JP2007169188A - 新規安息香酸ベンジル誘導体及び医薬 - Google Patents

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Abstract

【課題】アンジオテンシンII1型受容体拮抗剤、カルシウムチャンネル拮抗剤、血圧降下剤などとして作用する医薬を提供すること。
【解決手段】一般式(2)の安息香酸ベンジル誘導体。特に血圧降下剤として好適。
Figure 2007169188

(式(2)中、R1〜10は、水素、ハロゲン、保護基を有していても良い水酸基、アミノ基、保護基を有していても良いチオール基、ニトロ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、スルホ基並びに炭化水素基から選択される置換基からそれぞれ独立して選択される。但し、全てが水素原子である場合は除く。)
【選択図】なし

Description

本発明は、新規安息香酸ベンジル誘導体並びにその安息香酸ベンジル誘導体などを含有する主に血圧降下作用に特徴を有する医薬に関する。
レニン−アンジオテンシン系は、生体内における血圧、水分量、体内電解質バランスなどの恒常性調節系として重要な役割を持つ。主要な生理活性物質はアンジオテンシンIIである。
腎臓(傍糸球体)から分泌されるレニン(1種のたんぱく質分解酵素)は肝臓で生成されるレニン基質からアンジオテンシンI(前駆体デカペプチド)を生成する。その後、アンジオテンシンIはアンジオテンシン変換酵素(ACE)により強力な昇圧作用を有するアンジオテンシンII(オクタペプチド)に変換される。
アンジオテンシンIIの昇圧機序は末梢血管平滑筋へ直接作用するとともに血管運動中枢を介して中枢性にも作用する。また、バソプレッシン分泌作用や、より低濃度におけるアルドステロン分泌作用も間接的に昇圧作用に結びつき、全身血圧の上昇をきたすと考えられる。
アンジオテンシンIIは細胞膜上のアンジオテンシンII受容体、特に1型(AT1)を介して血管収縮作用を示す。従って、AT1 受容体を拮抗させることにより、血圧降下作用が期待できる。
レニン−アンジオテンシン系に作用する血圧降下剤としては、レニン阻害剤、ACE阻害剤(カプトプリル)、の他ペプチド性アンジオテンシンII拮抗剤(サララシン)、非ペプチド性アンジオテンシンII拮抗剤(ロサルタン)等が経口剤として臨床で用いられている。
カルシウムイオン(Ca2+)はすべての細胞と細胞外液に分布し、細胞の刺激応答反応において最も重要な細胞内情報伝達物質として応答反応発現に働いており、神経細胞の興奮、筋肉の収縮、ホルモンや消化酵素の分泌、ステロイド合成、糖や脂質の代謝、細胞増殖及び分化等、多くの細胞機能に関与している。従って、細胞内のCa2+濃度調節に異常が起こると種々の疾病を引き起こし、また疾病の治療には細胞内のCa2+濃度を整えることが有効である。細胞は細胞内のCa2+濃度を厳密にコントロールするために、細胞膜に存在するカルシウムチャンネル、カルシウムポンプ、または小胞体表面に存在するイノシトール三リン酸受容体、カルシウムポンプ等、種々の調節機構を準備している。このような細胞内情報伝達過程は複数の連鎖経路からなる場合もあり、一般に細胞ごとに異なって多様である。カルシウムチャンネル(特にL型)に拮抗作用を有する化合物は血管を拡張することにより血圧降下作用を示し、高血圧症の治療薬として臨床で使用されている。
一方、血圧降下剤は対症療法剤であることから長期間にわたる反復投与が要求され、患者の煩わしさ軽減の見地から1日1回経口投与法が一般的であるが、これに伴い投与量と薬効継続の調節、目まい等の不快感の発現、他の薬剤との相互作用、服用中断による影響などの問題点が存在するのが現状である。
従って、治療の現場では、長期間服用しても安全であり、かつ確実な効果を奏する薬剤の開発が常に望まれている。
安息香酸ベンジルは各種植物の成分として知られ、香料、抗疥癬剤、殺ダニ・シラミ剤としての用途が知られている。また、それら植物をいわゆるハーブとして用いた場合の血圧降下作用に関与しているとされるが、医薬品を指向してさらに検討された例は報告されていない。
安息香酸ベンジル誘導体は種々知られているが血圧降下剤としての用途が報告された例はない。また、安息香酸の2−ブロモベンジルエステルはこれまでに文献への報告を見ない新規化合物である。
