JP2007168250A - 液体吐出装置及び液体吐出方法 - Google Patents

液体吐出装置及び液体吐出方法 Download PDF

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Abstract

【課題】信号線の数を減らした液体吐出装置を提供すること。
【解決手段】本発明では、液体滴を吐出させるための駆動信号を生成する駆動信号生成部と、移動可能なヘッドに設けられ、駆動信号に応じて液体滴を吐出させる液体吐出部と、ヘッドとともに移動し、駆動信号の液体吐出部への印加を制御する制御部と、駆動信号生成部と液体吐出部との間で駆動信号を伝送する接続線と、ヘッドの温度に応じた信号を出力するセンサと、を備える。そして、センサが所定の温度より高い温度を示す信号を出力したとき、制御部は、接続線を介して伝送された駆動信号の液体吐出部への印加を遮断する、液体吐出装置を提供する。
【選択図】図13

Description

本発明は、液体吐出装置及び液体吐出方法に関する。
ヘッドから液体を吐出する液体吐出装置には、媒体に対して移動するヘッドと本体側のコントローラとの間をフラットケーブルで接続したものがある。フラットケーブルを介して伝送される信号としては、例えば、本体側のコントローラからヘッドへ伝送されるヘッドの制御信号や、ヘッドから本体側のコントローラへと伝送されるヘッドの異常信号がある。そして、最近の液体吐出装置では、フラットケーブルが含む信号線の数が増える傾向にある。
特開2004−90501号公報
信号線が増加すると、これらを収容するフラットケーブルの幅が広くなったり厚みが増したりすることとなり、ヘッドを移動させるためのモータの負荷が増加する。また、信号線が増加すると、他の信号線に対して干渉を起こすなどの不具合を発生させる可能性も増加する。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、フラットケーブルが含む信号線の数を減らした液体吐出装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための主たる発明は、
液体滴を吐出させるための駆動信号を生成する駆動信号生成部と、
移動可能なヘッドに設けられ、前記駆動信号に応じて液体滴を吐出させる液体吐出部と、
前記ヘッドとともに移動し、前記駆動信号の前記液体吐出部への印加を制御する制御部と、
前記駆動信号生成部と前記液体吐出部との間で前記駆動信号を伝送する接続線と、
前記ヘッドの温度に応じた信号を出力するセンサと、
を備え、前記センサが所定の温度より高い温度を示す信号を出力したとき、前記制御部は、前記接続線を介して伝送された前記駆動信号の前記液体吐出部への印加を遮断する、液体吐出装置である。
本発明の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
===開示の概要===
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも、以下の事項が明らかとなる。
液体滴を吐出させるための駆動信号を生成する駆動信号生成部と、
移動可能なヘッドに設けられ、前記駆動信号に応じて液体滴を吐出させる液体吐出部と、
前記ヘッドとともに移動し、前記駆動信号の前記液体吐出部への印加を制御する制御部と、
前記駆動信号生成部と前記液体吐出部との間で前記駆動信号を伝送する接続線と、
前記ヘッドの温度に応じた信号を出力するセンサと、
を備え、前記センサが所定の温度より高い温度を示す信号を出力したとき、前記制御部は、前記接続線を介して伝送された前記駆動信号の前記液体吐出部への印加を遮断する、液体吐出装置。
この液体吐出装置によれば、ヘッドの温度異常時に液体吐出部への駆動信号の印加を直接的に遮断する。このようにすることで、駆動信号の生成を停止させるために駆動信号生成部側にヘッドの異常を通知しなくてもよくなるため、通知するための信号線は不要となる。よって、信号線を減らした液体吐出装置を提供することができる。
かかる液体吐出装置であって、前記制御部は前記駆動信号の前記液体吐出部への印加を遮断するスイッチを備えることが望ましい。また、前記センサは、前記ヘッドの温度に応じた電圧を与える素子と、前記電圧と所定の電圧とを比較する比較器と、を含み、前記比較器の比較結果に基づいて前記スイッチを制御することが望ましい。また、前記接続線を流れる電流を計測する計測部と、前記計測部の計測結果に基づいて前記ヘッドの異常を判定する判定部と、をさらに備えることが望ましい。また、前記駆動信号生成部は、前記駆動信号の波形を規定する電圧信号を生成する信号生成部と、前記電圧信号を電力増幅して前記駆動信号を生成する増幅部と、を備えることが望ましい。また、前記計測部は、前記増幅部に流れる電流に基づいて前記接続線を流れる電流を計測することが望ましい。また、前記増幅部はNPN型トランジスタとPNP型トランジスタとを備え、前記NPN型トランジスタのエミッタ端子と、前記PNP型トランジスタのエミッタ端子とが接続されており、前記計測部は、前記NPN型トランジスタのコレクタ端子に流れる電流を計測することが望ましい。また、前記液体吐出部に印加する前記駆動信号の部分を規定する画素データを取得し、該画素データに基づいて前記接続線に流れる電流量を求める推定部をさらに備え、前記判定部は、前記計測部の計測結果と前記推定部が求めた電流量とに基づいて前記ヘッドの異常を判定することが望ましい。また、前記判定部は、前記推定部が求めた電流量と前記計測部の計測結果とを比較し、前記推定部が求めた電流量と前記計測結果との差が所定の範囲内にないとき、前記ヘッドに異常が生じていると判定することが望ましい。また、前記計測部は、NPN型トランジスタとPNP型トランジスタと抵抗とを含むことが望ましい。また、前記判定部は、前記駆動信号生成部に含まれており、前記接続線は、前記ヘッドの移動範囲において前記駆動信号生成部と前記液体吐出部との間で前記駆動信号を伝送可能であることが望ましい。これにより、フラットケーブルが含む信号線の数を減らした液体吐出装置を提供することができる。
液体滴を吐出させるための駆動信号を生成するステップと、
前記駆動信号の液体吐出部への印加を制御するステップと、
前記駆動信号に応じて液体滴を吐出させるステップと、
前記液体吐出部を含むヘッドの温度に応じた信号を出力するステップと、
前記ヘッドの温度に応じた信号が所定の温度より高い温度を示す信号であるとき、前記駆動信号の前記液体吐出部への印加を遮断するステップと、
を含む液体吐出方法。
この液体吐出方法によれば、フラットケーブルが含む信号線を減らすことができる。
===印刷システムの構成===
<全体構成について>
図1は、印刷システム100の構成を説明する図である。例示した印刷システム100は、液体吐出装置としてのプリンタ1と、コンピュータ110とを含んでいる。具体的には、この印刷システム100は、プリンタ1と、コンピュータ110と、表示装置120と、入力装置130と、記録再生装置140とを有している。
プリンタ1は、用紙、布、フィルム等の媒体に画像を印刷する。なお、この媒体に関し、以下の説明では、代表的な媒体である用紙S(図3Aを参照。)を例に挙げて説明する。コンピュータ110は、プリンタ1と通信可能に接続されている。そして、プリンタ1に画像を印刷させるため、コンピュータ110は、その画像に応じた印刷データをプリンタ1に出力する。このコンピュータ110には、アプリケーションプログラムやプリンタドライバ等のコンピュータプログラムがインストールされている。表示装置120は、ディスプレイを有している。この表示装置120は、例えば、コンピュータプログラムのユーザーインタフェースを表示するためのものである。入力装置130は、例えば、キーボード131やマウス132である。記録再生装置140は、例えば、フレキシブルディスクドライブ装置141やCD−ROMドライブ装置142である。
===コンピュータの構成===
<コンピュータ110の構成について>
図2は、コンピュータ110、及びプリンタ1の構成を説明するブロック図である。まず、コンピュータ110の構成について簡単に説明する。このコンピュータ110は、前述した記録再生装置140と、ホスト側コントローラ111とを有している。記録再生装置140は、ホスト側コントローラ111と通信可能に接続されており、例えばコンピュータ110の筐体に取り付けられている。ホスト側コントローラ111は、コンピュータ110における各種の制御を行うものであり、前述した表示装置120や入力装置130も通信可能に接続されている。このホスト側コントローラ111は、インタフェース部112と、CPU113と、メモリ114とを有する。インタフェース部112は、プリンタ1との間に介在し、データの受け渡しを行う。CPU113は、コンピュータ110の全体的な制御を行うための演算処理装置である。メモリ114は、CPU113が使用するコンピュータプログラムを格納する領域や作業領域等を確保するためのものであり、RAM、EEPROM、ROM、磁気ディスク装置等によって構成される。このメモリ114に格納されるコンピュータプログラムとしては、前述したように、アプリケーションプログラムやプリンタドライバがある。そして、CPU113は、メモリ114に格納されているコンピュータプログラムに従って各種の制御を行う。
