JP2007163366A - 原子炉出力監視装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】LPRMのような中性子束検出器とγサーモメータのようなγサーモメータとを常時炉内に設置してなる原子炉において、出力分布の変動などに起因する平均出力領域モニタ(APRM)の精度劣化を即座に是正することができる原子炉出力監視装置を得ること。
【解決手段】中性子束検出器の指示値を基に演算する平均出力領域モニター12と、γサーモメータの指示値を基に演算する準平均出力領域モニター13と、平均出力領域モニター(APRM)値と準平均出力領域モニター(準APRM)値との差を検知し、その差をあらかじめ与えられている閾値と比較する比較判定装置26と、上記検知した差がこの閾値より大きくなった場合に、中性子束検出器5の指示値を基に演算する平均出力領域モニター値を校正する必要のあることを運転員に通知する校正時期通知装置27とを有することを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、沸騰水型原子炉のように、炉内に設置された中性子検出器の測定値を基に原子炉出力をモニターしている原子炉の出力監視装置に係り、特に、平均出力領域モニタ(APRM)の校正の必要性を自動的に判定する仕組みを備えた原子炉出力監視装置に関する。
一般に、沸騰水型原子炉においては、運転時の核計装系として、中性子束検出器である局部出力領域モニター(LPRM)が高さ方向に4箇所取り付けられた検出器集合体が燃料集合体16体に1体の割合で配置されている。これらのLPRMは、炉心の水平断面、高さ方向にわたって中性子束を監視できるようになっており、局所的な出力の上昇などの情報を提供するようになっている。一方、炉心の平均出力レベルを監視するモニターとして、平均出力領域モニター(APRM)が設けられている。このAPRMは上記LPRMの出力信号を平均することにより炉心平均出力レベル相当値を算出しているとともに、この算出値が予め定められた設定値を超えた場合にアラームやスクラムなどの信号を出す役割をしている。
すなわち、図5は、BWRの炉心の概略構成を示す平面図であり、多数体の燃料集合体1が正方格子状に配置されており、4体の燃料集合体1の中心部に十字状の制御棒2が軸方向に移動可能に配設されている。この炉心には上記炉心内に設置された燃料集合体1の配置の対称性を考慮して、炉心内全体を一様に測定できるように複数の検出器集合体3が配設されている。この検出器集合体3は、図6に示すように、炉心を貫通する保護管4内に、核分裂電離箱からなる中性子の量を検出する局部出力領域モニター(LPRM)5を軸方向に沿って4体、所定の間隔で配置するとともに、上記LPRM5に隣接して設けられた案内管6内にLPRM5の感度校正用の移動型中性子検出器(TIP)7を挿入したものであり、これらのLPRM5の出力が信号ケーブルを介して出力監視装置に入力されて原子炉出力測定及び制御が行われるようにしてある。そして、上記LPRMの信号は平均出力領域モニター(APRM)に寄せ集められ、それを平均した値を用いて炉心の中性子束変化を監視するようにしてある。
上記LPRMとして用いる中性子束検出器は、電極にウラン235などの核分裂物質を塗布し、管内に電離ガスを封入した核分裂計数管を使用するものである。そのため、中性子照射による核分裂物質の減少によって検出感度が劣化するので、上記TIPを用いて校正することが行われている。上記TIPは、LPRMと同じ中性子束検出器であるが、通常は中性子照射の少ない炉外に待機させておき、LPRMの校正時にだけ検出器集合体内を移動させてLPRMを比較校正する。
このように、TIPは検出器集合体内で高さ方向に移動されるものであることから、高さ方向には連続的な中性子束の計測が可能であり、高さ方向に4箇所しかないLPRMの計測値を補完して高さ方向の中性子束分布を形成するのにも用いられている。
ところで、最近、特開平9−211136号公報記載のように、駆動装置を必要としないγサーモメータをTIPに代わってLPRMの校正に用いるようになってきた。γサーモメータは、検出器集合体内のγ線発熱体の温度を熱電対で計測するもので、主に燃料棒から発せられるγ線が発熱体で吸収されたときに生じる熱を測定するものであるため、中性子照射による検出感度の劣化が少ないので炉内に常設が可能である。
