JP2007165247A - スタータ用電磁スイッチ - Google Patents
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Abstract
【課題】プランジャ14が静止位置へ復帰する際に、可動接点7の破損を防止できるスタータ用電磁スイッチ1を提供する。
【解決手段】シャフト15の外周に摺動自在に嵌合する円筒部材26の外周には、接点圧スプリング24の反可動接点側端部を支持するフランジ部26aが設けられている。また、内側コア部12bには、プランジャ14が静止位置へ復帰する際に、円筒部材26に設けられたフランジ部26aが当接するストッパ部27が設けられている。
上記の構成によれば、プランジャ14が静止位置を超えてオーバーストロークする際に、接点圧スプリング24が圧縮されるため、接点圧スプリング24に蓄えられる圧縮荷重がプランジャ14のオーバーストロークを抑制する方向に働く。その結果、可動接点7がベースコア部12aに衝突した場合でも、その衝突時の衝撃が緩和されるため、可動接点7の破損を防止できる。
【選択図】図1
【解決手段】シャフト15の外周に摺動自在に嵌合する円筒部材26の外周には、接点圧スプリング24の反可動接点側端部を支持するフランジ部26aが設けられている。また、内側コア部12bには、プランジャ14が静止位置へ復帰する際に、円筒部材26に設けられたフランジ部26aが当接するストッパ部27が設けられている。
上記の構成によれば、プランジャ14が静止位置を超えてオーバーストロークする際に、接点圧スプリング24が圧縮されるため、接点圧スプリング24に蓄えられる圧縮荷重がプランジャ14のオーバーストロークを抑制する方向に働く。その結果、可動接点7がベースコア部12aに衝突した場合でも、その衝突時の衝撃が緩和されるため、可動接点7の破損を防止できる。
【選択図】図1
Description
本発明は、電磁石の吸引力を利用して電気接点を閉操作するスタータ用電磁スイッチに関する。
従来技術として、特許文献1に記載されたスタータ用電磁スイッチがある。
この電磁スイッチは、スタータのモータ回路に設けられるメイン接点を開閉操作すると共に、シフトレバーを介してピニオンギヤをエンジンのリングギヤに噛み合わせる働きを有し、メイン接点を構成する一組の固定接点と可動接点、及び電磁石の吸引力を利用して可動接点を駆動するソレノイド等を備える。
ソレノイドは、電磁石を形成する電磁コイルと、電磁石により磁化されるステーショナリコアと、磁化されたステーショナリコアに吸引されるプランジャと、このプランジャの動きを可動接点に伝えるシャフト等を有し、このシャフトがプランジャと一体に構成されている。
特開平5−126018号公報
この電磁スイッチは、スタータのモータ回路に設けられるメイン接点を開閉操作すると共に、シフトレバーを介してピニオンギヤをエンジンのリングギヤに噛み合わせる働きを有し、メイン接点を構成する一組の固定接点と可動接点、及び電磁石の吸引力を利用して可動接点を駆動するソレノイド等を備える。
ソレノイドは、電磁石を形成する電磁コイルと、電磁石により磁化されるステーショナリコアと、磁化されたステーショナリコアに吸引されるプランジャと、このプランジャの動きを可動接点に伝えるシャフト等を有し、このシャフトがプランジャと一体に構成されている。
ところで、スタータ用電磁スイッチでは、エンジン始動後、電磁コイルへの通電停止により、電磁石の吸引力が消滅してプランジャが静止位置まで復帰する際に、シフトレバーの撓み等により、プランジャが静止位置を超えてオーバーストロークすると、可動接点がステーショナリコアに衝突して可動接点が破損する恐れがある。
これを回避するため、プランジャがオーバーストロークしても可動接点がステーショナリコアに衝突しない様に、プランジャの静止位置でステーショナリコアと可動接点との間に設けられるクリアランスをプランジャのオーバーストローク量を見込んで確保する必要があった。この場合、前記クリアランスが必要以上に大きくなるため、電磁スイッチの全長が長くなり、小型軽量化の妨げになっていた。