本発明は、アンジオテンシンII1型受容体拮抗剤、カルシウムチャンネル拮抗剤、血圧降下剤などとして作用する医薬を提供することを解決すべき課題とする。また、それら医薬を探索・検討するなかで発見した新規安息香酸ベンジル誘導体を提供することを解決すべき課題とする。
本発明者らは、上記課題解決のため鋭意研究を重ねた結果、種々の安息香酸ベンジル誘導体のうち、新規化合物である2−ブロモベンジル安息香酸がインビトロでアンジオテンシンII1型受容体拮抗作用及びカルシウムチャンネル拮抗作用を示すこと、またグアニジノ関連構造を有するベンジルオキシカルボニル化合物がインビトロでの作用に加えてマウスを用いた動物試験において有意の血圧降下作用を示すことを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明の医薬は、下記一般式(2)の安息香酸ベンジル誘導体及び一般式(3)のカルボン酸ベンジル誘導体から選択される1以上の化合物である。特に、これら化合物は血圧降下剤として適用される。
Figure 2007169188
(式(2)中、R1〜10は、水素、ハロゲン、保護基を有していても良い水酸基、アミノ基、保護基を有していても良いチオール基、ニトロ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、スルホ基並びに炭化水素基(一部水素が、ハロゲン、保護基を有していても良い水酸基、アミノ基、保護基を有していても良いチオール基、ニトロ基、アシル基、アルコキシカルボニル基及びスルホ基から選択される1以上の基で置換されても良い)から選択される置換基からそれぞれ独立して選択される。但し、全てが水素原子である場合は除く。)
Figure 2007169188
(式(3)中、R1〜5は、水素、ハロゲン、保護基を有していても良い水酸基、アミノ基、保護基を有していても良いチオール基、ニトロ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、スルホ基並びに炭化水素基(一部水素が、ハロゲン、保護基を有していても良い水酸基、アミノ基、保護基を有していても良いチオール基、ニトロ基、アシル基、アルコキシカルボニル基及びスルホ基から選択される1以上の基で置換されても良い)から選択される置換基からそれぞれ独立して選択される。;Xは
Figure 2007169188
である。nは1以上;Xは*の部分に式(3)のC1で示す炭素原子が位置する。)
上記医薬を探索する過程で、下記式(1)で表される有用な新規安息香酸ベンジル誘導体(2−ブロモベンジル安息香酸)を発見した。この化合物は血圧降下剤として適用可能な化合物である。
Figure 2007169188
・一般式(2)の安息香酸ベンジル誘導体について
式中、R1〜10のうちの少なくとも1つは水素以外の置換基を有する。水素以外の置換基としては、ハロゲン、保護基を有していても良い水酸基、保護基を有しても良いアミノ基、保護基を有していても良いチオール基、ニトロ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、スルホ基並びに炭化水素基から選択できる。特に、ハロゲン、例えば臭素が挙げられる。
水酸基、アミノ基、チオール基の保護基である置換基としては特に限定しない。一般的な有機化学分野における反応が進行しないようにする本来の意味での保護基の他、プロドラッグ化のために導入する置換基が挙げられる。例えば、アセチル基、プロピオニル基、ピバロイル基、ベンゾイル基等のアシル基;メトキシカルボニル基、t-ブトキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基;ベンジルオキシカルボニル基等のアラルキルオキシカルボニル基;ベンジル基、ナフチルメチル基等のアリールメチル基;トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、ベンジルジメチルシリル基、t-ブチルジフェニルシリル基等のシリル基;アセトニド基;ヒドロキシメチル基、メトキシメチル基、エトキシエチル基等の低級アルコキシアルキル基が挙げられる。
