JP2007154972A - 自動変速機のセレクトアシスト装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 セレクトレバーとセレクト位置切換装置の機械的連結によりフェール時のレンジ切り換え操作を可能にしつつ、セレクトレバーの小型化によるレイアウト自由度の拡大を図ることができ、しかも要求に応じたセレクトレバー操作力特性を得ることができる自動変速機のセレクトアシスト装置を提供する。
【解決手段】 コントローラ3は、位置センサ61の検出結果からセレクトレバー11の操作速度を演算する擬似微分部35と、セレクトレバー11の操作速度の演算結果を減少させずにピークホールドするピークホールド部37と、セレクトレバー11の操作速度の演算結果が予め設定した閾値を越えると、セレクトレバー11の操作速度を減速させるよう制御する加算器33とを備えた。
【選択図】 図3

Description

本発明は、自動変速機を備えた車両において、ドライバのセレクトレバーの操作に応じて、自動変速機のセレクト位置を制御で切り換える自動変速機のセレクトアシスト装置の技術分野に属する。
従来、自動変速機のセレクトレバーは、ロッドやケーブル等の操作力伝達手段を介して自動変速機のマニュアルバルブと機械的に連結されている。セレクトレバーに入力されるドライバの操作力は、操作力伝達手段を介してマニュアルバルブに伝達され、操作量に応じてセレクト位置が切り換えられる(例えば、特許文献1参照)。
一方、セレクトレバーとマニュアルバルブとが電気的に接続された、いわゆるシフトバイワイヤ技術を用いたものが知られている。この従来技術は、マニュアルバルブを作動するアクチュエータを設け、セレクトレバーの回動操作を電気信号に変化してアクチュエータを駆動することにより、セレクト位置を切り換えるものである(例えば、特許文献2参照)。
特開平9−323559号公報 特開2003−97694号公報
セレクトレバーの操作時には、操作力伝達手段のフリクション、ディテントの抵抗等、機械的な操作反力が発生するため、大きな操作力が要求される。よって、ドライバの必要操作力を小さくするために、セレクトレバーの長さを十分な梃子力が得られる長さに設定する必要がある。
したがって、上記従来技術のうち前者にあっては、セレクトレバーの長さに起因して形状が大きくなるため、設置場所に制約が多く、車室内におけるレイアウト自由度が低いという問題があった。
一方、後者では、アクチュエータの採用によってセレクトレバーを短く設計でき、前者と比較してレイアウト自由度は高くなる。ところが、セレクトレバーとマニュアルバルブとが機械的に連結していないため、フェール時にレンジ切り換えが不能となる。
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、その目的とするところは、セレクトレバーとセレクト位置切換装置の機械的連結によりフェール時のレンジ切り換え操作を可能にしつつ、セレクトレバーの小型化によるレイアウト自由度の拡大を図ることができ、しかも要求に応じたセレクトレバー操作特性を得ることができる自動変速機のセレクトアシスト装置を提供することにある。
上述の目的を達成するため、本発明に記載の自動変速機のセレクトアシスト装置では、セレクトレバーと自動変速機のセレクト位置切換装置とがセレクト操作力伝達系により連結され、前記セレクト操作力伝達系にはドライバによるセレクト操作力をアシストするアシストアクチュエータが設けられた自動変速機のセレクトアシスト装置において、前記アシストアクチュエータの駆動を制御するアシスト制御手段を設け、前記アシスト制御手段で制御に用いる速度の演算結果は、減少方向の値の変化を抑制する、ことを特徴とする。
本発明では、セレクトレバーとセレクト位置切換装置の機械的連結を保持しつつ、ドライバのセレクトレバーの操作に応じて自動変速機のセレクト位置切換装置の切り換えを制御駆動で行うことにより、フェール時のレンジ切り換え操作の確保と、セレクトレバーの小型化によるレイアウト自由度の拡大を共に達成できる。
以下に、本発明の自動変速機のセレクトアシスト装置を実現する実施の形態を、実施例に基づいて説明する。
まず、構成を説明する。
図1は実施例1の自動変速装置の構成を示す側面図、図2はセレクト部の細部構造を示す要部斜視図である。
実施例1の自動変速装置は、図1に示すように、セレクト部1、アシストアクチュエータ2、コントローラ3、コントロールケーブル4、自動変速機5を主要な構成としている。
セレクト部1は、セレクトレバー11、セレクトノブ12、第1回転部13(第1連結部材に相当する)、チェック機構部14、ウォームホイール16、第2回転部17(第2連結部材に相当する)、ケーブル取付レバー18、支点軸19からなる。
セレクトレバー11は、運転席から操作可能な位置に設けられ、セレクトレバー11の先端には、セレクト操作時にドライバが把持するためのセレクトノブ12が付設されている。セレクトレバー11は、第1回転部13に取り付けられ、第1回転部13は支点軸19を中心に回動操作される。結果的にセレクトレバー11は、回動操作可能となる。セレクトレバー11は、従来の一般的なセレクトレバーよりも250mm短い100mmに設定されている。
さらに、支点軸19には、回転自在に第2回転部17を設ける。第2回転部17は、第1回転部13と同軸となるが、相対回転可能な構造にする。
第2回転部17の一端側には、ウォームホイール16を設け、このウォームホイールと反対側には、ケーブル取付レバー18を設ける。このケーブル取付レバー18にコントロールケーブル4の端部を取り付け、反対側の端部を自動変速機5の制御アーム51に取り付ける。
同じ回転軸(支点軸19)に対して相対回転が可能な第1回転部13と第2回転部17において、第1回転部13には、円周方向に対して所定の長さである遊び溝131を設ける。第2回転部17には、遊び溝131内に位置するよう突起171を設ける。これにより、第1回転部13と第2回転部17の相対回転は遊び溝131の間を突起171が移動できる範囲となる。(第1回転部13の遊び溝131と第2回転部17の突起171で相対変位許容連結機構である遊び連結機構を構成する)
アシストアクチュエータ2は電動モータであり、その出力軸には、ウォーム21を設けて、ウォームホイール16と係合させてウォームギアを構成し、アシストアクチュエータ2により第2回転部17を回転駆動させる構造にする。
