JP2007153921A - 光学用樹脂成形品 - Google Patents
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Abstract
【課題】 金型に加工されたシボパターンやプリズムパターンなどの凹凸を容易に成形品表面に複写させることが可能な光学用樹脂成形品の提供。
【解決手段】 アクリル系単量体10〜85重量%および芳香族ビニル系単量体90〜15重量%からなるアクリル系共重合体を、予め、金型のキャビティ表面温度を該アクリル系共重合体の熱変形温度以上にまで加熱した金型内に射出充填して得られた光学用樹脂成形品。
【選択図】なし。
【解決手段】 アクリル系単量体10〜85重量%および芳香族ビニル系単量体90〜15重量%からなるアクリル系共重合体を、予め、金型のキャビティ表面温度を該アクリル系共重合体の熱変形温度以上にまで加熱した金型内に射出充填して得られた光学用樹脂成形品。
【選択図】なし。
Description
本発明は、吸湿性に優れたアクリル系共重合体を用いた光学特性に優れる樹脂成形品に関するものである。更に詳しくは、金型に加工されたシボパターンやプリズムパターンなどの凹凸を容易に成形品表面に複写させることが可能な光学用樹脂成形品に関するものである。
アクリル系樹脂は、透明性、耐光性、表面硬度に優れるため、自動車外装部品、エクステリア用品等の屋外用途に広く使用されている。また、アクリル系樹脂は可視光領域の光線透過率ではガラス並み以上の特性を有し、また成形後の複屈折は小さく、光学的に非常に優れたプラスチックの一つである。そのため、従来からアクリル系樹脂は種々の光学材料としても利用されており、光学用プラスチックレンズや光学式ディスク等としての応用が進んでいる。
例えば、液晶ディスプレー用バックライト等の液晶表示装置分野に使用される導光体の殆どがアクリル系樹脂が占めており、市場規模も拡大傾向にある。バックライト分野の導光体とはある方向から入射した光線を伝搬、拡散させ、液晶ユニット面側で光らせるユニットをいう。バックライトの方式としては導光体を光源と液晶ユニットの間にはさんだ直下型方式と光源を導光体のエッジに配置したエッジライト方式の2通りの方式があるが、近年、液晶ディスプレーに対する軽量化の要求から導光体の薄肉化が課題となり、エッジライト方式が主流になっている。エッジライト方式では、導光体中の光線透過距離が直下式に比較して長いので、導光体中での光損失を防止するため、導光体に使用される材料としては高い光線透過率を有することが必須となる。また、エッジから入射した光線を導光体の液晶ユニット側面全体に出射させる工夫が導光体の設計に必要となる。
導光体のエッジから入射した光線を導光体の面全体に均一に出射させる方法としては、片面にドットグラデーション印刷を施す方法(特開平6−194526号公報、特開昭63−62104号公報)、片面に光を拡散させるための凹凸を形成する方法(特開昭61−127506号公報)、グラデーション付フィルムを貼り付ける方法などがある。
そして、薄肉で精密な導光板や光を拡散させるための凹凸の成形には、通常、射出成形法が用いられる。
この場合、アクリル系樹脂の成形性、流動性の改良が必要であり、このためには、樹脂の分子量を下げるか、あるいは内部可塑化効果を持つコモノマーを共重合させる等の手法が一般的である。ただし、後者の手法は通常では樹脂の耐熱性を低下させるため、単にコモノマー量を多くして流動性を改良したアクリル系樹脂では耐熱性が低下するため望ましくない。一方、単に分子量を下げて流動性を改良したアクリル系樹脂は、機械強度に劣るという問題がある。
さらに、液晶ディスプレイの大型化やロングライフ化を目指しているために、最近の導光体に要求される性能としては、非常に高い吸湿特性の改良が要求されている。一般にアクリル系樹脂から得られた製品は吸湿によりソリが発生し、液晶ディスプレイの品質を低下させるという問題がある。
特開2003−165885号公報
特開2001−18229号公報
特開2001−269978号公報
