JP2007161895A - 廃石膏ボードの再利用方法、廃石膏ボードを利用した土改良剤及び改良土 - Google Patents

廃石膏ボードの再利用方法、廃石膏ボードを利用した土改良剤及び改良土 Download PDF

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Abstract

【課題】高含水比の土を改質処理して用途の広い改良土を製造するために有効な廃石膏ボードの再利用方法を提案する。
【解決手段】石膏の芯材の両面がボード用原紙で被覆された廃石膏ボードの再利用において、ボード用原紙を芯材から分離せずに芯材と一体のままの状態で全体を粉砕、乾燥して、汚泥の改良剤とする。これを用いて汚泥を改良すると、汚泥をセメント系固化材で固化処理して得られた土に比べ、一軸圧縮強さが同等以上であるとともに破壊ひずみが大きい繊維質固化処理土を製造できる。リサイクル率の低い廃石膏ボードを有効利用して産業廃棄物である建設汚泥を有用な処理土に改変できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、建築資材として大量に使用されている石膏ボードを、その廃棄後に従来知られていなかった新規かつ有効な用途に再利用することを可能とした廃石膏ボードの再利用方法と、かかる方法により製造した土改良剤及び該土改良剤を用いて改良した有用な改良土に関するものである。本発明によれば、従来は多大な費用をかけて産業廃棄物として処理しなければならなかった建設汚泥や浚渫底泥を、同様に大部分を産業廃棄物として処理しなければならなかった廃石膏ボードを用いて改質処理し、種々の有用な用途に適用することができる。
建築資材として大量に使用されている石膏ボードは、廃棄された後はほとんどがリサイクルされずに廃棄物として処分されているのが現状であったが、近年、廃棄物処理法に基づき石膏ボードも管理型処分場で処分することとされ、最終処分場の逼迫と相俟って石膏ボードのリサイクルの必要性が増大しており、その研究が進められている。
石膏ボードは、石膏からなる板状の芯材の両面をボード用原紙で被覆した構造であり、石膏ボードをリサイクルする場合には、このボード用原紙を芯材と分離して芯材のみをリサイクルし、不要とされたボード用原紙は別途分別して焼却処分する必要があったため、製品品質上及び生産効率上、そのリサイクル量は生産量の10%程度が限界であった。
本願発明者等は、高含水比状態にある産業廃棄物としての建設汚泥や浚渫底泥を改質処理して流動性を消失させることにより改良土として再利用する技術について研究を進めていたが、リサイクルが進まない廃石膏ボードを活用して土改良技術について応用できないかとの課題を見出し、鋭意研究を続けて本発明に至ったものである。
すなわち、本発明は、今までにない有効な廃石膏ボードの再利用方法を提案するものであって、具体的には建設汚泥、浚渫底泥のような高含水比の土を改質処理して用途の広い改良土を製造するために有効な廃石膏ボードの再利用方法を提案することを目的としており、さらに廃石膏ボードを利用した土改良剤及びこれによって改良した有用な改良土を提供することをも目的としている。
請求項1に記載された廃石膏ボードの再利用方法は、
石膏からなる芯材の両面がボード用原紙で被覆された廃石膏ボードを他の用途に再利用する廃石膏ボードの再利用方法において、
前記ボード用原紙を前記芯材から分離せずに前記芯材と一体のままの状態で全体を粉砕、乾燥することにより、
含水比の高い汚泥に添加して、含水比の高い汚泥をセメント系固化材で固化処理して得られた土に比べて一軸圧縮強さが同等以上であるとともに破壊ひずみが大きい改良土を製造することができる土改良用の繊維入り半水石膏パウダーを製造することを特徴としている。
請求項2に記載された廃石膏ボードを利用した土改良剤は、
石膏からなる芯材の両面がボード用原紙で被覆された廃石膏ボードの前記ボード用原紙を前記芯材から分離せずに前記芯材と一体のままの状態で全体を粉砕、乾燥して得た繊維入り半水石膏パウダーからなり、
含水比の高い汚泥に添加して、含水比の高い汚泥をセメント系固化材で固化処理して得られた土に比べて一軸圧縮強さが同等以上であるとともに破壊ひずみが大きい改良土を製造することができることを特徴としている。
請求項3に記載された廃石膏ボードを利用した改良土は、