さらに、支点軸19の部分には、第1回転部13に対する第2回転部17のストローク角度、もしくは、第2回転部17に対する第1回転部13のストローク角度を検出する位置センサ6(相対変位量検出手段に相当する)を設ける。
さらに、支点軸19の部分には、固定部材に対する第1回転部13のストローク角度を検出する位置センサ61(操作位置検出手段に相当する)を設ける。
さらに、第1回転部13のセレクトレバー11の反対側には、チェック機構部14を設けている。チェック機構部14は、第1回転部13から外周側に突出させたピン141と、ピン141に係合する溝部142からなる。ピン141は詳細には図示しないが内部から先端を突出方向にバネで付勢する構造である。このピン141の先端を溝部142に係合させる。溝部142は、5つのレンジ(P・R・N・D・L)に対応した谷部142aを形成するよう波形状にしたものである(図には、省略して4つの溝を示している)。このチェック機構部14により、選択されたセレクト位置が保持されるようにし、操作を伴わない例えば車両の振動等に起因する意図しないレンジセレクトの入力を防止する。
コントローラ3(アシスト制御手段に該当する)は、検出された相対位置に基づいて、アシストアクチュエータ2の指令値を設定し、電動モータの出力デューティ比をPWM制御する。
図3にコントローラ3の制御ブロック図を示す。
セレクト部1において、レンジ切り換え操作されたセレクトレバー11のストローク変化は、第1回転部13と第2回転部17の相対回転変化となり、遊び溝131と突起171との相対変位量の変化となる。この相対回転の変化は位置センサ6で検出され、コントローラ3へ出力される。
また、セレクトレバー11のストローク変化は、固定部材に対する第1回転部13の回転変化となる。この回転変化は位置センサ61で検出され、コントローラ3へ出力される。
コントローラ3は、AD変換部31、フィードバック制御部32、加算器33、AD変換部34、擬似微分部35、乗算器36、ピークホールド部37、モータ駆動制御部38を主要な構成としている。
AD変換部31は、位置センサ6で検出する相対変位量をデジタル信号へ変換する。
フィードバック制御部32は、位置センサ6で検出した相対変位量を偏差入力として、偏差入力を小さくするようフィードバック制御による駆動指令値を演算し加算器33へ出力する。
加算器33は、フィードバック制御部32の出力からピークホールド部37の出力を減算して、駆動指令値としてモータ駆動制御部38へ出力する。
なお、加算器33は、ピークホールド部37の出力が所定の閾値より小さい場合には、減算しないようにする。
AD変換部34は、位置センサ61で検出する操作位置をデジタル信号へ変換する。
擬似微分部35は、位置センサ61で検出した操作位置を擬似微分演算して、操作速度を演算する。
乗算器36は、操作速度値に予め設定されたゲインを乗算する。
なお、このゲインの特性によって、所定の速度以上の速度値にゲインを乗算する。
ピークホールド部37は、操作速度にゲインを乗じたもののピークホールドを行い、さらに高い値が入力されるまでは、それまでで最も高い値を保持し、出力するようにする。
モータ駆動制御部38は、駆動指令値に従って、アシストアクチュエータ2を駆動する。
次に、自動変速機5のディテント構造について説明する。
図4は、自動変速機5のディテント構造を示す斜視図である。
制御アーム51には回転シャフト52が設けられ、この回転シャフト52にディテントプレート53が支持されている。ディテントプレート53の上端には、カム山53aの間に5つのレンジ(P・R・N・D・L)に対応した谷部53bが形成されている。そして、この谷部53bにバネ板54の先端に形成されたディテントピン55を係合させ、選択されたセレクト位置を保持することにより、車両の振動等に起因する意図しないレンジセレクトを防止している。
すなわち、アシストアクチュエータ2の作動力又はセレクトレバー11の操作力により回転シャフト52が回動し、この回動に応じてディテントプレート53がディテントピン55に対して相対移動する。このとき、ディテントピン55がカム山53aを乗り越えて隣のレンジに対応した谷部53bと係合し、係合状態がバネ板54の弾性力により保持される。この弾性力がセレクト操作する際の主要な負荷力となる。
なお、ディテントプレート53には、パーキングロッド56の一端が回動自在に連結されている。このパーキングロッド56は、セレクトレバー11をPレンジに移動させたとき、カム状プレート57を介してパーキングギア58の回転を阻止し、図外の駆動輪をロックするものである。これにより、勾配路上にPレンジで車両を駐車したとき、勾配に応じて駆動輪をロックするように車重負荷が加わり、パーキングロッド56を咬む力として作用する。
実施例1では、自動変速機5とセレクト部において、それぞれディテント力(チェック力)が働くようにしている。
次に作用を説明する。
[自動変速機のセレクト位置制御処理]
図5は、コントローラ3で実行されるセレクト位置制御処理の基本処理の流れを示すフローチャートである。
ステップS1では、位置センサ6からの相対位置変位量信号を入力して、相対位置の変位量を読み込む。
ステップS2では、読み込んだ相対位置から、相対位置の中点からの偏差を演算する。
ステップS3では、相対位置の中点からの偏差から、モータトルク指令値を設定する。
ステップS4では、モータトルク指令値に従ってアシストアクチュエータ2の電動モータを駆動する。
[自動変速機の操作反力特性]
図6は、P→Rレンジ方向におけるアシストアクチュエータ2の出力軸に発生する操作反力、及び連結状態においてセレクトノブ12に発生する操作反力を示す特性図である。この操作反力特性は、出力軸における操作反力[N]及びセレクトレバー11における操作反力[N]をセレクトレバー11の操作位置(ストローク角度)と対比させたものである。
なお、セレクトレバー11の操作力が自動変速機5へ伝達される場合には、セレクトレバー11における操作反力は、上述したセレクト部1におけるディテントで発生する負荷力に機構の摩擦力等を合成したものである。よって、レンジ切り換え制御中、レンジ切り換え操作を行う場合には、この操作反力以上の手動操作を必要とする。
また、アシストアクチュエータ2の電動モータの出力軸における操作反力は、上述した自動変速機5のディテントで発生する負荷力に、コントロールケーブル4の摩擦力、電動モータのイナーシャ等を合成したものである。よって、アシストアクチュエータ2によるレンジ切り換えは、この操作反力以上の駆動力が必要となる。
