JP2007162152A - 有機繊維コード用乾燥炉および有機繊維コードの乾燥方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】マイクロ波を利用した加熱方式によって有機繊維コードを乾燥すると同時に、炉内のディップスケールの除去を可能とする。
【解決手段】炉入口21から炉出口22までコード搬送路23に沿って搬送される、ディップ接着剤が含浸されたタイヤコード2に対し、マイクロ波発振器24aから発せられるマイクロ波を、金属製反射板25によって反射させながら照射して乾燥させる。タイヤコードからディップスケールが発生するが、このディップスケールは、金属製反射板とコード搬送路との間に介装させた保護シート26に付着する。そして、付着したディップスケールは、保護シートとともに炉外に搬送される。
【選択図】図2
【解決手段】炉入口21から炉出口22までコード搬送路23に沿って搬送される、ディップ接着剤が含浸されたタイヤコード2に対し、マイクロ波発振器24aから発せられるマイクロ波を、金属製反射板25によって反射させながら照射して乾燥させる。タイヤコードからディップスケールが発生するが、このディップスケールは、金属製反射板とコード搬送路との間に介装させた保護シート26に付着する。そして、付着したディップスケールは、保護シートとともに炉外に搬送される。
【選択図】図2
Description
本発明は、タイヤ等のゴム物品を補強する有機繊維コードをディップ処理する際に、ディップ接着剤が含浸された有機繊維コードを乾燥させる有機繊維コード用乾燥炉および有機繊維コードの乾燥方法に関する。
ポリエステルやポリアミド等の有機繊維コードは、従来からタイヤ等のゴム工業製品の補強材として多く使用されてきた。このような有機繊維コードは、ゴムとの接着のために、レゾルシン・ホルマリン/ゴムラテックス液等のディップ接着剤を含浸された後、熱処理が施されることにより改質されて、ゴム補強用のコードとして利用される。(例えば、引用文献1)。
このディップ処理中で、熱処理は、有機繊維コードに含浸されたディップ接着剤中の水分を乾燥させる乾燥工程と、その後の、コードの物性改善およびディップ接着剤との接着を目的として行われる、有機繊維融点近傍の高温下で所定の引張力が付与される加工工程に分かれる。
特開昭62−029404号公報
このディップ処理中で、熱処理は、有機繊維コードに含浸されたディップ接着剤中の水分を乾燥させる乾燥工程と、その後の、コードの物性改善およびディップ接着剤との接着を目的として行われる、有機繊維融点近傍の高温下で所定の引張力が付与される加工工程に分かれる。
本発明者等は、乾燥工程での加熱効率を上げるため、熱源としてマイクロ波を利用することにより、誘電率の高い水を直接加熱して、乾燥時間の大幅な短縮化を可能とすることを案出した。なお、マイクロ波加熱では、有機繊維コードやディップ接着剤もマイクロ波を吸収することとなるが、その吸収能率は水の1/1000以下であって、それほど加温されず、問題にならない。
ところで、このような、マイクロ波を用いた乾燥方式を採用すると、有機繊維コードからのディップ接着剤の飛散や、有機繊維コードとの接触等によって、炉内、特に、マイクロ波を反射する金属製反射板を兼ねる炉壁等にディップスケールが付着する。
炉内に付着したディップスケールをそのままにしておくと、次第にディップスケールが堆積する。この堆積したディップスケールがマイクロ波を吸収し続けるとやがて炭化し、炉内での放電の発生源となって、放電により処理中の有機繊維コードを断線させたりして、マイクロ波発生装置を故障させてしまうおそれがある。
このような不都合を防ぐには、定期的に炉内を清掃することが必要になるが、清掃時には、有機繊維コードのディップ処理自体を中止しなければならず、生産性が低下してしまう。
炉内に付着したディップスケールをそのままにしておくと、次第にディップスケールが堆積する。この堆積したディップスケールがマイクロ波を吸収し続けるとやがて炭化し、炉内での放電の発生源となって、放電により処理中の有機繊維コードを断線させたりして、マイクロ波発生装置を故障させてしまうおそれがある。
このような不都合を防ぐには、定期的に炉内を清掃することが必要になるが、清掃時には、有機繊維コードのディップ処理自体を中止しなければならず、生産性が低下してしまう。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、マイクロ波を利用した加熱方式によって有機繊維コードを乾燥すると同時に、炉内のディップスケールの除去を可能とする有機繊維コード用乾燥炉および有機繊維コードの乾燥方法を提供することにある。
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用する。
