715号公報(特許文献7)では、モノアルキルトリアルコキシシランとポリエーテルと有機溶媒とを含む溶液を基体表面に塗布し、モノアルキルトリアルコキシシランの一部または全部を脱水縮合させた塗布膜とし、その後前記ポリエーテルを前記塗布膜から有機溶媒により溶出させて基体に反射防止性を有する膜を形成する方法が提案されている。同様に、特開平11−6902号公報(特許文献8)では、細孔をもうけて低屈折率化をはかっている。また、特開平11−38201号公報(特許文献9)では、含フッ素モノマーの重合体からなる微粒子とミクロボイドとを含む低屈折率層を形成している。しかしながら、これらの文献の方法では、細孔により膜の屈折率を低下させた場合、膜の機械強度の急激な低下は避けられず、指紋等の汚れ拭取り性も悪化する。
なお、これらの方法の中で、ゾルゲル法にて架橋して形成された膜は、低屈折率でありながら比較的耐擦傷性に優れている。すなわち、溶媒の乾燥と加熱にともなって、アルコキシシランのような反応性シリル基を加水分解し、そして縮合して架橋することにより形成する膜が、低屈折率でありながら耐擦傷性に優れる。しかしながら、ゾルゲル法では、形成後の膜表面に極性の比較的強い未反応シラノール基が残存し、このシラノール基が滑り性を阻害し、結果として膜の強度が低下する。
そのため、滑り性を向上させる方法として、例えば、特開平10−147739号公報(特許文献10)には、シランカップリングされたフッ素含有共重合体とアルコキシシラン(およびコロイダルシリカ)とを加水分解および縮合反応に供し、反射防止層を形成する方法が開示されている。しかし、この方法で形成される膜では、満足するレベルで滑り性を向上できない。なお、この文献には、さらにスリップ剤を添加することに言及されているが、その材料や配合量などの具体的記述はない。
また、特開平11−72602号公報(特許文献11)では、非晶性の含フッ素重合体からなる低屈折率層への耐磨耗性付与のため、反射防止機能を損なわない程度に、低屈折率層表面に潤滑剤を塗布したり、低屈折率層中に潤滑剤を配合してもよいとされている。同様に、前記特許文献9でも、任意の潤滑剤の添加によって、滑り性を付与し、耐擦傷性を良化することが記載されている。さらに特開平11−12602号公報(特許文献12)では、潤滑剤としてフッ素系オイルが例示されている。しかし、滑剤や潤滑剤の添加は、滑り性の付与と同時に架橋の形成を阻害し、形成される膜の強度が低下し、通常はかえって耐擦傷性の低下を招く。このため、滑剤や潤滑剤の添加について、これまであまり積極的に検討がなされていないのが実情である。
滑剤(又は潤滑剤)の添加を積極的に検討した数少ない例として、特開2000−178469号公報(特許文献13)には、活性エネルギー線の照射または加熱により硬化する不飽和基含有フッ素系材料に0.1〜15重量%のシリコーンオイルを添加する技術が開示されている。しかしながら、この文献の不飽和基含有フッ素系材料では膜強度が満足できるレベルまで達していない。
なお、滑り性を向上させる方法として、前記特許文献8および特開平7−70344号公報(特許文献14)では、低屈折率組成物からなる薄膜層上に潤滑剤層(保護層)を設ける方法が提案されている。しかし、これらの方法では潤滑剤が架橋の形成を阻害することがないため、比較的優れた耐擦傷性を付与できるものの、潤滑剤層を積層する工程が増えるため、生産性が著しく劣る。
特開昭64−18573号公報 特開平1−149808号公報 特開平6−115023号公報 特開昭61−85345号公報 特開昭60−78940号公報 特許第3374495号公報 特許第2913715号公報 特開平11−6902号公報 特開平11−38201号公報(特許請求の範囲、段落番号[0053]) 特開平10−147739号公報(特許請求の範囲、段落番号[0055]) 特開平11−72602号公報(特許請求の範囲、段落番号[0031]) 特開平11−12602号公報 特開2000−178469号公報(特許請求の範囲) 特開平7−70344号公報 日本化学会誌、1985、(10)、1924〜1928、 「シンソリッドフィルムズ(Thin solid Films)、129、1985、1」
従って、本発明の目的は、滑剤又は潤滑剤を含んでいても架橋被膜を形成できる組成物、この組成物を用いて形成した反射防止膜、およびこの反射防止膜の製造方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、単層構造であっても高い機械強度、滑り性及び耐擦傷性を有する反射防止膜を形成可能な組成物、この組成物を用いて形成した反射防止膜、およびこの反射防止膜の製造方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、ゾルゲル法により架橋しても、膜強度を低下させることなく、低反射性能(低屈折率)を有し、かつ優れた滑り性、耐擦傷性および機械強度を有する反射防止膜を形成できる組成物、この組成物を用いて形成した反射防止膜、およびこの反射防止膜の製造方法を提供することにある。
本発明者は、前記課題を達成するため鋭意検討した結果、アルコキシシラン類などの反応性シリル基を有する架橋性成分と、この架橋性成分を可溶な溶媒と、この溶媒に対して特定の溶解度を示す潤滑剤とを組み合わせ、前記潤滑剤を溶媒に対して実質的に溶解させると、良好な機械強度、滑り性及び耐擦傷性を有する低屈折率反射防止膜を形成できることを見いだし、本発明を完成した。
すなわち、本発明の反射防止膜形成用組成物は、反応性シリル基を有する架橋性成分と、この架橋性成分を可溶な溶媒と、この溶媒に対する溶解度が0.001〜10重量%である潤滑剤とを含む反射防止膜形成用組成物であって、前記溶媒に対して実質的に溶解した割合で潤滑剤を含む。前記架橋性成分は、アルコキシシラン類、例えば、テトラアルコキシシラン類およびビス(トリアルコキシシリル)アルカン類から選択された少なくとも1種で構成してもよい。また、前記潤滑剤は、パラフィン(流動パラフィン、固体パラフィンなど)で構成してもよい。
前記組成物において、潤滑剤の割合は、前記架橋性成分100重量部に対して、例えば、0.5〜10重量部程度であってもよい。また、前記組成物において、潤滑剤の割合は、溶媒に対する溶解度以下であればよく、例えば、溶媒100重量部に対して0.01〜1重量部程度であってもよい。本発明の組成物は、反射防止膜を形成するための組成物として有用であり、通常、このような反射防止膜において、前記架橋性成分が反応(例えば、加水分解)して架橋し(又は架橋性成分が架橋し)、低屈折率組成物を形成可能であってもよい。