印刷データは、プリンタ1が解釈できる形式のデータであって、各種のコマンドデータと、画素データSI(図5を参照。)とを有する。コマンドデータとは、プリンタ1に特定の動作の実行を指示するためのデータである。このコマンドデータには、例えば、給紙を指示するコマンドデータ、搬送量を示すコマンドデータ、排紙を指示するコマンドデータがある。また、画素データSIは、印刷される画像の画素に関するデータである。ここで、画素とは、用紙上に仮想的に定められた方眼状の升目であり、ドットが形成される領域を示す。そして、印刷データにおける画素データSIは、用紙上に形成されるドットに関するデータ(例えば、階調値)である。本実施形態において、画素データSIは2ビットのデータによって構成されている。すなわち、この画素データSIには、ドット無しに対応するデータ[00]と、小ドットに対応するデータ[01]と、中ドットの形成に対応するデータ[10]と、大ドットに対応するデータ[11]とがある。従って、このプリンタ1は4階調でドットの形成ができる。
===プリンタの構成===
<プリンタ1の構成について>
次に、プリンタ1の構成について説明する。ここで、図3Aは、プリンタ1の構成を示す図である。図3Bは、プリンタ1の構成を説明する側面図である。なお、以下の説明では、図2も参照する。
図2に示すように、プリンタ1は、用紙搬送機構20、キャリッジ移動機構30、ヘッドユニット40、検出器群50、プリンタ側コントローラとしてのASIC60、駆動信号生成回路70、及びフラットケーブル90を有する。なお、本実施形態において、ASIC60及び駆動信号生成回路70は、共通のコントローラ基板CTRに設けられている。また、ヘッドユニット40は、ヘッド制御部HCと、ピエゾ素子417とを有している。
このプリンタ1では、ASIC60によって制御対象部、すなわち用紙搬送機構20、キャリッジ移動機構30、ヘッドユニット40、及び駆動信号生成回路70が制御される。これにより、ASIC60は、コンピュータ110から受け取った印刷データに基づき、用紙Sに画像を印刷させる。また、検出器群50の各検出器は、プリンタ1内の状況を監視している。そして、各検出器は、検出結果をASIC60に出力する。各検出器からの検出結果を受けたASIC60は、その検出結果に基づいて制御対象部を制御する。
<用紙搬送機構20について>
用紙搬送機構20は、用紙Sを印刷可能な位置に送り込んだり、この用紙Sを搬送方向に所定の搬送量で搬送させたりするものである。この搬送方向は、次に説明するキャリッジ移動方向と交差する方向である。そして、図3A及び図3Bに示すように、用紙搬送機構20は、給紙ローラ21と、搬送モータ22と、搬送ローラ23と、プラテン24と、排紙ローラ25とを有する。給紙ローラ21は、紙挿入口に挿入された用紙Sをプリンタ1内に自動的に送るためのローラであり、この例ではD形の断面形状をしている。搬送モータ22は、用紙Sを搬送方向に搬送させるためのモータであり、その動作は、ASIC60によって制御される。搬送ローラ23は、給紙ローラ21によって送られてきた用紙Sを、印刷可能な領域まで搬送するためのローラである。この搬送ローラ23の動作も搬送モータ22によって制御される。プラテン24は、印刷中の用紙Sを、この用紙Sの裏面側から支持する部材である。排紙ローラ25は、印刷が終了した用紙Sを搬送するためのローラである。
<キャリッジ移動機構30について>
キャリッジ移動機構30は、ヘッドユニット40が取り付けられたキャリッジCRをキャリッジ移動方向に移動させるためのものである。このキャリッジ移動機構30は、キャリッジモータ31と、ガイド軸32と、タイミングベルト33と、駆動プーリー34と、従動プーリー35とを有する。キャリッジモータ31は、キャリッジCRを移動させるための駆動源に相当する。そして、キャリッジモータ31の回転軸には、駆動プーリー34が取り付けられている。この駆動プーリー34は、キャリッジ移動方向の一端側に配置されている。駆動プーリー34とは反対側のキャリッジ移動方向の他端側には、従動プーリー35が配置されている。タイミングベルト33は、キャリッジCRに接続されているとともに、駆動プーリー34と従動プーリー35に架け渡されている。ガイド軸32は、キャリッジCRを移動可能な状態で支持する。このガイド軸32は、キャリッジ移動方向に沿って取り付けられている。従って、キャリッジモータ31が動作すると、キャリッジCRは、このガイド軸32に沿ってキャリッジ移動方向に移動する。
<検出器群50について>
検出器群50は、プリンタ1の状況を監視するためのものである。図3A,図3Bに示すように、この検出器群50には、リニア式エンコーダ51、ロータリー式エンコーダ52、紙検出器53、及び紙幅検出器54等が含まれている。リニア式エンコーダ51は、キャリッジCR(ヘッドHD,ノズルNz)のキャリッジ移動方向の位置を検出するためのものである。ロータリー式エンコーダ52は、搬送ローラ23の回転量を検出するためのものである。紙検出器53は、印刷される用紙Sの先端位置を検出するためのものである。紙幅検出器54は、印刷される用紙Sの幅(側縁)を検出するためのものである。
<ASIC60について>
プリンタ側コントローラとしてのASIC60は、ヘッドHDの動作を制御する等、プリンタ1の制御を行うものである。このASIC60は、図2に示すように、コンピュータ110と通信するためのインタフェース部61、用紙搬送機構20、及びキャリッジ移動機構30に接続されている。また、ASIC60は、駆動信号生成回路70とフラットケーブル90と接続されている。そして、ヘッドユニット40内の各部とデータの受け渡しを行う。
ASIC60は、図2に示されているように、用紙搬送機構20及びキャリッジ移動機構30に接続されている。そして、これら両機構を制御している。また、媒体S状にドットを形成するために画素データSIをヘッド制御部HCに出力する。画素データSIについては後述する。
また、ASIC60は、駆動信号COMを生成させるための制御信号を駆動信号生成回路70に出力したりする。そして、後述する駆動信号生成回路70は、この駆動信号COMを生成させるための制御信号に基づいて駆動信号COMを生成する。すなわち、ASIC60と駆動信号生成回路70は、液体滴を吐出させるための駆動信号を生成する駆動信号生成部に相当する。
ヘッド制御信号は、例えば、転送用クロックSCK,画素データSI,ラッチ信号LAT,及びチェンジ信号CHである。また、駆動信号COMを生成させるための制御信号は、例えばDAC値である。このDAC値は、駆動信号生成回路70から出力させる信号の電圧を指示するための情報であり、極めて短い更新周期毎に更新される。
<参考例のヘッドユニット40について>
ヘッドユニット40は、インクを用紙Sに向けて吐出させるためのものである。ここで、図4Aは、ヘッドユニット40の分解斜視図である。図4Bは、ヘッド本体41の構造を説明する断面図である。
このヘッドユニット40は、例えば、図4に示すように、ヘッドHDと、針側ケース部材42と、ヘッド側ケース部材43を有している。針側ケース部材42は、インク導入針421が設けられた部材である。このインク導入針421は、インクカートリッジICに挿入される中空状の部材であり、先端が円錐形状に尖っている。このインク導入針421を通じて、インクカートリッジICに貯留されたインクがヘッドHD側に導入される。ヘッド側ケース部材43は、ヘッドHDが取り付けられる部材であり、インク導入針421とは反対側の針側ケース部材42の底面に取り付けられる。
ヘッドHDは、ヘッド本体41、中継基板44、中継フィルム45、及び、ヘッド制御部HCを有している。ヘッド本体41は、例えば、図4Bに示す構造を有している。このヘッド本体41は、流路ユニット41Aと、アクチュエータユニット41Bとを有する。流路ユニット41Aは、ノズルNzが設けられたノズルプレート411と、インク貯留室412aとなる開口部が形成された貯留室形成基板412と、インク供給口413aが形成された供給口形成基板413とを有する。アクチュエータユニット41Bは、圧力室414aとなる開口部が形成された圧力室形成基板414と、圧力室414aの一部を区画する振動板415と、供給側連通口416aとなる開口部が形成された蓋部材416と、振動板415の表面に形成されたピエゾ素子417とを有する。ピエゾ素子417は、キャリッジCRとともに移動可能なヘッドHDに設けられ、駆動信号COMに応じて液体滴であるインク滴を吐出させる液体吐出部に相当する。そして、このヘッド本体41には、インク貯留室412aから圧力室414aを通ってノズルNzに至る一連の流路が形成されている。使用時において、この流路はインクで満たされており、ピエゾ素子417を変形させることで、対応するノズルNzからインクを吐出させることができる。また、このインクは液体の一種である。
