JP2011125633A - 生体情報測定装置および生体情報モニタ装置 - Google Patents

生体情報測定装置および生体情報モニタ装置 Download PDF

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Abstract

【課題】生体情報の長時間連続測定を、手間をかけずに被検者の低温やけどを予防しつつ行うこと。
【解決手段】センサ110は、被検者の第1の部位に装着可能に構成された発光部112と受光部111とを有し、発光部112から発光されて第1の部位を透過しまたは第1の部位にて反射した複数波長の光を受光部111にて検知する。センサ120は、被検者の第2の部位に装着可能に構成された発光部122と受光部121とを有し、発光部122から発光されて第2の部位を透過しまたは第2の部位にて反射した複数波長の光を受光部121にて検知する。発光駆動回路137は、発光部112、122を選択的に駆動して発光させる。CPU138は、発光部112の発光駆動中は、受光部111にて得られる第1の検知結果に基づいて生体情報を導出し、発光部122の発光駆動中は、受光部121にて得られる第2の検知結果に基づいて生体情報を導出する。
【選択図】図1

Description

本発明は、生体情報として例えば動脈血酸素飽和度(SpO)などの生体パラメータを測定する生体情報測定装置および生体情報モニタ装置に関する。
パルスオキシメータは、動脈血における総ヘモグロビンに対する酸化ヘモグロビンの割合を表す生体パラメータである動脈血酸素飽和度(以下、単に「酸素飽和度」という)を非侵襲的に測定することができる生体情報測定装置である(例えば特許文献1参照)。
酸素飽和度を測定する際には通常、発光部としての発光ダイオードと受光部としてのフォトダイオードとを有するセンサを被検者の特定部位(例えば、指先、つま先など)に装着する。そして、発光部から発光されてセンサ装着部位を透過しまたはそこで反射した赤色光および赤外光を受光部にて検知する。そして、検知結果を示す受光信号に対して復調などの処理を施し、処理後の信号を用いて酸素飽和度を算出する。
特開2001−78990号公報
しかしながら、上記従来のパルスオキシメータにおいては、発光部が発光中に発熱するため、酸素飽和度を長時間連続測定する場合にその発熱に起因してセンサ装着部位に低温やけどを発症する可能性がある。一般に、このような低温やけどの予防策としては、数時間ごとにセンサを付け替えてセンサ装着部位を変えることが挙げられる。ところが、この手法は、手間がかかるという問題があるだけでなく、一時的なセンサ取り外しを余儀なくされることで波形が途切れるため、実質的には長時間連続測定を行えないという問題がある。
本発明の目的は、生体情報の長時間連続測定を、手間をかけずに被検者の低温やけどを予防しつつ行うことができる生体情報測定装置および生体情報モニタ装置を提供することである。
本発明の生体情報測定装置は、被検者の生体情報を測定する生体情報測定装置であって、前記被検者の第1の部位に装着可能に構成された第1の発光部と第1の受光部とを有し、前記第1の発光部から発光されて前記第1の部位を透過しまたは前記第1の部位にて反射した複数波長の光を前記第1の受光部にて検知する第1の検知部と、前記被検者の第2の部位に装着可能に構成された第2の発光部と第2の受光部とを有し、前記第2の発光部から発光されて前記第2の部位を透過しまたは前記第2の部位にて反射した複数波長の光を前記第2の受光部にて検知する第2の検知部と、前記第1の発光部および前記第2の発光部を選択的に駆動して発光させる駆動部と、前記第1の発光部の発光駆動中は、前記第1の受光部にて得られる第1の検知結果に基づいて前記生体情報を導出し、前記第2の発光部の発光駆動中は、前記第2の受光部にて得られる第2の検知結果に基づいて前記生体情報を導出する導出部と、を有する。
本発明の生体情報モニタ装置は、上記生体情報測定装置と、前記第1の発光部の発光駆動中は、前記第1の受光信号に基づく前記生体情報を画面に表示し、前記第2の発光部の発光駆動中は、前記第2の受光信号に基づく前記生体情報を前記画面に表示する表示部と、を有する。
本発明によれば、生体情報の長時間連続測定を、手間をかけずに被検者の低温やけどを予防しつつ行うことができる。
