JP2007160905A - スクリュー型樹脂可塑化装置 - Google Patents

スクリュー型樹脂可塑化装置 Download PDF

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Abstract

【課題】スクリュー型樹脂可塑化装置の成形条件の主要な2要素である加熱シリンダのヒータ温度とスクリュー回転速度とに関し、品質指向要素設定領域と生産性指向要素設定領域とに2分し、加熱シリンダの半径方向の熱流束依存で、それぞれの設定領域における2要素のうちの選択された操作対象の要素の相手要素に対する至適配分の設定を案内表示することで、適正運転を容易にする。
【解決手段】品質指向要素設定手段6Bで設定されたヒータ昇温設定信号S6Bf・スクリュー減速設定信号S6Bgの何れかの存在と熱流束qFの外向き判別の両立で、ヒータ昇温案内表示7A・スクリュー減速案内表示7Bをする。生産性指向要素設定手段6Cで設定されたヒータ降温設定信号S6Bh・スクリュー増速設定信号S6Biの何れかの存在と熱流束qFの内向き判別の両立で、ヒータ降温案内表示7E・スクリュー増速案内表示7Fをする。
【選択図】図1

Description

この発明は、インライン型射出成形機、押し出し型樹脂可塑化装置などを含むスクリュー型樹脂可塑化装置の加熱シリンダのヒータ温度とスクリュー回転速度の制御を指向するものであり、とりわけ、加熱シリンダの内外を半径方向に通過する熱流束に基づいて、ヒータ温度の到達すべきヒータ設定温度の設定値の変更ないしスクリュー回転速度の到達すべきスクリュー設定回転速度の設定値の変更を操作者に対して案内表示することで、可塑化樹脂成形製品の品質重視の観点ないし可塑化樹脂成形作業の生産性重視の観点からの操作者の判断に基づくヒータ設定温度ないしスクリュー設定回転速度の設定操作を介して制御ループの構成(以下、設定、制御と略記する)を可能にすべく、熱流束依存の設定値変更操作を案内表示するようにしたスクリュー型樹脂可塑化装置に関する。
従前のインライン型射出成形機、押し出し型樹脂可塑化装置などを含むスクリュー型樹脂可塑化装置の運転操作に際しては、加熱シリンダのヒータ温度、スクリュー回転速度のほか、射出速度、射出圧力、保圧の圧力、保圧の時間、金型冷却期間などの要素を可塑化成形に用いられる樹脂の種類や金型の型彫空間の形状、規模に応じて、区々個別に設定するのが実情であるが、成形品質ないし成形上の生産性に対する関係において、これら多数の要素間には、因子交絡の存在が知られており、多数の要素の最適設定のためには、多変量解析の領域の統計的演算処理が必要となるので、生産現場での操作者による技能、経験の活用にも限界があり、要素群の最適設定は、事実上、実現困難であった。
そこで、便法として、成形品質ないし成形上の生産性に対し、最も強い相関関係が知られている加熱シリンダのヒータ温度とスクリュー回転速度とに関し、他の要素を無視して、先行的に上記2つの要素相互における適正値ないし最適値を設定することが提案されている。
その場合でも、従前のこの種の装置にあっては、加熱シリンダのヒータ温度に関し、該加熱シリンダ外周表面に装着されたヒータ近傍の温度センサによる温度計測値を基準にして、その基準の温度計測値が所定のヒータ設定温度値になることが実証済みのであるところのヒータ給電量を設定するようにしたオープンループの温度制御系ないし該温度センサによる温度計測値依存で、ヒータ給電量の制御により、所定のヒータ設定温度値に対して、その温度計測値を追い込んで一致させるようにしたクローズドループの温度制御系により、何れにせよ、該ヒータ近傍に設けられた温度センサによる点的な存在の温度計測値に着目して、所定のヒータ設定温度値が実現されるものであった。
しかしながら、上記加熱シリンダ内の溶融樹脂の実際の温度は、溶融樹脂内の空間的存在である機械的熱源により左右されることから、該溶融樹脂と該シリンダ外周表面のヒータとの間の熱流束に関しては、該溶融樹脂から該シリンダ外周表面のヒータに向けて外向きの方向に流れる状態と、該シリンダ外周表面のヒータから該シリンダ内部の溶融樹脂に向けて内向きの方向に流れる状態の何れもが、結果的に、生起することになる。
因みに、実際のこの種のスクリュー型樹脂可塑化装置では、樹脂供給孔から、加熱シリンダ内で回転駆動されているスクリュー基部付近の樹脂供給領域におけるフライト間の空間に供給された未溶融樹脂が、該スクリューの回転運動につれて、該空間内で溶融、混練されながら、該フライトに案内されて回転前進する。上記樹脂供給領域のスクリュー先端側に隣接し、該スクリューが大径化傾向を帯びる樹脂圧縮領域内にまで運び込まれた残留の未溶融樹脂が、ここで圧縮せん断された場合には、未溶融樹脂のせん断時の盛んな発熱により、溶融樹脂が予定外の高温に晒される結果となる。
しかるところ、ヒータ温度に関し、所定のヒータ設定温度値を実現するのに、フライト間での空間的な存在である未溶融樹脂のせん断による発熱源由来の温度には拘りなく、加熱シリンダ外周表面に装着されたヒータ近傍での点的な存在であるヒータ自体の発熱源由来の温度を計測して得られる温度計測値に着目することで、その限りにおいて、所定のヒータ設定温度を実現する従前装置の構成では、上記シリンダ内の溶融樹脂から該シリンダ外周表面のヒータに向けて外向きの方向に熱流束が流れる状態のときは、フライト間の空間内の未溶融樹脂の混練時の機械的発熱昇温がヒータ近傍の温度計測値に対し、影響を与え、該温度計測値の擬似的な温度上昇を伴うことで、樹脂の溶融状態との関係で適正ないし最適に設定された本来の所定のヒータ設定温度値に到達する以前に、ヒータ給電量が設定的ないし制御的に制限されてしまう。
こうした場合には、ヒータから加熱シリンダ内に供給されていた熱流が断たれるので、樹脂供給領域のフライト間の空間内では、未溶融樹脂の溶融が阻害されて、悪循環的に、樹脂圧縮領域のフライト間の空間内に残留する未溶融樹脂が増量することで、ここでの未溶融樹脂の圧縮、せん断による溶融樹脂の過激な発熱昇温が起こり、これにより、成形品の可塑化樹脂に「焼け」などの欠陥がもたらされる。かかる不都合は、加熱シリンダのヒータ近傍の温度計測値に基づく従前装置での設定、制御では避け難いものであった。
一方、こうした従前のスクリュー型樹脂可塑化装置による成形品の生産現場では、成形品質ないし成形上の生産性に対し、最も強い相関関係が知られているところのもう一つの要素であるスクリュー回転速度に関しても、上述のヒータ温度の設定、制御と同時的にスクリュー設定回転速度を実現するための設定、制御が行われる。ここでのスクリュー回転速度の設定、制御は、上記加熱シリンダ内で回転駆動されるスクリューの回転速度に関し、公知の回転速度計により計測して得られるスクリュー回転速度計測値に着目して、その着目されたスクリュー回転速度計測値が所定のスクリュー設定回転速度値になることが実証済みのであるところのスクリュー駆動用電動機の駆動周波数を設定するようにしたオープンループの速度制御系ないし該回転速度計によるスクリュー回転速度計測値依存で、スクリュー駆動用電動機の駆動周波数の制御により、所定のスクリュー設定回転速度値に対して、そのスクリュー回転速度計測値を追い込んで一致させるようにしたクローズドループの速度制御系により、何れにせよ、所定のスクリュー設定回転速度を実現するものであった。
そして、この場合、既述のように、上記シリンダ内の溶融樹脂から該シリンダ外周表面のヒータに向けて外向きの方向に熱流束が流れる状態のときは、加熱ヒータへの給電量が、本来の所定のヒータ設定温度値の実現以前に、早めに制限されてしまうので、対応のスクリュー回転速度に関しては、実際の給電量制限を受けて実現しているヒータの温度計測値に対し、結果的に、適正値よりも、過大の不適正なスクリュー設定回転速度値であるスクリュー回転速度が実現されることになる。
結局のところ、成形品質ないし成形上の生産性の観点からの適正なヒータ設定温度と適正なスクリュー設定回転速度との間には、強度の因子交絡が存在し、ヒータ設定温度如何により、適正なスクリュー設定回転速度が異なった値を呈するので、例えば、所定のヒータ設定温度値を昇降させて探りながら、各別のヒータ設定温度値に対応する所定のスクリュー設定回転速度値の方も同時的に増減させて相互的に適正な設定値を探ってゆくものであるが、従前装置における加熱シリンダ外周表面に装着されたヒータ近傍の温度センサによるヒータの温度計測値を基準とする所定のヒータ温度設定値自体の適正化が困難である以上、こうしたヒータ温度設定値を参照対象とする限り、所定のスクリュー設定回転速度設定値の方も相互に適正化するのは困難であった。かかる不都合は、加熱シリンダのヒータ近傍でのヒータの点的な温度計測値に基づく所定のヒータ設定温度値を参照対象とする従前装置での設定、制御では避け難いものであった。
さらに、上記従前装置にあっては、既述の状態とは逆に、上記シリンダ外周表面のヒータから該シリンダ内部の溶融樹脂に向けて内向きの方向に熱流束が流れる状態のときは、既述の外向きの方向の熱流束による溶融樹脂の過激昇温の危惧から解放されているにも拘らず、ヒータ設定温度を降温方向に変更設定し、対応のスクリュー設定回転速度を増速方向に変更設定することで、ヒータ設定温度値、スクリュー設定回転速度値の相互における別の適正値ないし最適値の組み合わせを探査するような選択枝を選好することが困難であった。かかる不都合は、加熱シリンダのヒータ近傍でのヒータの温度計測値に基づく所定のヒータ設定温度値を参照対象とすることで、加熱シリンダの内外を半径方向に通過する熱流束の計測値に基づくことのない従前装置での設定、制御では避け難いものであった。