アシル基は特に限定しないが、炭素数1〜5程度のものが挙げられる。アルコキシカルボニル基も特に限定しないが、炭素数1〜5程度のアルコールとのエステルが挙げられる。炭化水素基も特に限定しない。例えば、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基などが挙げられる。これらの炭化水素基は炭素数が1〜5程度であり、水素原子の一部乃至全部が置換されていても良い。フェニル基(一部水素が置換されたものも含む)を採用することもできる。
これら安息香酸ベンジル誘導体は対応する安息香酸誘導体及びベンジルアルコール誘導体をエステル化することで容易に合成できる。また、前駆体となる置換基を導入後、後反応により目的の置換基に変換することでも合成できる。
・一般式(3)のカルボン酸ベンジル誘導体について
式中R610が存在しない以外は一般式(2)における説明がすべて妥当する。更に、Xとしては上記(a)又は(b)に記載の置換基が採用される。ここで、置換基(a)におけるnは1以上であるが、好ましくはn=1〜3、より好ましくはn=1である。
以下に一般式(3)で表されるカルボン酸ベンジル誘導体のうち好ましいものを挙げる。下記式(4)はXが(a)、nが1、R1〜5が水素である4−オキソ−アゼチジン−2−カルボン酸ベンジルエステル(4-Oxo-azetidine-2-carboxylic acid benzyl ester)である。下記式(5)はXが(b)、R1〜5が水素である(イミノ−ピラゾール−1−イル−メチル)−カルバミン酸ベンジルエステル((Imino-pyrazol-1-yl-methyl)-carbamic acid benzyl ester)である。
Figure 2007169188
これらカルボン酸ベンジル誘導体は対応するカルボン酸誘導体及びベンジルアルコール誘導体をエステル化することで容易に合成できる。また、前駆体となる置換基を導入後、後反応により目的の置換基に変換することでも合成できる。
(試料の調製)
・R1〜10の各置換基を表1に示すものに変化させた安息香酸ベンジル誘導体を被検化合物とした。市販品のあるものは市販品を用い、ないものは合成した。合成方法は下記方法又は下記方法類似の方法にて行った。また、式(4)及び(5)の化合物も被検化合物とした(式(4)の化合物:ベンジル(S)-(-)-4−オキソ-2-アゼチジンカルボキシラート(Benzyl (S)-(-)-4-oxo-2-azetidine carboxylate)、式(5)の化合物:N−(ベンジルオキシカルボニル)−1H−ピラゾール−1−カルボキサミジン (N-(Benzyloxycarbonyl)-1H-pyrazole-1-carboxamidine))。
・2−ブロモベンジル安息香酸(一般式(2)におけるR1がBr、R2〜10が水素)の合成:
ナス型フラスコに2−ブロモベンジルアルコール(238mg、1.28mmol)を採り、系内を窒素雰囲気下とした後、ピリジン(6.4mL)に溶解し、0℃に冷却した。これに塩化ベンゾイル(165μL、1.41mmol)を加え、50分間撹拌した。反応液に蒸留水10mLを加え、5分後室温に戻した。これを10mLのn−ヘキサンで3回抽出し、有機層を合わせて飽和塩化ナトリウム水溶液10mLで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(10g、n−ヘキサン/酢酸エチル=50/1から25/1)により精製して2−ブロモベンジル安息香酸345.1mg(回収率92.6%)を白色固体として得た。
なお、出発物質としての2−ブロモベンジルアルコールに代えて、対応する構造をもつ化合物を採用することで目的の化合物が合成できる(例えば、3−ブロモベンジルアルコールを採用すると、2−ブロモベンジル安息香酸が合成できる)。
分子式:C14112Br(mw=291)、1H−NMR(400MHz、CDCl3)及び13C−NMR(100MHz、CDCl3)のそれぞれについて測定したスペクトルを図1及び2に示す。
・3−アミノベンジル安息香酸(トリフルオロ酢酸塩)、(一般式(2)におけるR2がアミノ基、R1、3〜10が水素)の合成:
ナス型フラスコに3−アミノベンジルアルコール(201.1mg、1.62mmol)を採り、系内を窒素雰囲気下とした後、1,4−ジオキサン(1.5mL)、蒸留水1.5mL、及び1N水酸化ナトリウム水溶液1.6mLの混合液に溶解した。これにジ−t−ブチルジカルボネート((Boc)2O、529.2mg、2.43mmol)を加え、6時間撹拌した。反応液を減圧濃縮して溶媒をできるだけ留去し、6mLの酢酸エチルで3回抽出した。有機層を合わせて飽和塩化ナトリウム水溶液10mLで洗浄し、溶媒を留去した後、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(10g、n−ヘキサン/酢酸エチル=5/1から1/1)により精製して、アミノ基が保護された3−アミノベンジルアルコール(422.5mg)を得た。