また、本発明には、前記反射防止膜形成用組成物で形成された反射防止膜も含まれる。反射防止膜では、反応性シリル基を有する架橋性成分の反応(例えば、加水分解)により架橋した低屈折率組成物が形成されていてもよく、その平均厚み(均厚み)は、例えば、0.01〜0.5μm程度であってもよい。膜全体に対する潤滑剤の割合は、0.5〜10重量%程度であってもよい。
前記反射防止膜は、例えば、前記反射防止膜形成用組成物を基材に塗布し、反応性シリル基を有する架橋性成分の反応(例えば、加水分解)により架橋させることにより形成してもよい。
本発明の反射防止膜形成用組成物は、滑剤又は潤滑剤を含んでいても架橋被膜を形成でき、前記組成物を用いて形成した反射防止膜は、単層構造であっても、優れた滑り性、耐擦傷性および機械強度を有する反射防止膜を提供することができる。このような反射防止膜は、光反射防止膜として種々の基材表面に適用され、例えば、ディスプレイなどの表示材料の外光の映り込み防止などに有用である。また、本発明の反射防止膜形成用組成物は、ゾルゲル法により架橋しても、従来のように膜強度を低下させることなく、低反射性能(低屈折率)を有し、かつ優れた滑り性、耐擦傷性および機械強度を有する反射防止膜を提供することができる。
本発明の反射防止膜形成用組成物は、下記の反応性シリル基を有する架橋性成分と溶媒と潤滑剤とを含む。
(反応性シリル基を有する架橋性成分)
反応性シリル基を有する架橋性成分(反応性シリル基を含有する低屈折率組成物前駆体)とは、前記シリル基が(又は前記シリル基を介して)反応(例えば、加水分解)することにより架橋する成分(前駆体)であればよく、通常、低屈折率組成物を形成することができる成分である。反応性シリル基を有する架橋性成分(以下、単に「架橋性成分」ともいう)としては、分子中に少なくとも1以上の反応性シリル基を有していれば特に限定はなく、例えば、アルコキシシラン類、少なくとも1つ以上の反応性シリル基を含有するフッ素含有ポリマー(又はオリゴマー)、ハロシラン類[例えば、テトラハロシラン(テトラクロロシランなど)およびその縮合物(又は部分縮合物又はオリゴマー)など]、アリールオキシシラン類[例えば、テトラアリールオキシシラン(テトラフェノキシシランなど)およびその縮合物(又は部分縮合物又はオリゴマー)など]などが挙げられる。
(アルコキシシラン類)
アルコキシシラン類としては、例えば、テトラアルコキシシラン類(例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシシランなどのテトラC1−4アルコキシシラン類など)、トリアルコキシシラン類[例えば、アルキルトリアルコキシシラン類(例えば、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、n−ブチルトリメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、イソブチルトリエトキシシランなどのC1−4アルキルトリC1−4アルコキシシラン)、アリールトリアルコキシシラン類(例えば、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシランなどのC6−10アリールトリC1−4アルコキシシラン)など]、ジアルコキシシラン類[例えば、ジアルキルジアルコキシシラン類(例えば、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジブチルジメトキシシシランなどのジC1−4アルキルジC1−4アルコキシシランなど)、ジアリールジアルコキシシラン類(例えば、ジフェニルジメトキシシランなどのジC6−10アリールジC1−4アルコキシシランなど)など]、複数の反応性シリル基を有するアルコキシシラン類、これらのアルコキシシラン類が縮合(重縮合又は加水分解縮合)したポリアルコキシシラン類(又は縮合物)などが挙げられる。
複数の反応性シリル基を有するアルコキシシラン類としては、例えば、ビス(モノ乃至トリアルコキシシリル)アルカン類{例えば、ビス(トリアルコキシシリル)アルカン類[例えば、ビス(トリメトキシシリル)エタン、ビス(トリエトキシシリル)エタン、1−メチル−1,2−ビス(トリメトキシシリル)エタン、1−エチル−1,2−ビス(トリメトキシシリル)エタン、1−プロピル−1,2−ビス(トリメトキシシリル)エタン、1−イソプロピル−1,2−ビス(トリメトキシシリル)エタン、ビス(トリメトキシシリル)プロパン、ビス(トリメトキシシリル)ブタン、ビス(トリメトキシシリル)ペンタン、ビス(トリメトキシシリル)ヘキサン、ビス(トリプロポキシシリル)ヘキサン、ビス(トリブトキシシリル)ヘキサン、ビス(トリメトキシシリル)ヘプタン、ビス(トリメトキシシリル)オクタンなどのビス(トリC1−6アルコキシシリル)C1−20アルカン、好ましくはビス(トリC1−4アルコキシシリル)C1−12アルカン、さらに好ましくはビス(トリC1−2アルコキシシリル)C1−8アルカンなど]など}、これらのビス(モノ乃至トリアルコキシシリル)アルカン類に対応するビス(モノ乃至トリアルコキシシリル)アレーン類(例えば、ビス(モノ乃至トリアルコキシシリル)ベンゼン類)、ビス(モノ乃至トリアルコキシシリルアルキル)アレーン類(例えば、1,4−ビス(トリメトキシシリルエチル)ベンゼン、ビス[3−(トリエトキシシリル)プロピル]ベンゼンなどのビス(モノ乃至トリアルコキシシリルアルキル)ベンゼン類)、ビス(モノ乃至トリアルコキシシリル)(ポリ)スルフィド類、ビス(モノ乃至トリアルコキシシリルアルキル)(ポリ)スルフィド類(例えば、ビス[3−(トリエトキシシリル)プロピル]テトラスルフィドなど)などが挙げられる。
