JP2007163970A - パターン描画方法及びフォトマスク製造方法、並びにフォトマスク - Google Patents

パターン描画方法及びフォトマスク製造方法、並びにフォトマスク Download PDF

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Abstract

【課題】パターン異常を生じさせずに繰り返しパターンが描画できるパターン描画方法及びフォトマスク製造方法、並びにフォトマスクを得、パターン描画の精度向上を図る。
【解決手段】基板上の描画領域に所定のビーム幅を有するエネルギービームを走査させ、前記基板上の描画領域に所定のパターンを描画する際に、エネルギービームを第1の方向(X方向)に主走査するスキャン動作を第1の方向とは異なる副走査方向に沿って繰り返し行い、描画領域に所定のパターンを描画し、次いで、基板とエネルギービームとを基板平面の法線方向を軸として相対的に所定角度回転させ、さらに、エネルギービームを第1の方向とは異なる第2の方向(Y方向)に主走査するスキャン動作を第2の方向とは異なる副走査方向に沿って繰り返し行い、先のパターンを所定角度回転させて得た変換パターンを描画領域に描画するようにした。
【選択図】図3

Description

本発明は、半導体素子製造用のフォトマスク等を製造するためにエネルギービームを照射して所望のパターンを基板上の描画領域に描画するパターン描画方法及びフォトマスク製造方法、並びにフォトマスクに関し、特に、走査方向のばらつきに起因する描画パターンの精度低下を回避する改良技術に関する。
近年、液晶ディスプレイ(LCD)等の表示装置は、ディスプレイの高精細化が進んでいることから、表示装置のTFT(薄膜トランジスタ)アレイやカラーフィルター等の製造に用いられるフォトマスクのパターンについても微細化が進んでいる。上記のようなフォトマスクとしては、所定サイズの透明基板上に所定の遮光膜(クロム系膜等)パターンが形成されたものが一般的である。このようなフォトマスクは、通常、透明基板上に所定の遮光膜(クロム系膜)が形成されたフォトマスクブランク上にレジスト膜を塗布し、レジスト膜に、電子線又はレーザ等のエネルギービームを用いてパターン描画を行った後、現像処理を行いレジストパターンを形成し、レジストパターンをマスクとして遮光膜をエッチングし、残存したレジストパターンを剥離して、所定の洗浄工程を経てフォトマスクを製造する。
ところで、フォトマスクは、パターンの描画にラスタスキャン方式を用いるのが主流である。ラスタスキャン方式は、描画エリア全面を、エネルギービーム(電子線或いはレーザ)が走査して、パターン部分に達するとビームがONとなり描画を行う方式である。この方式は、図7に示されるように、スキャン幅(一般的には、描画装置において設定されているビームの振り幅)で現されるX方向の長さ1とビーム径(複数のビームを用いる場合はその合計)で現されるY方向の長さ3とからなる描画単位5(図上斜線を付した部分)を有し、ビームの走査は描画単位毎に、描画領域内のY方向の始点から終点まで矢印7のように順次スキャンされ(このスキャンを1ストライプ9のスキャンと呼ぶ)、それをX方向にずらしながら順次繰り返され、描画領域全面がスキャンされる。
また、ラスタスキャン方式の描画において、例えば、特許文献1の従来技術、或いは特許文献2の発明として記載されているような、転写像の解像度を向上させるために、ビーム径を小さくして描画単位の密度を増大させた上で、図8に示すように、1ストライプ9a,9bのスキャンをオーバーラップさせることで、X方向に隣接する描画単位5a,5bに重なりをもたせ、かつ描画単位5a,5bをY方向にお互いずらす、多重露光(多重描画)が知られている。この場合、多重露光される部分の露光量が本来の露光量となるように、各々のビーム出力が調整されることは勿論である。また、X方向に重なりを持たせることは、描画パターンのムラの発生を低減させることにも有効である。
特開2004−311465号公報 特開2004−333942号公報
