JP2007167184A - 生体情報測定装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】センサ部及び装置本体部の装着安定性に優れ、また装着ストレスを被験者に可及的に与えないようにする。
【解決手段】パルスオキシメータ1は、被測定指から光電脈波データを測定するための発光部41及び受光部42からなるセンサ部4と、センサ部4の動作制御、測定信号処理を行う装置本体部2とを備える。そして、指先への固定部3として、被測定指と係合する第1の固定部31と、被測定指以外の他の指と係合する第2の固定部32とを備え、これら固定部は共通の上部クリップ片33及び下部クリップ片34で一体化されている。かかるパルスオキシメータ1によれば、2本の指を用いて装着されるので、1本の指に対する挟み込み力を軽減でき、またセンサ部4と被測定指との位置関係が安定する。
【選択図】図1

Description

本発明は、人体の指から各種の生体情報を非侵襲で検出する生体情報測定装置に関するものである。
従来、脈拍や血中酸素飽和度等の生体情報を計測するために、人体の指に対して測定光を投受光するプローブ(センサ部)を備えた光電脈波計やパルスオキシメータが知られている。パルスオキシメータ(例えば下記特許文献1参照)は、専ら睡眠時無呼吸症候群(SAS)の診断を目的として、異なる2波長の光を発する発光部と受光部とを備えるプローブを被験者の指に装着して光を生体(指)に向けて投光し、生体を経由した光の光量変化を検出して得られた2波長脈波波形に基づき、血中酸素飽和度(SpO)の時間変化を求めるものである。一方、光電脈波計では、所定波長(1波長で足りる)の光を発する発光部と受光部とを備えるプローブが用いられ、脈拍数の計測のほか、例えば脈波のピーク間隔を解析することで不整脈の検出等を行うことができる。
ところで、上記発光部と受光部とを備えるプローブは、通常一本の指先に取り付けられる。これは、指先には動脈血管が集中しており、動脈血の脈動、すなわち光電脈波を検出し易いからである。またプローブは、クリップ構造等を備え、指先にクリッピングするだけで、所定の位置に発光部及び受光部を対向配置させた状態で指先に装着できるようになっている。図15に従来のプローブPの一例を示す。ここでは、被測定指Fの指先背部側にフィットする背部片Pbと指先腹部側にフィットする腹部片PiとがヒンジPhで結合され、前記背部片Pbと腹部片Piとの間が閉じる方向に付勢されたクリップ構造の例を示している。
ここで、発光部及び受光部の配置については、従来は透過測定用の配置又は反射測定用の配置のいずれかが採用されている。図16は、この2つの配置タイプを示すものである。図16(a)は、透過測定を行う場合の発光部91及び受光部92の配置を模式的に示す側面図である。この場合、被測定指Fの指先背部Fb側(爪Fn側)に発光部91が、指先腹部Fi側に受光部92がそれぞれ配置され、発光部91から発せられた測定光opが指先の生体組織を透過して受光部92に受光されるものである。かかる配置を図15に示すプローブPに当てはめると、背部片Pbに発光部91が、腹部片Piに受光部92がそれぞれ保持されることとなる。
一方、図16(b)は、反射測定を行う場合の発光部91及び受光部92の配置を模式的に示す側面図である。この場合、被測定指Fの指先腹部Fi側に発光部91と受光部92とが並列配置され、発光部91から発せられ指先の生体組織中で反射された測定光opが受光部92に受光されるものである。かかる配置を図15に示すプローブPに当てはめると、腹部片Piに発光部91及び受光部92が保持されることとなる。
また、プローブから出力される測定信号に対して所定の処理を行う回路部等を有する装置本体部の配置箇所は様々である。例えば、従来のパルスオキシメータでは、装置本体部を腕に装着する所謂腕時計型、指先へ装着されるプローブと一体化された指先一体型、さらに指の根元部分に装着されるプローブと一体化された指輪型等が知られている。
特開平1−153139号公報
しかしながら、従来のパルスオキシメータでは、プローブ及び装置本体部の装着性において種々の改善を要する点があった。すなわち、図15に示すように、プローブPを1本の被測定指Fに装着する方法では、プローブPと被測定指Fとの位置関係を保証(プローブP内での被測定指Fの回転、位置ズレ、指抜け等の防止)するために、プローブPへ被測定指Fを深く挿入させるプローブ形状にしたり、或いは強い挟み込み圧力でクリッピングさせたりする必要がある。このため、被験者が被測定指Fを自由に曲げられないストレスを感じたり、或いは長時間プローブPを指先に装着することで被験者が圧迫による痛みを訴えたりすることがあった。
一方、装置本体部の配置箇所について、前記腕時計型のものは、腕に装着される装置本体部と指先のプローブとの間を比較的長いケーブルで電気的に接続する必要があることから、前記ケーブルの蒲団への引っ掛かり等に起因するプローブ外れが生じる懸念がある。また前記指先一体型では、1本の被測定指Fに装着された比較的小さいプローブPに対して比較的大きい装置本体部を搭載することになるので、プローブPと被測定指Fとの位置関係の保証が一層困難になるという問題がある。さらに、前記指輪型では、装着性については優れているものの、測定部位が被測定指Fの指先ではなく根元となることから、脈動が小さくS/N比が良好な光電脈波の測定が行えないという根本的な問題があった。
本発明は上記のような事情に鑑みてなされたものであって、プローブ(センサ部)及び装置本体部の装着安定性に優れ、また装着ストレスを被験者に可及的に与えないような生体情報測定装置を提供することを目的とする。