図6に示すように、セレクトレバー11をP→Rレンジ方向に操作したときに発生する操作反力は、各レンジ間において、初めにセレクトレバー11の操作方向、又はアシストアクチュエータ2の駆動方向と逆方向(D→Nレンジ方向)に発生し、ピーク後に向きを変えて操作方向と同一方向(P→Rレンジ方向)に発生し、レンジ切り換え位置(停止位置)付近でゼロに収束した状態となる。この特性は、ディテントピン55又はピン141が、カム山53a又は溝部142のカム山を乗り越える際に発生する負荷力に起因している。すなわち、ディテントピン55又はピン141がカム山53a又は溝部142のカム山を乗り越えるまでは、バネ板54又はピン141を付勢する図示しないバネの付勢力により抵抗力が発生し、ディテントピン55又はピン141がカム山53a又は溝部142のカム山を乗り越えた後は、ディテントピン55又はピン141が次のカム山53aの溝又は溝53bに落ち込んで引き込み力(慣性力)が発生するためである。
[自動変速機のレンジ切り換え制御]
実施例1の自動変速機のセレクトアシスト装置では、操作前の状態の例として、第1回転部13と第2回転部17は非連結状態であり、遊び溝131内において、突起171は相対位置が中点の位置、つまり、どちらの操作方向に対しても余裕分を有する状態となっている(図8(a)参照)。
この状態から、例えばセレクトレバー11を操作し始めると、この遊び溝131と突起171の相対変位量が変化する。しかし、非連結状態における位置範囲内であるので、コントロールケーブル4に動きはない。この相対変位量の変化は、位置センサ6で検出され、駆動指令部32でその相対位置の偏差に応じたモータ駆動制御指令値が設定されて、アシストアクチュエータ2の電動モータが駆動される。アシストアクチュエータ2の駆動出力は、ウォーム21によりウォームホイール16に伝達され、第2回転部17が回転し、コントロールケーブル4を介して自動変速機5の制御アーム51が駆動されて自動変速機のセレクト位置が切り換えられる。
なお、第2回転部17の回転によりコントロールケーブル4が進退することにより、遊び溝131と突起171の相対位置は、中点近傍に復帰する。
つまり、PID制御演算部35の制御により相対位置変位量を、相対位置の中点近傍に保持することにより、図8(a)〜(c)に示すようにセレクトレバー11の操作による動きに追従させて自動変速機の制御アーム51を駆動して、セレクト位置を切り換えることになる。
この動きは、あたかもセレクトレバー11と自動変速機5の制御アーム51がコントロールケーブル4で接続されているかのような動きとなる。
なお、例として、PレンジからRレンジに移動させる際の相対位置の変化状態を図7に示す。セレクトレバー11に入力される角度を操作角、制御アーム51の角度を作動角とした場合、操作角と作動角の関係は、非連結状態を保ちつつ図7に示すような状態となる。つまり、制御開始当初は、操作角に対して作動角が遅れて追従し、ディテントによる次レンジへの吸い込み力によって、制御後半は、操作角に対して作動角が先行するのである。
[操作フィーリングの向上作用]
実施例1では、上記に説明したように通常の制御が行われている場合、第1回転部13の遊び溝131と、第2回転部17の突起171の相対位置が中点に保たれるため、操作の途中で、第1回転部13と第2回転部17が機械的伝達系として接続して、そのショックがセレクトレバー11に伝達されて操作フィーリングを低下させてしまうことがない。
これにより、実施例1における操作フィーリングは、セレクト部1のチェック機構部14のみによって生成されることになる。よって、溝部142とピン141におけるカム山の形状、大きさ、ばねの強さ等を、従来に対して小さいセレクトレバー11の軽い操作フィーリングを非常に良好にする構成にできるのである。
[急な坂道における発進時の操作フィーリングの向上作用と小型軽量化]
急な坂道を発進しようとしてPレンジからDレンジへセレクト操作する場合には、パーキングロッドを引き抜く力が大きくなるため操作力が重くなる。本実施例1の自動変速機のセレクトアシスト装置では、このように負荷が大きい場合には、遊び溝131の端部に突起171が当接する、つまり遊び機構における遊び量がない状態となってドライバのセレクトレバー11へ入力される操作力が第2回転部17、コントロールケーブル4に伝達され、これにアシストアクチュエータ2の電動モータのアシスト力を加算してパーキングロッド56を引き抜くため、操作フィーリングとしては軽い操作となり、システムとしては、電動モータの定格を小さくできシステムの小型軽量化となる。
[急激なシフト操作における操作フィーリングの向上作用とコスト低減作用]
本実施例1の自動変速機のセレクトアシスト装置において、急激なセレクト操作をした場合には、遊び溝131の端部に突起171が当接する、つまり遊び機構における遊び量がない状態となってドライバのセレクトレバー11へ入力される操作力が第2回転部17、コントロールケーブル4に伝達され、これにアシストアクチュエータ2の電動モータのアシスト力が加算される。よって、操作フィーリングとしては軽快な操作となり、システムとしては、電動モータへの応答性の要求が緩和され、モータの定格小型化となる。
[セレクトレバーと自動変速機の制御アームの機械的連結]
さらに、実施例1において、フェール時には、セレクトレバー11を、非連結状態の位置範囲を超えて操作すれば、その操作方向において、可動量つまり遊び量がなくなり、連結状態となって、コントロールケーブル4を介して、その操作力によって、自動変速機5の制御アーム51を操作することができる。
次に作用を説明する。
[ダンピング制御について]
実施例1の自動変速機のセレクトアシスト装置において、考案したコントローラのブロック図を図9に示す。
図9に示すブロック図では、位置センサ6で検出する相対変位量を偏差入力として、この相対変位量を小さくするようにフィードバック制御による駆動指令値を出力する。つまり、基本的にはフィードバック制御により、上記図8について説明したように、セレクトレバー11の側に、自動変速機5の側を追従させる。
さらに、図9に示すブロック図による制御では、位置センサ61で検出する操作位置から、操作位置の速度を演算し、図6、図7で説明したように、セレクトレバー11のピン141が溝部142のチェック山を越えたことにより引き込まれる。また、自動変速機5のディテント機構において、ディテントピン55がカム山53aを乗り越えたことにより引き込まれる。