なお、前記アルコキシシラン類には、アルコキシ基やビス(モノ乃至トリアルコキシシリル)アルカン類におけるアルカン骨格などにおいて、置換基[ヒドロキシル基、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子など)、カルボキシル基、アミノ基、置換アミノ基(モノ又はジアルキルアミノ基など)、エポキシ基含有基(グリシジル基、グリシジルオキシ基など)、イソシアネート基、炭化水素基(アルキル基、アリール基など)、炭化水素基に対応するエーテル基(例えば、アルコキシ基など)など]を有する(又は置換基が置換した)アルコキシシランも含まれる。代表的な置換基を有するアルコキシシラン類には、例えば、ハロゲン原子(特にフッ素原子)で置換されたビス(モノ乃至トリアルコキシシリル)アルカン類[例えば、ビス(トリエトキシシリル)テトラフルオロエタンなどのビス(トリC1−4アルコキシシリル)ハロC1−12アルカンなど]、シランカップリング剤(後述のシランカップリング剤など)などが含まれる。
なお、前記ポリアルコキシシラン類(又はオリゴアルコキシシラン類)は、同一又は異なるアルコキシシラン類が、アルコキシシリル基(の一部)において縮合(加水分解縮合又は部分的に縮合)した縮合物(オリゴマー、ポリマー)であればよい。このようなポリアルコキシシラン類の縮合度(又は重合度)は、例えば、2〜100、好ましくは3〜50、さらに好ましくは4〜20(例えば、5〜10)程度であってもよい。また、ポリアルコキシシラン類の平均分子量は、200〜100000程度の範囲から選択でき、例えば、200〜20000、好ましくは300〜10000(例えば、400〜8000)、さらに好ましくは500〜5000(例えば、1000〜3000)程度であってもよい。
なお、複数の反応性シリル基を有するアルコキシシラン類およびその縮合物(オリゴマー)としては、特開2001−187864号公報に記載のアルコキシシラン類(有機ケイ素化合物)を使用してもよい。
アルコキシシラン類は市販されているものを用いることもでき、市販品としては、例えば、「SS−1900」(東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製:テトラエトキシシラン)、「SS−1670」(同社製:メチルトリメトキシシラン)、「SS−1650」(同社製:メチルトリエトキシシラン)、「SS−1840」(同社製:フェニルトリメトキシシラン)、「SS−1650」(同社製:メチルトリエトキシシラン)、「SS−1840」(同社製:n−ブチルトリメトキシシラン)、「SS−1260」(同社製:ジメチルジメトキシシラン)、「SS−1250」(同社製:ジメチルジエトキシシラン)、「SS−1300」(同社製:ジフェニルジメトキシシラン)などを挙げることができる。
(フッ素含有ポリマー)
少なくとも1つ以上の反応性シリル基を含有するフッ素含有ポリマー(又はオリゴマー)としては、反応性シリル基を有するシランカップリング剤で変性されたフッ素含有ポリマーなどが挙げられる。このようなフッ素含有ポリマーとしては、例えば、反応性基(例えば、ヒドロキシル基、エポキシ基、アミノ基、カルボキシル基など)を有するフッ素含有ポリマーと、加水分解性シリル基を有するシランカップリング剤とを反応させることにより得られるポリマー(以下、変性フッ素含有共重合体ともいう)などが挙げられる。なお、このようなフッ素含有共重合体は、例えば、特開平10−147739号公報などを参照することもできる。
前記反応性基を有するフッ素含有ポリマーとしては、例えば、フッ素含有単量体[例えば、フッ化オレフィン(例えば、フッ化ビニリデン、クロロトリフルオロエチレン、3,3,3−トリフルオロプロピレン、ヘキサフルオロプロピレン、テトラフルオロエチレンなどのフッ化C2−10オレフィン、好ましくはフッ化α−C2−4オレフィン、特にヘキサフルオロプロピレン)、フッ素含有アクリル系単量体(例えば、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロブチル)エチル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロヘキシル)エチル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロオクチル)エチル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロデシル)エチル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸フッ化アルキルエステル)など]と、反応性基を有する共重合性単量体との共重合体などが挙げられる。
反応性基を有する共重合性単量体としては、例えば、ヒドロキシル基含有単量体[例えば、ヒドロキシル基含有ビニルエーテル(例えば、ヒドロキシルエチルビニルエーテル、3−ヒドロキシプロピルビニルエーテルなどのヒドロキシC2−8アルキル−ビニルエーテル、好ましくはヒドロキシC2−4アルキル−ビニルエーテルなど)、ヒドロキシル基含有アリルエーテル(例えば、ヒドロキシルエチルアリルエーテル、グリセロールアリルエーテルなどのモノ又はジヒドロキシC2−8アルキル−アリルエーテルなど)、アリルアルコールなど]、エポキシ基含有単量体[例えば、ビニルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテルなどのグリシジルエーテル類;クロトン酸グリシジル、(メタ)アクリル酸グリシジルなどのグリシジルエステル類;グリシドキシアルキルビニルジアルコキシシランなどのエポキシ基含有ビニルアルコキシシラン類など]、アミノ基含有単量体[例えば、ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレートなどのジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート、アクリルアミド、ビニルピリジン、ビニルカプロラクタムなど]、カルボキシル基含有単量体[例えば、クロトン酸、イタコン酸、α−ビニル酢酸、(メタ)アクリル酸などの不飽和カルボン酸類;フマル酸ビニル、マレイン酸ビニル、コハク酸ビニル、フタル酸ビニルなどの多価カルボン酸ビニルエステル類;フマル酸メチル、マレイン酸エチルなどの多価不飽和カルボン酸モノアルキルエステル類;カルボキシアルキルビニルジアルコキシシランなど]などが挙げられる。
なお、前記フッ素含有ポリマーは、さらに他の共重合性単量体[例えば、メチルビニルエーテルなどのアルキルビニルエーテル類;酢酸ビニルなどのカルボン酸ビニルエステル類;エチレンなどのα−オレフィン類;メチル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸エステル類などの反応性基を有しない共重合性単量体]を重合成分とする共重合体であってもよい。