本発明の請求項1に係る生体情報測定装置は、人体の指から所定の生体情報に関連するパラメータを測定するためのセンサ部と、前記センサ部の動作制御を行うと共にセンサ部から出力される測定信号に対して所定の処理を行う制御処理手段を有する装置本体部とを備える生体情報測定装置であって、被測定指と係合する第1の固定部と、前記被測定指以外の他の指と係合する第2の固定部とを備え、これら第1の固定部及び第2の固定部が互いに連結されてなり、前記センサ部は、前記第1の固定部に組み付けられ、前記第1の固定部の前記被測定指への係合により前記被測定指へ位置決め装着され、前記装置本体部は、前記第2の固定部及び/又は第1の固定部に搭載され、前記第2の固定部及び/又は第1の固定部の前記他の指及び/又は被測定指への係合により、前記他の指及び/又は被測定指へ装着されるよう構成されていることを特徴とする。
この構成によれば、被測定指だけでなく、被測定指以外の他の指を利用してセンサ部及び装置本体部が被験者の指へ装着されるようになる。すなわち、センサ部は、第1の固定部の被測定指への係合により被測定指に対して位置決め装着されるのであるが、前記第1の固定部に対して第2の固定部が連結されていることから、指への係止力は前記被測定指と前記他の指とで分担させることができる。従って、被測定指に挟み込み圧力が集中しなくなり、圧迫感を軽減することができる。また、2本以上の指を利用して装着されることから、被測定指が第1の固定部内で回転しにくくなりセンサ部と被測定指との位置関係が安定する。
また、装置本体部は、第2の固定部及び/又は第1の固定部に搭載されることから、これら固定部を指に装着することで、センサ部と同時に被験者への装着が完了することになる。従って、装着作業を簡素化でき、従来の腕時計型のようにセンサ部と装置本体部とを接続するための長いケーブルの使用を省くことができる。ここで、本発明におけるセンサ部及び装置本体部の搭載態様について念のため列挙しておくと、次の(a)〜(c)の3態様となる。
(a)第1の固定部にセンサ部が組み付けられ、第2の固定部に装置本体部が搭載される態様。
(b)第1の固定部にセンサ部が組み付けられ、第1の固定部及び第2の固定部に跨って装置本体部が搭載される態様。
(c)第1の固定部にセンサ部が組み付けられ、また装置本体部も搭載される態様。この場合、第2の固定部は単に他の指との係合用として機能する。
上記構成において、前記第1の固定部及び第2の固定部が、指先と係合するものであることが望ましい(請求項2)。この構成によれば、当該生体情報測定装置は被験者の指先に装着されるようになる。この場合、本発明では複数の指を利用して生体情報測定装置を装着することから、従来のように一本の指に対して装着する場合に比べ、指一本あたりに負担される保持力は比較的軽いもので足りる。従って、比較的浅い装着深度で取り付けを行い得ることから、被測定指を曲げる自由度が大きい状態で、生体情報測定装置を被験者に装着することが可能となる。
上記いずれかの構成において、前記第1の固定部及び第2の固定部が、閉止方向に付勢されたクリップからなることが望ましい(請求項3)。この構成によれば、前記第1の固定部及び第2の固定部を簡単なクリッピング動作により、被験者の指先等に装着することができるようになる。
また、上記いずれかの構成において、前記第1の固定部が、被測定指となる所定の第1の指と係合するものであり、前記第2の固定部が、前記第2の指に隣接する第2の指と係合するものであることが望ましい(請求項4)。この構成によれば、例えば人差し指と中指というように、隣接する二本の指を利用して生体情報測定装置が装着され、そのうちのいずれか一本の指が被測定指とされる。
この場合、前記第1の固定部及び第2の固定部が一体化され、これら第1の固定部及び第2の固定部に跨る搭載面が形成され、該搭載面に前記装置本体部が搭載される構成とすることができる(請求項5)。この構成によれば、第1の固定部及び第2の固定部に跨る比較的広い搭載面に装置本体部を搭載できるようになる。
また、前記第1の固定部及び第2の固定部の連結部が、脱着自在な連結部とされている構成とすることができる(請求項6)。この構成によれば、第1の固定部及び第2の固定部を必要に応じて脱着することができ、生体情報測定装置の取り扱い自由度が向上する。
この場合、前記脱着自在な連結部が、前記第1の固定部に組み付けられた前記センサ部と前記第2の固定部に搭載された前記装置本体部とを電気的に接続する電気コネクタを兼ねていることが望ましい(請求項7)。この構成によれば、第1の固定部と第2の固定部とを連結することで、センサ部と装置本体部とが電気的に接続される。従って、両者を電気的に接続するケーブル類が不要となる。
さらに、前記第1の固定部及び第2の固定部が、前記第1の固定部に組み付けられた前記センサ部と前記第2の固定部に搭載された前記装置本体部とを電気的に接続する短尺ケーブルで連結されている構成とすることができる(請求項8)。この構成によれば、第1の固定部と第2の固定部との連結構造が、センサ部と装置本体部とを電気的に接続するための短尺ケーブルで代用される。
上記いずれかの構成において、前記生体情報に関連するパラメータが、生体の脈波に関連するパラメータであって、前記センサ部は、所定波長の光を発する発光部と、該発光部から発せられ生体を経由した光を受光可能とされた受光部とを含むことが望ましい(請求項9)。この構成によれば、当該生体情報測定装置を光電脈波装置として構成することができ、例えば脈拍等を計測する光電脈波計、或いは血中酸素飽和度を計測するパルスオキシメータ等として利用することができる。