しかしながら、ラスタスキャン方式は、一定スキャン幅の1ストライプ9で走査するものであり、隣接する1ストライプ9同士で必ず相互に並行となる繋ぎ部分11a(図7参照)が発生する。多重描画においては、1ストライプ9単位の露光量を少なくすることにより、繋ぎ部分11b(図8参照)の露光量は減少して目立たなくなるものの、スキャン方向が一方向であり、描画単位の繋ぎ部分11bはY方向に連続して存在するため、依然としてパターン異常(筋ムラ)となってしまう問題があった。特に画像系のフォトマスクでは感度が増幅されるため、顕著にパターン異常が筋ムラとして見えてしまう問題があった。また、ハニカム構造の固体撮像素子は、光電変換部を構成するフォトダイオードが八角形であるため、遮光膜のエッジが斜め方向であり、さらに電荷転送部の電荷転送電極もこのフォトダイオードの外縁に沿って形成されるため、斜め45゜方向の経路を有して形成される。このような斜め形状を多く含むパターン用のフォトマスクは、ラスタスキャン方式によるXY方向のみの走査では、斜め部がギザギザとなり、製造条件を整えないと斜めパターンを高精度に描画することが困難となる場合もあった。
本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、その目的は、パターン異常を生じさせずに繰り返しパターンが描画でき、また、斜め部がギザギザとならないパターン描画方法及びフォトマスク製造方法、並びにフォトマスクを提供し、もって、パターン描画の精度向上を図ることにある。
本発明に係る上記目的は、下記構成により達成される。
(1) 基板上の描画領域にエネルギービームを走査させ、前記描画領域に所定のパターンを描画するパターン描画方法であって、前記エネルギービームを第1の方向に主走査するスキャン動作を前記第1の方向とは異なる副走査方向に沿って繰り返し行い、前記描画領域に所定のパターンを描画する第1描画ステップと、前記基板と前記エネルギービームとを前記基板平面の法線方向を軸として相対的に所定角度回転させる回転ステップと、前記エネルギービームを前記第1の方向とは異なる第2の方向に主走査するスキャン動作を前記第2の方向とは異なる副走査方向に沿って繰り返し行い、前記所定のパターンを前記所定角度回転させて得た変換パターンを前記描画領域に描画する第2描画ステップと、を含むことを特徴とするパターン描画方法。
このパターン描画方法によれば、第1描画ステップにより第1の方向にスキャンが繰り返されて描画された後、回転ステップによりエネルギービームと基板とが所定角度回転され、第2描画ステップにより第2の方向にスキャンが繰り返されて所望のパターンが描画される。すなわち、従来では行われなかったスキャン方向の変更が、所定角度毎に行われることとなる。これにより、隣接するスキャン領域同士の繋ぎ部分、或いはスキャン領域内の隣接パス同士の繋ぎ部分が異なる位置に分散され、繋ぎ部分が一方向に揃うことによるパターン異常(例えば筋ムラ)が軽減される。
(2) 前記回転ステップの所定角度が90゜であることを特徴とする(1)記載のパターン描画方法。
このパターン描画方法によれば、第1の方向にスキャンが繰り返されて描画された後、エネルギービームと基板とが90゜相対回転され、第2の方向にスキャンが繰り返されて、90゜回転させた変換パターンが重なって描画される。すなわち、従来では行われなかったスキャン方向の変更が、90゜の回転変換によって行われることとなる。これにより、繋ぎ部分が異なる位置に分散され、繋ぎ部分が一方向に見えることによるパターン異常(例えば筋ムラ)が軽減される。
(3) 前記回転ステップの所定角度が45゜であることを特徴とする(1)記載のパターン描画方法。
このパターン描画方法によれば、第1の方向にスキャンが繰り返されて描画された後、エネルギービームと基板とが45゜相対回転され、第2の方向にスキャンが繰り返されて、45゜回転させた変換画像データが重なって描画される。すなわち、従来では行われなかったスキャン方向の変更が、45゜の回転変換によって行われることとなる。これにより、繋ぎ部分が異なる位置に分散され、繋ぎ部分が一方向に見えることによるパターン異常(例えば筋ムラ)が軽減されるとともに、ハニカム構造の固体撮像素子のように、斜め形状を多く含むパターンであっても、斜め部のギザギザを無くして、斜めパターンの高精度な描画が可能となる。