フッ素含有ポリマーは、フッ素含有単量体及び/又は共重合性単量体を、単独で又は2種以上組み合わせて重合成分とするポリマーであってもよい。
代表的な反応性基を有するフッ素含有ポリマーとしては、ヒドロキシル基を有するフッ素含有ポリマー(例えば、ヘキサフルオロプロピレン/ヒドロキシアルキルビニルエーテル/アルキルビニルエーテルコポリマー、ヘキサフルオロプロピレン/ヒドロキシアルキルビニルエーテル/パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)/アルキルビニルエーテルコポリマー、ヘキサフルオロプロピレン/ヒドロキシアルキルビニルエーテル/パーフルオロ(アルコキシアルキル)ビニルエーテル/アルキルビニルエーテルコポリマー、ヘキサフルオロプロピレン/ヒドロキシアルキルビニルエーテル/(パーフルオロアルキル)ビニルエーテル/アルキルビニルエーテルコポリマー、ヘキサフルオロプロピレン/ヒドロキシアルキルビニルエーテル/(パーフルオロアルコキシアルキル)ビニルエーテル/アルキルビニルエーテルコポリマーなどが挙げられる。
前記シランカップリング剤としては、例えば、下記一般式(1)で表される化合物などが含まれる。
−Si(OR(R (1)
(式中、RおよびRは、同一または異なって、それぞれアルキル基、アリール基またはアルコキシアルキル基を示し、Rは、前記フッ素含有ポリマーの反応性基と反応可能な官能基を含む基を示す。nは1〜3の整数、mは0〜2の整数、n+mは3を示す。)
上記式(1)において、Rは、前記フッ素含有ホモ又はコポリマーの反応性基と反応可能な官能基とを有していればよく、通常、官能基を有するアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などのC1−8アルキル基、好ましくはC1−6アルキル基、さらに好ましくはC1−4アルキル基)を示す。前記官能基としては、前記反応性基の種類に応じて、例えば、エポキシ基、置換されていてもよいアミノ基、イソシアネート基、メルカプト基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、(メタ)アクリロイル基などが挙げられる。例えば、前記反応性基がヒドロキシル基であるとき、前記官能基は、エポキシ基、イソシアネート基、カルボキシル基などであってもよい。
代表的な前記シランカップリング剤としては、エポキシ基を有するシランカップリング剤{例えば、グリシドキシアルキルトリアルコキシシラン類(例えば、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシブチルトリメトキシシランなどのグリシドキシC2−6アルキル−トリC1−4アルコキシシラン)、グリシドキシアルキルトリアリールオキシシラン類(γ−グリシドキシプロピルトリフェノキシシランなど)、グリシドキシアルキルジアルコキシシラン類(例えば、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、グリシドキシメチルメチルジエトキシシラン、グリシドキシプロピルフェニルジメトキシシランなどのグリシドキシC2−6アルキル−C1−4アルキル−ジC1−4アルコキシシラン)、エポキシシクロアルキルアルキルトリアルコキシシラン類[例えば、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロピルトリエトキシシラン、δ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)ブチルトリメトキシシランなどのエポキシシクロアルキルC1−6アルキルトリC1−4アルコキシシランなど]など}、アミノ基を有するシランカップリング剤{例えば、アミノアルキルトリアルコキシシラン類[例えば、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アニリノプロピルトリメトキシシランなどのアミノ基が置換されていてもよいアミノC2−6アルキルトリC1−4アルコキシシランなど]、アミノアルキルジアルコキシシラン類[例えば、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシランなどのアミノ基が置換されていてもよいアミノC2−6アルキル−C1−4アルキル−ジC1−4アルコキシシラン]、N,N−ビス(γ−トリメトキシシリルプロピル)アミンなど}、イソシアネート基を有するシランカップリング剤[例えば、トリアルコキシシリルアルキルイソシアネート(例えば、γ−トリメトキシシリルプロピルイソシアネート、γ−トリエトキシシリルプロピルイソシアネートなどのイソシアネートC2−6アルキル−トリC1−4アルコキシシランなど)など]、メルカプト基を有するシランカップリング剤{例えば、メルカプトアルキルトリアルコキシシラン類[例えば、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシランなどのメルカプトC2−6アルキル−トリC1−4アルコキシシランなど]、メルカプトアルキルジアルコキシシラン類[例えば、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシランなどのメルカプトC2−6アルキル−C1−4アルキル−ジC1−4アルコキシシランなど]など}、(メタ)アクリロイル基を有するシランカップリング剤{例えば、(メタ)アクリロキシアルキルトリアルコキシシラン類[例えば、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシランなどの(メタ)アクリロキシC2−6アルキル−トリC1−4アルコキシシランなど]、(メタ)アクリロキシアルキルジアルコキシシラン類[例えば、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシランなどの(メタ)アクリロキシC2−6アルキル−C1−4アルキル−ジC1−4アルコキシシランなど]など}などが挙げられる。
なお、前記フッ素含有ポリマーは、シランカップリング剤のアルコキシ基を介して、部分的に縮合したポリマーであってもよい。
