JP2007162906A - バルブ開閉制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 バルブ4の制御応答性を向上することを課題とする。
【解決手段】 正逆2方向のうちで一方向にのみ回転するモータ軸35を有する電動モータ7のモータトルクを利用してバルブ4をバルブ全閉位置とバルブ全開位置との2位置に駆動するアクチュエータ6のトルク伝動機構8に、第1トルク伝動経路(モータ軸35に固定されたカラー50→第1ギヤ61→バルブ軸5に駆動連結する出力ギヤ46)と第2トルク伝動経路(カラー50→第2ギヤ62→アイドルギヤ45→出力ギヤ46)とを選択的に切り替える電磁クラッチ49を配設しているので、バルブ4の開弁作動状態と閉弁作動状態とを切り替える際に、電動モータ7のモータ軸35を正逆2方向に反転(逆転)させる必要はなく、バルブ4の開弁作動状態から閉弁作動状態への切り替え時のバルブ4の制御応答性を向上することができる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、少なくとも1つ以上の流路孔を開閉するバルブを全閉位置と全開位置との2位置に駆動するバルブ駆動装置を備えたバルブ開閉制御装置に関するもので、特に電動モータのモータトルクを利用してバルブを全閉位置と全開位置との2位置に駆動するバルブ開閉制御装置に係わる。
[従来の技術]
従来より、図8に示したように、内部に2個の第1、第2流体ポート101、102、およびこれらの第1、第2流体ポート101、102に選択的に連通する流体流路103が形成されたハウジング104と、このハウジング104の内部において開閉自在に収容された2位置3方向切替弁105と、電動モータ106のモータトルクを利用して2位置3方向切替弁105を2位置に駆動するアクチュエータとを備えた電動三方弁が公知である(例えば、特許文献1参照)。
ここで、2位置3方向切替弁105は、第1流体ポート101を開閉する第1弁体111と、第2流体ポート102を開閉する第2弁体112と、これらの第1、第2弁体111、112とは別体で構成された駆動軸113とを有している。そして、2個の第1、第2弁体111、112は、駆動軸113の外周に摺動自在に組み付けられている。また、2個の第1、第2弁体111、112は、スプリング114の付勢力および駆動軸113に組み付けられた2個の第1、第2ストッパ115、116によってハウジング104の第1、第2弁座部121、122に押し付けられることで、第1、第2流体ポート101、102を閉じるように構成されている。また、アクチュエータは、電動モータ106のモータトルクが伝達される歯車減速機構107、およびこの歯車減速機構107を介して電動モータ106の回転運動を直線往復運動に変換する運動方向変換機構109等によって構成されている。ここで、図8は、2個の第1、第2流体ポート101、102が、2個の第1、第2弁体111、112によって共に閉じられた閉弁状態を示している。
そして、第1流体ポート101を開弁し、第2流体ポート102を閉弁する際には、先ずギヤケース123内の切替スイッチ124を操作して電動モータ106を正転方向に回転させる。すると、運動方向変換機構109によって電動モータ106の正転方向の回転運動が図示上方向への直線運動に変換されて、運動方向変換機構109に結合された駆動軸113が図示上方向に移動する。そして、駆動軸113の外周部に組み付けられた第1ストッパ115が、第1弁体111を押し上げる。このとき、第1弁体111は、第1弁座部121より離座して第1流体ポート101を開き、また、第2弁体112は、第2弁座部122に押し付けられて第2流体ポート102を閉じる。
また、第1流体ポート101を閉弁し、第2流体ポート102を開弁する際には、切替スイッチ124を操作して電動モータ106を逆転方向に回転させる。すると、運動方向変換機構109によって電動モータ106の逆転方向の回転運動が図示下方向への直線運動に変換されて、駆動軸113が図示下方向に移動する。そして、第2ストッパ116が、第2弁体112を押し下げる。このとき、第1弁体111は、第1弁座部121に押し付けられて第1流体ポート101を閉じ、また、第2弁体112は、第2弁座部122より離座して第2流体ポート102を開く。
[従来の技術の不具合]
ところが、従来の電動三方弁においては、2位置3方向切替弁105を開弁駆動および閉弁駆動するために、電動モータ106のモータシャフト119を正逆2方向に回転させる必要がある。このため、2位置3方向切替弁105の開弁作動状態から2位置3方向切替弁105の閉弁作動状態に切り替える時に、一旦電動モータ106への電力の供給を停止して、電動モータ106に供給する電流方向を切り替えてから、2位置3方向切替弁105の閉弁作動を開始しなければならず、2位置3方向切替弁105の開弁作動状態から閉弁作動状態への切り替え時の制御応答性、あるいは2位置3方向切替弁105の閉弁作動状態から開弁作動状態への切り替え時の制御応答性が悪いという問題が生じている。
これでは、正逆2方向のうち一定の方向のみモータシャフトが回転するポンプ用モータと2位置3方向切替弁105を2位置に駆動する電動モータ106とを共用化することができないという問題が生じる。
また、従来の電動三方弁においては、2位置3方向切替弁105の駆動軸113の外周に2個の第1、第2弁体111、112が摺動自在に組み付けられているため、2個の第1、第2弁体111、112の内周部と駆動軸113の外周部との間を気密保持するためのOリング等の第1、第2シール部品131、132が必要になる。これによって、電動三方弁を構成するための構成部品が多くなり、ハウジング104の内部に多くの構成部品を収容する必要があり、電動三方弁の体格が大きくなるという問題が生じている。また、部品点数の増加に伴って組付工数が増加することにより、製品コストが上昇してしまうという問題が生じている。また、2個の第1、第2弁体111、112と駆動軸113とが摺動するため、2個の第1、第2弁体111、112の内周部と駆動軸113の外周部との間に摺動摩耗が発生し、2個の第1、第2弁体111、112の内周部と駆動軸113の外周部との間にシール不良が発生し易く、作動耐久寿命が短くなるという問題が生じる。
特開昭64−12181号公報(第1−3頁、第1図−第3図)
請求項1〜請求項15に記載の発明の目的は、バルブの開弁作動状態から閉弁作動状態への切り替え時のバルブの制御応答性を向上することのできるバルブ開閉制御装置を提供することにある。また、摩耗によるシール不良の発生を防止して、作動耐久寿命の長期化を図ることのできるバルブ開閉制御装置を提供することにある。
また、請求項3および請求項4に記載の発明の目的は、部品点数および組付工数を減少し、体格の小型化を図ることのできるバルブ開閉制御装置を提供することにある。さらに、請求項14に記載の発明の目的は、バルブを駆動するモータ軸と羽根車を駆動するモータ軸とを共用化することのできるバルブ開閉制御装置を提供することにある。
請求項1に記載の発明によれば、伝動経路切替手段によって第1トルク伝動経路に切り替えられると、モータの回転トルクが、回転方向反転手段を迂回して、モータのモータ軸からトルク伝動機構の出力部に伝達され、トルク伝動機構の出力部がモータ軸の回転方向と同一方向に回される。これによって、トルク伝動機構の出力部によってバルブ軸が駆動されるため、バルブシートに着座して流路孔を閉鎖していたバルブが、開弁作動方向に駆動される。これにより、バルブがバルブシートより離脱して流路孔が開放される。また、バルブシートより離脱して流路孔を開放していたバルブが、閉弁作動方向に駆動される。これにより、バルブがバルブシートに着座して流路孔が閉鎖される。
一方、伝動経路切替手段によって第2トルク伝動経路に切り替えられると、モータの回転トルクが、回転方向反転手段を経由して、モータのモータ軸からトルク伝動機構の出力部に伝達され、トルク伝動機構の出力部がモータ軸の回転方向に対して逆方向に回される(反転する)。これによって、トルク伝動機構の出力部によってバルブ軸が駆動されるため、バルブシートより離脱して流路孔を開放していたバルブが、閉弁作動方向に駆動される。これにより、バルブがバルブシートに着座して流路孔が閉鎖される。また、バルブシートに着座して流路孔を閉鎖していたバルブが、開弁作動方向に駆動される。これにより、バルブがバルブシートより離脱して流路孔が開放される。
したがって、正逆2方向のうちで一方向にのみ回転するモータ軸を有するモータの駆動力を利用してバルブを駆動するバルブ駆動装置のトルク伝動機構に、正逆2方向に回転してモータの回転トルクをバルブ軸に出力する出力部と、モータ軸の回転方向に対して出力部の回転方向を逆方向に反転させる回転方向反転手段と、第1トルク伝動経路と第2トルク伝動経路とを選択的に切り替える伝動経路切替手段とを設けることにより、バルブの開弁作動状態と閉弁作動状態とを切り替える際に、モータのモータ軸を正逆2方向に反転(逆転)させる必要はなく、バルブの開弁作動状態と閉弁作動状態とを切り替える時のバルブの制御応答性を向上することができる。
また、バルブを開弁駆動および閉弁駆動するモータと、例えば正逆2方向のうちで一方向にのみ連続的(または断続的)に回転するモータ軸を有する他の機能部品のモータ(例えば電動ポンプ用モータ等)とを共用化することができる。さらに、バルブにバルブ軸を一体的に形成しているので、バルブ軸の外周をバルブが摺動することはない。これにより、摩耗によるシール不良の発生を防止することができる。この結果、バルブ開閉制御装置の作動耐久寿命の長期化を図ることができ、バルブ開閉制御装置の耐久性および信頼性を向上することができる。また、バルブにバルブ軸を一体的に形成しているので、バルブとバルブ軸との間を気密保持するためのシール部品が不要になる。これにより、バルブ開閉制御装置を構成する構成部品の部品点数および組付工数を減少することができ、更にバルブ開閉制御装置の体格の小型化を図ることができる。この結果、バルブ開閉制御装置のコンパクト化およびコスト削減を図ることができる。
請求項2に記載の発明によれば、上記の流路孔を、少なくとも1つの流体流路に連通する2つの第1、第2流路孔によって構成しても良い。また、上記のバルブシートを、内部に2つの第1、第2流路孔がそれぞれ形成された2つの第1、第2バルブシートによって構成しても良い。なお、2つの第1、第2バルブシートを、互いに所定の軸線方向隙間を隔てて対向して配設しても良い。
請求項3に記載の発明によれば、第1バルブシートに着座して第1流路孔を閉鎖する第1位置と第2バルブシートに着座して第2流路孔を閉鎖する第2位置との2位置にて切り替える2位置切替弁を、2つの第1、第2流路孔を選択的に開閉する1個の弁体(バルブ)、およびこのバルブに一体的に形成された弁軸(バルブ軸)によって構成している。なお、2位置切替弁の1個の弁体は、2つの第1、第2バルブシートに対してバルブ軸の軸線方向に相対変位可能に配設されている。これによって、バルブとバルブ軸との間を気密保持するためのシール部品が不要になるので、2位置切替弁(2位置3方向切替弁、電動三方弁)を構成する構成部品の部品点数および組付工数を減少することができ、更に2位置切替弁(2位置3方向切替弁、電動三方弁)の体格の小型化を図ることができる。この結果、2位置切替弁(2位置3方向切替弁、電動三方弁)のコンパクト化およびコスト削減を図ることができる。
請求項4に記載の発明によれば、バルブを、表裏2面を有する1個の板状弁体によって構成している。そして、モータの回転トルクがトルク伝動機構の出力部からバルブ軸に伝達されると、バルブの裏面側の第1シール面が第1バルブシートより離脱して第1流路孔を開放し、バルブの表面側の第2シール面が第2バルブシートに着座して第2流路孔を閉鎖する。これにより、第1流路孔と少なくとも1つの流体流路とが連通し、第2流路孔と少なくとも1つの流体流路との連通が遮断される。
あるいはバルブの表面側の第2シール面が第2バルブシートより離脱して第2流路孔を開放し、バルブの裏面側の第1シール面が第1バルブシートに着座して第1流路孔を閉鎖する。これにより、第2流路孔と少なくとも1つの流体流路とが連通し、第1流路孔と少なくとも1つの流体流路との連通が遮断される。
これによって、1個の板状弁体(バルブ)で2位置切替弁(2位置3方向切替弁、電動三方弁)を構成でき、バルブとバルブ軸とを一体部品で構成したことにより、バルブとバルブ軸との間を気密保持するためのシール部品が不要になり、2位置切替弁(2位置3方向切替弁、電動三方弁)を構成する構成部品の部品点数および組付工数が少なくなる。したがって、2位置切替弁(2位置3方向切替弁、電動三方弁)の体格の小型化を図ることができ、2位置切替弁(2位置3方向切替弁、電動三方弁)のコンパクト化およびコスト削減を図ることができる。
請求項5に記載の発明によれば、モータ軸の外周に固定された回転体の周囲を取り囲むように、モータ軸方向に軸線方向を有するコイルが配設された電磁石を設けている。また、回転体よりもモータ軸方向の両側には、(回転体のモータ軸方向の両端面との間に所定の隙間(例えば僅かな隙間、磁気ギャップ)を隔てて対向配置するように)2つの第1、第2マグネットロータが配設されている。そして、これらの第1、第2マグネットロータは、トルク伝動機構の出力部に動力伝達可能に結合しており、しかも電磁石に対して相対回転可能に配設されている。そして、第1マグネットロータは、第1トルク伝動経路上に配設されており、また、第2マグネットロータは、第2トルク伝動経路上に配設されている。
請求項6に記載の発明によれば、第1マグネットロータに配設された第1磁石は、所定の極性となるように着磁された磁極面を有し、また、第2マグネットロータに配設された第2磁石は、第1磁石の磁極面と同一の極性となるように着磁された磁極面を有している。そして、第1磁石の磁極面は、電磁石の第1磁極面に(電磁石の第1磁極面との間に所定の隙間(例えば僅かな隙間、磁気ギャップ)を隔てて)対向配置されており、また、第2磁石の磁極面は、電磁石の第2磁極面に(電磁石の第2磁極面との間に所定の隙間(例えば僅かな隙間、磁気ギャップ)を隔てて)対向配置されている。