ところで、上述のヒータ温度とスクリュー回転速度という、相互に因子交絡があり、成形品質ないし成形上の生産性に対して支配性の高い2つの要素に関しては、前者のヒータ温度を上昇させると、生産性の観点からは、樹脂冷却工程が伸張することで、不利な傾向を帯びる半面、成形品の品質の観点からは、樹脂混練溶融工程が完全化することで、有利な傾向を帯び、一方、該ヒータ温度を低下させると、上記とは逆の傾向を帯びることが想定される。さらに、後者のスクリュー速度を増加させると、生産性の観点からは、樹脂混練溶融工程が短縮することで、有利な傾向を帯びる半面、成形品の質の観点からは、樹脂混練溶融工程が不完全化することで、不利な傾向を帯び、一方、該スクリュー速度を減少させると、上記とは逆の傾向を帯びることが想定される。こうした想定に基づき、これらヒータ温度、スクリュー回転速度という2つの要素に関し、成形品の品質の観点ないし成形作業の生産性の観点から、適正化ないし最適化する際には、上記両要素間のトレードオフにより探り出される両要素の最適配分ないしその最適配分を実現する最適値を中心的に包含し、該両要素値の有用な組合せの範囲を示す適正領域を把握することが、生産現場での実務的な要請であるところであるが、かかる要請に応えるのに、生産現場での技能、経験頼りの試行錯誤のみで、ここでの最適値ないし適正領域を探し当てるのは至難の業である。かかる不都合は、加熱シリンダのヒータ近傍でのヒータの温度計測値に基づく所定のヒータ設定温度値を参照対象とする構成を前提とし、ヒータ設定温度とスクリュー設定回転速度に関し、設定指針の情報を装置自体から提供することのない従前装置には、不可避的なものであった。
そして、以上の3つの不都合を一挙に解決するのが本願の発明の課題である。
故に、本願発明は、従来技術に基づく、スクリュー型樹脂可塑化装置における(1)加熱シリンダのヒータ近傍でのヒータの温度計測値依存の制御による溶融樹脂の過激昇温の不都合と、(2)該温度計測値に基づくヒータ設定温度値を参照対象とするスクリュー設定回転速度値の適正設定の困難さの不都合と、(3)ヒータ設定温度値とスクリュー設定回転速度値の成形品の品質の観点ないし成形作業の生産性の観点からの適正化のための操作の困難さの不都合という問題点に鑑み、加熱シリンダの内外を半径方向に通過する熱流束の方向ないし移動熱量に基づいて、ヒータ温度の到達すべきヒータ設定温度の設定値の変更ないしスクリュー回転速度の到達すべきスクリュー設定回転速度の設定値の変更、又は、双方の設定値の変更を操作者に対して変更方向のみに関し、又は変更方向と変更量の双方に関し案内表示をすることにより、上記問題点を解決し、溶融樹脂の過激な昇温を蒙ることがなく、スクリュー設定回転速度値の適正化が容易で、ヒータ設定温度とスクリュー設定回転速度との品質ないし生産性の観点からの適正化ないし最適化が容易な優れたスクリュー型樹脂可塑化装置を提供するものである。
そして、請求項1記載の発明の構成は、
加熱シリンダ外周表面に配置されたヒータ手段が、該加熱シリンダ内の樹脂をヒータ設定温度で加熱することで、これを溶融樹脂の状態にし、ヒータ温度可変設定手段により、上記ヒータ設定温度が可変に設定されていて、上記加熱シリンダ内に回転自在に配置されたスクリュー手段が、スクリュー設定回転速度で回転駆動されて、該加熱シリンダ内の溶融樹脂を混練し、スクリュー回転速度可変設定手段により、上記スクリュー設定回転速度が可変に設定されていて、品質指向要素設定手段には、操作者により、上記ヒータ設定温度に対するヒータ昇温案内のためのヒータ昇温設定信号とスクリュー減速案内のためのスクリュー減速設定信号との択一的存在ないし該両信号の不存在が設定されていて、熱流束方向計測手段が、上記加熱シリンダと該加熱シリンダ内の溶融樹脂との間の熱流束を計測し、熱流束の方向を表す熱流束方向信号を出力し、ヒータ昇温案内表示手段が、上記加熱シリンダ内の溶融樹脂から上記ヒータ手段に向かう方向を表す熱流束方向信号と上記ヒータ昇温設定信号の同時的存在を判別して、ヒータ昇温案内を表示し、スクリュー減速案内表示手段が、上記加熱シリンダ内の溶融樹脂から上記ヒータ手段に向かう方向を表す熱流束方向信号と上記スクリュー減速設定信号の同時的存在を判別して、スクリュー減速案内を表示するように働くものである。
但し、上記熱流束方向信号は、品質指向要素の実証的設定余裕領域を確保するのに必要な逆方向の所定量の熱流束、即ち、上記ヒータ手段から上記加熱シリンダ内の溶融樹脂に向かう方向の所定量の熱流束の存在を表す熱流束方向信号であってもよい。
請求項2記載の発明の構成は、加熱シリンダ外周表面に配置されたヒータ手段が、該加熱シリンダ内の樹脂をヒータ設定温度で加熱することで、これを溶融樹脂の状態にし、ヒータ温度可変設定手段により、上記ヒータ設定温度が可変に設定されていて、上記加熱シリンダ内に回転自在に配置されたスクリュー手段が、スクリュー設定回転速度で回転駆動されて、該加熱シリンダ内の溶融樹脂を混練し、スクリュー回転速度可変設定手段により、上記スクリュー設定回転速度が可変に設定されていて、生産性指向要素設定手段には、操作者により、上記ヒータ設定温度に対するヒータ降温案内のためのヒータ降温設定信号とスクリュー増速案内のためのスクリュー増速設定信号との択一的存在ないし該両信号の不存在が設定されていて、熱流束方向計測手段が、上記加熱シリンダと該加熱シリンダ内の溶融樹脂との間の熱流束を計測し、熱流束の方向を表す熱流束方向信号を出力し、ヒータ降温案内表示手段が、上記ヒータ手段から上記加熱シリンダ内の溶融樹脂に向かう方向を表す熱流束方向信号と上記降温設定信号の同時的存在を判別して、ヒータ降温案内を表示し、スクリュー増速案内表示手段が、上記ヒータ手段から上記加熱シリンダ内の溶融樹脂に向かう方向を表す熱流束方向信号と上記スクリュー増速設定信号の同時的存在を判別して、スクリュー増速案内を表示するように働くものである。
但し、上記熱流束方向信号は、生産性指向要素の実証的設定余裕領域を確保するのに必要な逆方向の所定量の熱流束、即ち、上記加熱シリンダ内の溶融樹脂から上記加ヒータ手段に向かう方向の所定量の熱流束の存在を表す熱流束方向信号であってもよい。
請求項3記載の発明の構成は、加熱シリンダ外周表面に配置されたヒータ手段が、該加熱シリンダ内の樹脂をヒータ設定温度で加熱することで、これを溶融樹脂の状態にし、ヒータ温度可変設定手段により、上記ヒータ設定温度が可変に設定されていて、上記加熱シリンダ内に回転自在に配置されたスクリュー手段が、スクリュー設定回転速度で回転駆動されて、該加熱シリンダ内の溶融樹脂を混練し、スクリュー回転速度可変設定手段により、上記スクリュー設定回転速度が可変に設定されていて、品質指向要素設定手段には、操作者により、上記ヒータ設定温度に対するヒータ昇温案内のためのヒータ昇温設定信号とスクリュー減速案内のためのスクリュー減速設定信号との択一的存在ないし該両信号の不存在が設定されていて、生産性指向要素設定手段には、操作者により、上記ヒータ設定温度に対するヒータ降温案内のためのヒータ降温設定信号とスクリュー増速案内のためのスクリュー増速設定信号との択一的存在ないし該両信号の不存在が設定されていて、熱流束方向計測手段が、上記加熱シリンダと該加熱シリンダ内の溶融樹脂との間の熱流束を計測し、熱流束の方向を表す熱流束方向信号を出力し、ヒータ昇温案内表示手段が、上記加熱シリンダ内の溶融樹脂から上記ヒータ手段に向かう方向を表す熱流束方向信号と上記ヒータ昇温設定信号の同時的存在を判別して、ヒータ昇温案内を表示し、スクリュー減速案内表示手段が、上記加熱シリンダ内の溶融樹脂から上記ヒータ手段に向かう方向を表す熱流束方向信号と上記スクリュー減速設定信号の同時的存在を判別して、スクリュー減速案内を表示し、ヒータ降温案内表示手段が、上記ヒータ手段から上記加熱シリンダ内の溶融樹脂に向かう方向を表す熱流束方向信号と上記降温設定信号の同時的存在を判別して、ヒータ降温案内を表示し、スクリュー増速案内表示手段が、上記ヒータ手段から上記加熱シリンダ内の溶融樹脂に向かう方向を表す熱流束方向信号と上記スクリュー増速設定信号の同時的存在を判別して、スクリュー増速案内を表示するように働くものである。
請求項4記載の発明の構成は、上記加熱シリンダと該加熱シリンダ内の溶融樹脂との間の熱流束を計測し、熱流束の方向を表す熱流束方向信号を出力する熱流束方向計測手段の代わりに採用されている熱流束計測手段が、該熱流束を計測し、該熱流束の方向を含めてこれを量的に表す熱流束信号を出力し、さらに、上記請求項1又は上記請求項3記載の構成を前提とする中で、ヒータ昇温増分算定手段が、上記加熱シリンダ内の溶融樹脂から上記ヒータ手段に向かう方向の熱流束量を表す上記熱流束信号に基づいて、ヒータ設定温度の最適値に向けて、上記ヒータ温度可変設定手段に設定されることが推奨されるヒータ昇温増分ΔT+を算定し、ヒータ昇温増分案内表示手段が、上記ヒータ昇温増分ΔT+を案内するためのヒータ昇温増分ΔT+案内を表示し、スクリュー減速減分算定手段が上記熱流束信号に基づいて、スクリュー設定回転速度の最適値に向けて、上記スクリュー回転速度可変設定手段に設定されることが推奨されるスクリュー減速減分ΔV−を算定し、スクリュー減速減分案内表示手段が、上記スクリュー減速減分ΔV−を案内するためスクリュー減速減分ΔV−案内を表示するように働くものである。
請求項5記載の発明の構成は、上記請求項4記載の構成を前提とする中で、ヒータ昇温増分算定手段が、
ΔT+=[qF×A×Tim/c×ρ×Vol]×α
に基づいて、ヒータ昇温増分ΔT+を算定するように働くものである。
但し、qF=熱流束、A=ヒータの面積、Tim=スクリュー回転の継続時間、c=シリンダ壁の比熱、ρ=シリンダ壁の密度、Vol=ヒータで覆われたシリンダ壁の肉厚部分の体積、α=実証的定数(0.5−1.5)であり、ΔT+は、シリンダ内の溶融樹脂からシリンダ外表面のヒータに向かう熱流束を表す正極性のqFに対応する昇温増分を表現している。
請求項6記載の発明の構成は、上記請求項4記載の構成を前提とする中で、上記スクリュー回転速度減分算定手段が、スクリュー減速減分の単位値を減算して、スクリュー減速減分ΔV−を算定するように働くものである。
請求項7記載の発明の構成は、上記加熱シリンダと該加熱シリンダ内の溶融樹脂との間の熱流束を計測し、熱流束の方向を表す熱流束方向信号を出力する熱流束方向計測手段の代わりに採用されている熱流束計測手段が、該熱流束を計測し、該熱流束の方向を含めてこれを量的に表す熱流束信号を出力し、さらに、上記請求項2又は上記請求項3記載の構成を前提とする中で、ヒータ降温減分算定手段が、上記ヒータ手段から上記加熱シリンダ内の溶融樹脂に向かう方向の熱流束量を表す上記熱流束信号に基づいて、ヒータ設定温度の最適値に向けて、上記ヒータ温度可変設定手段に設定されることが推奨されるヒータ降温減分ΔT−を算定し、ヒータ降温減分案内表示手段が、上記ヒータ降温減分ΔT−を案内するためのヒータ降温減分ΔT−案内を表示し、スクリュー増速増分算定手段が上記熱流束信号に基づいて、スクリュー設定回転速度の最適値に向けて、上記スクリュー回転速度可変設定手段に設定されることが推奨されるスクリュー回転速度増分ΔV+を算定し、スクリュー増速増分案内表示手段が、上記スクリュー増速増分ΔV+を案内するためスクリュー増速増分ΔV+案内を表示するように働くものである。