(4) 前記第2描画ステップの後、スキャン動作の主走査方向が描画済みのスキャン動作の主走査方向とは異なる方向となるように、前記回転ステップと前記描画ステップとを少なくとも1回繰り返し行うことを特徴とする(1)記載のパターン描画方法。
このパターン描画方法によれば、スキャン動作の主走査方向を、描画済みのスキャン動作の主走査方向とは異なる方向になるよう回転ステップを実施し、その回転させた主走査方向で描画ステップを実施することを複数回繰り返し行うことにより、繋ぎ部分が異なる多数の位置に分散され、繋ぎ部分が一方向に揃うことによるパターン異常(例えば筋ムラ)がより軽減されるとともに、ハニカム構造の固体撮像素子のように、斜め形状を多く含むパターンであっても、斜め部のギザギザをより無くして、斜めパターンの一層高精度な描画が可能となる。
(5) 繰り返し行う前記描画ステップにおける前記エネルギービームの主走査方向が、前記第1の方向、及び前記第1の方向に対して正と負の等角度に傾斜した方向を含むことを特徴とする請求項4記載のパターン描画方法。
このパターン描画方法によれば、各スキャン動作のエネルギービームの主走査方向が、第1の方向、及び第1の方向に対して正と負の等角度に傾斜した方向を含むことにより、描画される画像データが第1の方向、及びこれとは傾斜する方向を主走査方向として描画され、繋ぎ部分のムラが軽減される。
(6) 前記各描画ステップのスキャン動作が、前記エネルギービームの今回の主走査に対するビーム幅と前回の主走査に対するビーム幅との少なくとも一部が互いにオーバーラップするスキャン動作であることを特徴とする(1)〜(5)のいずれか1項記載のパターン描画方法。
このパターン描画方法によれば、エネルギービームのスキャン領域がオーバーラップするように主走査することで、繋ぎ部分のムラが軽減されてパターン異常の発生が低減される。
(7) 前記各描画ステップにおけるエネルギービームの強度が、前記パターンの描画に必要となる所要量の強度値を、前記各描画ステップの総数で除した強度値にそれぞれ設定し、該設定された強度のエネルギービームで描画することを特徴とする(1)〜(6)のいずれか1項記載のパターン描画方法。
このパターン描画方法によれば、一描画単位の露光量を少なくすることにより、繋ぎ部分の露光量を減少させて目立たなくでき、フォトマスクのパターン異常(例えば筋ムラ)が軽減される。
(8) レジスト層の形成された基板上の描画領域に所定のビーム幅を有するエネルギービームを照射し、前記基板と前記エネルギービームとの相対移動により前記レジスト層に所定のパターンを形成するフォトマスク製造方法であって、(1)〜(7)のいずれか1項記載のパターン描画方法に基づいて前記レジスト層をパターニングしてフォトマスクを形成することを特徴とするフォトマスク製造方法。
このフォトマスク製造方法によれば、パターン異常を生じさせずに繰り返しパターンが描画でき、また、斜め部がギザギザとならないフォトマスクを得ることができる。
(9)(8)項記載のフォトマスク製造方法により製造されたことを特徴とするフォトマスク。
このフォトマスクによれば、従来のフォトマスクに比べ、パターン異常の軽減されたパターンが形成され、高品位な転写像の形成が可能となる。
本発明に係るパターン描画方法及びフォトマスク製造方法によれば、エネルギービームを第1の方向に主走査するスキャン動作を第1の方向とは異なる副走査方向に沿って繰り返し行うことによって描画領域に所定のパターンを描画し、基板とエネルギービームとを基板平面の法線方向を軸として相対的に所定角度回転させ、その後、エネルギービームを第1の方向とは異なる第2の方向に主走査するスキャン動作を第2の方向とは異なる副走査方向に沿って繰り返し行うので、描画領域に所定のパターンを所定角度回転させた変換パターンが、パターン自体を一致させるように複数回描画される。このように、スキャン方向が変更されることにより、隣接するスキャン領域同士の繋ぎ部分、或いはスキャン領域内の隣接パス同士の繋ぎ部分を異なる位置に分散させることができ、繋ぎ部分が一方向に揃うことによるフォトマスクのパターン異常(例えば筋ムラ)を軽減することができる。この結果、パターン異常を生じさせずに繰り返しパターンが描画でき、パターン描画の精度を向上させることができる。
