JP2007152627A - 成形品形成用金型 - Google Patents

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Abstract

【課題】液状の材料を用いてなおかつ、生産性を低下させることのない成形品を形成することのできる成形品形成用金型を安価に提供する。
【解決手段】本発明に係る成形品形成用金型10は、キャビティ16を画成する一部分に、外部に隣接するプラスチック製の透明体17を配設し、この透明体17を、外部から入射しこれを通過した紫外線がキャビティ16内の全域に照射されるよう構成するとともに、この透明体17のキャビティに隣接する面17sに透明なコーティングを施し、コーティング材料の硬度、および紫外線硬化型樹脂に対する耐汚染性の少なくも一方を、コーティングの基体となるプラスチック材料よりも高くして構成される。
【選択図】図1

Description

本発明は、キャビティに材料を注入し硬化させて成形品を形成するための成形品形成用金型に関し、特に短時間で硬化させることができるものに関する。
樹脂組成物やゴム組成物等の材料を金型内に射出して型内で熱硬化させ成形品を形成する方法は広く用いられており、金型を用いることにより一般的に高精度の成形品を得ることができる。しかしながら、材料の粘度が高いため、細長い製品を射出成形しようとした場合には、キャビティ内の流路が長いことによって流路の末端では充填不足やひけ等の形状不良が起きやすい。この問題を防止するため、高圧で材料を射出した場合には、バリが発生しやすくなり、また、流路を短くするため、複数のゲートを設けた場合には、これらのゲートからの流れがぶつかって形成されるウエルドラインが生じるという不良が発生する。
その対応策として、材料に粘度の低い液状組成物を用いるLIM成形法によってそれらの製品を成形することが提案されている(例えば、特許文献1参照。)
特開平11−034126号公報
しかしながら、液状シリコーンゴム等を用いた従来のLIM成形は、熱を加えて硬化させるので、硬化するまでの時間が長く、そのため、生産性は、高粘度の材料を用いた射出成形に対して不利になってしまうという問題があった。
出願人は、この問題に対して、キャビティを囲繞する金型の一部を透明体で構成し、この透明体を通過させて、紫外線をキャビティ内の溶融樹脂に照射し硬化させる方法とそれに用いる金型構造とを提案した(特願2005−306473、および特願2005−306474)。この提案に従うと、硬化させるのに紫外線を照射させて行うので、短時間でキャビティ内の樹脂材料を硬化させることができ、生産性の向上に大きく寄与させることができる。
しかし、その一方で、透明体の材料として、石英ガラス、ほう珪酸ガラスなどの高価な透明ガラスを用いる場合、金型全体の価格が上昇し、特に、キャビティ画成面を曲面等の複雑な面で構成しなければならないような成形品を形成しようとすると、これらのガラスを曲面に仕上げるのは容易ではなくその加工に多大のコストがかかり問題となっていた。
一方、プラスチック製の透明体を用いる場合、加工性に優れているが、前記透明ガラスなどに比べ表面硬度が低くて傷つき易く、また、紫外線硬化型樹脂により汚染されやすいという問題があり、成形品を量産する際の問題となっていた。
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、液状の材料を用いてなおかつ、生産性を低下させることのない、安価で、かつ、耐久性に優れた成形品形成用金型を提供することを目的とする。
<1>は、キャビティ内で成形品を形成する金型において、
前記キャビティを画成する一部分に、外部に隣接するプラスチック製の透明体を配設し、この透明体を、外部から入射しこれを通過した紫外線がキャビティ内の全域に照射されるよう構成するとともに、この透明体のキャビティに隣接する面に透明なコーティングを施し、コーティング材料の硬度、および紫外線硬化型樹脂に対する耐汚染性の少なくも一方を、コーティングの基体となるプラスチック材料よりも高くしてなる成形品形成用金型である。