請求項8記載の発明の構成は、上記請求項7記載の構成を前提とする中で、ヒータ降温減分算定手段が、
ΔT−=[qF×A×Tim/c×ρ×Vol]×α
に基づいて、ヒータ降温減増分ΔT−を算定するように働くものである。
但し、qF=熱流束、A=ヒータの面積、Tim=スクリュー回転の継続時間、c=シリンダ壁の比熱、ρ=シリンダ壁の密度、Vol=ヒータで覆われたシリンダ壁の肉厚部分の体積、α=実証的定数(0.5−1.5)であり、ΔT−は、シリンダ外表面のヒータからシリンダ内の溶融樹脂に向かう熱流束を表す負極性のqFに対して降温減分を表現している。
請求項9記載の発明の構成は、上記請求項7記載の構成を前提とする中で、上記スクリュー増速増分算定手段が、スクリュー増速増分の単位値を加算してスクリュー増速増分を算定するように働くものである。
請求項1記載の発明によれば、上記品質指向要素設定手段に対し、操作者により、ヒータ昇温案内のためのヒータ昇温設定信号とスクリュー減速案内のためのスクリュー減速設定信号とが設定されている状態下で、熱流束方向計測手段が上記加熱シリンダ内の溶融樹脂から該加熱シリンダ外周表面のヒータ手段に向かう方向の熱流束を計測すると、ヒータ昇温案内表示手段がヒータ昇温案内を表示し、スクリュー減速案内表示手段がスクリュー減速案内を表示するように構成したことにより、上記加熱シリンダ内の溶融樹脂から該加熱シリンダ外周表面のヒータ手段に向かう方向の熱流束の存在下では、上記品質指向要素設定手段を操作する操作者が、ヒータ昇温案内表示ないしスクリュー減速案内表示に従って、ヒータ温度可変設定手段に設定されているヒータ設定温度の昇温方向への変更設定ないしスクリュー回転速度可変設定手段に設定されているスクリュー設定回転速度の減速方向への変更設定を行うことができるので、樹脂供給領域でのヒータ設定温度達成以前のヒータ給電量の制限による樹脂溶融不全が解消され、その結果、樹脂圧縮領域での溶融樹脂の過激昇温による成形品に焼けなどの欠陥を生ずることがないという優れた効果が奏される。
請求項2記載の発明によれば、上記生産性指向要素設定手段に対し、操作者により、ヒータ降温案内のためのヒータ降温設定信号とスクリュー増速案内のためのスクリュー増速設定信号とが設定されている状態下で、熱流束方向計測手段が上記加熱シリンダ外周表面のヒータ手段から加熱シリンダ内の溶融樹脂に向かう方向の熱流束を計測すると、ヒータ降温案内表示手段がヒータ降温案内を表示し、スクリュー増速案内表示手段がスクリュー増速案内を表示するように構成したことにより、上記加熱シリンダ外周表面のヒータ手段から加熱シリンダ内の溶融樹脂に向かう方向の熱流束の存在下では、上記生産性指向要素設定手段を操作する操作者が、ヒータ降温案内表示ないしスクリュー増速案内表示に従って、ヒータ温度可変設定手段に設定されているヒータ設定温度の降温方向への変更設定ないしスクリュー回転速度可変設定手段に設定されているスクリュー設定回転速度の増速方向への変更設定を行うことができるので、該加熱シリンダ外周表面のヒータ手段近傍の点的な存在である熱源からの温度測値を参照対象とするヒータ温度の設定、制御の下であっても、スクリュー設定回転速度値の適正ないし最適な設定を容易に行うことができるという優れた効果が奏される。
請求項3記載の発明によれば、上記品質指向要素設定手段に対し、操作者により、ヒータ昇温案内のためのヒータ昇温設定信号とスクリュー減速案内のためのスクリュー減速設定信号とが設定されている状態下で、熱流束方向計測手段が上記加熱シリンダ内の溶融樹脂から該加熱シリンダ外周表面のヒータ手段に向かう方向の熱流束を計測すると、ヒータ昇温案内表示手段がヒータ昇温案内を表示し、スクリュー減速案内表示手段がスクリュー減速案内を表示し、上記生産性指向要素設定手段に対し、操作者により、ヒータ降温案内のためのヒータ降温設定信号とスクリュー増速案内のためのスクリュー増速設定信号とが設定されている状態下で、熱流束方向計測手段が上記加熱シリンダ外周表面のヒータ手段から加熱シリンダ内の溶融樹脂に向かう方向の熱流束を計測すると、ヒータ降温案内表示手段がヒータ降温案内を表示し、スクリュー増速案内表示手段がスクリュー増速案内を表示するように構成したことにより、上記加熱シリンダ内の溶融樹脂から該加熱シリンダ外周表面のヒータ手段に向かう外向きの熱流束の発生時には、1つの品質指向要素であるヒータ設定温度の昇温方向への変更設定と、もう1つの品質指向要素であるスクリュー設定回転速度の減速方向への変更設定とによる両要素の設定値の適正化ないし最適化のための操作と、上記加熱シリンダ外周表面のヒータ手段から上記加熱シリンダ内の溶融樹脂に向かう内向きの熱流束の発生時には、1つの生産性指向要素であるヒータ設定温度の降温方向への変更設定とスクリュー設定速度の増速方向への変更設定とによる両要素の設定値の適正化ないし最適化のための操作に関し、操作者が選択的に案内されるので、成形品の品質の観点ないし成形作業の生産性の観点からのヒータ設定温度値とスクリュー設定回転速度値の適正化ないし最適化が容易な操作で選択的に図れるという優れた効果が奏される。
請求項4記載の発明によれば、上記加熱シリンダ内の溶融樹脂から該加熱シリンダ外周表面のヒータ手段に向かう外向きの熱流束の発生時に、1つの品質指向要素であるヒータ設定温度の昇温方向への変更設定と、もう1つの品質指向要素であるスクリュー設定回転速度の減速方向への変更設定とによる両要素の設定値の適正化ないし最適化のための操作を行う際に、熱流束計測手段で計測される上記外向きの熱流束量に基づいて、ヒータ昇温増分算定手段により算定されるヒータ昇温増分ΔT+と、該外向きの熱流束量に基づいて、スクリュー回転速度減分算定手段により算定されるスクリュー回転速度減分ΔV−とを操作者に対し案内表示するように構成したことにより、操作者には、昇温方向への変更設定の方向性に関するヒータ昇温案内表示だけではなく、ヒータ設定温度の最適値に向けて、上記ヒータ設定温度の昇温方向への変更設定に推奨されるヒータ昇温増分ΔT+に関する量的な案内表示と、減速方向への変更設定の方向性に関するスクリュー減速案内表示だけではなく、スクリュー設定回転速度の最適値に向けて、上記スクリュー設定回転速度の減速方向への変更設定に推奨されるスクリュー回転速度減束減分ΔV−に関する量的な案内表示が提供されるので、この発明のスクリュー型樹脂可塑化装置に操作者を介在させて構成される人・機械連携システムにおいて、人の経験を反映させた1種のフォアワード制御が実現され、結果的に、短縮された応答期間で安定的な制御動作が得られるという優れた付随的効果が奏される。
請求項5記載の発明によれば、上記ヒータ昇温増分算定手段での該増分の演算処理に関し、
ΔT+=[qF×A×Tim/c×ρ×Vol]×α
に基づいて、実行するように構成したので、上記請求項4記載の発明により実現されるところの、操作者を介在させた人・機械連携システムにおいて、人の経験を反映させた1種のフォアワード制御が一層確実に運用できるという効果が奏される。
請求項6記載の発明によれば、上記スクリュー回転速度減分算定手段での該減分の演算処理に関し、スクリュー減速減分の単位値を上記スクリュー減速減分ΔV−に関する量的な案内表のたびに逐次的に減算するように構成したので、上記請求項4記載の発明により実現されるところの、操作者を介在させた人・機械連携システムにおいて、人の経験を反映させた1種のフォアワード制御が一層簡便に運用できるという効果が奏される。
請求項7記載の発明によれば、上記加熱シリンダ外周表面のヒータ手段から該加熱シリンダ内の溶融樹脂に向かう内向きの熱流束の発生時に、1つの生産性指向要素であるヒータ設定温度の降温方向への変更設定と、もう1つの生産性指向要素であるスクリュー設定回転速度の増速方向への変更設定とによる両要素の設定値の適正化ないし最適化のための操作を行う際に、熱流束計測手段で計測される上記内向きの熱流束量に基づいて、ヒータ降温減分算定手段により算定されるヒータ降温減分ΔT−と、該内向きの熱流束量に基づいて、スクリュー回転速度増分算定手段により算定されるスクリュー回転速度増分ΔV+とを操作者に対し案内表示するように構成したことにより、操作者には、降温方向への変更設定の方向性に関するヒータ降温案内表示だけではなく、ヒータ設定温度の最適値に向けて、上記ヒータ設定温度の降温方向への変更設定に推奨されるヒータ降温減分ΔT−に関する量的な案内表示と、増速方向への変更設定の方向性に関するスクリュー増速案内表示だけではなく、スクリュー設定回転速度の最適値に向けて、上記スクリュー設定回転速度の増速方向への変更設定に推奨されるスクリュー増速増分ΔV+に関する量的な案内表が提供されるので、この発明のスクリュー型樹脂可塑化装置に操作者を介在させて構成される人・機械連携システムにおいて、人の経験を反映させた1種のフォアワード制御が実現され、結果的に、短縮された応答期間で安定的な制御動作が得られるという優れた付随的効果が奏される。
請求項8記載の発明によれば、上記ヒータ降温減分算定手段での該減分の演算処理に関し、
ΔT−=[qF×A×Tim/c×ρ×Vol]×α
に基づいて、実行するように構成したので、上記請求項7記載の発明により実現されるところの、操作者を介在させた人・機械連携システムにおいて、人の経験を反映させた1種のフォアワード制御が一層確実に運用できるという効果が奏される。
請求項9記載の発明によれば、上記スクリュー回転速度増分算定手段での該増分の演算処理に関し、スクリュー増速増分の単位値を上記スクリュー増速増分ΔV+に関する量的な案内表示のたびに逐次的に加算するように構成したので、上記請求項7記載の発明により実現されるところの、操作者を介在させた人・機械連携システムにおいて、人の経験を反映させた一種のフォアワード制御が一層簡便に運用できるという効果が奏される。