また、上記いずれかの構成において、前記装置本体部には、前記制御処理手段に加え、測定データを記憶可能なメモリ部と、測定に関連する所定の情報を表示する表示部とが含まれていることが望ましい(請求項10)。この構成によれば、メモリ部に記憶させた測定データを事後的にパーソナルコンピュータ等にて高度解析させることが可能となり、また表示部に制御処理手段で為された処理結果等を表示させることが可能となり、装置本体部の機能性を高めることができる。
請求項1に係る発明によれば、第1の固定部及び第2の固定部により複数の指を利用して生体情報測定装置が装着され、センサ部と被測定指との位置関係が安定するので、結果として正確に生態情報関連パラメータを測定できるようになる。また、複数の指を利用して装着することから被測定指のみに挟み込み圧力が集中せず、圧迫感を軽減することができるので、被験者の装着負担が軽減される。従って、長時間装着が必要となるパラメータの測定を行う生体情報測定装置に好適である。さらに、センサ部と装置本体部とが事実上一体化されているので装着作業を簡素化でき、被験者自身が簡単に装着することができるという利点もある。
請求項2に係る発明によれば、生体情報測定装置を被験者の指先に、比較的浅い装着深度で装着できるので、被測定指を曲げる自由度が大きい状態で当該生体情報測定装置を装着することが可能であることから、被験者の装着ストレスを一層軽減することができる。さらに、例えば光電脈波を計測する場合においては、S/N比の良い測定を行うことができる。
請求項3に係る発明によれば、簡単なクリッピング動作により、被験者の指先等に生体情報測定装置を装着することができるので、生体情報測定装置の取り扱い性を良好なものとすることができる。
請求項4に係る発明によれば、隣接する二本の指を利用するので、生体情報測定装置の小型化、装置構成の簡素化を図ることができる。
請求項5に係る発明によれば、第1の固定部及び第2の固定部に跨る比較的広い搭載面に装置本体部を搭載できることから、コンパクト化を図りつつ、センサ部と装置本体部とを一体化することが容易となる。
請求項6に係る発明によれば、第1の固定部及び第2の固定部を必要に応じて脱着することができ、生体情報測定装置の取り扱い自由度が向上する。
請求項7に係る発明によれば、センサ部と装置本体部とを電気的に接続するケーブル類が不要となるので、被験者の睡眠中に測定を行うような生体情報測定装置の場合に、ケーブル類と蒲団との干渉による装置外れの問題を解消できる。
請求項8に係る発明によれば、第1の固定部と第2の固定部との連結構造が短尺ケーブルで代用されるので、連結構造を簡素化することができる。
請求項9に係る発明によれば、センサ部と被測定指との位置関係が安定し、装着負担が軽減化されたコンパクトな光電脈波計やパルスオキシメータ等を提供できるようになる。
請求項10に係る発明によれば、当該生体情報測定装置の機能性が高められ、ユーザの利便性を向上させることができる。
以下、図面に基づいて、本発明の実施形態につき説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明に係る生体情報測定装置の一例であるパルスオキシメータ1の外観構成を示す図であって、(a)はその正面図、(b)は(a)図に示す矢印A方向の側面図、(c)は(a)図に示す矢印B方向の側面図をそれぞれ示している。
本実施形態に係るパルスオキシメータ1は、被験者の指先に装着され、当該指先から2波長光電脈波情報(生体情報)を取得して、被験者の血中酸素飽和度(SpO)を求めるように構成された生体情報測定装置である。図2は、当該パルスオキシメータ1を被験者の被測定指Fに装着した状態を示す平面図である。なお、1波長光電脈波情報を取得して脈拍数や脈波ピーク間隔等を求める光電脈波計でも、以下に説明する実施形態と実質的に同様な構成とすることができる。
このパルスオキシメータ1は、装置本体部2、固定部3、センサ部4を備えて構成されている。装置本体部2は、LCD(Liquid Crystal Display)等からなる表示部21と、各種の操作を行うための操作部22とを備えている。表示部21には、例えば図2に示すようにSpOの測定値や、測定中であることを示す経過情報等、測定に関する所定の情報が表示される。操作部22は、押下ボタン等からなり、装置本体部2に対して測定開始・終了操作、測定モード設定や機能選択等を行うためのものである。なお、ここでは簡略的に1つのボタンのみを表示しているが、実際は各種機能に応じて複数のボタン類が装備される。また、図3に基づき後述するが、装置本体部2には、センサ部4の動作制御を行うと共に、センサ部4から出力される測定信号に対して所定の処理を行う制御処理手段が備えられている。
固定部3は、被測定指F(例えば中指)と係合する第1の固定部31と、被測定指F以外の他の指(例えば人差し指)と係合する第2の固定部32とを備えている。第1の固定部31は、図1(b)に示すように、被測定指Fの指先背部に沿うような湾曲凹面部を有する上部支持片311と、同様に指先腹部に沿うような湾曲凹面部を有する下部支持片312とを備えている。また、同じく第2の固定部32は、被測定指F以外の指の指先背部に沿うような湾曲凹面部を有する上部支持片321と、指先腹部に沿うような湾曲凹面部を有する下部支持片322とを備えている。
第1の固定部31の上部支持片311と、第2の固定部32の上部支持片321とは、共通の上部クリップ片33の片面に所定間隔を置いて並置されている。また、第1の固定部31の下部支持片312と、第2の固定部32の下部支持片322とは、共通の下部クリップ片34の片面に所定間隔を置いて並置されている。すなわち、第1の固定部31及び第2の固定部32は、共通の上部クリップ片33及び下部クリップ片34により一体化されている。