これら架橋性成分は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
これらの架橋性成分のうち、テトラアルコキシシラン類[例えば、テトラC1−4アルコキシシランおよびその縮合物(オリゴマー)など]、ビス(トリアルコキシシリル)アルカン類[例えば、ビス(トリC1−4アルコキシシリル)C1−12アルカンおよびその縮合物(オリゴマー)、特に、ビス(トリC1−4アルコキシシリル)C1−12アルカンの縮合物]などのアルコキシシラン類が好ましい。
特に、架橋性成分は、耐擦傷性や成膜性の観点から、非ポリマー型のアルコキシシラン類(例えば、テトラC1−4アルコキシシラン、ビス(トリC1−4アルコキシシリル)C1−12アルカンなどのモノアルコキシシラン類又はアルコキシシランの単量体)と、ポリアルコキシシラン類(例えば、テトラC1−4アルコキシシランの縮合物、ビス(トリC1−4アルコキシシリル)C1−12アルカンの縮合物など)とで構成してもよい。
非ポリマー型のアルコキシシラン類と、ポリアルコキシラン類とを組み合わせる場合、これらのアルコキシシラン類の割合は、例えば、前者/後者(重量比)=3/97〜95/5、好ましくは5/95〜80/20、さらに好ましくは10/90〜60/40(例えば、15/85〜50/50)程度であってもよい。
なお、前記組成物における架橋性成分の割合は、反射防止膜形成用組成物(液)の保存安定性と上任意の厚みでの均一な膜形成性能とを考慮して、0.1〜20重量%(例えば、0.3〜15重量%)、好ましくは0.5〜10重量%(例えば、0.7〜8重量%)、さらに好ましくは1〜5重量%程度であってもよい。
(溶媒)
反射防止膜形成用組成物に含まれる溶媒は、前記反応性シリル基を有する架橋性成分を可溶な溶媒であれば特に限定はない。
用いる溶媒は、架橋性成分の種類によって適宜選択すればよく、例えば、アルコール類(例えば、メタノール、エタノール、2−プロパノール、ブタノールなどの直鎖状または分岐鎖状C1−4アルコール類など)、ケトン類(例えば、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン(MIBK)などの脂肪族ケトン類、シクロヘキサノンなどの脂環族ケトン類、ジアセトンアルコールなどのジケトン類など)、エステル類(例えば、酢酸エチル、酢酸ブチルなどの酢酸エステル類、乳酸エチルなど)、セロソルブ類(例えば、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、セロソルブアセテートなど)、エーテル類(例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテルなど)などが挙げられる。これらの溶媒は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらのうち、アルコール類、MEKやMIBKなどのケトン類が好ましく、2−プロパノールなどのC1−3アルコール類、MIBKなどの脂肪族ケトン類がより好ましい。特に、安全性、環境適性と均一塗工性、塗工乾燥速度などを両立する溶媒として、2−プロパノールが好ましい。
溶媒の添加量は、架橋性成分を実質的に溶解できる量以上であればよく、通常、架橋性成分1重量部に対して、例えば、30〜100重量部、好ましくは35〜75重量部(例えば、35〜65重量部)、さらに好ましくは40〜60重量部(例えば、45〜55重量部)程度であってもよい。
(潤滑剤)
反射防止膜形成用組成物に含まれる潤滑剤(又は滑剤)は、組成物を構成する溶媒に対する溶解度が0.001〜10重量%程度である。本明細書における「溶解度」とは、25℃での溶液中における潤滑剤の濃度(重量%)を意味する。用いる溶媒に対する潤滑剤の溶解度は、好ましくは0.005〜8重量%程度、さらに好ましくは0.01〜5重量%程度である。潤滑剤の溶解度がこの範囲より小さいと、形成される膜の滑り性が向上せず、膜強度が十分でなくなるおそれがある。逆に、この範囲を超えると潤滑剤が架橋性成分同士の架橋を阻害し、膜強度が十分でなくなるおそれがある。
潤滑剤は、通常樹脂組成物にて潤滑剤として用いられるもののうち、上記溶解度を満たすものであれば特に限定はなく、例えば、シリコーンオイル(例えば、ポリオルガノシロキサン(例えば、ポリジメチルシロキサン、ポリジエチルシロキサン、ポリジフェニルシロキサン、ポリメチルフェニルシロキサン、アルキル変性ポリジメチルシロキサン等)など)、天然ワックス(例えば、カルナウバワックス、キャンデリラワックス、ホホバ油、ライスワックス、木ろう、蜜ろう、ラノリン、鯨ろう、モンタンワックス等)、石油ワックス(例えば、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス等)、合成ワックス(例えば、ポリエチレンワックス、フィッシャー・トロプシュワックス等)、高級脂肪酸アミド(例えば、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、N,N'−アルキレンビスステアリン酸アミド(例えば、N,N'−メチレンビスステアリン酸アミド、N,N'−エチレンビスステアリン酸アミド等)など)、高級脂肪酸エステル(例えば、ステアリン酸メチル、ステアリン酸ブチル、グリセリンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート等)、高級脂肪酸金属塩(例えば、ステアリン酸亜鉛等)、フッ素系潤滑剤(例えば、直鎖型パーフルオロポリエーテル、側鎖型パーフルオロポリエーテル等)およびその誘導体(例えば、アルコール変性パーフルオロポリエーテル、イソシアネート変性パーフルオロポリエーテル等)などを挙げることができる。