本願発明の1実施態様としての構成と動作を図1−図8に基づいて以下に説明する。図1は、1実施態様のスクリュー型樹脂可塑化装置に関し、機構部1の要部の側面断面図に対して、マン・マシーンインターフェースとしての操作卓6の要部の回路図を連結して一体的表示した説明図である。同図において、中空円筒状の樹脂可塑化のための加熱シリンダ1aの、図中左端に現れている先端部には、溶融樹脂を図外の金型装置に射出ないし押し出すためのノズルヘッド1bが配設され、図中右端に現れている基部には、ペレット状の非溶融樹脂を加熱シリンダ1aの中空内部の樹脂可塑化室1c内に供給するための樹脂供給孔1dが設けられている。樹脂可塑化室1c内には、スクリュー1eが、加熱シリンダ1aの中心軸と共通の回転中心軸周りで、加熱シリンダ1aの図中右端部の同回転中心軸上に配設された同期誘導電動機などの回転駆動装置5により、回転駆動可能に軸支されている。スクリュー1eの外表面には、図1での図示が省略されていて、同図中のA−A矢視断面図である図2には現れているところの、周知形態のらせんを描く筋状突起であるフライト1fにより、フライト1fどうしの間に溝状の空間が形成されている。スクリュー1eの径に関しては、樹脂供給孔1d寄りの、図1中右半面に現れるスクリュー1e基部対応の樹脂供給領域1aFでは、相対的に小径であり、図中中央部の樹脂圧縮領域1aCでは、図中左側のスクリュー1a先端に向けて大径化傾向を帯び、図中左半面に現れる樹脂計量領域1aMでは、さらにスクリュー1a先端に向けて相対的に大径に維持されるように形成されている。スクリュー1aの外周表面の樹脂供給領域1aF対応部位には、環状の加熱ヒータ2が外嵌配置されている。スクリュー1aの外周表面の樹脂計量領域1aM対応部位には、環状の保温ヒータ2aが外嵌配置されている。スクリュー1aの外周表面の樹脂計量領域1aM対応部位には、環状の保温ヒータ2aが外嵌配置されている。加熱シリンダ1a外周表面の樹脂供給領域1aF対応部位であって、例えば、樹脂供給孔1dからのスクリュー1e中心軸沿いに、スクリュー1eの先端方向に距離Lだけ隔たった位置には、シース熱電対などによる公知の温度センサ3が配設されている。加熱シリンダ1a外周表面の樹脂供給領域1aF対応部位であって、スクリュー1e中心軸沿いに、スクリュー1eの先端方向に、上記の温度センサ2と実質的に同距離だけ隔たった位置には、上市されている熱流束計(例えば、VTTEL社製HFM−7E/L)が熱流束方向計測手段4ないし熱流束計測手段4Aとして配設されている。この場合の熱流束計4、4Aの位置は、図1のA−A矢視断面を示す図2に現れているように、加熱シリンダ1aの中心軸周りで、例えば、θだけ温度センサ3の位置から時計方向にずれていてもよい。
なお、図1中左側のスクリュー1a先端部位の中心軸に緩挿されたリング弁1gは、射出時ないし押出し時に限って時期選択的に開弁し、樹脂可塑化室1c内の溶融樹脂をノズルヘッド1b経由で、図外の金型に向けて射出ないし押し出し可能にするための周知部材である。
公知の熱電対温度センサ3には、熱電対起電力からアナログ温度信号を生成する公知の温度計測回路3aが接続されており、温度計測回路3aには、公知のアナログ・デジタル変換器である温度信号変換器3bが接続されている。温度信号変換器3bは、温度センサ3と、温度計測回路3aとの協働により、樹脂可塑化1c内の温度をデジタル量で表すヒータ温度信号S3を各別に図外のコンピュータに対し読取り可能に用意する。熱流束方向計測手段4ないし熱流束計測手段4Aとしての熱流束計には、熱流束計測回路4aが接続されており、熱流束計測回路4aには、公知のアナログ・デジタル変換器である熱流束信号変換器4bが接続されている。熱流束信号変換器4bは、熱流束計と熱流束計測回路4aとの協働により、樹脂可塑化室1c内の溶融樹脂と加熱ヒータ2との間で加熱シリンダ1aを介して、加熱シリンダ1aの半径方向に流れる熱流束に関し、熱流束方向計測手段4として働く場合には、熱流束の方向をデジタル量で表す熱流束方向信号を、そして、熱流束計測手段4Aとして働く場合には、熱流束の方向と分量をデジタル量で表す熱流束信号を各別に図外のコンピュータに対し読取り可能に用意する。
操作卓6には、電源6Eのホット側端子から伸びる電源線6Eaと電源6Eのグラウンド端子に繋がるグラウンド線6Ecとの間に介装されたポテンショメータ6aが含まれており、このポテンショメータ6aの摺動端子6aaには、周知の通電角制御型インバータ6Aaが接続されており、両者の協働により、加熱ヒータ2を可変の設定温度に維持するためのヒータ温度可変設定手段6Aが構成されている。操作卓6には、電源線6Eaに1端が共通接続せれた2個の抵抗器6b,6cのうちの抵抗器6bの他端とグラウンド線6Ecとの間に、そこを断続可能に挿入されたヒータ温度設定スイッチ6fと、抵抗器6cの他端とグラウンド線6Ecとの間に、そこを断続可能に挿入されたスクリュー減速設定スイッチ6gとで構成される品質指向要素設定手段6Bと、電源線6Eaに1端が共通接続せれた2個の抵抗器6d,6eのうちの抵抗器6dの他端とグラウンド線6Ecとの間に、そこを断続可能に挿入されたヒータ降温設定スイッチ6hと、抵抗器6eの他端とグラウンド線6Ecとの間に、そこを断続可能に挿入されたスクリュー増速設定スイッチ6iとで構成される生産性指向要素設定手段6Cが含まれている。品質指向要素設定手段6B中のヒータ昇温設定スイッチ6fのホット側端子は、操作者による品質指向要素設定信号のうちのヒータ昇温設定信号S6Bfを図外のコンピュータに対し読取り可能に用意する。そして、スクリュー減速設定スイッチ6gのホット側端子は、操作者による品質指向要素設定信号のうちのスクリュー減速設定信号S6Bhを図外のコンピュータに対し読取り可能に用意する。一方、生産性指向要素設定手段6C中のヒータ降温設定スイッチ6hのホット側端子は、操作者による生産性指向要素設定信号のうちのヒータ降温設定信号S6Bhを図外のコンピュータに対し読取り可能に用意する。そして、スクリュー増速設定スイッチ6iのホット側端子は、操作者による生産性指向要素設定信号のうちのスクリュー増速設定信号S6Biを図外のコンピュータに対し読取り可能に用意する。さらに、操作卓6には、電源線6Eaとグラウンド線6Ec間に介装されたポテンショメータ6jで構成れるスクリュー回転速度可変設定手段6Dが含まれており、このポテンショメータ6jの摺動端子6jjには、周知の可変周波数インバータ6Daに接続されており、両者の協働により、スクリュー1eの回転速度を可変の設定回転速度に維持するためのスクリュー回転速度可変設定手段6Dが構成されている。なお、2個のポテンショメータ6a、6jに対して各別に直列接続されている4個の抵抗器6ab,6ac,6ja,6jbは、過電流防止用の安全抵抗を形成するためのものである。
上述の操作卓6は、図3のブロック図に示されように構成された操作・表示処理装置P内に内部装置として繋ぎ込まれている。操作・表示処理装置Pには、コンピュータPaのほか、これと協働する外部メモリPbと入出力インターフェースPcが、常法的に組み込まれており、これらが共通バスPdを介して相互に接続されている。入出力インターフェースPcには、上記操作卓6のほか、液晶画面などを備えた通常的なディスプレイを含んでいて、コンピュータPa内で後述のプログラムを実行することで、実現されるところの、ヒータ昇温案内表示手段7A、スクリュー減速案内表示手段7B、ヒータ降温案内表示手段7E、スクリュー増速案内表示手段7F、さらには、ヒータ昇温増分案内表示手段7C、スクリュー減速減分案内表示手段7D、ヒータ降温減分案内表示手段7G、スクリュー増速増分案内表示手段7Hの一部として協働する表示卓7が接続されている。そして、操作・表示処理装置P外部からは、図1中の温度信号変換器3bから延びるヒータ温度信号S3線と、図1中の熱流束速変換器4aから延びる熱流束方向信号S4線ないし熱流束信号S4A線が内部の入出力インターフェースPcに接続されている。一方、操作・表示処理装置P外部に向けて、内部の操作卓6から延びるヒータ温度可変信号S6aa線が図1中の通電角制御型インバータ6Aaに接続されており、同様に操作卓6から延びるスクリュー回転速度可変信号S6jj線が図1中の可変周波数インバータ6Daに接続されている。
運転時に、操作者には、操作卓6上のヒータ温度可変設定手段6Aとしてのポテンショメータ6aの摺動操作により、加熱ヒータ2のヒータ温度を適切に設定しながら、同時的に操作卓6上のスクリュー回転速度可変設定手段6Dとしてのポテンショメータ6jの摺動操作により、スクリュー回転速度を適切に設定することが要請される。しかしながら、ヒータ温度値ごとに、そのヒータ温度値に対しての適切なスクリュー回転速度が違った値になるので、如何なる根拠の適切さをもって、如何なる配分的対応関係で、ヒータ温度値とスクリュー回転速度値との適切な対応値の組合せを選定するのかは、関心の高い難問題であることが知られている。
発明者らの鋭意の研究によれば、加熱シリンダ1aの樹脂可塑化室1c内の溶融樹脂と、加熱シリンダ1a外周表面の加熱ヒータ2との間で、加熱シリンダ1a外周壁を介して、加熱シリンダ1aの半径方向沿いに流出ないし流入する熱流束に着目することで、成形品の高品質指向を根拠とする適切さの観点から、ヒータ温度値とスクリュー回転速度値との適切な対応値の組合せを選定することができ、一方では、それとの2者択一の選択により、成形作業の高生産性指向を根拠とする適切さの観点から、ヒータ温度値とスクリュー回転速度値との適切な対応値の組合せを選定することもできるということが判明した。
即ち、発明者らの研究によれば、加熱シリンダ1aを半径方向に通過する熱流束の方向ないし分量と、加熱ヒータ温度と、スクリュー回転速度との間の相互関係に関し、樹脂材質ほかの成形条件不変下で、図4に例示されるような特性曲線が実証的に確認されている。図4の特性曲線上では、縦軸が熱流束の方向ないし分量を示し、熱流束値0を境にして、正の流束値は、加熱シリンダ1aを半径方向外向きに加熱ヒータ2に向かう熱流束である。横軸は、スクリュー回転速度を示している。3本の特性曲線は、加熱ヒータ温度をパラメータするものであり、四角形のプロットによるものが「高温」パラメータTh対応の特性曲線であり、三角形のプロットによるものが「中温」パラメータTm対応の特性曲線であり、菱形のプロットによるものが「低温」パラメータTl対応の特性曲線である。熱流束値0、即ち、熱流束の方向が切り換わるための臨界点に関し、「高温」パラメータTh対応の特性曲線上では、白抜き四角形で示されるような横軸上の「高速度」臨界値Vh対応の「高温」臨界点CRhであり、「中温」パラメータTm対応の特性曲線上では、白抜き三角形で示されるような横軸上の「中速度」臨界値Vm対応の「中温」臨界点CRmであり、「低温」パラメータTl対応の特性曲線上では、白抜き菱形で示されるような横軸上の「低速度」臨界値Vl対応の「低温」臨界点CRlであることが確認できる。