本発明の一実施の形態に係る生体情報モニタ装置の構成を示すブロック図 本発明の一実施の形態に係るリユーザブルセンサの外観図 図2に示すセンサの装着手順の第1のステップを説明するための図 図2に示すセンサの装着手順の第2のステップを説明するための図 本発明の一実施の形態に係るディスポーザブルセンサの外観図 図4に示すセンサの装着手順の第1のステップを説明するための図 図4に示すセンサの装着手順の第2のステップを説明するための図 図4に示すセンサの装着手順の第3のステップを説明するための図 本発明の一実施の形態に係る、タイマによるセンサ切り替えの動作を説明するためのフロー図 本発明の一実施の形態に係る酸素飽和度の表示画面例を説明するための図 本発明の一実施の形態に係る、ノイズ検出によるセンサ切り替えの動作を説明するためのフロー図 本発明の一実施の形態に係る、異常検出によるセンサ切り替えの動作を説明するためのフロー図
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施の形態に係る生体情報モニタ装置の構成を示すブロック図である。
図1の生体情報モニタ装置は、センサ110、120および生体情報モニタ本体130を有する。
第1の検知部としてのセンサ110は、第1の受光部としての受光部111および第1の発光部としての発光部112を有する。受光部111はフォトダイオード113を有し、発光部112は発光ダイオード114、115を有する。発光ダイオード114は駆動されると波長λの赤外光を発光し、発光ダイオード115は駆動されると波長λの赤色光を発光する。フォトダイオード113は赤外光および赤色光を受光したときに第1の受光信号としての電流信号を生成することにより、赤外光および赤色光を検知する。
また、センサ110は、被検者の特定部位(以下「第1のセンサ装着部位」という)に装着可能である。センサ110が第1のセンサ装着部位に装着されているときに発光ダイオード114、115が駆動されて発光すると、第1のセンサ装着部位が赤外光および赤色光で照射される。このとき、フォトダイオード113が第1のセンサ装着部位を透過しまたは第1のセンサ装着部位にて反射した光を検知することができるように、センサ110は構成されている。
第2の検知部としてのセンサ120は、第2の受光部としての受光部121および第2の発光部としての発光部122を有する。受光部121はフォトダイオード123を有し、発光部122は発光ダイオード124、125を有する。発光ダイオード124は駆動されると波長λの赤外光を発光し、発光ダイオード125は駆動されると波長λの赤色光を発光する。フォトダイオード123は赤外光および赤色光を受光したときに第2の受光信号としての電流信号を生成することにより、赤外光および赤色光を検知する。
また、センサ120は、被検者の特定部位(以下「第2のセンサ装着部位」という)に装着可能である。センサ120が第2のセンサ装着部位に装着されているときに発光ダイオード124、125が駆動されて発光すると、第2のセンサ装着部位が赤外光および赤色光で照射される。このとき、フォトダイオード123が第2のセンサ装着部位を透過しまたは第2のセンサ装着部位にて反射した光を検知することができるように、センサ120は構成されている。
ここで、センサ110、120の種類について説明する。センサ110、120には様々な種類があり、被検者の疾患あるいは体重などの諸条件に応じて適切な種類を選択して使用する必要があるが、これらはリユーザブルセンサおよびディスポーザブルセンサの2種類に大別することができる。
図2は、リユーザブルタイプのセンサ110、120の外観図である。図2に示す例では、センサ110は人差し指に、センサ120は薬指に、それぞれ装着されている。センサ110、120は異なる指に装着されるが同じ手に装着されるため、被検者の体動あるいはセンサ110、120の接触不良などの影響がない限り、略同一の測定結果を得ることができる
リユーザブルタイプのセンサ110、120は、ケーブル110a、120aが予め結合された構成となっているため、センサ110、120を装着するだけで酸素飽和度の測定準備を完了することができる。また、ケーブル110a、120aを、センサ110、120と結合する側の数cm〜数十cmを除きケーブル110a、120aの全長にわたって相互結束させた構成とした場合には、センサ110、120を同一の手における異なる指に、容易装着可能である。なお、被検者の拘束を軽減するために、装着は利き腕でない方の手にすることが好ましい。また、非観血血圧測定用のカフが巻かれていない方の腕であることが好ましい。