また、シリコーンオイルは、反応性シリコーンオイルと非反応性シリコーンオイルとに分類され、非反応性シリコーンオイルとしては、例えば、ジメチルシリコーンオイル、フェニルメチルシリコーンオイル、アルキル・アラルキル変性シリコーンオイル、フルオロシリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、脂肪酸エステル変性シリコーンオイルなどが挙げられる。反応性シリコーンオイルとしては、例えば、メチル水素シリコーンオイル、シラノール基含有シリコーンオイル、アルコキシ基含有シリコーンオイル、フェノール基含有シリコーンオイル、メタクリル変性シリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、カルボン酸変性シリコーンオイル、カルビノール変性シリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイル、メルカプト変性シリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイルなどが挙げられる。これらシリコーンオイルは単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。また、反応性シリコーンオイルは、必要に応じて他の官能基が導入されていてもよい。
パラフィンとしては、炭素数10〜30程度、好ましくは15〜25程度、より好ましくは20〜25程度のパラフィンを主成分とするパラフィンが挙げられ、例えば、流動パラフィン、固体パラフィン(固形パラフィン)などが挙げられる。固体パラフィンの融点は、例えば、25〜80℃、好ましくは30〜75℃、さらに好ましくは35〜70℃程度であってもよい。これらのパラフィンは単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
潤滑剤としてこれら成分を単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。潤滑剤としては、パラフィン(室温で液体又は固体のパラフィン)が好ましく、特に流動パラフィン、融点45℃以下(例えば、30〜40℃程度)の固体パラフィンが好ましい。
なお、潤滑剤は、前記組成物において、通常の温度[例えば、室温(15〜25℃程度)]下で、前記組成物を用いて塗膜を形成する際(又は塗布時)に、前記溶媒に溶解していればよい。例えば、溶媒(塗布温度)に対する溶解度が0.1重量%である潤滑剤を用いる場合、潤滑剤の添加量は溶媒100重量部に対して、0.1重量部以下である。この具体例において、溶媒100重量部に対する潤滑剤の割合が0.1重量部より大きいことは、溶解度を超えることと同一であり、結果として潤滑剤の一部を溶解できない。このような反射防止膜形成用組成物を用いて膜を形成した場合、潤滑剤が均一とならず、膜の滑り性を向上させることができず、膜強度も低下するおそれがある。
前記組成物において、潤滑剤の割合は、前記架橋性成分100重量部に対して、例えば、0.5〜10重量部程度、好ましくは0.75〜7.5重量部程度、さらに好ましくは1〜5重量部程度であってもよい。
また、前記組成物において、前記溶媒に対する潤滑剤の割合は、潤滑剤の溶解度に応じて選択でき、前記溶媒100重量部に対して、例えば、0.001〜10重量部(例えば、0.002〜8重量部)、好ましくは0.003〜5重量部(例えば、0.005〜3重量部)、さらに好ましくは0.008〜2重量部(例えば、0.01〜1重量部)、特に0.01〜0.5重量部(例えば、0.015〜0.3重量部)であってもよい。
さらに、前記組成物における潤滑剤の割合は、膜(反射防止膜)形成後の固形分換算で、例えば、0.2〜15重量%、好ましくは0.3〜12重量%(例えば、0.5〜10重量%)、さらに好ましくは0.6〜7重量%、特に0.8〜5重量%程度であってもよい。
なお、本発明の反射防止膜形成用組成物は、架橋性成分、溶媒および潤滑剤以外に、本発明の目的を阻害しない添加剤を含んでいてもよい。このような添加剤としては、例えば、酸化防止剤、紫外線吸収剤、レベリング剤、消泡剤などが挙げられる。これら添加剤は公知のものを用いればよい。
このような本発明の組成物は、反射防止膜を形成するための組成物として有用であり、通常、前記架橋性成分の反応により架橋し、低屈折率組成物を形成可能である。
(反射防止膜)
本発明の反射防止膜は、前記反射防止膜形成用組成物で形成されており、通常、基材と、この基材に形成された前記組成物とで構成されている。そして、前記組成物は、反射防止膜において、前記のように、通常、前記架橋性成分が反応により架橋した低屈折率組成物を形成している。このような反射防止膜は、例えば、前記反射防止膜形成用組成物を基材に塗布し、乾燥させた後、前記架橋性成分を反応(通常、加水分解反応)により架橋させることにより得ることができる。
なお、本発明では、前記組成物(又は反射防止塗料)を用いることにより、耐擦傷性の良好な低屈折率の反射防止膜が得られる。すなわち、前記反射防止膜形成用組成物(反射防止用塗料)を基材に塗布すると、乾燥により溶媒が蒸発し、架橋性成分(低屈折率組成物前駆体)および潤滑剤が濃縮されていく。そして、通常、まず潤滑剤の濃度が溶解度を超えるか、もしくは溶解度に近くなるため、潤滑剤が被膜(塗膜)の表面に析出する。そして、架橋性成分同士が架橋され、低屈折率組成物で構成された強固な被膜が形成される。詳細には、形成された被膜において、潤滑剤は被膜(塗膜)の表面に析出して比較的多く偏在するため、十分な滑り性が得られる。また、架橋性成分(低屈折率組成物前駆体)が架橋する時には潤滑剤がすでに被膜表面に析出しているため、潤滑剤によって架橋が阻害されず、その結果、強固な被膜(塗膜)を形成することができ、また潤滑剤の混入による屈折率の上昇も少ない。
なお、架橋性成分の架橋(加水分解縮合)は、前記組成物に加えて、縮合反応を促進するための触媒[水、酸触媒(例えば、硫酸などのルイス酸)]の存在下で行ってもよい。このような触媒は、塗布前の前記組成物に添加してもよく、塗布後の塗膜に対して適用してもよい。
本発明の反射防止膜形成用組成物(反射防止塗料)を塗布又は塗工する基材としては、用途に応じて適宜選択でき、例えば、光透過性樹脂[例えば、セルロースエステル系樹脂(トリアセチルセルロース、セルロールアセテートブチレートなど)、ポリエステル系樹脂(ポリエチレンテレフタレートなど)、ポリカーボネート樹脂、アクリル系樹脂(例えば、ポリメタクリル酸メチルなどのメタクリル酸メチルを主成分とする樹脂)、スチレン系樹脂(ポリスチレン、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体など)など]で形成されたフィルム(透光性フィルム)、ガラスなどが挙げられる。なお、基材(又は基材フィルム)は、ハードコート処理されていてもよい。また、ハードコート処理に形成されたハードコート層は、平滑であってもよく、表面に微小な凹凸を設けたアンチグレア層であってもよい。ハードコート処理は、例えば、光重合性化合物[例えば、多官能(メタ)アクリレート、ポリウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル系化合物]を、基材フィルムに塗布して、紫外線などの光を照射して硬化させて行うことができる。