この吸い込み領域において、操作位置を微分演算した速度情報に応じて、アシストアクチュエータ2の出力を減少させるダンピング制御を行っている。
図10は、位置センサ61の出力値、速度情報、ダンピング値を示す説明図である。
位置センサ61は、コストを抑制したポテンショメータを用いている。この位置センサ61の出力は、図10の線p1に示す通りであり、この位置センサ61の出力から速度情報を演算で取り出したものが図10の線p2に示すものである。
演算により得た、この速度情報は精度が荒く、ダンピングゲインを乗じると図10の線p3に示すように振動したものとなる。この情報をそのまま制御に用いると、この信号に応じたアシストアクチュエータ2の駆動となり、それがセレクトレバー11を解してドライバの手に伝わるため、操作フィーリングが低下する。よって、速度抑制のためにダンピング制御におけるダンピングゲインをさらに上げたい場合に、さらにゲインを上げると振動の振幅が大きくなり、セレクトレバー11上の振動になってしまう。
実施例1では、位置センサ61の分解能を上げるようなコストの増大まねくことなく、現状の分解能において、この問題を解決している。
[速度フィードバックを含むフィードバック制御の処理]
図11は、実施例1の自動変速機のセレクトアシスト装置のコントローラで実行される速度フィードバックを含むフィードバック制御の処理の流れを示すフローチャート図で、以下、各ステップについて説明する。
なお、速度フィードバックを含むことによりダンピング制御が実行されるものである。また、以下説明は、図5における説明と重複する部分があるが、図5では、基本的な制御処理の流れを説明するものであり、図11は実施例1の特徴を充分に説明するものである。
ステップS11では、位置センサ6,61から、相対変位量、操作位置のセンサ値を入力し、ステップS12へ進む。
ステップS12では、相対変位量を偏差入力とするフィードバック制御演算を例えばPID制御演算により演算し、駆動指令値を出力し、ステップS13へ進む。
ステップS13では、操作位置を擬似微分することにより、操作速度を演算し、ステップS14へ進む。
なお、以下のステップS14,S15,S16を速度フィードバック値の演算部とする。
ステップS14では、操作速度にゲインを乗じて、速度フィードバック値を演算する。damp_val=speed×Kdと、ステップ内には表現する。
ステップS15では、速度フィードバック値と、それまでの速度ピークホールド値を比較し、速度ピークホールド値より速度フィードバック値が大きいならばステップS16へ進み、速度ピークホールド値が速度フィードバック値以上であるならばステップS17へ進む。このステップS15の比較判断をステップ内では、damp_hold<damp_valで表現する。
ステップS16では、速度ピークホールド値を更新する。つまり、この時点の速度フィードバック値を新たに速度ピークホールド値となるように、記憶等の処理を行う。ステップ内では、damp_hold=damp_valで表現する。
ステップS17では、PID制御演算による駆動指令値から、速度フィードバック値、つまり速度ピークホールド値を減算して、駆動指令値を演算して、出力する。ステップ内では、Duty=PID結果−速度FB値(damp_hold)で表現する。
ステップS18では、出力された駆動指令値に従って、アシストアクチュエータ2が駆動される。
[ピークホールド作用]
実施例1の自動変速機のセレクトアシスト装置では、ステップS16の処理により、速度フィードバック値のピークホールド処理が行われる。
つまり、フィードバック制御分から速度フィードバック値を減算する処理が、加算器33によりステップS17の処理で行われる際に、この速度フィードバック値は、速度の加算方向にのみ値を更新し、減算を行わないようにする。
このピークホールド処理により、速度フィードバック値は、上限のみが更新されていくものとなるため、減少する変化がなくなり、速度フィードバック値は振動的な変化をしなくなる。そのため、最終的な駆動指令値の出力も振動的な動きをしなくなる。
よって、駆動指令値は安定し、アシストアクチュエータ2は振動的な動きを生じないため、ドライバへ違和感を与えることがなくなる。
さらに、本作用について説明を加える。実施例1では、操作目標であるレンジ位置の安定点、つまり、ディテント機構やチェック機構における谷、言い換えると溝の底に向かって、山の頂点から下がっていく際に、速度に応じて、アシスト力を減らす制御である。
この速度に比例する減算分は、粘性の概念に近いものとなり、ディテント機構及びチェック機構において、山から加速して谷底へ向かう動きに粘りを持たせることになる。
このことは、速度が速くなり過ぎることによる弊害、例えば、目標のレンジ位置を跳び越しやすくしてしまう。あるいは、目標のレンジ位置付近で往復して、位置が安定するまでの時間がかかる。遊び溝131と突起171の許容相対変位量の限界になりやすくなる。などの機械的な効果だけでなく、セレクトレバー11を介して、ドライバが感じる操作感を良好にするものである。
つまり、操作を速くしすぎても安心できる適度な抵抗感を得ることができるのである。
また、実施例1のセレクトアシスト制御では、操作位置及び作動位置が目標のレンジ位置に近づくことによる相対変位量の減少が、停止閾値に達することにより、または停止閾値内に一定時間以上となることにより、制御停止が行われる。そのために、速度フィードバック量は、この停止判定時まで、ピークホールドするようにすればよい。
次に効果を説明する。
本実施の形態の自動変速機のセレクトアシスト装置にあっては、次に列挙する効果を得ることができる。
(1)セレクトレバー11は従来のセレクトレバーよりも車室内空間への突出量が150mm程度少なく、さらに、セレクトレバー11と制御アーム51は遊び量を持ってコントロールケーブル4を介して連結されているため、従来品よりも車室内レイアウトの自由度が大きく、インストルメントパネル等、車室内の任意箇所にセレクトレバー11を設定できる。
また、セレクトレバー11と制御アーム51がコントロールケーブル4によって、遊び量を有して機械的に連結されているため、アシストアクチュエータ2やコントローラ3がフェールした場合でも、ドライバは手動でセレクト位置を切り換えることができる。