図1(c)に示すように、上部クリップ片33と下部クリップ片34とは、ヒンジ36により回動可能に連結されている。図示は省略しているが、ヒンジ36の軸回りには付勢バネが備えられており、上部クリップ片33と下部クリップ片34とは、互いに接近する方向(閉止方向)に付勢されている。すなわち、所謂クリップ構造とされているものであって、これにより、第1の固定部31の上部支持片311と下部支持片312との間、並びに第2の固定部32の上部支持片321と下部支持片322との間において、指先を挟持する係止力が発生するようになっている。被測定指Fに当該パルスオキシメータ1を装着するときは、上部クリップ片33及び下部クリップ片34の後端部33E、34Eを摘んで上部クリップ片33と下部クリップ片34との間を拡開させ、被測定指F(第1の指)とこれに隣接する指(第2の指)とを挿入し、しかる後、後端部33E、34Eの摘みを解除して上部クリップ片33と下部クリップ片34との間を閉止させる手順が取られるものである。
上部クリップ片33及び下部クリップ片34の側面には、それぞれ側板351、352が取り付けられている。該側板351、352は、閉止方向に付勢された上部クリップ片33と下部クリップ片34との間隔を維持させる機能を果たすと共に、外光がセンサ部4へ届かないようにするための遮光板としても機能する。
上部クリップ片33の上面側は、装置本体部2の搭載面33Fとされている。すなわち、第1の固定部31及び第2の固定部32に跨る比較的広い搭載面33Fが形成されている。ここでは、クリッピング動作を行う際に摘む後端部33Eを残して、搭載面33F上に装置本体部2が載置されている例を示している。かかる実施形態であれば、比較的広い搭載面33Fに合致するサイズに装置本体部2の大きさを設定できるようになり、装置本体部2の多機能化を図り易くなるという利点がある。なお、本実施形態では長方形の表示部21を装置本体部2に具備させた例を示しているが、この場合図2に示すように、被験者からの視認性を考慮して、表示部21の長辺方向(文字、数字等が表示部21において表示される方向)と指の延伸方向とが一致するように、装置本体部2を搭載面33F上に搭載させることが望ましい。
センサ部4は、発光部41と受光部42とを備えている。発光部41は、赤色領域における波長λ1の赤色光及び赤外線領域における波長λ2の赤外光を生体に対して交互に射出する光源であり、例えば、波長λ1の赤色光と波長λ2の赤外光とを発光する発光ダイオード(LED)により構成される光源である。また受光部42は、受光した光強度に応じた電流を生成する光電変換素子であり、少なくとも前記波長λ1及び波長λ2に対して感度を有する光電変換素子である。この受光部42には、例えばシリコンフォトダイオード(Silicon Photo Diode)が利用される。
このセンサ部4は、第1の固定部31に組み付けられ、第1の固定部31の被測定指Fへの係合により被測定指Fへ位置決め装着されるようになっている。すなわち、指先背部に発光部41が、指先腹部に受光部42が配置されるように(図16(a)参照)、第1の固定部31の上部支持片311に発光部41が、また下部支持片312に受光部42がそれぞれ組み付けられている。勿論、発光部41と受光部42とが、指先腹部に並置されるよう(図16(b)参照)、下部支持片312に発光部41及び受光部42が配置されるものであっても良い。
このようにセンサ部4は、第1の固定部31の被測定指Fへの係合、つまり上部クリップ片33及び下部クリップ片34による被測定指Fを含む指先への係合により被測定指Fに対して位置決め装着される。ここで、第1の固定部31に対して第2の固定部32が連結(図1では一体化されている例を示している)されていることから、指先への係止力は被測定指F(中指)と他の指(人差し指)とで分担させることができる。
従って、被測定指Fに挟み込み圧力が集中しなくなり、圧迫感を軽減することができる。また、2本の指を利用して装着していることから、被測定指Fが第1の固定部31内で回転しにくくなりセンサ部4と被測定指Fとの位置関係が安定する。さらに、1本の指に装着する場合に比べて、1本当たりの指先に負担される係止力は軽いもので済むことから指先に比較的浅い装着深度で装着でき、この結果被測定指Fを曲げる自由度が大きい状態で当該パルスオキシメータ1を装着することができるので、被験者の装着ストレスを一層軽減することができる。
装置本体部2は、第1の固定部31及び第2の固定部32に跨る搭載面33Fに搭載されていることから、図2に例示するように中指及び人差し指の2本の指を利用して装着されることとなる。このように、センサ部4と装置本体部2とが事実上一体化されているので、装着作業を簡素化でき、被験者自身が簡単にパルスオキシメータ1をワンタッチで装着することができる。
続いて、パルスオキシメータ1の電気的構成について、図3のブロック図に基づいて説明する。このパルスオキシメータ1は、装置本体部2とセンサ部4とがリード線401で電気的に接続されてなる。装置本体部2には、前述の表示部21、操作部22のほか、発光回路23、受光回路24、制御処理部(CPU)25、メモリ部26及び電源部27が備えられている。またセンサ部4には、前述の通り発光部41と受光部42とが含まれるが、本実施形態では発光部41として赤色領域の波長λ1の赤色光を発生する赤色LED41Aと、赤外線領域の波長λ2の赤外光を発生する赤外LED41Bとの2つのLEDが用いられている例を示している。