また、ヘッド本体41は、複数のノズルNzを有している。これらのノズルNzは、搬送方向に複数設けられてノズル列を構成する。そして、このノズル列がヘッド移動方向の位置を異ならせて、複数設けられる。このヘッド本体41では、搬送方向に並ぶ180個のノズルNzで1つのノズル列が構成されている。また、このノズル列がヘッド移動方向に4つ設けられている。そして、吐出させるインクは、ノズル列毎に定めることができる。
中継基板44は、ヘッド制御部HCとヘッド本体41との間に設けられている。この中継基板44は、フラットケーブル90と中継フィルム45の間で伝送される信号を中継するためのものである。フラットケーブル90は、ヘッド制御部HCとの間を電気的に接続するものである。また、中継フィルム45は、ヘッド本体41との間を電気的に接続するものである。このため、中継基板44には、フラットケーブル90の先端部分が挿入されるコネクタ441と、中継フィルム45の先端部分が半田付けされる接点端子群442とが設けられている。そして、中継基板44は、これらのフラットケーブル90と中継フィルム45とを電気的に接続し、各種の信号を、ヘッド制御部HC、ピエゾ素子417、及びASIC60に伝送させる。
この中継基板44はヘッドHDの一部を構成する。そして、中継基板44とASIC60とを接続するフラットケーブル90は、ASIC60とヘッドHDとの間で伝送される信号に用いられる複数の信号線を有している。なお、フラットケーブル90については、後で詳しく説明する。
また、中継基板44とヘッド本体41とを接続する中継フィルム45には、ヘッド制御部HCが設けられている。参考例のヘッドユニット40におけるこのヘッド制御部HCは、カスタムIC80によって構成されている。
また、このカスタムIC80には、ダイオードを利用して温度を検出する検出部が含まれている。そして、ヘッド制御部HCは、フラットケーブル90を介して過熱をASIC60に通知可能となっている。つまり、カスタムIC80からは、そのカスタムIC80の過加熱を報知するための過加熱報知信号XHOTが出力される。この過加熱報知信号XHOTは、ASIC60にて使用される。例えば、ASIC60は、この過加熱報知信号XHOTが過加熱を示すレベル(例えばLレベル)であった場合、印刷動作を停止させてカスタムIC80の温度を下げるようにする。
<参考例のヘッド制御部HCについて>
次に、参考例のヘッド制御部HCの構成について説明する。図5は、参考例のヘッド制御部HCの構成を説明するブロック図である。なお、この図5では、1つのノズル列に対応するヘッド制御部HCを示している。
このヘッド制御部HCは、第1シフトレジスタ81Aと、第2シフトレジスタ81Bと、第1ラッチ回路82Aと、第2ラッチ回路82Bと、デコーダ83と、制御ロジック84と、第1スイッチ85Aと、第2スイッチ85Bを有する。そして、制御ロジック84を除いた各部、すなわち、第1シフトレジスタ81A、第2シフトレジスタ81B、第1ラッチ回路82A、第2ラッチ回路82B、デコーダ83、第1スイッチ85A、及び第2スイッチ85Bは、それぞれピエゾ素子417毎に設けられる。また、ピエゾ素子417はインクが吐出されるノズルNz毎に設けられるので、これらの各部もノズルNz毎に設けられているといえる。
ヘッド制御部HCは、ASIC60からの画素データSIに基づき、インクを吐出させるための制御を行う。すなわち、ヘッド制御部HCは、印刷データに基づいて第1スイッチ85Aを制御し、駆動信号COMにおける必要な部分を選択的にピエゾ素子417へ印加させている。なお、駆動信号COMについては後で説明する。本実施形態では、画素データSIが2ビットで構成され、転送用クロックSCKに同期してヘッド制御部HCへ送られてくる。この画素データSIは前述したように、2ビットで構成され、ノズルNz毎(ピエゾ素子417毎)に定められる。この画素データSIに関し、上位ビット群は各第1シフトレジスタ81Aにセットされ、下位ビット群は各第2シフトレジスタ81Bにセットされる。第1シフトレジスタ81Aには第1ラッチ回路82Aが接続され、第2シフトレジスタ81Bには第2ラッチ回路82Bが接続されている。そして、ASIC60からのラッチ信号LATがHレベルになると、各第1ラッチ回路82Aは対応する画素データSIの上位ビットをラッチし、各第2ラッチ回路82Bは画素データSIの下位ビットをラッチする。第1ラッチ回路82A及び第2ラッチ回路82Bでラッチされた画素データSI(上位ビットと下位ビットの組)はそれぞれ、デコーダ83に入力される。
デコーダ83は、画素データSIの上位ビット及び下位ビットに基づいてデコードを行い、第1スイッチ85A及び第2スイッチ85Bを制御するためのスイッチ制御信号SWを出力する。デコーダ83は、画素データSIに基づき、制御ロジック84から出力される選択データq0〜q3を選択し、スイッチ制御信号SWとして出力する。また、制御ロジック84は、選択データq0〜q3をラッチ信号LATやチェンジ信号CHのタイミングで出力するものである。ここで、選択データq0は、ドット無し用の選択データである。つまり、選択データq0は、用紙Sにドットを形成しない場合において、スイッチ制御信号SWとなる選択データである。選択データq1は、小ドット用の選択データである。つまり、選択データq1は、用紙Sに小ドットを形成する場合において、スイッチ制御信号SWとなる選択データである。同様に、選択データq2は中ドット用の選択データ、選択データq3は大ドット用の選択データである。そして、制御ロジック84は、選択データq0〜q3を、異なる信号線を通じて同時に出力する。なお、選択データの内容については、後で説明する。
デコーダ83から出力されたスイッチ制御信号SWは、スイッチ85に入力される。このスイッチ85は、スイッチ制御信号SWに応じてオンオフするスイッチであり、オン期間において駆動信号COMをピエゾ素子417へ印加させる。すなわち、このスイッチ85の入力側には駆動信号生成回路70からの駆動信号COMが印加され、スイッチ85の出力側にはピエゾ素子417が接続されている。そして、スイッチ制御信号SWがデータ[1]の場合、スイッチ85がオン状態となって、駆動信号COMがピエゾ素子417に印加される。また、スイッチ制御信号SWがデータ[0]の場合、スイッチ85がオフ状態となるので、第1駆動信号COMはピエゾ素子417に印加されない。なお、ピエゾ素子417はコンデンサの様に振る舞う。このため、駆動信号COMの印加が停止された場合において、ピエゾ素子417は停止直前の電位を維持する。従って、駆動信号COMの印加が停止されている期間において、ピエゾ素子417は、駆動信号COMの印加が停止される直前の変形状態を維持する。
<駆動信号生成回路70について>
駆動信号生成回路70は、駆動パルスを含む駆動信号COMを生成する。この駆動信号COMは、全てのピエゾ素子417に対して共通に使用される。
図6Aは、駆動信号生成回路70の構成を説明するブロック図である。図6Bは、波形生成回路71の構成を説明するためのブロック図である。
波形生成回路71は、D/A変換器711と、電圧増幅回路712とを有する。D/A変換器711は、DAC値に応じた電圧信号を出力する電気回路である。このDAC値は、電圧増幅回路712から出力される電圧(以下、出力電圧という)を指示するための情報であり、波形記憶領域に記憶された波形データに基づき、ASIC60から出力される。
電圧増幅回路712は、D/A変換器711からの出力電圧を、ピエゾ素子417の動作に適した電圧まで増幅する。ここで説明される電圧増幅回路712では、D/A変換器711からの出力電圧を最大42(V)まで増幅する。そして、増幅後の出力電圧は、制御信号S_Q1及び制御信号S_Q2として電流増幅回路72に出力される。
<駆動信号生成回路70の動作について>
次に、この駆動信号生成回路70の動作の具体例について説明する。図7は、電流増幅回路72の出力電圧を、電圧V1から電圧V4まで降下させる動作を説明するための図である。