これを回避するため、プランジャがオーバーストロークしても可動接点がステーショナリコアに衝突しない様に、プランジャの静止位置でステーショナリコアと可動接点との間に設けられるクリアランスをプランジャのオーバーストローク量を見込んで確保する必要があった。この場合、前記クリアランスが必要以上に大きくなるため、電磁スイッチの全長が長くなり、小型軽量化の妨げになっていた。
また、別の回避手段として、可動接点を厚くして強度を高くする方法もあるが、この場合も、軸方向の寸法が拡大し、且つ材料費が高くなる要因となっていた。
本発明は、上記事情に基づいて成されたもので、その目的は、軸方向の寸法拡大を伴うことなく、プランジャが静止位置へ復帰する際に、可動接点の破損を防止できるスタータ用電磁スイッチを提供することにある。
本発明は、上記事情に基づいて成されたもので、その目的は、軸方向の寸法拡大を伴うことなく、プランジャが静止位置へ復帰する際に、可動接点の破損を防止できるスタータ用電磁スイッチを提供することにある。
(請求項1の発明)
本発明の電磁スイッチは、シャフトの外周に摺動自在に嵌合する円筒部材を有し、この円筒部材に接点圧スプリングの反可動接点側の端部を受けるフランジ部が設けられ、ステーショナリコアには、電磁石の吸引力が消滅してプランジャが押し戻される時に、フランジ部が当接するストッパ部が設けられていることを特徴とする。
上記の構成によれば、プランジャがリターンスプリングの反力を受けて静止位置へ復帰する際に、円筒部材に設けられたフランジ部がステーショナリコアに設けられたストッパ部に当接した後、プランジャが静止位置を超えてオーバーストロークした時に、接点圧スプリングが緩衝材として働く。このため、仮に、可動接点がステーショナリコアに衝突した場合でも、その衝突時の衝撃が接点圧スプリングによって緩和されるので、可動接点の破損を防止できる。
本発明の電磁スイッチは、シャフトの外周に摺動自在に嵌合する円筒部材を有し、この円筒部材に接点圧スプリングの反可動接点側の端部を受けるフランジ部が設けられ、ステーショナリコアには、電磁石の吸引力が消滅してプランジャが押し戻される時に、フランジ部が当接するストッパ部が設けられていることを特徴とする。
上記の構成によれば、プランジャがリターンスプリングの反力を受けて静止位置へ復帰する際に、円筒部材に設けられたフランジ部がステーショナリコアに設けられたストッパ部に当接した後、プランジャが静止位置を超えてオーバーストロークした時に、接点圧スプリングが緩衝材として働く。このため、仮に、可動接点がステーショナリコアに衝突した場合でも、その衝突時の衝撃が接点圧スプリングによって緩和されるので、可動接点の破損を防止できる。
また、フランジ部がストッパ部に当接した後、プランジャがオーバーストロークする際に、接点圧スプリングの反力がプランジャのオーバーストロークを抑制する方向に働くため、先の特許文献1に示される従来の電磁スイッチと比較した場合に、プランジャのオーバーストローク量を小さくできる。これにより、プランジャの静止位置でステーショナリコアと可動接点との間に設定される軸方向のクリアランスを従来より小さく設定できるので、その分、電磁スイッチの全長を短縮でき、小型軽量化に寄与できる。
(請求項2の発明)
請求項1に記載したスタータ用電磁スイッチにおいて、プランジャの静止位置でステーショナリコアと可動接点との間に設定される軸方向のクリアランスをLとし、プランジャが押し戻される時に静止位置を超えて行き過ぎるオーバーストローク量をSとすると、L≧Sの関係が成立していることを特徴とする。
この場合、フランジ部がストッパ部に当接した後、プランジャが静止位置を超えてオーバーストロークした時に、可動接点がステーショナリコアに衝突することがないので、可動接点の破損を防止できる。