<2>は、<1>において、前記キャビティ内に成形材料を供給するゲートを、開閉できるバルブゲートで構成してなる成形品形成用金型である。
<3>は、<1>もしくは<2>において、前記透明体の、キャビティ画成面の少なくとも一部が曲面である成形品形成用金型である。
<4>は、<1>〜<3>いずれかにおいて、JIS K5400に準拠した測定方法において、前記コーティング材料の硬度がHB以上である成形品形成用金型である。
<5>は、<1>〜<5>いずれかにおいて、JIS K7171に準拠した測定方法において、曲げ強さが70MPa以上、もしくは、曲げ弾性率が2000MPa以上である成形品形成用金型である。
<1>によれば、キャビティを画成する一部分に、外部に隣接する透明体を配設し、この透明体を、外部から入射しこれを通過した紫外線がキャビティ内の全域に照射されるよう構成したので、成形品の材料として紫外線硬化型の組成物を用いた場合に、キャビティ内に紫外線を照射してこの組成物を硬化させ、熱硬化型の組成物を用いてこれを加熱して硬化させた場合に対比して短時間で成形することができ、生産性を向上させることができる。また、この金型は加熱の必要がないので、熱硬化性組成物の場合に必要な温調設備や温調ジャケット付きの金型等、複雑な装置を不要なものにするとともに、常時温調を必要とすることによるエネルギーロスをなくして経済的にも有利なものとすることができる。
さらに、前記透明体をプラスチック製としたので、これを安価なものとしたうえで、プラチックのキャビティ隣接面にプラスチックより硬度および紫外線硬化型樹脂に対する耐汚染性の少なくとも一方が優れた材料でコーティングを施すので、プラスチックの、表面が傷ついたり汚染されたりしやすいという点を補うことができる。
<2>によれば、ゲートを外部からの信号などで開閉できるバルブゲートで構成したので、金型開放時には、ゲートを閉止しておくことにより、硬化されないスプルー内の材料が漏出するのを防止することができる。
<3>によれば、透明体の、キャビティ画成面の少なくとも一部が曲面である金型に適用するので、もし、透明体を石英ガラス、ほう珪酸ガラスなどの曲面加工が難しい透明ガラスで構成した場合には、曲面の加工費が極めて高価になってしまうところ、そのコストを大幅に低減させることができる。
<4>によれば、JIS K5400に準拠した測定方法において、前記コーティング材料の硬度がHB以上となるよう構成されているので、透明体を装置に組み付けたり、保守したりする際の傷や、透明体を組み付けた後成形品を取り出す際の傷などの発生を防止することができる。
<5>によれば、JIS K7171に準拠した測定方法において、曲げ強さが70MPa以上、もしくは、曲げ弾性率が2000MPa以上となるよう構成されているので、射出圧により変形や破壊や起こすことはない。
本発明の実施形態について、直径が15mm程度で厚さが3mm程度の、凸レンズ状の成形品を形成する場合を例にとって説明する。図1は、このような成形品の形成方法に用いられる金型を、閉止した状態で例示する断面図であり、この例の金型10は1回の射出により1個の成形品を得る1個取りの場合の例である。
金型10は、その閉止状態において、成形品に対応するキャビティ16を画成する上型12と下型13とよりなり、上型12には、成形材料である紫外線硬化型組成物のキャビティ16への通路となるコールドランナ14が設けられる。コールドランナ14のキャビティ16への開口部となるゲート部には、外部からの信号などによって開閉可能に構成されたバルブゲート15が配置される。図中、PLは、上型12と下型13との合わせ面を表す。
バルブゲート15を開閉するため、コールドランナ14内で上下するバルブピン23が設けられ、材料を注入する工程では、最上点に位置してバルブゲート15を開放し、それ以外の工程では、最下点に位置してバルブゲート15を閉止するよう作動する。そして、この開閉のために、バルブピン23に連結されたピストン24を上下進退させるシリンダ25が設けられる。
また、下型12には、透明体17と、透明体17に当接させて設けられたUVレンズ18と、透明体17を下型本体21に固定する透明体押さえプレート19とが設けられる。