例えば、液晶ディスプレー用バックライト等の液晶表示装置分野に使用される導光体の殆どがアクリル系樹脂が占めており、市場規模も拡大傾向にある。バックライト分野の導光体とはある方向から入射した光線を伝搬、拡散させ、液晶ユニット面側で光らせるユニットをいう。バックライトの方式としては導光体を光源と液晶ユニットの間にはさんだ直下型方式と光源を導光体のエッジに配置したエッジライト方式の2通りの方式があるが、近年、液晶ディスプレーに対する軽量化の要求から導光体の薄肉化が課題となり、エッジライト方式が主流になっている。エッジライト方式では、導光体中の光線透過距離が直下式に比較して長いので、導光体中での光損失を防止するため、導光体に使用される材料としては高い光線透過率を有することが必須となる。また、エッジから入射した光線を導光体の液晶ユニット側面全体に出射させる工夫が導光体の設計に必要となる。
導光体のエッジから入射した光線を導光体の面全体に均一に出射させる方法としては、片面にドットグラデーション印刷を施す方法(特開平6−194526号公報、特開昭63−62104号公報)、片面に光を拡散させるための凹凸を形成する方法(特開昭61−127506号公報)、グラデーション付フィルムを貼り付ける方法などがある。
そして、薄肉で精密な導光板や光を拡散させるための凹凸の成形には、通常、射出成形法が用いられる。
この場合、アクリル系樹脂の成形性、流動性の改良が必要であり、このためには、樹脂の分子量を下げるか、あるいは内部可塑化効果を持つコモノマーを共重合させる等の手法が一般的である。ただし、後者の手法は通常では樹脂の耐熱性を低下させるため、単にコモノマー量を多くして流動性を改良したアクリル系樹脂では耐熱性が低下するため望ましくない。一方、単に分子量を下げて流動性を改良したアクリル系樹脂は、機械強度に劣るという問題がある。
さらに、液晶ディスプレイの大型化やロングライフ化を目指しているために、最近の導光体に要求される性能としては、非常に高い吸湿特性の改良が要求されている。一般にアクリル系樹脂から得られた製品は吸湿によりソリが発生し、液晶ディスプレイの品質を低下させるという問題がある。
本発明は、吸湿性に優れたアクリル系共重合体を用いた光学特性に優れる樹脂成形品を提供するものである。更に詳しくは、金型に加工されたシボパターンやプリズムパターンなどの凹凸を容易に成形品表面に複写させることが可能な光学用樹脂成形品を提供することを目的とする。
本発明者らは、通常の射出成形法では金型の凹凸を十分に転写できず、かつアクリル系単量体比率が高いアクリル系共重合体に対しては吸湿時に若干のソリが発生するが、特定の金型温度以上で成形することにより金型の凹凸を樹脂成形品に十分に転写でき、更に、残留成形歪が低く抑えられるために、特にアクリル系単量体比率が高いアクリル系共重合体に対しても吸湿時のソリをより抑制できる見出し、本発明に到達したものである。
即ち、本発明は、アクリル系単量体10〜85重量%および芳香族ビニル系単量体90〜15重量%からなるアクリル系共重合体を、予め、金型のキャビティ表面温度を該アクリル系共重合体の熱変形温度以上にまで加熱した金型内に射出充填して得られたことを特徴とする光学用樹脂成形品を提供するものである。
即ち、本発明は、アクリル系単量体10〜85重量%および芳香族ビニル系単量体90〜15重量%からなるアクリル系共重合体を、予め、金型のキャビティ表面温度を該アクリル系共重合体の熱変形温度以上にまで加熱した金型内に射出充填して得られたことを特徴とする光学用樹脂成形品を提供するものである。
本発明は、吸湿性に優れたアクリル系共重合体を用いることにより、成形材料自体でも吸湿によるソリ・変形を抑制でき、更には、残留歪の少ない条件下で、金型の各種凹凸を正確に転写させることができるため光学特性に優れた樹脂成形品が得られるという効果を奏するものである。
以下、本発明につき詳細に説明する。
本発明におけるアクリル系共重合体を構成するアクリル系単量体としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル等が挙げられる。
ここで、(メタ)アクリル酸とはアクリル酸もしくはメタクリル酸のことであり、上記記載のアクリル系単量体を1種または2種以上選択して使用することができる。
ここで、(メタ)アクリル酸とはアクリル酸もしくはメタクリル酸のことであり、上記記載のアクリル系単量体を1種または2種以上選択して使用することができる。
また、該アクリル系共重合体を構成する芳香族ビニル系単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、パラメチルスチレン等が挙げられ、1種または2種以上選択して使用することができる。特にこの中でスチレンが好ましい。
