JP2007165193A - 電子放出源及びその製造方法 - Google Patents

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俊明 本郷
Masaru Hori
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Abstract

【課題】カーボンナノチューブ層を表層部に備えた金属板よりなる電子放出源において、前記カーボンナノチューブ層に供給する電力に対する電子の放出能力を大きくすること。
【解決手段】前記カーボンナノチューブ層の表面部を窒化する。このカーボンナノチューブ層は炭素六員環と炭素五員環とが垂直方向に起立した状態で構成されており、炭素六員環及び炭素五員環の先端部の炭素原子を窒素プラズマによって窒素原子に置換することで、置換された窒素原子と炭素原子とを結ぶ結合手の長さが炭素原子と炭素原子とを結ぶ結合手の長さよりも長くなることから、炭素六員環または炭素五員環のC−C−C角に比べてC−N−C角の方が鋭角となる。この鋭角の頂点に位置する窒素原子に電界が集中する。
【選択図】図13

Description

本発明は、電子を放出するためにカーボンナノ材料を基板の表面に成膜して構成された電子放出源及びその製造方法に関する。
半導体デバイスの製造工程において用いられる機器の一つとして電子ビーム(EB)放出源がある。この電子ビーム放出源は、例えばキュア処理、露光処理等に適用できることが知られている。
キュア処理は、例えば多層配線構造のバリア膜の上に形成された低誘電率絶縁膜であるSiOC膜において、SiOC膜とバリア膜との密着性を高めたり、SiOC膜を硬化させるために行うものであり、紫外線(UV)を用いた紫外線キュア処理やプラズマを用いたプラズマキュア処理が知られているが、電子ビームを用いたキュア処理では、紫外線及びプラズマに比べて膜の底部まで改質できるという利点がある。
従来の電子ビーム放出源としてはタングステンフィラメントが用いられており、これはタングステンフィラメントに電圧を印加することで当該タングステンフィラメントから電子を放出させている。しかしタングステンフィラメントに電圧を印加するとフィラメント自身が加熱されることから、フィラメントが消耗し、フィラメント断線が発生したりするため、本発明者らはカーボンナノ材料を用いた電子ビーム放出源を検討している。
この電子ビーム放出源は、例えば口径が0.8nm、長さが1μm程度の大きさのカーボンの中空体よりなるカーボンナノチューブをエタノール等の溶剤に溶解させ、この溶解液を金属板の一面にスプレー塗付し、次いで加熱して前記溶剤を蒸発させて除去することで作製される(例えば特許文献1参照)。
この電子ビーム放出源は、金属板に負の直流電圧を印加することで、前記金属板が電極として作用し、金属板の一面に形成されたカーボンナノチューブ層の尖った部位に電界が集中し、この部位から電子が放出される。しかし半導体製造プロセスに適用するためには、電力コストの点からカーボンナノチューブ層に供給する電力に対する電子の放出能力をできるだけ大きくする要請がある。なお、露光装置等においても上述と同様の問題がある。
特開2001−220674(段落0064及び段落0065、図4及び図5)
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、電子を放出するためにカーボンナノ材料を基板の表面に成膜して構成された電子放出源において、電子放出能力を向上させることができる電子放出源及びその製造方法を提供することにある。
本発明は、電子を放出するためにカーボンナノ材料を基板の表面に成膜して構成された電子放出源において、カーボンナノ材料の先端部が窒化されていることを特徴とする。
また本発明は、電子を放出するためにカーボンナノ材料を基板の表面に成膜して構成された電子放出源を製造する方法において、
