JP2007159790A - 放射線撮影装置及び放射線撮影システム - Google Patents
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Abstract
【課題】 多様な機種に適用可能な放射線撮影装置及び放射線撮影システムの簡略化を実現すること。
【解決手段】 放射線撮影装置100は、放射線を電荷に変換する変換素子301を有するセンサアレー103と、センサアレー103の放射線が照射される面と反対の面に対向して配置された、複数のバックライトユニット108を有する光照射部106と、を備える。
【選択図】 図1
【解決手段】 放射線撮影装置100は、放射線を電荷に変換する変換素子301を有するセンサアレー103と、センサアレー103の放射線が照射される面と反対の面に対向して配置された、複数のバックライトユニット108を有する光照射部106と、を備える。
【選択図】 図1
Description
本発明は、被写体情報を含む放射線を検出する放射線撮影装置及び放射線撮影システムに係り、特に、高速で連続的に放射線を検出する医療用の透視撮影装置に関する。
以下、従来技術について図面を参照して説明する。従来、医療画像診断で用いられる撮影方法は、静止画を得る一般撮影と動画像を得る透視撮影に大別される。それぞれの撮影方法は必要に応じて撮影装置を含めて選択される。
一般撮影、すなわち静止画を得る方法は、蛍光板とフィルムを組み合わせたスクリーンフィルム系を用いる。この方法では、フィルムを露光して現像した後に定着する方法、あるいは、放射線画像を輝尽性蛍光体に潜像として記録した後、レーザーを走査することにより読み出す方法が一般的であった。
しかしながら、上記の方法では、放射線画像を得るためのワークフローが煩雑であり、即時性に欠ける場合があった。
また、透視撮影、すなわち動画像を得る方法では、イメージインテンシファイアが主に用いられる。しかしながら、この方法では、電子管を用いるため、装置が大規模になる、視野領域が制限される、歪が大きい、クロストークが大きいなどの場合があった。
このような背景により、大面積で即時的に良好な画像を得る放射線撮影装置が期待されている。
近年、液晶TFT技術の進歩により、ガラス基板上に成膜により形成されたアモルファスシリコンやポリシリコンを材料として、変換素子及びTFTで構成される画素を二次元に配列したフラットパネル型センサが提案されている。フラットパネル型センサにより、上記の期待に応える可能性が出てきた。
このフラットパネル型センサは、放射線画像を瞬時に読み取り、ディスプレイ上に表示することができる。また、デジタル情報として画像を取り扱うことが可能であるため、データの保管、加工、転送などが便利であるという特徴を持つ。
フラットパネル型センサは、変換素子で変換された電荷に対し、TFTなどのスイッチ素子を用いたマトリクス駆動を行うことにより、読み出し部へ電荷を転送して読み出すものが一般的である。また、フラットパネル型センサに用いられる変換素子としては、アモルファスシリコンを用いて形成されたpin型フォトダイオードやMIS型センサなどの光電変換素子があげられる。変換素子として光電変換素子を用いる場合は、放射線を光電変換素子が感知可能な波長帯域の光に変換するためのシンチレータとして蛍光体と組み合わせて用いられる。また、他の変換素子としては、アモルファスセレンなどの用いた放射線を直接電荷に変換可能な素子があげられる。ここでは、従来技術として、pin型フォトダイオードを光電変換素子に用いたフラットパネル型センサについて説明する。以下、フラットパネル型センサを用いた従来の放射線撮影装置について、図9〜図13を用いて詳細に説明する。
図9は、従来の放射線撮影装置の構成図である。従来の放射線撮影装置は、放射線発生装置901から、被写体902に放射線を照射して、被写体902を透過した放射線をフラットパネル型センサ903で電気信号に変換して読み出すよう構成されている。フラットパネル型センサ903から出力される電気信号(通常デジタル信号)は、信号処理部904で画像処理などが行われ、モニタなどの表示部905に表示される。
従来の放射線撮影装置は、さらに制御部906と、フラットパネル型センサ903の裏面(被写体の反対側)に設けられた光照射部907とを有する。これらの動作については後述する。
続いて、フラットパネル型センサ903の構造について説明する。
図10は、従来の放射線撮影装置に用いられるフラットパネル型センサ903の電気的動作を説明する模式的回路図である。