また、本発明に係るフォトマスクによれば、上記のフォトマスク製造方法で製造されるので、従来のフォトマスクに比べ、パターン異常を軽減させたパターンを形成でき、高品位な転写像を得ることができるようになる。
以下、本発明に係るパターン描画方法及びフォトマスク製造方法、並びにフォトマスクの好適な実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明に係るフォトマスクの製造時に用いる露光装置の概略構成を表した斜視図である。
本実施の形態によるフォトマスク製造方法は、まず、光学研磨されたマスク基板21にクロム等の金属薄膜層を形成し、さらに、クロロメチル化ポリスチレン等の電離放射線レジストを、回転塗布法等により均一に塗布し、加熱乾燥処理を施し、厚さ0.1〜0.2μm程度のレジスト層を形成する。加熱乾燥処理は、レジストの種類や使用する装置によって異なるが、温度は80〜180℃であり、時間はオーブンの場合20〜60分、ホットプレートの場合1〜30分程度行う。次いで、レジスト層に、電子線露光装置100等によるエネルギービームでパターン描画する。
パターン描画では、マスク基板21を、横軸(第1の方向:X軸)、縦軸(第2の方向:Y軸)に移動可能で、かつXY軸の交点を通りこのXY軸に直交するZ軸回りに回転可能なステージ23に固定しておく。パターン描画に用いられるエネルギービームが、電子ビームである場合には、ビームを磁場で偏向することによりビームを走査する。一方、エネルギービームがレーザービームである場合には、多数のスポットビームを用いるマルチビームとして利用され、光源25からの1本のビームLbをビームスプリッターにより複数本のレーザービームに分割する。その後、音響光学素子等により各ビームの進行のオン、オフを所定のパターンに応じて制御し、別の音響光学素子、又は回転ミラー27によりマスク基板21上を一定の距離で走査し、マスク基板21上に露光する。この時、マルチビームの場合は、各ビームを同時に走査、露光する。なお、図1中、29はミラー、31はレンズを示す。
図2にマルチビームのX方向への走査により描画される領域を表した模式図を示した。
ここでは、複数のビームスポットLBを有するマルチビームを一定の距離だけ主走査露光させた照射パターンを基本単位(1パス)とする。そして、基本単位を照射した後に、マスク基板21を移動(副走査)し、再び同様にしてビームを主走査し基本単位を照射した後、マスク基板21を移動する。このようにビームの主走査とマスク基板21の移動(副走査)により単位毎の照射を繰り返すことにより周期をもって多面付けし、マスク基板21全体の描画を終える。
図3は第1実施形態のフォトマスク製造時におけるパターン描画方法を説明する模式図である。
本実施の形態によるフォトマスク製造方法では、描画領域35において、エネルギービームをX方向に主走査して1番目のスキャンを終了した後、エネルギービームとマスク基板21とをY方向に相対移動(副走査)させて、2番目のスキャンを終了し、さらに、Y方向にn番目までのスキャンを繰り返して、レジスト層が形成されたマスク基板21上のXY平面に画像データを描画する。
ところで、電子線露光装置100は、マスク基板21上のパターンの非描画領域37において、適当な凹凸パターンを有する位置合わせマーク33を形成しておき、この位置合わせマーク33をHe−Neレーザ等のレーザ光で走査することで、エネルギービームとマスク基板21との相対的な位置決めを可能にするアライメント機構を有している。このアライメント機構は、位置合わせマーク33に由来する反射光を検出したり、或いは回折光や散乱光の最大強度位置を検出することにより、マスク基板21の向きや中心部の座標をCRT画面上でモニタし、ステージ23を駆動してその位置を微調整可能としている。
