JP2007152800A - 積層体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 耐熱性、電気特性(低誘電率、低誘電正接)などに優れ、しかも低吸水率で、密着性に優れた、回路基板用などとして有用な金属箔−樹脂積層体を提供する。
【解決手段】 (A)2,6−ジメチルポリフェニレンエーテル〔ただし、3,5−位にR1 ,R2 基としてそれぞれ独立に水素原子または置換基を有することもある全炭素数1〜20の炭化水素基が結合している)と、(B)上記のポリフェニレンエーテルと反応性を有する官能基を持った共重合体とを含む樹脂組成物からなるフィルムに金属箔を積層し、熱圧着する積層体の製造方法。
【選択図】なし
【解決手段】 (A)2,6−ジメチルポリフェニレンエーテル〔ただし、3,5−位にR1 ,R2 基としてそれぞれ独立に水素原子または置換基を有することもある全炭素数1〜20の炭化水素基が結合している)と、(B)上記のポリフェニレンエーテルと反応性を有する官能基を持った共重合体とを含む樹脂組成物からなるフィルムに金属箔を積層し、熱圧着する積層体の製造方法。
【選択図】なし
Description
本発明は、耐熱性、電気特性などに優れ、かつ、低吸水率で、各層間の密着性に優れ折り曲げ性の良い回路基板などとして有用な積層体の製造方法に関するものである。
近年、通信機器分野においては、通信信号の高速化、装置のコンパクト化、低価格化が一層進行している。それに伴い、通信機器の重要部品であるプリント基板の材料として、プリント基板製作の工程上、耐熱性、耐薬品性などに優れた樹脂フィルムが要求される。また、通信機器として使用する際には、高周波数領域で低誘電率、低誘電正接である樹脂フィルムが求められる。
しかも、樹脂フィルムと、この上に形成される導電性物質との密着性が優れることも、プリント基板を形成する上で、重要な因子である。さらに、環境負荷を下げるという観点から、樹脂フィルムがハロゲンや重金属類を含有しないことも要求される。
しかも、樹脂フィルムと、この上に形成される導電性物質との密着性が優れることも、プリント基板を形成する上で、重要な因子である。さらに、環境負荷を下げるという観点から、樹脂フィルムがハロゲンや重金属類を含有しないことも要求される。
このような市場の要望に対し、たとえば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィンは、誘電率は低いが、耐熱性が低いため、プリント基板材料には適さない。
ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、ABS,ポリカーボネートなど、いわゆる汎用エンジニアリングプラスチックは、耐熱性が低い、誘電率が高い、耐薬品性が不十分などのいずれかの問題点が市場から指摘されている。
ポリエーテルサルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、ポリイミドなど、いわゆるスーパーエンジニアリングプラスチックは、優れた耐熱性、耐薬品性を有するが、誘電性が高すぎる場合があり、また非常に高価である、吸水率が高いなどのいずれかの問題点を市場から指摘されている。
ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、ABS,ポリカーボネートなど、いわゆる汎用エンジニアリングプラスチックは、耐熱性が低い、誘電率が高い、耐薬品性が不十分などのいずれかの問題点が市場から指摘されている。
ポリエーテルサルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、ポリイミドなど、いわゆるスーパーエンジニアリングプラスチックは、優れた耐熱性、耐薬品性を有するが、誘電性が高すぎる場合があり、また非常に高価である、吸水率が高いなどのいずれかの問題点を市場から指摘されている。
特許文献1には、熱硬化性ポリフェニレンエーテル層に積層した導体層に回路を形成して配線版を製造する方法が記載されているが、熱硬化性樹脂を用いているため、作業効率が不十分で、そのため、高価なものである。
特許文献2には、置換基にアリール基を有するポリフェニレンエーテルを使用した電子回路基板が記載されているが、特殊な構造のポリフェニレンエーテルを用いているため、非常に高価なものである。
エンジニアリングプラスチックの一種である熱可塑性の2,6−ジメチルポリフェニレンエーテル(ポリフェニレンエーテル)は、優れた耐熱性、耐薬品性、電気絶縁性を有すると共に、ポリエーテルサルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、ポリイミドなどに比べて、低誘電率で、また低吸水率であり、しかも安価であるという特徴を有するが、成形加工性が悪いという欠点がある。
特許文献2には、置換基にアリール基を有するポリフェニレンエーテルを使用した電子回路基板が記載されているが、特殊な構造のポリフェニレンエーテルを用いているため、非常に高価なものである。
エンジニアリングプラスチックの一種である熱可塑性の2,6−ジメチルポリフェニレンエーテル(ポリフェニレンエーテル)は、優れた耐熱性、耐薬品性、電気絶縁性を有すると共に、ポリエーテルサルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、ポリイミドなどに比べて、低誘電率で、また低吸水率であり、しかも安価であるという特徴を有するが、成形加工性が悪いという欠点がある。
ポリフェニレンエーテルにポリスチレンを配合した樹脂組成物によると、成形加工性は改良されるが、耐熱性、電気特性などが低下しやすい。
特許文献3,4には、ポリフェニレンエーテルと、ポリフェニレンエーテルと反応性を有する官能基を持った共重合体とからなる、成形加工性の改良されたポリフェニレンエーテル系樹脂組成物を用いたフィルムが記載されているが、このフィルムを回路基板用などに応用できるとの記載はみられない。
特開2004−165519号公報
特開2004−231743号公報
特開平7−102169号公報
特開2002−319316号公報
特許文献3,4には、ポリフェニレンエーテルと、ポリフェニレンエーテルと反応性を有する官能基を持った共重合体とからなる、成形加工性の改良されたポリフェニレンエーテル系樹脂組成物を用いたフィルムが記載されているが、このフィルムを回路基板用などに応用できるとの記載はみられない。