アクリル系共重合体を構成するアクリル系単量体が10重量%未満(芳香族ビニル系単量体が90重量%を超える)では光学特性および耐光性に劣り、一方アクリル系単量体が85重量%を超えると(芳香族ビニル系単量体が15重量%未満)、吸湿性が劣り、製品のそり・変形を引き起こすため好ましくない。
アクリル系共重合体の重量平均分子量が3万未満では衝撃強度が劣る傾向にあり、製品搬送時などに割れを生じたり、離型時にクラック・割れを引き起こすことがある。また重量平均分子量が20万を超えると生産性が低下し経済性が劣るのみならず、流動性が低下するため薄肉成形品が得られ難くなる。好ましくは5〜15万である。
さらに、アクリル系共重合体の分子量分布が2.0未満では、重合転化率を抑制する必要があり経済性に劣る傾向にあり、また3.0を超えると流動性が低下し、薄肉成形品が得られ難くなる傾向にある。
なお、該アクリル系共重合体の重量平均分子量および分子量分布を調整する方法としては、該アクリル系共重合体を重合するに際して、その重合方法、重合温度、または使用する重合開始剤や分子量調整剤の使用量を適宜設定することにより調整することが可能である。
また、該アクリル系共重合体の重量平均分子量および分子量分布については、該アクリル系共重合体をテトラヒドロフランに溶解した後、島津高速液体クロマトグラフィー(HSGカラム)を用いてポリスチレン換算分子量より、重量平均分子量および分子量を測定した。
なお、該アクリル系共重合体の重量平均分子量および分子量分布を調整する方法としては、該アクリル系共重合体を重合するに際して、その重合方法、重合温度、または使用する重合開始剤や分子量調整剤の使用量を適宜設定することにより調整することが可能である。
また、該アクリル系共重合体の重量平均分子量および分子量分布については、該アクリル系共重合体をテトラヒドロフランに溶解した後、島津高速液体クロマトグラフィー(HSGカラム)を用いてポリスチレン換算分子量より、重量平均分子量および分子量を測定した。
上記アクリル系共重合体は、公知の重合法によって製造することができるが、なかでも塊状重合法または溶液重合法が好ましく、さらには連続式の塊状もしくは溶液重合法がより好ましく用いられる。より具体的には、アクリル系単量体および芳香族ビニル系単量体、及び必要であればエチルベンゼン、トルエン、メチルエチルケトン等の溶剤を混合した原料を重合工程に供給し、該単量体を重合する工程および該工程の後、重合体、未反応単量体および/または溶剤を含む混合液を加熱し、同時にまたは加熱後減圧室に導入して未反応単量体および/または溶剤を重合体から分離する分離回収工程、さらに回収工程から排出された重合体に、必要に応じて着色剤、酸化防止剤、フィラーなどの添加剤を添加し造粒することによりペレット化してなる造粒工程からなることが好ましい。また、このようにして得られたアクリル系共重合体は、その揮発性成分が3000ppm以下であることが、光学特性、耐光性の面で好ましい。なお、揮発性成分を低減する方法としては、例えば、上記重合時の重合温度や使用する重合開始剤、連鎖移動剤の添加量、造粒工程における押出機による脱揮等の操作により低減することが可能である。また、共重合体中の揮発性成分の含有量は、試料をジメチルホルムアミドに溶解し、ガスクロマトグラフで測定することができる。
また本発明のアクリル系共重合体には、各種添加剤を含有させることができる。このような添加剤としては、紫外線吸収剤、滑剤、耐光剤、離型剤、酸化防止剤、帯電防止剤、有機系光拡散剤、無機系光拡散剤などが挙げられる。
また本発明のアクリル系共重合体からなる光学用樹脂成形品としては、板状成形品や管状成形品など種々の形状が挙げられるが、特に制限はない。
本発明におけるアクリル系共重合体の成形方法としては、一般的な射出成形法と同工程ではあるが、予め、金型のキャビティ表面温度をアクリル系共重合体の熱変形温度以上にまで加熱した金型内に射出充填することが必要である。
このような射出成形装置については、通常の射出成形装置を使用することができるが、金型キャビティ表面温度をコントロールするための金型温度調節機(使用温度範囲が140℃程度にまで上昇可能な装置)が必要となる。
また、金型温度調節機としても、通常のものを使用することができるが、特に80℃以上の高温での使用を考慮し、温調媒体としてオイルやスチームを利用することが好ましい。
さらに、金型温度調節機としては、金型のキャビティ表面温度を繰り返し上下するヒートサイクル成形法に用いられる金型温度調節機を使用することが最も好ましい。このような金型温度調節機としては、例えば特許文献2に詳しく記載されている。