本発明に係る有機繊維コード用乾燥炉は、炉入口から炉出口までコード搬送路に沿って搬送される、ディップ接着剤が含浸された有機繊維コードを乾燥させる有機繊維コード用乾燥炉であって、前記コード搬送路を囲むように配置されて、前記コード搬送路上を搬送される前記有機繊維コードに、マイクロ波発振器から発せられるマイクロ波を反射させながら照射する金属製反射板を備えるマイクロ波加熱手段と、前記金属製反射板と前記コード搬送路との間に介装されて、前記有機繊維コードから発生するディップスケールを付着させることで、ディップスケールが前記金属製反射板に付着するのを防止する保護シートと、を備えたことを特徴とする。
この有機繊維コード用乾燥炉では、マイクロ波発振器から発せられたマイクロ波が、直接、あるいは、金属製反射板に反射されながら、有機繊維コードに照射される。有機繊維コードに含浸されたディップ接着剤中の水は、照射されるマイクロ波によって選択的に加温されて蒸発する。このとき、有機繊維コードからは、ディップスケールが発生するものの、この発生したディップスケールは、保護シートに付着する。また、有機繊維コードが保護シートに触れる場合にも、ディップスケールは、保護シートに付着する。このようにディップスケールは、保護シートに付着するものの、金属製反射板へは付着しない。
本発明に係る有機繊維コード用乾燥炉は、炉入口から炉出口までコード搬送路に沿って搬送される、ディップ接着剤が含浸された有機繊維コードを乾燥させる有機繊維コード用乾燥炉であって、前記コード搬送路を囲むように配置されて、前記コード搬送路上を搬送される前記有機繊維コードに、マイクロ波発振器から発せられるマイクロ波を反射させながら照射する金属製反射板を備えるマイクロ波加熱手段と、前記金属製反射板と前記コード搬送路との間に介装されて、前記有機繊維コードから発生するディップスケールを付着させることで、ディップスケールが前記金属製反射板に付着するのを防止する保護シートと、を備えたことを特徴とする。
この有機繊維コード用乾燥炉では、マイクロ波発振器から発せられたマイクロ波が、直接、あるいは、金属製反射板に反射されながら、有機繊維コードに照射される。有機繊維コードに含浸されたディップ接着剤中の水は、照射されるマイクロ波によって選択的に加温されて蒸発する。このとき、有機繊維コードからは、ディップスケールが発生するものの、この発生したディップスケールは、保護シートに付着する。また、有機繊維コードが保護シートに触れる場合にも、ディップスケールは、保護シートに付着する。このようにディップスケールは、保護シートに付着するものの、金属製反射板へは付着しない。
本発明に係る有機繊維コード用乾燥炉は、前記保護シートが、誘導損失係数が0.01以下の材料によってつくられていることを特徴とする。
この有機繊維コード用乾燥炉では、保護シートが、0.01以下の誘導損失係数を有する材料からつくられているので、マイクロ波を吸収しにくい。このため、保護シートが炉内に存することに伴いマイクロ波による乾燥効率の低下を来たす、といった事態を未然に防止できる。また、保護シート自体の発熱を押さえることで、保護シートの劣化を防ぐこともできる。ちなみに、保護シートを、0.01を超える誘導損失係数を有する材料からつくると、この保護シートによってマイクロ波を吸収してしまい、マイクロ波を利用した加熱方式を採用するメリットが薄れる。
この有機繊維コード用乾燥炉では、保護シートが、0.01以下の誘導損失係数を有する材料からつくられているので、マイクロ波を吸収しにくい。このため、保護シートが炉内に存することに伴いマイクロ波による乾燥効率の低下を来たす、といった事態を未然に防止できる。また、保護シート自体の発熱を押さえることで、保護シートの劣化を防ぐこともできる。ちなみに、保護シートを、0.01を超える誘導損失係数を有する材料からつくると、この保護シートによってマイクロ波を吸収してしまい、マイクロ波を利用した加熱方式を採用するメリットが薄れる。
本発明に係る有機繊維コード用乾燥炉は、前記保護シートが、前記炉入口側に設けられた保護シート供給部から繰り出されて前記炉出口側に設けられた保護シート巻取部に巻き取られることによって、前記コード搬送路に面する部分が交換されることを特徴とする。
この有機繊維コード用乾燥炉では、保護シート供給部から繰り出される新たな保護シートが、定期的にあるいは絶えず、コード搬送路に面する部分に供給されるため、有機繊維コードに面する保護シートに、ディップスケールが溜まるのを防止できる。
この有機繊維コード用乾燥炉では、保護シート供給部から繰り出される新たな保護シートが、定期的にあるいは絶えず、コード搬送路に面する部分に供給されるため、有機繊維コードに面する保護シートに、ディップスケールが溜まるのを防止できる。