このように、今日まで、耐熱性、電気特性などに優れ、しかも低吸水率で、層間の密着性のよい折り曲げ性の良い積層体については、未だ、見い出されておらず、このような要求を満足する回路基板の出現が市場から強く求められている。
本発明は、上記要望に応えること、つまり耐熱性、電気特性(低誘電率、低誘電正接)などに優れ、しかも低吸水率で、各層間の密着性のよい回路基板用などとして有用な金属箔−樹脂積層体の製造方法を提供することを目的としている。
本発明は、上記要望に応えること、つまり耐熱性、電気特性(低誘電率、低誘電正接)などに優れ、しかも低吸水率で、各層間の密着性のよい回路基板用などとして有用な金属箔−樹脂積層体の製造方法を提供することを目的としている。
本発明者らは、上記の課題に対し、鋭意検討を重ねた結果、特定構成のポリフェニレンエーテルにこのポリフェニレンエーテルと反応性を有する官能基を持った共重合体を加えた樹脂組成物よりフィルムを作製し、この樹脂フィルムに金属箔を熱圧着により積層することにより、上記樹脂フィルムの特性として耐熱性、電気特性(低誘電率、低誘電正接)などに優れ、しかも低吸水率で、各層間の密着性がよい積層体を低コストで製造できることを見い出し、この知見に基づき本発明に到達した。
すなわち、本発明は、下記の(1)〜(7)の積層体の製造方法に係るものである。
また、本発明は、これらの各積層体を用いてなる、プリント回路基板、平面アンテナ、ICカードを提供できるものである。
(1)(A)つぎの一般式(1);
また、本発明は、これらの各積層体を用いてなる、プリント回路基板、平面アンテナ、ICカードを提供できるものである。
(1)(A)つぎの一般式(1);
(式中、R1 およびR2 は、それぞれ独立に水素原子または置換基を有することもある全炭素数1〜20の炭化水素基を示す。)
で表される構造単位を有するポリフェニレンエーテルと、(B)上記のポリフェニレンエーテルと反応性を有する官能基を持った共重合体とを含む樹脂組成物からなるフィルムに金属箔を積層し、熱圧着する積層体の製造方法。
(2)(B)成分の共重合体が、不飽和カルボン酸グリシジルエステルおよび/または不飽和グリシジルエーテル単位を0.1〜30質量%含有する共重合体である(1)に記載の積層体の製造方法。
(3)(B)成分の共重合体が、(メタ)アクリル酸エステル−エチレン−(不飽和カルボン酸グリシジルエステルおよび/または不飽和グリシジルエーテル)共重合体ゴムからなる(1)に記載の積層体の製造方法。
(4)(B)成分の共重合体が、(a)エチレン単位が60〜99質量%、(b)不飽和カルボン酸グリシジルエステルおよび/または不飽和グリシジルエーテル単位が0.1〜20質量%、(c)エチレン系不飽和エステル化合物単位が0〜40質量%からなるエポキシ基含有エチレン共重合体である(1)に記載の積層体の製造方法。
(5)金属箔が、銅箔、ニッケル箔、銅−ニッケル箔、金箔のいずれかである(1)に記載の積層体の製造方法。
(6)金属箔が銅箔である(1)に記載の積層体の製造方法。
(7)樹脂組成物からなるフィルムと金属箔との間に接着剤層を設けた(1)に記載の積層体の製造方法。
で表される構造単位を有するポリフェニレンエーテルと、(B)上記のポリフェニレンエーテルと反応性を有する官能基を持った共重合体とを含む樹脂組成物からなるフィルムに金属箔を積層し、熱圧着する積層体の製造方法。
(2)(B)成分の共重合体が、不飽和カルボン酸グリシジルエステルおよび/または不飽和グリシジルエーテル単位を0.1〜30質量%含有する共重合体である(1)に記載の積層体の製造方法。
(3)(B)成分の共重合体が、(メタ)アクリル酸エステル−エチレン−(不飽和カルボン酸グリシジルエステルおよび/または不飽和グリシジルエーテル)共重合体ゴムからなる(1)に記載の積層体の製造方法。
(4)(B)成分の共重合体が、(a)エチレン単位が60〜99質量%、(b)不飽和カルボン酸グリシジルエステルおよび/または不飽和グリシジルエーテル単位が0.1〜20質量%、(c)エチレン系不飽和エステル化合物単位が0〜40質量%からなるエポキシ基含有エチレン共重合体である(1)に記載の積層体の製造方法。
(5)金属箔が、銅箔、ニッケル箔、銅−ニッケル箔、金箔のいずれかである(1)に記載の積層体の製造方法。
(6)金属箔が銅箔である(1)に記載の積層体の製造方法。
(7)樹脂組成物からなるフィルムと金属箔との間に接着剤層を設けた(1)に記載の積層体の製造方法。
このように、本発明方法によれば、耐熱性、電気特性などに優れ、各層間の密着性に優れた、金属箔と樹脂フィルムとからなる積層体が製造できる。この積層体は低吸水率で密着性が高いので、本発明方法によれば回路形成時に剥離などの不具合を生じるおそれのない折り曲げ性の良い積層体が得られる。上記金属箔を用いて回路などを形成することにより、フレキシブルプリント基板、多層基板などとして、産業界において幅広く適用することができる。
本発明に用いられる樹脂組成物において、(A)成分のポリフェニレンエーテルは、前記した一般式(1)で示される構造単位を有する重合体であり、この重合体は、一般式(1)で示される構造単位を2種以上有するものであってもよい。
一般式(1)において、R1 およびR2 は、それぞれ独立に水素または置換基を有していてもよい全炭素数1〜20の炭化水素基である。
置換基を有していてもよい全炭素数1〜20の炭化水素基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、デシル基などの全炭素数1〜20のアルキル基;フェニル基、4−メチルフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基などの全炭素数6〜20のアリール基;ベンジル基、2−フェニルエチル基、1−フェニルエチル基などの全炭素数7〜20のアラルキル基;トリフルオロメチル基、2−t−ブチルオキシエチル基、3−ジフェニルアミノプロピル基などの置換基を有する全炭素数1〜20の炭化水素基などが挙げられる。
これらの中でも、R1 、R2 は、水素、メチル基などであることが好ましく、とりわけ水素であることが好ましい。
置換基を有していてもよい全炭素数1〜20の炭化水素基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、デシル基などの全炭素数1〜20のアルキル基;フェニル基、4−メチルフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基などの全炭素数6〜20のアリール基;ベンジル基、2−フェニルエチル基、1−フェニルエチル基などの全炭素数7〜20のアラルキル基;トリフルオロメチル基、2−t−ブチルオキシエチル基、3−ジフェニルアミノプロピル基などの置換基を有する全炭素数1〜20の炭化水素基などが挙げられる。