透明体17の主材料として、プラスチックを用い、透明体17のキャビティ16に隣接する面に、硬度および紫外線硬化型樹脂に対する耐汚染性の少なくとも一方において、前記プラスチックより優れた透明材料でコーティングする点が、本発明の特徴点の一つであり、このことによって、透明体17の材料費を抑えるとともに、そのキャビティに隣接するキャビティ画成面17sを図示のように曲面等の複雑な形状にする必要がある場合の加工費も抑えることができ、しかも、硬度や耐汚染性に優れたコーティングを施すことによって、プラスチックが、成形品の金型からの取り出しや金型のメンテナンスをする際の傷つきや損傷を防止し、また、キャビティ内で流動する材料によって摩耗や損傷を受けたり、汚染されたりするのを防止することができる。また、このようにコーティングを施すことによって、キャビティ画成面17sに高い精度が要求される場合にも好適に用いることができる。
透明体の主体をなす透明プラスチックは、金型材料として射出圧に耐える十分な強度を有し、かつ、紫外線を透過させることができる透明な材料のものであればよく、例えば、ポリカーボネート系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、シクロオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリメチルペンテン系樹脂、フッ素系樹脂などの熱可塑性樹脂、あるいは、エポキシ系樹脂、ポリエステル系樹脂、ビニルエステル系樹脂、フェノール系樹脂、ポリイミド系樹脂などの熱硬化性樹脂を好適に用いることができる。
コーティング材料としては、一般に光学用プラスチックレンズや眼鏡用プラスチックレンズに用いられるハードコートなどを好適に用いることができる。これをコーティング処理するための湿式処理法としては、シリコーン系、フッ素系、アクリル系、ウレタン系、エポキシ系、ポリイミド系等の有機系の塗料、塗布型シリカコーティング等の無機系の塗料、あるいはこれらを混合した有機−無機ハイブリッド系塗料を、プラスチック材料の表面に塗布した後、熱硬化、紫外線硬化、あるいは電子線硬化等の方法を用いて硬化させることで得ることができる。
これを、乾式処理法によってもコーティングすることができ、酸化チタン、酸化アルミ、ITO、酸化珪素などの材料をPVD法や、CVD法によってプラスチック材料の表面にコーティング処理を施すことができる。
なお、UVレンズ18は、光ファイバ27を介して紫外線照射光源29に接続され、UVレンズ18として、例えば、紫外線を通過させる光ファイバを多数本束ねて所望の方向に紫外線を拡散、収束、もしくは、平行照射させることのできるUVファイバレンズを用いることができる。
上記の金型10を用いて、成形体を形成するには以下のようにして行う。上型12と下型13とを相互に接近させて、図1に示したように、金型10を閉止してキャビティ16を形成し、次いで、射出成形機のノズル22をコールドランナ14の入り口に押し当て、バルブゲート15を開き、成形品の材料となる紫外線硬化型組成物を、ノズル22から、コールドランナ14を通過させてキャビティ16内に供給し、キャビティ16内を紫外線硬化型組成物で充満させる。
次いで、UVレンズ18を介して、キャビティ16の反ゲート側の面から、紫外線を照射する。このとき、キャビティ16に充填されている材料は、紫外線によって硬化する組成物なので、この操作により、キャビティ16の組成物は硬化され、しかも、紫外線量が十分であれば、極めて短時間で硬化される。
キャビティ16内の紫外線硬化型組成物を完全に硬化させるに必要な予め設定された時間の後、上型12と下型13とを相互に離隔して金型を開放し、硬化された成形品をキャビティ16から取り出して一連のサイクルを終了する。
なお、紫外線硬化型組成物がキャビティ16内に充満された後、金型10を開放するまでの間に、バルブゲート15を閉止する必要があり、もし、これを閉止しなかった場合には、コールドランナ14内に保有されている材料は、紫外線が照射されず硬化されないため、金型10を開放した途端漏れ始めるという問題が生じてしまう。同様な理由で、バルブゲート15に代えて、熱硬化型組成物の成形に用いられる開閉機能のないピンゲートを用いることはできない。