リユーザブルタイプの場合、例えばセンサ110は、例えば図3Aおよび図3Bに示す手順で指に装着することができる。まず、図3Aに示すように、ケーブル110aが接続されていて発光部(図示せず)が設けられている上部110bを手の甲側に、受光部(図示せず)が設けられている下部110cを手のひら側に、それぞれ配置する。この状態で、ヒンジ部110dのつまみ110eを押してセンサ110を開き、指の肉厚部分が下部110cに設けられた受光部を完全に覆うように位置決めする。そして、図3Bに示すように、ヒンジ部110dのつまみ110eを開いて、上部110bと下部110cとで指を挟持する。このようにしてセンサ装着を行うことができる。
図4は、ディスポーザブルタイプのセンサ110、120の外観図である。図4に示す例では、センサ110は人差し指に、センサ120は薬指に、それぞれ装着されている。ディスポーザブルタイプのセンサ110、120は、ケーブル(図示せず)とは独立した構成となっているため、センサ110、120を装着した後にケーブルを接続することによって、酸素飽和度の測定準備が完了する。
ディスポーザブルタイプの場合、例えばセンサ110は、例えば図5A、図5Bおよび図5Cに示す手順で指に装着することができる。まず、図5Aに示すように、センサ110の伸延方向と指の向きとを合わせる。そして、図5Bに示すように、指先近くの肉厚部分で受光部111が完全に覆われるようにセンサ110を指に当てた状態で、T字状粘着端110fを指に巻き付けるように折り曲げて指に貼付する。そして、図5Cに示すように、中央部110gにてセンサ110を折り曲げて発光部112を爪上に配置させた状態で、ウィング状粘着端を指に巻き付けるように折り曲げて指に貼付する。このようにしてセンサ装着を行うことができる。なお、その後コネクタタブ110iにケーブルを接続することによって、測定準備が完了する。
生体情報モニタ本体130は、電流電圧変換回路131、132、復調回路133、134、信号処理回路135、136、発光駆動回路137、CPU(Central Processing Unit)138、操作部139、記憶部140、表示部141および音声出力部142を有する。
駆動部としての発光駆動回路137は、CPU138の制御下で、センサ110の発光部112(発光ダイオード114、115)およびセンサ120の発光部122(発光ダイオード124、125)を個別に駆動して発光させる。発光駆動回路137は、発光部112を駆動する場合には、発光ダイオード114、115を交互に発光させ、発光部122を駆動する場合には、発光ダイオード124、125を交互に発光させる。発光駆動回路137は、発光ダイオード114、115の発光タイミングを復調回路133に通知し、発光ダイオード124、125の発光タイミングを復調回路134に通知する。
また、発光駆動回路137は、通常の場合には、発光部112の駆動および発光部122の駆動を並行では行わず、いずれか一方のみを行うが、所定の条件を満たした場合に限り、一時的に発光部112の駆動および発光部122の駆動を並行して両方とも行う。
電流電圧変換回路131は、フォトダイオード113により第1の受光信号として生成された電流信号を電圧信号に変換する。復調回路133は、電流電圧変換回路131により生成された電圧信号を、発光駆動回路137から通知された発光タイミングに基づいて分離して別々の電圧信号を生成し、それぞれを復調する。ここで、この分離により生成される電圧信号は、発光ダイオード114の赤外光発光に起因する電圧信号、および、発光ダイオード115の赤色光発光に起因する電圧信号である。これにより、復調回路133は、第1のセンサ装着部位における赤外光の吸光度の経時変化を示す第1の赤外光観測信号と、第1のセンサ装着部位における赤色光の吸光度の経時変化を示す第1の赤色光観測信号とを生成する。信号処理回路135は、復調回路133により生成された第1の赤外光観測信号および第1の赤色光観測信号に対して所定の信号処理(例えば、増幅、A/D変換など)を行う。信号処理後の第1の赤外光観測信号および第1の赤色光観測信号は、CPU138に入力される。
よって、センサ110、電流電圧変換回路131、復調回路133および信号処理回路135は、1つの測定系統を構成する。
電流電圧変換回路132は、フォトダイオード123により第2の受光信号として生成された電流信号を電圧信号に変換する。復調回路134は、電流電圧変換回路132により生成された電圧信号を、発光駆動回路137から通知された発光タイミングに基づいて、発光ダイオード124の赤外光発光に起因する電圧信号と発光ダイオード125の赤色光発光に起因する電圧信号とに分離し、それぞれを復調する。これにより、復調回路134は、第2のセンサ装着部位における赤外光の吸光度の経時変化を示す第2の赤外光観測信号と、第2のセンサ装着部位における赤色光の吸光度の経時変化を示す第2の赤色光観測信号とを生成する。信号処理回路136は、復調回路134により生成された第2の赤外光観測信号および第2の赤色光観測信号に対して所定の信号処理(例えば、増幅、A/D変換など)を行い、信号処理後の第2の赤外光観測信号および第2の赤色光観測信号をCPU138に入力する。
