JP2007161966A - エポキシ樹脂組成物及び半導体装置 - Google Patents

エポキシ樹脂組成物及び半導体装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 成形時の流動性、連続成形性が良好で、且つ難燃性、耐半田リフロー性に優れた特性を有する安価で汎用可能な半導体封止用エポキシ樹脂組成物を提供すること。
【解決手段】 エポキシ樹脂(A)、フェノール樹脂(B)を含み、該エポキシ樹脂(A)、該フェノール樹脂(B)のうちの少なくとも一方が一般式(1)で示される樹脂を含むエポキシ樹脂組成物であって、シランカップリング剤(C)、芳香環を構成する2個以上の隣接する炭素原子にそれぞれ水酸基が結合した化合物(D)、及び金属水酸化物(E)を含むことを特徴とする半導体封止用エポキシ樹脂組成物。
【化1】

Description

本発明は、エポキシ樹脂組成物及びそれを用いた半導体装置に関するものであり、特に流動性、連続成形性、難燃性、耐半田リフロー性に優れた特性を有する安価なエポキシ樹脂組成物及びそれを用いた半導体装置に関するものである。
近年、半導体装置は生産性、コスト、信頼性等のバランスに優れることからエポキシ樹脂組成物を用いて封止されるのが主流となっている。半導体装置の小型化、薄型化に伴い、封止用エポキシ樹脂組成物に対しては、より一層の低粘度化、高強度化が要求されている。このような背景から、最近のエポキシ樹脂組成物の動向は、より低粘度の樹脂を適用し、より多くの無機充填剤を配合する傾向が強くなっている。また新たな動きとして、半導体装置を実装する際、従来よりも融点の高い無鉛半田の使用が高まってきている。この半田の適用により実装温度を従来に比べ約20℃高くする必要があり、実装後の半導体装置の信頼性が現状に比べ著しく低下する問題が生じている。このようなことからエポキシ樹脂組成物のレベルアップによる半導体装置の信頼性の向上要求が加速的に強くなってきており、樹脂の低粘度化と無機充填剤の高充填化に拍車がかかっている。
成形時に低粘度で高流動性を維持するためには、溶融粘度の低い樹脂を用いたり(例えば、特許文献1参照。)、また無機充填材の配合量を高めるために無機充填剤をシランカップリング剤で表面処理する方法が知られている(例えば、特許文献2参照。)。しかし、これらは種々ある要求特性のいずれかのみを満足するものが多く、全ての要求を満足させ広い範囲で適用可能な技術は未だ見出されていない。また、これらの方法でも成形時の溶融粘度の低下効果が不充分であり、また、コスト面を考慮すると非常に高価となるという問題があった。
一方、既存の安価な樹脂(例えば、クレゾールノボラック樹脂、フェノールノボラック型樹脂)を用いた樹脂組成物は、良好な成形性を示すが、その反面、燃えやすい、粘度が高く基材との濡れ性が悪く耐半田リフロー性が悪い、といった欠点を有していた。こうした中、流動性、成形性、難燃性を損なわず、低粘度化して基材との密着を高め信頼性を満足させることができる安価なエポキシ樹脂組成物の開発が求められていた。
特開平7−130919号公報(第2〜5頁) 特開平8−20673号公報(第2〜4頁)
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、流動性、連続成形性、難燃性、耐半田リフロー性に優れた特性を有する安価なエポキシ樹脂組成物及びそれを用いた半導体装置を提供することにある。
本発明は、
[1] エポキシ樹脂(A)、フェノール樹脂(B)を含み、該エポキシ樹脂(A)、該フェノール樹脂(B)のうちの少なくとも一方が一般式(1)で示される樹脂を含むエポキシ樹脂組成物であって、シランカップリング剤(C)、芳香環を構成する2個以上の隣接する炭素原子にそれぞれ水酸基が結合した化合物(D)、及び金属水酸化物(E)を含むことを特徴とする半導体封止用エポキシ樹脂組成物、
Figure 2007161966
(ただし、上記一般式(1)において、Rは水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基から選択される基であり、互いに同一であっても、異なっていてもよい。Xはグリシジルエーテル基又は水酸基であり、互いに同一のものである。nは平均値で、1〜5の正数。)
[2] 前記芳香環を構成する2個以上の隣接する炭素原子にそれぞれ水酸基が結合した化合物(D)を全エポキシ樹脂組成物中に0.01重量%以上1重量%以下の割合で含む第[1]項記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成物、