発光部41及び受光部42は、図3に示すように、血中酸素飽和度を測定する被測定指F(生体組織)の指先を挟むように対向配置される。これは、特に指先が、動脈血の脈動を光学的に捉えやすいからである。上述した通り、本実施形態では指先背部側(爪側)に発光部41が配置され、指先腹部側に受光部42が配置される。これにより、被測定指Fの指先の生体組織を透過した発光部41の両波長λ1、λ2の測定光が、受光部42にて受光されるようになる。これら発光部41及び受光部42には、それぞれ発光回路23及び受光回路24が接続されている。発光回路23及び受光回路24は装置本体部2に備えられており、発光部41及び受光部42との電気的接続は、リード線401により行われている。
前記発光回路23は、制御処理部25で動作制御され、所定の発光制御信号を発光部41の赤色LED41A及び赤外LED41Bに与える。これにより、例えば赤色LED41Aと赤外LED41Bとが交互に駆動され(図3の発光制御信号参照)、赤色光と赤外光とが交互に射出される。また前記受光回路24は、制御処理部25により発光部41の発光に同期して制御され、受光部42から光強度に応じて出力される光電変換された電流信号(図3の受光信号参照)をA/D変換し、制御処理部25にデジタル測定信号として出力する。
酸素は、血液中のヘモグロビンの酸化・還元によって運搬されている。このヘモグロビンは、酸化されると赤色光の吸収が減少して赤外光の吸収が増加し、逆に還元されると赤色光の吸収が増加して赤外光の吸収が減少するという光学的特性を有している。この特性を利用して、受光回路24で検出された赤色光及び赤外光の透過光量の変動を計測することで、SpO(動脈血の血中酸素飽和度)の値を求めることが可能となる。なお、SpOの測定原理については、図4〜図8に基づいて後記で詳述する。
制御処理部25は、所定の制御プログラム等を記憶するROM、一時的にデータを格納するRAM及び制御プログラム等をROMから読み出して実行する中央演算処理装置(CPU)やDSP(Digital Signal Processor)からなり、当該パルスオキシメータ1全体の動作制御を司るものである。制御処理部25は、これらRAMやROMに記憶されたデータやプログラムに基づいて、センサ部4の動作制御を行うと共に、取得された光電脈波データからSpO値を算出する演算処理等を行う。
メモリ部26は、演算処理や制御処理などのデータを一時的に格納するEEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)やフラッシュメモリ等の不揮発性メモリ等からなる。該メモリ部26には、2波長光電脈波データ、或いは2波長光電脈波データに基づき制御処理部25にて算出されるサンプリング周期毎の瞬時SpO値が時刻情報に関連付けて格納される。このように時刻情報に関連付けることで、事後的なデータ解析、若しくはSpO値のライブ表示が容易に行えるようになる。
電源部27は、所定の電源回路、ボタン電池等の電源電池等を備え、当該パルスオキシメータ1の各部へ駆動電圧を供給するものである。前記電源回路には、オートパワーオフ(APO)機能が備えられていることが望ましい。
ここで、光を用いて血中酸素飽和度(SpO)を測定する原理について説明する。周知の通り、酸素は、ヘモグロビン(Hb)によって生体の各細胞に運ばれるが、ヘモグロビンは、肺で酸素と結合して酸化ヘモグロビン(HbO)となり、生体の細胞で酸素が消費されるとヘモグロビンに戻る。SpOは、血中の酸化ヘモグロビンの割合を示すものであり、ヘモグロビン濃度をCHb、酸化ヘモグロビン濃度をCHbO2で示すと、次の(1)式のように定義される。
Figure 2007167184
一方、ヘモグロビンの吸光度及び酸化ヘモグロビンの吸光度は、波長依存性を有しており、各吸光係数α(λ)は、例えば図4に示すような吸光特性を有している。なお、図4の横軸は、nm単位で示す光の波長であり、縦軸は、×10−9cm/mole単位で示す吸光係数である。ヘモグロビン(Hb)及び酸化ヘモグロビン(HbO)は、図4に示すようにその吸光特性が異なる。ヘモグロビンは、赤色領域での赤色光Rにおいては、酸化ヘモグロビンよりも光を多く吸収するが、赤外線領域での赤外光IRにおいては、酸化ヘモグロビンよりも光の吸収が少なくなっている。
すなわち、例えば、赤色光Rの波長λ1を酸化ヘモグロビンとヘモグロビンとの吸光係数の差が最も大きい例えば660nmとし、赤外光IRの波長λ2を酸化ヘモグロビンとヘモグロビンとの吸光係数の差が等しい例えば815nmとした場合、赤色光Rの透過光量はヘモグロビンが多くなるのに従って大きくなり、一方、酸化ヘモグロビンとヘモグロビンとの比率が変わったとしても、赤外光IRの透過光量は変わらないこととなる。これにより、赤色光Rと赤外光IRとの透過光量の比をとることでSpOを求めることが可能となる。パルスオキシメータ1(制御処理部25)は、このようなヘモグロビン及び酸化ヘモグロビンの赤色光Rと赤外光IRとに対する吸光特性の違いを利用してSpOを求めるものである。
生体に光を照射すると、光の一部は吸収され、一部は透過する。生体は、動脈血層と、静脈血層と、動脈血層及び静脈血層以外の組織(血液以外の組織)とで構成される。この生体における光の吸収は、図5(a)に示すように、動脈血層による吸収と、静脈血層による吸収と、動脈血層及び静脈血層以外の組織による吸収とからなる。動脈血層及び静脈血層以外の組織と静脈血層とは経時的に変化しないため、この部分での光の吸収は略一定である。一方、動脈血は心拍動によって血管径が変化するため、動脈血層による光の吸収、すなわち透過光(図5(a)に示す透過光)の強度は、図5(b)に示すように脈拍により経時的に変化する。この透過光強度の変化分は、動脈血のみの情報によるものであり、静脈血や、動脈血及び静脈血以外の生体組織による影響を殆ど含まない。なお、図5(b)の横軸は時間、縦軸は透過光強度である。