よって、センサ120、電流電圧変換回路132、復調回路134および信号処理回路136は、もう1つの測定系統を構成する。
導出部としてのCPU138は、発光部112の発光駆動中は、第1の赤外光観測信号および第1の赤色光観測信号が入力されるため、第1の赤外光観測信号および第1の赤色光観測信号から、拍動に同期して変化する信号成分をそれぞれ抽出する。そして、CPU138は、抽出した信号成分の比を算出し、算出した比から酸素飽和度を算出する。
また、CPU138は、発光部122の発光駆動中は、第2の赤外光観測信号および第2の赤色光観測信号が入力されるため、第2の赤外光観測信号および第2の赤色光観測信号から拍動に同期して変化する信号成分をそれぞれ抽出する。そして、CPU138は、抽出した信号成分の比を算出し、算出した比から酸素飽和度を算出する。
また、CPU138は、発光部112、122の双方の発光駆動中は、入力された第1の赤外光観測信号および第1の赤色光観測信号から得られる酸素飽和度と入力された第2の赤外光観測信号および第2の赤色光観測信号から得られる酸素飽和度とを平均化する。例えば、第1の赤外光観測信号から抽出された信号成分と第2の赤外光観測信号から抽出された信号成分とを平均化するとともに、第1の赤色光観測信号から抽出された信号成分と第2の赤色光観測信号から抽出された信号成分とを平均化する。そして、平均化した信号成分間の比を算出し、算出した比から酸素飽和度を算出する。
また、CPU138は、算出した酸素飽和度を、記憶部140に記憶させるほか、表示部141に表示させる。CPU138は、記憶部140に予め記憶された酸素飽和度を表示部141に表示させることもできる。記憶部140は、半導体メモリ装置またはハードディスクなどの記憶装置であり、表示部141は、液晶ディスプレイなどの表示装置である。
また、CPU138は、発光駆動回路137、記憶部140および表示部141の動作を制御する。この制御は例えば操作部139の入力操作に従って行われる。操作部139は、ボタン、マウス、キーボードまたはタッチパネルなどの入力装置である。
また、CPU138は、必要時にアラーム音を音声出力部142に出力させる。音声出力部142はスピーカである。
また、CPU138は、ノイズ検出部および異常検出部としての機能も有するが、ノイズ検出および異常検出については後述する。
以上、本実施の形態の生体情報モニタ装置の構成について説明した。
次いで、本実施の形態の生体情報モニタ装置において実行されるセンサ切り替え動作について、3つの例を挙げて説明する。
まず、センサ切り替え動作の第1の例として、タイマによってセンサを切り替える場合について、図6を用いて説明する。なお、この例では、センサ110、120がそれぞれ第1のセンサ装着部位および第2のセンサ装着部位に正しく装着されている場合を前提として説明する。
まず、CPU138は、操作部139による測定開始操作が行われたことを認識すると(ステップS111:YES)、発光駆動回路137に指示を出力することにより、センサ110、120の一方を使用した酸素飽和度測定を開始させる(ステップS112)。
使用されるセンサは、デフォルトとしてCPU138が予め選択していてもよいし、操作部139による選択操作に従ってCPU138が選択してもよい。なお、ここで「使用」は、発光駆動の対象となることを意味している。
つまり、センサ110が使用される場合、CPU138は、センサ110を使用させるための指示を発光駆動回路137に出力する。このとき、CPU138は、センサ110の発光部112における発光ダイオード114、115を所定のタイミングで交互に発光させるための発光タイミング信号を発光駆動回路137に出力する。あるいは、センサ120が使用される場合、CPU138は、センサ120を使用させるための指示を発光駆動回路137に出力する。このとき、CPU138は、センサ120の発光部122における発光ダイオード124、125を所定のタイミングで交互に発光させるための発光タイミング信号を発光駆動回路137に出力する。このようにしてCPU138は、発光駆動回路137が実行する発光駆動を制御する。