[3] 前記芳香環を構成する2個以上の隣接する炭素原子にそれぞれ水酸基が結合した化合物(D)が、下記一般式(2)で示される化合物及び/又は下記一般式(3)で示される化合物である第[1]項又は第[2]項に記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成物、
Figure 2007161966
(ただし、上記式(2)において、R1、R5はどちらか一方が水酸基であり、一方が水酸基のとき他方は水素、水酸基又は水酸基以外の置換基、R2、R3、R4は水素、水酸基又は水酸基以外の置換基。)
Figure 2007161966
(ただし、上記式(3)において、R1、R7はどちらか一方が水酸基であり、一方が水酸基のとき他方は水素、水酸基又は水酸基以外の置換基、R2、R3、R4、R5、R6は水素、水酸基又は水酸基以外の置換基。)
[4] さらに硬化促進剤(F)を含むものである第[1]項ないし第[3]項のいずれかに記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成物、
[5] さらに前記金属水酸化物(E)以外の無機質充填材(G)を含むものである第[1]項ないし第[4]項のいずれかに記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成物、
[6] 第[1]項ないし第[5]項のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物を混合及び/又は溶融混練してなる半導体封止用エポキシ樹脂成形材料
[7] 第[6]項記載の半導体封止用エポキシ樹脂成形材料を用いて半導体素子を封止してなることを特徴とする半導体装置、
である。
本発明に従うと、成形封止する時の流動性、連続成形性に優れ、かつ難燃性、耐半田リフロー性に優れた特性を有する安価なエポキシ樹脂組成物、並びにそれを用いた半導体装置を得ることができる。
本発明は、エポキシ樹脂(A)、フェノール樹脂(B)を含み、該エポキシ樹脂(A)、該フェノール樹脂(B)のうちの少なくとも一方が一般式(1)で示される樹脂を含むエポキシ樹脂組成物であって、シランカップリング剤(C)、芳香環を構成する2個以上の隣接する炭素原子にそれぞれ水酸基が結合した化合物(D)、及び金属水酸化物(E)を含むことにより、成形封止する時の流動性、成形性に優れ、かつ難燃性、耐半田リフロー性に優れた特性を有する安価なエポキシ樹脂組成物、並びにそれを用いた半導体装置が得られるものである。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明では、(A)エポキシ樹脂、(B)フェノール樹脂のうちの少なくとも一方が一般式(1)で示される樹脂を含むことが必須である。
本発明で用いることができる一般式(1)で示されるエポキシ樹脂(Xはグリシジルエーテル基)は、エポキシ樹脂としては汎用で、安価である。構造面からは、樹脂骨格の架橋点間距離が短く、架橋密度が高いため、これを用いたエポキシ樹脂組成物は、良好な硬化性、成形性を有し、また硬化後の成形品の強度が大きいといった特徴を有している。しかしながら、その反面、燃えやすい、粘度が高く無機充填材の配合量を高めることが出来ず、耐半田リフロー性が悪いといった欠点を有す。
本発明では、一般式(1)で示されるエポキシ樹脂(Xはグリシジルエーテル基)を用いることによる効果が損なわない範囲で、他のエポキシ樹脂と併用することができる。併用することができる他のエポキシ樹脂としては、例えば、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂、トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル(フェニレン骨格、ビフェニレン骨格を含む)型エポキシ樹脂、ナフトール型エポキシ樹脂、アルキル変性トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、トリアジン核含有エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン変性フェノール型エポキシ樹脂等があり、これらは単独でも混合して用いてもよい。一般式(1)で示されるエポキシ樹脂(Xはグリシジルエーテル基)の具体例を式(4)に示すが、これらに限定されるものではない。
Figure 2007161966
(ただし、上記式(4)において、nは平均値で1〜5の正数。)