そして、バルブの作動状態(例えば開弁作動方向または閉弁作動方向への作動状態)に対応して、電磁石の2つの第1、第2磁極面の極性を反転させる励磁電流を、電磁石のコイルに供給すると、電磁石の第1磁極面と第1磁石の磁極面との間に磁気吸引力または磁気反発力が作用し、また、電磁石の第2磁極面と第2磁石の磁極面との間に磁気反発力または磁気吸引力が作用する。そして、電磁石との間で磁気吸引力が作用する側のマグネットロータ(2つの第1、第2マグネットロータのうちのいずれか一方のマグネットロータ)が、モータ軸の外周に固定された回転体の係合部(2つの第1、第2係合部のうちのいずれか一方の係合部)に係合する。
このとき、回転体の第1係合部に第1マグネットロータが係合した場合には、モータの回転トルクが、モータ軸、回転体、第1マグネットロータおよびトルク伝動機構の出力部に伝わり、モータ軸の回転方向と同一方向にトルク伝動機構の出力部が回転する。また、回転体の第2係合部に第2マグネットロータが係合した場合には、モータの回転トルクが、モータ軸、回転体、第2マグネットロータ、回転方向反転手段およびトルク伝動機構の出力部に伝わり、モータ軸の回転方向と逆方向にトルク伝動機構の出力部が回転する。したがって、バルブの作動状態を切り替える際に、モータのモータ軸を正逆2方向に反転(逆転)させる必要はなく、バルブの作動状態を切り替える時のバルブの制御応答性を向上することができる。
請求項7に記載の発明によれば、電磁石のコイルに励磁電流が流れていない場合、あるいは電磁石のコイルに励磁電流が流れていても、電磁石の第1磁極面と第1磁石の磁極面との間に磁気反発力が作用している場合には、第1荷重付与手段の荷重によって、第1マグネットロータが回転体の第1係合部より引き離されているので、回転体から第1マグネットロータへの回転トルクの伝達は成されない。すなわち、回転体は、第1マグネットロータに対して相対回転可能となっている。
また、電磁石のコイルに励磁電流が流れていない場合、あるいは電磁石のコイルに励磁電流が流れていても、電磁石の第2磁極面と第2磁石の磁極面との間に磁気反発力が作用している場合には、第2荷重付与手段の荷重によって、第2マグネットロータが回転体の第2係合部より引き離されているので、回転体から第2マグネットロータへの回転トルクの伝達は成されない。すなわち、回転体は、第2マグネットロータに対して相対回転可能となっている。したがって、バルブを作動停止位置にて保持しているバルブ保持状態であっても、モータの作動を停止させる必要はない。これにより、連続的に回転トルクを発生し続けるモータ(例えば電動ポンプのモータ)と、バルブを駆動するモータとを共用化することができる。
請求項8に記載の発明によれば、回転体の第1係合部に第1マグネットロータが係合した場合には、モータの回転トルクが、モータ軸、回転体、第1マグネットロータ(第1ギヤ)および出力ギヤの第1スパーギヤに伝わり、モータ軸の回転方向と同一方向にトルク伝動機構の出力ギヤが回転する。また、回転体の第2係合部に第2マグネットロータが係合した場合には、モータの回転トルクが、モータ軸、回転体、第2マグネットロータ(第2ギヤ)、アイドルギヤおよび出力ギヤの第2スパーギヤに伝わり、モータ軸の回転方向と逆方向にトルク伝動機構の出力ギヤが回転する。
請求項9に記載の発明によれば、モータ軸の外周に固定された回転体よりもモータ軸方向に略直交する半径方向の外径側に、回転体の半径方向に軸線方向を有するコイルが配設された電磁石を設けている。また、回転体よりもモータ軸方向の両側には、(回転体のモータ軸方向の両端面との間に所定の隙間を隔てて対向配置するように)2つの第1、第2中間ロータが配設されている。そして、これらの第1、第2中間ロータは、トルク伝動機構の出力部に動力伝達可能に結合しており、しかも電磁石に対して相対回転可能に配設されている。そして、第1中間ロータは、第1トルク伝動経路上に配設されており、また、第2中間ロータは、第2トルク伝動経路上に配設されている。そして、電磁石よりも半径方向の内径側には、電磁石に対してモータ軸方向に相対変位するスライダーが配設されている。そして、スライダーが電磁石に対してモータ軸方向に相対変位した場合には、スライダーによって2つの第1、第2中間ロータが選択的に回転体に押し当てる方向に駆動される。
請求項10に記載の発明によれば、スライダーに配設された第1磁石は、所定の極性となるように着磁された第1磁極面を有し、また、スライダーに配設された第2磁石は、第1磁石の磁極面と異なる極性となるように着磁された第2磁極面を有している。そして、第1磁石の第1磁極面は、電磁石の磁極面に(電磁石の磁極面との間に所定の隙間(例えば僅かな隙間、磁気ギャップ)を隔てて)対向配置されており、また、第2磁石の第2磁極面は、電磁石の磁極面に(電磁石の磁極面との間に所定の隙間(例えば僅かな隙間、磁気ギャップ)を隔てて)対向配置されている。ここで、2つの第1、第2磁石の各第1、第2磁極面が同一平面上に配設されていても構わないし、2つの第1、第2磁石の各第1、第2磁極面が異なる平面上に配設されていても構わない。
そして、バルブの作動状態(例えば開弁作動方向または閉弁作動方向への作動状態)に対応して、電磁石の磁極面の極性を反転させる励磁電流を、電磁石のコイルに供給すると、電磁石の磁極面と第1磁石の第1磁極面との間に磁気吸引力または磁気反発力が作用し、また、電磁石の磁極面と第2磁石の第2磁極面との間に磁気反発力または磁気吸引力が作用する。そして、電磁石の磁極面と2つの第1、第2磁石の各第1、第2磁極面との間の相互磁気作用によって、電磁石に対してスライダーがモータ軸方向に相対変位する。
請求項11に記載の発明によれば、電磁石の磁極面と2つの第1、第2磁石の各第1、第2磁極面との間の相互磁気作用によって、電磁石に対してスライダーがモータ軸方向の一方側に相対変位した場合には、スライダーに配設された第1駆動レバーによって、回転体の第1係合部に係合させる方向に第1中間ロータが駆動される。これにより、第1中間ロータが、モータ軸の外周に固定された回転体の第1係合部に係合する。あるいは、電磁石の磁極面と2つの第1、第2磁石の各第1、第2磁極面との間の相互磁気作用によって、電磁石に対してスライダーがモータ軸方向の他方側に相対変位した場合には、スライダーに配設された第2駆動レバーによって、回転体の第2係合部に係合させる方向に第2中間ロータが駆動される。これにより、第2中間ロータが、モータ軸の外周に固定された回転体の第2係合部に係合する。
そして、回転体の第1係合部に第1中間ロータが係合した場合には、モータの回転トルクが、モータ軸、回転体、第1中間ロータおよびトルク伝動機構の出力部に伝わり、モータ軸の回転方向と同一方向にトルク伝動機構の出力部が回転する。また、回転体の第2係合部に第2中間ロータが係合した場合には、モータの回転トルクが、モータ軸、回転体、第2中間ロータ、回転方向反転手段およびトルク伝動機構の出力部に伝わり、モータ軸の回転方向と逆方向にトルク伝動機構の出力部が回転する。したがって、バルブの作動状態を切り替える際に、モータのモータ軸を正逆2方向に反転(逆転)させる必要はなく、バルブの作動状態を切り替える時のバルブの制御応答性を向上することができる。
請求項12に記載の発明によれば、電磁石のコイルに励磁電流が流れていない場合には、第1荷重付与手段の荷重によって、第1中間ロータが回転体の第1係合部より引き離されているので、回転体から第1中間ロータへの回転トルクの伝達は成されない。すなわち、回転体は、第1中間ロータに対して相対回転可能となっている。また、電磁石のコイルに励磁電流が流れていない場合には、第2荷重付与手段の荷重によって、第2中間ロータが回転体の第2係合部より引き離されているので、回転体から第2中間ロータへの回転トルクの伝達は成されない。すなわち、回転体は、第2中間ロータに対して相対回転可能となっている。したがって、バルブを作動停止位置にて保持しているバルブ保持状態であっても、モータの作動を停止させる必要はない。これにより、連続的に回転トルクを発生し続けるモータ(例えば電動ポンプのモータ)と、バルブを駆動するモータとを共用化することができる。
請求項13に記載の発明によれば、回転体の第1係合部に第1中間ロータが係合した場合には、モータの回転トルクが、モータ軸、回転体、第1中間ロータ(第1ギヤ)および出力ギヤの第1スパーギヤに伝わり、モータ軸の回転方向と同一方向にトルク伝動機構の出力ギヤが回転する。また、回転体の第2係合部に第2中間ロータが係合した場合には、モータの回転トルクが、モータ軸、回転体、第2中間ロータ(第2ギヤ)、アイドルギヤおよび出力ギヤの第2スパーギヤに伝わり、モータ軸の回転方向と逆方向にトルク伝動機構の出力ギヤが回転する。
請求項14に記載の発明によれば、バルブを駆動するモータによって、周方向に形成された複数の羽根部を有する羽根車も回転駆動されるように構成されている。これによって、羽根車の回転運動(モータ軸の回転トルク)を利用してバルブを駆動できるので、バルブを駆動するモータ軸と羽根車を駆動するモータ軸とを共用化することができる。また、羽根車の回転動作を開始してから、短時間でバルブの開閉動作を開始できるので、バルブの制御応答性を向上することができる。また、請求項15に記載の発明によれば、モータの回転トルクを利用してバルブを駆動するバルブ駆動装置として、モータ軸の回転運動(あるいはモータによって回転駆動される羽根車の回転運動)を直線(往復)運動に変換する運動方向変換機構を設けても良い。
本発明を実施するための最良の形態は、バルブの開弁作動状態から閉弁作動状態への切り替え時のバルブの制御応答性を向上するという目的を、正逆2方向のうちで一方向にのみ回転するモータ軸を有するモータの駆動力を利用してバルブを開弁駆動および閉弁駆動することで実現した。
また、摩耗によるシール不良の発生を防止して、作動耐久寿命の長期化を図るという目的を、バルブにバルブ軸を一体的に形成することで実現した。
さらに、部品点数および組付工数を減少し、体格の小型化を図るという目的を、1個のバルブ(弁体)で2位置切替弁(2位置3方向切替弁、電動三方弁)を構成することで実現した。
そして、バルブを駆動するモータ軸と羽根車を駆動するモータ軸とを共用化するという目的を、羽根車の回転運動(モータ軸の回転トルク)を利用してバルブを駆動することで実現した。
[実施例1の構成]
図1ないし図4は本発明の実施例1を示したもので、図1は電磁クラッチ周辺構造を示した図で、図2および図3は電動エアポンプモジュールの全体構造を示した図である。
本実施例の蒸発燃料処理装置は、例えば自動車等の車両の燃料タンク内で蒸発気化(揮発)した蒸発燃料(エバポガスを含む空気)等の流体を、キャニスタを経由して内燃機関(例えばガソリンエンジン:以下エンジンと言う)のエンジン吸気管(例えばスロットルバルブよりも吸気ポート側)内に導入(パージ)することで、蒸発燃料等の流体が大気中へ放出されることを防止する蒸発燃料蒸散防止装置である。この蒸発燃料処理装置は、本発明のバルブ開閉制御装置に相当する電動エアポンプモジュール1を備えている。
そして、蒸発燃料処理装置は、燃料タンクとキャニスタのタンク側ポートとが第1空気流路管(流体配管)を介して連通し、キャニスタとエンジン吸気管とキャニスタのパージポートとが第2空気流路管(流体配管)を介して連通している。また、燃料タンクには、圧力センサが設けられている。そして、第1空気流路管内には、燃料タンク内で揮発した蒸発燃料等の流体をキャニスタに導くための空気流路(流体流路)が形成されている。また、第2空気流路管内には、キャニスタに吸着された蒸発燃料等の流体をパージVSV(バキューム・スイッチング・バルブ)を経由してエンジン吸気管に導くための空気流路(流体流路)が形成されている。
パージVSVは、エンジン制御ユニット(以下ECUと呼ぶ)によってデューティ駆動されることで、第2空気流路管を流れる蒸発燃料等の流体の流量(パージ量)を調整するパージ制御弁(パージ・コントロール・バルブ)である。また、キャニスタ内には、蒸発燃料を吸着する吸着体(例えば活性炭等)が収納されている。また、キャニスタの大気開放孔には、大気開放配管が接続されている。この大気開放配管の空気流方向の上流端には、電動エアポンプモジュール1が接続されている。そして、大気開放配管内には、電動エアポンプモジュール1を動作させることにより発生する空気流をキャニスタに導くための空気流路(流体流路)が形成されている。
本実施例の電動エアポンプモジュール1は、電動エアポンプに電動三方弁を一体化した電動エアポンプユニットであって、大気開放配管を介してキャニスタに接続されるハウジング2に覆われている。電動エアポンプは、電動三方弁と共通の電動モータ7の駆動力(回転トルク、モータトルク)によって回転駆動される両羽根タイプの渦流式ポンプ(ボルテックス式ポンプ)であって、蒸発燃料等の流体をエンジン吸気管内に強制的に導入(パージ)するパージポンプとして使用されるポンプインペラ(羽根車:以下インペラと略す)3を有している。
また、電動三方弁は、電動エアポンプと共通の電動モータ7のモータトルクによって2位置に駆動される2位置3方向切替弁を有している。この2位置3方向切替弁は、ハウジング2の内部に形成された2つの第1、第2流路孔(以下第1、第2流体ポートと言う)を選択的に開閉する1個の弁体(以下バルブと呼ぶ)4、およびこのバルブ4に一体的に形成されたバルブ軸5等によって構成される一体部品(可動部材)である。ここで、2位置3方向切替弁のバルブ4をバルブ全閉位置(第1位置、デフォルト位置)とバルブ全開位置(第2位置、フルリフト位置)との2位置に駆動するバルブ駆動装置(以下アクチュエータと言う)6は、電力の供給を受けるとモータトルクを発生する電動モータ7と、この電動モータ7のモータトルクをバルブ軸5に伝達するトルク伝動機構(動力伝達機構)8とを備えている。
電動エアポンプと電動三方弁の共通のハウジング2は、内部に構成部品を組み込んだ5つのケース(図2の図示右側から第1〜第4ケース11〜14およびカバー15)によって構成されており、第1〜第4ケース11〜14およびカバー15は、締結ネジ、クリップ、係止片等で結合されている。なお、第1ケース11は、外径側円筒部と、この外径側円筒部との間にエアダクト(後記する)を形成する内径側円筒部とを有している。この内径側円筒部を、電動モータ7を収容保持するモータハウジングとして使用している。また、第2ケース12の外周部には、カラーおよびグロメットを保持する取付用ステー16が設けられている。そして、第2ケース12の取付用ステー16は、キャニスタに締結ボルト等を用いて締め付け固定されている。