基板の表面を洗浄する工程と、
次いでカーボンナノ材料を分散液に分散させた溶液を前記基板の表面に塗布する工程と、
前記溶液が塗布された基板の表面に電界をかけてカーボンナノ材料を起立させる工程と、
その後、基板の表面から分散液を蒸発させる工程と、
しかる後、窒素を含むガスをプラズマ化して得たプラズマを前記基板の表面に供給してカーボンナノ材料を窒化する工程と、を含むことを特徴とする。
また上記電子放出源の製造方法において、プラズマは例えば常圧雰囲気で形成されたものである。また基板の表面を洗浄する工程は、薬液を基板の表面に接触させて洗浄する工程と、次いで基板の表面にオゾンガスまたは酸素プラズマを供給する工程と、を含む。さらに前記溶液を基板の表面に塗布する工程は、溶液を吐出するための塗布ノズルを基板に対して相対的に横方向に移動させることにより行われ、基板の表面にオゾンガスを供給する工程は、前記塗布ノズルの進行方向前方において紫外線ランプを備えたオゾンガス供給部を前記進行方向側に移動させながら行われる。
本発明の電子放出源によれば、カーボンナノ材料の先端部を窒化するので、炭素六員環または炭素五員環の炭素原子が窒素原子で置換され、カーボンナノ材料の抵抗値が下がると共に、置換された窒素原子と炭素原子とを結ぶ結合手の長さは炭素原子と炭素原子とを結ぶ結合手の長さよりも長くなることから、炭素六員環または炭素五員環のC−C−C角に比べてC−N−C角の方が鋭角となる。この鋭角の頂点に位置する窒素原子に電界が集中するため、カーボンナノ材料に供給する電力に対する電子の放出能力が高くなり、電力効率が向上する。
また本発明の電子放出源の製造方法によれば、窒素原子を含むガスをプラズマ化してそのプラズマを基板の表面に供給しているため、カーボンナノ材料の先端部を窒化した電子放出源を得ることができる。そして常圧(大気)雰囲気でプラズマを発生させれば窒素ラジカルの密度が高いため成膜速度が速く、またプラズマの温度が例えば室温程度と低いため、カーボンナノ材料の品質を損なうおそれがない。
先ず本発明に係る電子放出源の製造方法を実施するための製造装置について説明する。図1は製造装置の全体構成を示したものであり、この製造装置は複数の角型の基板Pを収納するキャリア10、基板Pの受け渡し手段A1、上下2段に積層された受け渡しステージS1、主搬送手段である搬送アームA2、塗布装置S3、基板Pを加熱する加熱装置S4、プラズマ処理装置S2を備えている。前記受け渡し手段A1はキャリア10と受け渡しステージS1との間で基板Pの受け渡しが可能なように構成され、前記搬送アームA2は受け渡しステージS1、プラズマ処理装置S2、塗布装置S3及び加熱装置S4の間で基板Pの受け渡しが可能なように構成されている。
この例では前記塗布装置S3は、基板Pを洗浄する洗浄装置を兼用しており、図2に示すように上部側が開口するカップ体20内に、角型の基板Pを載置するための基板保持部であるスピンチャック21が設けられている。前記スピンチャック21は軸部22を介して駆動部23に接続されており、基板Pを保持した状態で回転できるように構成されている。前記カップ体20の底部側には廃液口27及び排気口28が夫々設けられており、前記廃液口27からカップ体20内の廃液が排出されると共に前記排気口28からカップ体20内の気体が排気されるようになっている。