本発明で用いることができる一般式(1)で示されるフェノール樹脂(Xは水酸基)は、フェノール樹脂としては汎用で、安価である。構造面からは、樹脂骨格の架橋点間距離が短く、架橋密度が高いため、これを用いたエポキシ樹脂組成物は、良好な硬化性、成形性を有し、また硬化後の成形品の強度が大きいといった特徴を有している。しかしながら、その反面、燃えやすい、粘度が高く基材との濡れ性が悪く耐半田リフロー性が悪いといった欠点を有す。
本発明では、一般式(1)で示されるフェノール樹脂(Xは水酸基)を用いることによる効果が損なわない範囲で、他のフェノール樹脂と併用することができる。併用することができる他のフェノール樹脂としては、例えばトリフェノールメタン樹脂、テルペン変性フェノール樹脂、ジシクロペンタジエン変性フェノール樹脂、フェノールアラルキル樹脂(フェニレン骨格、ビフェニレン骨格を含む)、ナフトールアラルキル樹脂等があり、これらは単独でも混合して用いてもよい。一般式(1)で示されるフェノール樹脂(Xは水酸基)の具体例を式(5)に示すが、これらに限定されるものではない。
Figure 2007161966
(ただし、上記式(5)において、nは平均値で1〜5の正数。)
本発明で用いられる全エポキシ樹脂のエポキシ基と全フェノール樹脂のフェノール性水酸基の当量比としては、好ましくは0.5以上、2以下であり、特に好ましくは0.7以上、1.5以下である。上記範囲内であれば、耐湿性、硬化性等が低下を抑えることができる。
本発明で用いられるシランカップリング剤(C)は、エポキシシラン、アミノシラン、ウレイドシラン、メルカプトシラン等特に限定されるものではなく、エポキシ樹脂組成物と無機充填剤との間で反応し、エポキシ樹脂組成物と無機充填剤の界面強度を向上させるものであればよい。また、シランカップリング剤(C)は、芳香環を構成する2個以上の隣接する炭素原子にそれぞれ水酸基が結合した化合物(D)(以下化合物(D)と称する)との相乗効果により、樹脂組成物の粘度を低くし、流動性を向上させる効果を高めることができるため、シランカップリング剤(C)は化合物(D)の効果を充分に得るためにも必要不可欠である。本発明で用いられるシランカップリング剤(C)として、より具体的には、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等のエポキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン等のアミノシラン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン等のウレイドシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のメルカプトシラン、等が挙げられるが、これらのシランカップリング剤(C)は単独で用いても併用してもよい。
上記シランカップリング剤(C)と後述する化合物(D)とを組合せて用いることにより、本発明で用いられる一般式(1)で示されるエポキシ樹脂又はフェノール樹脂を使用した場合でも、低粘度のエポキシ樹脂組成物を得ることができる。このため、一般式(1)で示されるエポキシ樹脂又はフェノール樹脂を用いた樹脂組成物が、粘度が高く基材との濡れ性が悪くなり耐半田リフロー性が悪くなるといった欠点を解消することができる。
本発明で用いられるシランカップリング剤(C)の配合量は、全エポキシ樹脂組成物中0.01重量%以上1重量%以下が好ましく、0.05重量%以上0.8以下がより好ましい。シランカップリング剤(C)の配合量が上記範囲内であると、化合物(D)との相乗効果を充分に発揮することができ、またエポキシ樹脂組成物の硬化物と各種基材との密着性低下による半導体パッケージにおける耐半田リフロー性の低下を抑えることができる。或いは、エポキシ樹脂組成物の吸水性の上昇による半導体パッケージの耐半田リフロー性の低下も抑えることができる。
本発明で用いられる芳香環を構成する2個以上の隣接する炭素原子にそれぞれ水酸基が結合した化合物(D)(以下化合物(D)と称する)は、水酸基以外の置換基を有していてもよい。化合物(D)としては、下記一般式(2)で示される単環式化合物又は下記一般式(3)で示される多環式化合物が好ましい。
Figure 2007161966
(ただし、上記式(2)において、R1、R5はどちらか一方が水酸基であり、一方が水酸基のとき他方は水素、水酸基又は水酸基以外の置換基、R2、R3、R4は水素、水酸基又は水酸基以外の置換基。)
Figure 2007161966