本発明に係る有機繊維コード用乾燥炉は、前記保護シートが、無端状に形成されるとともに、前記コード搬送路に沿って前記炉入口から前記炉出口まで達する往路、および前記コード搬送路を迂回するよう前記炉出口から前記炉入口まで達する復路からなるループ状の循環路に沿って、循環されることを特徴とする。
この有機繊維コード用乾燥炉では、無端状に形成された保護シートが、ループ状の循環路に沿って循環されながら繰り返し使用されるため、保護シートのランニングコストを低減できる。
この有機繊維コード用乾燥炉では、無端状に形成された保護シートが、ループ状の循環路に沿って循環されながら繰り返し使用されるため、保護シートのランニングコストを低減できる。
本発明に係る有機繊維コード用乾燥炉は、前記循環路に、前記保護シートの表面に付着したディップスケールを除去するスケール除去手段が配設されていることを特徴とする。
この有機繊維コード用乾燥炉では、スケール除去手段によって保護シートの表面に付着したディップスケールを除去することができ、長時間にわたる無端状の保護シートの連続使用が可能となる。
この有機繊維コード用乾燥炉では、スケール除去手段によって保護シートの表面に付着したディップスケールを除去することができ、長時間にわたる無端状の保護シートの連続使用が可能となる。
本発明に係る有機繊維コードの乾燥方法は、炉入口から炉出口までコード搬送路に沿って搬送される、ディップ接着剤が含浸された有機繊維コードに対し、マイクロ波発振器から発せられるマイクロ波を、金属製反射板によって反射させながら照射して乾燥させる有機繊維コードの乾燥方法であって、前記有機繊維コードから発生するディップスケールを、前記金属製反射板と前記コード搬送路との間に介装させた保護シートに付着させるディップスケール付着工程と、前記保護シートを炉外へ搬送させることによって、前記保護シートに付着したディップスケールを炉外へ排出するディップスケール排出工程とを備えることを特徴とする。
この有機繊維コードの乾燥方法では、有機繊維コードから発生するディップスケールを保護シートに付着させて、保護シートごと炉外に排出することができる。
この有機繊維コードの乾燥方法では、有機繊維コードから発生するディップスケールを保護シートに付着させて、保護シートごと炉外に排出することができる。
本発明によれば、有機繊維コードから発生するディップスケールを保護シートに付着させて、保護シートごと炉外に排出することができる。これにより、マイクロ波を利用した加熱方式によって効率の良い有機繊維コードの乾燥が行えると同時に、炉内のディップスケールの除去が可能となる。
本発明に係る実施形態について、図面を参照しながら説明する。
<第1の実施形態>
図1は、本発明に係る第1の実施形態の乾燥炉を備えたディップ処理装置の全体構成を示している。図1において符号1は、コード繰り出し装置である。この繰り出し装置1には、ゴム物品を補強する有機繊維コード、例えば、タイヤコード2が巻回状態で収納されており、この繰り出し装置1からは、プルロール3が駆動されたときに、タイヤコード2が必要な量だけが繰り出される。コード繰り出し装置1の後段には、ディップ槽4が配置されている。ディップ槽4には、レゾルシン・ホルマリン/ゴムラテックス液等のディップ接着剤が満たされている。ディップ槽4の後段には、絞りロール5を介して乾燥炉6が配置されている。乾燥炉6は、ディップ接着剤が含浸されたタイヤコード2を乾燥させるためのものである。この乾燥炉6については後に詳述する。
乾燥炉6の後段には、パスロール7およびプルロール8が付設された遠赤外線加熱炉9が配置され、さらに、遠赤外線加熱炉9の後段には、プルロール10を介して巻き取り装置11が配置されている。
<第1の実施形態>
図1は、本発明に係る第1の実施形態の乾燥炉を備えたディップ処理装置の全体構成を示している。図1において符号1は、コード繰り出し装置である。この繰り出し装置1には、ゴム物品を補強する有機繊維コード、例えば、タイヤコード2が巻回状態で収納されており、この繰り出し装置1からは、プルロール3が駆動されたときに、タイヤコード2が必要な量だけが繰り出される。コード繰り出し装置1の後段には、ディップ槽4が配置されている。ディップ槽4には、レゾルシン・ホルマリン/ゴムラテックス液等のディップ接着剤が満たされている。ディップ槽4の後段には、絞りロール5を介して乾燥炉6が配置されている。乾燥炉6は、ディップ接着剤が含浸されたタイヤコード2を乾燥させるためのものである。この乾燥炉6については後に詳述する。
乾燥炉6の後段には、パスロール7およびプルロール8が付設された遠赤外線加熱炉9が配置され、さらに、遠赤外線加熱炉9の後段には、プルロール10を介して巻き取り装置11が配置されている。