このような射出成形装置については、通常の射出成形装置を使用することができるが、金型キャビティ表面温度をコントロールするための金型温度調節機(使用温度範囲が140℃程度にまで上昇可能な装置)が必要となる。
また、金型温度調節機としても、通常のものを使用することができるが、特に80℃以上の高温での使用を考慮し、温調媒体としてオイルやスチームを利用することが好ましい。
さらに、金型温度調節機としては、金型のキャビティ表面温度を繰り返し上下するヒートサイクル成形法に用いられる金型温度調節機を使用することが最も好ましい。このような金型温度調節機としては、例えば特許文献2に詳しく記載されている。
〔実施例〕
−アクリル系共重合体(A)−
A−1;容量が20リットルの完全混合型反応槽1基から成る連続的重合装置を用いてアクリル系共重合体を製造した。スチレン系単量体としてスチレンを、アクリル系単量体としてメタクリル酸メチルを用いた。また、重合開始剤としてt−ブチルパーオキシ(2−エチルヘキサノエ−ト)を用いた。スチレン35重量部、メタクリル酸メチル55重量部、エチルベンゼン10重量部、t−ドデシルメルカプタン0.05重量部、重合開始剤0.015重量部から成る重合原料をプランジャーポンプを用いて13kg/hで連続的に該反応槽に供給して重合を行い、重合温度を調節して反応槽出口における重合転化率を53.5重量%にした。このときの重合温度は150℃であった。反応槽の撹拌回転数は150rpmであり、重合温度は反応槽の上部、中部、下部の3か所に熱電対を入れて測定したところ、3か所の温度は平均値±0.2℃の範囲に制御されており、重合液は均一に混合されていると考えられる。重合に続いて、反応槽から連続的に抜き出された重合液を脱揮発分装置に供給して未反応単量体や有機溶剤等の揮発性成分を分離した後、押出機を経て樹脂をペレット化した。共重合体中の揮発性成分の含有量は2200ppmであった。
−アクリル系共重合体(A)−
A−1;容量が20リットルの完全混合型反応槽1基から成る連続的重合装置を用いてアクリル系共重合体を製造した。スチレン系単量体としてスチレンを、アクリル系単量体としてメタクリル酸メチルを用いた。また、重合開始剤としてt−ブチルパーオキシ(2−エチルヘキサノエ−ト)を用いた。スチレン35重量部、メタクリル酸メチル55重量部、エチルベンゼン10重量部、t−ドデシルメルカプタン0.05重量部、重合開始剤0.015重量部から成る重合原料をプランジャーポンプを用いて13kg/hで連続的に該反応槽に供給して重合を行い、重合温度を調節して反応槽出口における重合転化率を53.5重量%にした。このときの重合温度は150℃であった。反応槽の撹拌回転数は150rpmであり、重合温度は反応槽の上部、中部、下部の3か所に熱電対を入れて測定したところ、3か所の温度は平均値±0.2℃の範囲に制御されており、重合液は均一に混合されていると考えられる。重合に続いて、反応槽から連続的に抜き出された重合液を脱揮発分装置に供給して未反応単量体や有機溶剤等の揮発性成分を分離した後、押出機を経て樹脂をペレット化した。共重合体中の揮発性成分の含有量は2200ppmであった。
A−2;容量が20リットルの完全混合型反応槽1基から成る連続的重合装置を用いてアクリル系共重合体を製造した。スチレン系単量体としてスチレンを、アクリル系単量体としてメタクリル酸メチルを用いた。また、重合開始剤としてt−ブチルパーオキシ(2−エチルヘキサノエ−ト)を用いた。スチレン37重量部、メタクリル酸メチル40重量部、アクリル酸ブチル3重量部、エチルベンゼン20重量部、t−ドデシルメルカプタン0.13重量部、重合開始剤0.04重量部から成る重合原料をプランジャーポンプを用いて13kg/hで連続的に該反応槽に供給して重合を行い、重合温度を調節して反応槽出口における重合転化率を48.5重量%にした。このときの重合温度は135℃であった。反応槽の撹拌回転数は150rpmであり、重合温度は反応槽の上部、中部、下部の3か所に熱電対を入れて測定したところ、3か所の温度は平均値±0.2℃の範囲に制御されており、重合液は均一に混合されていると考えられる。重合に続いて、反応槽から連続的に抜き出された重合液を脱揮発分装置に供給して未反応単量体や有機溶剤等の揮発性成分を分離した後、押出機を経て樹脂をペレット化した。共重合体中の揮発性成分の含有量は1800ppmであった。