(ただし、上記式(3)において、R1、R7はどちらか一方が水酸基であり、一方が水酸基のとき他方は水素、水酸基又は水酸基以外の置換基、R2、R3、R4、R5、R6は水素、水酸基又は水酸基以外の置換基。)
上記一般式(2)で示される単環式化合物の具体例としては、例えば下記式(6)で示されるカテコール、ピロガロール、没食子酸、没食子酸エステル又はこれらの誘導体が挙げられる。また、上記一般式(3)で示される多環式化合物の具体例としては、例えば、1,2−ジヒドロキシナフタレン、下記式(7)で示される2,3−ジヒドロキシナフタレンおよびこれらの誘導体が挙げられる。これらのうち、流動性と硬化性の制御のしやすさ、低揮発性の点から母核はナフタレン環である化合物(1,2−ジヒドロキシナフタレン、2,3−ジヒドロキシナフタレンおよびその誘導体がより好ましい。これらの化合物(D)は単独で用いても2種以上併用してもよい。
本発明で用いられる化合物(D)の配合量は、全エポキシ樹脂組成物中0.01重量%以上1重量%以下が好ましく、より好ましくは0.03重量%以上0.8重量%以下である。下限値未満だとシランカップリング剤(F)との相乗効果による期待するような粘度特性および流動特性が得られない可能性がある。上限値を越えるとエポキシ樹脂組成物の硬化が阻害され、硬化物の物性が劣り、連続成形性に支障をきたす。また、半導体封止樹脂としての性能が悪化する可能性があるので好ましくない。化合物(D)の配合量が上記範囲内であると、シランカップリング剤(C)との相乗効果により低粘度化と高流動化が図れ、またエポキシ樹脂組成物の硬化が阻害され連続成形性に支障をきたすことを抑えることができる。或いは、エポキシ樹脂組成物の硬化物の物性低下や、半導体封止樹脂としての性能低下を抑えることができる。
Figure 2007161966
Figure 2007161966
本発明で用いられる金属水酸化物(E)は、難燃剤として作用し、その難燃機構としては、燃焼時に金属水酸化物が脱水を開始し、吸熱することによって燃焼反応を阻害すると考えられる。金属酸化物としては、例えば、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等が挙げられる。金属水酸化物(E)を配合することにより、本発明で用いられる一般式(1)で示されるエポキシ樹脂又はフェノール樹脂を使用した場合でも、難燃性に優れたエポキシ樹脂組成物が得られるため、一般式(1)で示されるエポキシ樹脂又はフェノール樹脂を用いた樹脂組成物が燃焼しやすくなるといった欠点を解消することができる。
本発明で用いられる金属水酸化物(E)の配合量は、全エポキシ樹脂組成物中0.5重量%以上10重量%以下が好ましく、特に好ましくは1重量%以上5重量%以下である。上記範囲内であると、充分な難燃性を得ることができ、また耐半田リフロー性の低下、成形性の低下を抑えることができる。
本発明で用いることができる硬化促進剤(F)としては、エポキシ樹脂のエポキシ基とフェノール樹脂のフェノール性水酸基との架橋反応の触媒となり得るものを指し、例えばトリブチルアミン、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7等のアミン系化合物、トリフェニルホスフィン、テトラフェニルホスホニウム・テトラフェニルボレート塩等の有機リン系化合物、2−メチルイミダゾール等のイミダゾール化合物等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。またこれらの硬化促進剤は単独でも混合して用いてもよい。
本発明で用いることができる、前記金属水酸化物(E)以外の無機質充填材(G)としては、例えば溶融シリカ、結晶シリカ、アルミナ、窒化珪素、窒化アルミ等が挙げられる。無機質充填材の配合量を特に多くする場合は、溶融シリカを用いるのが一般的である。溶融シリカは破砕状、球状のいずれでも使用可能であるが、溶融シリカの配合量を高め、かつエポキシ樹脂組成物の溶融粘度の上昇を抑えるためには、球状のものを主に用いる方が好ましい。更に球状シリカの配合量を高めるためには、球状シリカの粒度分布がより広くなるように調整することが望ましい。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、(A)〜(G)成分を主成分とするが、これ以外に必要に応じてカルナバワックス等の天然ワックス、ポリエチレンワックス等の合成ワックス、ステアリン酸やステアリン酸亜鉛等の高級脂肪酸及びその金属塩類若しくはパラフィン等の離型剤、カーボンブラック、ベンガラ等の着色剤、シリコーンオイル、シリコーンゴム、合成ゴム等の低応力剤、酸化ビスマス水和物等の酸化防止剤等の各種添加剤を適宜配合してもよい。更に、必要に応じて無機充填材をカップリング剤やエポキシ樹脂あるいはフェノール樹脂で予め処理して用いてもよく、処理の方法としては、溶媒を用いて混合した後に溶媒を除去する方法や、直接無機充填材に添加し、混合機を用いて処理する方法等がある。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、(A)〜(G)成分及びその他の添加剤等を、例えば、ミキサー等を用いて混合後、加熱ニーダ、熱ロール、押し出し機等を用いて加熱混練し、続いて冷却、粉砕してエポキシ樹脂成形材料とすることができる。
