JP2007155989A - 液晶装置、液晶装置の製造方法、及び投射型表示装置 - Google Patents

液晶装置、液晶装置の製造方法、及び投射型表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】水分の浸入を良好に防止することで液晶層の劣化を防止し、長寿命化を図った、液晶装置、該液晶装置の製造方法、及び前記液晶装置を備えた投射型表示装置を提供する
【解決手段】対向して配置された一対の基板10,20間に液晶層50が挟持されてなる液晶装置である。一対の基板間10,20は、液晶層50を囲む枠状部80上のシール部により貼り合わされていて、シール部は、一対の基板10,20のうち少なくとも一方の基板20の内面側に形成された枠状部80と、枠状部80に対向する側の基板10の接触面とが表面活性化処理後、直接接合されたことにより形成されている。
【選択図】図3

Description

本発明は、液晶装置、液晶装置の製造方法、及び投射型表示装置に関する。
液晶プロジェクタ等の投射型表示装置の光変調手段として用いられる液晶装置は、一対の基板間に液晶が封止されて構成されている。また、一対の基板の内面側には液晶に電圧を印加する電極が形成され、これら電極の内面側には非選択電圧印加時において液晶分子の配向を制御する配向膜が形成されている。
ところで、液晶プロジェクタに用いられる液晶装置としては、例えば無機材料からなる配向膜を備えたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、一般的に、液晶装置は樹脂等のシール材によって一対の基板間が貼り合わされていて、該シール材によって囲まれた領域に液晶層を保持した構造となっている(例えば、特許文献2,3参照)。
特開平5−203958号公報 特開2004−53815号公報 特開昭62−144142号公報
しかしながら、上述したようにシール材を介して基板間を接合する場合、シール材と各基板との界面から水分が基板間に入り込むおそれがあり、十分な防湿性を備えているとは言えなかった。また、例えばSiO(無機材料)からなる配向膜は、吸湿性が高く水分を付着しやすく、基板間に浸入した水分を吸湿することで、配向膜表面での液晶への配向不良を起こし、表示品質が低下するおそれがある。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、防湿性に優れ、吸湿に起因する表示品質の低下を防止した、液晶装置、該液晶装置の製造方法、及び前記液晶装置を備えた投射型表示装置を提供することを目的とする。
本発明の液晶装置は、対向して配置された一対の基板間に液晶層が挟持されてなる液晶装置において、前記一対の基板間は、前記液晶層を囲む枠状部上のシール部により貼り合わされていて、該シール部は、前記一対の基板のうち少なくとも一方の基板の内面側に形成された前記枠状部と、該枠状部に対向する側の基板の接触面とが表面活性化処理後、直接接合されたことにより形成されたことを特徴とする。
本発明の液晶装置によれば、液晶層を囲む枠状部と該枠状部に対向する基板とが表面活性処理後、直接接合されているので、基板間を接続するに際しシール材を用いていた従来の構成に比べて、防湿性が高くなる。よって、液晶層中に外部の水分が浸入するのを良好に防止し、水分による表示品質の低下が防止されたものとなる。
また、上記液晶装置においては、前記枠状部は、基板の内面側に一体に形成されてなるのが好ましい。
このようにすれば、枠状部が基板の内面側に一体に形成されているので、枠状部と基板との間に界面が形成されることがなく、外部からの水分の浸入をより良好に防止した、防湿性の高い液晶装置となる。
また、上記液晶装置においては、前記一対の基板における前記液晶層側には配向膜がそれぞれ設けられていて、該配向膜は無機材料からなるのが好ましい。
このようにすれば、例えばSiOからなる無機配向膜は吸湿性が高く、付着した水分によって配向不良を引き起こすといった不具合が生じるおそれがあるが、本発明を採用すれば、上述したように水分の浸入を良好に防止しているので、上述した不具合が防止された信頼性の高い液晶装置となる。
また、配向膜が無機材料から形成されているので、耐光性、及び耐熱性を備えた液晶装置となり、この液晶装置を、例えばプロジェクタの光変調装置として好適に採用することができる。
また、上記液晶装置によれば、前記一対の基板は、駆動素子が形成されてなる第1の基板と第2の基板とからなり、前記枠状部は、前記第2の基板側に形成されているのが好ましい。
このようにすれば、第2の基板に前記枠状部を一体に形成する場合、第2の基板には駆動素子が形成されていないので、駆動素子の位置や大きさ等によって基板加工が制限されることがなく、したがって加工をより容易に行うことができる。
また、上記液晶装置によれば、前記枠状部は、前記一対の基板間にてセルギャップに対応する高さとなっているのが好ましい。
このようにすれば、前記枠状部がセルギャップに対応する高さとなっているので、枠状部により正確なギャップ精度を確保した状態で基板間を貼り合わせることが可能となる。
本発明の液晶装置の製造方法は、対向して配置された一対の基板間に液晶層が挟持されてなる液晶装置の製造方法において、前記一対の基板のうちの少なくとも一方の基板の基板材料を用意し、該基板材料に前記液晶層を囲む枠状部を設ける工程と、該枠状部、及び該枠状部に対向する側の基板の接触面に表面活性化処理を施して、それぞれの表面を活性化させる工程と、前記枠状部に囲まれた領域に前記液晶層を設ける工程と、表面活性化処理が施された前記枠状部及び前記接触面を直接接合させる工程と、を備えたことを特徴とする。