請求項1に記載したスタータ用電磁スイッチにおいて、プランジャの静止位置でステーショナリコアと可動接点との間に設定される軸方向のクリアランスをLとし、プランジャが押し戻される時に静止位置を超えて行き過ぎるオーバーストローク量をSとすると、L≧Sの関係が成立していることを特徴とする。
この場合、フランジ部がストッパ部に当接した後、プランジャが静止位置を超えてオーバーストロークした時に、可動接点がステーショナリコアに衝突することがないので、可動接点の破損を防止できる。
(請求項3の発明)
本発明の電磁スイッチは、シャフトの外周に接点圧スプリングの反可動接点側の端部を受けるフランジ部が一体に設けられ、ステーショナリコアには、電磁石の吸引力が消滅してプランジャが押し戻される時に、フランジ部が当接するストッパ部が設けられていることを特徴とする。
上記の構成によれば、プランジャがリターンスプリングの反力を受けて静止位置へ復帰する際に、シャフトに設けられたフランジ部がステーショナリコアに設けられたストッパ部に当接した時点で、プランジャの移動が停止する。つまり、プランジャが静止位置を超えてオーバーストロークすることが無いので、可動接点がステーショナリコアに衝突することもなく、可動接点の破損を防止できる。
本発明の電磁スイッチは、シャフトの外周に接点圧スプリングの反可動接点側の端部を受けるフランジ部が一体に設けられ、ステーショナリコアには、電磁石の吸引力が消滅してプランジャが押し戻される時に、フランジ部が当接するストッパ部が設けられていることを特徴とする。
上記の構成によれば、プランジャがリターンスプリングの反力を受けて静止位置へ復帰する際に、シャフトに設けられたフランジ部がステーショナリコアに設けられたストッパ部に当接した時点で、プランジャの移動が停止する。つまり、プランジャが静止位置を超えてオーバーストロークすることが無いので、可動接点がステーショナリコアに衝突することもなく、可動接点の破損を防止できる。
また、プランジャがオーバーストロークしないので、プランジャの静止位置でステーショナリコアと可動接点との間に設定される軸方向のクリアランスを必要最小限に小さくできる。これにより、プランジャのオーバーストローク量を見込んで前記クリアランスを設定する従来技術と比較した場合に、電磁スイッチの全長を短縮でき、小型軽量化に寄与できる。
(請求項4の発明)
請求項1〜3に記載した何れかのスタータ用電磁スイッチにおいて、ステーショナリコアには、リターンスプリングの反プランジャ側端部を受けるスプリング受け部が設けられ、このスプリング受け部がストッパ部と一体に設けられていることを特徴とする。
この場合、スプリング受け部とストッパ部とを別々に設ける必要がなく、両者を一体に設けることで、構造を簡素化でき、ストッパ部を新たに設けることによるコストアップを抑えることが可能である。
請求項1〜3に記載した何れかのスタータ用電磁スイッチにおいて、ステーショナリコアには、リターンスプリングの反プランジャ側端部を受けるスプリング受け部が設けられ、このスプリング受け部がストッパ部と一体に設けられていることを特徴とする。
この場合、スプリング受け部とストッパ部とを別々に設ける必要がなく、両者を一体に設けることで、構造を簡素化でき、ストッパ部を新たに設けることによるコストアップを抑えることが可能である。
(請求項5の発明)
請求項1〜4に記載した何れかのスタータ用電磁スイッチにおいて、プランジャに連結されるシフトレバーを介して、電磁石の吸引力がピニオンギヤに伝達されることで、ピニオンギヤを軸方向に移動させる働きを有し、電磁石の吸引力が消滅してプランジャが押し戻される時に、ピニオンギヤが軸方向に後退して所定位置に停止することにより、シフトレバーを介してプランジャが静止位置に停止することを特徴とする。
請求項1〜4に記載した何れかのスタータ用電磁スイッチにおいて、プランジャに連結されるシフトレバーを介して、電磁石の吸引力がピニオンギヤに伝達されることで、ピニオンギヤを軸方向に移動させる働きを有し、電磁石の吸引力が消滅してプランジャが押し戻される時に、ピニオンギヤが軸方向に後退して所定位置に停止することにより、シフトレバーを介してプランジャが静止位置に停止することを特徴とする。