図10に示すように、従来のフラットパネル型センサを用いた放射線撮影装置は、pin型フォトダイオードS11〜S33と薄膜トランジスタ(TFT)T11〜T33を含む画素を二次元に配列したセンサアレーを有する。従来の放射線撮影装置は、このような構成でマトリクス駆動を行っている。各画素のpin型フォトダイオードの共通電極(図11の上電極1108に相当)側にはバイアスVsを印加する電源が接続されている。また、各画素のTFTT11〜T33のゲート電極は共通ゲート線Vg1〜Vg3に接続されており、共通ゲート線は図示しないシフトレジスタなどで構成されるゲート駆動装置に接続される。一方、各TFTT11〜T33のソース電極は共通信号線Sig1〜Sig3に接続され、プリアンプ、アナログマルチプレクサ、バッファアンプ、A/Dコンバータなどで構成される読み出し部で出力信号に変換される。出力信号は、図示しないメモリ、プロセッサなどで構成される画像処理部で処理され、図示しないモニタに出力されるか、又は、ハードディスクなどの記録装置に保管される。
続いて、図11を用いて従来のフラットパネル型センサ903に用いられるセンサアレーの画素の断面構造について説明する。各画素のpin型フォトダイオード1101はガラスなどの絶縁性基板1102上に、下電極層1104、不純物半導体層1105、半導体層1106、不純物半導体層1107、上電極層1108が積層された構成を有する。不純物半導体層1105は、例えば、p型のアモルファスシリコン層を用いて形成することができる。半導体層1106は、例えば、アモルファスシリコンを用いて形成することができる。n型半導体層1107は、例えば、n型のアモルファスシリコン層を用いて形成することができる。
スイッチ素子であるTFT1103は、ゲート電極層1109(下電極)、絶縁層1110、半導体層1111、不純物半導体層1112、ソース電極層1113及びドレイン電極層1114(上電極)が積層された構成を有する。絶縁層1110は、例えば、アモルファスシリコン窒化膜を用いて形成することができる。半導体層1111は、例えば、アモルファスシリコンを用いて形成することができる。不純物半導体層1112は、例えば、n型のアモルファスシリコン層を用いて形成することができる。
配線部1115も下電極層1109が形成されない点を除いて、同様にして、絶縁性基板1102上に、絶縁層1110、半導体層1111、不純物半導体層1112、配線(上電極)層1116が積層された構成を有する。
絶縁性基板1102上に成膜されて形成されたpin型フォトダイオード1101、TFT1103及び配線部1115の上部には、アモルファスシリコン窒化膜などの保護層1117が全体を覆っている。
図11は、放射線撮影装置を構成した場合の例を示しているため、保護層1117上に接着層1118を介して蛍光体層1119が配置されている。一般的に、アモルファスシリコンを用いて形成されたpin型フォトダイオードは、放射線に対する感度がほとんどない。このため、保護層1117上には接着層1118を介して、放射線を可視光に変換するための蛍光体層1119が接着されている。蛍光体層1119としては、ガドリニウム系又はCsI(ヨウ化セシウム)を柱状に成長させてものなどが用いられる。
被写体を透過した後、蛍光体層1119に入射した放射線は可視光に変換され、pin型フォトダイオード1101に入射する。pin型フォトダイオード1101の半導体層1106で発生した電荷はTFT1103によって、順次、図10に示す読み出し部に転送されて、読み出される。
また、図示していないが、蛍光体層1119を用いずに、アモルファスセレンなどの半導体層で直接、放射線を電荷に変換する直接型変換素子を使用する場合もある。
ここで、従来の放射線撮影装置に用いられるフラットパネル型センサの応答特性について説明する。
センサアレーの光電変換素子は、素子中(例えば半導体層中)に電荷トラップを有する場合がある。半導体層中で放射線との相互作用で発生した信号電荷は、この電荷トラップに捕獲されて遅延して放出されると、フラットパネル型センサの応答特性に影響する。
すなわち、電荷トラップに起因する残像現象や、感度変動現象として放射線撮影装置で取得される画像に悪影響を及ぼす場合がある。
これに対し、電荷トラップに起因する応答特性の悪化、すなわち残像や感度変動を低減する構成が知られている(特許文献1及び特許文献2を参照)。