本発明の液晶装置の製造方法によれば、表面活性化処理により表面を活性化することで液晶層を囲む枠状部と該枠状部に対向する基板とが直接接合することにより、基板間を接合している。このような構成により、基板間を接続する際にシール材を用いていた従来の構成に比べ、高い防湿性を有し、基板間への水分の浸入に起因する表示品質の低下が防止された液晶装置を提供できる。
また、上記液晶装置の製造方法によれば、前記表面活性化処理において、イオンビーム照射を用いるのが好ましい。
このようにすれば、例えば、常温、真空の条件において基板及び枠状部の表面を活性化できるので、基板接合時に熱膨張係数の違いを考慮する必要がなくなり、異なる材料からなる基板間を接合する場合にも好適に採用できるので、結果として基板材料の選択幅が拡がる。
また、上記液晶装置の製造方法によれば、前記表面活性化処理において、プラズマ処理を用いているのが好ましい。
このようにすれば、プラズマを基板上に照射して基板表面を活性化した後に、大気中で前記基板の貼り付け工程を行うことができる。
本発明の投射型表示装置は、上記の液晶装置、又は上記の液晶装置の製造方法により得られた液晶装置を備えたことを特徴とする。
本発明の投射型表示装置によれば、上述したように、防湿性が高く、表示品質の低下が防止された液晶装置を備えているので、この投射型表示装置自体も信頼性の高いものとなる。
以下、図面を参照して本発明を詳しく説明する。なお、以下の説明に用いる各図面では、各部材を認識可能な大きさとするため、各部材の縮尺を適宜変更している。
(第1実施形態)
まず、本発明の液晶装置の第1実施形態について説明する。なお、この第1実施形態では、本発明の液晶装置を、駆動素子(スイッチング素子)として薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor、以下TFTという)素子を用いた、アクティブマトリクス方式の透過型液晶装置に適用している。
本実施形態の液晶装置は、対向して配置された一対基板間に液晶層が挟持されて構成されたものである。また、前記一対の基板としては、駆動素子が形成されてなる第1の基板と第2の基板とから構成されている。
図1は、本実施形態の液晶装置を構成する第1の基板及び第2の基板の概略構成を示す平面図であり、図1(a)は第1の基板としての素子基板の概略構成を示し、図1(b)は第2の基板としての対向基板の概略構成を示す図である。また、図2は、液晶装置の概略構成を示す側断面図である。なお、図1、及び図2中の符号60は、本実施形態の液晶装置である。
図2に示すように、液晶装置60は、素子基板10と対向基板20とが枠状部80上のシール部により貼り合わされている。シール部は、後述するように対向基板の内面側(液晶層側)に形成された枠状部80と、該枠状部80に対向する側の素子基板の接触面とが表面活性化処理後、直接接合されたことにより形成されたものである。また、前記枠状部80は液晶層50を囲むようにして形成されていて、液晶装置60は前記枠状部80によって基板10,20間に液晶層50を封入したものとなっている。
具体的に、前記素子基板10の中央には、図1(a)に示したように、後述する画素電極等を有した画像作製領域101が形成されている。この画像作製領域101の外側は、前記枠状部80が当接される接触面(図1(a)中、2点鎖線で示される領域)となっている。すなわち、本実施形態では、前記接触面にシール部が構成され、該シール部により素子基板10及び対向基板20の間を接合している。そして、前記シール部は矩形の素子基板10の三辺において、その外周縁に沿って該外周縁部に配設され、残りの一辺において、外周縁より所定距離内側に配設されている。この所定距離内側に配設された部分の中央部には、対向基板20側に設けられた枠状部80と共に液晶注入用の注入口部81が形成されている。なお、この注入口部81は、図示しないものの、後述する液晶注入工程の後、従来の樹脂からなる封口材や、ゾルゲルガラスからなる無機封口材によって基板間に液晶層50を封止している。
シール部の外側には、後述する走査線に走査信号を供給する走査線駆動素子110と、後述するデータ線に画像信号を供給するデータ線駆動素子120とが実装されている。また、前記注入口部81の外側に位置する素子基板10の外周縁部には、多数の外部入力端子70が配設されている。これら外部入力端子70には配線71が接続されており、これら配線71は、前記データ線駆動素子120に接続されている。また、走査線駆動素子110には、図示しない配線により外部入力端子70に接続されている。
また、前記画素作製領域101に設けられた画素電極に電圧を印加するための配線が接続されていて、該配線はシール部を横切ることなく前記注入口部81を通ってシール部によって囲まれた画素作製領域101の外側まで引き回されている。
そして、この注入口部81を形成した側には、基板10、20間を導通させるための第1導通端子72が複数(例えば二つ)形成されている。これら第1導通端子72は、接続配線73を介して前記データ線駆動素子120に導通し、このデータ線駆動素子120を介して前記外部入力端子70と電気的に接続したものとなっている。
一方、図1(b)に示したように対向基板20には、前記画像作製領域101と対応する領域に共通電極21が形成され、さらにブラックマトリクス(図示せず)が形成されている。そして、この共通電極21の外側には前記枠状部80が配設されている。該枠状部80は、具体的には石英からなる基板本体20Aの一方の面がエッチングによってパターニングされたことにより、基板面より突出し、かつ、図1(b)に示したように注入口部81以外において枠状に連続して形成されたもので、その幅(シール幅)が500μm程度に形成されたものである。ここで、この枠状部80は、上述したように対向基板20に一体に形成されたものである。そして、前記枠状部80の上面が素子基板10との接触面において上述したシール部を構成している。