駆動信号COMを生成する場合には、CPU62は、更新周期τ毎のDAC値を、D/A変換器711へ順次出力する。図7の例では、クロックCLKで規定されるタイミングt(n)で電圧V1に対応するDAC値が出力される。これにより、周期τ(n)にて、電圧増幅回路712からは電圧V1が出力される。そして、更新周期τ(n+4)までは、電圧V1に対応するDAC値がASIC60からD/A変換器711に順次入力され、電圧増幅回路712からは電圧V1が出力され続ける。また、タイミングt(n+5)では、電圧V2に対応するDAC値がASIC60からD/A変換器711に入力される。これにより、周期τ(n+5)にて、電圧増幅回路712の出力は、電圧V1から電圧V2へ降下する。同様に、タイミングt(n+6)では、電圧V3に対応するDAC値がASIC60からD/A変換器711に入力され、電圧増幅回路712Aの出力が電圧V2から電圧V3へ降下する。以下同様に、DAC値がD/A変換器711に順次入力されるため、電圧増幅回路712から出力される電圧は、次第に降下する。そして、周期τ(n+10)にて、電圧増幅回路712の出力は電圧V4まで降下する。このような方法によって駆動信号が、波形生成回路71から出力される。
<駆動信号COMについて>
駆動信号生成回路70が生成する駆動信号COMは、1つのノズル列に対応する全てのピエゾ素子417に対して共通に使用されるものである。ここで、図8は、駆動信号生成回路70によって生成される駆動信号COM、及び、ドットの形成時に用いられる制御信号を説明する図である。
図8に示すように、駆動信号COMは、繰り返し周期における期間T1で生成される第1波形部SS1と、期間T2で生成される第2波形部SS2と、期間T3で生成される第3波形部SS3と、期間T4で生成される第4波形部SS4とを有する。ここで、第1波形部SS1は駆動パルスPS1を有している。また、第2波形部SS2は駆動パルスPS2を、第3波形部SS3は駆動パルスPS3を、第4波形部SS4は駆動パルスPS4をそれぞれ有している。
そして、駆動パルスPS1、駆動パルスPS3、及び駆動パルスPS4は、ノズルNzからインクを吐出させる際に用いられるものであり、互いに同じ波形をしている。ここでは、小ドットの形成時に駆動パルスPS3がピエゾ素子417へ印加される。また、中ドットの形成時には、駆動パルスPS3及び駆動パルスPS4がピエゾ素子417へ印加され、大ドットの形成時には、駆動パルスPS1、駆動パルスPS3、及び駆動パルスPS4がピエゾ素子417へ印加される。一方、駆動パルスPS2は、メニスカスを微振動させるための微振動パルスであり、ドット無しの場合にピエゾ素子417へ印加される。
この駆動信号COMは、波形部毎にピエゾ素子417へ印加させることができる。そして、ピエゾ素子417に印加される波形部は、画素データSIの内容、言い換えれば、ドットの階調に応じて定められる。この例では、ドット無しの階調値(画素データSI[00])の場合に、第2波形部SS2がピエゾ素子417に印加される。そして、小ドットの階調値(画素データSI[01])の場合に、第3波形部SS3がピエゾ素子417に印加され、中ドットの階調値(画素データSI[10])の場合に、第3波形部SS3及び第4波形部SS4がピエゾ素子417に印加される。また、大ドットの階調値(画素データSI[11])の場合に、第1波形部SS1,第3波形部SS3及び第4波形部SS4がピエゾ素子417に印加される。
このような制御を行うため、選択データq0〜q3は、期間T1〜T4のそれぞれに各ビットを対応させた4ビットのデータで構成される。そして、選択データq0〜q3の最上位ビットは、期間T1における第1スイッチ85Aのオンオフを示し、2番目のビットは期間T2における第1スイッチ85Aのオンオフを示す。同様に、3番目のビットは、期間T3における第1スイッチ85Aのオンオフを示し、最下位ビットは期間T4における第1スイッチ85Aのオンオフを示す。従って、ドット無し用の選択データq0は[0100]とされ、小ドット用の選択データq1は[0010]とされる。同様に、中ドット用の選択データq2は[0011]とされ、大ドット用の選択データq3は[1011]とされる。そして、制御ロジック84は、ラッチ信号LATのラッチパルスやチェンジ信号CHのチェンジパルスで規定されるタイミングに同期させて、選択データq0〜q3の各ビットを時系列で出力する。
<電流増幅回路72の構成について>
次に、電流増幅回路72について説明する。図9は、電流増幅回路72の構成を説明する図である。
この電流増幅回路72は、多数のピエゾ素子417が支障なく動作できるように、十分な電流を供給するための回路である。電流増幅回路72は、トランジスタ対721を有する。そして、このトランジスタ対721は、互いのエミッタ端子同士が接続されたNPN型トランジスタQ1とPNP型トランジスタQ2を有する。NPN型トランジスタQ1は、駆動信号COMの電圧上昇時に動作するトランジスタである。このNPN型トランジスタQ1は、コレクタが端子Aに、エミッタが駆動信号COMの出力信号線に、それぞれ接続されている。尚、端子Aは、トランジスタに電力を供給するための電源である。PNP型トランジスタQ2は、電圧降下時に動作するトランジスタである。PNP型トランジスタQ2は、コレクタが接地(アース)に、エミッタが駆動信号COMの出力信号線に、それぞれ接続されている。なお、NPN型トランジスタQ1とPNP型トランジスタQ2のエミッタ同士が接続されている部分の電圧(駆動信号COMの電圧)は、符号FBで示すように、電圧増幅回路712へフィードバックされている。
そして、この電流増幅回路72は、波形生成回路71からの出力電圧によって動作が制御される。例えば、出力電圧が上昇状態にあると、制御信号S_Q1によってNPN型のトランジスタQ1がオン状態となる。これに伴い、I1の方向に電流は流れる。一方、出力電圧が降下状態にあると、制御信号S_Q2によってPNP型のトランジスタQ2がオン状態となる。これに伴い、I2の方向に電流が流れる。なお、出力電圧が一定である場合、NPN型のトランジスタQ1もPNP型のトランジスタQ2もオフ状態となる。その結果、駆動信号COMは一定電圧となる。
<ダミー負荷93>
図10は、プリンタ1のダミー負荷93を説明するための図である。図10に示すように、プリンタ1の駆動回路生成回路70とフラットケーブル90との間には、ダミー負荷93が取り付けられている。フラットケーブル90は、複数の信号線を含んでおり、後述するようにフレキシブルな構造となっていることから、コイル及びコンデンサのようにふるまう場合がある。このとき信号線に所定の信号が印加されると信号の共振が発生するおそれがある。駆動信号生成回路70には不図示のフィードバック回路が設けられているため、共振信号がフィードバックされることで不安定な駆動信号が出力されるおそれがある。よって、駆動信号生成回路70とフラットケーブルとの間に、その共振を打ち消すような抵抗R及びコンデンサCの直列要素を挟み込み、安定した駆動信号を生成できるようにしている。
<フラットケーブルについて>
図11Aは、参考例のフラットケーブル90について説明するための図である。また、図11Bは、フラットケーブル90の断面の一部を示す図である。
フラットケーブル90は、ASIC60からヘッドHDへ出力される信号や、ヘッドHDからからASIC60へ出力される信号を伝送するために用いられる。また、フラットケーブル90は、ピエゾ素子417を駆動するための信号を供給するためにも用いられる。詳細は後で説明するが、ヘッドHDへ出力される信号には、前述した画素データSI、ラッチ信号LAT、チェンジ信号CH、及び転送用クロックSCKが含まれている。一方、ASIC60へ出力される信号には、過加熱報知信号XHOTが含まれている。このフラットケーブル90は、駆動信号生成部としてのASIC60及び駆動信号生成回路70と、液体吐出部としてのピエゾ素子417との間で駆動信号COMを伝送する接続線に相当する。
このフラットケーブル90は、複数の芯線CWを有している。各芯線CWは、互いに平行に配置される。参考例のフラットケーブル90では、図11Bにその一部分を示すように2枚のケーブルが重なった構造となっている。そして、各芯線CWは、前述した信号が伝送されたり、グランド電位に設定されたりする。便宜上、以下の説明では、信号が伝送等される芯線CWを信号線ともいい、グランド電位に設定される芯線CWをグランド線ともいう。信号線には、例えば図11Bに示すような信号が伝送される。
次に、例示した信号線及びグランド線の配置について説明する。前述したように、フラットケーブル90は、複数の芯線CWが平行に配置されたケーブルを2枚重ねた構成となっている。便宜上、以下の説明では、一方のケーブルを表側ケーブル90Aといい、他方のケーブルを裏側ケーブル90Bという。そして、各芯線CWは、一定間隔で平行に配置されている。また、表側ケーブル90Aと裏側ケーブル90Bとが重ねられた状態で、表側ケーブル90Aの芯線CWと裏側ケーブル90Bの芯線CWとは、互いに重なるように配置される。
図11Bにおける芯線CW(SI1)は、1番目のノズル列用の画素データSI1が伝送される信号線である。参考例のノズルは1番目から4番目までのノズル列を有するため、不図示ではあるがフラットケーブル90は、SI1からSI4用の信号線を含んでいる。