図7に示すように、γサーモメータ8の炉心径方向の配置は、LPRM5と同一で、高さ方向の配置は、LPRMと同一の位置とともに、さらにその中間位置にも配置され、全体として高さ方向に7〜9ヶ所配置されている。したがって、γサーモメータから得られるγ線発熱分布(ほぼ出力分布に比例)は、高さ方向に4箇所しかないLPRMよりも詳細な分布が得られるという長所がある反面、測定しているγ線には核分裂で生じる即発性のγ線だけでなく、核分裂生成物の崩壊で生じる遅発性のγ線も含まれることや、発熱の時間遅れなどから、応答の即応性という点では中性子束検出器に若干劣るという短所もある。特に、急速な中性子束の上昇に対するスクラムなどの信号に用いることには応答性の面で不適当である。
前述したようにAPRMは原子炉保護系に繋がっており、指示値の精度とともに応答の即応性が要求される。精度の点では、炉内のLPRMを径方向と高さ方向に偏らないように複数のグループ(チャンネルと呼ばれる)に分け、それぞれのチャンネル毎にLPRM指示値を平均し、ヒートバランスから算出された原子炉熱出力と対応付けすることにより、冗長性と不偏性のある熱出力に連動するAPRM値を構成している。
一方、APRMの精度を劣化させる原因には、中性子照射によるLPRMの感度劣化、炉内の出力分布の変化、の二つの要因がある。前者についてはLPRMを校正することで対処するが、後者についての校正は制御棒操作や冷却材流量変化によって出力分布は変化するので必要時期を判断するのは必ずしも容易ではない。特に、炉心熱出力の変化が大きい場合には、ヒートバランスを用いて算出する原子炉熱出力には時間遅れが生じるので、APRMの校正を実施することは適当でない。そのため、APRMの校正は定常状態を確認して実施する必要がある。
γサーモメータが設置された原子炉におけるLPRMの校正については、特開平8−82691号公報などに開示されている。これらは各LPRMの測定値とγサーモメータの測定値を比較してLPRMの健全性等を判断するというもので、APRMの校正については言及されておらず、特に、出力分布の変化に起因するAPRMの誤差要因に対する対処が不十分であった。
特開平9−211136号公報 特開平8−82691号公報
本発明は、このような点に鑑み、LPRMのような中性子束検出器とγサーモメータのようなγサーモメータとを常時炉内に設置してなる原子炉において、上述した先行技術の問題点をなくし、出力分布の変動などに起因する平均出力領域モニタ(APRM)の精度劣化を即座に是正することができる原子炉出力監視装置を得ることを目的とする。
請求項1に係る発明は、中性子束検出器とγサーモメータとを常時炉内に設置してなる原子炉の原子炉出力監視装置において、中性子束検出器の指示値を基に演算する平均出力領域モニターと、γサーモメータの指示値を基に演算する準平均出力領域モニターと、平均出力領域モニター値と準平均出力領域モニター値との差を検知し、その差をあらかじめ与えられている閾値と比較する比較判定装置と、上記検知した差がこの閾値より大きくなった場合に、中性子束検出器の指示値を基に演算する平均出力領域モニター値を校正する必要のあることを運転員に通知する校正時期通知装置とを有することを特徴とする。
請求項2に係る発明は、中性子束検出器とγサーモメータとを常時炉内に設置してなる原子炉の原子炉出力監視装置において、中性子束検出器の指示値を基に演算する平均出力領域モニターと、γサーモメータの指示値を基に演算する準平均出力領域モニターと、平均出力領域モニター値と準平均出力領域モニター値との差を検知し、その差をあらかじめ設定されている閾値と比較する比較判定装置と、上記検知した差がこの閾値より大きくなった場合に、校正開始の指示信号を発信し、この信号を受けて自動的に中性子束検出器の指示値を基に演算される平均出力領域モニター値を校正する自動校正装置とを有することを特徴とする。
請求項3に係る発明は、請求項1または2に係る発明において、γサーモメータの指示値から生成した準平均出力領域モニターの指示値を用いて、中性子束検出器の指示値を基に演算される平均出力領域モニター値を校正することを特徴とする。
請求項4に係る発明は、請求項2に係る発明において、中性子束検出器の指示値を基に演算する平均出力領域モニター指示値の変化率を演算するAPRM変化率演算装置と、そのAPRM変化率演算装置において演算された変化率が予め設定されている閾値以上の場合に、平均出力領域モニター値の自動校正中止信号を出力する判定装置を有することを特徴とする。