また、液晶注入用の注入口部81を形成した側には、基板10、20間を導通させるための第2導通端子74が複数(例えば二つ)形成されている。これら第2導通端子74は、素子基板10側の前記第1導通端子72にそれぞれ接続し、これによって基板10、20間を導通させるためのもので、図示しない接続配線によって前記共通電極21されていて、この接続配線は前記シール部を横切ることなく、前記注入口部81を通って共通電極21に接続されたものとなっている。
(シール構造)
図3は、本実施形態に係るシール部の構造(以下、シール構造とも呼ぶ)の説明図であり、図1(a)、(b)のB−B線矢視におけるシール構造の側断面図である。上述したように、シール部は対向基板20の内面側にて該対向基板20における基板本体20Aと一体に形成された枠状部80と、該枠状部80に対向する素子基板10の接触面とが表面活性化処理後、直接接合されたことにより一対の基板間を接合するシール構造をなしている。
詳細については後述するが、枠状部80の上面80aが素子基板10の基板本体10Aに突き合わされ、これらの間の接触面がそれぞれ表面活性化処理を施された後に、直接接合することで素子基板10と対向基板20とを固着したものである。なお、直接接合とは、表面活性化処理によって生じた接触面での分子間の共有結合による接着を意味している。
すなわち、素子基板10と対向基板20とは、これらの内面間が接合され、枠状部80の上面80aと素子基板10の基板本体10Aの接触面との間の接触部が分子間で共有結合され接着したことにより、一体に貼り合わされたものとなっている。
この枠状部80は、その高さが、素子基板10と対向基板20との間のセルギャップ(本実施形態では、3μm程度)に一致するように形成されていて、枠状部80が素子基板10に当接することで基板10,20間を所望のギャップ精度で貼り合わせている。
(等価回路)
図4は、液晶装置60の等価回路図である。透過型液晶装置の画像作製領域を構成すべくマトリクス状に配置された複数のドットには、それぞれ画素電極9が形成されている。また、その画素電極9の側方には、該画素電極9への通電制御を行うための駆動素子であるTFT素子30が形成されている。このTFT素子30のソースにはデータ線6aが接続されている。各データ線6aには、前述したデータ線駆動素子から画像信号S1、S2、…、Snが供給されるようになっている。
また、TFT素子30のゲートには走査線3aが接続されている。走査線3aには、前述した走査線駆動素子から所定のタイミングでパルス的に走査信号G1、G2、…、Gmが供給される。一方、TFT素子30のドレインには画素電極9が接続されている。そして、走査線3aから供給された走査信号G1、G2、…、Gmにより、スイッチング素子であるTFT素子30を一定期間だけオンにすると、データ線6aから供給された画像信号S1、S2、…、Snが、画素電極9を介して各ドットの液晶に所定のタイミングで書き込まれるようになっている。
液晶に書き込まれた所定レベルの画像信号S1、S2、…、Snは、画素電極9と前記共通電極21との間に形成される液晶容量で一定期間保持される。なお、保持された画像信号S1、S2、…、Snがリークするのを防止するため、画素電極9と容量線3bとの間に蓄積容量17が形成され、液晶容量と並列に配置されている。このように液晶に電圧信号が印加されると、印加された電圧レベルにより液晶分子の配向状態が変化する。これにより、液晶に入射した光源光が変調されて、画像光が作製されるようになっている。
(平面構造)
図5は、液晶装置の平面構造の説明図である。本実施形態の液晶装置では、素子基板上に、インジウム錫酸化物(Indium Tin Oxide、以下ITOという)等の透明導電性材料からなる矩形状の画素電極9(破線9aによりその輪郭を示す)が、マトリクス状に配列形成されている。また、画素電極9の縦横の境界に沿って、データ線6a、走査線3aおよび容量線3bが設けられている。本実施形態では、各画素電極9の形成された矩形領域がドットであり、マトリクス状に配置されたドットごとに表示を行うことが可能な構造になっている。
TFT素子30は、本実施形態では高温ポリシリコン膜からなる半導体層1aを中心として形成されている。半導体層1aのソース領域(後述)には、コンタクトホール5を介して、データ線6aが接続されている。また、半導体層1aのドレイン領域(後述)には、コンタクトホール8を介して、画素電極9が接続されている。一方、半導体層1aにおける走査線3aとの対向部分には、チャネル領域1a’が形成されている。
(断面構造)
図6は、液晶装置60の断面構造を説明するための要部側断面図であり、図4のA−A’線における矢視側断面図である。図6に示すように、本実施形態の液晶装置60は、素子基板10と、これに対向配置された対向基板20と、これらの間に挟持された液晶層50とを主体として構成されている。素子基板10は、ガラスや石英等の透光性材料(本実施形態では石英)からなる基板本体10A、およびその内側に形成されたTFT素子30や画素電極9、配向膜16などを主体として構成されている。一方の対向基板20は、ガラスや石英等(本実施形態では石英)の透光性材料からなる基板本体(基板材料)20A、およびその内側に形成された共通電極21や配向膜22などを主体として構成されている。また、図示は省略するが、対向基板20には前記枠状部80を備えていて、該枠状部80により液晶層50を囲むことにより、基板10,20間に液晶層50を挟持している。
素子基板10の表面には、後述する第1遮光膜11aおよび第1層間絶縁膜12が形成されている。そして、第1層間絶縁膜12の表面に高温ポリシリコン膜からなる半導体層1aが形成され、この半導体層1aを中心としてTFT素子30が形成されている。半導体層1aにおける走査線3aとの対向部分にはチャネル領域1a’が形成され、その両側にソース領域およびドレイン領域が形成されている。このTFT素子30はLDD(Lightly Doped Drain)構造を採用しているため、ソース領域およびドレイン領域に、それぞれ不純物濃度が相対的に高い高濃度領域と、相対的に低い低濃度領域(LDD領域)とが形成されている。すなわち、ソース領域には低濃度ソース領域1bと高濃度ソース領域1dとが形成され、ドレイン領域には低濃度ドレイン領域1cと高濃度ドレイン領域1eとが形成されている。