前記乾燥炉6は、図2に示すように縦型である。炉内には、下部に形成された炉入口21から上部に形成された炉出口22へ達するように、コード搬送路23が設けられ、ここには前記タイヤコード2が搬送される。乾燥炉6は、前記コード搬送路23に沿って搬送されるタイヤコード2を加熱するためのマイクロ波を利用したマイクロ波加熱手段24が配設されている。マイクロ波加熱手段24は、マイクロ波を発振するマイクロ波発振器24aと、マイクロ波発振器24aで発振したマイクロ波を炉内に導入する導波管24bと、導波管24bによって炉内に導入されたマイクロ波を反射させてタイヤコード2に照射する金属製(例えばアルミニウム製)反射板25と、その他の付属機器(図示せず)を備える。
なお、ここでは、金属製反射板25は炉壁を兼ねている。また、金属製反射板25は、前記コード搬送路23(具体的にはコード搬送路23上を搬送されるタイヤコード2および後述する保護シート26)を囲むように、例えば、一対の板状、あるいはボックス状を形成するように配置される。
なお、ここでは、金属製反射板25は炉壁を兼ねている。また、金属製反射板25は、前記コード搬送路23(具体的にはコード搬送路23上を搬送されるタイヤコード2および後述する保護シート26)を囲むように、例えば、一対の板状、あるいはボックス状を形成するように配置される。
また、乾燥炉6には、金属製反射板25と前記コード搬送路23との間に、タイヤコード2から発生するディップスケールを付着させることで、ディップスケールが金属製反射板25や導波管24b等、マイクロ波加熱手段24を構成する各機器に付着するのを防止する保護シート26が介装されている。保護シート26は、シート搬送手段27によって、コード搬送路に面する部分が、定期的にあるいは連続的に新しくなるように搬送される。シート搬送手段27は、保護シート26を繰り出す保護シート供給部28と、保護シート26を巻き取る保護シート巻取部29と、保護シート26が所定の位置を通過するように、案内する複数の案内ローラ30からなっている。
また、前記保護シート26は、4フッ化ポリエチレン樹脂、ポリエチレンなどの誘導損失係数が0.01以下の材料によってつくられている。ここで、誘導損失係数とは、比誘電率と誘電体損失角との積によって求められるものであって、マイクロ波を吸収できるエネルギーの大小を比較するパラメータである。
また、前記保護シート26は、4フッ化ポリエチレン樹脂、ポリエチレンなどの誘導損失係数が0.01以下の材料によってつくられている。ここで、誘導損失係数とは、比誘電率と誘電体損失角との積によって求められるものであって、マイクロ波を吸収できるエネルギーの大小を比較するパラメータである。
次に、上記構成のディップ処理装置について説明する。
プルロール3が駆動されることによって、コード繰り出し装置1からタイヤコード2が繰り出される。繰り出されたタイヤコード2は、まずディップ槽4内に案内され、ここでディップ接着剤が付着含浸される。その後、絞りロール5並びに必要に応じて配置されるバキューム装置によって、付着されたディップ接着剤量が調整された後、乾燥炉6に搬送される。
乾燥炉6では、マイクロ波加熱手段24によって、主に、ディップ接着剤中の水が加熱される。このため、加熱効率が良く、乾燥処理時間の短縮化並びに省力化が図れる。
プルロール3が駆動されることによって、コード繰り出し装置1からタイヤコード2が繰り出される。繰り出されたタイヤコード2は、まずディップ槽4内に案内され、ここでディップ接着剤が付着含浸される。その後、絞りロール5並びに必要に応じて配置されるバキューム装置によって、付着されたディップ接着剤量が調整された後、乾燥炉6に搬送される。
乾燥炉6では、マイクロ波加熱手段24によって、主に、ディップ接着剤中の水が加熱される。このため、加熱効率が良く、乾燥処理時間の短縮化並びに省力化が図れる。
このとき、タイヤコード2からはディップスケールが発生するが、このディップスケールは、保護シール6に付着することとなり、金属製反射板25を兼ねる炉壁や、炉壁に沿って配置される導波管24b等のマイクロ波加熱手段24の構成機器に付着することはない。
また、保護シール6は、誘導損失係数が0.01の材料からつくられているので、マイクロ波を吸収しにくい。このため、保護シート26が炉内に存することに伴いマイクロ波による加熱効率の低下を来たす、といった事態を未然に防止できる。また、保護シート自体の発熱を押さえることで、保護シート26の劣化を防ぐこともできる。
また、保護シール6は、誘導損失係数が0.01の材料からつくられているので、マイクロ波を吸収しにくい。このため、保護シート26が炉内に存することに伴いマイクロ波による加熱効率の低下を来たす、といった事態を未然に防止できる。また、保護シート自体の発熱を押さえることで、保護シート26の劣化を防ぐこともできる。