特許文献1、2には、図9に示すようにフラットパネル型センサ907の裏面(被写体902と反対側)側に光照射部907を有する放射線撮影装置について、述べられている。
すなわち、特許文献1、2においては、フラットパネル型センサ907の裏面側から、光照射部907がセンサアレーの光電変換素子に対して全体的に均一な光を照射することにより、電荷トラップによる応答特性の悪化を改善する構成が開示されている。
さらに、従来の放射線撮影装置に用いられる光照射部の構成例を図12(特許文献2を参照)、図13(特許文献1を参照)に示す。
図12(a)は光照射部の断面図、図12(b)は光照射部の上面図である。図12の光照射部は、1辺に配した光源1201と、導光板1202と、反射材1203と、拡散材1204とを含む単一のバックライトユニット1205を有し、ほぼ均一な面発光を得ることができる。
また、図13(a)は光照射部の断面図、図13(b)は光照射部の上面図である。図13の光照射部は、プリント基板1301上に多数配列した光源(LED)1302と、拡散材1303とを含む単一のバックライトユニット1304を有し、ほぼ均一な面発光を得ることができる。
いずれの光照射部も、フラットパネル型センサの裏面側(被写体と反対側)から、センサアレーの光電変換素子に対して、単一のバックライトユニット1205、1304を用いて均一に光を照射する構成を有する。
特表平11−513221号公報
特開2004−33659号公報
しかしながら、従来の放射線撮影装置は、センサアレー全面に均一な光を照射するために、センサアレーとほぼ同じ大きさを持つ単一のバックライトユニット全体にLEDチップなどの光源を設けている。そのため、センサアレーのサイズとバックライトユニットのサイズが異なる場合、センサアレーのサイズに対応したバックライトユニットを別途作製する必要があり、機種の多様性に対応することが困難であるという問題があった。
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであり、多様な機種に適用可能な放射線撮影装置及び放射線撮影システムを提供することを目的とする。
本発明の第1の側面は、放射線撮影装置に係り、放射線を電荷に変換する変換素子を有するセンサアレーと、前記センサアレーの放射線が照射される面と反対の面に対向して配置された、複数のバックライトユニットを有する光照射部と、を備える。ことを特徴とする。
本発明の第2の側面は、放射線撮影システムに係り、上記の放射線撮影装置と、前記複数のバックライトユニットが独立して点灯するように制御可能な制御部と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、多様な機種に適用可能な放射線撮影装置及び放射線撮影システムを提供することができる。
以下、本発明の好適な実施の形態について図を用いて詳しく説明する。なお、本発明の好適な実施の形態において、放射線には、X線、α線、β線、γ線などの電磁波が含まれる。
[第1の実施形態]
図1は本発明の好適な第1実施形態に係る放射線撮影装置の構成図である。本実施形態の構成は、図9、図12、図13で説明した従来とは、光照射部の構成が相異している。
図1は本発明の好適な第1実施形態に係る放射線撮影装置の構成図である。本実施形態の構成は、図9、図12、図13で説明した従来とは、光照射部の構成が相異している。
以下、本実施形態に係る放射線撮影装置について、図1の構成図を用いて詳細に説明する。
本実施形態に係る放射線撮影装置100は、放射線発生装置101から、被写体102に放射線を照射して、被写体102を透過した放射線をフラットパネル型センサ103で電気信号に変換して読み出すように構成されている。フラットパネル型センサ103のセンサーアレーから出力される電気信号(通常デジタル信号)は、信号処理部104で画像処理などが行われ、モニタなどの表示部105に表示される。ここで、センサーアレーとは、フラットパネル型センサ103の有効画素領域(すなわち、光電変換素子が二次元アレー状に配置されている領域)をいう。
フラットパネル型センサ103の放射線が照射される面の反対の面(被写体102の反対側)に対向して、センサアレーの応答特性を改善するための光照射部106が配置されている。
さらに、制御部107は、フラットパネル型センサ103の駆動、光照射部106の点灯、放射線発生装置101の放射線照射などを制御する。
本実施形態に係る放射線撮影装置100において、光照射部106は、少なくとも以下の構造的な特徴の1つを有する。