半導体層1aの表面には、ゲート絶縁膜2が形成されている。そして、ゲート絶縁膜2の表面に走査線3aが形成されて、チャネル領域1a’との対向部分がゲート電極を構成している。また、ゲート絶縁膜2および走査線3aの表面には、第2層間絶縁膜4が形成されている。そして、第2層間絶縁膜4の表面にデータ線6aが形成され、第2層間絶縁膜4に形成されたコンタクトホール5を介して、そのデータ線6aが高濃度ソース領域1dに接続されている。さらに、第2層間絶縁膜4およびデータ線6aの表面には、第3層間絶縁膜7が形成されている。そして、第3層間絶縁膜7の表面に画素電極9が形成され、第2層間絶縁膜4および第3層間絶縁膜7に形成されたコンタクトホール8を介して、その画素電極9が高濃度ドレイン領域1eに接続されている。さらに、画素電極9を覆うように配向膜16が形成され、非選択電圧印加時における液晶分子の配向を規制しうるようになっている。
なお、本実施形態では、半導体層1aを延設して第1蓄積容量電極1fが形成されている。また、ゲート絶縁膜2を延設して誘電体膜が形成され、その表面に容量線3bが配置されて第2蓄積容量電極が形成されている。これらにより、前述した蓄積容量17が構成されている。
また、TFT素子30の形成領域に対応する基板本体10Aの表面に、第1遮光膜11aが形成されている。第1遮光膜11aは、液晶装置に入射した光が、半導体層1aのチャネル領域1a’、低濃度ソース領域1bおよび低濃度ドレイン領域1cに侵入することを防止するものである。
一方、対向基板20における基板本体20Aの表面には、第2遮光膜23が形成されている。第2遮光膜23は、液晶装置に入射した光が半導体層1aのチャネル領域1a’や低濃度ソース領域1b、低濃度ドレイン領域1c等に侵入するのを防止するものであり、平面視において半導体層1aと重なる領域に設けられている。また対向基板20の表面には、ほぼ全面にわたってITO等の導電体からなる共通電極21が形成されている。さらに、共通電極21の表面には配向膜22が形成され、非選択電圧印加時における液晶分子の配向を規制しうるようになっている。
そして、素子基板10と対向基板20との間には、ネマチック液晶等からなる液晶層50が挟持されている。このネマチック液晶分子は、正の誘電率異方性を有するものであり、非選択電圧印加時には基板に沿って水平配向し、選択電圧印加時には電界方向に沿って垂直配向する。またネマチック液晶分子は、正の屈折率異方性を有するものであり、その複屈折と液晶層厚との積(リタデーション)Δndは、例えば約0.40μm(60℃)となっている。なお、素子基板10の配向膜16による配向規制方向と、対向基板20の配向膜22による配向規制方向とは、約90°ねじれた状態に設定されている。これにより、本実施形態の液晶装置60は、ツイステッドネマチックモードで動作するようになっている。
また両基板10、20の外側には、ポリビニルアルコール(PVA)にヨウ素をドープした材料等からなる偏光板18、28が配置されている。なお各偏光板18、28は、サファイヤガラスや水晶等の高熱伝導率材料からなる支持基板上に装着して、液晶装置60から離間配置することが望ましい。各偏光板18、28は、その吸収軸方向の直線偏光を吸収し、透過軸方向の直線偏光を透過する機能を有する。素子基板10側の偏光板18は、その透過軸が配向膜16の配向規制方向と略一致するように配置され、対向基板20側の偏光板28は、その透過軸が配向膜22の配向規制方向と略一致するように配置されている。
液晶装置60は、対向基板20を光源側に向けて配置される。その光源光のうち偏光板28の透過軸と一致する直線偏光のみが偏光板28を透過して液晶装置60に入射する。
非選択電圧印加時の液晶装置60では、基板に対して水平配向した液晶分子が液晶層50の厚さ方向に約90°ねじれたらせん状に積層配置されている。そのため、液晶装置60に入射した直線偏光は、約90°旋光されて液晶装置60から出射する。この直線偏光は、偏光板18の透過軸と一致するため、偏光板18を透過する。したがって、非選択電圧印加時の液晶装置60では白表示がなされるようになっている(ノーマリーホワイトモード)。
また、選択電圧印加時の液晶装置60では、液晶分子が基板に対して垂直配向している。そのため、液晶装置60に入射した直線偏光は、旋光されることなく液晶装置60から出射する。この直線偏光は、偏光板18の透過軸と直交するため、偏光板18を透過しない。したがって、選択電圧印加時の液晶装置60では黒表示がなされるようになっている。
両基板10、20の内側には配向膜16、22が形成されている。これら配向膜16、22は、特に限定されないものの、本実施形態では無機材料からなる配向膜(無機配向膜)を用いており、耐光性、及び耐熱性に優れたものとなっている。すなわち、本実施形態において配向膜16、22は、SiOやSiO等のシリコン酸化物、またはAl、ZnO、MgOやITO等の金属酸化物等により、厚さ0.01〜0.3μm(好ましくは、0.01〜0.05μm)程度に形成されている。無機配向膜16、22の製造には、イオンビームスパッタ法やマグネトロンスパッタ法等のスパッタ法、蒸着法、ゾルゲル法、自己組織化法などが採用可能であり、中でも蒸着法が好適に採用される。
ここで、上記の無機材料からなる配向膜16,22は、水分を含む雰囲気の下において、その表面にヒドロキシル基(例えばシラノール基:−Si−OH)が形成される。そして、ヒドロキシル基は水和性(水分との親和性)が高いため、配向膜16,22の表面に水分が付着しやすくなるおそれがある。配向膜の表面に水分が付着すると配向膜が劣化することで配向特性が変化し、配向不良を引き起こし、表示品質を低下させるおそれがある。
