JP2007152819A - 反転機構のカップリング解除装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 構成が簡易で、完全に自動化したカップリング解除装置を得る。
【解決手段】 スクリューボルト(14)及びスクリューナット(18)の組によるシフト操作部材(13)を胴軸(1)と同心に設け、スクリューボルト(14)の一端は作動源(20)と機械的に連結し、他端は皿バネ(10)と対向して押圧レバー(12)の端部に押し当て可能とし、また、スクリューナット(18)はフランジ部材(7)との間にラジアル軸受(23)を介して回転自在に取り付けられるとともに、機体に対しては回転不能とされ、端部のフランジ部(22)がスラスト軸受(24)を介してフランジ部材(7)と当接する。
【選択図】 図1

Description

本発明は枚葉式印刷機の反転機構に関し、特に、その反転機構のカップリング解除装置に関する。
シートに印刷を行なう枚葉式印刷機にあっては、シートの表面にのみ連続的に印刷を施す片面印刷と、表面のみならず裏面にも印刷を施す両面印刷とがあり、印刷態様を切り換えるため、印刷ユニット間に反転胴を中心とする反転機構が介設される。シート反転動作の中心となる反転胴は、印刷態様及び紙寸に応じて位相調整が必要であり、具体的には、反転胴の上流側/下流側の胴群の駆動ギヤの回転位相を相対的に調整する。このため、反転胴の軸端に固定歯車と調整歯車とが並設され、これらがそれぞれ上流側/下流側の胴群の駆動ギヤと噛み合っており、調整歯車の結合を一旦解除した上で、必要な位相調整を行ない、その後再び結合させる仕組みとなっている。
特開昭62−237161号公報 特許2924991号公報
特許文献1には、反転胴の軸端に固定歯車と並設された調整歯車を、皿バネによって付勢された押圧円板によって結合させておき、この結合を、胴軸方向にスライドするシフト操作部材と、てこの原理による押圧レバーとによって解除するカップリング解除装置が開示されている。しかしこの装置は専らマニュアル装置によるもので、自動化されていない。
また、特許文献2には、胴軸と同心にスライド可能な押圧ロッドと、これによって支持された皿バネと、皿バネによって付勢された押圧レバーとによって調整歯車を結合しておき、これに対して押圧ロッドの一端には、圧力媒体によって作動する調節シリンダを設け、これにより押圧ロッドを胴軸方向にスライドさせて結合を解除する構成が開示されている。しかし、このような圧力媒体方式はシール等に問題が多く、加工や組み立てが困難で、結局コストが高くなってしまう。
本発明は上記した問題に鑑みてなされ、構成が簡易で、低コストであり、切換動作がスムーズで、耐久性に富む、完全に自動化したカップリング解除装置を得ることを目的とする。
そしてこのために、本発明に係る反転機構のカップリング解除装置は、スクリューボルト(14)及びスクリューナット(18)の組によるシフト操作部材(13)を胴軸(1)と同心に設け、このスクリューボルト(14)の一端は作動源(20)と機械的に常時噛み合い、他端は皿バネ(10)と対向して押圧レバー(12)の端部に押し当て可能とし、また、スクリューナット(18)は、胴軸(1)の端部に固結されたフランジ部材(7)との間にラジアル軸受(23)を介して回転自在に取り付けられるとともに、機体に対しては回転不能とされ,端部のフランジ部(22)がスライド軸受(24)を介してフランジ部材(7)と当接するようにしている。
本発明によれば、機械的な常時噛み合いの状態でカップリング解除のための力が伝達されるので、中途にクラッチ手段等が必要となり、装置が簡易化されてコストを低下させることができ、故障の要因もなくなる。また、カップリング解除に伴う内部の反力が相殺されるので、胴軸の軸受に余計な力が加わることもなく、調整作業もスムーズで、耐久性も向上する。
本発明に係る反転機構のカップリング解除装置の前提として、反転胴の胴軸(1)には、取付基体(4)をベースにして、調整歯車(6)が固定歯車(5)と並設されている。テコの原理により調整歯車(6)を反転胴に対して結合する押圧レバー(12)は、その一端が軸心近傍で皿バネ(10)によって付勢されており、この皿バネ(10)の付勢を一時的に絶つことによって調整歯車(6)の結合が解除されるようになっている。
皿バネ(10)と対向して、その付勢力を一時的に絶つシフト操作部材(13)は、一組のスクリューボルト(14)及びスクリューナット(18)として構成され、胴軸(1)と同心に設けられている。このうち、スクリューボルト(14)の一端は作動源(20)と機械的に常時噛み合っており、他端は皿バネ(10)と対向して、押圧レバー(12)の端部に押し当て可能である。また、スクリューナット(18)は、胴軸(1)と一体のフランジ部材(7)との間にラジアル軸受(23)を介して回転自在に取り付けられるとともに、機体から延びたステー(25)によって回転不能とされており、端部のフランジ部(22)はスラスト軸受(24)を介してフランジ部材(7)と当接する。
以下、図面を参照して、本発明に係る反転機構のカップリング解除装置の一実施例につき詳細に説明する。
図1は解除装置の断面図であり、印刷機の反転胴の本体は図示を省略しているが、代表として胴軸(1)が示されており、軸受(2)を介して一対の側壁(3)の間に回転可能に支持されている。この胴軸(2)の、いわば延長としてリング状の取付基体(4)が固結されており、この取付基体に、反転胴よりも下流側の駆動ギヤと噛み合う固定歯車(5)が結合されるとともに、これと並行して、上流側の駆動ギヤと噛み合う調整歯車(6)が位相調整可能に取り付けられている。