ここで、本実施例のハウジング2は、モータハウジングを兼ねる第1ケース11と、この第1ケース11にネジによって結合される第2ケース12と、この第2ケース12にクリップによって結合される第3ケース13とで、電動エアポンプのインペラ3を回転自在に収容するポンプハウジングを構成している。このポンプハウジングの内部には、インペラ3の回転運動によってエアを圧縮する円環状の渦流室(ポンプ室)17が形成されている。この渦流室17の半径方向の外周部には、断面半円形状の溝底面を有するC字状の側部溝が形成されている。
また、第1、第2ケース11、12には、渦流室17内にエアを送り込むためのエアダクト19が環状に形成されている。このエアダクト19内には、インペラ3に吸引されるエアを濾過するフィルター20が配置されている。このフィルター20は、エアダクト19の開口端(第1ケース11のエア吸入口)から流入するエアは通過可能であるが、エアに混入した異物を捕捉して、渦流室17内への異物の侵入を防止するものである。
また、第1ケース11には、エアダクト19内に大気を吸入するためのエア吸入口(図示せず)が形成されている。
この第1ケース11のエア吸入口は、フィルター20を内蔵したエアダクト19内に大気を吸入させる第1大気吸入口(大気開放穴)として機能する。また、第2ケース12には、エアダクト19から渦流室17内に大気を吸引するポンプ吸込み口(図示せず)が形成されている。また、第3ケース13には、渦流室17からエアを吐出するポンプ吐出口21が形成されている。また、第2、第3ケース12、13間には、ポンプ吸込み口からポンプ吐出口21に直接エアが流れ込むのを防止するための区画板(仕切り部)22が設けられている。
ここで、ハウジング2は、ポンプハウジングの一部を成す第3ケース13と、この第3ケース13にネジによって結合される第4ケース14と、この第4ケース14にクリップによって結合されるカバー15とで、電動三方弁のバルブ4を開閉自在に収容するバルブハウジングを構成している。また、第3、第4ケース13、14間には、ポンプ吐出口21を介して渦流室17に連通する空気流路(ギヤ収容室)23が形成されている。また、第3、第4ケース13、14の端面には、後述する2つの第1、第2マグネットロータ61、62の端面を係止する第1、第2規制面が設けられている。第1規制面は、第1マグネットロータ61のこれ以上のモータ軸方向の一方側への移動を規制する。また、第2規制面は、第2マグネットロータ62のこれ以上のモータ軸方向の他方側(第1マグネットロータ61の移動方向に対してモータ軸方向の逆側)への移動を規制する。そして、第4ケース14には、後述する出力ギヤ46の回転動作を規制する規制部が設けられている。
また、カバー15の外壁面からは、円筒状の空気流路管24が図示左方向に突出するように延長されている。そして、空気流路管24の内部には、大気に開放された第2大気吸入口(大気開放穴)25が形成されている。そして、第4ケース14およびカバー15には、2つの第1、第2流体ポート26、27が設けられており、また、第4ケース14とカバー15との間には、2つの第1、第2流体ポート26、27に選択的に連通する1つの流体流路(バルブ収容室)29が形成されている。そして、第1流体ポート26は、所定の隙間を隔てて(流体流路29を間に挟んで)第2流体ポート27と対向して配置されている。第1流体ポート26は、空気流路23と流体流路29とを連通する円形状の第1流路孔(空気通過口)であって、第4ケース14に形成されている。第2流体ポート27は、大気開放穴25と流体流路29とを連通する円形状の第2流路孔(空気通過口)であって、カバー15に形成されている。
本実施例では、カバー15に複数の連結片を介して連結された円環状のバルブ保持部30の周囲に第2流体ポート27が一定の間隔で複数形成されている。なお、このバルブ保持部30の内周部には、バルブ4の嵌合部に嵌合する嵌合穴が設けられている。また、流体流路29の出口側は、キャニスタの大気開放孔に連通する連通路であって、第4ケース14とカバー15とによって構成される円筒状の接続継ぎ手(空気流路管)31の内部に形成されている。空気流路管31の開口端は、エア吐出口(出口ポート)32として機能する。
ここで、ハウジング2は、内部に第1流体ポート26が形成された円環状の第1バルブシート(第1弁座部)33を有している。この第1バルブシート33は、第4ケース14の第1流体ポート26の開口周縁部に一体的に形成されている。そして、第1バルブシート33は、バルブ4の軸線方向(バルブ軸5の軸方向)の移動範囲を規制する規制部として利用されている。これにより、バルブ4が第1バルブシート33に着座した際にバルブ4のそれ以上の軸線方向の他方側(第1流体ポート26を閉じる側)への移動が規制される。
また、ハウジング2は、内部に第2流体ポート27が形成された円環状の第2バルブシート(第2弁座部)34を有している。この第2バルブシート34は、カバー15の第2流体ポート27の開口周縁部に一体的に形成されている。そして、第2バルブシート34は、バルブ4の軸線方向(バルブ軸5の軸方向)の移動範囲を規制する規制部として利用されている。これにより、バルブ4が第2バルブシート34に着座した際にバルブ4のそれ以上の軸線方向の一方側(第2流体ポート27を閉じる側)への移動が規制される。なお、2つの第1、第2バルブシート33、34は、所定の隙間を隔てて(流体流路29を間に挟んで)対向して配置されている。
本実施例のインペラ3は、ハウジング2(第2、第3ケース12、13によって構成されるポンプハウジング)の渦流室17の内部に回転自在に収容されている。このインペラ3は、複数の羽根部(ブレード、フィン)および複数の羽根溝を有する両羽根式の羽根車であって、渦流室17の内部に吸引したエアを加圧して吐出する。また、インペラ3は、電動モータ7のモータ軸35の外周に相対回転不能となるように圧入固定された円板形状のロータ部(本体)を有している。そして、ロータ部の半径方向の外周部には、周方向に交互に一定の間隔(例えば等間隔)で複数の羽根部および複数の羽根溝が形成されている。そして、インペラ3の板厚方向(モータ軸方向)で隣設する羽根部間には、インペラ3の板厚方向で隣設する羽根溝の溝底面を区画する円環状の区画壁(リブ)が設けられている。また、複数の羽根溝の溝底面形状は、渦流室17の側部溝との間にO字状またはU字状または長円形状の空間を形成する曲面形状である。
本実施例の2位置3方向切替弁は、金属材料または樹脂材料によって一体的に形成されており、ハウジング2の内部に開閉自在に収容されている。この2位置3方向切替弁は、ポペット型バルブが使用され、第1バルブシート33に着座して第1流体ポート26を閉鎖(全閉)し第2流体ポート27を開放(全開)するバルブ全閉位置(第1位置)と、第2バルブシート34に着座して第1流体ポート26を開放(全開)し第2流体ポート27を閉鎖(全閉)するバルブ全開位置(第2位置)との2位置に切り替えられる。そして、2位置3方向切替弁は、上述したように、1個の板状弁体(弁頭)を構成する円板状のバルブ4、およびこのバルブ4の表裏2面より軸線方向の両側に延ばされた弁軸を構成する円柱状のバルブ軸5を有している。
バルブ4は、ハウジング2の内部(第4ケース14とカバー15との間の空気流路(バルブ収容室)29の内部)に配設されている。このバルブ4は、表裏2面を有するフランジ板状弁体であって、バルブ軸5の軸線方向の途中に、バルブ軸5よりも外径が大きくなるように鍔状に設けられている。そして、バルブ4の表面に対して逆側の裏面側には、第1バルブシート33に対して着座、離座して第1流体ポート26を閉塞、開放する第1シール面(バルブフェース)36が設けられている。また、バルブ4の第1シール面36に対して逆側の表面側には、第2バルブシート34に対して着座、離座して第2流体ポート27を閉塞、開放する第2シール面(バルブフェース)37が設けられている。すなわち、バルブ4は、このバルブ4の板厚方向の両端面にそれぞれ第1、第2シール面36、37を有している。なお、バルブ4の2つの第1、第2シール面36、37には、第1バルブシート33に着座した際に第1流体ポート26を気密的に封止すると共に、第2バルブシート34に着座した際に第2流体ポート27を気密的に封止するためのシールゴム39が焼き付けにより装着されている。
バルブ軸5は、バルブ4の中心部を板厚方向に貫通するようにバルブ4に一体的に形成されている。このバルブ軸5は、アクチュエータ6に駆動連結されている。そして、バルブ軸5は、バルブ4が形成される部分が最外径部とされ、この最外径部よりも軸方向の一方側(図示左側)に対して、最外径部よりも軸方向の他方側(図示右側)の方が外径が大きくなっている。そして、バルブ軸5の軸方向の一端側には、カバー15に一体的に形成されたバルブ保持部30の嵌合穴に嵌合する嵌合部40が設けられている。
そして、2位置3方向切替弁(バルブ4およびバルブ軸5)は、ハウジング2に対して回り止め構造となっている。具体的には、図2(b)に示したように、カバー15のバルブ保持部30の嵌合穴の内周およびバルブ軸5の嵌合部40の外周に二面幅部をそれぞれ形成している。これにより、ハウジング2(特に第4ケース14、カバー15、バルブ保持部30等)に対する、バルブ4およびバルブ軸5の回転方向の相対運動を防止することができる。また、バルブ軸5の軸方向の他端側の外周部には、トルク伝動機構8の第1スクリュー(内周ネジ部)41とネジ結合される第2スクリュー(外周ネジ部)42が形成されている。
したがって、電動三方弁の主要な構成要素を成す2位置3方向切替弁(バルブ4およびバルブ軸5)は、バルブ4の第1シール面36が第1バルブシート33に着座するバルブ全閉位置とバルブ4の第2シール面37が第2バルブシート34に着座するバルブ全開位置との2位置間を往復移動することが可能となる。そして、バルブ4がバルブ全閉位置に保持(または駆動)された場合には、第1流体ポート26が閉じられ、第2流体ポート27が開かれる。また、バルブ4がバルブ全開位置に保持(または駆動)された場合には、第1流体ポート26が開かれ、第2流体ポート27が閉じられる。
本実施例の電動モータ7は、直流(DC)モータが採用されている。この電動モータ7は、モータハウジングの前端面より回転軸方向(電動モータ7のモータ軸35の中心軸線方向:以下軸方向と呼ぶ)の一方側に突出するように設けられたモータ軸(出力軸)35に一体化されたロータ、このロータの外周側に対向配置されたステータよりなるブラシレスDCモータであって、ロータには、永久磁石を有するロータコアが設けられ、ステータには、アーマチャコイル(電機子巻線)が巻回されたステータコアが設けられている。なお、ブラシレスDCモータの代わりに、ブラシ付きのDCモータや、三相誘導電動機等の交流(AC)モータを用いても良い。
また、電動モータ7を収容保持するモータハウジング(第1ケース11)の後端面より軸方向の他方側に突出するように設けられたポンプコネクタ43には、アーマチャコイルに電気的に接続されるターミナル(外部接続端子、モータ給電用端子)44が保持されている。そして、電動モータ7は、第1ケース11のモータ収容孔内に保持されて、モータハウジングの前端面が第2ケース12に締結ネジ等を用いて締め付け固定されている。また、電動モータ7のターミナル44は、ポンプ駆動回路を介して車両に搭載されたバッテリーに電気的に接続されている。なお、ポンプ駆動回路は、ECUによって通電制御されるリレーコイルと、このリレーコイルの起磁力によって開閉されてバッテリーと電動モータ7のターミナル44との接続を断続するリレースイッチとからなる。
ここで、本実施例のトルク伝動機構8は、図2ないし図4に示したように、ハウジング2の内部(第3、第4ケース13、14間の空気流路23の内部)に配設されている。このトルク伝動機構8は、ハウジング2の第3ケース13に圧入嵌合等によって固定されたアイドル軸47の外周に回転自在に配設されたアイドルギヤ45と、正逆2方向に回転して電動モータ7のモータトルクを2位置3方向切替弁のバルブ軸5に伝達する円筒状の出力ギヤ46とを備えている。そして、トルク伝動機構8は、電動モータ7のモータトルクを、電動モータ7のモータ軸35からアイドルギヤ45を迂回して出力ギヤ46に伝達する第1トルク伝動経路と、電動モータ7のモータトルクを、電動モータ7のモータ軸35からアイドルギヤ45を経由して出力ギヤ46に伝達する第2トルク伝動経路と、第1トルク伝動経路と第2トルク伝動経路とを選択的に切り替える電磁クラッチ49とを備えている。
なお、第1トルク伝動経路は、電動モータ7のモータ軸35からカラー50→このカラー50に一体的に設けられた第1係合ピン51→この第1係合ピン51に係脱自在に係合する第1マグネットロータ(以下第1ギヤと呼ぶ)61を経由して出力ギヤ46に、電動モータ7のモータトルクを伝達する動力伝達経路である。また、第2トルク伝動経路は、電動モータ7のモータ軸35からカラー50→このカラー50に一体的に設けられた第2係合ピン52→この第2係合ピン52に係脱自在に係合する第2マグネットロータ(以下第2ギヤと呼ぶ)62→アイドルギヤ45を経由して出力ギヤ46に、電動モータ7のモータトルクを伝達する動力伝達経路である。
トルク伝動機構8のアイドルギヤ45は、本発明の回転方向反転手段に相当するもので、電動モータ7のモータ軸35に並列して配設されたアイドル軸(中間軸)47を有し、このアイドル軸47の外周を周方向に僅かな隙間を持って取り囲むように配設されている。このアイドルギヤ45は、第2ギヤ62の凸状歯に常時噛み合う複数の凸状歯が周方向全体に形成されている。そして、アイドルギヤ45は、第2ギヤ62の厚みよりも、アイドル軸47の軸方向に第2ギヤ62の最大相対変位量分だけ厚く形成されている。また、アイドルギヤ45は、電動モータ7のモータ軸35、カラー50および第2ギヤ62の回転方向に対して、トルク伝動機構8の出力ギヤ46の回転方向を逆方向に反転させる機能を有している。