また、第1回転部13の遊び溝131、第2回転部17の突起171の係合により非連結状態と連結状態とを設け、設定遊び量内で中立状態を保持するため、通常の操作の際に非連結状態から連結状態となることによる違和感を生じないようにできる。
また、実施例1においては、通常の状態を非連結状態とするため、連結状態の際に受ける後段の摩擦抵抗を受けることなく、セレクトレバー11の小型化に合わせた軽い力で操作する良好な操作フィーリングをセレクト部1のチェック機構部14で生じさせることができる。
また、実施例1においては、非連結状態の遊び量を有するため、セレクトレバー11側と自動変速機5側の組付の際に互いに同期させる調整等を簡略化でき、車両への組付性を向上させることができる。
また、セレクト操作系の負荷が過大となる急な坂道での発進や急激なセレクト操作の際には、ドライバの操作力にモータのアシスト力が加わり、操作を軽快にできる。また、操作力を伝達できるために、システムとしてモータ定格の小型化やモータへの応答性要求の緩和化ができる。
さらに、本実施例1の自動変速機のセレクトアシスト装置におけるシフトバイワイヤシステムに対する有利な作用効果について、比較して説明する。
上記に挙げた作用効果において、(A)通常時は、手動操作力を自動変速機に伝達することなくアクチュエータの作動力によりレンジ切り換えを行う。(B)フェール時は、アクチュエータの作動力を用いることなく、手動操作力によりレンジ切り換えを行う。(C)過大な負荷が生じる場合には、手動操作力とアクチュエータの作動力を加算したものによりレンジ切り換えを行う(アシスト状態)。特に(B),(C)は、シフトバイワイヤシステムに対し有利な作用効果である。
さらに、(A)と(C)の状態も可変であることが有利である。つまり、本実施例1の自動変速機のセレクトアシスト装置では、走行状況に応じて、ドライバの操作力とアシストアクチュエータによるアシスト力の比率を変えることができる。例えば、走行速度が高い時にRレンジからPレンジにシフトしようとする場合に、モータのアシスト力を弱めることにより、ドライバの操作力を高くして(操作を重くして)フィンガータッチの誤セレクトによって車が急停止することが防止できる。このように、操作フィーリングの向上に加えて、誤セレクトの防止や、それにつながるものを抑制することが操作を重くすることで実現できるのである。
さらにシフトバイワイヤシステムと比較すると、ポテンショメータ(位置センサ)のゼロ点の経時移動や電源電圧の変動、回路入力電圧のドリフトなどの外乱に対して、シフトバイワイヤシステムでは制御系の応答性や位置決め精度が劣化しやすい。本実施例1の自動変速機のセレクトアシスト装置では、制御系に多少の変動があってもドライバはメカリンクを通じてその変動分を吸収して操作できるためシステムのロバスト安定性に優れている。
さらに、シフトバイワイヤシステムがシステムダウンした際には、非常用レバーを探して通常と異なる操作をする必要がありパニックに陥ったドライバには負担が大きい。本実施例1の自動変速機のセレクトアシスト装置では操作力が重くなるものも通常と同様のセレクト操作のまま平常心で運転を続けられる。
さらに、実施例1では、コントローラ3で制御に用いる速度の演算結果は、減少方向の値の変化を抑制するため、速度の演算結果を用いた駆動制御が、振動する駆動制御となることを抑制することにより、駆動制御量が安定し、アシストアクチュエータの振動的な動きが生じないようにできる。
(2)コントローラ3は、位置センサ61の検出結果からセレクトレバー11の操作速度を演算する擬似微分部35と、セレクトレバー11の操作速度の演算結果を減少させずにピークホールドするピークホールド部37と、セレクトレバー11の操作速度の演算結果が予め設定した閾値を越えると、セレクトレバー11の操作速度を減速させるよう制御する加算器33とを備えたため、速度情報の減少を無くして、振動する動きを非常に抑制でき、コストを抑制して、良好な操作フィーリングが得られるようにできる。
(6)加算器33は、ピークホールド部37におけるピークホールド値に比例した制御量を、フィードバック制御部32から出力されるアシストアクチュエータの駆動指令値から減算して、アシストアクチュエータ2の駆動を減速させるため、速度情報の減少を無くして、振動する動きを非常に抑制できる。
実施例2は、速度フィードバック値を一定期間、保持するようにし、保持している間は、速度フィードバック値を減少させない例である。
構成を説明する。
図12は、実施例2の自動変速機のセレクトアシスト装置のコントローラのブロック図である。
ピーク一時ホールド部39は、一定の時間において、ピークホールドを行う。つまり、ピーク値を一定時間保持し、保持期間中には、値の減少を行わないようにする。
その他構成は、実施例1と同様であるので、説明を省略する。
作用を説明する。
[速度フィードバックを含むフィードバック制御の処理]
図13は、実施例2の自動変速機のセレクトアシスト装置のコントローラで実行される速度フィードバックを含むフィードバック制御の処理の流れを示すフローチャート図で、以下、各ステップについて説明する。
なお、実施例1の図11のフローチャートと同様のステップについては、同じ符号を図13に付し、説明を省略する。
ステップS21では、速度フィードバック値のピーク値のホールド時間をカウントアップする。ステップ内では、time_cnt++で表現する。
ステップS22では、ホールド時間が予め設定した所定時間を超えたかどうかを判断し、超えたならばステップS17へ進み、超えないならばS16へ進む。ステップ内では、time_cnt>TIMEで表現する。
ステップS23では、ホールド時間のカウンタをクリアする。ステップ内では、time_cnt=0で表現する。
[一時的なピークホールド作用]
実施例2では、ピークホールド値を一定時間保持する。しかし、保持しているピーク値よりも、大きな値がある場合には、ステップS16の処理により、ピーク値を更新する。ピーク値を更新した場合には、ステップS23の処理によりホールド時間をクリアする。
ピーク値の更新がない場合には、そのピーク値をステップS21、S22でカウント、判断して、一定時間保持し、減少した値の出力がないようにする。
実施例2では、ピーク値が一定時間保持された後は、実際に値が減少していると、実際の値に伴って、速度フィードバック値が減少することになる。