本発明のエポキシ樹脂成形材料を用いて半導体素子等の電子部品を封止し、半導体装置を製造するには、トランスファーモールド、コンプレッションモールド、インジェクションモールド等の従来からの成形方法で硬化成形すればよい。
以下、本発明を実施例で具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。配合割合は重量部とする。
実施例1
式(4)のエポキシ樹脂[住友化学(株)製、ESCN195LB、軟化点65℃、エポキシ当量200、式(4)においてn=4.0]
12.00重量部
Figure 2007161966
式(5)のフェノール樹脂[住友ベークライト(株)製、PR−HF−3、軟化点81℃、水酸基当量105、式(5)においてn=4.1]
6.30重量部
Figure 2007161966
γ−グリシジルプロピルトリメトキシシラン 0.30重量部
2,3−ジヒドロキシナフタレン(試薬) 0.10重量部
水酸化アルミニウム[住友化学(株)製、CL−303] 5.00重量部
1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7(以下、「DBU」という)
0.20重量部
球状溶融シリカ(平均粒径26.5μm) 75.50重量部
カルナバワックス(日興ファインプロダクツ(株)製、商品名ニッコウカルナバ)
0.30重量部
カーボンブラック 0.30重量部
をミキサーを用いて混合した後、表面温度が95℃と25℃の2軸ロールを用いて20回混練し、得られた混練物シートを冷却後粉砕して、エポキシ樹脂成形材料とした。得られたエポキシ樹脂成形材料の特性を以下の方法で評価した。
評価方法
スパイラルフロー:低圧トランスファー成形機を用いて、EMMI−1−66に準じたスパイラルフロー測定用金型に、金型温度175℃、注入圧力6.9MPa、硬化時間120秒の条件でエポキシ樹脂組成物を注入し、流動長を測定した。単位はcm。
連続成形性:低圧トランスファー自動成形機を用いて、金型温度175℃、注入圧力9.6MPa、硬化時間70秒で、80pQFP(Cuリードフレーム、パッケージ外寸:14mm×20mm×2mm厚、パッドサイズ:6.5mm×6.5mm、チップサイズ6.0mm×6.0mm)を連続で500ショットまで成形した。判定基準は、未充填等の不具合が全くなく、500ショットまで連続成形できたものを○、それ以外を×とした。
難燃性:低圧トランスファー成形機を用いて、成形温度175℃、圧力6.9MPa、硬化時間120秒で試験片(127mm×12.7mm×3.2mm)を成形し、後硬化として175℃、8時間加熱処理した後、UL−94垂直法に準じて難燃性の判定をした。
耐半田リフロー性:上記連続成形性の評価において成形したパッケージを、175℃、8時間で後硬化し、得られたパッケージを85℃、相対湿度85%で168時間加湿処理後、260℃の半田槽にパッケージを10秒間浸漬した。顕微鏡でパッケージを観察し、クラック発生率[(クラック発生率)=(外部クラック発生パッケージ数)/(全パッケージ数)×100]を算出した。単位は%。評価したパッケージの数は20個。また、半導体素子とエポキシ樹脂組成物界面の密着状態を超音波探傷装置により観察した。評価したパッケージの数は20個。耐半田リフロー性判断基準は、クラック発生率が0%で、かつ剥離なし:○、クラックもしくは剥離が発生したものは×とした。
実施例2〜10、比較例1〜4
表1、表2、表3に示す割合で各成分を配合し、実施例1と同様にしてエポキシ樹脂成形材料を得、実施例1と同様にして評価した。結果を表1、表2、表3に示す。
実施例1以外で用いた成分について、以下に示す。
式(8)のエポキシ樹脂[ジャバンエポキシレジン(株)製、YX−4000K、融点105℃、エポキシ当量185]
Figure 2007161966
式(9)のフェノール樹脂[三井化学(株)製、XLC−4L、軟化点62℃、水酸基当量168]