これらの中でも、R1 、R2 は、水素、メチル基などであることが好ましく、とりわけ水素であることが好ましい。
(A)成分のポリフェニレンエーテルは、一般式(1)で示される構造単位を有する単独重合体であっても、上記構造単位と、一般式(1)の構造単位を与えるフェノール化合物以外のフェノール化合物である単量体から誘導される構造単位とを有する共重合体であってもよい。この共重合体では、一般式(1)で示される構造単位を80モル%以上含むことが好ましく、90モル%以上含むことがより好ましい。
一般式(1)の構造単位を与えるフェノール化合物としては、下記の一般式(2)で示されるフェノール化合物から選ばれる少なくとも1種が用いられる。また、共重合させる、一般式(1)以外の構造単位を与えるフェノール化合物としては、例えば、多価ヒドロキシ芳香族化合物(例えば、ビスフェノール−A,テトラブロモビスフェノール−A,レゾルシン、ハイドロキノン、ノボラック樹脂)が挙げられる。
一般式(1)の構造単位を与えるフェノール化合物としては、下記の一般式(2)で示されるフェノール化合物から選ばれる少なくとも1種が用いられる。また、共重合させる、一般式(1)以外の構造単位を与えるフェノール化合物としては、例えば、多価ヒドロキシ芳香族化合物(例えば、ビスフェノール−A,テトラブロモビスフェノール−A,レゾルシン、ハイドロキノン、ノボラック樹脂)が挙げられる。
(A)成分のポリフェニレンエーテルは、その固有粘度〔η〕(25℃、クロロホルム溶液)が0.30〜0.65の範囲にあるのが好ましく、0.35〜0.50の範囲にあるのがさらに好ましい。
固有粘度〔η〕が0.30未満では、フィルムの耐熱性が低下する傾向にあり、また、0.65を超えると、樹脂組成物の成形加工性が低下する傾向にある。
固有粘度〔η〕が0.30未満では、フィルムの耐熱性が低下する傾向にあり、また、0.65を超えると、樹脂組成物の成形加工性が低下する傾向にある。
本発明の樹脂組成物において、(B)成分の共重合体は、上記(A)成分のポリフェニレンエーテルと反応性を有する官能基を持った共重合体であり、前記の官能基としては、例えば、オキサゾリル基、エポキシ基、アミノ基などが挙げられ、特に好ましくは、エポキシ基である。エポキシ基などは他の官能基の一部として存在していてもよく、その例としては例えばグリシジル基が挙げられる。
(B)成分の共重合体において、上記のような官能基を共重合体中に導入する方法は、特に限定されず、通常の方法で行うことができる。例えば、共重合体の合成段階で上記官能基を有する単量体を共重合により導入することも可能であるし、共重合体に上記官能基を有する単量体をグラフト共重合することも可能である。
上記官能基を有する単量体としては、とりわけグリシジル基を含有する単量体が好ましく使用される。グリシジル基を含有する単量体としては、例えば、下記の一般式(3)で示される不飽和カルボン酸グリシジルエステルおよび/または不飽和グリシジルエーテルが好ましく用いられる。
(B)成分の共重合体としては、このような不飽和カルボン酸グリシジルエステルおよび/または不飽和グリシジルエーテル単位を0.1〜30質量%含有するのが好ましく、0.1〜20質量%含有するのがさらに好ましい。
本発明において(B)成分中の共重合体の単位の含有量とは、共重合体の全単位の質量に対するその特定の官能基を有する単位の質量の割合(%)をいう。
上記官能基を有する単量体としては、とりわけグリシジル基を含有する単量体が好ましく使用される。グリシジル基を含有する単量体としては、例えば、下記の一般式(3)で示される不飽和カルボン酸グリシジルエステルおよび/または不飽和グリシジルエーテルが好ましく用いられる。
(B)成分の共重合体としては、このような不飽和カルボン酸グリシジルエステルおよび/または不飽和グリシジルエーテル単位を0.1〜30質量%含有するのが好ましく、0.1〜20質量%含有するのがさらに好ましい。
本発明において(B)成分中の共重合体の単位の含有量とは、共重合体の全単位の質量に対するその特定の官能基を有する単位の質量の割合(%)をいう。
一般式(3)で示される不飽和カルボン酸グリシジルエステルとしては、例えば、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、イタコン酸ジグリシジルエステル、ブテントリカルボン酸トリグリシジルエステル、p−スチレンカルボン酸グリシジルエステルなどを挙げることができる。
一般式(3)で示される不飽和グリシジルエーテルとしては、例えば、ビニルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、2−メチルアリルグリシジルエーテル、メタクリルグリシジルエーテル、スチレン−p−グリシジルエーテル等が挙げられる。
一般式(3)で示される不飽和グリシジルエーテルとしては、例えば、ビニルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、2−メチルアリルグリシジルエーテル、メタクリルグリシジルエーテル、スチレン−p−グリシジルエーテル等が挙げられる。
(B)成分の共重合体は、これを含む樹脂組成物のフィルム成形品の熱安定性や柔軟性を良好にするため、その結晶の融解熱量が3J/g未満であるのが好ましい。
また、ムーニー粘度が3〜70のものが好ましく、3〜30のものがさらに好ましく、4〜25のものが特に好ましい。ここでいうムーニー粘度とは、JIS K6300に準じて100℃でラージローターを用いて測定される値である。
また、ムーニー粘度が3〜70のものが好ましく、3〜30のものがさらに好ましく、4〜25のものが特に好ましい。ここでいうムーニー粘度とは、JIS K6300に準じて100℃でラージローターを用いて測定される値である。
(B)成分の共重合体は、ゴムであってもよいし、熱可塑性樹脂であってもよく、またゴムと熱可塑性樹脂の混合物であってもよい。
ゴム中に前記官能基を導入する方法は、特に限定されず、公知の方法で行える。例えば、ゴムの合成段階で前記官能基を有する単量体を共重合により導入してもよいし、ゴムに前記官能基を有する単量体をグラフト共重合させてもよい。
ゴム中に前記官能基を導入する方法は、特に限定されず、公知の方法で行える。例えば、ゴムの合成段階で前記官能基を有する単量体を共重合により導入してもよいし、ゴムに前記官能基を有する単量体をグラフト共重合させてもよい。