(1)複数のバックライトユニット108が平面上に空隙を有して配置されていること。
(2)バックライトユニット108間の空隙には、バックライトユニット108を点灯するための配線が設けられていること。
(3)各バックライトユニット108は、少なくとも、導光板110と、同時に点灯する複数のLEDチップ111で構成されていること。
(1)複数のバックライトユニット108が平面上に空隙を有して配置されていること。
(2)バックライトユニット108間の空隙には、バックライトユニット108を点灯するための配線が設けられていること。
(3)各バックライトユニット108は、少なくとも、導光板110と、同時に点灯する複数のLEDチップ111で構成されていること。
バックライトユニット108を用いることによって、フラットパネル型センサ103の放射線が照射される面の反対の面に対向する位置から、光照射部106がセンサアレーの変換素子に対して光を照射し、電荷トラップによる応答特性の悪化を改善できる。
本実施形態では、バックライトユニット108として、導光板110と拡散材112と反射材113を有し、LED111を端部に設け上面から光を取り出す構成としているが、直下にLED111を配したバックライトユニット108を設けても良い。
本構成に用いられるバックライトユニット108としては、携帯電話、携帯情報端末、液晶ディスプレイに用いられるものを適用可能であるため、コスト的に有利である。また、バックライトユニット108間の空隙に点灯用の配線109を設けているため、装置の薄型化が可能となる。
さらに、異なるサイズのフラットパネル型センサ103に対しては、配列するバックライトユニット108の個数、空隙の長さ等を変更すればよく、異なるサイズのバックライトユニットを別途作製する必要がない。そのため、装置の多様性に対応可能である。すなわち、本実施形態によれば、光応答特性を改善するとともに、従来技術で課題とされていた機種の多様性への対応が可能となる。
制御部108は、複数のバックライトユニット108を撮影前に点灯させても、撮影中に点灯させたままにしてもよい。
また、本実施形態で用いられるフラットパネル型センサ103のセンサアレーの材料としては、アモルファスシリコン、ポリシリコン、結晶シリコン、ガリウム砒素、ガリウムリン、ヨウ化鉛、ヨウ化水銀、CdTe、CdZnTeなどを使用することができる。
さらに、各バックライトユニット108は、フラットパネル型センサ103に直接、接着するなどで固定してもよいし、サポート部材上に配列してもよい。
バックライトユニット108は一定の方向に配列してもよいし、異なる方向で配列してもよい。
また、同じサイズのバックライトユニット108を配列してもよいし、異なるサイズのバックライトユニット108を混在させてもよい。
また、光照射部106は、フラットパネル型センサ103のセンサーアレーとほぼ同じ大きさであることが好ましく、同じ大きさであることがより好ましい。更に好適には、光照射部106内の複数のバックライトユニット108が配置されている領域がフラットパネル型センサ103のセンサーアレーとほぼ同じ大きさであることが好ましく、同じ大きさであることがより好ましい。バックライトユニット108は、フラットパネル型センサ103よりも小さいことが好ましく、例えば、フラットパネル型センサ103の1/2未満、1/4未満、1/9未満等の大きさであることが好ましい。本実施形態では、光照射部106に9つのバックライトユニット108が配置されているが、これに限定されず、2以上の任意の個数のバックライトユニット108を配置することができる。また、バックライトユニット108は、センサーアレーとほぼ同じ大きさになるように可能な限り多く光照射部106に配置されることが好ましく、行方向及び列方向に2次元的に配列されることがより好ましい。
[第2の実施形態]
以下、本発明の好適な第2の実施形態について図を用いて詳しく説明する。図2は、本発明第2実施形態の放射線撮影装置200の構成図である。図1の第1実施形態との相異点は、複数のバックライトユニット108とフラットパネル型センサ103との間に、複数のバックライトユニット108を覆う拡散材201が設けられている点である。拡散材201によって、バックライトユニット108から照射された光を拡散する効果が増し、センサアレーに対してより均一に光を照射することができる。バックライトユニット108は、拡散材201上に直接、接着などで固定されてもよい。また、拡散材201上のバックライトユニット108間の空隙に配線を固定してもよい。