請求項5に係る発明は、請求項4に係る発明において、平均出力領域モニター指示値の変化率が予め設定されている閾値以上の場合には、平均出力領域モニター値と準平均出力領域モニター値との差が0として判定装置に入力されることを特徴とする。
すなわち、γサーモメータは原子炉保護系の入力信号にするには応答性の観点から適当でないと述べたが、通常の出力変化に対しては十分な応答性を有している点に着目し、本発明は、ヒートバランス計算の時間遅れを補い、即座にAPRMの校正の必要性を判定し得る原子炉出力監視装置、もしくは自動的にAPRMを校正する装置を備えた原子炉出力監視装置を提供するものである。
前述のように、γサーモメータは各検出器集合体の高さ方向に約7〜9箇所設けられており、LPRMよりも詳細な高さ方向分布を提供する。しかも、γサーモメータは校正のための測定系であり、冗長性を必要としない。したがって、故障などが原因で測定系から除外されたものを除く全てのγサーモメータの測定値を、複数の系統に分けることなく、用いることができる。もちろんLPRMからAPRMを構成する場合と同じようにγサーモメータを複数の系統に分けて冗長性を持たせることも可能ではあるが、特にその必要があるわけでもない。そこで使用可能な全てのγサーモメータの測定値を平均して平均出力領域モニタ相当値(以下準APRM値という)を計算する。この準APRM値は、炉内の数多くの場所からの出力を平均しているので、炉心平均出力をよく模擬している。
さらに、LPRM測定値から算出するAPRM値が安定している間に、ヒートバランスから得られる原子炉熱出力に合うように準APRM値を規格化する。このようにすれば、同じ方法で規格化されているLPRM測定値から算出するAPRM値と、直接比較することが可能となる。
一方、LPRM測定値を基にしたAPRM値は、LPRMの設置個数が少ないために、真の炉心平均出力とのずれを生じる。このずれは、APRMの校正時点で各チャンネル毎に原子炉熱出力に合うように補正因子を求めることにより補正される。しかし、その補正因子は出力分布が大きく変わらない期間では有効であるが、出力分布が大きく変化した場合には再びAPRMの校正が必要となる。
ところで、校正が必要となった時期を判断するのは容易ではない。そこで、各チャンネルのAPRM値と準APRM値を比較し、この差があらかじめ与えた閾値を越えた場合、運転員に校正の必要性を通知してAPRMの校正を促す仕組みを設ける。あらかじめ与える閾値としては、APRM値が使用されるスクラム、制御棒引抜阻止などの制限値に比べ十分小さな値であることが望ましい。
また、この判断を基に自動的にAPRMの校正ができれば省力化になる。それには二つの方法がある。
一つは、準APRMの指示値RAPGと各チャンネルのAPRM値から補正因子を求めて校正する方法である。たとえば、チャンネルIのAPRM値をRAP(I)として、そのチャンネルに対する補正因子f(I)を数式1で与える。
Figure 2007163366
この方法では、準APRMだけが常にヒートバランスから求められる原子炉熱出力を用いて校正されていれば、APRM値はヒートバランスから求められる原子炉熱出力に対して校正されなくても準APRM値を介して原子炉熱出力に対応したものになる。
もう一つは、従来のようにAPRMをヒートバランスから求められる原子炉熱出力を用いて校正する方法である。この方法は、準APRMを単に校正判断の基準として用いているだけであり、運転員の指示をAPRMの比較判断部が発する信号に換えれば、APRMの校正の仕組みは従来の仕組みをそのまま利用できる。しかし、原子炉出力が変化する場合は、ヒートバランス計算には時間遅れが生じるので準APRMを校正判断の基準とすることはより正しい判定ができる。
以上説明したように、本発明によれば、出力分布の変化に起因するAPRMの誤差をなくすため、即座にAPRMを校正できる原子炉出力監視装置が実現でき、より精度の高い原子炉保護系を構築することが可能となる。特に、出力変化時においては、時間遅れのあるヒートバランス計算に基づく炉心熱出力に頼らず、比較的応答の速いγサーモメータの指示値から生成した準APRM指示値を用いて、APRMの精度の良い校正が可能となる。
以下、添付図面を参照して本発明に係る原子炉出力監視装置の実施の形態について説明する。