上記の「高温」臨界点CRh、「中温」臨界点CRm、「低温」臨界点CRlは、熱流束0の条件達成のために要請されるところの、ヒータ温度とスクリュー回転速度との間の臨界的な対応値の組合せを与えるものであるが、こうした臨界点により与えられる臨界的な対応値の組合せだけが、常に最良の満足を提供するとは限らない。ヒータ温度を高めれば、樹脂溶融の完全化による成形品の高品質化に繋がる半面、冷却工程の長期化による成形作業の生産性の悪化を招き、一方で、スクリュー回転速度を高めれば、樹脂混練工程の短期化による成形作業の生産性の向上に繋がる半面、溶融樹脂の過激な局所的発熱昇温による成形品の品質劣化を招くことになるという要素効果を伴うので、樹脂材質、製品サイズ、製品用途等の観点から、これらの要素効果を勘案しながら、高品質指向ないし高生産性指向という背反二律の選択的運転方針に則って、ヒータ温度とスクリュー回転速度との間の適切な対応値の組合せを選定することが要請されるところである。
こうした観点から、図4の特性曲線において、熱流束が正値と取り、半径方向外向きの熱流束の存在を示す図中ハッチングの施されている領域に深く進入している特性曲線上での運転に関しては、その分だけ、溶融樹脂の過激な局所的発熱昇温などによる品質の劣化傾向、即ち、[0003]で言及済みのように、半径方向外向きの熱流束の存在下での未溶融樹脂の圧縮、せん断による溶融樹脂の過激な発熱昇温に起因する可塑化樹脂の「焼け」などによる品質不良率の増大傾向に繋がることが想定されることから、図4の特性曲線を品質不良率の次元で把握し直すことで、図5の特性曲線が得られる。図5では、縦軸が品質不良率であり、横軸がスクリュー回転速度である。図5の特性曲線上には、図4の特性曲線上の「高温」臨界点CRh、「中温」臨界点CRm、「低温」臨界点CRlに対し、各別に対応する3個の臨界点が各別に対応する形状のプロットで現れている。図5の「高温」パラメータThの特性曲線は、「高温」値Thのヒータ温度では、そのヒータ温度についての臨界点CRhにより対応値として与えられる臨界的なスクリュー回転速度の「高速度」臨界値Vhを越えて高速度になると、その分、品質不良率の急激な増大に繋がることを示唆している。視点を変えると、同じ「高速」臨界値Vhを与える「高温」臨界点CRhの縦軸相当の品質不良率QCRを確保するのには、「高温」パラメータTh対応の「高温」値Thのヒータ温度を確保しなければならないことを示唆している。図5中の「中温」臨界点CRm、「低温」臨界点CRlに関しても、同様のことが言える。
上述の臨界点CRh、CRm、CRlは、臨界的最良の品質不良率QCRを確保するのに必要なヒータ温度とスクリュー回転速度との2つの要素に着目する限りにおいて、これら2つの要素間での臨界的配分(トレードオフ)を与えていることになる。そこで、図5中の臨界点CRh、CRm、CRlをヒータ温度対スクリュー回転速度平面に映し出すと、図6に示される臨界特性曲線CCRが得られる。即ち、図6の臨界特性曲線CCRは、縦軸をヒータ温度とし、横軸をスクリュー回転速度とする平面上に、図5中の臨界点CRh、CRm、CRlをプロットして、これらを繋いで形成された曲線である。従って、例えば、臨界特性曲線CCR上の「高温」臨界点CRhは、ヒータ温度の「高温」値Thとスクリュー回転速度の「高速」臨界値Vhとの間の臨界的配分を示唆し、同曲線上の「中温」臨界点CRmは、ヒータ温度の「中温」値Tmとスクリュー回転速度の「中速」臨界値Vmとの間の臨界的配分を示唆し、同曲線上の「低温」臨界点CRlは、ヒータ温度の「低温」値Tlとスクリュー回転速度の「低速」臨界値Vlとの間の臨界的配分を示唆している。図6の縦軸上には、「高温」値Th、「中温」値Tm、「低温」値Tlを含んで、成形作業上で実用される運転温度範囲が想定され、同図の横軸上には、「高速」臨界値Vh、「中速」臨界値Vm、「低速」臨界値Vlを含んで、成形作業上で実用される運転スクリュー回転速度範囲が想定されている。臨界特性曲線CCRは、図6の平面内での、上記運転温度範囲と上記運転スクリュー回転速度範囲の交差領域中に右上りの姿勢で同図平面を仕切るように現れている。こうした臨界特性曲線CCRで仕切られている図6の平面内での左上側の領域に関しては、想定のスクリュー回転速度値に対して臨界値以上のヒータ温度値が確保されるか、又は、想定のヒータ温度値に対して臨界値以下のスクリュー回転速度が確保されるという条件が成立するので、成形品の高品質化を指向するのに適した運転領域であることを示唆している。一方、図6の平面内で、臨海特性曲線CCRで仕切られている右下側の領域に関しては、想定のスクリュー回転速度値に対して臨界値以下のヒータ温度値が確保されるか、又は、想定のヒータ温度値に対して臨界値以上のスクリュー回転速度が確保されるという条件が成立するので、成形作業の高生産性化を指向するのに適した運転領域であることを示唆している。
図1に戻って、運転時に、操作卓6に向かった操作者は、先ず、図6の運転領域中の左上側の高品質化を指向する領域での適切な運転動作点を探るのか、又は、同運転領域中の右下側の高生産性化を指向する領域での適切な運転動作点を探るのかを成形品の目的、樹脂材の属性、製品コストなど一切の生産事情を勘案しながら、択一選択的に意思決定する。操作者が、前者の高品質化指向の選択を意思決定した場合には、次いで、品質指向要素設定手段6Bを構成するヒータ昇温設定スイッチ6f又はスクリュー減速設定スイッチ6gを択一選択的に閉成することにより、ヒータ昇温方向の要素操作、即ち、図6中の縦軸沿いの上方移動を通じて、高品質化を指向する領域での適切な運転動作点を探るのか、又は、スクリュー減速方向の要素操作、即ち、図6中の横軸沿いの左方向移動を通じて、高品質化を指向する領域での適切な運転動作点を探るのかを択一選択的に操作決定する。一方、操作者が、後者の高生産性化指向の選択を意思決定した場合には、次いで、生産性質指向要素設定手段6Cを構成するヒータ降温設定スイッチ6h又はスクリュー増速設定スイッチ6iを択一選択的に閉成することにより、ヒータ降温方向の要素操作、即ち、図6中の縦軸沿いの下方移動を通じて、高生産性化を指向する領域での適切な運転動作点を探るのか、又は、スクリュー増速方向の要素操作、即ち、図6中の横軸沿いの右方向移動を通じて、高生産性化を指向する領域での適切な運転動作点を探るのかを択一選択的に操作決定する。
いま、操作者が、前者の高品質化指向の選択を意思決定した場合には、品質指向要素設定手段6Bとしてのヒータ昇温設定スイッチ6f又はスクリュー減速設定スイッチ6gの択一選択的な閉成操作に応じて、操作卓6からは、電源6E電圧の抵抗器6b又は抵抗器6c経由の択一選択的な接地6Ecがヒータ昇温設定信号S6Bf又は、スクリュー減速設定信号S6Bgとして、図3中の入出力インターフェースPcに対して択一的に供給される。
これと同時に、設定スイッチ6f、6gの択一選択的な閉成操作に応じて、コンピュータ内での後述のプロラムの実行により実現され、図3の表示卓7上にディスプレイを有するヒータ昇温案内表示手段7Aからは、加熱シリンダ1aの半径方向熱流束の外向きに切り換わる運転動作点、即ち、同半径方向熱流束の0になる運転動作点を指向するのに、加熱ヒータ2のさらなる昇温方向への変更(可変)設定操作が必要であることを案内するヒータ昇温案内表示が提供され、又は、同プログラムの実行により実現され、表示卓7上にディスプレイを有するスクリュー減速案内表示手段7Bからは、同運転動作点を指向するのに、スクリュー1eのさらなる減速方向への変更(可変)設定操作が必要であることを案内するスクリュー減速案内表示が択一的に提供される。
今度は、操作者が、後者の高生産性化指向の選択を意思決定した場合には、生産性指向要素設定手段6Cとしてのヒータ降温設定スイッチ6h又はスクリュー増速設定スイッチ6iの択一選択的な閉成操作に応じて、操作卓6からは、電源6E電圧の抵抗器6d又は抵抗器6e経由の択一選択的な接地6Ecがヒータ降温設定信号S6Bh又は、スクリュー増速設定信号S6Biとして、図3中の入出力インターフェースPcに対して択一的に供給される。
これと同時に、設定スイッチ6f、6gの択一選択的な閉成操作に応じて、コンピュータ内での後述のプロラムの実行により実現され、図3の表示卓7上にディスプレイを有するヒータ降温案内表示手段7Eからは、加熱シリンダ1aの半径方向熱流束の外向きに切り換わる運転動作点、即ち、同半径方向熱流束の0になる運転動作点を指向するのに、加熱ヒータ2のさらなる降温方向への変更(可変)設定操作が必要であることを案内するヒータ降温案内表示が提供され、又は、同プログラムの実行により実現され、表示卓7上にディスプレイを有するスクリュー増速案内表示手段7Fからは、同運転動作点を指向するのに、スクリュー1eのさらなる増速方向への変更(可変)設定操作が必要であることを案内するスクリュー増速案内表示が択一的に提供される。
さらに、高品質化指向の選択を意思決定した操作者は、ヒータ昇温案内表示手段7Aとしての表示操作卓7上のディスプレイからのヒータ昇温案内表示を勘案しながら、操作卓6上のヒータ温度可変設定手段6Aとしてのポテンショメータ6aの摺動端6aaを図1中で上方に移動させることで、同ポテンショメータ6aで電源6E電圧が分割されて同摺動端子6aaに現れるヒータ温度可変設定信号S6aaに関し、ヒータ設定温度を上昇向に変化させるような操作を行う。又は、この操作に代えて、スクリュー減速案内表示手段7Bとしての同ディスプレイからのスクリュー減速案内表示を勘案しながら、操作卓6上のスクリュー回転速度可変設定手段6Dとしてのポテンショメータ6jの摺動端6jjを図1中で下方に移動させることで、同ポテンショメータ6jで電源6E電圧が分割されて同摺動端子6jjに現れるスクリュー回転速度可変設定信号S6jjに関し、スクリュー設定回転速度を減速方向に変化させるような操作を行う。