以下、本発明の好適な第2の実施形態について図を用いて詳しく説明する。図2は、本発明第2実施形態の放射線撮影装置200の構成図である。図1の第1実施形態との相異点は、複数のバックライトユニット108とフラットパネル型センサ103との間に、複数のバックライトユニット108を覆う拡散材201が設けられている点である。拡散材201によって、バックライトユニット108から照射された光を拡散する効果が増し、センサアレーに対してより均一に光を照射することができる。バックライトユニット108は、拡散材201上に直接、接着などで固定されてもよい。また、拡散材201上のバックライトユニット108間の空隙に配線を固定してもよい。
[第3の実施形態]
図3は、本発明の第3実施形態に係るセンサアレーの画素断面図を示す。本実施形態において、画素はアモルファスシリコンのMIS型センサとTFTとで構成される。以下、センサアレーの断面構造について説明する。
図3は、本発明の第3実施形態に係るセンサアレーの画素断面図を示す。本実施形態において、画素はアモルファスシリコンのMIS型センサとTFTとで構成される。以下、センサアレーの断面構造について説明する。
各画素のMIS型センサ301はガラスなど光透過性の絶縁性基板302上に、下電極層304、絶縁層305、半導体層306、不純物半導体層307、上電極層308が積層された構成を有する。絶縁層305は、例えば、アモルファスシリコン窒化膜を用いて形成することができる。半導体層306、例えば、アモルファスシリコンを用いて形成することができる。不純物半導体層307は、例えば、n型のアモルファスシリコン層を用いて形成することができる。MIS型センサの下電極層304とTFT303のドレイン電極314は配線層及びコンタクトホールなどで接続される。
スイッチ素子であるTFT303は、ゲート電極層309(下電極)、絶縁層310、半導体層311、不純物半導体層312、ソース電極層313及びドレイン電極層314(上電極)が積層された構成を有する。絶縁層310は、例えば、アモルファスシリコン窒化膜を用いて形成することができる。半導体層311は、例えば、アモルファスシリコンを用いて形成することができる。不純物半導体層312は、例えば、n型のアモルファスシリコン層を用いて形成することができる。
配線部315も下電極層309が形成されない点を除いて、同様にして、絶縁性基板302上に、絶縁層310、半導体層311、不純物半導体層312、配線(上電極)層316が積層された構成を有する。
本構成では、MIS型センサとTFTは層構成が同一であるため、製造方法が簡便であるという特徴がある。
MIS型センサ301及びTFT303の上部には、保護層が317が設けられ、全体を覆っている。保護層317は、例えば、アモルファスシリコン窒化膜やポリイミド等を用いて形成することができる。また、保護層317上に接着層318を介して蛍光体層319が配置されてもよい。蛍光体層319としては、ガドリニウム系又はCsI(ヨウ化セシウム)を柱状に成長させたものなどが用いられる。また、蛍光体層319を用いずに、アモルファスセレンなどの半導体層で直接、放射線を電荷に変換する直接型変換素子を用いてもよい。
続いて、図3のセンサアレーを有するフラットパネル型センサ103の構成について、図4を用いて説明する。
図4に示すように、本実施形態に係るフラットパネル型センサ103を用いた放射線撮影装置は、MIS型センサS11〜S33と薄膜トランジスタ(TFT)T11〜T33を含む画素を二次元に配列したセンサアレーを有する。本実施形態に係る放射線撮影装置は、このような構成でマトリクス駆動を行っている。各画素のMIS型センサの共通電極(図3の上電極308に相当)側には変換時のVsとリフレッシュ動作時のVrとを切り替え可能な電源が接続されている。また、各画素のTFTT11〜T33のゲート電極は共通ゲート線Vg1〜Vg3に接続されており、共通ゲート線は図示しないシフトレジスタなどで構成されるゲート駆動装置に接続される。一方、各TFTT11〜T33のソース電極は共通信号線Sig1〜Sig3に接続され、プリアンプ、アナログマルチプレクサ、バッファアンプ、A/Dコンバータなどで構成される読み出し部で出力信号に変換される。出力信号は、図示しないメモリ、プロセッサなどで構成される画像処理部で処理され、図示しないモニタに出力されるか、又は、ハードディスクなどの記録装置に保管される。