また、金型10の上型12と下型13とのいずれを、金型開閉の際の可動型としてもよく、さらには、これらの両方を可動可能に構成することもできる。
このようにして用いられる紫外線硬化型組成物のうち、樹脂組成物として、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、フッ素樹脂、エポキシ樹脂、アミノ樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、アクリルウレタン樹脂、ウレタン樹脂、アルキッド樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、シリコーン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ビニルエーテル系樹脂、ビニルエステル系樹脂などを、また、ゴム組成物として、末端アクリル化1,4−ポリブタジエンゴム、末端アクリル化1,2−ポリブタジエンゴム、末端アクリル化水添1,2−ポリブタジエンゴム、末端アクリル化ポリイソプレンゴム、末端アクリル化水添ポリイソプレンゴム等を挙げることができ、これらの1種又は2種以上を混合して用いることができる。
さらに、上記樹脂に特定の官能基を導入した変性樹脂を用いることもできる。また、力学的強度、耐環境特性を改善するためには、架橋構造を有するものを導入することが好ましい。
上記の組成物のうち、特に、(メタ)アクリレートオリゴマーを含む(メタ)アクリレート系のものより形成された組成物が好適である。
このような(メタ)アクリレートオリゴマーとしては、例えば、ウレタン系(メタ)アクリレートオリゴマー、エポキシ系(メタ)アクリレートオリゴマー、エーテル系(メタ)アクリレートオリゴマー、エステル系(メタ)アクリレートオリゴマー、ポリカーボネート系(メタ)アクリレートオリゴマー等、また、フッ素系、シリコーン系の(メタ)アクリルオリゴマーなどを挙げることができる。
上記(メタ)アクリレートオリゴマーは、ポリエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、多価アルコールとε−カプロラクトンの付加物等の化合物と、(メタ)アクリル酸との反応により、あるいはポリイソシアネート化合物及び水酸基を有する(メタ)アクリレート化合物をウレタン化することにより合成することができる。
ウレタン系(メタ)アクリレートオリゴマーは、ポリオール、イソシアネート化合物と水酸基を有する(メタ)アクリレート化合物とをウレタン化することによって得ることができる。
エポキシ系(メタ)アクリレートオリゴマーの例としては、グリシジル基を有する化合物と(メタ)アクリル酸との反応生成物であればいずれでもよいが、中でもベンゼン環、ナフタレン環、スピロ環、ジシクロペンタジエン、トリシクロデカン等の環状構造を有し、かつグリシジル基を有する化合物と(メタ)アクリル酸の反応生成物が好ましい。
更に、エーテル系(メタ)アクリレートオリゴマー、エステル系(メタ)アクリレートオリゴマー及びポリカーボネート系(メタ)アクリレートオリゴマーは、各々に対するポリオール(ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール及びポリカーボネートポリオール)と(メタ)アクリル酸との反応によって得ることができる。
前記組成物には、必要に応じて粘度調整のために重合性二重結合を有する反応性希釈剤を配合する。このような反応性希釈剤としては、アミノ酸や水酸基を含む化合物に(メタ)アクリル酸がエステル化反応及びアミド化反応で結合した構造の、例えば、単官能、2官能または多官能の重合性化合物等を使用することができる。これらの希釈剤は、(メタ)アクリレートオリゴマー100重量部当たり、通常10〜200重量部用いることが好ましい。
紫外線硬化型組成物として紫外線照射によって硬化する組成物を用いるに際し、その形成過程において樹脂の硬化反応の開始を促進させるための紫外線重合開始剤を、この組成物に含有させる。