取付基体(4)の更に外側には、リング状のフランジ部材(7)が両者で中央空所(8)を被うように固結されている。そして、胴軸(1)の軸心と一致して、軸棒(9)がこの中央空所(8)に立設され、多数の皿バネ(10)の取付基準となっている。
フランジ部材(7)は、取付基体(4)との間に放射溝状の空所(11)を有しており、この空所(11)に、テコの原理による数本の押圧レバー(12)が配設される。図示の通り、軸心に近い方の押圧レバー(12)の端部は、皿バネ(10)に当接するとともに、後述するシフト操作部材(13)のスクリューボルト(14)と接離可能であり、また、放射状に延びた他端は、テコ作用のためのヤマ部(15)を有するとともに、調整歯車(6)を取付基体(4)ひいては反転胴と結合するための接触部(16)を有している。
胴軸(1)の中心と合致して進退可能なスクリューボルト(14)は、回転自在とされた先端のディスク部(17)が押圧レバー(12)と当接可能であり、中央部分はシフト操作部材(13)としての対であるスクリューナット(18)と螺合している。そして、外側の端部にはピニオンギヤ(19)が取り付けられ、図2(図1の矢印II方向から視た概略側面図)に示すように、このピニオンギヤ(19)に、エアーによる作動源(20)によってスライドされるラック(21)が常時噛み合っている。
スクリューボルト(14)と対を成してシフト操作部材(13)を構成するスクリューナット(18)は、その両端にフランジ部(22)を有しており(組立作業の都合上、一方のフランジ部(22)は後から嵌め合わされる。)、ラジアル軸受(23)を介してフランジ部材(7)と相対回転自在に取り付けられるとともに、軸方向の負荷に対してはスラスト軸受(24)が介設されている。
また、側壁(3)(すなわち、絶対静止の印刷機体である。)から延出されたステー(25)には、例えば平行すり割による回転止め部材(26)が設けられてスクリューナット(18)と係合しており、その回転を阻止している。
なお、ステー(25)から更に分岐した支持ステー(27)は、スクリューボルト(14)を回転及びスライド自在に支持しているが、これらは専ら設計的事項にしか過ぎない。
次に、上記構成によるカップリング解除の手順について説明する。
印刷機を停止させ、反転胴の回転も停止させた上で、エアーによる作動源(20)を起動させると、ラック(21)がスライドされてピニオンギヤ(19)そしてスクリューボルト(14)が回動される。
スクリューナット(18)と螺合したスクリューボルト(14)は、その回動につれて軸方向に進行し、先端の回動自在なディスク部(17)が押圧レバー(12)の一端に当接し、対向した皿バネ(10)を圧縮する。
皿バネ(10)の圧縮により、調整歯車(6)に対する押圧レバー(12)の押当てが解除され、この状態で反転胴(すなわち、これと一体の固定歯車(5)である。)を要所の位相分回動させて、調整歯車(6)との間の相対的な回転位相を変更する。
位相変更作業の後、作動源(20)によってスクリューボルト(14)を逆転させると、前記とは逆の方向に退行し、ディスク部(17)が押圧レバー(12)から離間する。
これにより、皿バネ(10)による押圧レバー(12)への付勢が復旧し、押圧レバー(12)によって調整歯車(6)が再び固定歯車(5)とカップリングされることとなる。
スクリューボルト(14)によって皿バネ(10)を圧縮する際、当然その反力が発生するが、その反力はスクリューボルト(14)→スクリューナット(18)→スラスト軸受(24)、そして最後に胴軸(1)と一体のフランジ部材(7)という経路で、結果として内部で相殺されてしまう。
また、印刷運転中に反転胴が回転しても、フランジ部材(7)とスクリューナット(18)との間にはラジアル軸受(23)が介装されているので、スクリューナット(18)は静止したままであり、スクリューボルト(14)も作動源(20)まで常時機械的に噛み合ったままである。
本発明に係るカップリング解除装置は、機械的に堅固で低コストであり、完全に自動化した装置として有用である。
本発明に係るカップリング解除装置の一実施例を示す断面図である。 図1の矢印II方向から視た概略側面図である。
符号の説明
1 反転胴の胴軸
3 側壁
4 取付基体
5 固定歯車
6 調整歯車
7 フランジ部材
10 皿バネ
12 押圧レバー
13 シフト操作部材
14 スクリューボルト
18 スクリューナット
19 ピニオンギヤ
20 作動源
21 ラック
22 フランジ部
23 ラジアル軸受
24 スラスト軸受
26 回転止め部材

Claims (1)

  1. 反転胴の胴軸(1)に調整歯車(6)が固定歯車(5)と並設されており、軸心から半径方向に配置された押圧レバー(12)の一端が軸心に配置された皿バネ(10)によって付勢され、該皿バネ(10)の付勢を一時的に絶つことにより前記調整歯車(6)の結合を解除する反転機構のカップリング解除装置において、スクリューボルト(14)及びスクリューナット(18)の組によるシフト操作部材(13)が胴軸(1)と同心に設けられ、該スクリューボルト(14)の一端は作動源(20)と機械的に常時噛み合い、他端は前記皿バネ(10)と対向して前記押圧レバー(12)の端部に押し当て可能であり、また、該スクリューナット(18)は、胴軸(1)の端部に固結されたフランジ部材(7)との間にラジアル軸受(23)を介して回転自在に取り付けられるとともに、機体に対しては回転不能とされ,端部のフランジ部(22)がスラスト軸受(24)を介してフランジ部材(7)と当接することを特徴とする反転機構のカップリング解除装置。
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