ここでセンサアレーの光応答特性について述べる。フラットパネル型センサに用いられるセンサアレーの感度や残像は、センサアレーに入射した光量の積分値に依存して変化する場合があり、これが応答特性の悪化として画像に影響を与える場合があった。
図5は、本実施形態に係るMIS型センサの光応答特性の例を示す図である。横軸はMIS型センサに入射した光量の積分値、縦軸はMIS型センサの相対感度をそれぞれ示す。
本発明者は、図5に示すようにMIS型センサの相対感度が、入射光量の積分値が増えるにつれて変化し、さらに積分値がある量を超えると相対感度が一定値に達することを実験的に見出した。
すなわち、MIS型センサの相対感度の変動を低減するためには、センサアレーに必ずしも時間的に均一の光を照射する必要はなく、一定の積分値を超える光量を照射すればよい。小領域に分割して光を照射する場合であっても、最終的に一定の積分値を超える光量がセンサアレー全体に入射されていれば、十分に応答特性が改善されることを見出した。
このような特性は、アモルファスシリコンのMIS型センサだけではなく、同じ材料のpin型フォトダイオードや、アモルファスセレンなどの直接変換型のセンサにおいても同様であると考えられる。
図6は、本発明の好適な第3の実施形態に係る放射線撮影装置300の構成図である。本実施形態は、本発明者が見出した上述の光応答特性に基づいて考案されたものである。
図2で示した第2実施形態との相異点は、バックライトユニット108が複数の系列A〜C(グループ)に分割されており、系列A〜Cごとに点灯可能であることである。図2に示すように、LED用電源のスイッチ301により、電源供給を切り替えることによって、系列A〜Cごとにバックライトユニット108を点灯させることができる。
第3実施形態の放射線撮影装置300においては、バックライトユニット108を分割して点灯可能であるため、点灯のための電力を低減することができる。
結果として、本実施形態では、前述第1、第2実施形態に対してさらに、ファンなどの放熱機構や、容量の大きな点灯用電源が不要となり、低コスト、装置の薄型・軽量化が可能となる。
本実施形態では、複数のバックライトユニット108を3つの系列に分割して点灯しているが、分割数はこれより多くても、少なくてもよい。また、動作に応じて、分割数を変化させてもよい。
[第4の実施形態]
図7は本発明の放射線撮影装置を放射線撮影システムに応用した第4実施形態のシステム図である。
図7は本発明の放射線撮影装置を放射線撮影システムに応用した第4実施形態のシステム図である。
本放射線撮影システムの特徴は、以下の点である。すなわち、X線発生源としてのX線チューブ6050で発生したX線6060は、患者あるいは被検体6061の胸部などの観察部分6062を透過し、イメージセンサ6040に入射する。この入射したX線6060には被検体6061の内部の情報が含まれている。X線6060の入射に対応してイメージセンサ6040は電気的情報を得る。この情報はデジタル信号に変換され、イメージプロセッサ6070により画像処理され制御室(コントロールルーム)にある表示部としてのディスプレイ6081で観察可能となる。
画像処理された情報は、電話回線や無線6090等の伝送処理部により遠隔地などへ転送でき、ディスプレイ6081に表示されたり、フィルムなどに出力されたりして、コントロールルームとは別の場所の遠隔地にいる医師が診断することも可能である。このようにして、ドクタールームで得られた情報は、フィルムプロセッサなどの記録部としての記録部6100により光ディスク、光磁気ディスク、磁気ディスクなどの各種記録材料を用いた記録媒体に記録や保存することもできる。また、フィルム又は紙などの記録媒体6110に記録や保存することもできる。
上述したフラットパネル型センサと複数のバックライトユニットで構成される光照射部は、図中6040のイメージセンサ内部に設けられており、A/D変換されたデジタル出力はイメージプロセッサ6070で目的に応じた画像処理などが施される。
なお、図1、図2及び図6に示した制御手段107は、センサアレー103と一体となって配置されてもよいし、例えば、図7に示すイメージプロセッサ6070などのように、通信可能にセンサアレー103の外部に配置されてもよい。
図8は、本実施形態に係る放射線撮影システムの動作を説明するタイミング図である。制御部107(又は6070)は、撮影すなわち被写体102(又は6061)への放射線照射に先駆けて、系列A、系列B、系列Cのバックライトユニット108を順次点灯させる。バックライトユニット108を順次点灯させることにより、センサアレーの応答特性改善に対して十分な積分光量を照射した後に、撮影が開始される。