トルク伝動機構8の出力ギヤ46は、本発明の出力部に相当するもので、ハウジング2の第3、第4ケース13、14に対して相対回転可能に配設されている。ここで、出力ギヤ46は、ハウジング2の第3、第4ケース13、14に対して相対位置が変化しないようにハウジング2の第3、第4ケース13、14間で軸線方向の移動が規制されている。なお、本実施例では、2つの第1、第2ギヤ61、62は、ハウジング2の第3、第4ケース13、14、アイドルギヤ45および出力ギヤ46に対して相対変化可能に配設されている。
出力ギヤ46は、円筒状に形成されている。そして、この出力ギヤ46の外周には、複数の第1凸状歯および複数の第2凸状歯が周方向全体に形成されている。そして、第1凸状歯は、第1ギヤ61の凸状歯と常時噛み合う第1スパーギヤを構成している。また、第2凸状歯は、アイドルギヤ45の凸状歯と常時噛み合う第2スパーギヤを構成している。なお、第1凸状歯(第1スパーギヤ)は、第1ギヤ61の厚みよりも、出力ギヤ46の軸線方向に第1ギヤ61の最大相対変位量分だけ長く形成されている。
ここで、本実施例のトルク伝動機構8の出力ギヤ46と2位置3方向切替弁のバルブ軸5との間には、電動モータ7のモータ軸35の回転運動、特に出力ギヤ46の回転運動を直線運動に変換する運動方向変換機構が設けられている。この運動方向変換機構は、出力ギヤ46の内周に形成された螺旋状の第1スクリュー41と、バルブ軸5の外周に形成された螺旋状の第2スクリュー42とによって構成されたネジ機構である。なお、運動方向変換機構としてネジ機構の代わりに、ボールネジ機構やラック・アンド・ピニオン機構を用いても良い。
電磁クラッチ49は、本発明の伝動経路切替手段に相当するもので、電動モータ7のモータ軸35の外周を周方向に僅かな隙間を持って取り囲むように配設されている。この電磁クラッチ49は、図1ないし図4に示したように、電動モータ7のモータ軸35と一体的に回転するロータとしての円筒状のカラー50と、このカラー50の周囲を取り囲むように配設された電磁石53と、カラー50よりもモータ軸方向の両側に配設された2つの第1、第2ギヤ61、62と、カラー50と第1ギヤ61との間に配設された第1スプリング63と、カラー50と第2ギヤ62との間に配設された第2スプリング64と、バルブ4の作動状態に対応して、電磁石53の2つの第1、第2磁極面の極性を反転させる励磁電流を、電磁石53のコイル55に供給する電磁クラッチ駆動回路(励磁電流供給手段:図示せず)とによって構成されている。
ここで、カラー50は、電動モータ7のモータ軸35の外周に圧入嵌合等により固定された回転体であって、モータ軸方向の両側に2つの第1、第2係合ピン51、52を有している。これらの第1、第2係合ピン51、52は、本発明の2つの第1、第2係合部に相当するもので、先端側がカラー50のモータ軸方向の両端面よりモータ軸方向の両側に突出するように、カラー50に保持固定されている。本実施例では、2つの第1、第2係合ピン51、52をカラー50の周方向に一定の間隔で2個〜12個程度それぞれ配設している。
電磁石53は、図1に示したように、電動モータ7のモータ軸35の外周に固定されたカラー50よりも半径方向の外径側に、カラー50の外周を周方向に僅かな隙間を持って取り囲むように配設された円筒状のステータ54、およびこのステータ54に保持された円筒状のコイルボビン(図示せず)の外周に巻回されたコイル55を有している。ステータ54は、磁性材料によって一体的に形成されて、ハウジング2の第3ケース13に締結ネジ、クリップ等で固定されている。このステータ54の軸線方向の両端面は、コイル55の軸線方向の両側に設けられる2つの第1、第2磁極面56、57となっている。
ここで、電磁石53の第1磁極面56は、第1ギヤ61の半径方向の外径側端面との間に所定の隙間(例えば僅かな隙間、磁気ギャップ)を隔てて対向して配置されている。また、電磁石53の第2磁極面57は、第2ギヤ62の半径方向の外径側端面との間に所定の隙間(例えば僅かな隙間、磁気ギャップ)を隔てて対向して配置されている。コイルボビンは、電気絶縁性の樹脂材料によって一体的に形成されている。コイル55は、モータ軸方向に軸線方向を有し、励磁電流が供給されると磁気吸引力または磁気反発力を発生するソレノイドコイルで、通電されると周囲に磁束を発生する。そして、本実施例では、コイル55を流れる励磁電流の方向によって、電磁石53の2つの第1、第2磁極面56、57の極性が反転するように構成されている。
ここで、電磁クラッチ駆動回路は、ポンプ駆動回路と同様に、ECUからの制御信号に基づいて電磁クラッチ49の動作制御を行う部品である。この電磁クラッチ駆動回路は、バルブ4をバルブ全閉位置からバルブ全開位置に作動させる開弁作動時に、電磁石53の第1磁極面56の極性がS極(またはN極)、電磁石53の第2磁極面57の極性がN極(またはS極)となるようにコイル55に励磁電流を流すように構成されている。また、電磁クラッチ駆動回路は、バルブ4をバルブ全開位置からバルブ全閉位置に作動させる閉弁作動時に、電磁石53の第1磁極面56の極性がN極(またはS極)、電磁石53の第2磁極面57の極性がS極(またはN極)となるようにコイル55に励磁電流を流すように構成されている。
第1ギヤ61は、非磁性材料によって一体的に形成されており、電動モータ7のモータ軸35の外周を周方向に僅かな隙間を持って取り囲むように配設されている。また、第1ギヤ61は、カラー50のモータ軸方向の一端面(および第1係合ピン51のモータ軸方向の先端面)との間に所定の隙間を隔てて対向して配置されている。すなわち、第1ギヤ61は、カラー50の第1係合ピン51に係脱自在に配設されている。また、第1ギヤ61は、電磁石53に対して相対回転可能で、しかも電磁石53に対してモータ軸方向に相対変位可能に、電動モータ7のモータ軸35の外周に組み付けられている。
第1ギヤ61は、電動モータ7のモータ軸35の外周に摺動自在に配設された円環板状の最大外径部を有している。この最大外径部の外周(外径面)には、トルク伝動機構8の第1ギヤを構成する複数の凸状歯が周方向全体に形成されている。これらの凸状歯は、出力ギヤ46の第1スパーギヤに常時噛み合っており、出力ギヤ46に動力伝達可能に結合されている。また、第1ギヤ61は、後述する第1永久磁石71よりも半径方向の内径側に、カラー50の第1係合ピン51に係脱自在に係合する第1係合穴(第1被係合部)65を有している。この第1係合穴65は、第1係合ピン51の外径よりも大きい内径を有し、例えば第1ギヤ61の周方向に円弧形状の長穴となっている。なお、第1ギヤ61が電磁石53に対してモータ軸方向の他方側に相対変位した際に、第1ギヤ61の半径方向の内径側端面とカラー50の一端面とが摩擦係合するようにしても良い。
そして、第1ギヤ61は、カラー50および電磁石53に対向する端面側(第2ギヤ62と所定の軸方向隙間を隔てて対向する対向面側)に1個以上の第1永久磁石71を有している。この第1永久磁石71は、第1ギヤ61の半径方向の外周側に設けられた円環状溝(または複数の周方向溝)の内部に接着剤等を用いて固着されて、第1ギヤ61の回転に伴って回転する。また、第1永久磁石71は、電磁石53の第1磁極面56との間に所定の隙間(例えば僅かな隙間、磁気ギャップ)を隔てて対向して配置される第1磁極面73が、所定の極性となるように着磁されている。
なお、第1永久磁石71は、図1に示したように、モータ軸方向に平行な板厚方向の両端部の極性が互いに逆向きとなるようにN極とS極とが平行着磁されている。ここで、本実施例では、第1永久磁石71の第1磁極面73の極性がN極(またはS極)となっている。また、第1永久磁石71の着磁面を円弧形状に形成し、第1ギヤ61の周方向に複数極並ぶように配列しても良い。また、第1永久磁石71の着磁面を円環形状に形成し、第1ギヤ61に1個だけ取り付けても良い。
第2ギヤ62は、非磁性材料によって一体的に形成されており、電動モータ7のモータ軸35の外周を周方向に僅かな隙間を持って取り囲むように配設されている。また、第2ギヤ62は、カラー50のモータ軸方向の他端面(および第2係合ピン52のモータ軸方向の先端面)との間に所定の隙間を隔てて対向して配置されている。すなわち、第2ギヤ62は、カラー50の第2係合ピン52に係脱自在に配設されている。この第2ギヤ62は、電動モータ7のモータ軸35の外周に摺動自在に配設された円筒状の小径部、およびこの小径部よりも外径の大きい円環板状の最大外径部を有している。
第2ギヤ62の小径部の外周には、トルク伝動機構8の第2ギヤを構成する複数の凸状歯が周方向全体に形成されている。これらの凸状歯は、トルク伝動機構8のアイドルギヤ45に常時噛み合っており、出力ギヤ46に動力伝達可能に結合されている。また、第2ギヤ62は、電磁石53に対して相対回転可能で、しかも電磁石53に対してモータ軸方向に相対変位可能に、電動モータ7のモータ軸35の外周に組み付けられている。
第2ギヤ62の最大外径部は、後述する第2永久磁石72よりも半径方向の内径側に、カラー50の第2係合ピン52に係脱自在に係合する第2係合穴(第2被係合部)66を有している。この第2係合穴66は、第2係合ピン52の外径よりも大きい内径を有し、例えば第2ギヤ62の周方向に円弧形状の長穴となっている。なお、第2ギヤ62が電磁石53に対してモータ軸方向の一方側に相対変位した際に、第2ギヤ62の半径方向の内径側端面とカラー50の他端面とが摩擦係合するようにしても良い。
そして、第2ギヤ62の最大外径部は、カラー50および電磁石53に対向する端面側(第1ギヤ61と所定の軸方向隙間を隔てて対向する対向面側)に1個以上の第2永久磁石72を有している。第2永久磁石72は、第2ギヤ62の半径方向の外周側に設けられた円環状溝(または複数の周方向溝)の内部に接着剤等を用いて固着されて、第2ギヤ62の回転に伴って回転する。また、第2永久磁石72は、電磁石53の第2磁極面57との間に所定の隙間(例えば僅かな隙間、磁気ギャップ)を隔てて対向して配置される第2磁極面74が、第1永久磁石71の第1磁極面73と同一の極性となるように着磁されている。
なお、第2永久磁石72は、図1に示したように、モータ軸方向に平行な板厚方向の両端部の極性が互いに逆向きとなるようにN極とS極とが平行着磁されている。ここで、本実施例では、第2永久磁石72の第2磁極面74の極性がN極(またはS極)となっている。また、第2永久磁石72の着磁面を円弧形状に形成し、第2ギヤ62の周方向に複数極並ぶように配列しても良い。また、第2永久磁石72の着磁面を円環形状に形成し、第2ギヤ62に1個だけ取り付けても良い。
ここで、第1、第2永久磁石71、72は、例えばサマリウム−コバルト(Sm−Co)磁石、ネオジウム(Nd)磁石等の希土類磁石、アルニコ磁石、フェライト磁石が用いられ、長期間磁力を安定して発生し続ける円環板状または円弧板状のマグネットである。なお、第1、第2永久磁石71、72として、ポリアミド樹脂(PA)、ネオジウム(Nd)、鉄(Fe)、ホウ素(B)粉末を焼結した樹脂磁石を用いても良い。
第1スプリング63は、金属材料によって円環板状に形成され、電動モータ7のモータ軸35の外周を周方向に僅かな隙間を持って取り囲むように、しかもカラー50と第1ギヤ61との間に弾性変形自在に配設されている。この第1スプリング63は、第1ギヤ61に対して、第1ギヤ61をカラー50の第1係合ピン51より引き離す方向、第1ギヤ61の最大外径部の内周側に形成された第1係合穴65と第1係合ピン51との係合状態を開放する方向にバネ荷重を与える第1荷重付与手段である。
第2スプリング64は、金属材料によって円環板状に形成され、電動モータ7のモータ軸35の外周を周方向に僅かな隙間を持って取り囲むように、しかもカラー50と第2ギヤ62との間に弾性変形自在に配設されている。この第2スプリング64は、第2ギヤ62に対して、第2ギヤ62をカラー50の第2係合ピン52より引き離す方向、第2ギヤ62の最大外径部の内周側に形成された第2係合穴66と第2係合ピン52との係合状態を開放する方向にバネ荷重を与える第2荷重付与手段である。
本実施例のECUには、制御処理、演算処理を行うCPU、各種プログラムおよびデータを保存する記憶装置(ROM等の不揮発性メモリやRAM等の揮発性メモリ)等の機能を含んで構成される周知の構造のマイクロコンピュータが設けられている。このECUは、イグニッションスイッチがオン(IG・ON)されてエンジンが運転を開始すると、メモリ内に格納されている制御プログラムに基づいて、ポンプ駆動回路(リレーコイル、リレースイッチ)および電磁クラッチ駆動回路を通電制御する。
そして、ECUは、各種センサからのセンサ信号、および自動車等の車両に設置されたスイッチからのスイッチ信号が、A/D変換器でA/D変換された後に、ECUに内蔵されたマイクロコンピュータに入力されるように構成されている。また、マイクロコンピュータの入力回路には、燃料タンク内の圧力(タンク内圧)を検出するための圧力センサ(タンク内圧センサ)、エンジンのクランクシャフトの回転角度(クランク角度)を検出するためのクランク角度センサ、ドライバーのアクセルペダルの踏込み量(アクセル開度)を検出するためのアクセル開度センサ、スロットルバルブの開度(スロットル開度)を検出するためのスロットル開度センサ、エンジン冷却水温を検出するための冷却水温センサ、およびエンジンの吸気管負圧を検出するための吸気圧センサ等が接続されている。
[実施例1の作用]
次に、本実施例の蒸発燃料処理装置の作用を図1ないし図4に基づいて簡単に説明する。ここで、図4(a)はバルブの全閉保持状態を示した図で、図4(b)はバルブの開弁作動開始状態を示した図で、図4(c)はバルブの全開保持状態を示した図で、図4(d)はバルブの閉弁作動開始状態を示した図である。
イ)吸気管負圧を利用したパージ作動を図2および図4(a)に示す。ECUは、吸気圧センサによって検出される吸気管負圧(吸気圧)が所定値以上に高い時に、パージVSVを開弁させる。このとき、電動モータ7のアーマチャコイルへの電力の供給が成されず、しかも電磁クラッチ49の電磁石53のコイル55への励磁電流の供給が成されないため、2つの第1、第2スプリング63、64のバネ荷重(付勢力)によって2つの第1、第2ギヤ61、62の各第1、第2係合穴65、66と電動モータ7のモータ軸35の外周に固定されたカラー50の2つの第1、第2係合ピン51、52との係合が解放状態となっている。