ところで、赤色光Rと赤外光IRとの光量変化を比較する場合、入射光量の差をキャンセル(補正)する必要がある。図6(a)〜(c)は、生体に対する入射光と透過光との関係を示す模式図である。図6(a)に示すように、生体への入射光量Iを赤色光Rと赤外光IRとで同じにすることは実質的に困難であり、仮に同じにしたとしても、組織や静脈血による吸光率は赤色光Rと赤外光IRとで異なるため、変化分のみでの比較を行うことはできない。
ここで、動脈が最も細い場合(透過光量が最も大きい場合)の透過光量をIとし、動脈が最も太い場合(透過光量が最も小さい場合)の透過光量をI−ΔIとする(記号「−」は減算を示す)。これは図6(a)又は図6(b)に示すように、厚さ(幅)ΔDの動脈血にIという光を照射したとき、I−ΔIの透過光が得られると考えられる。なお、このΔDの動脈血に応じた透過光量の変化の様子は、図6(c)のグラフ(横軸は時間、縦軸は透過光量)に示される。
したがって、図7に示すように、符号51のグラフに示す赤色光Rの透過光量Iと、符号52のグラフに示す赤外光IRの透過光量IIRとが同じとなるように正規化する、つまり符号53のグラフに示すように、透過光量IIRに対応する透過光量IIR’=透過光量Iとなるように正規化することにより、動脈血による光量変化の比である(ΔI/I)/(ΔIIR/IIR)を求めてSpOを算出することができる(記号「/」は除算を示す)。
ところで、入射光と透過光との関係はランバート・ビアの法則により、下記の(2)式で表すことができる。但し、下記(2)式において、Eは吸光物の吸光係数を表し、Cは吸光物の濃度を表す。
Figure 2007167184
赤色光R及び赤外光IRの2つの波長をそれぞれ上記(2)式に当てはめ((2)式中のIをI又はIIRに置換する)、その比をとることによって下記の(3)式を得ることができる。但し、上記(3)式において、Iは赤色光Rの透過光量を表し、IIRは赤外光IRの透過光量を表し、Eは赤色光Rの吸光係数を表し、EIRは赤外光IRの吸光係数を表す。
Figure 2007167184
図8は、吸光係数の比とSpOとの関係を示す図である。図8の横軸はSpOであり、縦軸は吸光係数の比である。同図に示すように、例えば赤色光R及び赤外光IRの波長をそれぞれ約660nm及び約815nmとすると、吸光係数の比(E/EIR)とSpOとの関係は右肩下がりの直線で表される。このような関係に基づいて、吸光係数の比からSpOを算出することができる。なお、SpOの算出方法としては、この方法に限らず、種々の方法が採用可能である。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態につき説明する。先の実施形態1では、第1の固定部31と第2の固定部32とが一体化されている例を示したが、この第2実施形態では、図9〜図13に示すように、第1の固定部31Aと第2の固定部32Aとが分離され、両者が所定の連結機構により連結されている態様のパルスオキシメータ1Aの各種実施形態を例示する。なお、当該パルスオキシメータ1Aの電気的構成、SpOの測定原理については実施形態1と同様であるので、ここでは説明を省略する。
図9は、分離型のパルスオキシメータ1Aを示す平面図、図10及び図11は、第1の固定部31A及び第2の固定部32Aの正面図と側面図とをそれぞれ示す図、図12はパルスオキシメータ1Aの被測定指Fへの装着状態を示す掌側から見た斜視図である。このパルスオキシメータ1Aは、固定部3Aとして、センサ部4が組み付けられた第1の固定部31Aと、装置本体部2Aが搭載される第2の固定部32Aとが、連結部6によりその側部同士で連結される構造を備えている。この連結部6は、着脱自在な連結部である。
図10(a)、(b)を参照して、第1の固定部31Aは、被測定指Fの指先背部に沿うような湾曲凹面部を有する上部支持片311Aと、同様に指先腹部に沿うような湾曲凹面部を有する下部支持片312Aとを備えている。また、上部支持片311Aに発光部41が、また下部支持片312Aに受光部42がそれぞれ組み付けられている。これら上部支持片311A及び下部支持片312Aは、一対の上部クリップ片331及び下部クリップ片341の内面側に、互いの湾曲凹面部が対向するように取り付けられている。
上部クリップ片331と下部クリップ片341とは、ヒンジ361により回動可能に連結されおり、図略の付勢バネにより、上部クリップ片331と下部クリップ片341とは、互いに接近する方向(閉止方向)に付勢されたクリップ構造とされている。また、上部クリップ片331及び下部クリップ片341の側面には、両者の間隔維持機能並びに遮光機能を果たす側板353、354がそれぞれ取り付けられている。被測定指Fに当該第1の固定部31Aを装着するときは、上部クリップ片331及び下部クリップ片341の後端部331E、341Eを摘んで上部クリップ片33と下部クリップ片34との間を拡開させ、被測定指Fを挿入し、しかる後、後端部331E、341Eの摘みを解除して上部クリップ片331と下部クリップ片341との間を閉止させる手順が取られる。
下部クリップ片341の外面側には図略の端子部が設けられており、前記端子部に第1コネクタ371が接続され、該第1コネクタ371からは接続ケーブル402が引き出されている。前記端子部には、センサ部4(発光部41及び受光部42)に対するリード線の端部が導かれている。接続ケーブル402は、かかるセンサ部4と、第2の固定部32Aに搭載されている装置本体部2Aとを電気的に接続するためのケーブルである。