芯線CW(LAT)はラッチ信号LATが伝送される信号線である。また、芯線CW(CH)はチェンジ信号が伝送される信号線である。同様に、芯線CW(SCK)は転送用クロックが伝送される信号線であり、芯線CW(XHOT)は過加熱報知信号が伝送される信号線である。また、芯線CW(VDD)は、ロジック用の電源(3.3V)が供給される電源線(VDD)である。また、芯線CW(COM)は、駆動信号COMを伝送するための信号線である。尚、不図示ではあるが、その他にもASIC60とヘッドHD間において必要な信号線がフラットケーブル90には含まれる。そして、他の芯線CWは、グランド線(GND)である。これらの信号線はグランド線に対して千鳥状に配置され、信号線同士の間にグランド線が配置される。
このように、フラットケーブル90は、多くの信号線を含んでいる。しかしながら、フラットケーブル90に多くの信号線が収容されることとなると、フラットケーブルの幅及び厚みが増してしまうという問題がある。フラットケーブル90の幅及び厚みが増加すると、キャリッジCRを移動させるときの負荷も増加し、キャリッジCRの移動時の電力の増加、及びキャリッジCRの移動制御にとっても不都合を生ずる場合がある。よって、フラットケーブル90に収容される信号線の数を減らすことが望ましい。
以下に示す実施形態では、説明される手法により前述の過加熱報知信号XHOTを使用しないこととして信号線を減らしている。
また、過加熱報知信号XHOTの信号線をなくしたとき、代替の措置を講じなければASIC60側では液体吐出部の高温異常を判定することができない。ここでは、さらに以下の方法により液体吐出部の異常を検知することも行っている。
===第1実施形態===
<温度判定回路87について>
図12は、ヘッド制御部HC’を説明するための図である。ヘッド制御部HC’には、駆動信号COMのピエゾ素子417への印加を遮断するためのアンド回路86がピエゾ素子417の数だけ組み込まれている。図に示されるように、それぞれのアンド回路86は2入力型のアンド回路であり、これらの入力端子にはデコーダ83の出力と主スイッチ信号線MSWが接続されている。そして、アンド回路86の出力はスイッチ85に接続されており、後述する温度判定回路87からの信号に従って、駆動信号COMのピエゾ素子417への印加を遮断できる。ヘッド制御部HC’は、接続線を介して伝送された駆動信号COMのピエゾ素子417への印加を遮断するためのスイッチ85及びアンド回路86を含むことから制御部に相当する。また、ヘッド制御部HC’は、ヘッドHDとともに移動し、駆動信号COMの液体吐出部としてのピエゾ素子417への印加を制御する制御部にも相当する。
図13は、ヘッドHD内の温度を計測し、計測した温度に応じて駆動信号COMのピエゾ素子417への印加を遮断させるための温度判定回路87である。温度判定回路87は、ヘッド制御部HC’が組み込まれるカスタムIC80内に組み込まれており、ダイオードDIはカスタムIC80の外部に設けられている。例えばダイオードDIを前述の中継基板44上の符号443(図4)の位置に取り付けることができる。
ダイオードDIの順方向電圧は、温度に応じて変化することが知られている。この順方向電圧は、例えば−2mV/℃という温度特性がある。この場合、25℃における順方向電圧が0.6Vのダイオードでは、75℃における順方向電圧が0.5Vになる。したがって、ダイオードの順方向電圧は、ヘッドHD周囲の温度に応じたレベルを示す。
温度判定回路87は、比較器としてのオペアンプOPを含んでいる。オペアンプOPの出力は、トランジスタTr01のベース端子に接続されている。オペアンプOPのプラス側入力と3.3V電源とに挟まれるように抵抗R1が接続されている。また、オペアンプOPのプラス側入力とアースとに挟まれるように抵抗R2が接続されている。一方、オペアンプのマイナス側入力と3.3V電源とに挟まれるように抵抗R3が接続されている。さらに、オペアンプのマイナス側入力とアースとに挟まれるようにダイオードDIのアノードが接続されている。また、このダイオードDIのカソードがアースに接続されている。トランジスタTr01のコレクタ端子には抵抗R4を挟み込むように3.3V電源が接続される。また、コレクタ端子は、主スイッチ信号線MSWを介してアンド回路86の入力端子に接続されている。
抵抗R1、R2,及びR3は、ダイオードDIとの関係で温度が140℃よりも高くなるとオペアンプOPの作動によりNPN型トランジスタTr01のスイッチング機能がオンになるように選択されている。つまり、温度が140℃よりも高くなると、スイッチとしてのNPN型トランジスタTr01がオンになることから、電源電圧からの電流がエミッタ端子に流れ込む。すると、主スイッチ信号線MSWの電位はアースと同電位になり、アンド回路86への入力はLレベル(0(V))になる。アンド回路86の入力の1つがLレベルであると、アンド回路86の出力もLレベルであり、スイッチ85はオフにされる。すると、駆動信号COMはスイッチ85に流れなくなり、スイッチ85のオン/オフにかかわらずピエゾ素子417に駆動信号COMが印加されない。
一方、温度が140℃以下のとき、NPN型トランジスタTr01はスイッチとしてオフの状態となる。すると、コレクタからエミッタへは電流が流れないため主スイッチ信号線MSWには所定の電圧(Hレベル)が印加されることとなる。つまり、アンド回路86の入力の1つにはHレベルが入力される。アンド回路86の1つの入力がHレベルになると、デコーダ83からの入力にしたがって駆動信号COMがスイッチ85に印加され、ピエゾ素子417からインク滴を吐出可能となる。
すなわち、温度判定回路87は、ヘッドHDの温度に応じた信号を出力するセンサに相当する。また、アンド回路86の出力をオフにする主スイッチ信号線MSWの信号は、所定の温度より高い温度を示す信号に相当する。
尚、ダイオードDIは、カスタムIC内に含まれる構成とすることもできる。また、ダイオードDIの代替としてサーミスタを用いることもできる。
ところで、前述の参考例ではヘッドHCが所定の温度よりも高い温度になるとASIC60に対して過加熱報知信号XHOTを発することでその旨を通知する。そして、この通知を受け取るとASIC60が駆動信号COMを生成するための制御信号の送出を停止して、ピエゾ素子417に駆動信号COMが印加されるのを停止させていた。第1実施形態では、ヘッドHDが高温になると、その旨をASIC60には通知せず、アンド回路86とスイッチ85によってヘッドHD内でピエゾ素子417に対する駆動信号COMの印加を遮断する。このようにすることで、ヘッドHDに高温異常が発生したことをASIC60に通知するための信号線が必要なくなるので、過加熱報知信号XHOTの信号線を減らすことができる。
但し、このようにヘッドHDの高温異常を通知するための過加熱報知信号XHOTの信号線を取り去ってしまうと、ASIC60は、代替の措置を講じなければヘッドHDの高温異常を判定することができない。そうすると、ASIC60は、インク滴が吐出されずドットが形成されないにもかかわらず、画像を形成するための制御信号を伝送し続けることとなる。画像を形成するために制御信号を伝送し続けた場合、キャリッジCR等はこの制御信号に基づいてあたかも印刷を行っているかのような動作を行うが、媒体Sには画像が形成されない。また、ユーザもその異常が高温異常に起因するものであることを知ることができない。
この場合、前述のような手法で信号線の数を減らしつつも、ASIC60がヘッドHDの高温異常を知ることができるならば、不要な印刷動作を停止させたり、異常を知らせる警告を発することができる。さらに、例えばピエゾ素子417に発生した不具合により駆動信号COMを印加できなくなったときなどを知ることができれば、より便利である。
第1実施形態では、以下のような方法によって、上述のように過加熱報知信号XHOTの信号線を使用しない構成において、ヘッドHDの高温異常をASIC60が判定できるようになっている。
<電流計測部及び異常判定部について>
上述の構成により、アンド回路86により駆動信号COMのピエゾ素子417への印加が遮断された場合、駆動信号COMを伝送する信号線には駆動信号COMをピエゾ素子417に印加していたときに比して少ない電流しか流れない。第1実施形態では、駆動信号COMの信号線に流れる電流を計測することにより、液体吐出部の異常を判定している。
図14は、第1実施形態における電流計測部1401及び異常判定部1402を示す図である。第1実施形態において、電流増幅器721のNPN型トランジスタQ1のコレクタ端子には、電流計測部1401が取り付けられている。この電流計測部1401は、電源VDDから電流増幅回路72に流れる電流値を計測している。すなわち、電流計測部1401は、駆動信号生成部としてのASIC60と駆動信号生成回路70とが駆動信号COMを生成しているときにおける、フラットケーブル90を流れる電流を計測する計測部に相当する。
