JP2007161969A - 再生ポリインジゴフィルムの製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
しかし、このような高耐熱性フィルムを構成するポリマーは、その融点が分解点よりも高く、また、一度成形してしまうと再び溶剤に溶かすことも極めて困難である。従って、高耐熱性フィルムを構成するポリマーを、再溶融又は溶液化してフィルム化することはできず、マテリアルリサイクルにより再生高耐熱性フィルムを得ることはできなかった。
で表されるインジゴ様構造を有するポリマーが開示されている。しかし、このポリマーは、耐熱性、耐溶剤性に非常に優れているため、かえってそれが加工を困難とし、再生フィルムの形態で得られることはなかった。
本発明は上記事情に着目してなされたものであり、本発明が解決しようとする課題は、マテリアルリサイクルにより、ポリインジゴ製品から高耐熱性を有する再生フィルムを製造する方法を提供することである。
即ち、本発明は下記の構成からなる。
〔1〕下記式(1)で表される繰り返し単位を有するポリマー{以下、ポリマー(1)ともいう}、下記式(2)で表される繰り返し単位を有するポリマー{以下、ポリマー(2)ともいう}、または下記式(3)で表される繰り返し単位を有するポリマー{以下、ポリマー(3)ともいう}より形成される製品について、当該ポリマーを溶媒の存在下還元し、得られた還元体の溶液を基材上に塗布した後、当該還元体を酸化することを特徴とする再生フィルムの製造方法。
〔2〕還元を、塩基性水溶液中でハイドロサルファイトを用いて行う上記〔1〕記載の製造方法。
〔3〕還元を、アルコール中で水素化ホウ素塩を用いて行う上記〔1〕記載の製造方法。
本発明は、ポリマー(1)、ポリマー(2)またはポリマー(3)より形成される製品について、当該ポリマーを溶媒の存在下還元し、得られた還元体の溶液を基材上に塗布した後、当該還元体を酸化することを特徴とする再生フィルムの製造方法である。
R1〜R8で表される低級アルキル基とは、炭素数1〜6の直鎖または分岐鎖状のアルキル基をいい、例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等を挙げることができる。これらのうち、メチル基、エチル基、tert−ブチル基が好ましい。
ポリマー(2)は、式(2)で表される繰り返し単位において、R3および/またはR4が上記定義内で異なる2種以上の繰り返し単位を含むコポリマーであってもよいし、R3および/またはR4が上記定義内で異なる2種以上のホモポリマーの混合物であってもよく、ポリマー(2)は、単独のホモポリマーであることが好ましい。
ポリマー(3)は、式(3)で表される繰り返し単位において、R5〜R8が上記定義内で異なる2種以上の繰り返し単位を含むコポリマーであってもよいし、R5〜R8が上記定義内で異なる2種以上のコポリマーの混合物であってもよく、ポリマー(3)は、R5〜R8がそれぞれ1種のみである単独種のコポリマーであることが好ましい。
ポリマー(3)は、共重合体構造を有するものであるが、ランダム共重合体、ブロック共重合体、交互共重合体のいずれであってもよい。また、ポリマー(3)の共重合組成比については、特に制限はない。
(これ以後、製品を形成するポリマー(1)、ポリマー(2)、ポリマー(3)を総じてポリインジゴAと呼ぶことがある。)
還元剤の使用量としては、反応が進行し得る使用量であればよく、例えば、還元剤にハイドロサルファイトを使用する場合には、ポリインジゴAのケト基1モルに対し、通常0.55モル程度でよく、還元剤に水素化ホウ素塩を使用する場合には、ポリインジゴAのケト基1モルに対し、通常0.25モル程度でよい。
溶媒の使用量としては、ポリインジゴA1gに対し、20〜25mL程度である。
還元反応は、通常、約60〜65℃で1時間程度行えばよい。
なお、本発明において熱分解温度とは、窒素雰囲気下で熱重量分析(TGA測定)を行った場合に、フィルムの重量が5%減少するときの温度をいう。
さらに、得られる再生フィルムは、本発明の製造方法を繰り返すことにより、再びフィルムとして再生可能である。
熱分解温度:マックサイエンス社製のTGAを用い、窒素雰囲気下、昇温速度10℃/分の条件で熱重量減少を測定し、耐熱性を評価した。重量が5%減少する温度を熱分解温度とした。