ナス型フラスコに上記のアミノ基が保護された3−アミノベンジルアルコール(258.5mg、1.16mmol)を採り、系内を窒素雰囲気下とした後、ピリジン(5.8mL)に溶解し、0℃に冷却した。これに塩化ベンゾイル(150μL、1.28mmol)を加え、1時間撹拌した。反応液に蒸留水10mLを加え、3分後室温に戻した。これを10mLの酢酸エチルで3回抽出し、有機層を合わせて飽和塩化ナトリウム水溶液10mLで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(10g、n−ヘキサン/酢酸エチル=25/1から0/1)により精製してアミノ基が保護された3−アミノベンジル安息香酸(199.6mg)を白色固体として得た。
ナス型フラスコに上記のアミノ基が保護された3−アミノベンジル安息香酸(40.8mg、0.12mmol)を採り、系内を窒素雰囲気下とした後、ジクロロメタン(0.3mL)に溶解し、0℃に冷却した。これにトリフルオロ酢酸0.3mLを加え、15分間撹拌した。反応液を減圧濃縮し、3−アミノベンジル安息香酸(トリフルオロ酢酸塩)を51.4mg、褐色固体として得た。
(アンジオテンシンII1型受容体への作用評価試験)
アンジオテンシンII1型受容体発現遺伝子を導入したヒト胎児腎細胞(mAT1a(HA)/293―T)を用いて試験を行った。試験は、アンジオテンシンII添加による細胞内カルシウムイオン濃度の変化(被検化合物を200μg/mL、20μg/mL、2μg/mL添加した場合の応答率を試料を添加しない場合を100%として表す)を測定し、被験化合物のアンジオテンシンII1型受容体への作用を評価した。
具体的には、10%FCS/DMEM(0.1mg/mL相当のHygromycinB添加)培地で培養した上記細胞を遠心分離操作により集め、蛍光試薬であるFura―2AMの1mM(DMSO)溶液40μLを加えたHEPES/Hanks緩衝液(0.1%BSA添加)10mLに懸濁した後、37℃で1時間静置して細胞内に蛍光試薬(Fura―2AM)を吸収させ、続いて細胞内で加水分解により遊離のFura―2へと変換させた。遠心分離操作により集めた細胞を再び0.1%BSA添加HEPES/Hanks緩衝液に約100万〜200万個/mLの濃度で懸濁させた。
この懸濁液を0.5mLキュベットにとり、蛍光光度計にセットして、被験化合物(接触濃度の100倍濃度のMeOH溶液)を5μL添加した。その後、10-5〜10-7MのアンジオテンシンII/HEPES/Hanks緩衝液(0.1%BSA添加)を5μl添加した。この時、励起波長340nm及び380nmでの500nmの蛍光を測定し、その蛍光強度比(340/380)を求めた。何も添加しないときの蛍光強度比(340/380)をA0、次いでアンジオテンシンIIのみ添加後の最高蛍光強度比(340/380)をBとし、(B−A0)を対照とした(応答率100%)。試料を添加する前の蛍光強度比(340/380)をA1、被験化合物、次いでアンジオテンシンII添加後の最高蛍光強度比(340/380)をDとし、(D−A1)の(B−A0)に対する割合を被験化合物の応答率(%)としてアンジオテンシンII1型受容体に対する拮抗作用を評価した。即ち、被験化合物の応答率が小さいほど同拮抗作用が強いことを示した。尚、被験化合物のみ添加したときの蛍光強度比(340/380)をCとした場合、(C−A1)の(B−A0)に対する割合を被験化合物の変化率(%)とした。
また、本試験条件下では、血圧降下剤として臨床で用いられている非ペプチド性アンジオテンシンII拮抗剤、ニューロタン錠の有効成分であるロサルタンは接触濃度0.01μg/mLで約24.3%の応答率を示した。なお、応答率が50%以下であれば、細胞内へのカルシウムイオンの流入が阻害されており、アンジオテンシンII1型受容体拮抗作用が生じていると考えられる。結果を表1に示す。
Figure 2007169188