CPU138は、センサ110、120の一方を使用させた結果として、受光部111、121の一方にて得られた受光信号に基づいて酸素飽和度を導出する。CPU138は、導出した酸素飽和度を、記憶部140に記憶させるとともに表示部141に表示させるための制御を行う。
センサ110、120の一方を使用した酸素飽和度測定の開始後、CPU138は、測定および測定結果表示を継続させつつ、タイマを用いて経過時間のカウントを行う。
ここで、酸素飽和度の測定結果は、例えば図7に示すような態様で表示部141により画面に表示される。
図7に例示した表示画面150では、測定された酸素飽和度を、その経時変化を示す波形151として波形表示部152に、所定期間での平均測定値(以下、単に「測定値」という)153として測定値表示部154に、それぞれ表示することができる。
表示画面150には、センサ110、120のうち使用されたセンサに対応する波形151および測定値153が表示される一方、センサ110、120のうち使用されていないセンサに対応する波形および数値は表示されない。このため、表示内容を簡素化して見やすくすることができる。
なお、表示画面150では、波形表示部152に心電図および血圧の波形も表示され、測定値表示部154に心拍数、血圧、呼吸数および体温の数値も表示されている。本実施の形態の生体情報モニタ装置はこれらの生体パラメータの測定および表示が可能な構成も有しているが、従来技術の構成と同様であるため、その詳細な説明を省略する。
酸素飽和度の測定およびその結果表示ならびに経過時間のカウントと並行して、CPU138は、操作部139による測定停止操作があったか否かを判断する(ステップS113)。測定停止操作があったと認識された場合には(ステップS113:YES)、CPU138は、酸素飽和度測定およびその結果表示ならびに経過時間のカウントを停止させる。
測定停止操作がないと認識された場合には(ステップS113:NO)、CPU138は、所定時間(例えば4時間)が経過したか否かを判断する(ステップS114)。センサ110、120の一方を使用した酸素飽和度測定が開始してから所定時間が経過していない場合には(ステップS114:NO)、処理はステップS113に戻る。
センサ110、120の一方を使用した酸素飽和度測定が開始してから所定時間が経過した場合には(ステップS114:YES)、CPU138は、酸素飽和度測定に使用するセンサを切り替える(ステップS115)。つまり、所定時間が経過するまでセンサ110が使用されていた場合には、その後はセンサ120を使用した酸素飽和度測定が行われる。所定時間が経過するまでセンサ120が使用されていた場合には、その後はセンサ110を使用した酸素飽和度測定が行われる。
このように、センサ切り替えが行われると、図7に例示した表示画面150の測定値表示部154では、既に表示されている切り替え前のセンサに対応する測定値が、切り替え後のセンサに対応する測定値に更新される。また、表示画面150の波形表示部152では、既に表示されている切り替え前のセンサに対応する波形に続けて、切り替え後のセンサに対応する波形が掃引される。このように、切り替え前後の波形が上下段に分離表示されることなく1波形として表示され、切り替え前後の計測値も上下段に分離表示されることがない。よって、酸素飽和度測定に2つのセンサを使用していながら、あたかも1チャンネルのみの測定を行っているような表示内容を形成することができる。このため、表示内容の見やすさを一層向上させることができる。
次に、センサ切り替え動作の第2の例として、ノイズ検出によってセンサを切り替える場合について、図8を用いて説明する。なお、この例では、説明の簡略化のために、センサ110、120がそれぞれ第1のセンサ装着部位および第2のセンサ装着部位に正しく装着された状態で、酸素飽和度測定が停止されることなく継続実行される場合を前提として説明する。
まず、CPU138は、前述の第1の例におけるステップS112と同様に、センサ110、120の一方を使用した酸素飽和度測定を開始させる(ステップS121)。そして、その測定の開始後、CPU138は、測定および測定結果表示を継続させつつ、第1の赤外光観測信号および第1の赤色光観測信号または第2の赤外光観測信号および第2の赤色光観測信号におけるノイズ成分を検出する。
ノイズ成分検出の結果、CPU138が、検出したノイズ成分の大きさが所定値以上ではなく、導出される酸素飽和度に所定レベル以上のノイズ成分が混入しないと判断した場合には(ステップS122:NO)、CPU138はステップS122を再度実行する。