このような紫外線重合開始剤としては、公知のものを使用することができ、例えば、4−ジメチルアミノ安息香酸、4−ジメチルアミノ安息香酸エステル、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、アセトフェノンジエチルケタール、アルコキシアセトフェノン、ベンジルジメチルケタール、ベンゾフェノンおよび3,3−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、4,4−ジメトキシベンゾフェノン、4,4−ジアミノベンゾフェノン等のベンゾフェノン誘導体、ベンゾイル安息香酸アルキル、ビス(4−ジアルキルアミノフェニル)ケトン、ベンジルおよびベンジルメチルケタール等のベンジル誘導体、ベンゾインおよびベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾイン誘導体、ベンゾインイソプロピルエーテル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、キサントン、チオキサントンおよびチオキサントン誘導体、フルオレン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキシド、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン,2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(モルホリノフェニル)−ブタノン−1等が挙げられる。これらは1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
紫外線重合開始剤を配合する場合、その配合量は、例えば、(メタ)アクリレートオリゴマー100重量部当たり0.1〜10重量部が好ましい。
本発明においては、上記成分以外に、必要に応じて、上記の重合開始剤による重合反応を促進するためにトリエチルアミン、トリエタノールアミン等の第3級アミン、トリフェニルホスフィン等のアルキルホスフィン系光重合促進剤、p−チオジグリコール等のチオエーテル系光重合促進剤などを紫外線で硬化する組成物に添加してもよい。これらの組成物を添加する場合、その添加量は、通常(メタ)アクリレートオリゴマー100重量部当たり0.01〜10重量部の範囲が好ましい。
図2(a)は、他の形態の金型を、閉止した状態で例示する断面図、図2(b)は、図2(a)における矢視B1−B1に対応する断面図であり、金型30は1回の射出により複数個の成形品を得る複数個取りの場合の例である。図示のものは、直径が15mm程度で厚さが3mm程度の成形品を2個形成する場合を例示する。
金型30は、その閉止状態において、成形品に対応するキャビティ36を画成する上型32と下型33とよりなり、上型32には、成形材料である紫外線硬化型組成物のキャビティ36への通路となるコールドランナ34が設けられ、下型33には、透明体37と、透明体37に当接させて設けられたUVレンズ38と、透明体37を下型本体41に固定する透明体押さえプレート39とが設けられる。また、UVレンズ38は、図示しない紫外線照射光源に接続される。金型30においても、ゲートとしてバルブゲート35が用いられる。
キャビティ36は、2個の製品本体に対応する本体キャビティ部36A、36B、および、これらの本体キャビティ部36A、36Bとバルブゲート35とを連通させるランナ36Rを、透明体37のキャビティ画成面37sの上に並べた構成となっており、ランナ36R内にも紫外線が照射されるよう構成することによって、ランナ36Rに対応する成形品のランナ部も含め、キャビティ36内のすべての組成物を硬化させることができ、この場合、キャビティ画成面37sは曲面を含むが、透明体37を、先に説明した実施形態と同様のプラスチック材料を同様の材料でコーティングした構成としたので、形状が複雑なことによって増大するコストを最低限に抑えることができる。