電流計測部1401は、異常判定部1402に接続されており、計測結果である電流値を異常判定部1402に出力する。異常判定部1402は、電流計測部1401から送信された電流値を示すアナログ信号をデジタル信号に変換するA/Dコンバータ1403を含んでいる。また、画素データSIに基づいて、電流値を推定する推定部1404を含んでいる。異常判定部1402は、さらに、電流計測部1401から送信された電流値と、推定した電流値とを比較する比較部1405を含んでいる。比較部1405は、推定した電流値に対して電流計測部1401で計測した電流値が所定の範囲にあるか否かを判定する。そして、判定の結果、所定の範囲にあるとき、ヘッドHDは正常であるとする結果をASIC60に出力する。一方、そうでないときは、ヘッドHDは異常を生じているとする結果をASIC60に出力する。すなわち、異常判定部1402は、計測部としての電流計測部1401の計測結果に基づいて、液体吐出部としてのピエゾ素子417を含むヘッドHDの異常を判定する判定部に相当する。
図15は、推定部1404の一例を示す図である。この構成は、参考例のヘッド制御部HCと似た構成になっているが、異なっている点は、駆動信号COMが使用されておらず、さらにスイッチ85も使用されていないことである。さらに、推定部1404にはカウンタ88と演算部89が含まれている点でヘッド制御部HCとは異なる構成となっている。既に、第1シフトレジスタ81A、第2シフトレジスタ81B、第1ラッチ82A、第2ラッチ82B、制御ロジック84、及びデコーダ83についての説明は前段部でなされているため、同一の符号を付すことで説明を省略する。
カウンタ88は、デコーダ83に接続され、スイッチ制御信号SWを受信可能となっている。また、カウンタ88は、デコーダ83から出力されるスイッチ制御信号を監視している。そして、スイッチ85がオンにされるであろう数をカウントする。
演算部89は、カウンタ88に接続され、カウンタ88がカウントした値を受信可能となっている。また、演算部89は、ラッチ信号LAT及びチェンジ信号CHが入力されるようになっている。そして、演算部89は、ラッチ信号LAT及びチェンジ信号のパルスが規定する各期間T1〜T4においてカウンタ88から出力されるカウント値を取得している。
演算部89は、図8のような駆動信号COMの各期間T1〜T4におけるそれぞれの波形部SS1〜SS4が1つのピエゾ素子417に印加されるときに流れる最大の電流値を記憶している。そして、カウンタ88から出力された各期間のカウント値に、対応する期間の1つのピエゾ素子417に流れる最大の電流値を乗じた数値を求める。この数値は、ピエゾ素子417に流れる各期間における最大の電流値の推定値となる。この推定値は、比較部1405へと出力される。
比較部1405は、受け取った推定値と計測値とを比較し、計測値が所定の推定値の範囲にあるか否かに基づいて、ピエゾ素子417が正常か否かを判定する。
例えば、カウンタ88は、各デコーダ83から出力されるスイッチ制御信号SWを取得し、スイッチ85がオンにされるであろう数をカウントする。そして、演算部89は、カウント値に期間T1の1つのピエゾ素子417に流れる最大の電流値を乗じた値を求め、この値を推定値Iestimateとする。一方、この期間T1において、電流計測部1401が計測した最大電流値をImeasureとする。そして、ダミー負荷93に流れる電流に計測値の誤差を考慮した値を加算した値をしきい値Iestimateとして、

estimate−Ithreshold<Imeasure (1)

を満たす場合において、比較部1405は、ピエゾ素子417が正常に動作していると判定する。一方、上述の式(1)を満たさない場合には、推定した量の電流が流れていないことからアンド回路86によりスイッチ85がオフにされていると判定することができる。
また、期間T2においてピエゾ素子417に印加される微振動パルスに基づいて、ヘッドHDの高温異常を判定することができる。インク滴を吐出しない場合であっても、プリンタ1のピエゾ素子417には、インクの増粘を防止するために期間T2において微振動パルスが印加される。すなわち、インク滴を吐出しない場合においても、駆動信号COMの信号線には、ピエゾ素子417を微振動させるだけの電流が流れている。
しかしながら、ヘッドHDに高温異常を生じているときには、アンド回路86の出力によってスイッチ85がオフにされ、期間T2の微振動パルスの印加すらも遮断されるため、ピエゾ素子417を微振動させるために本来流れるはずの電流が流れないこととなる。よって、期間T2における電流の計測値と推定値とを式(1)を用いて比較することで、ヘッドHDに高温異常が生じているか否かについて判定することができる。
これらの判定結果は、ASIC60に入力される。尚、ヘッドHDに高温異常を生じているという判定結果がASIC60に入力されると、ASIC60は、キャリッジCRの動作を停止するような制御を行い、さらに用紙Sを排出するような制御を行う。
===第2実施形態===
<電流計測部及び異常判定部について>
図16は、第2実施形態における電流計測部1601を示す図である。第2実施形態では、電流計測部1601は、以下のハードウェアで構成され、異常判定部は、ASIC60がその役割を担う。
図16の端子Aは図9におけるNPN型トランジスタQ1のコレクタ端子に接続される。NPN型トランジスタTr02のベース端子には電源電圧VDDが接続されている。また、NPN型トランジスタTr02のベース端子には、抵抗R5が接続されている。抵抗R5の他端には、NPN型トランジスタTr02のエミッタ端子が接続され、さらに前述の図9におけるNPN型トランジスタQ1のコレクタ端子に接続される。
PNP型トランジスタTr03のベース端子には、前述のNPN型トランジスタTr02のコレクタ端子が接続されている。また、PNP型トランジスタTr03のエミッタ端子には3.3Vの電源が接続される。また、PNP型トランジスタTr03のコレクタ端子には、抵抗R6が接続されている。抵抗R6の他端はアースに接続されている。また、PNP型トランジスタTr03のコレクタ端子には、端子Bが出力されている。
抵抗R5及びトランジスタTr02は、ベースに所定の電流が流れないとPNPトランジスタTr03がオンとならず、PNP型トランジスタTr01のエミッタからコレクタへと電流が流れないような組み合わせが選択される。尚、この所定の電流とは、アンド回路86によってスイッチ85が遮断されダミー負荷にのみ電流が流れる場合にはトランジスタTr02のスイッチが入らず、スイッチ85がオンにされいくつかのピエゾ素子417に電流が流れる場合にトランジスタTr02のスイッチが入る電流量である。
第2実施形態においてダミー負荷93の容量は、ピエゾ素子417の5個分の容量を有しているものとする。この場合、アンド回路86の出力によってスイッチ85がオフにされても、駆動信号COMを印加すると信号線には期間Tの間にピエゾ素子417の5個分の電流が流れることとなる。第2実施形態では、NPN型トランジスタTr02のスイッチ機能をオンにする電流値を、期間Tの駆動信号COMを印加したときにおいて、ピエゾ素子6個(ダミー負荷93にピエゾ素子1個分を加えた)分の電流が流れたときの最大の電流値としている。
アンド回路86の出力とデコーダ83によってスイッチ85がオンにされているときにおいて、各ピエゾ素子417には、ドット無し(微振動)、小ドット、中ドット、大ドットのいずれかを形成するための駆動パルスが印加される。つまり、期間Tの間に各ピエゾ素子417には、駆動パルスPS1〜PS4のいずれかが印加されることから、流れる電流の最大値は、アンド回路86の出力によりスイッチ85がオフにされダミー負荷93にのみに流れたときの電流量の最大値を超える。また、ヘッドHDにはピエゾ素子417が180個含まれていることから、少なくとも一度はピエゾ素子の45個分にダミー負荷93を加えた容量のコンデンサに流れる最大の電流値に達する。すなわち、スイッチ85がオンにされているときにおいて、期間Tの間に少なくとも一度はピエゾ素子417の6個分に流れる最大の電流値に達することとなる。電流がこの電流値に達しNPN型トランジスタTr02のスイッチ機能がオンになると、PNP型トランジスタTr03のスイッチ機能もオンになり、端子Bにオン信号が出力される。
このようにすることで、ヘッドHDに高温異常が生じていない場合には、期間Tにおいて少なくとも一度はASIC60にオン信号が入力される。ASIC60は、期間Tに一度でもオン信号が入力されたときにはヘッドHDに高温異常を生じていないと判定することができる。