ここで、本実施の形態によるフォトマスク製造方法では、所要量の略半分の強度のエネルギービームでX方向に主走査し、矢印Aの向きでY方向(副走査方向)にn番目までのスキャンを繰り返して描画した後、エネルギービームとXY平面とをZ軸回りに90°相対回転させる。すなわち、スキャン方向が変更される。次いで、所要量の略半分の強度のエネルギービームをX方向から90゜回転させた方向(図3のB方向と直交する方向)に主走査して90°回転1番目のスキャンを終了した後、矢印Bの向き(副走査方向)に沿って90°回転n番目までのスキャンを繰り返す。これにより、XY平面であるスキャン領域(描画領域)35に、90°回転させた変換画像データを重ねて描画する。
このようにしてパターン形成を行った後、エチルセロソルブやエステル等の有機溶剤を主成分とする現像液で現像後、アルコール等でリンスし、レジストパターンを形成する。次いで、必要に応じて、加熱処理及びデスカム処理を行って、レジストパターンのエッジ部分等に残存した残渣、スカム等の不要なレジストを除去した後、レジストパターンの開口部より露出した金属薄膜層をエッチングガスプラズマによってドライエッチングし、遮光金属薄膜パターンを形成する。なお、この金属薄膜層のエッチング工程はドライエッチングに代えてウエットエッチングによって行ってもよい。この後、レジストパターンを酸素プラズマによって灰化除去し、金属薄膜層により遮光パターンが形成されたフォトマスクを完成させる。
このように、本実施の形態によるフォトマスク製造方法では、第1描画ステップにより第1の方向(X方向)にスキャンが繰り返されて描画された後、回転ステップによりエネルギービームと基板とが所定角度(90゜)回転され、第2描画ステップにより第2の方向(Y方向)にスキャンが繰り返されて描画される。
したがって、このフォトマスク製造方法によれば、パターン描画の際にスキャン方向が途中で変更されることとなり、隣接するスキャン領域同士の繋ぎ部分、或いはスキャン領域内の隣接パス同士の繋ぎ部分を異なる位置に分散させることができ、繋ぎ部分が一方向に見えることによるフォトマスクのパターン異常(例えば筋ムラ)を軽減することができる。この結果、パターン異常を生じさせずに繰り返しパターンが描画でき、パターン描画の精度を向上させることができる。
また、上記のフォトマスク製造方法で製造されたフォトマスクによれば、従来のフォトマスクに比べ、パターン異常の軽減されたパターンが形成され、高品位な転写像を得ることができるようになる。
次に、本発明に係る第2の実施の形態を説明する。
図4は第2実施形態のフォトマスク製造時におけるパターン描画方法を説明する模式図である。
このフォトマスク製造方法は、所要量の略半分のエネルギービームをX方向に主走査して1番目のスキャンを終了した後、エネルギービームとマスク基板21とをY方向に相対移動(副走査)させて、2番目のスキャンを終了し、さらに、Y方向にn番目までのスキャンを繰り返して、レジスト層が形成されたマスク基板21上のXY平面に画像データを描画する。
このように、矢印Aの向きでY方向にn番目までのスキャンを繰り返して描画を行った後、エネルギービームとXY平面とを、Z軸回りに45°相対回転させる。そして、所要量の略半分のエネルギービームをX方向から45゜回転させた方向(図4のB方向と直交する方向)に主走査して45°回転1番目のスキャンを終了した後、矢印Bの向き(副走査方向)に沿って45°回転n番目までのスキャンを繰り返して、XY平面に、45°回転させた変換画像データを重ねて描画する。
したがって、このフォトマスク製造方法によれば、Y方向にn番目までのスキャンが繰り返されて描画された後、エネルギービームとXY平面とがZ軸回りに45°相対回転され、45゜回転させた方向を主走査方向としてn番目までのスキャンが繰り返されて、45°回転させた変換画像データが重ねて描画される。すなわち、従来では行われなかったスキャン方向の変更が45°の回転変換によって行われることとなる。これにより、上記同様の作用により、繋ぎ部分が異なる位置に分散され、繋ぎ部分が一方向に見えることによるフォトマスクのパターン異常(例えば筋ムラ)が軽減される。