これにより、バルブ4の裏面側の第1シール面36が第1バルブシート33に着座するバルブ全閉位置に保持される状態(バルブ4の全閉保持状態)を継続するため、第1流体ポート26が閉塞(全閉)され、第2流体ポート27が開放(全開)される。この場合には、第2流体ポート27と流体流路29とが連通状態となる。したがって、大気開放配管およびハウジング2の内部に吸気管負圧が到達し、大気開放穴25から第2流体ポート27→流体流路29→出口ポート32→大気開放配管に向かう空気流が生じ、更にキャニスタの大気開放孔からパージポートに向かう空気流が生じる。このような空気流が生じると、キャニスタ内の吸着体に吸着されている蒸発燃料に脱離が生じ、この吸着体から脱離した蒸発燃料がキャニスタのパージポートから流出し、第2空気流路管→パージVSV→エンジン吸気管→吸気ポートを経由してエンジンの燃焼室内に導入(パージ)される。
ロ)電動エアポンプの動作を利用したパージ作動およびバルブ4の開弁作動を図3および図4(b)、(c)に示す。ECUは、吸気圧センサによって検出される吸気管負圧(吸気圧)が所定値よりも低い時に、パージVSVを開弁させると共に、ポンプ駆動回路を通電制御して、電動モータ7のアーマチャコイルに電力を供給する。これにより、電動モータ7のモータ軸35が正逆2方向のうちで一方向に回転するため、電動モータ7のモータトルクによって電動モータ7のモータ軸35の外周に固定されたインペラ3およびカラー50が回転する。つまり電動エアポンプの回転動作に伴って、第1ケース11のエア吸入口から大気が吸入されて、電動エアポンプ内部にポンプ正圧(上記の吸気管負圧および大気圧よりも高い圧力)が発生する。
このとき、ECUは、電動モータ7のモータトルクを利用してバルブ4を開弁作動方向に駆動するために、電磁クラッチ駆動回路に制御信号(開弁作動指令信号)を出力する。そして、電磁クラッチ駆動回路は、ECUから入力された制御信号に応じて、電磁クラッチ49の電磁石53の2つの第1、第2磁極面56、57の極性が所定の極性となる励磁電流を、電磁石53のコイル55に供給する(励磁電流供給手段)。ここで、本実施例では、電磁石53の2つの第1、第2磁極面56、57に所定の隙間を隔てて対向配置される、2つの第1、第2ギヤ61、62の最大外径部の外周側に保持された2つの第1、第2永久磁石71、72の各第1、第2磁極面73、74の極性が同一のN極(またはS極)となるように着磁されている。
そして、電磁クラッチ駆動回路は、バルブ4を開弁作動方向に駆動する場合に、電磁石53の第1磁極面56の極性がS極(またはN極)、また、電磁石53の第2磁極面57の極性がN極(またはS極)となる電流方向となるように、電磁石53のコイル55に励磁電流を流す。すなわち、電磁石53の第1磁極面56と第1ギヤ61の第1永久磁石71の第1磁極面73との間に磁気吸引力が作用し、また、電磁石53の第2磁極面57と第2ギヤ62の第2永久磁石72の第2磁極面74との間に磁気反発力が作用する励磁電流の向きとなるように、電磁石53のコイル55に励磁電流を流す。
すると、第1ギヤ61の第1永久磁石71が、電磁石53の第1磁極面56に吸引されるため、第1ギヤ61が電磁クラッチ49の電磁石53に対してモータ軸方向の他方側(図示右側)に相対変位して、第1ギヤ61の第1係合穴65が、カラー50の第1係合ピン51に動力伝達可能に係合する。これにより、図4(b)に示したように、バルブ4の開弁作動方向への駆動が開始される(バルブ4の開弁作動開始状態)。一方、電磁石53の第2磁極面57と第2ギヤ62の第2永久磁石72の第2磁極面74との間には、磁気反発力が作用しているため、第2ギヤ62が電磁クラッチ49の電磁石53に対してモータ軸方向の他方側(図示右側)に相対変位しようとするが、第2ギヤ62の小径部端面が第3ケース13の端面(第2規制面)によって係止(規制)されているため、現在の位置に止まる(図4(b)参照)。
そして、電動モータ7のモータ軸35が一定方向に回転しているため、電動モータ7のモータ軸35の外周に固定されたカラー50も一定方向に回転する。これにより、カラー50に伝達された電動モータ7のモータトルクは、第1係合ピン51→第1ギヤ61→複数の凸状歯→第1スパーギヤ(第1凸状歯)を経由して出力ギヤ46に伝達される。これにより、出力ギヤ46が電動モータ7のモータ軸35の回転方向と同一方向に回転し、出力ギヤ46の第1スクリュー41にネジ結合された第2スクリュー42を有するバルブ軸5が軸線方向の一方側(図示左側)への移動を開始する。したがって、バルブ軸5の軸線方向の一方側への移動が開始されると、バルブ4の第1シール面36が第1バルブシート33より離脱して、バルブ4も軸線方向の一方側(図示左側)への移動(リフト)を開始する。そして、電動モータ7のアーマチャコイルへの電力の供給を継続することで、電動モータ7のモータトルクを利用してバルブ4が開弁作動方向に駆動され続け、バルブ4の第2シール面37が第2バルブシート34に着座する。
次に、ECUは、バルブ4の第2シール面37が第2バルブシート34に着座した時点で、バルブ4をバルブ全開位置にて保持するために、電磁クラッチ駆動回路に制御信号(全開保持指令信号)を出力する。そして、電磁クラッチ駆動回路は、ECUから入力された制御信号に応じて、電磁クラッチ49の電磁石53のコイル55への励磁電流の供給を停止する。すると、図4(c)に示したように、第1スプリング63のバネ荷重(付勢力)によってカラー50の第1係合ピン51から第1ギヤ61が引き離されて、第1ギヤ61の第1係合穴65とカラー50の第1係合ピン51との係合状態が解放される。
このため、電動モータ7のアーマチャコイルへの電力の供給を継続して電動モータ7のモータ軸35の一定方向の回転を継続しても、電動モータ7のモータ軸35に固定されたカラー50が空転するのみで、電動モータ7のモータトルクは、第1ギヤ61、出力ギヤ46およびバルブ軸5に伝達されない。しかし、バルブ4の第2シール面37が第2バルブシート34に着座するバルブ全開位置に保持される状態(バルブ4の全開保持状態)が継続されるため、第1流体ポート26が開放(全開)され、第2流体ポート27が閉塞(全閉)される。この場合には、第1流体ポート26と流体流路29とが連通状態(図3参照)となる。
以上のように、電動モータ7に電力を供給して、バルブ4をバルブ全閉位置(デフォルト位置)からバルブ全開位置(フルリフト位置)に開弁作動方向に駆動すると共に、電動エアポンプのインペラ3を回転動作させることにより、電動エアポンプによる強制的なパージ動作が開始される。ここで、電動モータ7のモータ軸35の回転運動によってインペラ3が回転駆動されると、複数の羽根部の移動によって、ポンプハウジングの渦流室17の内部の空気(エア)は圧縮される。このとき、ポンプハウジングのポンプ吸込み口には負圧が生じるため、エアダクト19内に配置されたフィルター20で濾過されたエアがエアダクト19を経由してポンプ吸込み口に導かれると共に、ポンプハウジングのポンプ吐出口21には高圧が生じるため、渦流室17の内部で加圧されたエアがポンプ吐出口21から吐出される。
したがって、ポンプハウジングのポンプ吐出口21から吐出されたエアは、バルブ4がバルブ全開位置に保持されており、第1流体ポート26が開放されているので、空気流路23から第1流体ポート26→流体流路29→出口ポート32を経由して大気開放配管に送り込まれる。これにより、キャニスタの大気開放孔からパージポートに向かう空気流が生じる。このような空気流が生じると、キャニスタ内の吸着体に吸着されている蒸発燃料に脱離が生じ、この吸着体から脱離した蒸発燃料がキャニスタのパージポートから流出し、第2空気流路管→パージVSV→エンジン吸気管→吸気ポートを経由してエンジンの燃焼室内に導入(パージ)される。
ハ)電動エアポンプの動作を利用したバルブ4の閉弁作動を図2および図4(d)、(a)に示す。ECUは、電動モータ7のモータトルクを利用してバルブ4を閉弁作動方向に駆動するために、電磁クラッチ駆動回路に制御信号(閉弁作動指令信号)を出力する。そして、電磁クラッチ駆動回路は、ECUから入力された制御信号に応じて、電磁クラッチ49の電磁石53の2つの第1、第2磁極面56、57の極性が、バルブ4の開弁作動時の極性に対して反転した極性となる励磁電流を、電磁石53のコイル55に供給する(励磁電流供給手段)。
そして、電磁クラッチ駆動回路は、バルブ4を閉弁作動方向に駆動する場合に、電磁石53の第1磁極面56の極性がN極(またはS極)、また、電磁石53の第2磁極面57の極性がS極(またはN極)となる電流方向となるように、電磁石53のコイル55に励磁電流を流す。すなわち、電磁石53の第1磁極面56と第1ギヤ61の第1永久磁石71の第1磁極面73との間に磁気反発力が作用し、また、電磁石53の第2磁極面57と第2ギヤ62の第2永久磁石72の第2磁極面74との間に磁気吸引力が作用する励磁電流の向きとなるように、電磁石53のコイル55に励磁電流を流す。
すると、第2ギヤ62の第2永久磁石72が、電磁石53の第1磁極面56に吸引されるため、第2ギヤ62が電磁クラッチ49の電磁石53に対してモータ軸方向の一方側(図示左側)に相対変位して、第2ギヤ62の第2係合穴66が、カラー50の第2係合ピン52に動力伝達可能に係合する。これにより、図4(d)に示したように、バルブ4の閉弁作動方向への駆動が開始される(バルブ4の閉弁作動開始状態)。一方、電磁石53の第1磁極面56と第1ギヤ61の第1永久磁石71の第1磁極面73との間には、磁気反発力が作用しているため、第1ギヤ61が電磁クラッチ49の電磁石53に対してモータ軸方向の一方側(図示左側)に相対変位しようとするが、第1ギヤ61の最大外径部端面が第4ケース14の端面(第1規制面)によって係止(規制)されているため、現在の位置に止まる(図4(d)参照)。
このとき、バルブ4の開弁作動時と同様に、電動モータ7のアーマチャコイルへの電力の供給が継続されており、電動モータ7のモータ軸35が一定方向に回転し続けているため、電動モータ7のモータ軸35の外周に固定されたカラー50も一定方向に回転し続けている。これにより、カラー50に伝達された電動モータ7のモータトルクは、第2係合ピン52→第2ギヤ62→複数の凸状歯→アイドルギヤ45→第2スパーギヤ(第2凸状歯)を経由して出力ギヤ46に伝達される。これにより、出力ギヤ46が電動モータ7のモータ軸35の回転方向に対して逆方向に反転(回転)し、出力ギヤ46の第1スクリュー41にネジ結合された第2スクリュー42を有するバルブ軸5が軸線方向の他方側(図示右側)への移動を開始する。したがって、バルブ軸5の軸線方向の他方側への移動が開始されると、バルブ4の第2シール面37が第2バルブシート34より離脱して、バルブ4も軸線方向の他方側(図示右側)への移動を開始する。そして、電動モータ7のアーマチャコイルへの電力の供給を継続することで、電動モータ7のモータトルクを利用してバルブ4が閉弁作動方向に駆動され続け、バルブ4の第1シール面36が第1バルブシート33に着座する。
次に、ECUは、バルブ4の第1シール面36が第1バルブシート33に着座した時点で、バルブ4をバルブ全閉位置にて保持するために、電磁クラッチ駆動回路に制御信号(全閉保持指令信号)を出力する。そして、電磁クラッチ駆動回路は、ECUから入力された制御信号に応じて、電磁クラッチ49の電磁石53のコイル55への励磁電流の供給を停止する。すると、図4(a)に示したように、第2スプリング64のバネ荷重(付勢力)によってカラー50の第2係合ピン52から第2ギヤ62が引き離されて、第2ギヤ62の第2係合穴66とカラー50の第2係合ピン52との係合状態が解放される。
ここで、電動モータ7のアーマチャコイルへの電力の供給を継続して電動モータ7のモータ軸35の一定方向の回転を継続しても、電動モータ7のモータ軸35に固定されたカラー50が空転するのみで、電動モータ7のモータトルクは、第2ギヤ62、出力ギヤ46およびバルブ軸5に伝達されない。しかし、バルブ4の第1シール面36が第1バルブシート33に着座するバルブ全閉位置に保持される状態(バルブ4の全閉保持状態)が継続されるため、第1流体ポート26が閉鎖(全閉)され、第2流体ポート27が開放(全開)される。この場合には、第2流体ポート27と流体流路29とが連通状態(図2参照)となる。
次に、ECUは、電動モータ7のアーマチャコイルへの電力の供給を停止して、電動エアポンプの動作を利用したパージ作動を終了する。なお、ECUは、バルブ4の第1シール面36が第1バルブシート33に着座した時点で、電磁クラッチ駆動回路に制御信号(全閉保持指令信号)を出力すると同時に、電動モータ7のアーマチャコイルへの電力の供給を停止しても良い。
[実施例1の効果]
以上のように、電動エアポンプに電動三方弁を一体化した電動エアポンプモジュール1においては、正逆2方向のうちで一方向にのみ回転するモータ軸35を有する電動モータ7のモータトルクを利用してバルブ4をバルブ全閉位置とバルブ全開位置との2位置に駆動するアクチュエータ6のトルク伝動機構8に、電動モータ7のモータ軸35に固定されたカラー50と、アイドル軸47の外周に回転自在に支持されたアイドルギヤ45と、バルブ4のバルブ軸5に2つの第1、第2スクリュー41、42を介して駆動連結する出力ギヤ46と、第1トルク伝動経路(電動モータ7のモータ軸35→カラー50→第1ギヤ61→出力ギヤ46)と第2トルク伝動経路(電動モータ7のモータ軸35→カラー50→第2ギヤ62→アイドルギヤ45→出力ギヤ46)とを選択的に切り替える電磁クラッチ49とを配設している。
これによって、バルブ4の開弁作動状態と閉弁作動状態とを切り替える際に、電動モータ7のモータ軸35を正逆2方向に反転(逆転)させる必要はなく、バルブ4の開弁作動状態と閉弁作動状態とを切り替える時のバルブ4の制御応答性を向上することができる。また、バルブ4を開弁駆動および閉弁駆動する電動モータ7と、例えば正逆2方向のうちで一方向にのみ連続的(または断続的)に回転する電動エアポンプ(インペラ3)を回転駆動する電動モータとを共用化することができる。これにより、部品点数を削減できるので、蒸発燃料処理装置全体のコストを削減でき、自動車等の車両への搭載性を向上することができる。