本発明を実施するための最良の形態を以下の実施例により詳細に説明する。
図1は電磁スイッチ1の断面図、図2はスタータ2の側面図である。
実施例1に示す電磁スイッチ1は、例えば、自動車用エンジンを始動するためのスタータ2に用いられる。
スタータ2は、図2に示す様に、回転力を発生するモータ3と、このモータ3の駆動トルクが伝達されて回転するピニオンギヤ4とを有し、このピニオンギヤ4がエンジンのリングギヤ(図示せず)に噛み合わされ、ピニオンギヤ4からリングギヤにモータ3の駆動トルクを伝達してエンジンを始動させる周知の働きを有している。
実施例1に示す電磁スイッチ1は、例えば、自動車用エンジンを始動するためのスタータ2に用いられる。
スタータ2は、図2に示す様に、回転力を発生するモータ3と、このモータ3の駆動トルクが伝達されて回転するピニオンギヤ4とを有し、このピニオンギヤ4がエンジンのリングギヤ(図示せず)に噛み合わされ、ピニオンギヤ4からリングギヤにモータ3の駆動トルクを伝達してエンジンを始動させる周知の働きを有している。
電磁スイッチ1は、モータ3の通電回路(モータ回路と呼ぶ)に設けられるメイン接点を開閉すると共に、シフトレバー5(図2参照)を介してピニオンギヤ4をリングギヤに噛み合わせる働きを有し、図1に示す様に、メイン接点を構成する一組の固定接点6と可動接点7、及び電磁石の吸引力を利用して可動接点7を駆動するソレノイド8を有する。 ソレノイド8は、ヨークを形成するスイッチケース9と、ボビン10に巻線されてスイッチケース9の内部に収容される電磁コイル11と、この電磁コイル11への通電によって磁化されるステーショナリコア12と、ボビン10の内周にスリーブ13を介して摺動自在に挿入されるプランジャ14と、このプランジャ14の動きを可動接点7に伝えるシャフト15等より構成される。
ステーショナリコア12は、リング状のベースコア部12aと、このベースコア部12aの内周に圧入固定される内側コア部12bとで構成され、ベースコア部12aの外周部がスイッチケース9の開口部側の内周に設けられる段差に当接して位置決めされている。 プランジャ14は、スリーブ13の内周で内側コア部12bに対向して配置され、その内側コア部12bとの間に配設されるリターンスプリング16により反コア部方向(図1の左方向)へ付勢されている。このプランジャ14には、シフトレバー5に係合するシフト用ロッド17が取り付けられ、電磁石の吸引力がプランジャ14からシフト用ロッド17を介してシフトレバー5に伝達される。
シャフト15は、一端側の端部がプランジャ14に固定され、他端側の端部が内側コア部12bの中心孔を通って、スイッチカバー18の内部に形成される接点室19に入り込んでいる。
スイッチカバー18は、例えば、樹脂成形品であり、ベースコア部12aの反コイル側端面(図1の右側端面)にゴムパッキン等のシール部材(図示せず)を介して組み付けられ、ベースコア部12aとの間に前記接点室19を形成して、スイッチケース9の端部にかしめ固定されている。
スイッチカバー18は、例えば、樹脂成形品であり、ベースコア部12aの反コイル側端面(図1の右側端面)にゴムパッキン等のシール部材(図示せず)を介して組み付けられ、ベースコア部12aとの間に前記接点室19を形成して、スイッチケース9の端部にかしめ固定されている。
一組の固定接点6は、スイッチカバー18に固定される2本の外部端子20、21を介してモータ回路に接続され、スイッチカバー18の内側に取り出された外部端子20、21の頭部と一体に設けられている。2本の外部端子20、21は、バッテリケーブルを介して車載バッテリ(図示せず)に接続されるB端子20と、モータ3から取り出されたリード線22(図2参照)が接続されるM端子21である。
可動接点7は、接点室19に入り込んだシャフト15の端部にインシュレータ23(本発明の絶縁部材)を介して摺動可能に取り付けられると共に、接点圧スプリング24によってシャフト15の先端側(図1の右方向)へ付勢され、シャフト15の先端部にかしめ固定されたワッシャ25に位置決めされている。