(B)成分の共重合体において、エポキシ基を有するゴムとしては、例えば、(メタ)アクリル酸エステル−エチレン−(不飽和カルボン酸グリシジルエステルおよび/または不飽和グリシジルエーテル)共重合体ゴムが挙げられる。
上記の(メタ)アクリル酸エステルは、アクリル酸またはメタクリル酸とアルコールとから得られるエステルで、アルコールとしては、炭素数1〜8のアルコールが好ましい。(メタ)アクリル酸エステルの具体例としては、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、n−ブチルアクリレート、n−ブチルメタクリレート、tert−ブチルアクリレート、tert−ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレートなどが挙げられる。このような(メタ)アクリル酸エステルは、その1種を単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
上記の(メタ)アクリル酸エステルは、アクリル酸またはメタクリル酸とアルコールとから得られるエステルで、アルコールとしては、炭素数1〜8のアルコールが好ましい。(メタ)アクリル酸エステルの具体例としては、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、n−ブチルアクリレート、n−ブチルメタクリレート、tert−ブチルアクリレート、tert−ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレートなどが挙げられる。このような(メタ)アクリル酸エステルは、その1種を単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
このような共重合体ゴムは、これを含む樹脂組成物のフィルム成形品の熱安定性や機械的性質を向上させるために、(メタ)アクリル酸エステル単位が40質量%を超え96質量%未満、特に好ましくは45〜70質量%であり、エチレン単位が3質量%以上50質量%未満、特に好ましくは10〜49質量%であり、不飽和カルボン酸グリシジルエーテルおよび/または不飽和グリシジルエーテル単位が0.1〜30質量%、特に好ましくは0.1〜20質量%を含むものであるのがよい。
この種の共重合体ゴムは、通常の方法、例えばフリーラジカル開始剤による塊状重合、乳化重合、溶液重合などにより、製造することができる。なお、代表的な重合方法は、例えば、フリーラジカルを生成する重合開始剤の存在下、圧力500kg/cm2 以上、温度40〜300℃の条件により製造することができる(例えば、特開昭48−11388号公報、特開昭61−127709号公報など参照)。
この種の共重合体ゴムは、通常の方法、例えばフリーラジカル開始剤による塊状重合、乳化重合、溶液重合などにより、製造することができる。なお、代表的な重合方法は、例えば、フリーラジカルを生成する重合開始剤の存在下、圧力500kg/cm2 以上、温度40〜300℃の条件により製造することができる(例えば、特開昭48−11388号公報、特開昭61−127709号公報など参照)。
(B)成分の共重合体において、上記した共重合体ゴム以外のゴムとしては、例えば、ポリフェニレンエーテルと反応性を有する官能基を持つアクリルゴムや、ポリフェニレンエーテルと反応性を有する官能基を持つビニル芳香族炭化水素化合物−共役ジエン化合物ブロック共重合体ゴムを例示することができる。
上記アクリルゴムとして、好ましくは、下記の一般式(4)〜(6)で表される化合物から選ばれる少なくとも1種の単量体を構成成分としたものが挙げられる。
CH2 =CH−C(=O)−OR3 (4)
CH2 =CH−C(=O)−OR4 OR5 (5)
CH2 =CR6 −C(=O)−O〔R7 C(=O)O〕n R8 (6)
(式中、R3 は炭素原子数1〜18のアルキル基またはシアノアルキル基、R4 は炭素原子数1〜12のアルキレン基、R5 は炭素原子数1〜12のアルキル基、R6 は水素原子またはメチル基、R7 は炭素原子数3〜30のアルキレン基、R8 は炭素原子数1〜20のアルキル基またはその誘導体、nは1〜20の整数である)
CH2 =CH−C(=O)−OR3 (4)
CH2 =CH−C(=O)−OR4 OR5 (5)
CH2 =CR6 −C(=O)−O〔R7 C(=O)O〕n R8 (6)
(式中、R3 は炭素原子数1〜18のアルキル基またはシアノアルキル基、R4 は炭素原子数1〜12のアルキレン基、R5 は炭素原子数1〜12のアルキル基、R6 は水素原子またはメチル基、R7 は炭素原子数3〜30のアルキレン基、R8 は炭素原子数1〜20のアルキル基またはその誘導体、nは1〜20の整数である)
一般式(4)で表される化合物の具体例としては、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、ブチルアクリレート、ペンチルアクリレート、ヘキシルアクリレート、アクチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ノニルアクリレート、デシルアクリレート、ドデシルアクリレート、シアノエチルアクリレートなどを挙げることができる。
また、一般式(5)で表される化合物の具体例としては、メトキシエチルアクリレート、エトキシエチルアクリレート、ブトキシエチルアクリレート、エトキシプロピルアクリレートなどを挙げることができる。
また、一般式(5)で表される化合物の具体例としては、メトキシエチルアクリレート、エトキシエチルアクリレート、ブトキシエチルアクリレート、エトキシプロピルアクリレートなどを挙げることができる。
上記アクリルゴムの構成成分として、必要に応じて、上記の一般式(4)〜(6)で表される化合物から選ばれる少なくとも1種の単量体と(さらに不飽和カルボン酸グリシジルエステルおよび/または不飽和グリシジルエーテルと)共重合可能な他の不飽和単量体を用いることができる。
このような他の不飽和単量体の具体例としては、スチレン、α−メチルスチレン、アクリロニトリル、ハロゲン化スチレン、メタクリロニトリル、アクリルアミド、メタクリルアミド、ビニルナフタレン、N−メチロールアクリルアミド、酢酸ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、ベンジルアクリレート、メタクリル酸、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸などが挙げられる。
このような他の不飽和単量体の具体例としては、スチレン、α−メチルスチレン、アクリロニトリル、ハロゲン化スチレン、メタクリロニトリル、アクリルアミド、メタクリルアミド、ビニルナフタレン、N−メチロールアクリルアミド、酢酸ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、ベンジルアクリレート、メタクリル酸、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸などが挙げられる。
上記アクリルゴムの好ましい構成成分比は、一般式(4)〜(6)で表される化合物から選ばれる少なくとも一種の単量体40.0〜99.9質量%、不飽和カルボン酸グリシジルエステルおよび/または不飽和グリシジルエーテル0.1〜30質量%、好ましくは0.1〜20質量%、これらの単量体と共重合可能な他の不飽和単量体0.0〜30質量%である。アクリルゴムの構成成分比が上記の範囲内であると、組成物の耐熱性、耐衝撃性、成形加工性が良好であり、好ましい。
上記アクリルゴムの製法は、特に限定されない。例えば、特開昭59−113010号公報、特開昭62−64809号公報、特開平3−160008号公報、WO95/04764などに記載されている周知の重合法を使用でき、ラジカル開始剤の存在下で乳化重合、懸濁重合、溶液重合またはバルク重合を行うことにより、製造できる。
上記アクリルゴムの製法は、特に限定されない。例えば、特開昭59−113010号公報、特開昭62−64809号公報、特開平3−160008号公報、WO95/04764などに記載されている周知の重合法を使用でき、ラジカル開始剤の存在下で乳化重合、懸濁重合、溶液重合またはバルク重合を行うことにより、製造できる。
また、前記ビニル芳香族炭化水素化合物−共役ジエン化合物ブロック共重合体ゴムとしては、ビニル芳香族炭化水素化合物を主体とする構成単位と共役ジエン化合物を主体とする構成単位からなるブロック共重合体をエポキシ化して得られるゴム、または上記ブロック共重合体の水添物をエポキシ化して得られるゴムなどが挙げられる。
ここで、ビニル芳香族炭化水素化合物としては、例えば、スチレン、ビニルトルエン、ジビニルベンゼン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ビニルナフタレンなどを挙げることができ、中でもスチレンが好ましい。
また、共役ジエン化合物としては、例えば、ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、3−ブチル−1,3−オクタジエンなどを挙げることができ、中でもブタジエンまたはイソプレンが好ましい。
上記のビニル芳香族炭化水素化合物−共役ジエン化合物ブロック共重合体あるいはその水添物は、通常の方法で製造することができ、例えば、特公昭40−23798号公報、特開昭59−133203号公報などに記載されている方法を採用できる。
また、共役ジエン化合物としては、例えば、ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、3−ブチル−1,3−オクタジエンなどを挙げることができ、中でもブタジエンまたはイソプレンが好ましい。
上記のビニル芳香族炭化水素化合物−共役ジエン化合物ブロック共重合体あるいはその水添物は、通常の方法で製造することができ、例えば、特公昭40−23798号公報、特開昭59−133203号公報などに記載されている方法を採用できる。
本発明に用いられる(B)成分の共重合体としてのゴムは、必要に応じて加硫を行い、加硫ゴムとして用いることができる。
例えば、前記の(メタ)アクリル酸エステル−エチレン−(不飽和カルボン酸グリシジルエステルおよび/または不飽和グリシジルエーテル)共重合体ゴムの加硫は、多官能性有機酸、多官能性アミン化合物、イミダゾール化合物などを用いることで達成されるが、これらに限定されるものではない。
例えば、前記の(メタ)アクリル酸エステル−エチレン−(不飽和カルボン酸グリシジルエステルおよび/または不飽和グリシジルエーテル)共重合体ゴムの加硫は、多官能性有機酸、多官能性アミン化合物、イミダゾール化合物などを用いることで達成されるが、これらに限定されるものではない。
本発明の(B)成分の共重合体において、エポキシ基を有する熱可塑性樹脂としては、(a)エチレン単位が60〜99質量%、(b)不飽和カルボン酸グリシジルエステルおよび/または不飽和グリシジルエーテル単位が0.1〜20質量%、(c)エチレン系不飽和エステル化合物単位が0〜40質量%からなるエポキシ基含有エチレン共重合体を挙げることができる。
ここで、(c)成分のエチレン系不飽和エステル化合物としては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル等のカルボン酸ビニルエステル、α,β−不飽和カルボン酸アルキルエステルなどが挙げられる。特に、酢酸ビニル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチルが好ましい。
ここで、(c)成分のエチレン系不飽和エステル化合物としては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル等のカルボン酸ビニルエステル、α,β−不飽和カルボン酸アルキルエステルなどが挙げられる。特に、酢酸ビニル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチルが好ましい。
上記エポキシ基含有エチレン共重合体としては、例えば、エチレン単位とグリシジルメタクリレート単位とからなる共重合体、エチレン単位とグリシジルメタクリレート単位とアクリル酸メチル単位とからなる共重合体、エチレン単位とグリシジルメタクリレート単位とアクリル酸エチル単位とからなる共重合体、エチレン単位とグリシジルメタクリレート単位と酢酸ビニル単位とからなる共重合体などが挙げられる。
上記エポキシ基含有エチレン共重合体は、メルトインデックス(JIS K6760、190℃、2.16kg荷重、以下、MFRということがある)が、0.5〜100g/10分であるのが好ましく、さらに好ましくは2〜50g/10分である。
メルトインデックスは上記の範囲外であってもよいが、100g/10分を超えると樹脂組成物としたときの機械的物性の点で好ましくなく、0.5g/10分未満では(A)成分との相溶性に劣り好ましくない。