図8は、連続的に放射線画像を取得する透視用放射線撮影システムの動作タイミングの例であり、光照射の後、放射線照射とセンサアレーの駆動(すなわち読み取り)が交互に連続的に行われる。
また、制御部107(又は6070)は、放射線をパルス状に被写体102(又は6061)に照射するように放射線発生装置101(又は6050)を制御することが、被写体102(又は6061)の動きの影響を低減するために望ましい。
以上のように、本発明の好適な実施の形態によれば、センサアレーのサイズに応じて、光照射手段を別個に作製する必要がなく、多様な機種に適用可能な放射線撮影装置及び放射線撮影システムを提供することができる。また、LEDチップなどの光源の個数を低減することができるため、結果として消費電力を低減することができる。また、これによって装置のコストを抑えることができる。また、放熱機構や、輝度の均一性のための高さを抑えることができ、結果として薄型・軽量の放射線撮影装置を構成することができる。
100 放射線撮影装置
103 センサアレー
106 光照射部
108 バックライトユニット
103 センサアレー
106 光照射部
108 バックライトユニット
Claims (9)
- 放射線を電荷に変換する変換素子を有するセンサアレーと、
前記センサアレーの放射線が照射される面と反対の面に対向して配置された、複数のバックライトユニットを有する光照射部と、
を備えることを特徴とする放射線撮影装置。 - 前記複数のバックライトユニットの各々は、前記光照射部に空隙をもって配置されていることを特徴とする請求項1の放射線撮影装置。
- 前記光照射部と前記センサアレーとの間に前記複数のバックライトユニットを覆う拡散材を有することを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれか1項に記載の放射線撮影装置。
- 前記光照射部の空隙には、前記複数のバックライトユニットの各々を駆動するための配線が配置されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の放射線撮影装置。
- 前記複数のバックライトユニットの各々は、導光板と複数のLEDとを有することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の放射線撮影装置。
- 前記複数のバックライトユニットが独立して点灯するように制御可能な制御部を更に備えることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の放射線撮影装置。
- 前記制御部は、放射線を照射する放射線発生装置を制御可能であることを特徴とする請求項6に記載の放射線撮影装置。
- 前記制御部は、前記放射線発生装置がパルス状の放射線を連続的に照射するように制御可能であることを特徴とする請求項7の放射線撮影装置。
- 請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載の放射線撮影装置と、
前記放射線撮影装置からの信号を処理する信号処理手段と、
前記信号処理手段からの信号を記録する記録手段と、
前記信号処理手段からの信号を表示する表示手段と、
前記信号処理手段からの信号を伝送する伝送処理手段と、
を備えることを特徴とする放射線撮影システム。
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JP2009060954A (ja) * | 2007-09-04 | 2009-03-26 | Shimadzu Corp | 放射線撮像装置 |
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JP2012107886A (ja) * | 2010-11-15 | 2012-06-07 | Fujifilm Corp | 放射線撮影装置、及び放射線撮影システム |
WO2015045239A1 (ja) * | 2013-09-26 | 2015-04-02 | キヤノン株式会社 | 放射線撮像装置及び放射線撮像システム |
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2005
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