本実施形態における液晶装置60は、後述する製造方法によって、前記枠状部80と素子基板10との接触面とが表面活性化処理後、直接接合されたシール部により素子基板10と対向基板20との間を接合しているので、従来のシール材を用いて基板間を接合していた場合と比べ、基板とシール材との界面からの水分の浸入が良好に防止されてものとなる。よって、配向膜16,22に水分が付着することがないので水分による配向膜の配向不良を防止し、結果として安定した表示品質を備えたものとなっている。
(液晶装置の製造方法)
次に、液晶装置の製造方法の一実施形態として、前記液晶装置60を製造する工程について説明する。
まず、石英からなる基板本体20Aを用意し対向基板20を形成する。
具体的には、対向基板20を形成するための基板本体20Aに対し、前記枠状部80を形成する。具体的には、フォトリソグラフィ法を用いて前記枠状部を形成する領域に対してレジストマスクを形成し、続いて該レジストマスクを介して基板本体20Aをエッチングによりパターニングする。その後、レジストマスクを除去することにより、図1に示すように枠状部80が一体に形成された対向基板20が形成される。なお、本実施形態における枠状部80は、上述したように、液晶層を注入するための注入口部81を備えたものとなっている。
ここで、レジストマスクの形成については、一般的な露光・現像法を用いてもよいが、特にインクジェット法等の液滴吐出法を用いて行うことで、材料などの無駄を少なくしてより効率的に行うようにしてもよい。なお、このパターニングでは、枠状部80の高さを、素子基板10と対向基板20との間のセルギャップにほぼ一致させるようにして行う。具体的には、枠状部80の高さが3μm程度となるように形成する。そして、前記枠状部80によって囲まれた領域に、この枠状部80の内部に共通電極21やブラックマトリクス(図示せず)を形成し、さらに第2の導通端子74とこれに接続する接続配線(図示せず)を注入口部81を通るようにして配設している。このようにして、対向基板20が形成される。
なお、素子基板10の内面側(液晶層50側)には、無機材料から成る前記配向膜16,22を形成している。このような配向膜16,22を形成するに際しては、例えばイオンビームスパッタ法を採用する場合、予めその下地膜表面に複数の傾斜面を形成しておき、その表面に前記スパッタ法で配向膜を形成することにより、前記複数の傾斜面の形状を配向膜の表面に反映させるようにしてもよい。また、前記スパッタ法で配向膜を形成した後に、所定角度でイオンビームを入射させるイオンミリングを行って、配向膜の表面に所定の方向性を有する凹部を形成してもよい。また、予め配向膜の下地膜表面にイオンミリングを行っておき、次に前記スパッタ法で配向膜を形成し、さらにその表面に再度イオンミリングを行って、配向膜の表面に凹部を形成してもよい。いずれの場合にも、液晶分子に対して所望のプレティルト角を確実に付与することが可能な配向膜を提供することができる。
一方、素子基板10を形成するに際し、前記対向基板20と同様に石英からなる基板本体10Aを用意し、前記画像作製領域101を構成する各構成要素(TFT素子、絶縁膜等)を従来と同様の公知の方法により形成する。そして、対向基板20側に設けられた枠状部80との接触面(図1(a)参照)、すなわちシール部が形成される領域に重ならない位置に各駆動素子110,120と外部入力端子70とを形成し、該駆動素子110,120と外部入力端子70との間を接続する配線71、さらに第1の導電端子72とこれに接続する接続配線73を公知の方法、例えばフォトリソグラフィ法及びエッチング、又はインクジェット法等を用いてそれぞれ形成する。このとき、画素作製領域101における画素電極に接続する、図示しない配線が注入口部81を通るようにして配設される。このようにして、素子基板10を形成している。なお、素子基板10の内面側(液晶層50側)には、前記配向膜16,22が形成されている。
次いで、素子基板10と対向基板20とを貼り合わせる工程を行う。このとき、一般に大気中では基板等の表面は酸素により酸化膜や吸着した水及び有機物分子(汚染物)により覆われた状態となっていて、このような表面層に覆われた表面を接触、接合させても十分な結合力を得ることは難しい。そこで、本発明では前記対向基板20に設けられた枠状部80、及び該枠状部80に対向する側の基板、すなわち素子基板10の接触面(シール部の形成領域)に表面活性化処理を用いて前記表面層を除去し、それぞれの表面を活性化する処理を行う。ここで、表面が活性化された状態とは、基板の表面が周囲の気体分子と反応しやすくなっていることを意味している。
具体的に本実施形態では、表面活性化処理として、イオンビーム照射を用いることで前記表面層を除去し、接触面を表面処理することにより、表面の原子を化学結合しやすい活性な状態にしている。
ここで、本実施形態で行われるイオンビーム照射を用いた表面活性化処理について説明する。本実施形態ではイオンビーム装置を用いている。図7は、本実施形態で用いられるイオンビーム装置SSの概略構成を示す図である。
イオンビーム装置SSは、図7に示すように、接合チャンバSS1内にイオンビーム源SS2を備えていて、該接合チャンバSS1には真空ポンプが接続され、前記接合チャンバSS1内を真空雰囲気にすることが可能となっている。
なお、イオンビームによってスパッタエッチングされた基板の表面は、周囲の気体分子と反応しやすい状態(表面活性化状態)となるため、表面活性化処理後の基板10,20間の位置決め及び接合工程を真空雰囲気中の上記接合チャンバSS1内で行っている。また、このとき使用されるイオンビームとしては、例えばアルゴン等の不活性ガスを用いている。