ノイズ成分が所定値以上であり、酸素飽和度に所定レベル以上のノイズ成分が混入すると判断された場合には(ステップS122:YES)、CPU138は、酸素飽和度測定にセンサ110、120の一方だけでなく他方も使用させる(ステップS123)。
このとき、発光部112、122の双方の発光駆動中となるため、CPU138は、前述のとおり酸素飽和度の平均化を行う。したがって、図7に例示した表示画面150において、測定値表示部154では、平均化された酸素飽和度の測定値153が表示され、波形表示部152では、平均化された酸素飽和度の波形151が表示される。
CPU138は、センサ110、120の双方の使用を、検出したノイズ成分の大きさが所定値未満となるまで継続させる。ノイズ成分が所定値未満となり、酸素飽和度に所定レベル以上のノイズ成分が混入しないと判断された場合には(ステップS124:YES)、CPU138は、酸素飽和度測定にセンサ110、120の一方のみを使用させる(ステップS125)。
このように、導出される酸素飽和度に所定レベル以上のノイズ成分が混入する場合には、センサ110、120の双方を使用した酸素飽和度測定への切り替えが実行される。そして、一方のセンサを含む一測定系統から得られる酸素飽和度の実測値は、他方のセンサを含む別測定系統から並行して得られる酸素飽和度の実測値との平均化により補正される。よって、より正確なノイズ除去を実現することができる。また、この切り替えは、所定レベル以上のノイズ成分が混入しているときに限った一時的なものであるため、センサ装着部位における低温やけどの発症を抑えることができる。
次に、センサ切り替え動作の第3の例として、測定異常の検出によってセンサを切り替える場合について、図9を用いて説明する。
まず、CPU138は、操作部139による測定開始操作が行われたことを認識すると(ステップS131:YES)、発光駆動回路137に指示を出力することにより、センサ110、120の一方を使用した酸素飽和度測定を開始させる(ステップS132)。
センサ110、120の一方を使用した酸素飽和度測定の開始後、CPU138は、測定および測定結果表示を継続させつつ、測定異常の検出を行う。ここで、測定異常とは、センサ外れやセンサ故障などを含むものである。センサ外れやセンサ故障などの測定異常は、例えば、センサ110またはセンサ120を使用して測定された酸素飽和度が異常値を呈しているか否かを判断することにより、認識することができる。あるいは、センサ110、120の装着状態または動作状態を電気的に診断することにより、認識することができる。
酸素飽和度の測定およびその結果表示ならびに測定異常の検出と並行して、CPU138は、操作部139による測定停止操作があったか否かを判断する(ステップS133)。測定停止操作があったと認識された場合には(ステップS133:YES)、CPU138は、酸素飽和度測定およびその結果表示ならびに測定異常の検出を停止させる。
測定停止操作がないと認識された場合には(ステップS133:NO)、CPU138は、測定異常が検出されたか否かを判断する(ステップS134)。測定異常が検出されていない場合には(ステップS134:NO)、処理はステップS133に戻る。
測定異常が検出された場合には(ステップS134:YES)、CPU138は、酸素飽和度測定に使用するセンサを切り替える(ステップS135)。つまり、測定異常が検出されるまでセンサ110が使用されていた場合には、その後はセンサ120を使用した酸素飽和度測定が行われる。測定異常が検出されるまでセンサ120が使用されていた場合には、その後はセンサ110を使用した酸素飽和度測定が行われる。
また、測定異常が検出された場合には、音声出力部142からアラーム音が出力されるようCPU138が音声出力制御を行うとともに、表示部141にも酸素飽和度測定異常アラームを表示するようCPU141が表示出力制御を行うことが好ましい。
このように、センサ切り替えが行われると、センサ外れやセンサ故障などのような測定異常が発生したときでも、センサ付け替えなどによって測定の中断を余儀なくされることなく、酸素飽和度の連続測定を行うことができる。
以上のように、本実施の形態によれば、発光部112、122を選択的に駆動して発光させる。そして、発光部112の発光駆動中は、受光部111にて得られる受光信号に基づいて酸素飽和度を導出し、発光部122の発光駆動中は、受光部121にて得られる第2の受光信号に基づいて酸素飽和度を導出する。これにより、数時間ごとにセンサ付け替えを行うなどの手間をかけることなく、センサ装着部位における低温やけどの発症を予防することができる。また、測定結果として表示される波形が途切れることがないため、酸素飽和度を実質的に長時間連続測定することができる。