図3(a)は、金型30の変形例の金型を、閉止した状態で例示する断面図、図3(b)は、図3(a)における矢視B2−B2に対応する断面図であり、金型50は、金型30と同様の成形品を2個取りするためのものであるが、2個の成形品に対応してキャビティ56A、56Bが別個に、上型52と下型53とにより画成され、上型52には、これらのキャビティ56A、56Bに対応して2本のコールドランナ54A、54B、および、ゲートとしてのバルブゲート55A、55Bが設けられ、一方、キャビティ56A、56Bは、それぞれ、製品本体に対応する製品キャビティ部62A、62Bと、コールドランナ54A、54Bのゲートから出た流れを整える部分として機能するタブ63A、63Bとで構成される。
下型53を構成する透明体57、UVレンズ58、および、透明体押さえプレート59は、金型30におけるそれらと同様なものを用いることができる。また、透明体57のキャビティ画成面57sを曲面で構成して、この面上に製品キャビティ部62A、62Bおよびタブ63A、63Bをこの面上に配置するのが好ましく、タブ63A、63Bにも紫外線が照射されるよう構成ことによって、タブ63A、63Bに対応する成形品のタブ部も含め、キャビティ56A、56B内のすべての組成物を硬化させることができる。
また、透明体57の材料としては、先に説明した2つの実施形態と同様のものを用いることができる。
金型30および金型50を用いて成形品を形成するに際しては、金型10を用いた場合について説明したのと同様の形成方法を用いることができ、詳細の説明を省略する。
図4は、上記に説明した金型を用いて形成された製品形状を示す平面図と側面図であり、図4(a)は、金型10を用いた場合の製品1Aを、図4(b)は、金型30を用いた場合の製品1Bを、図4(c)は、金型50を用いた場合の製品1Cを、それぞれ示す。図中、2A、2B、2Cはゲート跡であり、3は、タブ部を示す。
キャビティ画成面に下記の4種類のコーティングを施したプラスチック製の透明体を具えた、図1の構造の金型を、それぞれ実施例1〜4とし、これらの金型で100ショットの成形を行った直後の透明体キャビティ画成面について傷つきと汚染状態とを目視で観察して耐久性を評価した。透明体にコーティングを施さない点だけが、実施例1および実施例4と異なる金型を、それぞれこの順に対応させて、比較例1および比較例2とし、これらについても、100ショットの成形を行った直後の透明体キャビティ画成面について傷つきと汚染状態とについて同様の評価を行った。
各例の主仕様は以下の通りである。
[実施例1]
・透明体:アクリル系樹脂
((株)さくら樹脂社製、曲げ強さ:110MPa、曲げ弾性率:2900MPa)
・塗膜材料: (株)日本ダクロシャムロック社製 シリコーン系ハードコート剤
ソルガードNP720
・処理法:スプレー塗装処理後、80度で2時間の加熱硬化
・鉛筆硬度:2H→6H
・製品形状:直径が15mmで厚さが3mm程の凸レンズ状成形品
[実施例2]
・透明体:アクリル系樹脂
((株)さくら樹脂社製、曲げ強さ:110MPa、曲げ弾性率:2900MPa)
・塗膜材料: 旭硝子(株)社 製フッ素系コーティング剤
サイトップCTX-100A
・処理法:プライマー処理、スプレー塗装処理の後80度で2時間の加熱硬化
・鉛筆硬度:2H→H
・製品形状:直径が15mmで厚さが3mm程の凸レンズ状成形品
[実施例3]
・透明体:アクリル系樹脂
((株)さくら樹脂社製、曲げ強さ:110MPa、曲げ弾性率:2900MPa)
・塗膜材料: (株)トクシキ社製 ウレタンアクリレート系ハードコート剤
ハイコープAU-2010
・処理法:スプレー塗装処理後、UV硬化(100mW/cm2 x 1min)
・鉛筆硬度:2H→6H
・製品形状:直径が15mmで厚さが3mm程の凸レンズ状成形品
[実施例4]
・透明体:ポリカーボネート系樹脂
((株)さくら樹脂社製、曲げ強さ:78MPa、曲げ弾性率:2100MPa)
・塗膜材料: クラリアントジャパン(株)社製 ポリシラザンコーティング
アクアミカ
・処理法:スプレー塗装処理後、常温硬化
・鉛筆硬度:B→8H
・製品形状:直径が15mmで厚さが3mm程の平板コイン状成形品