続いて、高品質化指向の選択を意思決定し、ヒータ昇温設定スイッチ6fを閉成操作した操作者には、コンピュータ内での後述のプロラムの実行により実現され、図3の表示卓7上にディスプレイを有するヒータ昇温増分案内表示手段7Cから、加熱ヒータ2のヒータ設定温度最適値に向けてのさらなる昇温方向への変更(可変)設定操作において推奨されるヒータ昇温増分ΔT+を案内するヒータ昇温増分案内表示が提供される。ここで案内表示されるヒータ昇温増分ΔT+は、加熱シリンダ1aの半径方向熱流束が外向きに切り換わる運転動作点、即ち、同半径方向熱流束が内側から0になる運転動作点を迅速、かつ安定的に指向するのには、操作者にとって、有効な情報である。
このとき、ヒータ昇温増分案内表示手段7Cから、操作者に提供されるヒータ昇温増分ΔT+は、コンピュータ内での後述のプロラムの実行により実現されるヒータ昇温増分算定手段CΔT+により、
ΔT+=[qF×A×Tim/c×ρ×Vol]×α
但し、qF=熱流束、A=ヒータの面積、Tim=1ショット分のスクリューの回転継続時間、c=シリンダ壁の比熱、ρ=シリンダ壁の密度、Vol=ヒータで覆われたシリンダ壁の肉厚部分の体積、α=実証的定数(0.5−1.5)
なる算出式に基づいて、算定されるものである。
上記算出式の左辺のΔT+は、シリンダ内の溶融樹脂からシリンダ外表面のヒータに向かう外向きの熱流束+qFが流れている状態下で、1ショット分のスクリューの回転継続時間が経過する間に、シリンダ自体(肉厚部分)に向かって移動し、そこに蓄積された熱量により、同回転継続時間の経過後に、シリンダ自体が昇温して到達する筈の温度の、同回転継続時間の開始時点のシリンダ自体の温度に対する温度増分を表している。そして、ここでの熱流束の計量値は、図1中の熱流束計測手段4Aにより、1ショット分のスクリューの回転継続時間の開始時点で獲得できるので、上記算出式の左辺のΔT+は、同開始時点において、同回転継続時間経過後の温度増分を同回転継続時間分だけ先行して、当面の制御目標値の予測値を提示するものである。この予測値としてのヒータ温度増分ΔT+が、上記ヒータ昇温増分案内表示手段7Cにより、表示されると、操作者は、同予測値を勘案しながら、上述のヒータ温度可変設定手段6Aの操作を行う。従って、ここでの温度設定のための操作は、その時点で、熱流束計測手段4Aにより採取される熱流束値依存で、即時に算出されるヒータ温度増分ΔT+の案内表示に応答して行われる。ここでの、熱流束計測手段4Aによる熱流束値の採取と、ヒータ昇温増分算定手段CΔT+によるヒータ温度増分ΔT+の算出に関しては、1ショットごとに対処する制御動作というミクロ的な視点から、各ショットの開始時点で熱流束値を採取して、これに対応する各ショット終了時点のヒータ温度増分ΔT+を算出してもよいが、多数のショットからなる間欠的な動作群を均して対処する制御動作というマクロ的な視点から、経常的な繰り返しのサンプリング時点で熱流束値を採取して、これらに対応する次のサンプリング時点のヒータ温度増分ΔT+を算出してもよい。
そして、上記の点の構成により、温度計測値基づいて、ここでの設定温度を操作者経由で又は直接的にフィードバックさせるとうにした通常的な温度制御系がそうであるように、樹脂可塑化室1c内の溶融樹脂を含む加熱シリンダ全体の熱的慣性に由来する応答遅れにより、温度計測値が実際に上昇変化するのが遅れ、その結果、フィードバックの制御系が応答緩慢で、しかも、振動的で不安定なものになるのを有効に解消することで、操作者による操作を介して、応答迅速でかつ、安定的なフィードフォアワードを実現することができるものである。こうした操作者を介するフィードフォアワードの制御系では、操作者の技量により、フィードフォアワードの迅速応答の性質を活かしながらも、制御動作終盤の平衡期には、操作量を手加減することで、オーバシュートによる制御動作の不安定化を有効に回避することができる。
続いて、高品質化指向の選択を意思決定し、スクリュー減速設定スイッチ6gを閉成操作した操作者には、コンピュータ内での後述のプロラムの実行により実現され、図3の表示卓7上にディスプレイを有するスクリュー減速減分案内表示手段7Dから、スクリュー1eのスクリュー設定回転速度最適値に向けてのさらなる減速方向への変更(可変)設定操作において推奨されるスクリュー減速減分ΔV−を案内するスクリュー減速減分案内表示が提供される。ここで案内表示されるスクリュー減速減分ΔV−は、加熱シリンダ1aの半径方向熱流束が外向きに切り換わる運転動作点、即ち、同半径方向熱流束が外側から0になる運転動作点を迅速、かつ安定的に指向するのには、操作者にとって、有効な情報である。
このとき、スクリュー減速減分案内表示手段7Dから、操作者に提供されるスクリュー減速減分ΔV−に関しては、コンピュータ内での後述のプロラムの実行により実現されるスクリュー減速減分算定手段CΔV−おいて、スクリュー1eのスクリュー設定回転速度最適値に向けて操作過程での、1ショット分のスクリューの回転継続時間経過後のための減速方向への変更(可変)設定操作の際に推奨されるスクリュー減速減分ΔV−と熱流束値+qFとの好適な相対関係を予め実測により実証的データとして獲得することで、こうした実証データに基づいて、+qF対ΔVの検索テーブルの形態でコンピュータ内に準備しておくことができる。そうすれば、現時点での実測の熱流束値+qFの観点から、1ショット分のスクリューの回転継続時間経過後に向けての好適なスクリュー減速減分ΔV−を検索テーブルに対し、テーブル・ルックアップ処理を施すことで、同スクリュー減速減分ΔV−を算出し、これをスクリュー減速減分案内表示手段7Dで案内表示することができる。ここでのスクリュー減速減分ΔV−算出の便法として、上記と同様の実証データに基づく、概ね妥当な一定値のスクリュー減速減分ΔV−を上記のテーブル・ルックアップ処理に代えて、固定的に設定しておく処理が採用されてもよい。
ここで、[0037]の動作説明に還って、今度は、高生産性指向の選択を意思決定し、ヒータ降温設定スイッチ6hを閉成操作した操作者には、図3の表示卓7上にディスプレイを有するヒータ降温減分案内表示手段7Gから、加熱ヒータ2のヒータ設定温度最適値に向けてのさらなる降温方向への変更(可変)設定操作において推奨されるヒータ降温減分ΔT−を案内するヒータ降温減分案内表示が提供される。ここで案内表示されるヒータ降温減分ΔT−は、上記ヒータ昇温増分算定手段CΔT+によるものと同様の演算処理により、負の熱流束−qF値に基づいて、ヒータ降温減分算定手段CΔT−により値算出されるもので、加熱シリンダ1aの半径方向熱流束の内向きに切り換わる運転動作点、即ち、同半径方向熱流束の外側から0になる運転動作点を迅速、かつ安定的に指向するのに際し、既述のヒータ昇温増分ΔT+に対し、半面的に同一の技術的意義を有している。
続いて、高生産性指向の選択を意思決定し、スクリュー減速設定スイッチ6iを閉成操作した操作者には、図3の表示卓7上にディスプレイを有するスクリュー増速増分案内表示手段7Hから、スクリュー1eのスクリュー設定回転速度最適値に向けてのさらなる増速方向への変更(可変)設定操作において推奨されるスクリュー増速増分ΔV+を案内するスクリュー増速増分案内表示が提供される。ここで案内表示されるスクリュー増速増分ΔV+は、上記スクリュー減速減分算定手段CΔV−によるものと同様の演算処理により、負の熱流束−qF値に基づいて、スクリュー増速増分算定手段CΔV+により算出されるもので、加熱シリンダ1aの半径方向熱流束の内向きに切り換わる運転動作点、即ち、同半径方向熱流束の外側から0になる運転動作点を迅速、かつ安定的に指向するのに際し、既述のスクリュー減速減分ΔV−に対し、半面的に同一の技術的意義を有している。
図3中の表示卓7上に通常的なディスプレイを含んでいて、これらと協働するところの、ヒータ昇温案内表示手段7A、スクリュー減速案内表示手段7B、ヒータ昇温増分案内表示手段7C、スクリュー減速減分案内表示手段7D、ヒータ降温案内表示手段7E、スクリュー増速案内表示手段7F、ヒータ降温減分案内表示手段7G、スクリュー増速増分案内表示手段7Hを実現すべく、コンピュータPa内で実行されるプログラムのフローに関し、図7ないし図8のフローチャートを参照しながら続いて説明する。
プログラムの実行を開始した(図7中a)コンピュータPaは、樹脂可塑化装置内に、必須的に組み込まれており、種々のシーケンスのためのタイミング信号を生成する図外のタイミング信号生成装置から出力されるタイミング信号の中で、樹脂成形工程にかかるシーケンス制御に不可欠の射出・押出し工程の開始時点を表すショット開始信号を読んで(図7中b)、ショット開始信号が受領されているかどうか、即ち、射出・押出し工程が開始されたかどうかを判別し(図7中c)判別結果がNoで、いまだ射出・押出し工程が開始されていない状態下では、ループパスを巡回しながら、ショット開始信号の受領を待つ。ショット開始信号が受領されて、上記判別結果(図7中c)がYesに転ずると、コンピュータPaは、熱流束qFを読む(図7中d)。即ち、図1に示されるアナログ・デジタル変換器である熱流束信号変換器4bから出力される熱流束方向信号S4ないし熱流束信号S4Aが、図3に示されるように、該熱流束信号変換器4bから入出力インターフェースPcを介して、共通バスPd経由でコンピュータPaにより受領される。ここで受領された熱流束方向信号S4ないし熱流束信号S4Aにより表される熱流束qFの値に関し、コンピュータPaは、正負の極性を判別する(図7中e)。この場合、熱流束方向信号S4により表されるのは、熱流束qF値の極性であるが、本質的には、熱流束計4、4A近傍の熱の移動方向(向き)であり、熱流束計の設計仕様如何で、熱流束方向の切り換わり状態対応の熱流束qF信号値を零以外の値に選定するのは随意である。また、熱流束信号S4Aにより表されるのは、熱流束qF値の絶対値を含む熱流束の情報である。熱流束の向きが加熱シリンダ1aの半径方向外向き故に、熱流束qFが正極性であり、上記判別結果(図7中e)がYesの場合には、コンピュータPaは、品質指向要素を設定するための案内を表示する(図7中f)。これにより、図3に示される表示卓7上のディスプレイに、例えば、『「ヒータ昇温」「スクリュー減速」の1つを設定して下さい。』を表示することで、品質重視の意思決定を行った操作者に対し、操作対象の品質指向要素の1つを選択して設定することを案内する。但し、ここでの熱流束qFの極性判別(図7中e)に関しては、熱流束方向の切り換わり状態対応の熱流束qF=0を判別基準とするものであるが、これに代えて、実証的に選定された零以外の熱流束値を判別基準とするものであってもよい。その場合、上記判別基準として、負の所定値のqFを採用するのは、品質指向要素の実証的設定余裕領域を確保することを意味し、上記判別基準として、正の所定値を採用するのは、生産性指向要素の実証的設定余裕領域を確保することを意味する。