また、図5にハニカム構造を有する固体撮像素子の平面図を示すように、ハニカム構造の固体撮像素子では、光電変換部を構成するフォトダイオード39は八角形であるため、遮光膜のエッジは斜め方向となっている。さらに電荷転送部の電荷転送電極41a、41bはこのフォトダイオード39の外縁に沿って形成されるため、斜め45゜方向の配線構造を有して形成される。また、垂直電荷転送路43もフォトダイオード39の間隙を縫って斜め45゜方向の配線構造を有して形成される。したがって、このフォトマスク製造方法によれば、このようなハニカム構造の固体撮像素子のように、斜め形状を多く含むパターンであっても、斜め部のギザギザを無くして、斜めパターンの高精度な描画を可能にすることができる。
次に、本発明の第3の実施の形態を説明する。
図6は第3実施形態のフォトマスク製造時におけるパターン描画方法を説明する模式図である。
このフォトマスク製造方法は、所要量の略1/3の強度のエネルギービームをX方向に主走査して1番目のスキャンを終了した後、エネルギービームとマスク基板21とをY方向に相対移動(副走査)させて、2番目のスキャンを終了し、さらに、Y方向にn番目までのスキャンを繰り返して、レジスト層が形成されたマスク基板21上のXY平面に画像データを描画する。
このように、矢印Aの向きでY方向にn番目までのスキャンを繰り返して描画を行った後、エネルギービームとXY平面とを、Z軸回りに45°相対回転させる。そして、所要量の略1/3の強度のエネルギービームをX方向から45゜回転させた方向(図6のB方向と直交する方向)に主走査して45°回転1番目のスキャンを終了した後、矢印Bの向き(副走査方向)に沿って45°回転n番目までのスキャンを繰り返して、XY平面に、45°回転させた変換画像データを重ねて描画する。
このように、矢印Bの向き(副走査方向)に沿って45°回転n番目までのスキャンを繰り返して描画した後、エネルギービームとXY平面とを、Z軸回りにさらに90°相対回転させる。そして、所要量の略1/3の強度のエネルギービームをX方向から−45゜回転させた方向(図矢印C方向と直交する方向)に主走査して135°回転1番目のスキャンを終了した後、矢印Cの向き(副走査方向)に沿って135°回転n番目までのスキャンを繰り返して、XY平面に、135°回転させた変換画像データを重ねて描画する。
このフォトマスク製造方法においては、第1描画ステップと回転ステップ、そして、第2描画ステップの後、スキャン動作の主走査方向が、描画済みのスキャン動作の主走査方向とは異なるように回転ステップと描画ステップとを繰り返し行っている。繰り返し回数は、本実施形態では1回であるが、これに限らず複数回であってもよい。本実施形態においては、繰り返し行う前記描画ステップにおけるエネルギービームの主走査方向が、第1描画ステップの主走査方向(第1の方向)、及び、この第1の方向に対して正と負の等角度に傾斜した方向、例えば±45゜傾斜した方向としている。具体的には、第1描画ステップの後、エネルギービームとXY平面とがZ軸回りに45°相対回転され、45°回転させた変換画像データが重ねて描画された後、さらにエネルギービームとXY平面とがZ軸回りに逆方向へ90゜相対回転され、135°回転させた変換画像データが重ねて描画される。これにより、繋ぎ部分が、異なる多数(3箇所)の位置に分散され、繋ぎ部分が一方向に見えることによるフォトマスクのパターン異常(例えば筋ムラ)がより軽減されるとともに、ハニカム構造の固体撮像素子のように、斜め形状を多く含むパターンであっても、斜め部のギザギザをより無くして、斜めパターンの一層高精度な描画が可能となる。
なお、上記したいずれの実施の形態によるフォトマスク製造方法においても、先述の図8に示すように、各描画ステップのスキャン動作が、今回の主走査によるビーム幅と前回の主走査によるビーム幅との少なくとも一部が互いにオーバーラップするスキャン動作であってもよい。このように、エネルギービームのスキャン領域がオーバーラップするように走査することで、繋ぎ部分のムラが軽減されてパターン異常の発生が低減される。
また、各描画ステップにおけるエネルギービームの強度が、パターンの描画に必要となる所要量の強度値を、各描画ステップの総数で除した強度値にそれぞれ設定し、この設定された強度のエネルギービームで描画することにしてもよい。このような多重露光を行うことにより、一描画単位の露光量が少なくなり、繋ぎ部分の露光量をより減少させて目立たなくでき、フォトマスクのパターン異常(例えば筋ムラ)を一層軽減することができる。