また、保護シート26に付着したディップスケールは、そのまま、保護シート26と共に炉外へ搬送されて、保護シート巻取部29によって、保護シート26とともに巻き取られる。
この保護シート供給部28からの保護シート26の繰り出し並びに保護シート巻取部29による保護シート26の巻き取りは、連続的に行ってもよく、また、ディップスケールの付着状況に応じて、所定時間置きに定期的に行っても良い。このように保護シート供給部28から繰り出される新たな保護シート26が、定期的にあるいは絶えず、コード搬送路23に面する部分に供給されるため、保護シート26にディップスケールが所定量以上溜まるのを防止できる。
なお、保護シート巻取部29によって巻き取られた保護シート26は、清掃することで、再度使用することが可能である。
なお、保護シート巻取部29によって巻き取られた保護シート26は、清掃することで、再度使用することが可能である。
このように、乾燥工程でタイヤコード2から発生するディップスケールは、保護シート26に付着されたまま炉外に排出されるため、炉内に堆積することがない。この結果、タイヤコード2の処理を停止した状態での清掃を行う必要はなく、長期にわたって、炉内を正常に保つことができ、良好なマイクロ波加熱が行える。
乾燥された後のタイヤコード2は、続いて、遠赤外線加熱炉9に搬送され、ここで、所定温度まで昇温されるとともに適宜引張力を導入されることで、ディップ接着剤が強固に付着されるとともに繊維特性を均一化される。
そして、ディップ処理された後のタイヤコード2は、巻き取り装置11によって巻き取られる。
<第2の実施形態>
そして、ディップ処理された後のタイヤコード2は、巻き取り装置11によって巻き取られる。
<第2の実施形態>
図3は、本発明に係る第2の実施形態の乾燥炉を示す。
ここでは、保護シート31は無端状に形成されるとともに、コード搬送路23に沿って炉入口21から炉出口22まで達する往路32、およびコード搬送路23を迂回するよう炉出口22から炉入口21まで達する復路33からなるループ状の循環路34に沿って、図示せぬ駆動手段により循環されるようになっている。
また、循環路34中の復路33には、保護シート31に付着したディップスケールを除去するスケール除去手段35が配設されている。スケール除去手段35としては、静止状態あるいはモータ等の駆動手段により振動されるブラシや、エアを吹きつけるためのブロー等が考えられる。
ここでは、保護シート31は無端状に形成されるとともに、コード搬送路23に沿って炉入口21から炉出口22まで達する往路32、およびコード搬送路23を迂回するよう炉出口22から炉入口21まで達する復路33からなるループ状の循環路34に沿って、図示せぬ駆動手段により循環されるようになっている。
また、循環路34中の復路33には、保護シート31に付着したディップスケールを除去するスケール除去手段35が配設されている。スケール除去手段35としては、静止状態あるいはモータ等の駆動手段により振動されるブラシや、エアを吹きつけるためのブロー等が考えられる。
この第2の実施形態の乾燥炉によれば、保護シート31に、タイヤコード2から発生するディップスケールを付着させて、炉外にまで搬送する点は、前述した第1の実施形態の乾燥炉と同様である。
この乾燥炉では、さらに、無端状に形成された保護シート31が、ループ状の循環路34に沿って循環されながら、スケール除去手段35によりディップスケールを除去された状態で、繰り返し使用されるため、保護シート31のランニングコストを低減することができる。
この乾燥炉では、さらに、無端状に形成された保護シート31が、ループ状の循環路34に沿って循環されながら、スケール除去手段35によりディップスケールを除去された状態で、繰り返し使用されるため、保護シート31のランニングコストを低減することができる。
本発明は、前記した実施の形態に限定されることなく、必要に応じて適宜設計変更可能である。
例えば、スケール除去手段35は、図3に示す無端状の保護シート31に限られることなく、前記第1の実施形態で示したような、巻き取り式の保護シート26に付随して設けても良い。
また、ここで言う保護シート26は、文字通りシート状のものに限られることなく、例えば、網状のものや、のれん状のものも含まれる。
例えば、スケール除去手段35は、図3に示す無端状の保護シート31に限られることなく、前記第1の実施形態で示したような、巻き取り式の保護シート26に付随して設けても良い。
また、ここで言う保護シート26は、文字通りシート状のものに限られることなく、例えば、網状のものや、のれん状のものも含まれる。
6 乾燥炉(有機繊維コード用乾燥炉)
24 マイクロ波加熱手段
24a マイクロ波発振器
24b 導波管
25 金属製反射板
26、31 保護シート
28 保護シート供給部