可動接点7は、接点室19に入り込んだシャフト15の端部にインシュレータ23(本発明の絶縁部材)を介して摺動可能に取り付けられると共に、接点圧スプリング24によってシャフト15の先端側(図1の右方向)へ付勢され、シャフト15の先端部にかしめ固定されたワッシャ25に位置決めされている。
次に、本発明に係る円筒部材26とストッパ部27の構成について詳述する。
円筒部材26は、シャフト15の外周に摺動自在に嵌合している。
この円筒部材26の外周には、接点圧スプリング24の反可動接点側端部を支持するフランジ部26aが設けられている。なお、接点圧スプリング24は、フランジ部26aとインシュレータ23との間に所定の反力(初期荷重)を蓄えた状態で配置されている。
円筒部材26は、シャフト15が固定されるプランジャ14の端面とインシュレータ23との間に確保される長さより全長が短く設定され、接点圧スプリング24の反力でプランジャ側(図1左側)へ付勢されることにより、反プランジャ側の端面とインシュレータ23との間に隙間が確保されている(図1に示す状態)。
円筒部材26は、シャフト15の外周に摺動自在に嵌合している。
この円筒部材26の外周には、接点圧スプリング24の反可動接点側端部を支持するフランジ部26aが設けられている。なお、接点圧スプリング24は、フランジ部26aとインシュレータ23との間に所定の反力(初期荷重)を蓄えた状態で配置されている。
円筒部材26は、シャフト15が固定されるプランジャ14の端面とインシュレータ23との間に確保される長さより全長が短く設定され、接点圧スプリング24の反力でプランジャ側(図1左側)へ付勢されることにより、反プランジャ側の端面とインシュレータ23との間に隙間が確保されている(図1に示す状態)。
内側コア部12bには、リターンスプリング16の反力でプランジャ14が静止位置(図1に示す位置)へ押し戻される時に、円筒部材26に設けられたフランジ部26aが当接するストッパ部27が設けられている。
このストッパ部27は、リターンスプリング16の反プランジャ側端部を受けるスプリング受け部と一体に設けられている。つまり、フランジ部26aが当接するストッパ部27の端面と反対側の端面にリターンスプリング16の端部が着座している。
上記のフランジ部26aとストッパ部27は、プランジャ14の静止位置で両者が当接できる様に設けられている。つまり、フランジ部26aがストッパ部27に当接した状態で、プランジャ14が静止位置に停止している。
このストッパ部27は、リターンスプリング16の反プランジャ側端部を受けるスプリング受け部と一体に設けられている。つまり、フランジ部26aが当接するストッパ部27の端面と反対側の端面にリターンスプリング16の端部が着座している。
上記のフランジ部26aとストッパ部27は、プランジャ14の静止位置で両者が当接できる様に設けられている。つまり、フランジ部26aがストッパ部27に当接した状態で、プランジャ14が静止位置に停止している。
次に、電磁スイッチ1の作動を説明する。
図示しない始動スイッチのオン操作により電磁コイル11に通電されると、電磁石が形成されてステーショナリコア12が磁化されるため、内側コア部12bとプランジャ14との間に吸引力が作用する。これにより、プランジャ14がリターンスプリング16を押し縮めながら内側コア部12bに吸引され、その内側コア部12bの端面に当接して停止する。このプランジャ14の移動により、プランジャ14に固定されたシャフト15が押し出され、シャフト15の端部に支持された可動接点7が一組の固定接点6に当接した後、接点圧スプリング24の圧縮荷重が可動接点7に付与されることで、メイン接点が閉状態となり、バッテリからモータ3へ給電される。