また、電動エアポンプモジュール1においては、電動モータ7のモータ軸35のモータトルクによって2位置に駆動される2位置3方向切替弁の弁体を1個のバルブ4にて構成し、また、バルブ4にバルブ軸5を一体的に形成して、バルブ4とバルブ軸5とを一体部品とすることにより、バルブ4とバルブ軸5との間を気密保持するためのシール部品が不要になる。これによって、電動エアポンプモジュール1を構成する構成部品の部品点数および組付工数を減少することができ、また、電動エアポンプモジュール1の体格の小型化を図ることができる。この結果、電動エアポンプモジュール1のコンパクト化およびコスト削減を実現することができる。
特に電動三方弁を構成する構成部品の部品点数および組付工数を減少することができ、また、電動三方弁の体格の小型化を図ることができる。この結果、電動三方弁のコンパクト化およびコスト削減を実現することができる。また、バルブ4にバルブ軸5を一体的に形成して、バルブ4とバルブ軸5とを一体部品とすることにより、バルブ軸5の外周をバルブ4が摺動することはないので、摩耗によるシール不良の発生を防止することができる。この結果、電動エアポンプモジュール1の作動耐久寿命の長期化を図ることができ、電動エアポンプモジュール1の耐久性および信頼性を向上することができる。特に電動三方弁の作動耐久寿命の長期化を図ることができ、電動三方弁の耐久性および信頼性を向上することができる。
[実施例2の構成]
図5ないし図7は本発明の実施例2を示したもので、図5は電動エアポンプモジュールの全体構造を示した図である。
本実施例の電動エアポンプモジュール1は、実施例1と同様な構成のハウジング2、インペラ3、2位置3方向切替弁(バルブ4、バルブ軸5)とを備えている。ここで、2位置3方向切替弁のバルブ4をバルブ全閉位置(第1位置、デフォルト位置)とバルブ全開位置(第2位置、フルリフト位置)との2位置に駆動するアクチュエータ6は、動力源としての電動モータ7と、この電動モータ7のモータトルクをバルブ軸5に伝達するトルク伝動機構(動力伝達機構)9とを備えている。電動モータ7は、実施例1と同様に、モータ軸35の外周にインペラ3およびカラー50を固定している。
ここで、本実施例のトルク伝動機構9は、図5ないし図7に示したように、ハウジング2の内部(第3、第4ケース13、14間の空気流路23の内部)に配設されている。このトルク伝動機構9は、実施例1と同様に、ハウジング2の第3ケース13に圧入嵌合等によって固定されたアイドル軸47の外周に回転自在に配設されたアイドルギヤ45と、正逆2方向に回転して電動モータ7のモータトルクを2位置3方向切替弁のバルブ軸5に伝達する出力ギヤ46とを備えている。そして、トルク伝動機構9は、電動モータ7のモータトルクを、電動モータ7のモータ軸35からアイドルギヤ45を迂回して出力ギヤ46に伝達する第1トルク伝動経路と、電動モータ7のモータトルクを、電動モータ7のモータ軸35からアイドルギヤ45を経由して出力ギヤ46に伝達する第2トルク伝動経路と、第1トルク伝動経路と第2トルク伝動経路とを選択的に切り替える電磁クラッチ49とを備えている。
なお、第1トルク伝動経路は、電動モータ7のモータ軸35からカラー50→このカラー50に一体的に設けられた第1係合ピン51→この第1係合ピン51に係脱自在に係合する第1中間ロータ(以下第1ギヤと呼ぶ)61を経由して出力ギヤ46に、電動モータ7のモータトルクを伝達する動力伝達経路である。また、第2トルク伝動経路は、電動モータ7のモータ軸35からカラー50→このカラー50に一体的に設けられた第2係合ピン52→この第2係合ピン52に係脱自在に係合する第2中間ロータ(以下第2ギヤと呼ぶ)62→アイドルギヤ45を経由して出力ギヤ46に、電動モータ7のモータトルクを伝達する動力伝達経路である。
本実施例の電磁クラッチ49は、電動モータ7のモータ軸35の外周に固定されたカラー50と、このカラー50よりもモータ軸方向に対して略直交する半径方向の外径側(図示上方側)に配設された電磁石53と、この電磁石53よりも半径方向の内径側に配設されたスライダー75と、カラー50よりもモータ軸方向の両側に配設された2つの第1、第2ギヤ61、62と、カラー50と第1ギヤ61との間に配設された第1スプリング63と、カラー50と第2ギヤ62との間に配設された第2スプリング64と、バルブ4の作動状態に対応して、電磁石53のコイル55の軸線方向の一端側(図示下端側)に配置された磁極面の極性を反転させる励磁電流を、電磁石53のコイル55に供給する電磁クラッチ駆動回路(励磁電流供給手段:図示せず)とによって構成されている。
電磁石53は、図5および図6に示したように、ハウジング2の第3ケース13の内周面に固定されたステータ54、およびこのステータ54に保持された円筒状のコイルボビン(図示せず)の外周に巻回されたコイル55を有している。ステータ54の軸線方向(図示上下方向)の両端面は、コイル55の軸線方向の両側に設けられる2つの第1、第2磁極面となっている。なお、ステータ54の軸線方向の図示下端面の第2磁極面は、スライダー75の図示上端面との間に所定の隙間(例えば僅かな隙間、磁気ギャップ)を隔てて対向して配置される磁極面(以下電磁石53の磁極面と呼ぶ)59となっている。コイル55は、モータ軸方向に対して略直交する半径方向に軸線方向を有し、励磁電流が供給されると磁気吸引力または磁気反発力を発生するソレノイドコイルで、通電されると周囲に磁束を発生する。そして、本実施例では、コイル55を流れる励磁電流の方向によって、電磁石53の磁極面59の極性が反転するように構成されている。
ここで、電磁クラッチ駆動回路は、ECUからの制御信号に基づいて電磁クラッチ49の動作制御を行う部品である。この電磁クラッチ駆動回路は、バルブ4をバルブ全閉位置からバルブ全開位置に作動させる開弁作動時に、電磁石53の磁極面59の極性がS極(またはN極)となるようにコイル55に励磁電流を流すように構成されている。また、電磁クラッチ駆動回路は、バルブ4をバルブ全開位置からバルブ全閉位置に作動させる閉弁作動時に、電磁石53の磁極面59の極性がN極(またはS極)となるようにコイル55に励磁電流を流すように構成されている。
スライダー75は、ハウジング2の第3、第4ケース13、14および電磁石53の磁極面59に対してモータ軸方向に相対変位可能に配設されている。このスライダー75は、電磁石53の磁極面59との間に所定の隙間(例えば僅かな隙間、磁気ギャップ)を隔てて対向して配置されるマグネットプレート76、このマグネットプレート76を保持固定するプレート保持部(天井板)77、およびこのプレート保持部77の水平方向の両側より略直角に屈曲して電動モータ7のモータ軸35側に延ばされた2つの第1、第2駆動レバー91、92を有している。マグネットプレート76は、図6に示したように、電磁石53の磁極面59に対向するように2つの第1、第2永久磁石71、72を有している。
第1永久磁石71は、電磁石53の磁極面59との間に所定の隙間(例えば僅かな隙間、磁気ギャップ)を隔てて対向して配置される第1磁極面73が、所定の極性となるように着磁されている。なお、第1永久磁石71は、モータ軸方向に対して略直交する半径方向に平行な板厚方向の両端部の極性が互いに逆向きとなるようにN極とS極とが平行着磁されている。ここで、本実施例では、図6(b)に示したように、第1永久磁石71の第1磁極面73の極性がN極(またはS極)となっている。また、第2永久磁石72は、電磁石53の磁極面59との間に所定の隙間(例えば僅かな隙間、磁気ギャップ)を隔てて対向して配置される第2磁極面74が、第1永久磁石71の第1磁極面73と異なる極性となるように着磁されている。なお、第2永久磁石72は、モータ軸方向に対して略直交する半径方向に平行な板厚方向の両端部の極性が互いに逆向きとなるようにN極とS極とが平行着磁されている。ここで、本実施例では、第2永久磁石72の第2磁極面74の極性がS極(またはN極)となっている。
第1駆動レバー91は、第1貫通孔93を有し、電動モータ7のモータ軸35の外周に摺動自在に配設されている。この第1駆動レバー91は、電磁石53の磁極面59に対してスライダー75全体が、モータ軸方向の一方側(他方側:図示右側)に相対変位した際に、第1ギヤ61を、カラー50に一体的に設けられた第1係合ピン51に係合させる方向に駆動する第1リンクレバー(スライダー75の第1アーム部)である。すなわち、第1駆動レバー91は、第1ギヤ61に対して、第1ギヤ61の端面をカラー50のモータ軸方向の一端面に押し当てる方向に駆動力を発生する。なお、本実施例の第1駆動レバー91の端面(第1ギヤ61のモータ軸方向の一端面に対向する端面)には、図6(a)に示したように、第1ギヤ側に突出する複数の第1突起部95が周方向に一定の間隔で設けられている。
第2駆動レバー92は、第2貫通孔94を有し、電動モータ7のモータ軸35の外周に摺動自在に配設されている。この第2駆動レバー92は、電磁石53の磁極面59に対してスライダー75全体が、モータ軸方向の他方側(一方側:図示左側)に相対変位した際に、第2ギヤ62をカラー50に一体的に設けられた第2係合ピン52に係合させる方向に駆動する第2リンクレバー(スライダー75の第2アーム部)である。すなわち、第2駆動レバー92は、第2ギヤ62に対して、第2ギヤ62の端面をカラー50のモータ軸方向の他端面に押し当てる方向に駆動力を発生する。なお、本実施例の第2駆動レバー92の端面(第2ギヤ62のモータ軸方向の他端面に対向する端面)には、図6(a)に示したように、第2ギヤ側に突出する複数の第2突起部96が周方向に一定の間隔で設けられている。
第1ギヤ61は、電動モータ7のモータ軸35の外周を周方向に僅かな隙間を持って取り囲むように配設されている。また、第1ギヤ61は、カラー50のモータ軸方向の一端面(および第1係合ピン51のモータ軸方向の先端面)との間に所定の隙間を隔てて対向して配置されている。すなわち、第1ギヤ61は、カラー50の第1係合ピン51に係脱自在に配設されている。また、第1ギヤ61は、電動モータ7のモータ軸35の外周に摺動自在に配設されている。
この第1ギヤ61の外周(外径面)には、トルク伝動機構9の第1ギヤを構成する複数の凸状歯が周方向全体に形成されている。これらの凸状歯は、出力ギヤ46の第1スパーギヤに常時噛み合っており、出力ギヤ46に動力伝達可能に結合されている。また、第1ギヤ61は、半径方向の内径側に、カラー50の第1係合ピン51に係脱自在に係合する第1係合穴(第1被係合部)65を有している。この第1係合穴65は、第1係合ピン51の外径よりも大きい内径を有し、例えば第1ギヤ61の周方向に円弧形状の長穴となっている。なお、スライダー75の第1駆動レバー91によって第1ギヤ61がカラー50の一端面に押し当てられた際に、第1ギヤ61の半径方向の内径側端面とカラー50の一端面とが摩擦係合するようにしても良い。
第2ギヤ62は、電動モータ7のモータ軸35の外周を周方向に僅かな隙間を持って取り囲むように配設されている。また、第2ギヤ62は、カラー50のモータ軸方向の他端面(および第2係合ピン52のモータ軸方向の先端面)との間に所定の隙間を隔てて対向して配置されている。すなわち、第2ギヤ62は、カラー50の第2係合ピン52に係脱自在に配設されている。この第2ギヤ62は、電動モータ7のモータ軸35の外周に摺動自在に配設されている。
この第2ギヤ62の外周には、トルク伝動機構9の第2ギヤを構成する複数の凸状歯が周方向全体に形成されている。これらの凸状歯は、トルク伝動機構9のアイドルギヤ45に常時噛み合っており、出力ギヤ46に動力伝達可能に結合されている。また、第2ギヤ62は、カラー50の第2係合ピン52に係脱自在に係合する第2係合穴(第2被係合部)66を有している。この第2係合穴66は、第2係合ピン52の外径よりも大きい内径を有し、例えば第2ギヤ62の周方向に円弧形状の長穴となっている。なお、スライダー75の第2駆動レバー92によって第2ギヤ62がカラー50の他端面に押し当てられた際に、第2ギヤ62の半径方向の内径側端面とカラー50の他端面とが摩擦係合するようにしても良い。
[実施例2の作用]
次に、本実施例の蒸発燃料処理装置の作用を図5ないし図7に基づいて簡単に説明する。ここで、図7(a)はバルブの全閉保持状態を示した図で、図7(b)はバルブの開弁作動開始状態を示した図で、図7(c)はバルブの閉弁作動開始状態を示した図である。
イ)吸気管負圧を利用したパージ作動を図5および図7(a)に示す。ECUは、吸気圧センサによって検出される吸気管負圧(吸気圧)が所定値以上に高い時に、パージVSVを開弁させる。このとき、電動モータ7のアーマチャコイルへの電力の供給が成されず、しかも電磁クラッチ49の電磁石53のコイル55への励磁電流の供給が成されないため、電磁石53の磁極面59に対してスライダー75がモータ軸方向に相対変位(スライド)しない。すなわち、2つの第1、第2ギヤ61、62がスライダー75の2つの第1、第2駆動レバー91、92にて駆動されず、2つの第1、第2スプリング63、64のバネ荷重(付勢力)によって2つの第1、第2ギヤ61、62の各第1、第2係合穴65、66と電動モータ7のモータ軸35の外周に固定されたカラー50の2つの第1、第2係合ピン51、52との係合が解放状態となっている。
これにより、バルブ4の裏面側の第1シール面36が第1バルブシート33に着座するバルブ全閉位置に保持される状態(バルブ4の全閉保持状態)を継続するため、第1流体ポート26が閉塞(全閉)され、第2流体ポート27が開放(全開)される。この場合には、第2流体ポート27と流体流路29とが連通状態となる。したがって、大気開放配管およびハウジング2の内部に吸気管負圧が到達し、大気開放穴25から第2流体ポート27→流体流路29→出口ポート32→大気開放配管に向かう空気流が生じ、更にキャニスタの大気開放孔からパージポートに向かう空気流が生じる。このような空気流が生じると、キャニスタ内の吸着体に吸着されている蒸発燃料に脱離が生じ、この吸着体から脱離した蒸発燃料がキャニスタのパージポートから流出し、第2空気流路管→パージVSV→エンジン吸気管→吸気ポートを経由してエンジンの燃焼室内に導入(パージ)される。