石膏からなる芯材の両面がボード用原紙で被覆された廃石膏ボードの前記ボード用原紙を前記芯材から分離せずに前記芯材と一体のままの状態で全体を粉砕、乾燥して得た繊維入り半水石膏パウダーを含水比の高い汚泥に添加することにより得ることができ、
含水比の高い汚泥をセメント系固化材で固化処理して得られた土に比べて一軸圧縮強さが同等以上であるとともに破壊ひずみが大きいことを特徴としている。
請求項4に記載された廃石膏ボードの再利用方法は、
石膏からなる芯材の両面がボード用原紙で被覆された廃石膏ボードの再利用方法において、
前記ボード用原紙を前記芯材から分離して粉砕、乾燥することにより半水石膏パウダーを製造し、
古紙破砕物とともに含水比の高い汚泥に添加して、含水比の高い汚泥をセメント系固化材で固化処理して得られた土に比べて一軸圧縮強さが同等以上であるとともに破壊ひずみが大きい改良土を製造することができる土改良用の半水石膏パウダーを製造することを特徴としている。
本発明によれば、廃棄される全量中のごくわずかしかリサイクルできないために問題が生じていた廃石膏ボードを、含水比の高い汚泥を固化改良するための改良剤の主材として使用するという新たな用途にリユースし、廃石膏ボードの処理と共に汚泥を改質して十分な一軸圧縮強さと大きな破壊ひずみを備えた有用な改良土を製造するという一石二鳥の効果を実現することができる。
1.本願発明者の課題認識
土とは、主として岩石の風化作用によってできた比較的粒径の小さい粒の集合体であり、土質工学でいう「土」は、地盤を構成するあらゆる材料を含んでいるため、岩塊から粘度に至るまで、その粒子の大きさも広範囲であり、また、構成する材料も純粋な鉱物から産業廃棄物までいろいろな種類のものを含んでいる。例えば、建設汚泥、有機物含有量の多い河川、湖沼、運河、海域などに堆積したヘドロ(浚渫底泥)等が含まれる。したがって、その挙動はきわめて複雑で変化に富んでいる。
上述した土でも、建設汚泥と浚渫底泥は高含水比状態を呈し、建設汚泥は本来地盤を形づくっていた土が建設工事の過程で泥状となった場合が多く、また浚渫底泥は有機物を含む土が河川等で自然に堆積して泥状となったものであり、有害物質などを含有する例は極めて稀である。
しかしながら、建設汚泥は、建設工事に伴って発生する掘削汚泥や微細な泥状土などであり、そのままでは盛土などに直接流用できない。このため、現状ではごく一部で再利用されるものを除き、大部分は産業廃棄物である「汚泥」として中間処理施設で脱水処理を行ない、あるいは直接最終処分場に持ち込まれている。しかし、脱水作業は水処理施設も含めて多大な設備と費用を要し、また作業には広い面積の土地が必要である。このような事情は、前記ヘドロ(浚渫底泥)においても同様である。
さらに、高含水比状態にある建設汚泥や浚渫底泥をこのように多大な費用をかけて産業廃棄物として改質処理し、含水比を低下させて粒子状にしたとしても、それだけで直ちに再利用が現実に可能となるものではなく、改良土として実際に再利用する場合には、その用途に具体的に適合した最適な条件で改質処理を行い、再利用の用途に適合した最適な改良土の性質を実現しなければ有効利用が実現できないことは言うまでもない。
一方で、廃石膏ボードは、前述した通り、石膏部分とボードを完全に分離することの困難さと、その作業の煩雑さのために、製品品質と生産効率の面で問題が多く、リサイクルが進まず廃棄される石膏ボードの大部分が処分しきれていない状況にある。また、そもそも、廃石膏ボードは石膏ボードとしてリサイクルすることを目指して種々の研究が行われてはいるが、これ以外の新規かつ有用な他の用途を開発して、その用途にリユースするという発想がなく、これも廃石膏ボードの処理が進まない一因であったと本願発明者は考えている。
そこで、本発明者は、このような汚泥及び廃石膏ボードの問題を一挙に解決する妙案として、研究の結果、廃石膏ボードを、石膏部分とボードを分離することなく一体としたままの状態で処理することにより、汚泥の性質を向上させる改良剤として再利用するという発想を得たものである。また、石膏部分とボードを分離する手法をとる場合においても、分離の手間を考慮したとしてもなお産業上十分に成り立つような新規かつ有用な上記汚泥改良剤の主剤という用途を提供するとともに、かかる新用途における具体的な廃石膏ボードの処理方法及び使用方法を提案するという発想を得たものである。
以下に、本実施形態における廃石膏ボードの汚泥改良剤としての再利用方法について説明する。