まず、表面活性化処理を施す対向基板20及び素子基板10を洗浄、乾燥した後、上記接合チャンバSS1内にセットし真空ポンプによって排気し、接合チャンバSS1内を真空状態とする。このとき、前記接合チャンバSS1内は常温となっている。
具体的には、例えば2×10−6Pa程度まで接合チャンバSS1内を真空排気した後、アルゴンビームにより枠状部80、及び素子基板10側の枠状部形成領域をそれぞれスパッタエッチングする。ここで、上記ビームとして、基板の表面に対する入射角約25°、エネルギー約1.4keVのアルゴンビームを60秒程度照射した。
このようにしてスパッタエッチングされた表面は、結合手を持った原子が露出し、他の原子との結合力が大きくなった活性化状態となる。このように表面が活性化された状態のもとで、前記枠状部80と素子基板10との接触面とが直接接合すると、接合面には分子間が共有結合することで素子基板10と対向基板20との間を強固に接合するシール部が構成される。
ここで、上記のイオンビーム装置SSを用いた表面活性化処理では、常温、真空下で基板10,20間を接合できるので、基板接合時に両基板を構成している材料の熱膨張係数の違いによって基板を接合する位置精度等が低下することがない。また、熱処理を行うことなく基板10,20間を良好に接合できるので、熱による基板10,20へのダメージを防止できる。なお、本実施形態では素子基板10、及び対向基板20とも石英から構成されているものの、上記イオンビーム装置SSを用いることで異なる材料からなる基板間も精度よく接合することができ、結果として接合する基板材料として採用できる選択の幅が拡がる。
次いで、貼り合わされた基板10,20間に設けらた液晶注入用の注入口部81から従来と液晶層50を注入する。前記注入口部81から液晶層50を注入した後、注入口部81を従来の樹脂からなる封口材や、ゾルゲルガラスからなる無機封口材によって封止する。このとき、素子基板10と対向基板20とを貼り合わせる際に、素子基板10側に設けられた第1導通端子72と対向基板20側に設けられた第2導通端子74とを接続させることにより、素子基板10と対向基板20との間で導通した状態としている。
このようにして形成されるシール構造を備えた本実施形態の液晶装置60にあっては、表面活性化処理により表面を活性化することで液晶層50を囲む枠状部80と該枠状部80に対向する素子基板10とが直接接合することで基板10,20間が接合されている。よって、従来のシール材を用いて基板間を接合した構成に比べ、水分の外部から浸入を防止できる。よって、水分の浸入に起因する配向膜16,22の表面での液晶層50への配向規制力の変化を防止し、これにより生じる液晶装置の表示品質の低下を防止できる。
また、枠状部80がセルギャップに対応する高さとなるように形成されているので、この枠状部80によってセルギャップが規定されるようになり、したがってギャップ材を不要にすることができる。また、基板10,20間を接合するに際し、有機材料からなるシール材を用いることが無いので、シール材の構成成分が液晶層50に溶出して液晶層50が劣化することがない。さらに、従来のように樹脂等からなるシール材を用いて基板10,20間を貼り合わせた場合、基板貼り合わせ時にシール材が潰れることによりシール材と基板との界面に生じる接着面が拡がっていたが、本発明では対向基板20に形成された枠状部80と素子基板10とをシール部によって接合しているので、枠状部80の幅がシール幅となって素子基板10上のシール領域(シール部)の幅を小さくでき、スペースの有効利用が可能となって素子基板10をより小型化できる。
(他の表面活性化処理)
また、表面活性化処理としては上述したイオンビーム照射の代わりに、プラズマ処理を用いてもよい。
この表面活性化処理として、表面波を伝播させることによりプラズマを生成させる表面波プラズマ(SWP)ダウンフロー処理と反応性イオンエッチング(RIE)処理とを行っている。上記の平面波プラズマを発生される装置としては、図8に示す表面波プラズマ装置ISが用いられる。
図8に示すように、表面波プラズマ装置ISは、導波管IS2から図示しない導入窓を介してチャンバーIS1内にマイクロ波を導入し、チャンバーIS1内に挿入された気体分子を、マイクロ波によって電離・解離させてプラズマを生成する。そして、生成されたプラズマの誘電率がマイクロ波の持つ所定値より大きくなると、マイクロ波がプラズマ中に入り込めなくなって表面波が発生する。この、表面波プラズマは、上記導入窓の付近にしか生成されないので、ダウンフローを効率よく生成することができる。
このような表面波プラズマ装置ISによって、イオンの様なエネルギーの強い荷電粒子を用いることなくエネルギーの低い粒子(例えば、ラジカル等)が多く存在するプラズマ下流域で処理する表面波プラズマダウンフロー処理を行うことができ、基板へのダメージを軽減できる。
このとき、表面処理する基板を保持しているステージIS3には温度調整機構(図示せず)が設けられていて、該温度調整機構によりステージIS3の温度を適宜調整し、基板を150℃程度に加熱した状態で行っている。なお、本表面活性化処理では、上記表面波プラズマダウンフロー処理に加え、上述したように反応性イオンエッチング(RIE)処理も行っている。
次いで、両基板10,20間を貼り合わせる。このとき、表面活性処理された前記枠状部80及び素子基板10の接触面とを大気中で直接接合することによりシール部を形成することができる。なお、基板接合時は、120〜130℃の温度まで基板10,20をそれぞれ加熱した状態の基で行っている。よって、プラズマ処理による表面活性化処理を行うことで、上述したイオンビーム装置による表面活性化処理と同様に基板10,20間を強固に接合できる。