図示しない始動スイッチのオン操作により電磁コイル11に通電されると、電磁石が形成されてステーショナリコア12が磁化されるため、内側コア部12bとプランジャ14との間に吸引力が作用する。これにより、プランジャ14がリターンスプリング16を押し縮めながら内側コア部12bに吸引され、その内側コア部12bの端面に当接して停止する。このプランジャ14の移動により、プランジャ14に固定されたシャフト15が押し出され、シャフト15の端部に支持された可動接点7が一組の固定接点6に当接した後、接点圧スプリング24の圧縮荷重が可動接点7に付与されることで、メイン接点が閉状態となり、バッテリからモータ3へ給電される。
エンジン始動後、始動スイッチのオフ操作により、電磁コイル11への通電が停止されて電磁石の吸引力が消滅すると、リターンスプリング16の反力でプランジャ14が反コア部方向へ押し戻される。これにより、可動接点7が一組の固定接点6から離れてメイン接点が開状態となり、モータ3への給電が停止される。
また、リターンスプリング16の反力で押し戻されたプランジャ14は、シフトレバー5の撓み等により、一旦、静止位置を超えてオーバーストロークした後、図1に示す静止位置に復帰する。
また、リターンスプリング16の反力で押し戻されたプランジャ14は、シフトレバー5の撓み等により、一旦、静止位置を超えてオーバーストロークした後、図1に示す静止位置に復帰する。
(実施例1の効果)
本実施例の電磁スイッチ1は、プランジャ14がリターンスプリング16の反力で押し戻される時に、円筒部材26に設けられたフランジ部26aが内側コア部12bに設けられたストッパ部27に当接した後、静止位置を超えてオーバーストロークする際に接点圧スプリング24が圧縮されるため、接点圧スプリング24に蓄えられる圧縮荷重がプランジャ14のオーバーストロークを抑制する方向に働く。その結果、仮に、可動接点7がベースコア部12aに衝突した場合でも、その衝突時の衝撃が接点圧スプリング24によって緩和されるので、可動接点7の破損を防止できる。
本実施例の電磁スイッチ1は、プランジャ14がリターンスプリング16の反力で押し戻される時に、円筒部材26に設けられたフランジ部26aが内側コア部12bに設けられたストッパ部27に当接した後、静止位置を超えてオーバーストロークする際に接点圧スプリング24が圧縮されるため、接点圧スプリング24に蓄えられる圧縮荷重がプランジャ14のオーバーストロークを抑制する方向に働く。その結果、仮に、可動接点7がベースコア部12aに衝突した場合でも、その衝突時の衝撃が接点圧スプリング24によって緩和されるので、可動接点7の破損を防止できる。
なお、プランジャ14の静止位置でベースコア部12aと可動接点7との間に設定される軸方向のクリアランスをL、プランジャ14が静止位置を超えて行き過ぎるオーバーストローク量をSとした時に、下記(1)の関係が成立する様に構成しても良い。
L≧S……………………(1)
この場合、円筒部材26のフランジ部26aがストッパ部27に当接した後、プランジャ14が静止位置を超えてオーバーストロークした時に、可動接点7がベースコア部12aに軽く接触することはあっても、激しく衝突することはないので、可動接点7の破損を確実に防止できる。
L≧S……………………(1)
この場合、円筒部材26のフランジ部26aがストッパ部27に当接した後、プランジャ14が静止位置を超えてオーバーストロークした時に、可動接点7がベースコア部12aに軽く接触することはあっても、激しく衝突することはないので、可動接点7の破損を確実に防止できる。
また、フランジ部26aがストッパ部27に当接した後、プランジャ14がオーバーストロークする際に、接点圧スプリング24の圧縮荷重がプランジャ14のオーバーストロークを抑制する方向に働くため、先の特許文献1に示される従来の電磁スイッチと比較した場合に、プランジャ14のオーバーストローク量を小さくできる。これにより、プランジャ14の静止位置でベースコア部12aと可動接点7との間に設定される軸方向のクリアランスLを従来より小さく設定できるので、その分、電磁スイッチ1の全長を短縮でき、小型軽量化に寄与できる。