また前記塗布装置S3は、図2に示すようにスピンチャック21に載置された基板Pの表面にカーボンナノ材料である例えば口径が0.8nm、長さが1μm程度の大きさのカーボンの中空体よりなるカーボンナノチューブ(Carbon Nano Tube)を水又は有機溶剤等の分散液に分散混合した溶液(以下、「CNT溶液」という)を供給(塗布)するためのCNT溶液供給ノズル30と、基板Pの表面に薬液例えば水素含有水を供給(塗布)するための薬液供給ノズル31と、基板Pの表面にリンス液例えば純水を供給(塗布)するためのリンス液供給ノズル47とを備えている。前記CNT溶液供給ノズル30及び薬液供給ノズル31は、図3に示すように待機部32,33に夫々待機するようになっている。また前記CNT溶液供給ノズル30及び薬液供給ノズル31は移動機構34,35により昇降自在であり、またカップ体20の外側に設けられたガイドレールGに沿って横方向(図3においてX軸方向)に移動可能に設けられている。前記リンス液供給ノズル47は移動機構48により昇降自在及び回転自在であり、図3に示すように基板Pの表面中央部にリンス液を塗布しない場合には、前記リンス液供給ノズル47は所定の待機位置にある。
また図4に示すように前記CNT溶液供給ノズル30の進行方向(図3においてX軸方向)の側面には基板Pの表面に付着している有機物をオゾンガス及び紫外線で除去するためのオゾンガス供給部40が設けられている。前記CNT溶液供給ノズル30には、図5に示すように例えば基板Pの有効領域の幅と同じかそれ以上の長さに亘ってCNT溶液の吐出口36が形成されており、前記オゾンガス供給部40には、例えば基板Pの有効領域の幅と同じかそれ以上の長さに亘ってオゾンガス吐出口41及び紫外線ランプ42が夫々形成されている。また図4に示すように前記CNT供給ノズル30は配管37を介してCNT溶液供給源38に接続されている。前記オゾンガス吐出口41は配管43を介してオゾンガス供給源44に接続されている。前記紫外線ランプ42は配線45を介して電源部46に接続されている。前記薬液供給ノズル31には、例えば基板Pの有効領域の幅と同じかそれ以上の長さに亘って薬液吐出口31aが形成されており、前記薬液吐出口31aは配管3を介して薬液供給源39に接続されている。前記リンス液供給ノズル47は配管49を介してリンス液供給源4に接続されている。なお、図2中V1〜V4はバルブである。
前記加熱装置は、図6に示すように処理容器50内に下部電極である載置台51が設けられ、前記載置台51の表面部には抵抗発熱体からなるヒータプレート52が設けられている。前記処理容器50には、図示しない窒素ガス供給部から送られてくる窒素(N2)ガスを処理容器50内に供給するガス供給口52aと処理容器50内の排気を行う排気口52bとが設けられている。
また前記処理容器50の上面部には、例えば基板Pの大きさと同等若しくはそれ以上の大きさに形成された上部電極である電極板53が前記載置台51と略対向するように設けられている。この電極板(上部電極)53と載置台(下部電極)51との間に電界を生じさせることで、基板Pの表面に形成された液膜中のカーボンナノチューブの配向を垂直方向に配向させるようになっている。
前記プラズマ処理装置S2は、図7及び図8に示すよう例えばアルミニウム等により形成された処理容器60と、この処理容器60の上部側に位置してプラズマを発生させる円筒状の第1の処理室61と、この下方に連通するように連結された四角状の第2の処理室62とからなる。
前記第1の処理室61の上面は、開口されてこの部分にマイクロ波を透過する部材例えば石英などの材料で形成された透過窓63により形成されている。この透過窓63の外側には、例えば2.45GHzのプラズマ発生用高周波供給手段としての高周波電源部64に接続された導波管65が設けられており、高周波電源部64により発生したマイクロ波Mを導波管65で案内して透過窓63から第1の処理室61内へ導入し得るようになっている。
前記第1の処理室61と第2の処理室62とは例えば厚さ3mm程度の板状の電極6により区画されており、この電極6の中央には図8及び図9に示すように電極6の幅方向に沿って基板Pの横幅と同じかそれ以上の長さに亘って隙間(ギャップ)67が形成されている。この隙間67の幅dはおよそ0.1mmであり、隙間67を介して対向する電極6の端縁はナイフエッジのように尖っている。また図9に示すように基板Pの表面をプラズマ処理する場合には、後述する載置台の上に載置された基板Pと電極6との離間距離tがおよそ5mmに設定されるようになっている。また処理容器60の周縁部には、前記電極6を冷却するための図示しない冷却水流路が形成されている。