表1に示した化合物はすべて、応答率を低下させていることが明らかになった。特に、化合物1〜11及び式(5)の化合物が応答率低下作用が大きかった。接触濃度200μg/mLにおける結果から、化合物1〜5及び7〜11の応答率低下作用が特に大きいことが明らかになった。そのなかでも化合物1〜4、7及び8が、更には化合物1〜3が大きな応答率低下作用を示すことが明らかになった。また、接触濃度20μg/mLの結果からは化合物1、3及び11並びに式(5)の化合物が大きな応答率低下作用を示すことが明らかになった。特に化合物11は、0.2μg/mLにおいても有意の阻害活性が見られた。
また、R2がBrである安息香酸ベンジル誘導体についてアンジオテンシンII1型受容体(210020 Angiotensin AT1)及びアンジオテンシンII2型受容体(210110 Angiotensin AT2)の阻害活性測定を外部機関(MDSPS)に依頼した。その結果、アンジオテンシンII1型受容体の阻害活性が300μMで72%、100μMで50%、アンジオテンシンII2型受容体の阻害活性が300μMで23%、100μMで10%であり、アンジオテンシンII1型受容体を選択的に阻害していることが明らかとなった。
(経口投与動物試験)
被験化合物の血圧降下作用を経口投与による動物試験で検証した。被検化合物としては式(5)に記載の化合物を採用した。6週齢のddYマウスをコントロール群とサンプル投与群の4群に分けた(1群5匹)。被験化合物50mg/kg、5mg/kg、0.5mg/kgを経口投与した30分後に1回目の収縮期血圧を測定した。その直後にアンジオテンシンII100μg/kg腹腔内投与して、4分後に2回目の収縮期血圧を測定した。結果を図3に示す。
被験試料を経口投与しないコントロール群においては、アンジオテンシンIIを腹腔内投与することにより有意に血圧が上昇した。一方、被検化合物を経口投与した群においては、投与量の増加に伴い血圧上昇の抑制効果が大きくなった。この結果より、被検化合物の優れた血圧降下作用が確認された。
本発明の医薬及び式(1)で表される新規安息香酸ベンジル誘導体は血圧降下剤として有用である。
式(1)に示す化合物の1H−NMRのスペクトルを示す図である。 式(1)に示す化合物の13C−NMRのスペクトルを示す図である。 動物試験において被検化合物が血圧上昇を抑制する効果を示したグラフである。

Claims (4)

  1. 下記式(1)で表される安息香酸ベンジル誘導体。
    Figure 2007169188
  2. 下記一般式(2)で表される安息香酸ベンジル誘導体を有効成分として含有することを特徴とする医薬。
    Figure 2007169188
    (式(2)中、R1〜10は、水素、ハロゲン、保護基を有していても良い水酸基、アミノ基、保護基を有していても良いチオール基、ニトロ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、スルホ基並びに炭化水素基(一部水素が、ハロゲン、保護基を有していても良い水酸基、アミノ基、保護基を有していても良いチオール基、ニトロ基、アシル基、アルコキシカルボニル基及びスルホ基から選択される1以上の基で置換されても良い)から選択される置換基からそれぞれ独立して選択される。但し、全てが水素原子である場合は除く。)
  3. 下記一般式(3)で表されるカルボン酸ベンジル誘導体を有効成分として含有することを特徴とする医薬。
    Figure 2007169188
    (式(3)中、R1〜5は、水素、ハロゲン、保護基を有していても良い水酸基、アミノ基、保護基を有していても良いチオール基、ニトロ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、スルホ基並びに炭化水素基(一部水素が、ハロゲン、保護基を有していても良い水酸基、アミノ基、保護基を有していても良いチオール基、ニトロ基、アシル基、アルコキシカルボニル基及びスルホ基から選択される1以上の基で置換されても良い)から選択される置換基からそれぞれ独立して選択される。;Xは
    Figure 2007169188
    である。nは1以上;Xは*の部分に式(3)のC1で示す炭素原子が位置する。)
  4. 血圧降下作用を発揮する血圧降下剤である請求項2又は3に記載の医薬。
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