また、上記エポキシ基含有エチレン共重合体は、曲げ剛性率が10〜1,300kg/cm2 の範囲にあるのが好ましく、20〜1,100kg/cm2 の範囲にあるのがより好ましい。曲げ剛性率が上記の範囲外であると、樹脂組成物としたときの成形加工性や機械的性質が不十分となる場合があり好ましくない。
メルトインデックスは上記の範囲外であってもよいが、100g/10分を超えると樹脂組成物としたときの機械的物性の点で好ましくなく、0.5g/10分未満では(A)成分との相溶性に劣り好ましくない。
また、上記エポキシ基含有エチレン共重合体は、曲げ剛性率が10〜1,300kg/cm2 の範囲にあるのが好ましく、20〜1,100kg/cm2 の範囲にあるのがより好ましい。曲げ剛性率が上記の範囲外であると、樹脂組成物としたときの成形加工性や機械的性質が不十分となる場合があり好ましくない。
上記エポキシ基含有エチレン共重合体は、通常、不飽和エポキシ化合物(不飽和カルボン酸グリシジルエステルおよび/または不飽和グリシジルエーテル)とエチレンをラジカル発生剤の存在下500〜4,000気圧、100〜300℃で適当な溶媒や連鎖移動剤の存在下または不存在下に共重合させる、高圧ラジカル重合法により、製造できる。
また、ポリエチレンに不飽和エポキシ化合物(不飽和カルボン酸グリシジルエステルおよび/または不飽和グリシジルエーテル)およびラジカル発生剤を混合し、押出機の中で溶融グラフト共重合させる方法によっても製造できる。
また、ポリエチレンに不飽和エポキシ化合物(不飽和カルボン酸グリシジルエステルおよび/または不飽和グリシジルエーテル)およびラジカル発生剤を混合し、押出機の中で溶融グラフト共重合させる方法によっても製造できる。
本発明における樹脂組成物の組成としては、上記の(A)成分と(B)成分との比が、(A)成分99〜40質量%、好ましくは99〜55質量%、(B)成分1〜60質量%、好ましくは1〜45質量%のものである。(A)成分が多すぎると、樹脂組成物の成形加工性が低下する傾向にあり、また(A)成分が少なすぎると、樹脂組成物の耐熱性などが著しく低下する傾向にあり、いずれも好ましくない。
本発明における樹脂組成物を製造する適当な方法としては、例えば、溶融状態で各成分を混練(溶融混練)する方法が挙げられる。
溶融混練により樹脂組成物を得るには、一軸または二軸の押出機、各種のニーダーなどの混練装置を用いることができるが、二軸の押出機が好ましい。溶融混練に際して、混練装置のシリンダー設定温度は、200〜340℃の範囲が好ましく、220〜320℃の範囲がさらに好ましく、250〜310℃の範囲が特に好ましい。
また、溶融混練に際して、混練する各成分はあらかじめタンブラーまたはヘンシェルミキサーのような装置で各成分を均一に混合したのち、混練装置に供給してもよいし、各成分を混練装置にそれぞれ別個に定量供給する方法も用いることができる。
溶融混練により樹脂組成物を得るには、一軸または二軸の押出機、各種のニーダーなどの混練装置を用いることができるが、二軸の押出機が好ましい。溶融混練に際して、混練装置のシリンダー設定温度は、200〜340℃の範囲が好ましく、220〜320℃の範囲がさらに好ましく、250〜310℃の範囲が特に好ましい。
また、溶融混練に際して、混練する各成分はあらかじめタンブラーまたはヘンシェルミキサーのような装置で各成分を均一に混合したのち、混練装置に供給してもよいし、各成分を混練装置にそれぞれ別個に定量供給する方法も用いることができる。
本発明における樹脂組成物には、(A)成分および(B)成分のほかに、必要に応じて、有機充填剤、無機充填剤、酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、滑剤、無機または有機系着色剤、防錆剤、架橋剤、発泡剤、蛍光剤、表面平滑剤、表面光沢改良剤、フッ素樹脂のような離型改良剤などの各種の添加剤を含ませてもよい。
本発明において、上記の樹脂組成物を成形してフィルムを得るには、例えば、押出し成形法を採用できる。具体的には、上記の樹脂組成物をダイ(口金)を備えた押出し機に供給する方法を使用できる。
フィルムの製造に用いるダイとしては、Tダイ、円筒スリットのダイが好ましく用いられる。また、キャスト法や熱プレス法なども、フィルムの製造に適用できる(例えば、特開2002−319316号公報参照)。
このように成形されるフィルムの厚さは、特に限定されないが、通常、1〜3,000μmの範囲で制御可能であり、5〜1,000μmの範囲のものが実用上好ましい。7〜500μmの範囲のものがさらに好ましい。
フィルムの製造に用いるダイとしては、Tダイ、円筒スリットのダイが好ましく用いられる。また、キャスト法や熱プレス法なども、フィルムの製造に適用できる(例えば、特開2002−319316号公報参照)。
このように成形されるフィルムの厚さは、特に限定されないが、通常、1〜3,000μmの範囲で制御可能であり、5〜1,000μmの範囲のものが実用上好ましい。7〜500μmの範囲のものがさらに好ましい。
本発明の積層体は、上記のように成形されるポリフェニレンエーテル系樹脂組成物からなるフィルムの上に、金属箔を積層したものである。金属箔の積層は、フィルムの片面で行ってもよいし、必要により、フィルムの両面で行ってもよい。
金属箔の積層前に、必要に応じて、上記フィルムの表面を前処理することができる。前処理方法は特に限定されず、周知の方法を使用できる。例えば、アルカリなどの薬液処理、プラズマ処理、コロナ放電処理、イオン照射などが挙げられる。
金属箔の積層前に、必要に応じて、上記フィルムの表面を前処理することができる。前処理方法は特に限定されず、周知の方法を使用できる。例えば、アルカリなどの薬液処理、プラズマ処理、コロナ放電処理、イオン照射などが挙げられる。
フィルム上への金属箔の積層は、熱圧着により行う。この熱圧着により、フィルムと金属箔との密着性に優れる積層体が得られる。
熱圧着の条件は樹脂組成物の組成、金属箔の種類などに変わり、特に制限するものではないが、フィルム上に金属箔を積層したものを圧着温度、好ましくは200〜260℃、より好ましくは210〜240℃で、プレス圧力、好ましくは1〜70MPa、より好ましくは2〜40MPaで行うことができる。
金属箔としては、電解銅箔、圧延銅箔などの銅箔、銅合金箔、アルミ箔、金箔、銀箔、アルミ箔、ニッケル箔、ニッケル−銅箔、ニッケル合金箔、ステンレス箔、錫箔、チタン箔、タンタル箔などを挙げることができる。これらの中でも、銅箔、ニッケル箔、銅−ニッケル箔、金箔などが好ましい。銅箔が最も好ましい。