しかしながら、一定時間の保持により、その振動的な動きの周期が非常に伸ばされることになって、振動としてドライバに感じさせなくなる。
また、操作の途中で、手で止めるなどした場合のドライバの操作に、より速く対応することができる。
その他作用は実施例1と同様であるので、説明を省略する。
効果を説明する。
実施例2の自動変速機のセレクトアシスト装置にあっては、上記(1),(4)の効果に加えて、以下の効果を有する。
(3)ピーク一時ホールド部39は、ピークホールドしたセレクトレバー11の操作速度の演算結果を一定の保持期間後に減少させるため、振動周期を伸ばすことにより振動回数を減らすようにして、振動として感じないようにできる。
実施例3は、速度フィードバック値の減少方向には、レートリミッタを設けた例である。
構成を説明する。
図14は実施例3の自動変速機のセレクトアシスト装置のコントローラのブロック図である。
レートリミッタ部40は、演算部401、加算器402、記憶部403、加算器404、リミッタ405、加算器406からなり、乗算器36の出力に対して、減少方向には、レートリミッタとなるようにする。
演算部401は、レートリミッタ部40の出力からZ−1演算を行い、出力する。
加算器402は、ゲイン36の出力から演算部401の出力を減じる。これにより、加速度を演算する。
記憶部403は、増分のリミット値を記憶し、出力する。
加算器404は、増分のリミット値から加算器402の出力を減算して出力する。
リミッタ405は、速度フィードバック値が増加方向にある場合には、リミッタがかからないようにし、そのまま出力されるようにし、速度フィードバック値が減少方向にある場合には、リミッタがかかるようにして、出力する。
加算器406では、乗算器36の出力とリミッタ405の出力を加算する。
その他構成は、実施例1と同様であるので、説明を省略する。
作用を説明する。
[速度フィードバックを含むフィードバック制御の処理]
図15は、実施例3の自動変速機のセレクトアシスト装置のコントローラで実行される速度フィードバックを含むフィードバック制御の処理の流れを示すフローチャート図で、以下、各ステップについて説明する。
なお、実施例1の図11のフローチャートと同様のステップについては、同じ符号を図15に付し、説明を省略する。
ステップS31では、速度フィードバック値の加速度を演算し、ステップS32へ進む。ステップ内では、damp_diff=damp_val-damp_val_zと表現する。
ステップS32では、レートリミッタ演算を行う。ステップ内では、damp_comp=LIMIT_VAL-damp_diff LIMIT(damp_comp,255,0)で表現する。
ステップS33では、速度フィードバック値を更新する。ステップ内では、damp_hold=damp_val+damp_compで表現する。
ステップS34では、次の演算のために、速度フィードバック値の前回値を保持する。ステップ内では、damp_val_z=Control_dampで表現する。
[レートリミッタ作用]
実施例3では、レートリミッタ部40によるステップS32の処理により、速度フィードバック値が、前回の検出・演算時に対して、増加方向の場合には、リミッタ405による制限を行わない。次に、速度フィードバック値が、前回の検出・演算時に対して、減少方向の場合には、リミッタ405による制限を行う。
すると、結果的には、図16に示すように、速度フィードバック値は、増加に対して、減少の場合には、徐々にしか変化しないようになる。つまり、増加しやすく、減少しにくい動きになる。
これによって、速度フィードバック値が減少しにくくすることによって、振動的な動きに対して、振動の振幅を小さくすることになる。これによって、ドライバが振動と感じないようにする。
その他作用は実施例1と同様であるため説明を省略する。
効果を説明する。実施例3の自動変速機のセレクトアシスト装置にあっては、上記(1),(4)の効果に加えて以下の効果を有する。
(4)コントローラは、位置センサ61の検出結果からセレクトレバー11の操作速度を演算する擬似微分部35と、セレクトレバー11の操作速度の演算結果が減少する際には、少ない量で段階的に減少させるリミッタ405を作動させるレートリミッタ部40と、セレクトレバー11の操作速度の演算結果が予め設定した閾値を越えると、セレクトレバー11の操作速度を減速させるよう制御する速度フィードバック分をフィードバック制御の出力から減じる加算器33とを備えたため、振動の振幅を小さくして、ドライバが感じないような振動にすることで、操作フィーリングへ影響がないようにする。
(その他の実施の形態)
以上、本発明の実施の形態を実施例1〜実施例3に基づいて説明してきたが、本発明の具体的な構成は実施例に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても、本発明に含まれる。
セレクトレバー11の形状や大きさは任意であり、指先で操作可能なスイッチ形状としてもよい。
位置センサの例として、ブラシと基板の接触位置が可変するポテンショメータを例として挙げておく。
また、相対変位量検出手段として、支点軸19の部分に、固定部材に対する第1回転部13のストローク角度、つまりセレクトレバー11の操作角度を検出する位置センサ61(操作位置検出手段に相当する)を設け、さらに支点軸19の部分には、固定部材に対する第2回転部17のストローク角度、つまり、コントロールケーブル4を介して自動変速機5の制御アーム51の回転位置を検出する位置センサ62(作動位置検出手段に相当する)を設けてもよい。位置センサ61で検出した操作位置と、位置センサ62で検出した作動位置の偏差を演算することにより、相対変位量を得る。その場合には、位置センサ61または位置センサ62との組み合わせで、相対変位量と作動位置を直接または演算で得ることができる。
実施例1〜実施例3では、相対変位許容連結機構の例として遊び連結機構を示したが、遊び連結機構以外であっても、例えば、限界弾性変位量までの弾性変位を許容しつつ両連結部材と連結する弾性連結機構であってもよい。