2.第1実施形態
(1) 汚泥用土改良剤としての繊維入り半水石膏パウダーの製造方法
石膏ボードは、石膏からなる板状の芯材の両面をボード用原紙で被覆してなる建築材料である。建造物の解体等に伴って廃棄され、処理施設に集積された石膏ボード(廃石膏ボード)を、そのままホッパーへ投入し、破砕機の二軸スクリュー圧によって破砕する。必要に応じて破砕機は2段以上を連続して使用してもよい。その後、これを乾燥キルンに投入して乾燥し、バーナーの熱によって乾燥・殺菌を行う。その後、必要に応じて粉砕機にかける。
以上の工程により、本発明の目的から石膏(硫酸カルシウム(CaSO4 ))は半水石膏パウダー(CaSO4 ・1/2H2 Oの粉末)となり、その粒度分布は0.2mm以下とすることが好ましい。具体的には、本例の半水石膏パウダーは、0.2mmの目のふるいは通過するが、0.07mmの目のふるいは通過しない。また、本発明の目的からボードを破砕して繊維状物質とするが、その繊維長さの分布は最大で5mm程度とすることが好ましい。また、本例の繊維入り半水石膏パウダーにおいて、その全量に対する繊維成分の重量比は概ね3〜4%とすることが好ましいが、通常の石膏ボードが有する石膏とボードの量の比率によれば、この範囲に当たる約3.9%になるので好都合である。
(2) 上記繊維入り半水石膏パウダーの土改良剤としての使用
上述した繊維入り半水石膏パウダーを、建設汚泥やヘドロ、軟弱な建設発生土に土改良剤の主剤として添加・混合し、この土を化学的に固化する実験を行った(実験1)。
実験1の実験条件は以下の通りである。
汚泥の含水比W=100 %、200 %、300 %の3種類とする。
本例の繊維入り半水石膏パウダー 320 kg/m3
7日養生(σ7 )後、一軸圧縮強度試験を実施する。
実験1の実験結果は以下の通りである。
W=100 %の場合 一軸圧縮強度qu=350 kN/m2 、破壊ひずみεf=4.0 %
W=200 %の場合 一軸圧縮強度qu=200 kN/m2 、破壊ひずみεf=3.3 %
W=300 %の場合 一軸圧縮強度qu=120 kN/m2 、破壊ひずみεf=8.0 %
セメント系固化剤100 kg/m3 添加による含水比W=166.1 %の改良土の場合における同条件での試験結果を比較例とする。
上記実験1の実験結果及び比較例の実験結果を図1にグラフとして示す。
(3) 上記繊維入り半水石膏パウダーによる改良土の評価(実験結果の評価)
以下において、上記実験結果を各種基準と比較して評価する。
建設汚泥やヘドロにセメント・石灰系の固化剤を添加・混合して土を化学的に改良したものを改良土と呼ぶ。改良土を土質材料として利用する場合の「適用用途基準」は表1に、また処理土の土質材料としての品質区分と品質基準は表2にそれぞれ示すように、「建設汚泥リサイクル指針」において規定されている。
Figure 2007161895
Figure 2007161895
さらに、「セメント系固化剤による地盤改良マニュアル」(財団法人セメント協会編)には、固化処理土の目標強さ(改良目標値)が次のように定められている。
運搬するための処理
一軸圧縮強さの改良目標値qu=50〜100 kN/m2
トラフィカビリティー
一軸圧縮強さの改良目標値qu=50〜100 kN/m2
有害物質の封じ込め及び悪臭の軽減
一軸圧縮強さの改良目標値qu=200 kN/m2 程度
有効利用する場合の固化処理(盛土の場合)
一軸圧縮強さの改良目標値qu=100 〜300 kN/m2
以上各種基準において、「建設汚泥リサイクル指針」ではコーン指数(qc)を指標としており、「セメント系固化剤による地盤改良マニュアル」では一軸圧縮強度(qu)を指標としているが、コーン指数(qc)と一軸圧縮強度(qu)の間には以下の関係が成立する。
qc=10・qu(kN/m2
なお、以上説明した各種基準において、固化処理土乃至処理土とは、建設汚泥やヘドロ、軟弱な建設発生土にセメント系や石灰系の固化剤を主剤として添加し、土を化学的に固化した処理土を意味する。
表1及び表2に示した処理土の適用用途基準によると、処置土は第3種処理土のqc=400 kN/m2 以上を満足すれば、ほとんどの盛土用途に適用可能である。qc=400 kN/m2 以上とすれば、上述したqc−qu関係式より、qu=40kN/m2 以上となる。