このような金属箔の厚さは、特に限定されず、用途目的に応じて、適宜設定できるが、通常は、5〜150μm、好ましくは10〜75μmであるのがよい。
熱圧着の条件は樹脂組成物の組成、金属箔の種類などに変わり、特に制限するものではないが、フィルム上に金属箔を積層したものを圧着温度、好ましくは200〜260℃、より好ましくは210〜240℃で、プレス圧力、好ましくは1〜70MPa、より好ましくは2〜40MPaで行うことができる。
金属箔としては、電解銅箔、圧延銅箔などの銅箔、銅合金箔、アルミ箔、金箔、銀箔、アルミ箔、ニッケル箔、ニッケル−銅箔、ニッケル合金箔、ステンレス箔、錫箔、チタン箔、タンタル箔などを挙げることができる。これらの中でも、銅箔、ニッケル箔、銅−ニッケル箔、金箔などが好ましい。銅箔が最も好ましい。
このような金属箔の厚さは、特に限定されず、用途目的に応じて、適宜設定できるが、通常は、5〜150μm、好ましくは10〜75μmであるのがよい。
本発明において金属箔の積層後の熱接着性が優れているので、フィルムと金属箔の間に接着剤層を介在させる必要がない。したがって、電気特性の優れた積層体が得られる。
しかし,電気的特性などをそこなわない範囲で接着剤を介在させることも本発明では可能である。このような接着剤としてはアクリルゴムなどの耐熱性ゴム、エポキシ樹脂、フェノール樹脂などの単独、またはそれらの適当な組み合わせからなる組成物など、周知の接着剤を使用することができる。
このような接着剤をフィルム上にコーターで塗布し、熱ロールや加熱プレス機を用いて熱圧着する方法、フィルムと接着剤フィルムと金属箔とを重ねて熱圧着する方法などで、積層体を得ることができる。これにより、フィルム表面に対する金属箔の接着性を一層優れるものとできる。回路形成時に剥離などの不具合を生じるおそれのない折り曲げ性の良い積層体が得られる。
しかし,電気的特性などをそこなわない範囲で接着剤を介在させることも本発明では可能である。このような接着剤としてはアクリルゴムなどの耐熱性ゴム、エポキシ樹脂、フェノール樹脂などの単独、またはそれらの適当な組み合わせからなる組成物など、周知の接着剤を使用することができる。
このような接着剤をフィルム上にコーターで塗布し、熱ロールや加熱プレス機を用いて熱圧着する方法、フィルムと接着剤フィルムと金属箔とを重ねて熱圧着する方法などで、積層体を得ることができる。これにより、フィルム表面に対する金属箔の接着性を一層優れるものとできる。回路形成時に剥離などの不具合を生じるおそれのない折り曲げ性の良い積層体が得られる。
本発明において、このように金属箔が積層された積層体は、上記金属箔を用いて回路を形成し、フレキシブルプリント回路基板、多層プリント回路基板などとして通信業界あるいは電気・電子部品産業などに幅広く利用できる。
上記の利用にあたり、回路の形成方法は、特に限定されず、周知の方法を適用できる。例えば、金属箔上にレジストを塗布したのち、露光、現像の工程を経て、酸やプラズマなどでエッチングしてレジストを除去し、回路を形成する方法が用いられる。
上記の利用にあたり、回路の形成方法は、特に限定されず、周知の方法を適用できる。例えば、金属箔上にレジストを塗布したのち、露光、現像の工程を経て、酸やプラズマなどでエッチングしてレジストを除去し、回路を形成する方法が用いられる。
つぎに、本発明を実施例に基づいて、さらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例にのみ限定されるものではない。
なお、以下の実施例で用いた樹脂組成物を構成する(A),(B)成分は、下記のとおりである。また、実施例の物性測定は、下記のように行った。
なお、以下の実施例で用いた樹脂組成物を構成する(A),(B)成分は、下記のとおりである。また、実施例の物性測定は、下記のように行った。
<樹脂組成物>
(A)成分:三菱ガス化学社製の「PX−100F」(〔η〕=0.4のポリフェニレンエーテル)を使用した。
(B)成分:住友化学工業社製の「ボンドファースト7L」〔エチレン/グリシジルメタクリレート/アクリル酸メチル=67/3/30(質量比)の共重合体、MFR(190℃)=9g/10分〕を使用した。
(A)成分:三菱ガス化学社製の「PX−100F」(〔η〕=0.4のポリフェニレンエーテル)を使用した。
(B)成分:住友化学工業社製の「ボンドファースト7L」〔エチレン/グリシジルメタクリレート/アクリル酸メチル=67/3/30(質量比)の共重合体、MFR(190℃)=9g/10分〕を使用した。
<物性測定>
(1)吸水率
クロックナー社製射出成形機、クロックナーF−85型を使用して、シリンダー設定温度290℃、スクリュー回転数100rpm,射出圧力78MPaで樹脂ペレットの射出成形を行い、ASTM D570に準拠して、成形品を室温で24時間浸漬して吸水率を求めた。
(2)剥離試験
サイズ110mm×15mmの試験片を、JIS C6471に準拠して、23℃、湿度50%,速度50mm/分で180°方向剥離試験を行った。
(3)誘電率、誘電正接
150mm×150mm×3mmの射出成形平板を、室温でASTM D150に準拠して、周波数1KHzで誘電率、誘電正接を測定した。また、同様の平板を空洞共振器法によって、室温で1GHzでの誘電率、誘電正接を測定した。
(4)MIT屈曲試験
サイズ110mm×15mmの試験片を、折り曲げ面のR=0.8mmとし、JIS P8115に準拠して、屈曲試験を行った。
(1)吸水率
クロックナー社製射出成形機、クロックナーF−85型を使用して、シリンダー設定温度290℃、スクリュー回転数100rpm,射出圧力78MPaで樹脂ペレットの射出成形を行い、ASTM D570に準拠して、成形品を室温で24時間浸漬して吸水率を求めた。
(2)剥離試験
サイズ110mm×15mmの試験片を、JIS C6471に準拠して、23℃、湿度50%,速度50mm/分で180°方向剥離試験を行った。
(3)誘電率、誘電正接
150mm×150mm×3mmの射出成形平板を、室温でASTM D150に準拠して、周波数1KHzで誘電率、誘電正接を測定した。また、同様の平板を空洞共振器法によって、室温で1GHzでの誘電率、誘電正接を測定した。
(4)MIT屈曲試験
サイズ110mm×15mmの試験片を、折り曲げ面のR=0.8mmとし、JIS P8115に準拠して、屈曲試験を行った。
実施例1
(A)成分を120℃で8時間乾燥し、また(B)成分を60℃で4時間真空乾燥し、(A)成分/(B)成分=95/5(質量比)の割合でよく混合したのち、ベルストルフ二軸押出し機、ZE40A(スクリュー径40mm,スクリュー長1,340mm,L/D=33.5)を使用し、シリンダー設定温度290℃、スクリュー回転数150rpmで、ベントで脱気しながら溶融混練を行った。