ロ)電動エアポンプの動作を利用したパージ作動およびバルブ4の開弁作動を図7(b)、(c)に示す。ECUは、吸気圧センサによって検出される吸気管負圧(吸気圧)が所定値よりも低い時に、パージVSVを開弁させると共に、ポンプ駆動回路を通電制御して、電動モータ7のアーマチャコイルに電力を供給する。これにより、電動モータ7のモータ軸35が正逆2方向のうちで一方向に回転するため、電動モータ7のモータトルクによって電動モータ7のモータ軸35の外周に固定されたインペラ3およびカラー50が回転する。つまり電動エアポンプの回転動作に伴って、第1ケース11のエア吸入口から大気が吸入されて、電動エアポンプ内部にポンプ正圧(上記の吸気管負圧および大気圧よりも高い圧力)が発生する。
このとき、ECUは、電動モータ7のモータトルクを利用してバルブ4を開弁作動方向に駆動するために、電磁クラッチ駆動回路に制御信号(開弁作動指令信号)を出力する。そして、電磁クラッチ駆動回路は、ECUから入力された制御信号に応じて、電磁クラッチ49の電磁石53の磁極面59の極性が所定の極性となる励磁電流を、電磁石53のコイル55に供給する(励磁電流供給手段)。ここで、本実施例では、スライダー75のプレート保持部77上にマグネットプレート76が固定されており、このマグネットプレート76は、2つの第1、第2永久磁石71、72に分極されている。そして、電磁石53の磁極面59に対向する、2つの第1、第2永久磁石71、72の各第1、第2磁極面73、74の極性が異なる極性となるように着磁されている。具体的には、図6(b)に示したように、第1永久磁石71の第1磁極面73の極性がN極(またはS極)となっている。また、第2永久磁石72の第2磁極面74の極性がS極(またはN極)となっている。
そして、電磁クラッチ駆動回路は、バルブ4を開弁作動方向に駆動する場合に、電磁石53の磁極面59の極性がS極(またはN極)となる電流方向となるように、電磁石53のコイル55に励磁電流を流す。すなわち、電磁石53の磁極面59とマグネットプレート76の第1永久磁石71の第1磁極面73との間に磁気吸引力が作用し、また、電磁石53の磁極面59とマグネットプレート76の第2永久磁石72の第2磁極面74との間に磁気反発力が作用する励磁電流の向きとなるように、電磁石53のコイル55に励磁電流を流す。
すると、マグネットプレート76の第1永久磁石71が、電磁石53の磁極面59に吸引され、また、マグネットプレート76の第2永久磁石72が、電磁石53の磁極面59に対して反発するため、スライダー75全体が、電磁クラッチ49の電磁石53に対してモータ軸方向の他方側(図示右側)に相対変位(スライド)する。これにより、スライダー75の第1駆動レバー91によって、第1ギヤ61がカラー50の一端面に当接する方向に駆動されるため、第1ギヤ61の第1係合穴65が、カラー50の第1係合ピン51に動力伝達可能に係合する。これにより、図7(b)に示したように、バルブ4の開弁作動方向への駆動が開始される(バルブ4の開弁作動開始状態)。
そして、電動モータ7のモータ軸35が一定方向に回転しているため、電動モータ7のモータ軸35の外周に固定されたカラー50も一定方向に回転する。これにより、カラー50に伝達された電動モータ7のモータトルクは、第1係合ピン51→第1ギヤ61→複数の凸状歯→第1スパーギヤ(第1凸状歯)を経由して出力ギヤ46に伝達される。これにより、出力ギヤ46が電動モータ7のモータ軸35の回転方向と同一方向に回転し、出力ギヤ46の第1スクリュー41にネジ結合された第2スクリュー42を有するバルブ軸5が軸線方向の一方側(図示左側)への移動を開始する。したがって、バルブ軸5の軸線方向の一方側への移動が開始されると、バルブ4の第1シール面36が第1バルブシート33より離脱して、バルブ4も軸線方向の一方側(図示左側)への移動(リフト)を開始する。そして、電動モータ7のアーマチャコイルへの電力の供給を継続することで、電動モータ7のモータトルクを利用してバルブ4が開弁作動方向に駆動され続け、バルブ4の第2シール面37が第2バルブシート34に着座する。
次に、ECUは、バルブ4の第2シール面37が第2バルブシート34に着座した時点で、バルブ4をバルブ全開位置にて保持するために、電磁クラッチ駆動回路に制御信号(全開保持指令信号)を出力する。そして、電磁クラッチ駆動回路は、ECUから入力された制御信号に応じて、電磁クラッチ49の電磁石53のコイル55への励磁電流の供給を停止する。すると、第1スプリング63のバネ荷重(付勢力)によってカラー50の第1係合ピン51から第1ギヤ61が引き離されて、第1ギヤ61の第1係合穴65とカラー50の第1係合ピン51との係合状態が解放される。このとき、スライダー75全体も、第1ギヤ61の移動に伴って初期位置に戻される。
このため、電動モータ7のアーマチャコイルへの電力の供給を継続して電動モータ7のモータ軸35の一定方向の回転を継続しても、電動モータ7のモータ軸35に固定されたカラー50が空転するのみで、電動モータ7のモータトルクは、第1ギヤ61、出力ギヤ46およびバルブ軸5に伝達されない。しかし、バルブ4の第2シール面37が第2バルブシート34に着座するバルブ全開位置に保持される状態(バルブ4の全開保持状態)が継続されるため、第1流体ポート26が開放(全開)され、第2流体ポート27が閉塞(全閉)される。この場合には、第1流体ポート26と流体流路29とが連通状態となる。
以上のように、電動モータ7に電力を供給して、バルブ4をバルブ全閉位置(デフォルト位置)からバルブ全開位置(フルリフト位置)に開弁作動方向に駆動すると共に、電動エアポンプのインペラ3を回転動作させることにより、電動エアポンプによる強制的なパージ動作が開始される。ここで、電動モータ7のモータ軸35の回転運動によってインペラ3が回転駆動されると、複数の羽根部の移動によって、ポンプハウジングの渦流室17の内部の空気(エア)は圧縮される。このとき、ポンプハウジングのポンプ吸込み口には負圧が生じるため、エアダクト19内に配置されたフィルター20で濾過されたエアがエアダクト19を経由してポンプ吸込み口に導かれると共に、ポンプハウジングのポンプ吐出口21には高圧が生じるため、渦流室17の内部で加圧されたエアがポンプ吐出口21から吐出される。
したがって、ポンプハウジングのポンプ吐出口21から吐出されたエアは、バルブ4がバルブ全開位置に保持されており、第1流体ポート26が開放されているので、空気流路23から第1流体ポート26→流体流路29→出口ポート32を経由して大気開放配管に送り込まれる。これにより、キャニスタの大気開放孔からパージポートに向かう空気流が生じる。このような空気流が生じると、キャニスタ内の吸着体に吸着されている蒸発燃料に脱離が生じ、この吸着体から脱離した蒸発燃料がキャニスタのパージポートから流出し、第2空気流路管→パージVSV→エンジン吸気管→吸気ポートを経由してエンジンの燃焼室内に導入(パージ)される。
ハ)電動エアポンプの動作を利用したバルブ4の閉弁作動を図5および図7(c)、(a)に示す。ECUは、電動モータ7のモータトルクを利用してバルブ4を閉弁作動方向に駆動するために、電磁クラッチ駆動回路に制御信号(閉弁作動指令信号)を出力する。そして、電磁クラッチ駆動回路は、ECUから入力された制御信号に応じて、電磁クラッチ49の電磁石53の磁極面59の極性が、バルブ4の開弁作動時の極性に対して反転した極性となる励磁電流を、電磁石53のコイル55に供給する(励磁電流供給手段)。
そして、電磁クラッチ駆動回路は、バルブ4を閉弁作動方向に駆動する場合に、電磁石53の磁極面59の極性がN極(またはS極)となる電流方向となるように、電磁石53のコイル55に励磁電流を流す。すなわち、電磁石53の磁極面59と第1ギヤ61の第1永久磁石71の第1磁極面73との間に磁気反発力が作用し、また、電磁石53の磁極面59と第2ギヤ62の第2永久磁石72の第2磁極面74との間に磁気吸引力が作用する励磁電流の向きとなるように、電磁石53のコイル55に励磁電流を流す。
すると、マグネットプレート76の第1永久磁石71が、電磁石53の磁極面59に対して反発し、また、マグネットプレート76の第2永久磁石72が、電磁石53の磁極面59に吸引されるため、スライダー75全体が、電磁クラッチ49の電磁石53に対してモータ軸方向の一方側(図示左側)に相対変位(スライド)する。これにより、スライダー75の第2駆動レバー92によって、第2ギヤ62がカラー50の他端面に当接する方向に駆動されるため、第2ギヤ62の第2係合穴66が、カラー50の第2係合ピン52に動力伝達可能に係合する。これにより、図7(c)に示したように、バルブ4の閉弁作動方向への駆動が開始される(バルブ4の閉弁作動開始状態)。
このとき、バルブ4の開弁作動時と同様に、電動モータ7のアーマチャコイルへの電力の供給が継続されており、電動モータ7のモータ軸35が一定方向に回転し続けているため、電動モータ7のモータ軸35の外周に固定されたカラー50も一定方向に回転し続けている。これにより、カラー50に伝達された電動モータ7のモータトルクは、第2係合ピン52→第2ギヤ62→複数の凸状歯→アイドルギヤ45→第2スパーギヤ(第2凸状歯)を経由して出力ギヤ46に伝達される。これにより、出力ギヤ46が電動モータ7のモータ軸35の回転方向に対して逆方向に反転(回転)し、出力ギヤ46の第1スクリュー41にネジ結合された第2スクリュー42を有するバルブ軸5が軸線方向の他方側(図示右側)への移動を開始する。したがって、バルブ軸5の軸線方向の他方側への移動が開始されると、バルブ4の第2シール面37が第2バルブシート34より離脱して、バルブ4も軸線方向の他方側(図示右側)への移動を開始する。そして、電動モータ7のアーマチャコイルへの電力の供給を継続することで、電動モータ7のモータトルクを利用してバルブ4が閉弁作動方向に駆動され続け、バルブ4の第1シール面36が第1バルブシート33に着座する。
次に、ECUは、バルブ4の第1シール面36が第1バルブシート33に着座した時点で、バルブ4をバルブ全閉位置にて保持するために、電磁クラッチ駆動回路に制御信号(全閉保持指令信号)を出力する。そして、電磁クラッチ駆動回路は、ECUから入力された制御信号に応じて、電磁クラッチ49の電磁石53のコイル55への励磁電流の供給を停止する。すると、図7(a)に示したように、第2スプリング64のバネ荷重(付勢力)によってカラー50の第2係合ピン52から第2ギヤ62が引き離されて、第2ギヤ62の第2係合穴66とカラー50の第2係合ピン52との係合状態が解放される。このとき、スライダー75全体も、第2ギヤ62の移動に伴って初期位置に戻される。
ここで、電動モータ7のアーマチャコイルへの電力の供給を継続して電動モータ7のモータ軸35の一定方向の回転を継続しても、電動モータ7のモータ軸35に固定されたカラー50が空転するのみで、電動モータ7のモータトルクは、第2ギヤ62、出力ギヤ46およびバルブ軸5に伝達されない。しかし、バルブ4の第1シール面36が第1バルブシート33に着座するバルブ全閉位置に保持される状態(バルブ4の全閉保持状態)が継続されるため、第1流体ポート26が閉鎖(全閉)され、第2流体ポート27が開放(全開)される。この場合には、第2流体ポート27と流体流路29とが連通状態(図5参照)となる。
次に、ECUは、電動モータ7のアーマチャコイルへの電力の供給を停止して、電動エアポンプの動作を利用したパージ作動を終了する。なお、ECUは、バルブ4の第1シール面36が第1バルブシート33に着座した時点で、電磁クラッチ駆動回路に制御信号(全閉保持指令信号)を出力すると同時に、電動モータ7のアーマチャコイルへの電力の供給を停止しても良い。
[実施例2の効果]
以上のように、本実施例の電動エアポンプモジュール1においては、実施例1と同様に、電動モータ7のモータトルクを利用してバルブ4をバルブ全閉位置とバルブ全開位置との2位置に駆動するアクチュエータ6のトルク伝動機構9に、電動モータ7のモータ軸35に固定されたカラー50と、アイドル軸47の外周に回転自在に支持されたアイドルギヤ45と、バルブ4のバルブ軸5に2つの第1、第2スクリュー41、42を介して駆動連結する出力ギヤ46と、第1トルク伝動経路(電動モータ7のモータ軸35→カラー50→第1ギヤ61→出力ギヤ46)と第2トルク伝動経路(電動モータ7のモータ軸35→カラー50→第2ギヤ62→アイドルギヤ45→出力ギヤ46)とを選択的に切り替える電磁クラッチ49とを配設している。
これによって、バルブ4の開弁作動状態と閉弁作動状態とを切り替える際に、電動モータ7のモータ軸35を正逆2方向に反転(逆転)させる必要はなく、バルブ4の開弁作動状態と閉弁作動状態とを切り替える時のバルブ4の制御応答性を向上することができる。また、バルブ4を開弁駆動および閉弁駆動する電動モータ7と、例えば正逆2方向のうちで一方向にのみ連続的(または断続的)に回転する電動エアポンプ(インペラ3)を回転駆動する電動モータとを共用化することができる。これにより、部品点数を削減できるので、蒸発燃料処理装置全体のコストを削減でき、自動車等の車両への搭載性を向上することができる。また、2位置3方向切替弁のバルブ4とバルブ軸5とを一体化しているので、実施例1と同様な効果を達成することができる。
[変形例]
本実施例では、本発明のバルブ開閉制御装置を、両羽根タイプの電動エアポンプと電動三方弁とを一体化した電動エアポンプモジュール1に適用した例を説明したが、本発明のバルブ開閉制御装置を、片羽根タイプの電動エアポンプと電動三方弁とを一体化した電動エアポンプモジュールに用いても良い。また、本発明のバルブ開閉制御装置を、2位置2方向切替弁や2位置3方向切替弁等の2位置切替弁を備えた電動三方弁(または電動式バルブ開閉装置)に用いても良い。また、流体として蒸発燃料や大気等のエアを使用したが、流体として2次空気や気相冷媒等の気体、水、燃料、オイルや液相冷媒等の液体を利用しても良い。
本実施例では、電動モータ7のモータ軸35にエアポンプ(インペラ3)を直接組み付けているが、モータ軸35とインペラ3の回転軸とを別体で構成しても良い。また、モータ軸35とインペラ3の回転軸との間に、モータ回転速度を所定の減速比に減速する減速機構を設置しても良い。また、本実施例では、本発明のバルブ開閉制御装置を、電動モータ7のモータトルクを利用して2位置3方向切替弁のバルブ4をバルブ全閉位置(デフォルト位置、第1流路孔全閉位置、第2流路孔全開位置)とバルブ全開位置(フルリフト位置、第1流路孔全開位置、第2流路孔全閉位置)との2位置に駆動しているが、本発明のバルブ開閉制御装置を、電動モータのモータトルクを利用して2位置3方向切替弁のバルブをバルブ全開位置(デフォルト位置)とバルブ全閉位置(フルリフト位置)との2位置に駆動しても良い。また、電動モータのモータトルクを利用してバルブをバルブ全閉位置とバルブ全開位置との中間位置にてバルブ作動停止しても良い。この場合には、バルブが、流体流量制御弁の弁体となる。また、バルブを、1個の流路孔の開口周縁部(バルブシート)に対して着座、離脱して流路孔を閉鎖、開放する流路開閉制御弁の弁体に適用しても良い。