次いで、コンピュータPaは、ここでの設定操作による品質指向要素設定信号S6Bf・S6Bgを読む(図7中g)。品質指向要素設定信号としてのヒータ昇温設定信号S6Bfとスクリュー減速設定信号S6Bgは、図1ないし図3に示されるように、操作卓6から出力され、入出力インターフェースPcを介して共通バスPd経由でコンピュータPaに受領されるものである。品質指向要素設定信号S6Bf・S6Bgを読んだコンピュータPaは、ヒータ昇温設定信号S6Bfが受領されているかどうかを判別する(図7中h)。判別結果(図7中h)がYesの場合には、ヒータ昇温案内を表示する(図7中i)。これにより、ヒータ昇温案内表示手段7Aが実現されて、図3に示される表示卓7上のディスプレイに、例えば、『ヒータ温度を昇温させて下さい。』を表示することで、品質指向要素にかかるヒータ昇温設定スイッチ6fを操作した操作者に対し、図1に示されるヒータ温度可変設定手段6Aの操作によりヒータ設定温度を昇温方向に変更設定することを案内する。同別定結果(図7中h)がNoの場合には、読み込み済みの品質指向要素設定信号S6Bf・S6Bgのうちのスクリュー減速設定信号S6Bgが受領されているかどうかを判別し(図7中j)、判別結果がYesの場合には、スクリュー減速案内を表示する(図7中k)。これにより、スクリュー減速案内表示手段7Bが実現されて、図3に示される表示卓7上のディスプレイに、例えば、『スクリュー回転速度を減速させて下さい。』を表示することで、品質指向要素にかかるスクリュー減速設定スイッチ6gを操作した操作者に対し、図1に示されるスクリュー回転速度可変設定手段6Dの操作によりスクリュー設定回転速度を減速方向に変更設定することを案内する。同判別結果(図7中j)がNoの場合には、以降の処理を行わずに図7中b の処理に戻る。
一方、熱流束の向きが加熱シリンダ1aの半径方向内向き故に、熱流束qFが負極性であり、上記判別結果(図7中e)がNoの場合には、コンピュータPaは、生産性指向要素を設定するための案内を表示する(図8中l)。これにより、図3に示される表示卓7上のディスプレイに、例えば、『「ヒータ降温」「スクリュー増速」の1つを設定して下さい。』を表示することで、生産性重視の意思決定を行った操作者に対し、操作対象の生産性指向要素の1つを選択して設定することを案内する。次いで、コンピュータPaは、ここでの設定操作による生産性指向要素設定信号S6Bh・S6Biを読む(図8中m)。生産性指向要素設定信号としてのヒータ降温設定信号S6Bhとスクリュー増速設定信号S6Biは、品質指向要素設定信号S6Bf・S6Bgと同様に図1、図3に示される経路でコンピュータPaに受領されるものである。生産性指向要素設定信号S6Bh・S6Biを読んだコンピュータPaは、スクリュー増速設定信号S6Biが受領されているかどうかを判別する(図8中n)。この判別結果(図8中n)がYesの場合には、スクリュー増速案内を表示する(図8中o)。これにより、スクリュー増速案内表示手段7Fが実現されて、図3に示される表示卓7上のディスプレイに、例えば、『スクリュー回転速度を増速させて下さい。』を表示することで、生産指向要素にかかるスクリュー増速設定スイッチ6iを操作した操作者に対し、図1に示されるスクリュー回転速度可変設定手段6Dの操作によりスクリュー設定回転速度を増速方向に変更設定することを案内する。同別定結果(図8中n)がNoの場合には、読み込み済みの生産性指向要素設定信号S6Bh・S6Biのうちのヒータ降温設定信号S6Bhが受領されているかどうかを判別し(図8中p)、この判別結果がYesの場合には、ヒータ降温案内を表示する(図8中q)。これにより、ヒータ降温案内表示手段7Eが実現されて、図3に示される表示卓7上のディスプレイに、例えば、『ヒータ温度を降温させて下さい。』を表示することで、生産性指向要素にかかるヒータ降温設定スイッチ6hを操作した操作者に対し、図1に示されるヒータ温度可変設定手段6Aの操作によりヒータ設定温度を降温方向に変更設定することを案内する。同判別結果(図8中p)がNoの場合には、以降の処理を行わずに図7中b の処理に戻る。
品質指向要素設定信号の処理ルーティン(図7中f、g、h、j)に戻って、ヒータ昇温案内表示処理(図7中i)を終えたコンピュータPaは、読み込み済み(図7中d)で、ここでは、正極性になっている熱流束値のqF+を変数に代入して、[0037]既述の:
ΔT+=[qF×A×Tim/c×ρ×Vol]×α
但し、qF=熱流束、A=ヒータの面積、Tim=1ショット分のスクリューの回転継続時間、c=シリンダ壁の比熱、ρ=シリンダ壁の密度、Vol=ヒータで覆われたシリンダ壁の肉厚部分の体積、α=実証的定数(0.5−1.5)
なる演算式を実行することで、ヒータ昇温増分ΔT+を算出する(図7中r)。
次いで、コンピュータPaは、算出済みのヒータ昇温増分ΔT+案内を表示する(図8中s)。これにより、ヒータ昇温増分案内表示手段7Cが実現されて、図3に示される表示卓7上のディスプレイに、例えば、『ヒータ昇温増分ΔT+をXXX℃に設定して下さい。』を表示することで、ヒータ昇温案内表示(図7中i)の提供を受けた操作者に対し、図1に示されるヒータ温度可変設定手段6Aの操作によりヒータ設定温度を昇温方向に変更設定する際の好ましい変更量を案内する。一方、同処理ルーティン(図7中f、g、h、j)で、スクリュー減速案内処理(図7中k)を終えたコンピュータPaは、正極性の熱流束qF値対応のスクリュー減速減分ΔV−をテーブル検索する(図7中t)ことで、スクリュー減速減分ΔV−案内を表示する(図7中u)。これにより、スクリュー減速減分案内表示手段7Dが実現されて、図3に示される表示卓7上のディスプレイに、例えば、『スクリュー減速減分ΔV−をXXXrpmに設定して下さい。』を表示することで、スクリュー減速案内表示(図7中t)の提供を受けた操作者に対し、図1に示されるスクリュー回転速度可変設定手段6Dの操作によりスクリュー設定回転速度を減速方向に変更設定する際の好ましい変更量を案内する。
生産性指向要素設定信号の処理ルーティン(図8中m、l、n、p)の方では、
スクリュー増速案内表示処理(図8中o)を終えたコンピュータPaは、負正極性の熱流束qF値対応のスクリュー増速増分ΔV+をテーブル検索する(図7中v)ことで、スクリュー増速増分ΔV+案内を表示する(図7中w)。これにより、スクリュー増速増分案内表示手段7Hが実現されて、図3に示される表示卓7上のディスプレイに、例えば、『スクリュー増速増分ΔV+をXXXrpmに設定して下さい。』を表示することで、スクリュー増速案内表示(図7中o)の提供を受けた操作者に対し、図1に示されるスクリュー回転速度可変設定手段6Dの操作によりスクリュー設定回転速度を増速方向に変更設定する際の好ましい変更量を案内する。一方、同処理ルーティン(図8中m、l、n、p)で、ヒータ降温案内表示処理(図8中q)を終えたコンピュータPaは、負極性の熱流束値のqF−を変数に代入して、[0037]既述の:
ΔT+=[qF×A×Tim/c×ρ×Vol]×α
の実行により、ヒータ降温減分ΔT−を算出する(図8中x)。次いで、コンピュータPaは、算出済みのヒータ降温減分ΔT−案内を表示する(図8中y)。これにより、ヒータ降温減分案内表示手段7Gが実現されて、図3に示される表示卓7上のディスプレイに、例えば、『ヒータ降温減分ΔT−をXXX℃に設定して下さい。』を表示することで、ヒータ降温案内表示(図8中q)の提供を受けた操作者に対し、図1に示されるヒータ温度可変設定手段6Aの操作によりヒータ設定温度を降温方向に変更設定する際の好ましい変更量を案内する。
品質指向要素設定信号の処理ルーティン(図7中f、g、h、j)に戻って、スクリュー減速減分ΔV−案内表示処理(図7中u)ないしヒータ昇温増分ΔT+案内表示処理(図7中s)を終えたコンピュータPaは、ヒータ温度TSFを読む(図7中z)。即ち、図1に示される公知のアナログ・デジタル変換器である温度信号変換器3bから出力されるデジタルのヒータ温度信号S3が、図3に示されるように、該温度信号変換器3bから入出力インターフェースPcを介して、共通バスPd経由でコンピュータPaにより受領される。ここで受領されたヒータ温度信号S3からヒータ温度STFを読んだコンピュータPcは、同様の経路で受領した熱流束信号S4Aから読み込み済みの熱流束qF+を該ヒータ温度と一緒に並べて参考的に表示する(図7中za)。
生産性指向要素設定信号の処理ルーティン(図8中l、m、n、p)の方では、スクリュー増速増分ΔV+案内処理(図8中w)ないしヒータ降温減分ΔT−案内表示処理(図8中y)を終えたコンピュータPcは、上記品質指向要素設定信号の処理ルーティン(図7中f、g、h、j)の場合と同様に、ヒータ温度TSFを読み(図8中zb)、該ヒータ温度STFを読み込み済み(図7中d)の熱流束qF−と一緒に並べて参考的に表示してから(図8中zc)、図7中b の処理に戻る。これにより、実時間上のヒータ温度TSF値と熱流束qF値を操作者に対し、参照可能に提供できるので、操作者の技量により、応答迅速で、かつ、安定的なフィードフォアワードの実現をより有効に支援することができるものである。
図1−図8は、この発明のスクリュー型樹脂可塑化装置の実施態様の構成を示す。
要部の側面断面図 図1のA−A断面図 操作・表示処理装置Pの構成を示すブロック図 スクリュー回転速度・ヒータ温度対熱流束の特性曲線 スクリュー回転速度・ヒータ温度対品質不良率の特性曲線 スクリュー回転速度・ヒータ温度平面上の臨界特性曲線 操作・表示処理装置P内のコンピュータPaにより実行されるプログラムのフローチャート 図7のフローチャートの一部であるフローチャート