A−3;容量が20リットルの完全混合型反応槽1基から成る連続的重合装置を用いてアクリル系共重合体を製造した。スチレン系単量体としてスチレンを、アクリル系単量体としてメタクリル酸メチルを用いた。また、重合開始剤としてt−ブチルパーオキシ(2−エチルヘキサノエ−ト)を用いた。スチレン24重量部、メタクリル酸メチル66重量部、エチルベンゼン10重量部、t−ドデシルメルカプタン0.45重量部、重合開始剤0.016重量部から成る重合原料をプランジャーポンプを用いて13kg/hで連続的に該反応槽に供給して重合を行い、重合温度を調節して反応槽出口における重合転化率を47.8重量%にした。このときの重合温度は150℃であった。反応槽の撹拌回転数は150rpmであり、重合温度は反応槽の上部、中部、下部の3か所に熱電対を入れて測定したところ、3か所の温度は平均値±0.2℃の範囲に制御されており、重合液は均一に混合されていると考えられる。重合に続いて、反応槽から連続的に抜き出された重合液を脱揮発分装置に供給して未反応単量体や有機溶剤等の揮発性成分を分離した後、押出機を経て樹脂をペレット化した。共重合体中の揮発性成分の含有量は850ppmであった。
A−i;容量が20リットルの完全混合型反応槽1基から成る連続的重合装置を用いてアクリル系共重合体を製造した。スチレン系単量体としてスチレンを、アクリル系単量体としてメタクリル酸メチルを用いた。また、重合開始剤としてt−ブチルパーオキシ(2−エチルヘキサノエ−ト)を用いた。スチレン12重量部、メタクリル酸メチル78重量部、エチルベンゼン10重量部、t−ドデシルメルカプタン2.05重量部、重合開始剤0.025重量部から成る重合原料をプランジャーポンプを用いて13kg/hで連続的に該反応槽に供給して重合を行い、重合温度を調節して反応槽出口における重合転化率を50.1重量%にした。このときの重合温度は157℃であった。反応槽の撹拌回転数は150rpmであり、重合温度は反応槽の上部、中部、下部の3か所に熱電対を入れて測定したところ、3か所の温度は平均値±0.2℃の範囲に制御されており、重合液は均一に混合されていると考えられる。重合に続いて、反応槽から連続的に抜き出された重合液を脱揮発分装置に供給して未反応単量体や有機溶剤等の揮発性成分を分離した後、押出機を経て樹脂をペレット化した。共重合体中の揮発性成分の含有量は3500ppmであった。
A−ii;容量が20リットルの完全混合型反応槽1基から成る連続的重合装置を用いてアクリル系共重合体を製造した。スチレン系単量体としてスチレンを、アクリル系単量体としてメタクリル酸メチルを用いた。また、重合開始剤としてt−ブチルパーオキシ(2−エチルヘキサノエ−ト)を用いた。スチレン90重量部、メタクリル酸メチル6重量部、エチルベンゼン3.5重量部、重合開始剤0.034重量部から成る重合原料をプランジャーポンプを用いて13kg/hで連続的に該反応槽に供給して重合を行い、重合温度を調節して反応槽出口における重合転化率を45.6重量%にした。このときの重合温度は135℃であった。反応槽の撹拌回転数は150rpmであり、重合温度は反応槽の上部、中部、下部の3か所に熱電対を入れて測定したところ、3か所の温度は平均値±0.2℃の範囲に制御されており、重合液は均一に混合されていると考えられる。重合に続いて、反応槽から連続的に抜き出された重合液を脱揮発分装置に供給して未反応単量体や有機溶剤等の揮発性成分を分離した後、押出機を経て樹脂をペレット化した。共重合体中の揮発性成分の含有量は1250ppmであった。
A−iii;ポリスチレン(PS) 日本ポリスチレン(株)製 GPPS G637R
A−iv;ポリメチルメタクリレート(PMMA) 住友化学(株)製 スミペックス MGSS
A−iv;ポリメチルメタクリレート(PMMA) 住友化学(株)製 スミペックス MGSS
耐光剤:旭電化(株)製 アデカスタブ LA−77G
紫外線吸収剤:住友化学(株)製 スミソーブ 200
有機系光拡散剤:総研化学(株)製 KSR−8
紫外線吸収剤:住友化学(株)製 スミソーブ 200
有機系光拡散剤:総研化学(株)製 KSR−8
〔実施例1〜6、比較例1〜9〕
上記アクリル系共重合体と、必要に応じて各種添加剤につき、表1に示す割合に混合し、シリンダー温度を200℃とした単軸押出機にて所定のペレットを得た。
重合で得られたペレットおよび添加剤を混合して得られたペレットを80℃にて予備乾燥の後、評価項目に応じて所定の成形機、金型にて各種試験片を得た。結果を表1に示す。なお、各種の試験条件は下記のとおりである。