実験結果より、すべての配合で本例の繊維入り半水石膏パウダーによる改良土は第3種処理土以上の強度を満足している。
改良目標値を「セメント系固化剤による地盤改良マニュアル」から引用すれば、おおよその範囲はqu=100 〜300 kN/m2 程度である。
実験結果より、すべての配合で本例の繊維入り半水石膏パウダーによる改良土は改良目標値を満足している。
また、破壊ひずみについて評価すると、改良目標値を一軸圧縮強度でqu=100 〜300 kN/m2 と定めた場合、通常の固化処理土の破壊ひずみεfが図1に示すように1%未満であるのに対し、本例の繊維入り半水石膏パウダーによる改良土の破壊ひずみεfは、実験1の結果乃至これを図示した図1のグラフからわかるように、3.3 〜8.0 %と大きい。
また、本例の繊維入り半水石膏パウダーによる改良土は、ピーク応力後も大きな残留強度を持ち続けている。これは、本方法で生成される繊維質固化処理土は、内部に繊維質を含むため、圧縮応力が分散して局部的な変形集中が生じ難いためである。
以上説明したように、本例の繊維入り半水石膏パウダーによれば、廃石膏ボードの石膏部分とボードを分離することなく一体としたままの状態で簡易に処理して繊維質固化処理剤とすることができ、しかもこれを用いれば汚泥の性質を向上させて従来の単なる固化処理土にくらべて同等の強度でありながら破壊ひずみの大きい粘り強い繊維質固化処理土を製造できる。すなわち、廃石膏ボードの処理と、汚泥の処理と、性能の優れた盛土の製造という3つの産業上の難題を一挙に解決することができる。
3.第2実施形態
(1) 汚泥用土改良剤としての半水石膏パウダーの製造方法
第1実施形態では、廃石膏ボードをそのままホッパーへ投入して破砕したが、本例では、ボードを剥がして粉砕するか、又は破砕機の二軸スクリュー圧によって破砕しつつ、ボード部分だけを分別して破砕された石膏だけにする。そして、この石膏を第1例と同様に加熱・乾燥して半水石膏パウダーとし、従来の単なる主剤に対する添加剤としての石膏パウダーとは異なる用途、すなわち汚泥の改良剤の主剤として土改良に使用する。
以上の工程により、本発明の目的から、廃石膏ボードの石膏(硫酸カルシウム(CaSO4 ))は半水石膏パウダー(CaSO4 ・1/2H2 Oの粉末)に加工され、その粒度分布は0.2mm以下とすることが好ましい。具体的には、本例の半水石膏パウダーは、0.2mmの目のふるいは通過するが、0.07mmの目のふるいは通過しない。
(2) 上記半水石膏パウダーの土改良剤としての使用
上述した半水石膏パウダーを、建設汚泥やヘドロ、軟弱な建設発生土に土改良剤の主剤として添加・混合し、この土を化学的に固化する実験を行った(実験2)。
実験2の実験条件1)は以下の通りである。
汚泥の含水比W=105 %
本例の半水石膏パウダー 240 kg/m3
古紙破砕物 50kg/m3
3日養生(σ3 )後、一軸圧縮強度試験を実施する。
実験結果は、一軸圧縮強度qu=200 kN/m2 、破壊ひずみεf=7 %
実験2の実験条件2)は、本発明の第1実施形態を利用した改良土の製造に関するものであり、その実験条件は以下の通りである。
汚泥の含水比W=105 %
第1例の繊維入り半水石膏パウダー 240 kg/m3
古紙破砕物 50kg/m3
3日養生(σ3 )後、一軸圧縮強度試験を実施する。
実験結果は、一軸圧縮強度qu=380 kN/m2 、破壊ひずみεf=14%
比較例は、セメント系固化剤100 kg/m3 添加、含水比W=166.1 %、7日養生(σ7 )の改良土である。
上記実験2の実験条件1),2) における実験結果と比較例による改良土の試験結果を図2にグラフとして示す。
(3) 上記半水石膏パウダーによる改良土の評価(実験結果の評価)
以下において、実験結果を前述した各種基準と比較して評価する。
実験結果より、実験2及び比較例は、ともに第3種処理土以上の強度であるqu=40kN/m2 以上(qc=400 kN/m2 以上)を満足している。
改良目標値を「セメント系固化剤による地盤改良マニュアル」から引用すれば、おおよその範囲はqu=100 〜300 kN/m2 程度である。
実験結果より、実験2及び比較例による改良土は改良目標値を満足している。