実施例1〜4、および比較例1、2の射出成形には、いずれも、日精樹脂工業社製の80t LIM成形機を用い、充填圧力は、実施例1〜4および比較例の場合とも、約3MPaであった。実施例1、2において硬化に用いたUV照射光源として、スポットUV照射装置SP7-250UB(ウシオ電機(株)製)を用いた。
実施例1〜4、および比較例1、2に用いた組成物は、いずれも、ウレタン・アクリレート・オリゴマー(銘柄:UA-340P、新中村化学工業(株)製)80.0重量部と、アクリレート・モノマー(銘柄:ライトアクリレートIM-A、共栄社化学(株)製)20.0重量部と、紫外線重合開始剤(銘柄:イルガキュアー184D、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製)0.5重量部とを、攪拌機にて液温70℃、60rpmで1時間攪拌混合し、混合液を濾過して生成した。また、成形品の硬化に用いた紫外線の照射強度は、400mW/cm2であった。
100ショット後の透明体を目視評価した結果、実施例1〜4の金型については、傷つき、汚染による曇りはいずれも観察されなかった。一方、比較例1のアクリル系樹脂を用いた透明体には、10ショット後で汚染による曇りが発生し、また、比較例2のポリカーボネート系プラスチックを用いた透明体は、これを金型に組み込む際にすでに傷つきが発生した。
本発明は、樹脂やゴムよりなる種々の成形品を形成する金型に適用することができ、特に細長い形状や薄肉の形状のものなどを形成するのに好適に用いることができる。また、キャビティ内にインサート品を配置後、材料を注入して成形品を形成するインサート成形にも適用することができる。
本発明に係る成形品の形成方法に用いられる金型を示す断面図である。 他の形態の金型を示す断面図である。 図2に示した金型の変形例を示す断面図である。 それぞれの金型を用いて形成された成形品の形状を示す平面図および側面図である。
符号の説明
10 金型
12 上型
13 下型
14 コールドランナ
15 バルブゲート
16 キャビティ
17 透明体
17s 透明体のキャビティ画成面
18 UVレンズ
19 透明体押さえプレート
21 下型本体
22 射出成形機のノズル
23 バルブピン
24 ピストン
25 シリンダ
27 光ファイバ
29 紫外線照射光源
30 金型
32 上型
33 下型
34 コールドランナ
35 バルブゲート
36 キャビティ
36A、36B 本体キャビティ部
36R ランナ
37 透明体
37s 透明体のキャビティ画成面
38 UVレンズ
39 透明体押さえプレート
41 下型本体
50 金型
52 上型
53 下型
54A、54B コールドランナ
55A、55B バルブゲート
56A、56B キャビティ
57 透明体
57s 透明体のキャビティ画成面
58 UVレンズ
59 透明体押さえプレート
62A、62B 製品キャビティ部
63A、63B タブ

Claims (5)

  1. キャビティ内で成形品を形成する金型において、
    前記キャビティを画成する一部分に、外部に隣接するプラスチック製の透明体を配設し、この透明体を、外部から入射しこれを通過した紫外線がキャビティ内の全域に照射されるよう構成するとともに、この透明体のキャビティに隣接する面に透明なコーティングを施し、コーティング材料の硬度、および紫外線硬化型樹脂に対する耐汚染性の少なくも一方を、コーティングの基体となるプラスチック材料よりも高くしてなる成形品形成用金型。
  2. 前記キャビティ内に成形材料を供給するゲートを、開閉できるバルブゲートで構成してなる請求項1に記載の成形品形成用金型。
  3. 前記透明体の、キャビティ画成面の少なくとも一部が曲面である請求項1もしくは2に記載の成形品形成用金型。
  4. JIS K5400に準拠した測定方法において、前記コーティング材料の硬度がHB以上である請求項1〜3のいずれかに記載の成形品形成用金型。
  5. JIS K7171に準拠した測定方法において、曲げ強さが70MPa以上、もしくは、曲げ弾性率が2000MPa以上である請求項1〜4のいずれかに記載の成形品形成用金型。
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