続いて、図11(a)、(b)を参照して、第2の固定部32Aは、被測定指Fに隣接する指の指先背部に沿うような湾曲凹面部を有する上部支持片321Aと、同様に指先腹部に沿うような湾曲凹面部を有する下部支持片322Aとを備えている。これら上部支持片321A及び下部支持片322Aは、一対の上部クリップ片332及び下部クリップ片342の内面側に、互いの湾曲凹面部が対向するように取り付けられている。そして、第1の固定部31Aと同様に、上部クリップ片332及び下部クリップ片342は、ヒンジ362にて結合されたクリップ構造とされている。また、上部クリップ片332及び下部クリップ片342の側面には、両者の間隔維持機能を果たす側板355、356がそれぞれ取り付けられている。かかる第2の固定部32Aは、同様に上部クリップ片332及び下部クリップ片342の後端部332E、342Eを摘むことで、被測定指Fに隣接する指の指先へ装着される。
上部クリップ片332の外面側には、装置本体部2Aが搭載されている。この装置本体部2Aは、先の第1実施形態における装置本体部2と同様に、表示部21、操作部22及び処理制御部等を備えている。また、下部クリップ片342の外面側には図略の端子部が設けられており、前記端子部に第2コネクタ372が接続され、該第2コネクタ372からは接続ケーブル402が引き出されている。前記端子部には、装置本体部2Aに対するリード線の端部が導かれている。
図12に示すように、第1の固定部31Aの側面には第1連結片61が設けられ、これと対向するように第2の固定部32Aの側面には第2連結片62が設けられている(図10、図11では、この第1連結片61及び第2連結片62の図示を省略している)。第1連結片61及び第2連結片62は、例えば互いに密嵌合可能な凸片と凹片、フック片とその受け部材等の機械的な連結機構、或いは磁石片等の磁力的な連結機構等を構成する部材からなる。このような第1連結片61及び第2連結片62が連結されることで、図9に示した連結部6が構成される。かかる連結部6は着脱自在なものであって、連結時においては第1の固定部31Aと第2の固定部32Aとを実質的に一体化するものである。
以上の通り構成された分離型のパルスオキシメータ1Aによれば、第1の固定部31Aと第2の固定部32Aとを連結部6にて連結された状態では、第1実施形態の場合と同様に、指先に対する挟み込み力の軽減化、被測定指Fとセンサ部4との位置関係の安定化等を図ることができる。一方、非測定時等においては、連結部6による第1の固定部31Aと第2の固定部32Aとの連結状態を解除できるので、取り扱い自由度が向上する。また、センサ部4が組み付けられた第1の固定部31Aのみを新しいものと交換するといった運用を行うことも可能となる。
上記連結部6は、上記実施形態のように単に第1の固定部31Aと第2の固定部32Aとを連結させるものであっても良いが、これに電気的接続機能をも具備させることで、装置本体部2Aとセンサ部4とを電気的に接続する接続ケーブル402の使用を省くようにすることができる。図13及び図14は、このような電気的接続機能を有する連結部の構成例を示す図である。
図13は、第1の固定部31A及び第2の固定部32Aにそれぞれ嵌合型の電気コネクタ631、632(図13では雄片のみを図示し、これらを受ける雌片は図示省略している)を設け、これら電気コネクタ631、632が互いに嵌合されることで、第1の固定部31Aと第2の固定部32Aとが一体的に連結されるように構成されたパルスオキシメータ1Aを示している。すなわち、電気コネクタ631、632の嵌合により、第1の固定部31Aに組み付けられているセンサ部4(図10等を参照)と装置本体部2Aとが電気的に接続されると共に、第1の固定部31Aと第2の固定部32Aとが機械的に連結されるものである。
なお、図13では、第1の固定部31Aと第2の固定部32Aとの結合力を高めるために、2つの電気コネクタ631、632を設ける例を示しているが、1つの電気コネクタのみを設ける構成としても良い。また、2つの電気コネクタ631、632のうちの1つを、電気接続を行わないダミーコネクタ(機械的な嵌合のみを行うコネクタ)としても良い。
また図14は、第1の固定部31A及び第2の固定部32Aが、第1の固定部31Aに組み付けられたセンサ部4と、第2の固定部32Aに搭載された装置本体部2Aとを、電気的に接続する2本の短尺ケーブル64で連結されるように構成されたパルスオキシメータ1Aを示している。この短尺ケーブル64は、第1の固定部31Aと第2の固定部32Aとの側面同士を繋ぐケーブルであり、前記電気的な接続機能と第1の固定部31Aと第2の固定部32Aとの機械的な連結機能をも有している。
短尺ケーブル64は、リジットなケーブルであっても良いが、若干の伸縮性を備えたものであることが望ましい。このような伸縮ケーブルを採用することで、被測定指Fの自由度が確保されるようになる。なお、短尺ケーブル64は1本、或いは3本以上としても良い。
以上、本発明の各種実施形態につき説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば下記[1]〜[4]の変形実施形態を取ることができる。
[1]上記実施形態では、2本の指先(中指と人差し指)にパルスオキシメータ1、1Aを装着させる例を示したが、3本以上の指先を利用して装着させるようにしても良い。例えば、中指を第1の固定部が係合される被測定指Fとし、人差し指と薬指とを第2の固定部が係合される「他の指」とすることができる。勿論、人差し指を第1の固定部が係合される被測定指Fとし、中指と薬指とを第2の固定部が係合される「他の指」とすることもできる。
[2]上記実施形態では、指先にパルスオキシメータ1、1Aを装着させる例を示したが、装着位置は必ずしも指先としなくとも良い。また、発光部及び受光部の配置位置につき、指先背部と指先腹部とに配置する例を示したが、指先の側部を挟むように発光部及び受光部を配置しても良い。