図3は電磁スイッチ1の断面図である。
この実施例2では、図3に示す様に、シャフト15の外周にフランジ部15aを設けた一例である。この構成によれば、プランジャ14がリターンスプリング16の反力で押し戻される時に、シャフト15に設けたフランジ部15aが、内側コア部12bに設けられたストッパ部27に当接することで、プランジャ14が静止位置に停止する。
この場合、プランジャ14が静止位置を超えてオーバーストロークすることが無いので、可動接点7がベースコア部12aに衝突することもなく、可動接点7の破損を確実に防止できる。
また、プランジャ14がオーバーストロークしないので、ベースコア部12aと可動接点7との間に設定されるクリアランスLを必要最小限に小さくできる。このため、プランジャ14のオーバーストローク量を見込んで前記クリアランスLを設定する従来技術と比較して、電磁スイッチ1の全長を短縮でき、小型軽量化に寄与できる。
この実施例2では、図3に示す様に、シャフト15の外周にフランジ部15aを設けた一例である。この構成によれば、プランジャ14がリターンスプリング16の反力で押し戻される時に、シャフト15に設けたフランジ部15aが、内側コア部12bに設けられたストッパ部27に当接することで、プランジャ14が静止位置に停止する。
この場合、プランジャ14が静止位置を超えてオーバーストロークすることが無いので、可動接点7がベースコア部12aに衝突することもなく、可動接点7の破損を確実に防止できる。
また、プランジャ14がオーバーストロークしないので、ベースコア部12aと可動接点7との間に設定されるクリアランスLを必要最小限に小さくできる。このため、プランジャ14のオーバーストローク量を見込んで前記クリアランスLを設定する従来技術と比較して、電磁スイッチ1の全長を短縮でき、小型軽量化に寄与できる。
1 電磁スイッチ
2 スタータ
4 ピニオンギヤ
5 シフトレバー
6 固定接点
7 可動接点
11 電磁コイル
12 ステーショナリコア
12a ベースコア部
12b 内側コア部
14 プランジャ
15 シャフト
15a フランジ部(実施例2)
16 リターンスプリング
23 インシュレータ(絶縁部材)
24 接点圧スプリング
26 円筒部材
26a フランジ部(実施例1)
27 ストッパ部
2 スタータ
4 ピニオンギヤ
5 シフトレバー
6 固定接点
7 可動接点
11 電磁コイル
12 ステーショナリコア
12a ベースコア部
12b 内側コア部
14 プランジャ
15 シャフト
15a フランジ部(実施例2)
16 リターンスプリング
23 インシュレータ(絶縁部材)
24 接点圧スプリング
26 円筒部材
26a フランジ部(実施例1)
27 ストッパ部
Claims (5)
- スタータのモータ回路に接続される一組の固定接点と、
この一組の固定接点間を断続する可動接点と、
通電時に電磁石を形成する電磁コイルと、
前記電磁石により磁化されるステーショナリコアと、
磁化された前記ステーショナリコアに吸引されて軸方向に移動するプランジャと、
このプランジャと一体に設けられ、前記ステーショナリコアの径方向中央部に開けられた中心孔を通って反プランジャ側へ突き出る一端側の端部に絶縁部材を介して前記可動接点を支持するシャフトと、
前記可動接点が前記一組の固定接点に当接した後、前記可動接点に接点圧を付与する接点圧スプリングと、
前記電磁コイルへの通電停止によって前記電磁石の吸引力が消滅した時に、前記プランジャを静止位置へ押し戻すためのリターンスプリングと備えるスタータ用電磁スイッチであって、
前記シャフトの外周に摺動自在に嵌合する円筒部材を有し、この円筒部材の外周に前記接点圧スプリングの反可動接点側の端部を受けるフランジ部が設けられ、
前記ステーショナリコアには、前記電磁石の吸引力が消滅して前記プランジャが押し戻される時に、前記フランジ部が当接するストッパ部が設けられていることを特徴とするスタータ用電磁スイッチ。 - 請求項1に記載したスタータ用電磁スイッチにおいて、