Figure 2007161966
カテコール(試薬)
ピロガロール(試薬)
1,6−ジヒドロキシナフタレン(試薬)
Figure 2007161966
Figure 2007161966
Figure 2007161966
実施例1〜10はいずれも、流動性(スパイラルフロー)、連続成形性に優れ、かつ難燃性、耐半田リフロー性に優れる結果となった。一方、金属水酸化物を用いていない比較例1は、難燃性で劣る結果となった。シランカップリング剤を用いていない比較例2は、耐半田リフロー性が劣る結果となった。また、芳香環を構成する2個以上の隣接する炭素原子にそれぞれ水酸基が結合した化合物を用いていない比較例3は、耐半田リフロー性が劣り、流動性もやや劣る結果となった。また、芳香環を構成する2個以上の隣接する炭素原子にそれぞれ水酸基が結合した化合物の代わりに、芳香環を構成する2個の隣接しない炭素原子にそれぞれ水酸基が結合した化合物である1,6−ジヒドロキシナフタレンンを用いた比較例4も、耐半田リフロー性が劣り、流動性もやや劣る結果となった。
以上の結果から、本発明に従うと、成形封止する時の流動性、連続成形性に優れ、かつ難燃性、耐半田リフロー性に優れた特性を有する安価なエポキシ樹脂組成物が得られることが明らかとなった。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、安価でありながら、流動性、連続成形性、難燃性、耐半田リフロー性に優れた特性も有することから、各種の半導体装置の封止用樹脂組成物として広範に用いることができる。

Claims (7)

  1. エポキシ樹脂(A)、フェノール樹脂(B)を含み、該エポキシ樹脂(A)、該フェノール樹脂(B)のうちの少なくとも一方が一般式(1)で示される樹脂を含むエポキシ樹脂組成物であって、シランカップリング剤(C)、芳香環を構成する2個以上の隣接する炭素原子にそれぞれ水酸基が結合した化合物(D)、及び金属水酸化物(E)を含むことを特徴とする半導体封止用エポキシ樹脂組成物。
    Figure 2007161966
    (ただし、上記一般式(1)において、Rは水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基から選択される基であり、互いに同一であっても、異なっていてもよい。Xはグリシジルエーテル基又は水酸基であり、互いに同一のものである。nは平均値で、1〜5の正数。)
  2. 前記芳香環を構成する2個以上の隣接する炭素原子にそれぞれ水酸基が結合した化合物(D)を全エポキシ樹脂組成物中に0.01重量%以上1重量%以下の割合で含む請求項1記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成物。
  3. 前記芳香環を構成する2個以上の隣接する炭素原子にそれぞれ水酸基が結合した化合物(D)が、下記一般式(2)で示される化合物及び/又は下記一般式(3)で示される化合物である請求項1又は請求項2に記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成物。
    Figure 2007161966
    (ただし、上記式(2)において、R1、R5はどちらか一方が水酸基であり、一方が水酸基のとき他方は水素、水酸基又は水酸基以外の置換基、R2、R3、R4は水素、水酸基又は水酸基以外の置換基。)
    Figure 2007161966
    (ただし、上記式(3)において、R1、R7はどちらか一方が水酸基であり、一方が水酸基のとき他方は水素、水酸基又は水酸基以外の置換基、R2、R3、R4、R5、R6は水素、水酸基又は水酸基以外の置換基。)
  4. さらに硬化促進剤(F)を含むものである請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成物。
  5. さらに前記金属水酸化物(E)以外の無機質充填材(G)を含むものである請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成物。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物を混合及び/又は溶融混練してなる半導体封止用エポキシ樹脂成形材料。
  7. 請求項6記載の半導体封止用エポキシ樹脂成形材料を用いて半導体素子を封止してなることを特徴とする半導体装置。
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