製膜:ロイコ体に還元したポリインジゴ水溶液をエバポレーターで適当な溶液粘度になるように濃縮後、反応溶液を20ml分取して5cm×5cmのガラスプレート上に塗布した。その後、室温で10分間放置してポリマーを空気酸化した。遊離してきたフィルムを流水で洗浄し、フィルムを正方形の枠に固定した。その後、室温、3mmHgで5時間、次いで100℃、3mmHgで1時間乾燥した。得られたフィルムの厚さは30〜50μmであった。
フィルム原料のポリマーを、製品を回収する代わりに次の方法で合成した。窒素気流下、水300mlと水酸化ナトリウム48.0gからなる塩基性水溶液に室温で窒素ガスを15分間吹き込んだ。この水酸化ナトリウム水溶液に2,6−ジヒドロ−1,5−ジアセト−3,7−ジアセトキシベンゾ[1,2−b,5,4−b’]ジピロール10gを激しく撹拌しながら加えた。その後、酸素ガスでこの水溶液をバブリングした。70分間撹拌した後、1N塩酸を滴下して反応溶液を酸性にした。生成した黒色物質をろ取した。水30mlで洗浄後、減圧乾燥し、乾燥した黒色ポリマー4.8gを得た。その後、水100mlに水酸化ナトリウム6.0gを溶解させ、窒素ガスを15分間吹き込んだ。そこへ黒色ポリマー4.8gを加えた。60℃に加熱した後、10分間かけてハイドロサルファイトナトリウム5.0gを添加した。60℃で1時間静かに撹拌すると溶液が透明になった。未溶解物をろ別後、上記の方法で製膜した。得られたフィルムの熱分解温度を表1に示す。
実施例1と同様にして得られたポリマーをメタノール100ml中に4.8g加え、窒素ガスを15分間吹き込んだ。窒素気流下、水素化ホウ素ナトリウム0.42gを撹拌しながら室温で添加した。その後、1時間還流下撹拌して溶液が透明になったところで未溶解物をろ別し、上記の方法で製膜した。得られたフィルムの熱分解温度を表1に示す。
フィルム原料のポリマーを、製品を回収する代わりに次の方法で合成した。窒素気流下、水300mlと水酸化ナトリウム48.0gからなる塩基性水溶液に室温で窒素ガスを15分間吹き込んだ。この水酸化ナトリウム水溶液に2,6−ジヒドロ−1,5−ジアセト−3,7−ジアセトキシ−4,8−ジメチルベンゾ[1,2−b,5,4−b’]ジピロール10gを激しく撹拌しながら加えた。その後、酸素ガスでこの水溶液をバブリングした。70分間撹拌した後、1N塩酸を滴下して反応溶液を酸性にした。生成した黒色物質をろ取した。水30mlで洗浄後、減圧乾燥し、乾燥した黒色ポリマー4.5gを得た。その後、水100mlに水酸化ナトリウム6.0gを溶解させ、窒素ガスを15分間吹き込んだ。そこへ黒色ポリマー4.5gを加えた。60℃に加熱した後、10分間かけてハイドロサルファイトナトリウム5.0gを添加した。60℃で1時間静かに撹拌すると溶液が透明になった。未溶解物をろ別後、上記の方法で製膜した。得られたフィルムの熱分解温度を表1に示す。
フィルム原料のポリマーを、製品を回収する代わりに次の方法で合成した。窒素気流下、水300mlと水酸化ナトリウム40.0gからなる塩基性水溶液に室温で窒素ガスを15分間吹き込んだ。この水酸化ナトリウム水溶液に2,6−ジヒドロ−1,5−ジアセト−3,7−ジアセトキシ−4,8−ジフェニルベンゾ[1,2−b,5,4−b’]ジピロール10gを激しく撹拌しながら加えた。その後、酸素ガスでこの水溶液をバブリングした。70分間撹拌した後、1N塩酸を滴下して反応溶液を酸性にした。生成した黒色物質をろ取した。水30mlで洗浄後、減圧乾燥し、乾燥した黒色ポリマー4.2gを得た。その後、水100mlに水酸化ナトリウム6.0gを溶解させ、窒素ガスを15分間吹き込んだ。そこへ黒色ポリマー4.2gを加えた。60℃に加熱した後、10分間かけてハイドロサルファイトナトリウム4.5gを添加した。60℃で1時間静かに撹拌すると溶液が透明になった。未溶解物をろ別後、上記の方法で製膜した。得られたフィルムの熱分解温度を表1に示す。
Claims (3)
- 還元を、塩基性水溶液中でハイドロサルファイトを用いて行う請求項1記載の製造方法。
- 還元を、アルコール中で水素化ホウ素塩を用いて行う請求項1記載の製造方法。
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