第1の処理室61を区画する側壁にはガスノズル66が設けられると共にこのノズル66の基端側は、分岐管80a及び80bに分岐され夫々プラズマガスである希釈ガス例えばヘリウム(He)ガスのガス供給源81a及び窒素を含むガス例えば窒素(N2)ガスのガス供給源81bが接続されている。なお、82a,82bはバルブや流量調整部であるマスフローコントローラ等を含むガス供給機器群である。
前記第2の処理室62内にはバキュームチャックとして構成された載置台9が設けられている。前記載置台9は軸部92を介して駆動部93に接続されており、当該駆動部93により垂直方向(図7においてy軸方向)に移動可能に構成されている。また前記駆動部93は移動基体94に接続されており、当該移動基体94は図8に示すように第2の処理室62内のガイドレール95によってX軸方向に移動可能に構成されている。
また処理容器60の底部には排気管71が接続されており、この排気管71の基端側には例えば排気用ポンプ72が接続されている。また第2の処理室62の側面部には、ゲートバルブ74により開閉自在な基板Pの搬入出口75が形成されている。なお、この処理容器60は接地されてゼロ電位になっている。
以上において、上述したスピンチャック21、載置台51及び載置台9の基板保持部については図示は省略するが、基板Pの裏面側を支持して昇降可能な昇降ピンが各基板保持部を上下に貫通して設けられており、この昇降ピンと上述した搬送アームA2との協働作用により各基板保持部への基板Pの受け渡しが可能なように構成されている。
次に上述した製造装置における電子放出源の製造方法の一例について図10及び図11を参照しながら説明する。先ず外部から例えば金属板である基板Pが収納されたキャリア10が製造装置内の搬入ポートに設置されると、受け渡し手段A1により前記キャリア10から基板Pが1枚取り出され、受け渡しステージS1を介して搬送アームA2に渡される。そして基板Pは搬送アームA2と昇降ピンとの協働作用によって洗浄装置を兼用する塗布装置S3内のスピンチャック21に受け渡され、当該スピンチャック21は所定の位置まで下降される。そして薬液供給ノズル31が移動機構35によりカップ体20内の所定の位置に案内されて、図10(a)に示すように薬液吐出口31aから薬液Dを吐出させながら薬液供給ノズル31を基板Pの一端側から他端側に亘ってスキャンさせることで基板Pの表面を洗浄する。しかる後、基板Pをある程度乾燥させるために基板Pを回転させて薬液Dを振り切るスピン乾燥が行われる。続いてリンス液供給ノズル47が移動機構48によりカップ体20内の基板Pの中央部に案内されて、図10(b)に示すようにリンス液供給ノズル47からリンス液Rを基板P表面の中央部に滴下すると共にスピンチャック21を高速に回転させ、遠心力により基板Pの全面にリンス液を広げて塗布する(スピンコーティング)。しかる後、基板Pをある程度乾燥させるために基板Pを回転させてリンス液を振り切るスピン乾燥が行われる。
続いてCNT溶液供給ノズル30が移動機構34によりカップ体20内の所定位置に案内される。そして紫外線ランプ42を点灯し、バルブV2を開いてオゾンガス吐出口41からオゾンガスの吐出を開始すると共にバルブV1を開いて吐出口36からCNT溶液の吐出を開始しながら、図10(c)に示すように当該CNT溶液供給ノズル30を基板Pの一端側から他端側に亘って所定のスキャン速度で移動させる。このようにCNT溶液供給ノズル30を基板Pの一端側から他端側へ移動させることで、基板Pの表面にCNT溶液が塗布される前に基板Pの表面がオゾンガス及び紫外線に曝されるため、このオゾンガス及び紫外線によって基板Pの表面に付着している有機物が除去され、こうして直前に清浄化された基板Pの表面に順次CNT溶液が塗布されることになる。またこの後塗布されたCNT溶液膜の膜厚均一性を向上させる目的で、基板Pを回転させてもよい。