図1は本発明に係る原子炉出力監視装置の一実施の形態を示すものである。本実施の形態の原子炉出力監視装置では、原子炉圧力容器10の炉心11内に複数の検出器集合体3が設置されている。図1では、1体のみ示しているが、この検出器集合体3は炉心内に設置された燃料集合体1の配置の対称性を考慮して、炉心内全体を一様に測定できるように複数配置されている。この検出器集合体3は、前述のように、燃料棒を複数束ねた構成からなる燃料集合体に対して、制御棒の挿入位置と反対の位置に設置されており、炉心を軸方向に貫通する保護管4内に、第1の出力検出器として核分裂電離箱からなる固定型中性子検出器である局部出力領域モニターLPRM5を4ヶ所設置するとともに、このLPRM5の校正手段としての第2の出力検出器としてγ線の発熱を検出するγサーモメータ8を設けた構成となっている。LPRM5は、図1に示しているように、炉心の軸方向に所定の間隔で配置されており、ケーブルを介して、これらの出力信号がAPRM12に入力される。これに対して、γサーモメータ8は、図1に示しているように、保護管4の中にLPRM5よりも多数、軸方向に所定の間隔で設置されており、通常、7ヶ所から9ヶ所設置されている。このうち4ヶ所はLPRM5と隣接して設置され、それらを用いて近くのLPRM5の検出感度劣化を校正することができるようになっている。本発明では、γサーモメータ8からの出力信号は、LPRM5と同様にケーブルを介して、前記APRMと同等のロジックで平均出力を求める準APRM13に入力される。
一方、原子炉の熱出力は、通常、炉心11部への熱の収支計算により求める。熱収支計算は、冷却材入口14付近に設置してある検出器15と冷却材出口16付近に設置してある検出器17で測定された温度、流量、圧力等をもとに、原子炉熱出力計算装置18で導出される。
この原子炉熱出力を用いてAPRM値は、ある時間頻度で校正されている。本発明では、APRMと同様に準APRM値もこの炉心熱出力で校正する。
校正されたAPRM値および準APRM値は、比較判定装置20によって比較される。その差が比較判定装置20に予め入力されている閾値より大きくなった場合は、校正時期通知21により運転員にAPRMの校正が必要であることが知らせられる。
ところで、沸騰水型原子炉においては、制御棒の挿入本数や挿入深さを変更して中性子吸収量を制御することにより、連鎖反応が定常的に維持されるように運転されるとともに、炉心の冷却材流量も中性子の反応を制御する手段として用いられている。このように、制御棒も冷却材流量も燃料の出力分布を変化させる。
制御棒は炉心下端から挿入されるので、全挿入された制御棒を引き抜いていくと、隣接する燃料の出力は引き抜かれた燃料上部から出力が増加していく。一方、炉心冷却材流量を低下していくと、燃料の蒸気量が増加するとともに沸騰開始点が燃料下方にシフトするのでやや下膨らみの出力分布になっていく。前述のように、LPRMは、検出器集合体3の中に高さ方向に4箇所設置されており、このような炉内の出力分布や局所的な反応度増加を監視している。
典型的なBWRを例に取ると、LPRMは、図5に示した二系統(AおよびB)に分かれており、各系統はさらにLPRMを高さに偏らないように3チャンネルに分類されている。これら6チャンネルの各チャンネルに属するLPRMをそれぞれ平均化して、各チャンネルのAPRMを形成する。さらに、スクラムなどに用いられる場合は、各系統の3チャンネルのAPRM値から2 out of 3のルールに従って判定して、スクラム信号などを出す。ちなみに、改良型BWRの場合はAPRMを独立した4チャンネルとしてその中で冗長性を持たせている。
各チャンネルのAPRMの校正は、次式に従って利得調整因子AGAFを算出し、このAGAFがほぼ1になるようにAPRMを調整する。すなわち、
Figure 2007163366
ここで、AGAF(I)はチャンネルIのAPRMの利得調整因子、CTPはヒートバランスから計算された炉心熱出力、REFCTPは基準炉心熱出力値、RAP(I)はチャンネルIのAPRM指示値、REFRAP(I)はチャンネルIの基準炉心熱出力でのAPRM基準指示値である。
一方、γサーモメータは各検出器集合体に高さ方向に9箇所設置されている。準APRMは炉内にある全てのγサーモメータの指示値を平均化し、APRMと同様に次のように校正してゲインを決める。すなわち、
Figure 2007163366
において、利得調整因子AGGAFがほぼ1になるように準APRMのゲインを決める。ここで、GRAPは準APRM指示値、REFGRAPは基準炉心熱出力での準APRMの基準指示値である。このように、APRMと準APRMを同じように校正することによって、両者を直接比較することが可能となる。ちなみに、従来のAPRMの校正は、内部ヒータを用いてγサーモメータの校正が実施され、引き続きγサーモメータを用いてLPRMの校正がなされたときや利得調整因子が既定値を越えたときに、原子炉出力が定常に近い状態であることを確認して運転員の指示でγサーモメータの校正が実施される。