ヘッドHDに高温異常が生じ、アンド回路86の出力によってスイッチ85がオフ状態となっているときを考える。このとき、期間Tにおいても駆動信号COMの信号線にはダミー負荷93に流れるだけの電流しか流れない。このとき、その電流の少なさから、NPN型トランジスタTr02のスイッチ機能をオンさせることができず、コレクタにも電流は流れない。すなわちPNP型トランジスタTr03のベースもオフ状態となるので、コレクタにも電流は流れず、端子Bには常にオフ信号が出力されることとなる。このようにすることで、ヘッドHDに高温異常を生じておりアンド回路86の出力によりスイッチ85が切断状態となっている場合には、期間Tにおいてオン信号が出力されることがないため、ASIC60は、ヘッドHDに高温異常を生じていると判定することができる。
尚、第2実施形態において、電流計測部1601は、NPN型トランジスタTr02に流れる電流量に応じて、ある量の電流が流れているか否かをASIC60に出力することから電流量を計測する計測部といえる。
===その他の実施の形態===
上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは言うまでもない。特に、以下に述べる実施形態であっても、本発明に含まれるものである。
<ヘッドについて>
前述の実施形態では、液体吐出部としてピエゾ素子417を用いてインクを吐出していた。しかし、液体を吐出する方式は、これに限られるものではない。例えば、熱によりノズル内に泡を発生させる方式など、他の方式を用いてもよい。
また、前述の実施形態では、ヘッドはキャリッジに設けられていた。しかし、キャリッジに着脱可能なインクカートリッジにヘッドが設けられても良い。
===まとめ===
(1)前述の液体吐出装置としてのプリンタ1では、インク滴を吐出させるための駆動信号COMを生成する駆動信号生成部(ASIC60及び駆動信号生成回路70とからなる)と、ヘッドHDに設けられ、駆動信号COMに応じてインク滴を吐出させる液体吐出部としてのピエゾ素子417と、を備える。また、プリンタ1は、ヘッドHDとともに移動し、駆動信号COMのピエゾ素子417への印加を制御する制御部としてのヘッド制御部HCと、駆動信号生成部とピエゾ素子417との間で駆動信号COMを伝送する接続線としてのフラットケーブル90と、ヘッドHDの温度に応じた信号を出力するセンサ(例えば温度判定回路87)と、を備えている。そして、このセンサが所定の温度(ここでは140℃)より高い温度を示す信号を出力したとき、ヘッド制御部HC’は、スイッチ85とアンド回路86とを用いてフラットケーブル90を介して伝送された駆動信号COMのピエゾ素子417への印加を遮断する。
このようにすることで、駆動信号COMの生成を停止させるために駆動信号生成部側にヘッドHDの異常を通知しなくてもよい。そうすると、フラットケーブル90内に通知するための信号線を含ませることが不要となる。よって、信号線を減らした液体吐出装置を提供することができる。
(2)ヘッド制御部HC’は駆動信号COMのピエゾ素子417への印加を遮断するスイッチを備える。このようにすることで、ヘッドHDに温度異常が発生したとき、駆動信号COMの印加を遮断することができる。尚、本実施形態において、このスイッチは、スイッチ85とアンド回路86とによって構成される。
(3)前述のセンサは、ヘッドHDの温度に応じた電圧を与えるダイオードと、この電圧と所定の電圧とを比較する比較器を含み、この比較器の比較結果に基づいてスイッチのオン/オフを制御することが望ましい。
但し、このセンサはアナログ回路によって構成することもできるし、デジタル回路によって構成することもできる。デジタル回路によって構成するときは、電圧値をデジタル値に変換するA/Dコンバータを備えることが望ましい。
(4)また、接続線としてのフラットケーブル90の駆動信号の信号線を流れる電流を計測する計測部と、この計測部の計測結果に基づいてヘッドHDの異常を判定する判定部と、をさらに備える。前述のようにヘッドHDが140℃よりも高い温度になったとき、駆動信号生成部が駆動信号COMを生成しているにもかかわらずピエゾ素子417に対する駆動信号COMの印加が遮断される。このように、駆動信号の印加が全面的に遮断されると、ダミー負荷93に流れるだけの電流しか流れないこととなる。よって、ヘッドHDから駆動信号生成部へと異常を知らせる信号線を用いなくても、所定の電流が流れていないことに基づいてヘッドHDに温度異常が発生したことを判定することができる。
(5)また、この駆動信号生成部は、駆動信号COMの波形を規定する電圧信号を生成する信号生成部としてのASIC60と、電圧信号を電力増幅して駆動信号COMを生成する増幅部と、を備える。
このようにすることで、ピエゾ素子417に印加する電圧信号を規定することができ、さらに電力増幅を行って複数のピエゾ素子417を駆動することができる。
(6)上述の計測部は、この増幅部に流れる電流に基づいてフラットケーブル90内の駆動信号COMの信号線を流れる電流を計測する。
(7)上述の増幅部はNPN型トランジスタとPNP型トランジスタとを備え、NPN型トランジスタのエミッタ端子と、PNP型トランジスタのエミッタ端子とが接続されている。そして計測部は、NPN型トランジスタのコレクタ端子に流れる電流を計測する。
このようにすることで、上述のように増幅部に流れる電流に基づいてフラットケーブル90内の駆動信号COMの信号線を流れる電流を計測することができる。
(8)また、ピエゾ素子417に印加する駆動信号COMの部分を規定する画素データSIを取得し、この画素データSIに基づいてフラットケーブル90内の信号線に流れる電流量を求める推定部をさらに備える。そして、判定部は、計測部の計測結果と推定部が求めた電流量とに基づいてヘッドHDの異常を判定する。
ここで、推定部は、ハードウェアで構成されたロジックであってもよいし、汎用のCPUにプログラムを実行させることで演算させることとしてもよい。
このようにすることで、推定値と実測値とに基づいてピエゾ素子417の異常を判定することができる。
(9)判定部は、推定部が求めた電流量と計測部の計測結果とを比較し、推定部が求めた電流量と計測結果との差が所定の範囲内にないとき、ヘッドHDに異常が生じていると判定する。
ここで、判定部は計測部の計測結果である電流量をデジタル値に変換し、変換されたデジタル値と推定値を比較することで、ヘッドHD内に異常が発生しているか否かを判定することができる。
(10)また、電流計測部は、NPN型トランジスタTr02、抵抗R5、及びPNP型トランジスタTr03とすることもできる。
(11)また、異常判定部1402は、ASIC60に含まれるか、又はフラットケーブル90を介さずASIC60に接続されており、接続線としてのフラットケーブル90は、ヘッドHDの移動範囲において駆動信号生成部とピエゾ素子417との間で駆動信号COMを伝送可能である。
ヘッドHDはプリンタ1内において相対的に移動を繰り返す部位であり、駆動信号COMを駆動信号生成部からヘッドHDに伝送する役割を果たすため、フラットケーブル90はフレキシブルな構造になっておりヘッドHDが移動範囲内で移動可能となっている。
(12)また、前述の構成要素をすべて含む液体吐出装置によれば、記述のほぼ全ての効果を奏するため、本発明の目的が最も有効に達成される。
(13)また、前述の実施形態では、インク滴を吐出させるための駆動信号COMを生成し、この駆動信号COMのピエゾ素子417への印加を制御し、印加された駆動信号COMに応じてインク滴を吐出させる。次に、センサは、ピエゾ素子417を含むヘッドHDの温度に応じた信号を出力し、ヘッドHDの温度に応じた信号が所定の温度より高い温度を示す信号であるとき、駆動信号COMのピエゾ素子417への印加を遮断する液体吐出部の異常判定方法があることはいうまでもない。
印刷システム100の構成を説明する図である。 コンピュータ110、及びプリンタ1の全体構成を説明するブロック図である。 図3Aは、プリンタ1の構成を示す図であり、図3Bは、プリンタ1の構成を説明する側面図である。 図4Aは、ヘッドユニット40の分解斜視図であり、図4Bは、ヘッド本体41の構造を説明する断面図である。 参考例のヘッド制御部HCの構成を説明するブロック図である。 図6Aは、駆動信号生成回路70の構成を説明するブロック図であり、図6Bは、波形生成回路71の構成を説明するためのブロック図である。 電流増幅回路72の出力電圧を、電圧V1から電圧V4まで降下させる動作を説明するための図である。 駆動信号生成回路70によって生成される駆動信号COM、及び、ドットの形成時に用いられる制御信号を説明する図である。 電流増幅回路72の構成を説明する図である。 プリンタ1のダミー負荷を説明するための図である。 図11Aは、参考例のフラットケーブル90について説明するための図であり、図11Bは、フラットケーブル90の断面の一部を示す図である。 ヘッド制御部HC’を説明するための図である。 計測した温度に応じて駆動信号COMのピエゾ素子417への印加を遮断させるための温度判定回路の一例である。 第1実施形態における電流計測部1401及び異常判定部1402を示す図である。 推定部1404の一例を示す図である。 第2実施形態における電流計測部1601を示す図である。