弾性連結機構について具体的に説明すると、実施例1において、第1回転部13の遊び溝131に係合して遊び溝131内に位置する突起171に対し、遊び溝131の両端側から中点位置に向かって突起171を付勢するようにバネを両側に設ける。チェック機構部14は設けない。すると、自動変速機5のディテント力によりコントロールケーブル4を介して作動位置に回転して位置する第2回転部17の突起171によりバネが伸縮され、バネ力により第1回転部13つまり、セレクトレバー11の位置が決まる。弾性連結機構では、このようにバネを介して自動変速機側のディテントを伝達することでセレクトレバー11への操作反力が生成される。また、制御は、同様に遊び溝の中点位置、つまり弾性変位量を0にするよう制御されることで、セレクトレバー11の操作に自動変速機5の作動が追従する動きをさせるのである。この弾性連結機構も相対変位許容連結機構の例である。
実施例1〜実施例3では、遊び連結機構の例として、遊び量を許容する溝と
突起、アシストアクチュエータをセレクト部に設けたが、図17に示すように、第2回転部17及びアシストアクチュエータを自動変速機5に設けるようにしてもよい。図17を参照して具体的に説明すると、自動変速機5の制御アーム51を第2回転部17に接続して設け、第2回転部17の回転によって制御アーム51がレンジ位置を切り換える構造にする。この第2回転部17には、ウォームホイール16を設け、アシストアクチュエータ2のウォーム21を係合させる。よって、アシストアクチュエータ2は自動変速機5側に設ける。セレクトレバー11が設けられた第1回転部13の遊び溝131内を移動する突起171には、コントロールケーブル4の一端を取付け、他端を第2回転部17に取り付ける。このような構成であってもよい。
また、遊び連結機構の例として、遊び連結機構、アシストアクチュエータをコントロールケーブルの途中に設けた例を図18、図19に示す。
この例においては、遊び連結機構は、コントロールケーブル8aとコントロールケーブル8bの接続部分で形成されるとともに、位置センサ71によりその相対変位量が検出される。セレクトレバー11側のコントロールケーブル8bは、ジョイント91により入力レバー92に接続し、自動変速機5側のコントロールケーブル8eは、ジョイント96により出力レバー95に接続する。この入力レバー92と出力レバー95は、同一の回転軸となる出力軸94に接続した構造にする。出力軸94には、ウォームホイール93を設け、アシストアクチュエータの電動モータ97の出力軸にウォーム98を設けてウォームホイール93と係合させる。このようにコントロールケーブルの途中に遊び連結機構、アシストアクチュエータを設ける構成にしてもよく、また、遊び連結機構における相対位置変位量が発生する部分で直接、変位量を検出するようにしてもよい。
実施例1では、操作位置を得るために固定部材に対する第1回転部13の回転位置を検出する位置センサ61を設けたが、作動位置を得るために固定部材に対する第2回転部17の回転位置を検出する位置センサ62を設けて、相対変位量と作動位置から、操作位置を演算するようにしてもよい。
また、実施例1〜3では、自動変速機のセレクトアシスト装置として、許容相対変位を有する連結機構により相対回転運動を行う第1回転部13と第2回転部17を有する構造であったが、セレクトレバーと自動変速機のセレクト位置切換装置とがセレクト操作力伝達系により連結され、前記セレクト操作力伝達系にはドライバによるセレクト操作力をアシストするアシストアクチュエータが設けられた自動変速機のセレクトアシスト装置であれば、他の構成であってもよい。
図20は、実施例の他の自動変速機のセレクトアシスト装置の構成例を示す側面図である。なお、対応する部分には、実施例1と同様の符号を付す。
図20に示す自動変速機のセレクトアシスト装置では、セレクトレバー11と、自動変速機5の制御アームをケーブルにより連結し、ケーブルの途中にトルクセンサ100とアシストアクチュエータ2を設けて、トルクセンサ100は、セレクトレバー11からの操作トルク入力とともに、ディテント機構による力を受ける制御アーム51からのトルク入力も検出し、アシストアクチュエータ2は、自動変速機5の制御アームを作動させるとともに、セレクトレバー11の操作感をも生成する構成である。この構成によっても、フェール時の機械的連結が成される。また、軽いトルクでのセレクト操作を可能にする。このような自動変速機のセレクトアシスト装置であってもよい。
また、アシスト制御手段で制御に用いる速度の演算結果は、アシストアクチュエータの作動位置から演算される作動速度であってもよい。この場合には、演算結果である作動速度をピークホールドし、このピークホールド値にゲインを乗じた値を駆動指令値から減算する。これによっても、駆動指令値を安定させ、振動的な動きを抑制する効果を得ることができる。作用については実施例1と同様となる。このような構成にした場合に得られる効果について以下に述べる。
(5)セレクト操作力伝達系を、セレクトレバーに連結した第1連結部13と、自動変速機5に連結した第2連結部17と、限界量までの相対変位を許容しつつ前記両連結部材を連結する遊び溝131と突起171の係合部と、を有する構成とし、かつ、アシストアクチュエータ2を第2連結部17に設定し、相対変位量を検出する位置センサ6を設け、アシストアクチュエータ2の作動位置を検出する位置センサ62を設け、作動位置の検出結果から作動速度を演算し、作動速度の演算結果を減少させずにピークホールドし、作動速度の演算結果が予め設定した閾値を越えると、作動速度を減少させるよう駆動指令値から、作動速度にゲインを乗じた値を減算するため、上記説明の(1)の効果を、第1回転部13と第2回転部17の相対回転をベースとする機構で、省スペースに実現でき、振動する動きを非常に抑制でき、コストを抑制して、良好な操作フィーリングを得られるようにできる。