しかる後、CNT溶液供給ノズル30は、基板Pの他端側を通過した後、バルブV1を閉じてCNT溶液の吐出を停止する共に紫外線ランプ42を消灯し、バルブV2を閉じてオゾンガスの吐出を停止して待機部32に戻される。なお、この例では、基板Pの表面をオゾンガス吐出口41から吐出されるオゾンガス及び紫外線ランプ42から放出される紫外線に曝すことによって有機物を除去しているが、オゾンガス若しくは紫外線のどちらか一方だけを用いて基板Pの表面に付着している有機物を除去するようにしてもよい。また例えば上記製造装置に基板Pの表面をクリーニングするためのプラズマクリーニング装置を配置させて、塗布装置S3において基板Pの表面にCNT溶液を塗布する前に、前記プラズマクリーニング装置において基板Pの表面を酸素(O2)ガスをプラズマ化して得たプラズマに曝すことによって有機物を除去してもよい。
続いて塗布処理が行われた基板Pは搬送アームA2によって加熱装置S4内に搬入され、載置台51の上に載置される。そして図11(a)に示すように先ず処理容器50の上面部に設けられた電位板(上部電極)53と載置台(下部電極)51との間に電界を生じさせ、この電界によって基板Pの表面に形成された液膜E中のカーボンナノチューブの配向を垂直方向に配向させる。即ち、図12に模式的に示すように、基板Pの表面に形成された液膜Eに電界をかけることで、液膜E中のカーボンナノチューブCの向きが静電作用により一律に垂直方向に規制されることになる。しかる後、処理容器50内に例えば窒素ガスを供給して気流を形成しながらヒータプレート52を所定温度に加熱保持し、基板Pの表面の液膜Eから分散液を蒸発させ、これにより基板Pの表面には、起立した状態のカーボンナノチューブ層が形成されることになる。
続いて加熱処理が行われた基板P、即ち表面にカーボンナノチューブ層が形成されている基板Pは搬送アームA2によってプラズマ処理装置S2内に搬入され載置台9上に載置される。そして基板Pが載置台9に真空吸着され、ゲートバルブ74を閉じて内部を密閉した後、載置台9が駆動部93及び移動体94によって処理位置に案内される。しかる後、ガスノズル66から第1の処理室61内へ所定の量のHeガス及びN2ガスが導入されることになる。なお、第1の処理室61及び第2の処理室62内は常圧(大気)雰囲気となっている。
前記高周波電源部64からの2.45GHzの高周波(マイクロ波)は、導波管65を搬送されて処理容器60の天井部に至り、ここの透過窓63を透過して第1の処理室61内へ導入される。このマイクロ波MがHeガスに供給されてHeガスが活性化されやすい状態になり、そしてマイクロ波Mが電極6に与えられることで電極6に電荷が溜まって隙間67にて放電することから、この放電領域及びその周辺においてHeガスが活性化されて高密度の窒素の活性種を含むプラズマ(図11(b)中Bで示す)が立ち、第2の処理室62が排気されていることからプラズマBが基板P側に引き込まれる。こうして基板Pの表面に窒素の活性種が供給されながら、図11(b)に示すように載置台9をガイドレール95に沿って移動させることで、当該載置台9の移動に伴って前記カーボンナノチューブ層Sの表面部が順次窒化されて行くことになる。
この例では載置台9は第2の処理室62の壁面の一方側から他方側に向かって移動することで、図11(c)に示すように前記カーボンナノチューブ層Sにおいて、既述したように電界によって起立したカーボンナノチューブの先端部が窒素原子で置換されることになる。即ち、図13に模式的に示すようにカーボンナノチューブ層Sは炭素六員環と炭素五員環とが垂直方向に起立した状態で構成されており、炭素六員環及び炭素五員環の先端部の炭素原子(C)が窒素原子(N)で置換されることになる。そして窒化処理された基板Pは搬送アームA2により受け渡しステージS1を介して受け渡し手段A1に渡され、元のキャリア10内に戻される。そして後続の基板Pに対しても同様の処理が行われる。