図2に、比較判定装置の構成を示す。比較判定装置20では、各チャンネルのAPRM指示値12aと準APRMの指示値13aが取り込まれ、演算装置22により差が取られる。すなわち、演算装置では差DAPRMを
Figure 2007163366
で計算される。上記演算装置22で計算された差DAPRMは、格納装置23に格納されている閾値と比較装置24で比較され、この差DAPRMが閾値を越えた場合には表示指示信号25を出す。通常、設定される閾値は2%程度である。この表示信号を受けて、校正時期通知装置21はコンソール上にLPRMの校正が必要であることおよび上記の差DAPRM(I)が表示される。出力変化時にはヒートバランス計算に時間遅れがあるため、運転員は、利得調整因子をほぼ1にするように調整するのではなく、DAPRM(I)の表示を見ながら、これが0になるようにAPRMを調整する方が精度良く校正できる。
前述のように、LPRMは高さ方向に4箇所しか設置されておらず、また各チャンネルAPRMはこの4箇所から重複しないように選択して形成されているため、それらを平均化しても平均出力との対応が必ずしも良い訳ではない。それに対して、γサーモメータは数多く設置されているため、準APRMは平均出力との対応が良い。したがって、APRMと準APRMの差DAPRM(I)は出力分布の変化に起因するAPRMの誤差であると考えられる。しかして、本発明ではこの出力分布変化に対するAPRMの誤差を精度良く、適切に校正できる。
図3は、本発明における原子炉出力監視装置の第2の実施の形態を示す。本実施の形態では、比較判定装置20の信号を受け、自動的にAPRMの校正を実施する自動校正装置26が設けられている。前述の実施の形態と同様、各チャンネルのLPRM指示値を平均化してAPRM指示値を生成する。一方、準APRMについても故障等のγサーモメータを除いた平均化操作で生成する。
ところで、本実施の形態では、準APRM13の校正は第1の実施の形態と同じ手順で実施するが、APRM12の校正は自動校正装置を介して実施される。すなわち、第1の実施の形態と同様、γサーモメータをヒータで校正した後、準APRMを数式3に従って校正する。一方、APRM12では各チャンネルのAPRM値を生成し、比較判定装置26でAPRMと準APRMの差を比較する。その差があらかじめ与えられた閾値以上であれば自動校正装置27でAPRMを校正するための因子f(I)を数式1に従って算出する。
γサーモメータのヒータによる校正は、中性子照射による劣化が少ないので頻繁に実施する必要がない。したがって、一旦γサーモメータのヒータによる校正を実施すると、その後は上述したAPRMの校正だけを実施すればよい。すなわち、比較判定装置26によりAPRM指示値と準APRM指示値とを比較し、あらかじめ入力した閾値を越えた場合に自動校正装置27により補正係数を算出し、それを用いてAPRMのゲイン調整をする。本実施の形態であれば、この校正は常時可能であり、出力分布の変化の影響を常時取り入れることができる。また、APRMの校正時間と因子f(I)を自動校正装置から運転員に通知する。これにより運転員も校正がなされたことを認識することができる。
図4は、本実施の形態の比較判定装置26の構成を示す。ここに示す構成では、APRM指示値の変化率を計算するAPRM変化率演算装置28とその変化率が規定値より小さい場合にだけAPRMと準APRMの差を比較装置24に送る判定装置29が設置されている。これは準APRMが追随できない非常に大きな出力変化に対して、APRMの自動校正をすることを防止するための仕組みである。しかして、比較判定装置26は各チャンネルのARPM指示値12aと準APRM指示値13aを取り込み、APRM指示値12aと準APRM値13aの差を演算装置22で計算する。これと同時に、変化率演算装置28で各チャンネルのAPRM指示値12aから変化率が計算され、設定値と比較される。典型的なBWRの場合は、AもしくはBの系統に属するチャンネルのAPRM変化率のうち2チャンネルが設定値を越えている場合で、かつ、この意味で2つの系統とも設定値を越えている場合は、判定装置29においてAPRMの校正を阻止するため比較装置24へAPRM指示値12aと準APRM指示値13aの差を0として転送する。したがって、このような場合には自動校正装置27は両者に差がないものとして校正を実施しない。このような仕組みを持たせることで、γサーモメータが追随できない急激な出力上昇ではAPRMの自動校正が阻止される。