本実施例では、回転方向反転手段をアイドルギヤ45によって構成したが、回転方向反転手段をサンギヤ、プラネットギヤ、このプラネットギヤのピンを支持するキャリヤ、リングギヤ等により成る遊星歯車機構によって構成しても良い。この場合には、サンギヤ、キャリヤ、リングギヤを選択的に駆動、従動(被動)、反力(固定)として動力伝達を行うことで、1組の遊星歯車機構によって第1、第2トルク伝動経路を構成できる。
電磁クラッチ周辺構造を示した半断面図である(実施例1)。 (a)は電動エアポンプモジュールの全体構造を示した断面図で、(b)は(a)のA−A断面図である(実施例1)。 電動エアポンプモジュールの全体構造を示した断面図である(実施例1)。 (a)はバルブの全閉保持状態を示した説明図で、(b)はバルブの開弁作動開始状態を示した説明図で、(c)はバルブの全開保持状態を示した説明図で、(d)はバルブの閉弁作動開始状態を示した説明図である(実施例1)。 電動エアポンプモジュールの全体構造を示した断面図である(実施例2)。 (a)は電磁クラッチを示した断面図で、(b)はマグネットプレートの着磁方向を示した説明図である(実施例2)。 (a)はバルブの全閉保持状態を示した説明図で、(b)はバルブの開弁作動開始状態を示した説明図で、(c)はバルブの閉弁作動開始状態を示した説明図である(実施例2)。 電動三方弁を示した断面図である(従来の技術)。
符号の説明
1 電動エアポンプモジュール(バルブ開閉制御装置)
2 ハウジング
3 インペラ(羽根車)
4 2位置3方向切替弁のバルブ(弁体、弁頭)
5 2位置3方向切替弁のバルブ軸(弁軸)
6 アクチュエータ(バルブ駆動装置)
7 電動モータ
8 トルク伝動機構
9 トルク伝動機構
11 第1ケース(ハウジング)
12 第2ケース(ハウジング)
13 第3ケース(ハウジング)
14 第4ケース(ハウジング)
15 カバー(ハウジング)
17 渦流室
23 空気流路(ギヤ収容室)
26 第1流体ポート(第1流路孔)
27 第2流体ポート(第2流路孔)
29 流体流路(バルブ収容室)
33 第1バルブシート(第1流体孔の開口周縁部、第1弁座部)
34 第2バルブシート(第2流体孔の開口周縁部、第2弁座部)
35 電動モータのモータ軸
36 バルブの裏面側の第1シール面
37 バルブの表面側の第2シール面
41 出力ギヤの第1スクリュー(運動方向変換機構)
42 バルブ軸の第2スクリュー(運動方向変換機構)
45 アイドルギヤ(回転方向反転手段)
46 出力ギヤ(出力部)
47 アイドル軸(中間軸)
49 電磁クラッチ(伝動経路切替手段)
50 カラー(回転体)
51 第1係合ピン(第1係合部)
52 第2係合ピン(第2係合部)
53 電磁石
55 電磁石のコイル
56 電磁石の第1磁極面
57 電磁石の第2磁極面
59 電磁石の磁極面
61 第1ギヤ(第1マグネットロータ、第1中間ロータ)
62 第2ギヤ(第2マグネットロータ、第2中間ロータ)
63 第1スプリング(弾性体、第1荷重付与手段)
64 第2スプリング(弾性体、第2荷重付与手段)
65 第1ギヤの第1係合穴(第1被係合部)
66 第2ギヤの第2係合穴(第2被係合部)
71 第1永久磁石(第1磁石)
72 第2永久磁石(第2磁石)
73 第1永久磁石の第1磁極面
74 第2永久磁石の第2磁極面
75 スライダー
76 マグネットプレート
91 第1駆動レバー
92 第2駆動レバー

Claims (15)

  1. (a)内部に流路孔が形成されたバルブシートと、
    (b)このバルブシートに対して着座、離脱して前記流路孔を閉鎖、開放するバルブと、
    (c)このバルブを駆動するバルブ駆動装置と
    を備えたバルブ開閉制御装置において、
    前記バルブには、軸線方向に延びるバルブ軸が一体的に形成されており、
    前記バルブ駆動装置は、正逆2方向のうちで一方向にのみ回転するモータ軸を有するモータ、およびこのモータの回転トルクを前記バルブ軸に伝達するトルク伝動機構を具備し、
    前記トルク伝動機構は、正逆2方向に回転して前記モータの回転トルクを前記バルブ軸に出力する出力部と、
    前記モータ軸の回転方向に対して前記出力部の回転方向を逆方向に反転させる回転方向反転手段と、
    前記モータの回転トルクを、前記回転方向反転手段を迂回して前記モータ軸から前記出力部に伝達する第1トルク伝動経路と、
    前記モータの回転トルクを、前記回転方向反転手段を経由して前記モータ軸から前記出力部に伝達する第2トルク伝動経路と、
    前記第1トルク伝動経路と前記第2トルク伝動経路とを選択的に切り替える伝動経路切替手段と
    を備えたことを特徴とするバルブ開閉制御装置。
  2. 請求項1に記載のバルブ開閉制御装置において、
    前記流路孔は、少なくとも1つの流体流路に連通する2つの第1、第2流路孔であって、
    前記バルブシートは、内部に前記2つの第1、第2流路孔がそれぞれ形成された2つの第1、第2バルブシートであって、
    前記2つの第1、第2バルブシートは、互いに所定の軸線方向隙間を隔てて対向して配設されていることを特徴とするバルブ開閉制御装置。
  3. 請求項2に記載のバルブ開閉制御装置において、
    前記バルブは、前記第1バルブシートに着座して前記第1流路孔を閉鎖する第1位置、および前記第2バルブシートに着座して前記第2流路孔を閉鎖する第2位置を、2位置にて切り替える2位置切替弁であって、
    前記2位置切替弁は、前記2つの第1、第2バルブシートに対して前記バルブ軸の軸線方向に相対変位可能に配設されて、前記2つの第1、第2流路孔を選択的に開閉する1個の弁体を有していることを特徴とするバルブ開閉制御装置。
  4. 請求項2または請求項3に記載のバルブ開閉制御装置において、
    前記バルブは、表裏2面を有する1個の板状弁体であって、
    表面に対して逆側の裏面側に、前記第1バルブシートに対して着座、離脱して前記第1流路孔を閉鎖、開放する第1シール面を有し、且つこの第1シール面に対して逆側の表面側に、前記第2バルブシートに対して着座、離脱して前記第2流路孔を閉鎖、開放する第2シール面を有していることを特徴とするバルブ開閉制御装置。
  5. 請求項1ないし請求項4のうちのいずれか1つに記載のバルブ開閉制御装置において、 前記伝動経路切替手段は、前記モータ軸の外周に固定された回転体と、
    前記回転体の周囲を取り囲むように、モータ軸方向に軸線方向を有するコイルが配設された電磁石と、
    前記回転体よりもモータ軸方向の両側に配設されて、前記出力部に動力伝達可能に結合して前記電磁石に対して相対回転する2つの第1、第2マグネットロータとを備え、
    前記第1マグネットロータは、前記第1トルク伝動経路上に配設されており、
    前記第2マグネットロータは、前記第2トルク伝動経路上に配設されていることを特徴とするバルブ開閉制御装置。
  6. 請求項5に記載のバルブ開閉制御装置において、
    前記回転体は、モータ軸方向の両側に2つの第1、第2係合部を有し、
    前記電磁石は、前記コイルの軸線方向の両側に2つの第1、第2磁極面を有し、
    前記第1マグネットロータは、前記第1係合部に対して係脱自在に配設されて、前記電磁石の第1磁極面に対向するように第1磁石を有し、
    前記第2マグネットロータは、前記第2係合部に対して係脱自在に配設されて、前記電磁石の第2磁極面に対向するように第2磁石を有し、
    前記第1磁石は、前記電磁石の第1磁極面に対向する磁極面が、所定の極性となるように着磁されており、
    前記第2磁石は、前記電磁石の第2磁極面に対向する磁極面が、前記第1磁石の磁極面と同一の極性となるように着磁されており、
    前記伝動経路切替手段は、前記バルブの作動状態に対応して、前記電磁石の2つの第1、第2磁極面の極性を反転させる励磁電流を、前記コイルに供給する励磁電流供給手段を備えたことを特徴とするバルブ開閉制御装置。
  7. 請求項5または請求項6に記載のバルブ開閉制御装置において、
    前記トルク伝動機構は、前記第1マグネットロータに対して、前記第1マグネットロータを前記第1係合部より引き離す方向に荷重を付与する第1荷重付与手段と、前記第2マグネットロータに対して、前記第2マグネットロータを前記第2係合部より引き離す方向に荷重を付与する第2荷重付与手段とを備えたことを特徴とするバルブ開閉制御装置。
  8. 請求項5ないし請求項7のうちのいずれか1つに記載のバルブ開閉制御装置において、 前記第1マグネットロータは、前記モータ軸の周囲を取り囲むように配設された第1ギヤを構成し、
    前記第2マグネットロータは、前記モータ軸の周囲を取り囲むように配設された第2ギヤを構成し、
    前記回転方向反転手段は、前記モータ軸に対して並列配置された中間軸を有し、この中間軸の周囲を取り囲むように配設されて、前記第2ギヤに噛み合うアイドルギヤを構成し、
    前記出力部は、前記第1ギヤに噛み合う第1スパーギヤ、および前記アイドルギヤに噛み合う第2スパーギヤを有する出力ギヤを構成していることを特徴とするバルブ開閉制御装置。
  9. 請求項1ないし請求項4のうちのいずれか1つに記載のバルブ開閉制御装置において、 前記伝動経路切替手段は、前記モータ軸の外周に固定された回転体と、
    前記回転体よりもモータ軸方向に対して略直交する半径方向の外径側に、前記回転体の半径方向に軸線方向を有するコイルが配設された電磁石と、
    前記回転体よりもモータ軸方向の両側に配設されて、前記出力部に動力伝達可能に結合して前記電磁石に対して相対回転する2つの第1、第2中間ロータと、
    前記電磁石よりも半径方向の内径側に配設されて、前記電磁石に対してモータ軸方向に相対変位するスライダーとを備え、
    前記スライダーは、前記電磁石に対してモータ軸方向に相対変位した際に、前記2つの第1、第2中間ロータを選択的に前記回転体に押し当てる方向に駆動するように構成されており、
    前記第1中間ロータは、前記第1トルク伝動経路上に配設されており、
    前記第2中間ロータは、前記第2トルク伝動経路上に配設されていることを特徴とするバルブ開閉制御装置。
  10. 請求項9に記載のバルブ開閉制御装置において、
    前記電磁石は、前記コイルの軸線方向の一端側に磁極面を有し、
    前記スライダーは、前記電磁石の磁極面に対向するように2つの第1、第2磁石を有し、
    前記第1磁石は、前記電磁石の磁極面に対向する第1磁極面が、所定の極性となるように着磁されており、
    前記第2磁石は、前記電磁石の磁極面に対向する第2磁極面が、前記第1磁石の第1磁極面と異なる極性となるように着磁されており、
    前記伝動経路切替手段は、前記バルブの作動状態に対応して、前記電磁石の磁極面の極性を反転させる励磁電流を、前記コイルに供給する励磁電流供給手段を備えたことを特徴とするバルブ開閉制御装置。
  11. 請求項9または請求項10に記載のバルブ開閉制御装置において、
    前記回転体は、モータ軸方向の両側に2つの第1、第2係合部を有し、
    前記第1中間ロータは、前記第1係合部に対して係脱自在に配設されており、
    前記第2中間ロータは、前記第2係合部に対して係脱自在に配設されており、
    前記スライダーは、前記電磁石に対してモータ軸方向の一方側に相対変位した際に、前記第1中間ロータを前記第1係合部に係合させる方向に駆動する第1駆動レバー、および前記電磁石に対してモータ軸方向の他方側に相対変位した際に、前記第2中間ロータを前記第2係合部に係合させる方向に駆動する第2駆動レバーを有していることを特徴とするバルブ開閉制御装置。
  12. 請求項11に記載のバルブ開閉制御装置において、
    前記トルク伝動機構は、前記第1中間ロータに対して、前記第1中間ロータを前記第1係合部より引き離す方向に荷重を付与する第1荷重付与手段と、前記第2中間ロータに対して、前記第2中間ロータを前記第2係合部より引き離す方向に荷重を付与する第2荷重付与手段とを備えたことを特徴とするバルブ開閉制御装置。
  13. 請求項9ないし請求項12のうちのいずれか1つに記載のバルブ開閉制御装置において、
    前記第1中間ロータは、前記モータ軸の周囲を取り囲むように配設された第1ギヤを構成し、
    前記第2中間ロータは、前記モータ軸の周囲を取り囲むように配設された第2ギヤを構成し、
    前記回転方向反転手段は、前記モータ軸に対して並列配置された中間軸を有し、この中間軸の周囲を取り囲むように配設されて、前記第2ギヤに噛み合うアイドルギヤを構成し、
    前記出力部は、前記第1ギヤに噛み合う第1スパーギヤ、および前記アイドルギヤに噛み合う第2スパーギヤを有する出力ギヤを構成していることを特徴とするバルブ開閉制御装置。
  14. 請求項1ないし請求項13のうちのいずれか1つに記載のバルブ開閉制御装置において、
    前記モータ軸の外周に固定されて、周方向に形成された複数の羽根部を有する羽根車を備えたことを特徴とするバルブ開閉制御装置。
  15. 請求項1ないし請求項14のうちのいずれか1つに記載のバルブ開閉制御装置において、
    前記バルブ駆動装置は、前記出力部の回転運動を直線運動に変換して前記バルブ軸に伝達する運動方向変換機構を有し、
    前記出力部は、円筒状の出力ギヤを構成し、
    前記運動方向変換機構は、前記出力ギヤの内周に形成された第1スクリュー、および前記バルブ軸の外周に形成されて、前記第1スクリューにネジ結合される第2スクリューを有し、
    前記バルブ軸は、前記出力ギヤに対して軸線方向に相対変位可能に配設されていることを特徴とするバルブ開閉制御装置。
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