上述した製造装置を用いて製造された電子放出源では、カーボンナノ材料の先端部(電子放出部)が窒化され、炭素六員環または炭素五員環の炭素原子が窒素原子で置換されており、カーボンナノ材料の抵抗値が下がると共に、置換された窒素原子と炭素原子とを結ぶ結合手の長さは炭素原子と炭素原子とを結ぶ結合手の長さよりも長くなることから、図13に示すように炭素六員環または炭素五員環のC−C−C角に比べてC−N−C角の方が鋭角となる。この鋭角の頂点に位置する窒素原子に電界が集中するため、カーボンナノ材料に供給する電力に対する電子の放出能力が高くなり、電力効率が向上する。
また上述した図7に示す常圧プラズマを用いた窒素ラジカルによる窒化方法においては、熱プラズマ法や低圧プラズマ法に比べ、得られる窒素ラジカルの密度が2〜3桁高いため成膜速度が速い。さらにこの常圧の非平衡プラズマにおいては、プラズマの温度は室温程度となっており、そのためカーボンナノ材料の品質を損なうおそれがない。また図2から図5及び図10に示すようにCNT溶液の簡易な塗布方法によりカーボンナノチューブ層を大面積な基板に形成させることができることからLCD等の大型基板への応用も可能である。さらに上述したCNT溶液の塗布方法と常圧プラズマを用いた窒素ラジカルによる窒化方法とを組み合わせることで、塗布及び窒化を大気圧中で行うことができ、設備コストを下げることができる。なお、上述の実施の形態では、窒素原子を含むガスとしてN2ガスを用いて窒素の活性種を生成しているが、N2ガスの代わりにNH3(アンモニア)ガスを用いて窒素の活性種を生成してもよい。また基板Pは金属基板に限られず、基板の表面に金属層が形成されているものを用いてもよい。
続いて上述した製造装置を用いて製造された電子放出源を電子ビーム(EB)キュア装置に適用した例について簡単に説明する。図14中101は、例えばアルミニウム等の導電部材からなる気密に形成された処理容器であり、その内部には基板例えば半導体ウエハ(以下、「ウエハ」という)Wを略水平に保持するための導電部材例えばアルミニウムなどからなる載置台102とその下部に絶縁部材109とが設けられている。処理容器101の載置台102の上方側には、この載置台102と対向するように、金属板Pの一面にカーボンナノ材料の先端部が窒化されたカーボンナノチューブ層Sが形成された電子放出源103が設けられている。この電子放出源103は絶縁部材104を介して処理容器101の上面部に設けられている。
前記電子放出源103及び載置台102には直流電源105が接続されており、この直流電源105によって金属板Pに負の電位が印加されると共に載置台102に正の電位が印加されるようになっている。またスイッチを閉じると、金属板Pが電極として作用し、カーボンナノチューブ層Sの尖った部位(N原子)に電界が集中し、この部位から電子が放出されるようになっている。
また前記処理容器101の載置台102と電子放出源103との間には、当該処理容器101を上下に区画するように、前記電子放出源103から放出された電子のみを透過させるための電子透過窓106が設けられている。また前記処理容器101は、例えば電子透過窓106にて区画された上部側空間、下部側空間の間に夫々排気路107,108を介して図示しない真空ポンプが接続されており、この真空ポンプによって上部側空間及び下部側空間が夫々所定の真空度に維持されるようになっている。