[3]上記実施形態では、2波長光電脈波データを取得して血中酸素飽和度を求めるパルスオキシメータを例示したが、そのうちの1波長光電脈波データを用いて脈拍等も計測・表示させるようにしても良い。さらに、発光部及び受光部に代えて電極等を配置し、電気的に脈波情報或いはその他の生体情報を取得するようにしても良い。
[4]パルスオキシメータ1、1A(装置本体部2、2A)に体位センサや加速度センサ等の他のセンサ類を搭載し、被験者の体位角度等を併せて計測できるようにすることが望ましい。
本発明に係る生体情報測定装置の一例であるパルスオキシメータ1の外観構成を示す図であって、(a)はその正面図、(b)は(a)図に示す矢印A方向の側面図、(c)は(a)図に示す矢印B方向の側面図をそれぞれ示している。 パルスオキシメータ1を被験者の被測定指Fに装着した状態を示す平面図である。 パルスオキシメータ1の電気的構成を示すブロック図である。 ヘモグロビン及び酸化ヘモグロビンの吸光特性を示すグラフである。 生体による光の吸収状態を模式的に示す説明図である。 生体に入射する入射光と透過光との関係を模式的に示す説明図である。 赤外光による透過光量の正規化を説明するための説明図である。 吸光係数の比とSpOとの関係を示すグラフである。 本発明の第2実施形態に係る分離型のパルスオキシメータ1Aを示す平面図である。 第1の固定部31Aを示し、(a)は正面図、(b)は側面図をそれぞれ示している。 第2の固定部32Aを示し、(a)は正面図、(b)は側面図をそれぞれ示している。 パルスオキシメータ1Aの被測定指Fへの装着状態を示す掌側から見た斜視図である。 分離型のパルスオキシメータ1Aの変形実施形態を示す平面図である。 分離型のパルスオキシメータ1Aの変形実施形態を示す平面図である。 従来のプローブを示す斜視図である。 パルスオキシメータにおける発光部と受光部の一般的な配置例を示す模式図である。
符号の説明
1、1A パルスオキシメータ(生体情報測定装置)
2、2A 装置本体部
21 表示部
22 操作部
23 発光回路
24 受光回路
25 制御処理部(制御処理手段)
26 メモリ部
27 電源部
3、3A 固定部
31、31A 第1の固定部
32、32A 第2の固定部
33F 搭載面
4 センサ部
41 受光部
42 発光部
6 連結部
631 電気コネクタ
64 短尺ケーブル
F 被測定指

Claims (10)

  1. 人体の指から所定の生体情報に関連するパラメータを測定するためのセンサ部と、前記センサ部の動作制御を行うと共にセンサ部から出力される測定信号に対して所定の処理を行う制御処理手段を有する装置本体部とを備える生体情報測定装置であって、
    被測定指と係合する第1の固定部と、前記被測定指以外の他の指と係合する第2の固定部とを備え、これら第1の固定部及び第2の固定部が互いに連結されてなり、
    前記センサ部は、前記第1の固定部に組み付けられ、前記第1の固定部の前記被測定指への係合により前記被測定指へ位置決め装着され、
    前記装置本体部は、前記第2の固定部及び/又は第1の固定部に搭載され、前記第2の固定部及び/又は第1の固定部の前記他の指及び/又は被測定指への係合により、前記他の指及び/又は被測定指へ装着されるよう構成されていることを特徴とする生体情報測定装置。
  2. 前記第1の固定部及び第2の固定部が、指先と係合するものであることを特徴とする請求項1に記載の生体情報測定装置。
  3. 前記第1の固定部及び第2の固定部が、閉止方向に付勢されたクリップからなることを特徴とする請求項1又は2に記載の生体情報測定装置。
  4. 前記第1の固定部が、被測定指となる所定の第1の指と係合するものであり、
    前記第2の固定部が、前記第2の指に隣接する第2の指と係合するものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の生体情報測定装置。
  5. 前記第1の固定部及び第2の固定部が一体化され、これら第1の固定部及び第2の固定部に跨る搭載面が形成され、該搭載面に前記装置本体部が搭載されていることを特徴とする請求項4に記載の生体情報測定装置。
  6. 前記第1の固定部及び第2の固定部の連結部が、脱着自在な連結部とされていることを特徴とする請求項4に記載の生体情報測定装置。
  7. 前記脱着自在な連結部が、前記第1の固定部に組み付けられた前記センサ部と前記第2の固定部に搭載された前記装置本体部とを電気的に接続する電気コネクタを兼ねていることを特徴とする請求項6に記載の生体情報測定装置。
  8. 前記第1の固定部及び第2の固定部が、前記第1の固定部に組み付けられた前記センサ部と前記第2の固定部に搭載された前記装置本体部とを電気的に接続する短尺ケーブルで連結されていることを特徴とする請求項4に記載の生体情報測定装置。
  9. 前記生体情報に関連するパラメータが、生体の脈波に関連するパラメータであって、
    前記センサ部は、所定波長の光を発する発光部と、該発光部から発せられ生体を経由した光を受光可能とされた受光部とを含むことを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の生体情報測定装置。
  10. 前記装置本体部には、前記制御処理手段に加え、測定データを記憶可能なメモリ部と、測定に関連する所定の情報を表示する表示部とが含まれていることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の生体情報測定装置。
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