なお、上記実施形態においては、本発明に係るパターン描画方法をフォトマスクの製造方法に適用した一例を示したが、本発明はこれに限らず、他のいかなるパターン描画用途に対しても適用することが可能である。
本発明に係る製造方法の実施に用いる露光装置の概略構成を表した斜視図である。 マルチビームのX方向への走査により描画される領域を表した模式図である。 第1実施形態のフォトマスク製造時におけるパターン描画方法を説明する模式図である。 第2実施形態のフォトマスク製造時におけるパターン描画方法を説明する模式図である。 ハニカム構造を有する固体撮像素子の平面図である。 第3実施形態のフォトマスク製造時におけるパターン描画方法を説明する模式図である。 従来のフォトマスク製造時におけるパターン描画方法を説明する模式図である。 従来のフォトマスク製造時における他のパターン描画方法を説明する模式図である。
符号の説明
21 マスク基板(基板)
35 描画領域(スキャン領域)
Lb ビーム(エネルギービーム)

Claims (9)

  1. 基板上の描画領域にエネルギービームを走査させ、前記描画領域に所定のパターンを描画するパターン描画方法であって、
    前記エネルギービームを第1の方向に主走査するスキャン動作を前記第1の方向とは異なる副走査方向に沿って繰り返し行い、前記描画領域に所定のパターンを描画する第1描画ステップと、
    前記基板と前記エネルギービームとを前記基板平面の法線方向を軸として相対的に所定角度回転させる回転ステップと、
    前記エネルギービームを前記第1の方向とは異なる第2の方向に主走査するスキャン動作を前記第2の方向とは異なる副走査方向に沿って繰り返し行い、前記所定のパターンを前記所定角度回転させて得た変換パターンを前記描画領域に描画する第2描画ステップと、を含むことを特徴とするパターン描画方法。
  2. 前記回転ステップの所定角度が90゜であることを特徴とする請求項1記載のパターン描画方法。
  3. 前記回転ステップの所定角度が45゜であることを特徴とする請求項1記載のパターン描画方法。
  4. 前記第2描画ステップの後、スキャン動作の主走査方向が描画済みのスキャン動作の主走査方向とは異なる方向となるように、前記回転ステップと前記描画ステップとを少なくとも1回繰り返し行うことを特徴とする請求項1記載のパターン描画方法。
  5. 繰り返し行う前記描画ステップにおける前記エネルギービームの主走査方向が、前記第1の方向、及び前記第1の方向に対して正と負の等角度に傾斜した方向を含むことを特徴とする請求項4記載のパターン描画方法。
  6. 前記各描画ステップのスキャン動作が、前記エネルギービームの今回の主走査に対するビーム幅と前回の主走査に対するビーム幅との少なくとも一部が互いにオーバーラップするスキャン動作であることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項記載のパターン描画方法。
  7. 前記各描画ステップにおけるエネルギービームの強度が、前記パターンの描画に必要となる所要量の強度値を、前記各描画ステップの総数で除した強度値にそれぞれ設定し、該設定された強度のエネルギービームで描画することを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1項記載のパターン描画方法。
  8. レジスト層の形成された基板上の描画領域に所定のビーム幅を有するエネルギービームを照射し、前記基板と前記エネルギービームとの相対移動により前記レジスト層に所定のパターンを形成するフォトマスク製造方法であって、
    請求項1〜請求項7のいずれか1項記載のパターン描画方法に基づいて前記レジスト層をパターニングしてフォトマスクを形成することを特徴とするフォトマスク製造方法。
  9. 請求項8記載のフォトマスク製造方法により製造されたことを特徴とするフォトマスク。
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