なお、前記組成物と基材との密着性を強化するため、基材には、表面処理(例えば、アミノシランカップリング剤、エポキシシランカップリング剤などのカップリング剤による表面処理;アミノ基、エポキシ基などの官能基を有するシリコーンプライマーによる表面処理;コロナ放電処理、紫外線処理などの活性エネルギー線処理など)を施してもよい。
反射防止膜の平均厚み(均厚み)は、用途に応じて、例えば、0.01〜1μm、好ましくは0.01〜0.5μm(例えば、0.02〜0.3μm程度)、さらに好ましくは0.05〜0.2μm程度であってもよい。また、本発明の反射防止膜は、本発明の効果が発揮できる限り、単層であっても、複数の層が積層してもよく、積層する場合、各層の厚みは上記範囲内で調整すればよい。
本発明の反射防止膜の屈折率は、基材の種類にもよるが、良好な反射防止効果を発揮するという観点から、例えば、1.45以下(例えば、1.25〜1.44程度)、好ましくは1.42以下(例えば、1.30〜1.41)、さらに好ましくは1.40以下(例えば、1.37〜1.39)程度であってもよい。
前記組成物の塗布方法としては、特に限定されないが、例えば、ディップコート法、ロールコート法、スプレーコート法、グラビアコート法、コンマコート法、ワイヤーバーコート法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、フローコート法、スピンコート法などが採用できる。
反射防止膜形成用組成物の塗布後、被膜(塗膜)には、通常、溶媒を除去するため、室温(15〜25℃程度)又は加温下で乾燥処理を施してもよい。
塗膜を構成する架橋性成分の架橋は、通常、加熱下で行ってもよく、加熱温度は、通常、80〜250℃程度、好ましくは100〜200℃程度、さらに好ましくは120℃〜180℃程度であってもよい。また、加熱時間は、架橋性成分の種類などに応じて適宜調整できる。
本発明は、光反射防止膜として種々の基材表面に有効に適用できる。例えば、液晶表示装置(LCD)、陰極管表示装置(CRT)、プラズマディスプレイ(PDP)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)などの方式のディスプレイなどの表示材料、光学レンズ、光学フィルム、めがねレンズ、光ファイバーのクラッド材料、導光板などの光学部品、防音板、看板、標識などの建築材料、水槽、自動車計器カバー、太陽電池カバー、ショーウィンドウガラスなどの表面に外光の映り込み防止などを目的として利用できる。
以下に、実施例、参考例および比較例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
なお、表1中、IPAは2−プロパノール(イソプロピルアルコール)を、MIBKはメチルイソブチルケトンを示す。
参考例1
酢酸プロピオン酸セルロース(イーストマンケミカル社製CAP482−20)4.0重量部と、反応性オリゴマー(ダイセルUCB製サイクロマーP)8.3重量部と、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA)19.7重量部と、反応開始剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、「イルガキュア184」)1.25重量部とを混合溶媒(メチルエチルケトン/ブタノール=7.5/2.5(重量比))68重量部に溶解し、透明で均一な溶液を作製した。この溶液をワイヤーコー夕―#50で80μm厚のトリアセチルセルロースフィルム(富士写真フイルム(株)製、「TD80」)上に塗布し、室温にて5分間、さらに80℃のオーブンで2分間乾燥することにより、相分離による微細な凹凸をコート表面に形成した。この膜にメタルハライドランプからの紫外線を約30秒間照射し、膜を硬化させ、ハードコート性の防眩フィルム(基材フィルムA)を作製した。
参考例2
特開2001−187864号公報の実施例5と同様にして、ビス(トリエトキシシリル)エタン加水分解オリゴマー(ポリエチレン換算の平均分子量1500)を調製した。
比較例1
架橋性成分としての、参考例2で調製したビス(トリエトキシシリル)エタン加水分解オリゴマー1.4重量部およびテトラエトキシシラン0.6重量部を、溶媒としての2−プロパノール94重量部に溶解し、この溶液に触媒としての水2.99重量部および硫酸0.1重量部を投入して塗料Bを作製した。
基材フィルムA上に、塗料Bをワイヤーバーコーター(6番)を用いて塗布し、室温にて乾燥した後、140℃のオーブン中に2分間入れて加熱することにより、加水分解(縮合)を進行させ、反射防止膜B(膜厚:0.12μm)を作製した。
比較例2
架橋性成分としての、参考例2で調製したビス(トリエトキシシリル)エタン加水分解オリゴマー1.4重量部、ビス(トリエトキシシリル)テトラフルオロエタン0.3重量部およびテトラエトキシシラン0.3重量部を、溶媒としての2−プロパノール94重量部に溶解し、触媒としての水2.99重量部および硫酸0.01重量部を投入して塗料Cを作製した。
基材フィルムA上に、塗料Cをワイヤーバーコーター(6番)を用いて塗布し、室温にて乾燥した後、140℃のオーブン中に2分間入れ加熱することにより、加水分解(縮合)を進行させ、反射防止膜C(膜厚:0.2μm)を作製した。
実施例1
塗料B100重量部に、2−プロパノールに対する溶解度が2重量%の流動パラフィン(Aldrich製試薬)を0.08重量部投入し20分間攪拌して塗料Dを作製した。なお、流動パラフィンの塗料中の濃度は0.08重量%であり、溶解度以下である。
塗料Dを用いた他は、比較例2と同様にして、反射防止膜D(膜厚:0.12μm)を作製した。
実施例2
塗料C100重量部に、2−プロパノールに対する溶解度が2重量%の流動パラフィン(Aldrich製試薬)を0.08重量部投入し20分間攪拌して塗料Eを作製した。なお、流動パラフィンの塗料中の濃度は0.08重量%であり、溶解度以下である。