なお、基板10,20間を接合する方法としては、これらの方法に限定されることはなく、例えば何らかの手段により接触面をそれぞれ活性化することにより、接触面において共有結合する方法を用いるようにしてもよい。
(第2実施形態)
次に、本発明の液晶装置の第2実施形態について説明する。本実施形態は、シール部の構成、およびシール構造の形成方法の点において前記第1実施形態と異なっている。具体的に本実施形態では、図9(a)に示すように枠状部180がTFT素子基板10の内面側に設けられていて、かつ該枠状部180に液晶注入用の注入口部を設けていない。なお、第2実施形態中では、前記第1実施形態と同一の構成については、同一の符号を付して説明している。
本実施形態のシール部は、素子基板10側に形成された枠状部180と、該枠状部180に対向する対向基板20の接触面(図9(b)中2点鎖線で示す領域)とが表面活性化処理後、直接接合して形成されている。以下に、本実施形態のシール構造(シール部の構造)を、その製造方法に基づいて説明する。
(シール構造の形成)
このようなシール構造を形成するには、まず、石英からなる基板本体10Aを用意し、該基板本体10Aに枠状部180を形成する。以下に、枠状部180を形成する工程について説明する。
はじめに、図10(a)に示すように、基板本体10A上に公知の方法によりTFT素子、画素作製領域に含まれる画素電極を形成し、該画素電極に接続することで電圧を印加するためのITOからなる配線90を形成する。その後、図10(b)に示すように、SiOからなる酸化膜280を前記配線90上に成膜した後、例えばCMP(機械的化学的研磨)により前記酸化膜280上を平坦化する。そして、平坦化された酸化膜280における画素作製領域の周辺部以外を公知のフォトリソグラフィ法及びエッチングを用いることにより除去する。例えば、図10(c)に示すように、画素作製領域の周辺部以外の酸化膜280上の領域(同図中破線で示される領域)のみを開口させるようにして、レジスト層290を開口し、エッチングを行う。
このような工程により、図10(d)に示すように、平面視した状態で、素子基板10上には、酸化膜280からなる枠状の枠状部180が形成される。なお、この枠状部180には前記実施形態と異なり液晶注入用の注入口が形成されていない。また、このとき、図9に示した外部入力端子70と駆動素子とを接続する配線71、および第1の導電端子72とこれに接続する接続配線73についてもそれぞれ形成しておく。また、本実施形態における枠状部180についても、その高さが3μm程度となっていて、素子基板10と対向基板20との間のセルギャップに対応したものとなっている。これにより、この枠状部180によってセルギャップが規定されるようになり、したがってギャップ材を不要にすることができる。
一方、対向基板20についても、共通電極21やブラックマトリクス(図示せず)を公知の方法により予め基板本体20Aに形成しておき、さらに基板を接合した際に前記第1の導通端子72に接続されることにより、基板10,20間を導通させる第2の導通端子74を形成する。このとき、図示しないが、前記第2の導通端子74と共通電極21との間を接続する配線を形成している。なお、この配線は、素子基板10に形成された枠状部180との接触面、すなわちシール部に露出させることがないように、例えば基板本体20Aの内面に埋め込まれることで前記シール部を横切ることがないように構成されている。
続いて、素子基板10と対向基板20との貼り付け工程を行う。基板10,20間を貼り合わせるに際し、前記第1の実施形態と同様に、枠状部180及び該枠状部180に対向する対向基板20の接触面に表面活性化処理を施して、それぞれの表面を活性化させる。この表面活性化処理としては、イオンビーム処理を用いてもよいしプラズマ処理を用いてもよいが、本実施形態ではイオンビーム処理を採用することがより好ましい。この理由としては、イオンビーム処理の場合には、上述したように常温下で表面を活性化し、基板10,20間を直接接合することができるので、液晶層に熱によるダメージを与えることなく、より信頼性の高い基板接合が可能となるからである。
ここで、本実施形態においては、前記枠状部180に液晶注入用の注入口を設けていないことから、前記枠状部180によって囲まる領域に液晶層50を配置した後、基板10,20間を貼り合わせるようにしている。このような工程により、封入口の無い枠状部180から構成されたシール部によって基板10,20間に液晶層50を封入することができる。
本実施形態の液晶装置によれば、上記第1実施形態の液晶装置60と同様の効果に加え、枠状部180が液晶注入口を備えない、いわゆる封入口レスの液晶装置となっているので、外部からの水分の浸入がより良好に防止された防湿性の高いものとなる。
なお、本発明は前記実施形態に限定されることなく、本発明の要旨を逸脱しない限り種々の変更が可能である。例えば、前記第1実施形態では、枠状部80を対向基板20(基板本体20A)側のみに形成したが、素子基板10側にも枠状部を形成し、対向基板20側の枠状部と素子基板10側の枠状部とを合わることで、本発明における枠状部とし、これらの接触面でシール部を構成してもよい。
また、前記実施形態ではスイッチング素子としてTFTを備えた液晶装置を例にして説明したが、スイッチング素子として薄膜ダイオード(Thin Film Diode)等の二端子型素子を備えた液晶装置に本発明を適用することもできる。さらに、前記実施形態では透過型液晶装置を例にして説明したが、反射型液晶装置に本発明を適用することもできる。また、前記実施形態ではTN(Twisted Nematic)モードで機能する液晶装置を例にして説明したが、VA(Vertical Alignment)モードで機能する液晶装置に本発明を適用することもできる。
(プロジェクタ)
次に、本発明の投射型表示装置の一実施形態であるプロジェクタについて、図11を用いて説明する。図9は、プロジェクタの要部を示す概略構成図である。このプロジェクタは、前述した各実施形態に係る液晶装置を光変調手段として備えたものである。