本発明における原子炉出力監視装置の第1の実施の形態を示す図。 本発明における比較判定装置の構成を示す図。 本発明における原子炉出力監視装置の第2の実施の形態を示す図。 本発明の第2の実施の形態における比較判定装置の構成を示す図。 典型的な沸騰水型原子炉の炉心水平断面図。 LPRMの軸方向配置の一例を示す図。 γサーモメータの軸方向配置の一例を示す図。
符号の説明
1 燃料集合体
2 制御棒
3 検出器集合体
4 保護管
5 局所出力領域モニタ(LPRM)
8 γサーモメータ
11 炉心準
12 平均出力領域モニタ(APRM)比較判定装置
13 APRM
18 原子炉熱出力計算装置
20 比較判定装置
21 校正時期通知装置
22 演算装置
23 格納装置
24 比較装置
25 表示指示装置
26 比較判定装置
27 自動校正装置
28 APRM変化率演算装置
24 判定装置

Claims (5)

  1. 中性子束検出器とγサーモメータとを常時炉内に設置してなる原子炉の原子炉出力監視装置において、中性子束検出器の指示値を基に演算する平均出力領域モニターと、γサーモメータの指示値を基に演算する準平均出力領域モニターと、平均出力領域モニター値と準平均出力領域モニター値との差を検知し、その差をあらかじめ与えられている閾値と比較する比較判定装置と、上記検知した差がこの閾値より大きくなった場合に、中性子束検出器の指示値を基に演算する平均出力領域モニター値を校正する必要のあることを運転員に通知する校正時期通知装置とを有することを特徴とする原子炉出力監視装置。
  2. 中性子束検出器とγサーモメータとを常時炉内に設置してなる原子炉の原子炉出力監視装置において、中性子束検出器の指示値を基に演算する平均出力領域モニターと、γサーモメータの指示値を基に演算する準平均出力領域モニターと、平均出力領域モニター値と準平均出力領域モニター値との差を検知し、その差をあらかじめ設定されている閾値と比較する比較判定装置と、上記検知した差がこの閾値より大きくなった場合に、校正開始の指示信号を発信し、この信号を受けて自動的に中性子束検出器の指示値を基に演算される平均出力領域モニター値を校正する自動校正装置とを有することを特徴とする原子炉出力監視装置。
  3. γサーモメータの指示値から生成した準平均出力領域モニターの指示値を用いて、中性子束検出器の指示値を基に演算される平均出力領域モニター値を校正することを特徴とする、請求項1または2記載の原子炉出力監視装置。
  4. 中性子束検出器の指示値を基に演算する平均出力領域モニター指示値の変化率を演算するAPRM変化率演算装置と、そのAPRM変化率演算装置において演算された変化率が予め設定されている閾値以上の場合に、平均出力領域モニター値の自動校正中止信号を出力する判定装置を有することを特徴とする、請求項2記載の原子炉出力監視装置。
  5. 平均出力領域モニター指示値の変化率が予め設定されている閾値以上の場合には、平均出力領域モニター値と準平均出力領域モニター値との差が0として判定装置に入力されることを特徴とする、請求項4記載の原子炉出力監視装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100960788B1 (ko) 2008-05-15 2010-06-01 한국전력공사 원자로의 고정형 계측기
EP2296153A3 (en) * 2009-09-11 2011-12-14 GE-Hitachi Nuclear Energy Americas LLC Neutron monitoring systems including gamma thermometers and methods of calibrating nuclear instruments using gamma thermometers
CN102081979B (zh) * 2009-11-27 2013-03-20 上海核工程研究设计院 堆芯中子注量率数据采集和处理系统
US11081244B2 (en) 2015-09-08 2021-08-03 Mitsubishi Electric Corporation Incore nuclear instrumentation system

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