また、破壊ひずみについて評価すると、改良目標値を一軸圧縮強度でqu=100 〜300 kN/m2 と定めた場合、通常の固化処理土の破壊ひずみεfが図2に示すように1%未満であるのに対し、実験2の古紙入り半水石膏パウダー(第2実施形態の半水石膏パウダーに古紙を加えたもの)及び古紙・繊維入り半水石膏パウダー(第1実施形態の繊維入り半水石膏パウダーにさらに古紙を加えたもの)による改良土の破壊ひずみεfは、実験2の結果及びこれを図示した図2のグラフからわかるように、7 %及び14%と大きい。
また、実験2の古紙入り半水石膏パウダー及び古紙・繊維入り半水石膏パウダーによる改良土は、ピーク応力後も大きな残留強度を持ち続けている。これは、本方法で生成される繊維質固化処理土は、内部に繊維質を含むため、圧縮応力が分散して局部的な変形集中が生じ難いためである。
以上説明したように、本例の半水石膏パウダーによれば、廃石膏ボードの石膏部分とボードを分離する手間を必要とはするが、これを主たる固化材として利用し、古紙を添加して繊維質を与えれば、従来の改良土と同等の強さを備えながら破壊ひずみの大きい粘り強い繊維質固化処理土を製造できる。すなわち、廃石膏ボードの処理と、汚泥の処理と、古紙の処分と、性能の優れた盛土の製造という4つの産業上の難題を一挙に解決することができる。
なお、以上説明した各実施形態によれば、これら各方法によって得られる繊維質固化処理土がいずれも中性であるため、極めて安全性が高いという共通した優れた効果がある。すなわち、石灰やセメントを土改良の主材とする固化剤を使用して処理した処理土は強いアルカリ性になるため、人体等に対して目や喉に刺激や肌荒れをもたらす。しかしながら、石膏は中性物質であるため、義歯成形用の歯形に使用されたり、整形外科でギブスに使用されており、食品添加用には二水石膏(硫酸カルシウム)がビールや豆腐の製造時に使用され、さらに硫酸カルシウム系肥料は野菜、果物の栽培にも使用されているといった安全面での実績がある。そこで、以上説明した第2実施形態によれば、これら各方法によって得られる繊維質固化処理土はいずれも中性で極めて安全性が高いために、野菜類等の農作物の栽培に適しているという効果もある。
実施形態の実験例1(3種類)及び比較例の各圧縮応力−ひずみ線図を示す図である。 実施形態の実験例2(2種類)及び比較例の各圧縮応力−ひずみ線図を示す図である。

Claims (4)

  1. 石膏からなる芯材の両面がボード用原紙で被覆された廃石膏ボードの再利用方法において、
    前記ボード用原紙を前記芯材から分離せずに前記芯材と一体のままの状態で全体を粉砕、乾燥することにより、
    含水比の高い汚泥に添加して、含水比の高い汚泥をセメント系固化材で固化処理して得られた土に比べて一軸圧縮強さが同等以上であるとともに破壊ひずみが大きい改良土を製造することができる土改良用の繊維入り半水石膏パウダーを製造することを特徴とする廃石膏ボードの再利用方法。
  2. 石膏からなる芯材の両面がボード用原紙で被覆された廃石膏ボードの前記ボード用原紙を前記芯材から分離せずに前記芯材と一体のままの状態で全体を粉砕、乾燥して得た繊維入り半水石膏パウダーからなり、
    含水比の高い汚泥に添加して、含水比の高い汚泥をセメント系固化材で固化処理して得られた土に比べて一軸圧縮強さが同等以上であるとともに破壊ひずみが大きい改良土を製造することができる廃石膏ボードを利用した土改良剤。
  3. 石膏からなる芯材の両面がボード用原紙で被覆された廃石膏ボードの前記ボード用原紙を前記芯材から分離せずに前記芯材と一体のままの状態で全体を粉砕、乾燥して得た繊維入り半水石膏パウダーを含水比の高い汚泥に添加することにより得ることができ、
    含水比の高い汚泥をセメント系固化材で固化処理して得られた土に比べて一軸圧縮強さが同等以上であるとともに破壊ひずみが大きい廃石膏ボードを利用した改良土。
  4. 石膏からなる芯材の両面がボード用原紙で被覆された廃石膏ボードの再利用方法において、
    前記ボード用原紙を前記芯材から分離して粉砕、乾燥することにより半水石膏パウダーを製造し、
    古紙破砕物とともに含水比の高い汚泥に添加して、含水比の高い汚泥をセメント系固化材で固化処理して得られた土に比べて一軸圧縮強さが同等以上であるとともに破壊ひずみが大きい改良土を製造することができる土改良用の半水石膏パウダーを製造することを特徴とする廃石膏ボードの再利用方法。
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