上記アクリル系共重合体と、必要に応じて各種添加剤につき、表1に示す割合に混合し、シリンダー温度を200℃とした単軸押出機にて所定のペレットを得た。
重合で得られたペレットおよび添加剤を混合して得られたペレットを80℃にて予備乾燥の後、評価項目に応じて所定の成形機、金型にて各種試験片を得た。結果を表1に示す。なお、各種の試験条件は下記のとおりである。
成形加工性:それぞれで得られたペレットをASTM D−1238に準じてメルトフローレイトを測定した。220℃×10kg、単位:g/10min。
耐衝撃性:(株)ハヤブサ鉄工所製HP−100射出成形機を用いて3.2mm厚みの短冊試験片を得た。ASTM D−256に準じてノッチ無しアイゾット衝撃強度を測定。単位:kJ/m2。
熱変形温度:(株)ハヤブサ鉄工所製HP−100射出成形機を用いて6.4mm厚みの短冊試験片を得た。ASTM D−648に準じて加熱変形温度を測定した。単位:℃
熱変形温度:(株)ハヤブサ鉄工所製HP−100射出成形機を用いて6.4mm厚みの短冊試験片を得た。ASTM D−648に準じて加熱変形温度を測定した。単位:℃
以下の評価方法、具体的には金型転写性、吸湿性、耐光性評価用のテストピース作製にあたっては、以下の射出成形機及びヒートサイクル用金型温度制御装置を用い、平板(250mm×180mm×2mm)を成形した。金型転写性を評価するために、平板の一部に凹凸部(図1)を加工した。
射出成形機:J−150EP 日本製鋼所(株)製
ヒートサイクル用金型温度制御装置:高速HC成形用温調ユニット 三井化学エンジニアリング(株)製
射出成形機:J−150EP 日本製鋼所(株)製
ヒートサイクル用金型温度制御装置:高速HC成形用温調ユニット 三井化学エンジニアリング(株)製
金型転写性:成形品(250mm×180mm×2mm厚)の凹凸部をマイクロスコープ(キーエンス製)で拡大観察し、目視判定した。判定内容;凹凸が転写されている:○、転写されていない:×
吸湿性:上記平板をタバイエスペック(株)製恒温恒湿槽を用いて60℃、湿度95%RHの環境下に240時間放置し、変形量を測定した。変形量は初期からの最大変形点とした。単位:mm。
耐光性:上記平板から5cm角の試験片切り出し、水銀灯照射(光源ランプ:松下電器産業(株)製 H400、環境温度:80℃、照射時間:800時間)前後の黄変度差ΔYI(透過光)を(株)村上色彩技術研究所製CMS−35SPで測定した。
本発明は、吸湿性に優れたアクリル系共重合体を用いることにより、成形材料自体でも吸湿によるソリ・変形を抑制でき、更には、残留歪の少ない条件下で、金型の各種凹凸を正確に転写させることができるため光学特性に優れた樹脂成形品が得られるものである。
1:金型転写性評価用成形品
2:ゲート
3:成形品の凹凸形状
2:ゲート
3:成形品の凹凸形状
Claims (5)
- アクリル系単量体10〜85重量%および芳香族ビニル系単量体90〜15重量%からなるアクリル系共重合体を、予め、金型のキャビティ表面温度を該アクリル系共重合体の熱変形温度以上にまで加熱した金型内に射出充填して得られたことを特徴とする光学用樹脂成形品。
- アクリル系共重合体の重量平均分子量が3〜20万、且つ分子量分布が2.0〜3.0の範囲である請求項1に記載の光学用樹脂成形品。
- 金型のキャビティ表面温度を繰り返し上下するヒートサイクル成形法により成形されたことを特徴とする請求項1又は2に記載の光学用樹脂成形品。
- 液晶表示装置の拡散板である請求項1〜3何れかに記載の光学用樹脂成形品。
- 液晶表示装置の導光板である請求項1〜3何れかに記載の光学用樹脂成形品。
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JP2005346761A Pending JP2007153921A (ja) | 2005-11-30 | 2005-11-30 | 光学用樹脂成形品 |
Country Status (1)
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JP (1) | JP2007153921A (ja) |
-
2005
- 2005-11-30 JP JP2005346761A patent/JP2007153921A/ja active Pending
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