図11において、810は光源、813、814はダイクロイックミラー、815、816、817は反射ミラー、818は入射レンズ、819はリレーレンズ、820は出射レンズ、822、823、824は本発明の液晶装置からなる光変調手段、825はクロスダイクロイックプリズム、826は投射レンズである。光源810は、メタルハライド等のランプ811とランプの光を反射するリフレクタ812とからなる。
ダイクロイックミラー813は、光源810からの白色光に含まれる赤色光を透過させるとともに、青色光と緑色光とを反射する。透過した赤色光は反射ミラー817で反射されて、赤色光用光変調手段822に入射される。また、ダイクロイックミラー813で反射された緑色光は、ダイクロイックミラー814によって反射され、緑色光用光変調手段823に入射される。さらに、ダイクロイックミラー813で反射された青色光は、ダイクロイックミラー814を透過する。青色光に対しては、長い光路による光損失を防ぐため、入射レンズ818、リレーレンズ819および出射レンズ820を含むリレーレンズ系からなる導光手段821が設けられている。この導光手段821を介して、青色光が青色光用光変調手段824に入射される。
各光変調手段822、823、824により変調された3つの色光は、クロスダイクロイックプリズム825に入射する。このクロスダイクロイックプリズム825は4つの直角プリズムを貼り合わせたものであり、その界面には赤光を反射する誘電体多層膜と青光を反射する誘電体多層膜とがX字状に形成されている。これらの誘電体多層膜により3つの色光が合成されて、カラー画像を表す光が形成される。合成された光は、投射光学系である投射レンズ826によってスクリーン827上に投影され、画像が拡大されて表示される。
前述したプロジェクタは、前記各実施形態の液晶装置を光変調手段として備えている。上記各実施形態の液晶装置60は、耐光性および耐熱性に優れた無機配向膜を備えているので、光源から照射される強い光や熱により配向膜が劣化することはない。また、基板10,20間が防湿性の高い上記シール部により接合され、水分の浸入による配向規制力の変化に起因する表示品質の低下が防止された液晶装置を備えているので、プロジェクタ自体の信頼性が向上する。
なお、本実施形態では3板式の投射型表示装置(プロジェクタ)を例にして説明したが、単板式の投射型表示装置や直視型表示装置に本発明を適用することも可能である。
(a)は素子基板の平面図、(b)は対向基板の平面図である。 液晶装置の概略構成を示す側断面図である。 シール構造を説明する図である。 液晶装置の等価回路図である。 液晶装置の平面構造の説明図である。 液晶装置の断面構造の説明図である。 イオンビーム装置の概略構成図である。 プラズマ処理装置の概略構成図である。 (a),(b)は、第2実施形態の素子基板及び対向基板の平面図である。 素子基板の製造工程説明図である。 プロジェクタの要部を示す概略構成図である。
符号の説明
10…素子基板(第1の基板)、10A…基板本体(基板材料)、16…配向膜、20…対向基板(第2の基板)、20A…基板本体(基板材料)、22…配向膜、50…液晶層、60…液晶装置、80…枠状部

Claims (9)

  1. 対向して配置された一対の基板間に液晶層が挟持されてなる液晶装置において、
    前記一対の基板間は、前記液晶層を囲む枠状部上のシール部により貼り合わされていて、
    該シール部は、前記一対の基板のうち少なくとも一方の基板の内面側に形成された前記枠状部と、該枠状部に対向する側の基板の接触面とが表面活性化処理後、直接接合されたことにより形成されたことを特徴とする液晶装置。
  2. 前記枠状部は、基板の内面側に一体に形成されてなることを特徴とする請求項1に記載の液晶装置。
  3. 前記一対の基板における前記液晶層側には配向膜がそれぞれ設けられていて、該配向膜は無機材料からなることを特徴とする請求項1又は2に記載の液晶装置。
  4. 前記一対の基板は、駆動素子が形成されてなる第1の基板と第2の基板とからなり、前記枠状部は、前記第2の基板側に形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の液晶装置の製造方法。
  5. 前記枠状部は、前記一対の基板間にてセルギャップに対応する高さとなっていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の液晶装置。
  6. 対向して配置された一対の基板間に液晶層が挟持されてなる液晶装置の製造方法において、
    前記一対の基板のうちの少なくとも一方の基板の基板材料を用意し、該基板材料に前記液晶層を囲む枠状部を設ける工程と、
    該枠状部、及び該枠状部に対向する側の基板の接触面に表面活性化処理を施して、それぞれの表面を活性化させる工程と、
    前記枠状部に囲まれた領域に前記液晶層を設ける工程と、
    表面活性化処理が施された前記枠状部及び前記接触面を直接接合させる工程と、
    を備えたことを特徴とする液晶装置の製造方法。
  7. 前記表面活性化処理において、イオンビーム照射を用いることを特徴とする請求項5に記載の液晶装置の製造方法。
  8. 前記表面活性化処理において、プラズマ処理を用いていることを特徴とする請求項5に記載の液晶装置の製造方法。
  9. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の液晶装置、又は請求項6〜8のいずれか一項に記載の液晶装置の製造方法により得られた液晶装置を備えたことを特徴とする投射型表示装置。


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