塗料Eを用いた他は、比較例2と同様にして、反射防止膜E(膜厚:0.09μm)を作製した。
実施例3
塗料B100重量部に、2−プロパノールに対する溶解度が8重量%の流動パラフィン(関東化学製試薬)を0.08重量部投入し20分間攪拌して塗料Fを作製した。なお、流動パラフィンの塗料中の濃度は0.08重量%であり、溶解度以下である。
塗料Fを用いた他は、比較例2と同様にして、反射防止膜F(膜厚:0.20μm)を作製した。
比較例3
塗料B100重量部に、2−プロパノールに対する溶解度が約35重量%の流動パラフィン(出光石油化学製S−32)を0.08重量部投入し20分間攪拌して塗料Gを作製した。なお、流動パラフィンの塗料中の濃度は0.08重量%であり、溶解度以下である。
塗料Gを用いた他は、比較例2と同様にして、反射防止膜G(膜厚:0.10μm)を作製した。
比較例4
2−プロパノールに対する溶解度が20重量%の流動パラフィン(出光石油化学製、S−10)を用いた他は、比較例3と同様にして塗料Hを作製した。
塗料Hを用いた他は、比較例2と同様にして、反射防止膜H(膜厚:0.10μm)を作製した。
比較例5
架橋性成分としての、参考例2で調製したビス(トリエトキシシリル)エタン加水分解オリゴマー1.4重量部およびテトラエトキシシラン0.6重量部を、溶媒としてのメチルイソブチルケトン94重量部に溶解し、触媒としての水2.99重量部および硫酸0.01重量部を投入した。これに、メチルイソブチルケトンに対する溶解度が約100重量%のシリコーンオイル(GE東芝シリコーン製、「TSE3062(A)」)を0.08重量部投入し20分間攪拌して塗料Iを作製した。なお、シリコーンオイルの塗料中の濃度は0.08重量%であり、溶解度以下である。
塗料Iを用いた他は、比較例2と同様にして、反射防止膜I(膜厚:0.13μm)を作製した。
実施例4
塗料B100重量部に、2−プロパノールに対する溶解度が0.03重量%のパラフィン(関東化学(株)製、Standard n−paraffin C21−C25)を0.02重量部投入し20分間攪拌して塗料Jを作製した。なお、パラフィンの塗料中の濃度は0.02重量%であり、溶解度以下である。
塗料Jを用いた他は、比較例2と同様にして、反射防止膜J(膜厚:0.10μm)を作製した。
比較例6
パラフィンの投入量が0.08重量部であった他は、実施例4と同様にして塗料Kを作製し、さらに、反射防止膜Kを作製した。ただし、反射防止膜Kは均一な塗膜にはならなかった。
実施例5
架橋性成分としての、参考例2で調製したビス(トリエトキシシリル)エタン加水分解オリゴマー1.4重量部およびテトラエトキシシラン0.6重量部を、溶媒としてのメチルイソブチルケトン94重量部に溶解し、触媒としての水2.99重量部、硫酸0.01重量部を投入した。
これに、メチルイソブチルケトンに対する溶解度が3重量%の固体パラフィン(関東化学製、融点42〜44℃)を0.04重量部投入し20分間攪拌して塗料Lを作製した。なお、シリコーンオイルの塗料中の濃度は0.04重量%であり、溶解度以下である。
塗料Lを用いた他は、比較例2と同様にして、反射防止膜L(膜厚:0.12μm)を作製した。
(スチールウールを用いた耐擦傷性の評価)
実施例1〜5および比較例1〜6の反射防止膜上に、250g/cmの荷重をかけて#0000のスチールウールを10往復させ、傷のつき方から耐擦傷性を以下のように評価した。
◎:傷が目立たない(ついていない)
○:傷が目立たない(ほとんどついていない)
×:傷が目立つ
××:傷が極めて多く、よく目立つ。
結果を表1に示す。
Figure 2007169563
表1から明らかなように、比較例1では潤滑剤を使用していないので耐擦傷性が悪い。また、比較例2では、架橋性成分の一部にフッ素置換した有機ケイ素化合物を用いたが、滑り性が若干向上したものの膜の強度が低下したため、結果として耐擦傷性は改善されなかった。
これに対して、実施例1〜3では、溶解度が0.001〜10重量%である潤滑剤を、溶解度よりも少ない量で、しかも膜固形分に対して0.5〜10重量%の割合で用いることにより、滑り性が向上し、耐擦傷性が優れている。また、実施例1および2は、実施例3より潤滑剤の溶解度が低いため、潤滑剤が溶媒の乾燥時に効率的に膜表面に析出して偏在したため、実施例3より耐擦傷性に優れていると考えられる。実施例4および5も、実施例1〜3と同様の理由により耐擦傷性に優れていると考えられる。
一方で、比較例3〜5は、潤滑剤の溶解度が高いため、潤滑剤が膜表面に析出せず耐擦傷性が低下すると考えられる。比較例6は、潤滑剤の割合が溶解度以上であったため、均一な薄膜が形成されず耐擦傷性が悪化した。

Claims (11)

  1. 反応性シリル基を有する架橋性成分と、この架橋性成分を可溶な溶媒と、この溶媒に対する溶解度が0.001〜10重量%である潤滑剤とを含む反射防止膜形成用組成物であって、前記溶媒に対して実質的に溶解した割合で潤滑剤を含む組成物。
  2. 架橋性成分が、テトラアルコキシシラン類およびビス(トリアルコキシシリル)アルカン類から選択された少なくとも1種で構成されている請求項1記載の組成物。
  3. 潤滑剤がパラフィンで構成されている請求項1記載の組成物。
  4. 潤滑剤の割合が、反応性シリル基を有する架橋性成分100重量部に対して0.5〜10重量部である請求項1記載の組成物。
  5. 潤滑剤の割合が、溶媒100重量部に対して0.01〜1重量部である請求項1記載の組成物。
  6. 潤滑剤の割合が、膜形成後の固形分換算で、0.5〜10重量%である請求項1記載の組成物。
  7. 反応性シリル基を有する架橋性成分の反応により架橋し、低屈折率組成物を形成可能である請求項1記載の組成物。
  8. 請求項1記載の反射防止膜形成用組成物で形成された反射防止膜。
  9. 反応性シリル基を有する架橋性成分の反応により架橋した低屈折率組成物が形成されている請求項8記載の反射防止膜。
  10. 平均厚みが0.01〜0.5μmである請求項8記載の反射防止膜。
  11. 請求項1記載の反射防止膜形成用組成物を基材に塗布し、反応性シリル基を有する架橋性成分の反応により架橋させて請求項8記載の反射防止膜を形成する方法。
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