29 保護シート巻取部
32 往路
33 復路
34 循環路
35 スケール除去手段
24 マイクロ波加熱手段
24a マイクロ波発振器
24b 導波管
25 金属製反射板
26、31 保護シート
28 保護シート供給部
29 保護シート巻取部
32 往路
33 復路
34 循環路
35 スケール除去手段
Claims (6)
- 炉入口から炉出口までコード搬送路に沿って搬送される、ディップ接着剤が含浸された有機繊維コードを乾燥させる有機繊維コード用乾燥炉であって、
前記コード搬送路を囲むように配置されて、前記コード搬送路上を搬送される前記有機繊維コードに、マイクロ波発振器から発せられるマイクロ波を反射させながら照射する金属製反射板を備えるマイクロ波加熱手段と、
前記金属製反射板と前記コード搬送路との間に介装されて、前記有機繊維コードから発生するディップスケールを付着させることで、ディップスケールが前記金属製反射板に付着するのを防止する保護シートと、
を備えたことを特徴とする有機繊維コード用乾燥炉。 - 前記保護シートは、誘導損失係数が0.01以下の材料によってつくられていることを特徴とする請求項1記載の有機繊維コード用乾燥炉。
- 前記保護シートは、前記炉入口側に設けられた保護シート供給部から繰り出されて前記炉出口側に設けられた保護シート巻取部に巻き取られることによって、前記コード搬送路に面する部分が交換されることを特徴とする請求項1または2記載の有機繊維コード用乾燥炉。
- 前記保護シートは、無端状に形成されるとともに、前記コード搬送路に沿って前記炉入口から前記炉出口まで達する往路、および前記コード搬送路を迂回するよう前記炉出口から前記炉入口まで達する復路からなるループ状の循環路に沿って、循環されることを特徴とする請求項1または2記載の有機繊維コード用乾燥炉。
- 前記循環路には、前記保護シートの表面に付着したディップスケールを除去するスケール除去手段が配設されていることを特徴とする請求項4記載の有機繊維コード用乾燥炉。
- 炉入口から炉出口までコード搬送路に沿って搬送される、ディップ接着剤が含浸された有機繊維コードに対し、マイクロ波発振器から発せられるマイクロ波を、金属製反射板によって反射させながら照射して乾燥させる有機繊維コードの乾燥方法であって、
前記有機繊維コードから発生するディップスケールを、前記金属製反射板と前記コード搬送路との間に介装させた保護シートに付着させるディップスケール付着工程と、
前記保護シートを炉外に搬送させることによって、前記保護シートに付着したディップスケールを炉外へ排出するディップスケール排出工程とを備えることを特徴とする有機繊維コードの乾燥方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005357498A JP2007162152A (ja) | 2005-12-12 | 2005-12-12 | 有機繊維コード用乾燥炉および有機繊維コードの乾燥方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2005357498A JP2007162152A (ja) | 2005-12-12 | 2005-12-12 | 有機繊維コード用乾燥炉および有機繊維コードの乾燥方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2007162152A true JP2007162152A (ja) | 2007-06-28 |
Family
ID=38245387
Family Applications (1)
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JP2005357498A Withdrawn JP2007162152A (ja) | 2005-12-12 | 2005-12-12 | 有機繊維コード用乾燥炉および有機繊維コードの乾燥方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2007162152A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011500314A (ja) * | 2007-10-17 | 2011-01-06 | 株式会社ブリヂストン | タイヤ製造のための水系接着剤混合物の塗布方法 |
-
2005
- 2005-12-12 JP JP2005357498A patent/JP2007162152A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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