第1実施例の自動変速機の構成を示す側面図である。 アクチュエータの細部構造を示す要部斜視図である。 コントローラの制御ブロック図である。 自動変速機のディテントの構造を示す斜視図である。 コントロールユニットで実行されるレンジ切り換え制御の処理の基本的な流れを示すフローチャートである。 P→Rレンジ方向においてセレクトレバーに発生する操作反力を示す特性図である。 P→Rレンジへの操作におけるセレクトレバーの操作角とアクチュエータの作動角、及び相対位置の特性を示す説明図である。 セレクトレバーの操作とアクチュエータの動作を示す説明図である。 実施例1の自動変速機のセレクトアシスト装置において、考案したコントローラのブロック図である。 位置センサ61の出力値、速度情報、ダンピング値を示す説明図である。 実施例1の自動変速機のセレクトアシスト装置のコントローラで実行される速度フィードバックを含むフィードバック制御の処理の流れを示すフローチャート図である。 実施例2の自動変速機のセレクトアシスト装置のコントローラのブロック図である。 実施例2の自動変速機のセレクトアシスト装置のコントローラで実行される速度フィードバックを含むフィードバック制御の処理の流れを示すフローチャート図である。 実施例3の自動変速機のセレクトアシスト装置のコントローラのブロック図である。 実施例3の自動変速機のセレクトアシスト装置のコントローラで実行される速度フィードバックを含むフィードバック制御の処理の流れを示すフローチャート図である。 実施例3の自動変速機のセレクトアシスト装置の速度フィードバック値の例を示すグラフ図である。 実施例の自動変速機のセレクトアシスト装置の他の例を示す図である。 実施例の自動変速機のセレクトアシスト装置の他の例を示す図である。 実施例の自動変速機のセレクトアシスト装置の他の例のリンク部分を示す図である。 実施例の他の自動変速機のセレクトアシスト装置の構成例を示す側面図である。
符号の説明
1 セレクト部
11 セレクトレバー
12 セレクトノブ
13 第1回転部
131 遊び溝
14 チェック機構部
141 ピン
142 溝部
142a 谷部
16 ウォームホイール
17 第2回転部
171 突起
18 ケーブル取付レバー
19 支点軸
2 アシストアクチュエータ
21 ウォーム
3 コントローラ
31 AD変換部
32 フィードバック制御部
33 加算器
34 AD変換部
35 擬似微分部
36 乗算器
37 ピークホールド部
38 モータ駆動制御部
39 ピーク一時ホールド部
40 レートリミッタ部
401 演算部
402 加算器
403 記憶部
404 加算器
405 リミッタ
406 加算器
4 コントロールケーブル
5 自動変速機
51 制御アーム
52 回転シャフト
53 ディテントプレート
53a カム山
53b 溝(谷部)
54 バネ板
55 ディテントピン
56 パーキングロッド
57 カム状プレート
58 パーキングギア
6 位置センサ
7 イグニッションスイッチ
61 位置センサ
62 位置センサ
8a コントロールケーブル
8b コントロールケーブル
8e コントロールケーブル
91 ジョイント
92 入力レバー
93 ウォームホイール
94 出力軸
95 出力レバー
96 ジョイント
97 電動モータ
98 ウォーム

Claims (6)

  1. セレクトレバーと自動変速機のセレクト位置切換装置とがセレクト操作力伝達系により連結され、前記セレクト操作力伝達系にはドライバによるセレクト操作力をアシストするアシストアクチュエータが設けられた自動変速機のセレクトアシスト装置において、
    前記アシストアクチュエータの駆動を制御するアシスト制御手段を設け、
    前記アシスト制御手段で制御に用いる速度の演算結果は、減少方向の値の変化を抑制する、
    ことを特徴とする自動変速機のセレクトアシスト装置。
  2. 請求項1に記載の自動変速機のセレクトアシスト装置において、
    ドライバのセレクト操作を検出する操作検出手段を設け、
    前記アシスト制御手段は、
    前記操作検出手段の検出結果からセレクトレバーの操作速度を演算する操作速度演算手段と、
    セレクトレバーの操作速度の演算結果を減少させずにピークホールドするピークホールド手段と、
    セレクトレバーの操作速度の演算結果が予め設定した閾値を越えると、セレクトレバーの操作速度を減速させるよう制御するダンピング制御手段と、
    を備えた、
    ことを特徴とする自動変速機のセレクトアシスト装置。
  3. 請求項2に記載の自動変速機のセレクトアシスト装置において、
    前記ピークホールド手段は、
    ピークホールドしたセレクトレバーの操作速度の演算結果を一定の保持期間後に減少させる、
    ことを特徴とする自動変速機のセレクトアシスト装置。
  4. 請求項1に記載の自動変速機のセレクトアシスト装置において、
    セレクトレバーと自動変速機のセレクト位置切換装置とがセレクト操作力伝達系により連結され、前記セレクト操作力伝達系にはドライバによるセレクト操作力をアシストするアシストアクチュエータが設けられた自動変速機のセレクトアシスト装置において、
    ドライバにセレクト操作を検出する操作検出手段を設け、
    前記アシストアクチュエータの駆動を制御するアシスト制御手段を設け、
    前記アシスト制御手段は、
    前記操作検出手段の検出結果からセレクトレバーの操作速度を演算する操作速度演算手段と、
    セレクトレバーの操作速度の演算結果が減少する際には、少ない量で段階的に減少させるレートリミッタを作動させるレートリミッタ手段と、
    セレクトレバーの操作速度の演算結果が予め設定した閾値を越えると、セレクトレバーの操作速度を減速させるよう制御するダンピング制御手段と、
    を備えた、
    ことを特徴とする自動変速機のセレクトアシスト装置。
  5. 請求項1に記載の自動変速機のセレクトアシスト装置において、
    前記セレクト操作力伝達系を、セレクトレバーに連結した第1連結部材と、前記セレクト位置切換装置に連結した第2連結部材と、限界量までの相対変位を許容しつつ前記両連結部材を連結する相対変位許容連結機構と、を有する構成とし、かつ、前記アシストアクチュエータを第2連結部材に設定し、
    相対変位量を検出する相対変位量検出手段を設け、
    前記アシストアクチュエータの作動位置を検出する作動位置検出手段を設け、
    前記作動速度の演算結果を減少させずにピークホールドするピークホールド手段と、
    前記作動速度の演算結果が予め設定した閾値を越えると、作動速度を減少させるよう制御するダンピング制御手段と、
    を備えた、
    ことを特徴とする自動変速機のセレクトアシスト装置。
  6. 請求項2又は請求項5に記載の自動変速機のセレクトアシスト装置において、
    前記ダンピング制御手段は、
    前記ピークホールド手段におけるピークホールド値に比例した制御量を、前記アシストアクチュエータの駆動制御量から減算して、前記アシストアクチュエータの駆動を減速させる、
    ことを特徴とする自動変速機のセレクトアシスト装置。
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