前記プランジャの静止位置で前記ステーショナリコアと前記可動接点との間に設定される軸方向のクリアランスをLとし、前記プランジャが押し戻される時に前記静止位置を超えて行き過ぎるオーバーストローク量をSとすると、L≧Sの関係が成立していることを特徴とするスタータ用電磁スイッチ。 - スタータのモータ回路に接続される一組の固定接点と、
この一組の固定接点間を断続する可動接点と、
通電時に電磁石を形成する電磁コイルと、
前記電磁石により磁化されるステーショナリコアと、
磁化された前記ステーショナリコアに吸引されて軸方向に移動するプランジャと、
このプランジャと一体に設けられ、前記ステーショナリコアの径方向中央部に開けられた中心孔を通って反プランジャ側へ突き出る一端側の端部に絶縁部材を介して前記可動接点を支持するシャフトと、
前記可動接点が前記一組の固定接点に当接した後、前記可動接点に接点圧を付与する接点圧スプリングと、
前記電磁コイルへの通電停止によって前記電磁石の吸引力が消滅した時に、前記プランジャを静止位置へ押し戻すためのリターンスプリングと備えるスタータ用電磁スイッチであって、
前記シャフトの外周に前記接点圧スプリングの反可動接点側の端部を受けるフランジ部が一体に設けられ、
前記ステーショナリコアには、前記電磁石の吸引力が消滅して前記プランジャが押し戻される時に、前記フランジ部が当接するストッパ部が設けられていることを特徴とするスタータ用電磁スイッチ。 - 請求項1〜3に記載した何れかのスタータ用電磁スイッチにおいて、
前記ステーショナリコアの内周には、前記リターンスプリングの反プランジャ側端部を受けるスプリング受け部が設けられ、このスプリング受け部が前記ストッパ部と一体に設けられていることを特徴とするスタータ用電磁スイッチ。 - 請求項1〜4に記載した何れかのスタータ用電磁スイッチにおいて、
前記プランジャに連結されるシフトレバーを介して、前記電磁石の吸引力がピニオンギヤに伝達されることで、前記ピニオンギヤを軸方向に移動させる働きを有し、
前記電磁石の吸引力が消滅して前記プランジャが押し戻される時に、前記ピニオンギヤが軸方向に後退して所定位置に停止することにより、前記シフトレバーを介して前記プランジャが前記静止位置に停止することを特徴とするスタータ用電磁スイッチ。
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---|---|---|---|
JP2005363485A JP2007165247A (ja) | 2005-12-16 | 2005-12-16 | スタータ用電磁スイッチ |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7978035B2 (en) | 2007-08-08 | 2011-07-12 | Denso Corporation | Magnet switch with magnetic core designed to ensure stability in operation thereof |
CN103426684A (zh) * | 2012-05-21 | 2013-12-04 | 博世汽车部件(长沙)有限公司 | 电磁开关、其制造方法及车辆起动机 |
WO2022021286A1 (zh) * | 2020-07-31 | 2022-02-03 | 华为数字能源技术有限公司 | 触头装置、电磁开关、车载充电机及新能源汽车 |
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2005
- 2005-12-16 JP JP2005363485A patent/JP2007165247A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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