符号の説明
1 スクリュー型熱可塑化装置の機構部
1a 加熱シリンダ
1b ノズルヘッド
1c 可塑化室
1d 樹脂供給孔
1e スクリュー
1f フライト
1g リング弁
1aF 樹脂供給領域
1aC 樹脂圧縮領域
1aM 樹脂計量領域
2 加熱ヒータ
2a 保温ヒータ
3 温度センサ
3a 温度計測回路
3b 温度信号変換器
4、4A 熱流束計
4a 熱流束計測回路
4b 熱流束信号変換回路
5 回転駆動装置
6 操作卓
6a ポテンショメータ
6A ヒータ温度可変設定手段
6B 品質指向要素設定手段
6C 生産性指向要素設定手段
6D スクリュー回転速度可変設定手段
6f ヒータ昇温設定スイッチ
6g スクリュー減速設定スイッチ
6h ヒータ降温設定スイッチ
6i スクリュー増速設定スイッチ
6j ポテンショメータ
S3 ヒータ温度信号
S4 熱流束方向信号
S4A 熱流束信号
S6aa ヒータ温度可変信号
S6jj スクリュー回転速度可変信号
S6Bf ヒータ昇温設定信号
S6Bg スクリュー減速設定信号
S6Bh ヒータ降温設定信号
S6Bi スクリュー増速設定信号
7 表示卓
7A ヒータ昇温案内表示手段
7B スクリュー減速案内表示手段
7C ヒータ昇温増分案内表示手段
7D スクリュー減速減分案内表示手段
7E ヒータ降温案内表示手段
7F スクリュー増速案内表示手段
7G ヒータ降温減分案内表示手段
7H スクリュー増速増分案内表示手段
P 操作・表示処理装置
Pa コンピュータ
Pb メモリ
Pc 入出力インターフェース

Claims (9)

  1. 加熱シリンダに配置され、該加熱シリンダ内の樹脂が溶融樹脂になるように、該樹脂をヒータ設定温度で加熱するヒータ手段と、
    上記ヒータ設定温度を可変に設定するヒータ温度可変設定手段と、
    上記加熱シリンダ内に回転自在に配置され、該加熱シリンダ内の溶融樹脂を混練すべく、スクリュー設定回転速度で回転駆動されるスクリュー手段と、
    上記スクリュー設定回転速度を可変に設定するスクリュー回転速度可変設定手段と、
    上記ヒータ設定温度に対するヒータ昇温案内のためのヒータ昇温設定信号とスクリュー減速案内のためのスクリュー減速設定信号との択一的存在ないし該両信号の不存在が操作者により設定される品質指向要素設定手段と、
    上記加熱シリンダと該加熱シリンダ内の溶融樹脂との間の熱流束を計測し、熱流束の方向を表す熱流束方向信号を出力する熱流束方向計測手段と、
    上記加熱シリンダ内の溶融樹脂から上記ヒータ手段に向かう方向を表す熱流束方向信号と上記ヒータ昇温設定信号の同時的存在を判別して、ヒータ昇温案内を表示するヒータ昇温案内表示手段と、
    上記加熱シリンダ内の溶融樹脂から上記ヒータ手段に向かう方向を表す熱流束方向信号と上記スクリュー減速設定信号の同時的存在を判別して、スクリュー減速案内を表示するスクリュー減速案内表示手段と、
    を備えていることを特徴するスクリュー型樹脂可塑化装置。
  2. 加熱シリンダに配置され、該加熱シリンダ内の樹脂が溶融樹脂になるように、該樹脂をヒータ設定温度で加熱するヒータ手段と、
    上記ヒータ設定温度を可変に設定するヒータ温度可変設定手段と、
    上記加熱シリンダ内に回転自在に配置され、該加熱シリンダ内の溶融樹脂を混練すべく、スクリュー設定回転速度で回転駆動されるスクリュー手段と、
    上記スクリュー設定回転速度を可変に設定するスクリュー回転速度可変設定手段と、
    上記ヒータ設定温度に対するヒータ降温案内のためのヒータ降温設定信号とスクリュー増速案内のためのスクリュー増速設定信号との択一的存在ないし該両信号の不存在が操作者により設定される生産性指向要素設定手段と、
    上記加熱シリンダと該加熱シリンダ内の溶融樹脂との間の熱流束を計測し、熱流束の方向を表す熱流束方向信号を出力する熱流束方向計測手段と、
    上記ヒータ手段から上記加熱シリンダ内の溶融樹脂に向かう方向を表す熱流束方向信号と上記降温設定信号の同時的存在を判別して、ヒータ降温案内を表示するヒータ降温案内表示手段と、
    上記ヒータ手段から上記加熱シリンダ内の溶融樹脂に向かう方向を表す熱流束方向信号と上記スクリュー増速設定信号の同時的存在を判別して、スクリュー増速案内を表示するスクリュー増速案内表示手段と、
    を備えていることを特徴するスクリュー型樹脂可塑化装置。
  3. 加熱シリンダに配置され、該加熱シリンダ内の樹脂が溶融樹脂になるように、該樹脂をヒータ設定温度で加熱するヒータ手段と、
    上記ヒータ設定温度を可変に設定するヒータ温度可変設定手段と、
    上記加熱シリンダ内に回転自在に配置され、該加熱シリンダ内の溶融樹脂を混練すべく、スクリュー設定回転速度で回転駆動されるスクリュー手段と、
    上記スクリュー設定回転速度を可変に設定するスクリュー回転速度可変設定手段と、
    上記ヒータ設定温度に対するヒータ昇温案内のためのヒータ昇温設定信号とスクリュー減速案内のためのスクリュー減速設定信号との択一的存在ないし該両信号の不存在が操作者により設定される品質指向要素設定手段と、
    上記ヒータ設定温度に対するヒータ降温案内のためのヒータ降温設定信号とスクリュー増速案内のためのスクリュー増速設定信号との択一的存在ないし該両信号の不存在が操作者により設定される生産性指向要素設定手段と、
    上記加熱シリンダと該加熱シリンダ内の溶融樹脂との間の熱流束を計測し、熱流束の方向を表す熱流束方向信号を出力する熱流束方向計測手段と、
    上記加熱シリンダ内の溶融樹脂から上記ヒータ手段に向かう方向を表す熱流束方向信号と上記ヒータ昇温設定信号の同時的存在を判別して、ヒータ昇温案内を表示するヒータ昇温案内表示手段と、
    上記加熱シリンダ内の溶融樹脂から上記ヒータ手段に向かう方向を表す熱流束方向信号と上記スクリュー減速設定信号の同時的存在を判別して、スクリュー減速案内を表示するスクリュー減速案内表示手段と、
    上記ヒータ手段から上記加熱シリンダ内の溶融樹脂に向かう方向を表す熱流束方向信号と上記降温設定信号の同時的存在を判別して、ヒータ降温案内を表示するヒータ降温案内表示手段と、
    上記ヒータ手段から上記加熱シリンダ内の溶融樹脂に向かう方向を表す熱流束方向信号と上記スクリュー増速設定信号の同時的存在を判別して、スクリュー増速案内を表示するスクリュー増速案内表示手段と、
    を備えていることを特徴するスクリュー型樹脂可塑化装置。
  4. 上記加熱シリンダと該加熱シリンダ内の溶融樹脂との間の熱流束を計測し、熱流束の方向を表す熱流束方向信号を出力する熱流束方向計測手段に代えて、該熱流束を計測し、該熱流束を表す熱流束信号を出力する熱流束計測手段を含み、
    上記熱流束信号に基づいて、ヒータ設定温度最適値に向けて、上記ヒータ温度可変設定手段に設定されることが推奨されるヒータ昇温増分ΔT+を算定するヒータ昇温増分算定手段と、
    上記ヒータ昇温増分Δ+を案内するためのヒータ昇温増分ΔT+案内を表示するヒータ昇温増分案内表示手段と、
    上記熱流束信号に基づいて、スクリュー設定回転速度最適値に向けて、上記スクリュー回転速度可変設定手段に設定されることが推奨されるスクリュー減速減分ΔV−を算定するスクリュー減速減分算定手段と、
    上記スクリュー減速減分ΔV−を案内するためスクリュー減速減分ΔV−案内を表示するスクリュー減速減分案内表示手段と、
    をさらに含んで成る請求項1又は3項記載のスクリュー型樹脂可塑化装置。
  5. ヒータ昇温増分算定手段が、
    ΔT+=[qF×A×Tim/c×ρ×Vol]×α
    但し、qF=熱流束、A=ヒータの面積、Tim=スクリュー回転の継続時間、c=シリンダ壁の比熱、ρ=シリンダ壁の密度、Vol=ヒータで覆われたシリンダ壁の肉厚部分の体積、α=実証的定数(0.5−1.5)であり、ΔT+=シリンダ内の溶融樹脂からシリンダ外表面のヒータに向かう熱流束を表す正極性のqFに対応する昇温増分
    に基づいて、ヒータ昇温増分ΔT+を算定する請求項4記載のスクリュー型樹脂可塑化装置。
  6. 上記スクリュー回転速度減分算定手段が、スクリュー減速減分の単位値を減算して、スクリュー減速減分ΔV−を算定する請求項4記載のスクリュー型樹脂可塑化装置。
  7. 上記加熱シリンダと該加熱シリンダ内の溶融樹脂との間の熱流束を計測し、熱流束の方向を表す熱流束方向信号を出力する熱流束方向計測手段に代えて、該熱流束を計測し、該熱流束を表す熱流束信号を出力する熱流束計測手段を含み、
    上記熱流束信号に基づいて、ヒータ設定温度最適値に向けて、上記ヒータ温度可変設定手段に設定されることが推奨されるヒータ降温減分ΔT−を算定するヒータ降温減分算定手段と、
    上記ヒータ降温減分ΔT−を案内するためのヒータ降温減分ΔT−案内を表示するヒータ降温減分案内表示手段と、
    上記熱流束信号に基づいて、スクリュー設定回転速度最適値に向けて、上記スクリュー回転速度可変設定手段に設定されることが推奨されるスクリュー増速増分ΔV+を算定するスクリュー増速増分算定手段と、
    上記スクリュー増速増分ΔV+を案内するためスクリュー増速増分ΔV+案内を表示するスクリュー増速増分案内表示手段と、
    をさらに含んで成る請求項2又は3項記載のスクリュー型樹脂可塑化装置。
  8. ヒータ降温減分算定手段が、
    ΔT−=[qF×A×Tim/c×ρ×Vol]×α
    但し、qF=熱流束、A=ヒータの面積、Tim=スクリュー回転の継続時間、c=シリンダ壁の比熱、ρ=シリンダ壁の密度、Vol=ヒータで覆われたシリンダ壁の肉厚部分の体積、α=(0.5−1.5)であり、ΔT−=シリンダ外表面のヒータからシリンダ内の溶融樹脂に向かう熱流束を表す負極性のqFに対応する降温減分
    に基づいて、ヒータ昇温増分ΔT+を算定する請求項7記載のスクリュー型樹脂可塑化装置。
  9. 上記スクリュー増速増分算定手段が、スクリュー増速増分の単位値を加算してスクリュー増速増分ΔV+を算定する請求項7記載のスクリュー型樹脂可塑化装置。
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