符号の説明
1 プリンタ、20 用紙搬送機構、21 給紙ローラ、22 搬送モータ、
23 搬送ローラ、24 プラテン、25 排紙ローラ、30 キャリッジ移動機構、
31 キャリッジモータ、32 ガイド軸、33 タイミングベルト、
34 駆動プーリー、35 従動プーリー、40 ヘッドユニット、
41 ヘッド本体、41A 流路ユニット、41B アクチュエータユニット、
42 針側ケース部材、43 ヘッド側ケース部材、44 中継基板、
45 中継フィルム、50 検出器群、51 リニア式エンコーダ、
52 ロータリー式エンコーダ、53 紙検出器、54 紙幅検出器、
60 ASIC、70 駆動信号生成回路、71 波形生成回路、
72 電流増幅回路、80 カスタムIC、83 デコーダ、84 制御ロジック、
85 スイッチ、86 アンド回路、87 温度判定回路、88 カウンタ、
90 フラットケーブル、100 印刷システム、110 コンピュータ、
111 ホスト側コントローラ、112 インタフェース部、113 CPU、
114 メモリ、120 表示装置、130 入力装置、131 キーボード、
132 マウス、140 記録再生装置、411 ノズルプレート、
412 貯留室形成基板、413 供給口形成基板、414 圧力室形成基板、
415 振動板、416 蓋部材、417 ピエゾ素子、421 インク導入針、
443 サーミスタ、711 D/A変換器、712 電圧増幅回路、
1401 電流計測部、1402 異常判定部、1403 A/Dコンバータ、
1404 推定部、IC インクカートリッジ、CR キャリッジ、
CTR コントローラ基板、S 用紙、HD ヘッド、HC ヘッド制御部、
Nz ノズル、Q1 NPN型トランジスタ、Q2 PNP型トランジスタ

Claims (13)

  1. 液体滴を吐出させるための駆動信号を生成する駆動信号生成部と、
    移動可能なヘッドに設けられ、前記駆動信号に応じて液体滴を吐出させる液体吐出部と、
    前記ヘッドとともに移動し、前記駆動信号の前記液体吐出部への印加を制御する制御部と、
    前記駆動信号生成部と前記液体吐出部との間で前記駆動信号を伝送する接続線と、
    前記ヘッドの温度に応じた信号を出力するセンサと、
    を備え、前記センサが所定の温度より高い温度を示す信号を出力したとき、前記制御部は、前記接続線を介して伝送された前記駆動信号の前記液体吐出部への印加を遮断する、液体吐出装置。
  2. 請求項1に記載の液体吐出装置であって、
    前記制御部は前記駆動信号の前記液体吐出部への印加を遮断するスイッチを備える、液体吐出装置。
  3. 請求項2に記載の液体吐出装置であって、
    前記センサは、
    前記ヘッドの温度に応じた電圧を与える素子と、
    前記電圧と所定の電圧とを比較する比較器と、
    を含み、前記比較器の比較結果に基づいて前記スイッチを制御する、液体吐出装置。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の液体吐出装置であって、
    前記接続線を流れる電流を計測する計測部と、
    前記計測部の計測結果に基づいて前記ヘッドの異常を判定する判定部と、
    をさらに備える液体吐出装置。
  5. 請求項4に記載の液体吐出装置であって、
    前記駆動信号生成部は、
    前記駆動信号の波形を規定する電圧信号を生成する信号生成部と、
    前記電圧信号を電力増幅して前記駆動信号を生成する増幅部と、
    を備える液体吐出装置。
  6. 請求項5に記載の液体吐出装置であって、
    前記計測部は、前記増幅部に流れる電流に基づいて前記接続線を流れる電流を計測する、液体吐出装置。
  7. 請求項6に記載の液体吐出装置であって、
    前記増幅部はNPN型トランジスタとPNP型トランジスタとを備え、前記NPN型トランジスタのエミッタ端子と、前記PNP型トランジスタのエミッタ端子とが接続されており、
    前記計測部は、前記NPN型トランジスタのコレクタ端子に流れる電流を計測する、液体吐出装置。
  8. 請求項7に記載の液体吐出装置であって、
    前記液体吐出部に印加する前記駆動信号の部分を規定する画素データを取得し、該画素データに基づいて前記接続線に流れる電流量を求める推定部をさらに備え、
    前記判定部は、前記計測部の計測結果と前記推定部が求めた電流量とに基づいて前記ヘッドの異常を判定する、液体吐出装置。
  9. 請求項8に記載の液体吐出装置であって、
    前記判定部は、前記推定部が求めた電流量と前記計測部の計測結果とを比較し、前記推定部が求めた電流量と前記計測結果との差が所定の範囲内にないとき、前記ヘッドに異常が生じていると判定する、液体吐出装置。
  10. 請求項4に記載の液体吐出装置であって、
    前記計測部は、NPN型トランジスタとPNP型トランジスタと抵抗とを含む、液体吐出装置。
  11. 請求項4〜10のいずれかに記載の液体吐出装置であって、
    前記判定部は、前記駆動信号生成部に含まれており、
    前記接続線は、前記ヘッドの移動範囲において前記駆動信号生成部と前記液体吐出部との間で前記駆動信号を伝送可能である、液体吐出装置。
  12. 液体滴を吐出させるための駆動信号を生成する駆動信号生成部と、
    移動可能なヘッドに設けられ、前記駆動信号に応じて液体滴を吐出させる液体吐出部と、
    前記ヘッドとともに移動し、前記駆動信号の前記液体吐出部への印加を制御する制御部と、
    前記駆動信号生成部と前記液体吐出部との間で前記駆動信号を伝送する接続線と、
    前記ヘッドの温度に応じた信号を出力するセンサと、
    を備え、
    前記制御部は前記駆動信号の前記液体吐出部への印加を遮断するスイッチを備え、
    前記センサは、前記ヘッドの温度に応じた電圧を与える素子と、前記電圧と所定の電圧とを比較する比較器と、を含み、前記比較器の比較結果に基づいて前記スイッチを制御し、
    前記接続線を流れる電流を計測する計測部と、前記計測部の計測結果に基づいて前記ヘッドの異常を判定する判定部と、をさらに備え、
    前記駆動信号生成部は、前記駆動信号の波形を規定する電圧信号を生成する信号生成部と、前記電圧信号を電力増幅して前記駆動信号を生成する増幅部と、を備え、
    前記計測部は、前記増幅部に流れる電流に基づいて前記接続線を流れる電流を計測し、
    前記増幅部はNPN型トランジスタとPNP型トランジスタとを備え、前記NPN型トランジスタのエミッタ端子と、前記PNP型トランジスタのエミッタ端子とが接続されており、前記計測部は、前記NPN型トランジスタのコレクタ端子に流れる電流を計測し、
    前記液体吐出部に印加する前記駆動信号の部分を規定する画素データを取得し、該画素データに基づいて前記接続線に流れる電流量を求める推定部をさらに備え、前記判定部は、前記計測部の計測結果と前記推定部が求めた電流量とに基づいて前記ヘッドの異常を判定し、
    前記判定部は、前記推定部が求めた電流量と前記計測部の計測結果とを比較し、前記推定部が求めた電流量と前記計測結果との差が所定の範囲内にないとき、前記ヘッドに異常が生じていると判定し、
    前記判定部は、前記駆動信号生成部に含まれており、前記接続線は、前記ヘッドの移動範囲において前記駆動信号生成部と前記液体吐出部との間で前記駆動信号を伝送可能である、液体吐出装置。
  13. 液体滴を吐出させるための駆動信号を生成するステップと、
    前記駆動信号の液体吐出部への印加を制御するステップと、
    前記駆動信号に応じて液体滴を吐出させるステップと、
    前記液体吐出部を含むヘッドの温度に応じた信号を出力するステップと、
    前記ヘッドの温度に応じた信号が所定の温度より高い温度を示す信号であるとき、前記駆動信号の前記液体吐出部への印加を遮断するステップと、
    を含む液体吐出方法。

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JP2010105281A (ja) * 2008-10-30 2010-05-13 Isetoo:Kk 印刷制御システムおよび印刷制御方法、プリント稼動制御装置とその処理方法およびプログラム
JP2013039692A (ja) * 2011-08-12 2013-02-28 Seiko Epson Corp 液体噴射装置、印刷装置、及び医療機器
JP2019059153A (ja) * 2017-09-27 2019-04-18 セイコーエプソン株式会社 圧電方式プリントヘッドおよび圧電方式インクジェットプリンター

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