得られた樹脂組成物のペレットを、以下、P−1と略記することがある。P−1を射出成形して求めた吸水率は0.2%であった。また、P−1を射出成形して得られた平板に関し、1KHzでの誘電率は2.60,誘電正接は0.0007,1GHzでの誘電率は2.47,誘電正接は0.0049であった。
(A)成分を120℃で8時間乾燥し、また(B)成分を60℃で4時間真空乾燥し、(A)成分/(B)成分=95/5(質量比)の割合でよく混合したのち、ベルストルフ二軸押出し機、ZE40A(スクリュー径40mm,スクリュー長1,340mm,L/D=33.5)を使用し、シリンダー設定温度290℃、スクリュー回転数150rpmで、ベントで脱気しながら溶融混練を行った。
得られた樹脂組成物のペレットを、以下、P−1と略記することがある。P−1を射出成形して求めた吸水率は0.2%であった。また、P−1を射出成形して得られた平板に関し、1KHzでの誘電率は2.60,誘電正接は0.0007,1GHzでの誘電率は2.47,誘電正接は0.0049であった。
得られた樹脂組成物のペレットP−1を、ハーケ株式会社(独)製ポリラボシステム装置を使用して、Tダイ製膜を行った。ポリラボシステム装置の一軸押出し機はスクリュー径19.05mm、L/D=20であるが、そのシリンダー設定温度295℃、スクリュー回転数150rpmで混練、押し出しを行った。
また、Tダイはスリット間隙0.8mm、ダイ幅100mmのものを使用し、Tダイにおける樹脂温度298℃で成膜を行った。ここで、Tダイにおける樹脂温度は、Tダイ出口から約2cm内側のダイ部壁下部壁面の温度検出器で検出した。Tダイから出た樹脂は3本ロールの巻き取り機を用いて、2.5m/分で巻き取り、厚さが68μmのフィルムを得た。得られたフィルムを、以下、F−1と略記することがある。
また、Tダイはスリット間隙0.8mm、ダイ幅100mmのものを使用し、Tダイにおける樹脂温度298℃で成膜を行った。ここで、Tダイにおける樹脂温度は、Tダイ出口から約2cm内側のダイ部壁下部壁面の温度検出器で検出した。Tダイから出た樹脂は3本ロールの巻き取り機を用いて、2.5m/分で巻き取り、厚さが68μmのフィルムを得た。得られたフィルムを、以下、F−1と略記することがある。
F−1のフィルムを80mm×40mmの寸法に切断し、これと、同じ寸法に切断した電解銅箔(古河サーキットフォイル社製電解銅箔、厚さ18μm)とを重ね合わせて、それらを厚さが0.5mmのボール紙で挟んだのち、さらに厚さが10mmの鉄板で挟み、それらを重ねて、熱プレスを使用して、プレス温度225℃、プレス圧9.4MPaで、2分間加圧した。
その後、鉄板を取り去り、ボール紙を剥がして、F−1のフィルムと電解銅箔とからなる積層体を得た。この積層体を、以下、S−1と略記することがある。このS−1は外観良好で、変形がみられず、電解銅箔とF−1の間での剥離もみられなかった。この積層体におけるF−1と電解銅箔との剥離強度は17N/cmであった。
また、この積層体S−1について、MIT屈曲試験を1000回行ったのち、外観を目視したところ、F−1と電解銅箔とのいずれにも、ひび割れ、剥離などは認められず、この積層体の折り曲げ性が良いことが確認された。
その後、鉄板を取り去り、ボール紙を剥がして、F−1のフィルムと電解銅箔とからなる積層体を得た。この積層体を、以下、S−1と略記することがある。このS−1は外観良好で、変形がみられず、電解銅箔とF−1の間での剥離もみられなかった。この積層体におけるF−1と電解銅箔との剥離強度は17N/cmであった。
また、この積層体S−1について、MIT屈曲試験を1000回行ったのち、外観を目視したところ、F−1と電解銅箔とのいずれにも、ひび割れ、剥離などは認められず、この積層体の折り曲げ性が良いことが確認された。
比較例1
東レ・デユポン社製ポリイミドフィルム、カプトン100H、25μm厚、を80×40mmの寸法に切断し、同じ寸法に切断した電解銅箔とを重ね合わせ、それらを厚さ0.5mmのボール紙で挟んだ後、さらに厚さ10mmの鉄板で挟み、それらを重ねて、熱プレスを使用して、プレス温度370℃、プレス圧9.4MPaで、2分間加圧した。鉄板を取り去り、ボール紙を剥がし、積層体S−2を得た。この積層体S−2のポリイミドフィルムと電解銅箔との剥離強度は6N/cmと低いものであった。また、該ポリイミドフィルムを24時間、水に浸漬後の吸水率は、2.9%であった。
東レ・デユポン社製ポリイミドフィルム、カプトン100H、25μm厚、を80×40mmの寸法に切断し、同じ寸法に切断した電解銅箔とを重ね合わせ、それらを厚さ0.5mmのボール紙で挟んだ後、さらに厚さ10mmの鉄板で挟み、それらを重ねて、熱プレスを使用して、プレス温度370℃、プレス圧9.4MPaで、2分間加圧した。鉄板を取り去り、ボール紙を剥がし、積層体S−2を得た。この積層体S−2のポリイミドフィルムと電解銅箔との剥離強度は6N/cmと低いものであった。また、該ポリイミドフィルムを24時間、水に浸漬後の吸水率は、2.9%であった。
Claims (7)
- (B)成分の共重合体が、不飽和カルボン酸グリシジルエステルおよび/または不飽和グリシジルエーテル単位を0.1〜30質量%含有する共重合体である請求項1に記載の積層体の製造方法。
- (B)成分の共重合体が、(メタ)アクリル酸エステル−エチレン−(不飽和カルボン酸グリシジルエステルおよび/または不飽和グリシジルエーテル)共重合体ゴムからなる請求項1に記載の積層体の製造方法。
- (B)成分の共重合体が、(a)エチレン単位が60〜99質量%、(b)不飽和カルボン酸グリシジルエステルおよび/または不飽和グリシジルエーテル単位が0.1〜20質量%、(c)エチレン系不飽和エステル化合物単位が0〜40質量%からなるエポキシ基含有エチレン共重合体である請求項1に記載の積層体の製造方法。
- 金属箔が、銅箔、ニッケル箔、銅−ニッケル箔、金箔のいずれかである請求項1に記載の積層体の製造方法。
- 金属箔が銅箔である請求項1に記載の積層体の製造方法。
- 樹脂組成物からなるフィルムと金属箔との間に接着剤層を設けた請求項1に記載の積層体の製造方法。
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Patent Citations (2)
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