以上、本発明の実施の形態について説明した。なお、本実施の形態は、種々変更して実施することができる。例えば、本実施の形態における上記の構成および動作は、パルスオキシメータや睡眠時無呼吸(SAS)測定装置のような生体情報測定装置にも実現可能である。また、本実施の形態では、測定対象の生体情報は動脈血酸素飽和度であるが、動脈血酸素分圧(PaO)であってもよい。
110、120 センサ
111、121 受光部
112、122 発光部
113、123 フォトダイオード
114、115、124、125 発光ダイオード
130 生体情報モニタ本体
131、132 電流電圧変換回路
133、134 復調回路
135、136 信号処理回路
137 発光駆動回路
138 CPU
139 操作部
140 記憶部
141 表示部
142 音声出力部
150 表示画面
151 波形
152 波形表示部
153 測定値
154 測定値表示部

Claims (8)

  1. 被検者の生体情報を測定する生体情報測定装置であって、
    前記被検者の第1の部位に装着可能に構成された第1の発光部と第1の受光部とを有し、前記第1の発光部から発光されて前記第1の部位を透過しまたは前記第1の部位にて反射した複数波長の光を前記第1の受光部にて検知する第1の検知部と、
    前記被検者の第2の部位に装着可能に構成された第2の発光部と第2の受光部とを有し、前記第2の発光部から発光されて前記第2の部位を透過しまたは前記第2の部位にて反射した複数波長の光を前記第2の受光部にて検知する第2の検知部と、
    前記第1の発光部および前記第2の発光部を選択的に駆動して発光させる駆動部と、
    前記第1の発光部の発光駆動中は、前記第1の受光部にて得られる第1の検知結果に基づいて前記生体情報を導出し、前記第2の発光部の発光駆動中は、前記第2の受光部にて得られる第2の検知結果に基づいて前記生体情報を導出する導出部と、
    を有する生体情報測定装置。
  2. 前記駆動部は、導出される前記生体情報に所定レベル以上のノイズが混入するときには、前記第1の発光部および前記第2の発光部の双方を駆動して発光させる、
    請求項1記載の生体情報測定装置。
  3. 前記導出部は、前記第1の発光部および前記第2の発光部の双方の発光駆動中は、前記第1の検知結果および前記第2の検知結果の双方に基づいて、導出される前記生体情報を平均化する、
    請求項2記載の生体情報測定装置。
  4. 前記駆動部は、前記生体情報の測定の異常が検出された場合に、駆動する発光部を、前記第1の発光部および前記第2の発光部の一方から他方に切り替える、
    請求項1記載の生体情報測定装置。
  5. 請求項1記載の生体情報測定装置と、
    前記第1の発光部の発光駆動中は、前記第1の検知結果に基づく前記生体情報を画面に表示し、前記第2の発光部の発光駆動中は、前記第2の検知結果に基づく前記生体情報を前記画面に表示する表示部と、
    を有する生体情報モニタ装置。
  6. 前記表示部は、前記第1の検知結果に基づく前記生体情報を表す波形と前記第2の検知結果に基づく前記生体情報を表す波形とを1波形として表示する、
    請求項5記載の生体情報モニタ装置。
  7. 前記表示部は、前記第1の発光部の発光駆動中は、前記第2の検知結果に基づく前記生体情報を表す波形または数値を表示せずに、前記第1の検知結果に基づく前記生体情報を表す波形または数値を表示し、前記第2の発光部の発光駆動中は、前記第1の検知結果に基づく前記生体情報を表す波形または数値を表示せずに、前記第2の検知結果に基づく前記生体情報を表す波形または数値を表示する、
    請求項5記載の生体情報モニタ装置。
  8. 前記駆動部は、導出される前記生体情報に所定レベル以上のノイズ成分が混入するときには、前記第1の発光部および前記第2の発光部の双方を駆動して発光させ、
    前記導出部は、前記第1の発光部および前記第2の発光部の双方の発光駆動中は、前記第1の検知結果および前記第2の検知結果の双方に基づいて、導出される前記生体情報を平均化し、
    前記表示部は、平均化された前記生体情報を前記画面に表示する、
    請求項5記載の生体情報モニタ装置。
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