このEBキュア装置では、電子放出源103の金属板Pと載置台102との間に例えば数千Vの直流電圧を印加することで、カーボンナノチューブ層Sから電子が発生する。この電子の発生量は、カーボンナノ材料の先端部が窒化されていないカーボンナノチューブ層に比べて多く、この電子は電子透過窓106を介してウエハW表面に照射され、当該ウエハWが改質処理されることになる。なお、この例では前記ウエハWは、前工程において、例えば多層配線構造のバリア膜例えばSiN膜の上に層間絶縁膜として例えば厚さ0.5μm程度の低誘電率のSiOC膜がプラズマCVDにより成膜されたものである。
また本発明の電子放出源は、上述した改質処理装置の他に、ウエハWに対して電子ビームの照射が行われる種々の処理装置例えば露光処理装置の露光源として適用することができ、さらに蛍光体に電子ビームを照射して蛍光体を発光させるFED(Field Emission Disply)にも適用することができる。
本発明に係る製造装置を示す概略平面図である。 上記製造装置において、塗布装置を示す概略断面図である。 上記製造装置において、塗布装置を示す概略平面図である。 前記塗布装置に用いられるCNT溶液供給ノズルを示す概略縦断面図である。 前記塗布装置に用いられるCNT溶液供給ノズルを示す概略平面図である。 上記製造装置において、加熱装置を示す概略断面図である。 上記製造装置において、プラズマ処理装置を示す概略断面図である。 上記製造装置において、プラズマ処理装置を示す概略平面図である。 上記プラズマ処理装置の要部を示す概略斜視図である。 上記製造装置において、基板表面の処理の様子を示す説明図である。 上記製造装置において、基板表面の処理の様子を示す説明図である。 液膜中のカーボンナノチューブの配向を示す説明図である。 炭素六員環及び炭素五員環の先端部の炭素が窒素で置換される様子を模式的に示す説明図である。 改質処理装置の一例を示す概略縦断面図である。
符号の説明
B プラズマ
C カーボンナノチューブ
D 薬液
M マイクロ波
P 基板
R リンス液
S カーボンナノチューブ層
10 キャリア
21 スピンチャック
30 CNT溶液供給ノズル
40 オゾンガス供給部
51 載置台
53 電極板
6 電極
60 処理容器
61 第1の処理室
62 第2の処理室
64 高周波電源部
67 隙間
9 載置台

Claims (5)

  1. 電子を放出するためにカーボンナノ材料を基板の表面に成膜して構成された電子放出源において、
    カーボンナノ材料の先端部が窒化されていることを特徴とする電子放出源。
  2. 電子を放出するためにカーボンナノ材料を基板の表面に成膜して構成された電子放出源を製造する方法において、
    基板の表面を洗浄する工程と、
    次いでカーボンナノ材料を分散液に分散させた溶液を前記基板の表面に塗布する工程と、
    前記溶液が塗布された基板の表面に電界をかけてカーボンナノ材料を起立させる工程と、
    その後、基板の表面から分散液を蒸発させる工程と、
    しかる後、窒素を含むガスをプラズマ化して得たプラズマを前記基板の表面に供給してカーボンナノ材料を窒化する工程と、を含むことを特徴とする電子放出源の製造方法。
  3. プラズマは常圧雰囲気で形成されたものであることを特徴とする請求項2記載の電子放出源の製造方法。
  4. 基板の表面を洗浄する工程は、薬液を基板の表面に接触させて洗浄する工程と、次いで基板の表面にオゾンガスまたは酸素プラズマを供給する工程と、を含むことを特徴とする請求項2または3記載の電子放出源の製造方法。
  5. 前記溶液を基板の表面に塗布する工程は、溶液を吐出するための塗布ノズルを基板に対して相対的に横方向に移動させることにより行い、
    基板の表面にオゾンガスを供給する工程は、前記塗布ノズルの進行方向前方において紫外線ランプを備えたオゾンガス供給部を前記進行方向側に移動させながら行うことを特徴とする請求項4記載の電子放出源の製造方法。

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