JP2007152396A - 流動解析方法および流動解析装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】より正確な流動解析ができるようにする。
【解決手段】溶融金属を充填する前に鋳型の表面の温度分布を認識し(S1)、認識された温度が一定値以下の領域を抽出し(S2)、抽出された領域の一部に揮発性物質を配置させ(S3)、鋳型の中に真空引きによって溶融金属の導入を開始させると共に鋳型の中に真空引きによって鋳型の型合わせ面から吸引される揮発性物質の導入を開始させ(S4〜S7)、鋳型の中に溶融金属と揮発性物質とが導入されていく間に鋳型の中で溶融金属と揮発性物質とが干渉した場合には干渉時における揮発性物質の体積を演算し(S8、S9)、演算された体積分の揮発性物質を仮想粒子と置き換え(S10)、鋳型の中に溶融金属が充填されるまで仮想粒子を溶融金属の移動と共に移動させ(S11、S12)、鋳型の中に溶融金属が充填されたら溶融金属の導入を終了する(S13)。
【選択図】図2
【解決手段】溶融金属を充填する前に鋳型の表面の温度分布を認識し(S1)、認識された温度が一定値以下の領域を抽出し(S2)、抽出された領域の一部に揮発性物質を配置させ(S3)、鋳型の中に真空引きによって溶融金属の導入を開始させると共に鋳型の中に真空引きによって鋳型の型合わせ面から吸引される揮発性物質の導入を開始させ(S4〜S7)、鋳型の中に溶融金属と揮発性物質とが導入されていく間に鋳型の中で溶融金属と揮発性物質とが干渉した場合には干渉時における揮発性物質の体積を演算し(S8、S9)、演算された体積分の揮発性物質を仮想粒子と置き換え(S10)、鋳型の中に溶融金属が充填されるまで仮想粒子を溶融金属の移動と共に移動させ(S11、S12)、鋳型の中に溶融金属が充填されたら溶融金属の導入を終了する(S13)。
【選択図】図2
Description
本発明は、鋳造プロセスの流動解析に係り、たとえば、真空鋳造を行う際に型合わせ面から侵入する水などの揮発性物質が欠陥の発生にどのように関与するのかをも知ることができる流動解析方法および流動解析装置に関する。
近年、鋳造製品の鋳型を製作する際に、湯回り不良のない鋳型を製作するために、コンピュータを利用したシミュレーションが行われている。たとえば下記特許文献1では、溶湯の鋳型内への湯流れをシミュレーションして、その結果、溶湯が鋳型内にどのように充填されて行くかを目視により観察し、溶湯の先端湯面での波立現象などから、充填速度の解析や検討を行い、鋳型形状の最適化に役立てている。
また、下記特許文献2では、鋳型のキャビティーの閉領域に巻き込んだ空気を仮想粒子に置き換えることによって、溶湯がキャビティーに完全に行き渡るようにし、巻き込んだ空気をも考慮したシミュレーションによって、より理想的な鋳型の作成を可能としている。
特開平8−155625号公報
特開2002−283001号公報
ところが、上記したような従来の技術では、空気の巻き込みを考慮したシミュレーションを行うことはできるが、たとえば真空鋳造を行うときのように、鋳型の型合わせ面から侵入する水などの揮発性物質をも考慮したシミュレーションは行うことができない。
一般的に、鋳造を行う際には、溶湯を流し込む前に鋳型(上型および下型)の内面に離型剤を塗布し、両型を合わせてキャビティー内に溶湯を流し込み、溶湯が固形化した後に型を開き、製品を取り出して、水などの揮発性物質で鋳型の内面を洗浄する。このとき、揮発性物質は鋳型の内外に飛び散って、鋳型の窪み部分の温度の低い場所に溜まったままとなる。この揮発性物質は次の鋳造が行われるときに圧縮空気でパージされるが、完全には吹き飛ばされず残っている部分がある。残っている揮発性物質は真空鋳造が行われている最中に型合わせ面からキャビティー内に侵入し、キャビティー内に導入されつつある溶湯と干渉する。揮発性物質と干渉した溶湯はそのままキャビィティー内を移動して最終的には製品のある部分に位置することになる。
最近の研究によると、揮発性物質と干渉した溶湯の部分は、溶接に悪影響を与える水素ガス欠陥が生ることがわかっている。したがって、水素ガス欠陥が生じる位置や大きさを正確に把握することができれば、鋳造製品の品質向上やより理想的な鋳型の作成に役立つはずである。
本発明は、以上のような従来の技術の不具合を解消するためになされたものであり、型合わせ面から侵入する水などの揮発性物質をも考慮してより正確な流動解析が可能な流動解析方法および流動解析装置の提供を目的とする。
上記目的を達成するための本発明に係る流動解析方法は、鋳型内に溶融金属を充填させて成形品を製造するプロセスの流動解析方法であって、前記溶融金属を充填する前に前記鋳型の表面の温度分布を認識する段階と、認識された温度が一定値以下の領域を抽出する段階と、抽出された領域の一部に揮発性物質を配置させる段階と、前記鋳型の中に真空引きによって前記溶融金属の導入を開始させると共に前記鋳型の中に前記真空引きによって前記鋳型の型合わせ面から吸引される前記揮発性物質の導入を開始させる段階と、前記鋳型の中に前記溶融金属と前記揮発性物質とが導入されていく間に前記鋳型の中で前記溶融金属と前記揮発性物質とが干渉した場合には干渉時における前記揮発性物質の体積を演算する段階と、演算された体積分の前記揮発性物質を仮想粒子と置き換える段階と、前記鋳型の中に前記溶融金属が充填されるまで前記仮想粒子を前記溶融金属の移動と共に移動させる段階と、前記鋳型の中に前記溶融金属が充填されたら前記溶融金属の導入を終了する段階と、を含むことを特徴とする。
また、上記目的を達成するための本発明に係る他の流動解析方法は、鋳型内に溶融金属を充填させて成形品を製造するプロセスの流動解析方法であって、前記溶融金属を充填する前に前記鋳型の表面の温度分布を認識する段階と、認識された温度が一定値以下の領域を抽出する段階と、抽出された領域の一部に揮発性物質を配置させる段階と、前記鋳型の中に真空引きによって前記溶融金属を導入させると共に前記鋳型の型合わせ面から吸引される前記揮発性物質を導入させる段階と、前記鋳型の中に前記溶融金属が充填されるまで前記揮発性物質を前記溶融金属の移動と共に移動させる段階と、を含むことを特徴とする。
そして、上記目的を達成するための本発明に係る流動解析装置は、鋳型内に溶融金属を充填させて成形品を製造するプロセスの流動解析を行なう流動解析装置であって、前記溶融金属充填前の前記鋳型の表面の温度分布を認識する温度分布認識手段と、認識された温度が一定値以下の領域を抽出する領域抽出手段と、抽出された領域の一部に揮発性物質を配置させ、前記鋳型の中に真空引きによって前記溶融金属の導入を開始させると共に前記鋳型の中に前記真空引きによって前記鋳型の型合わせ面から吸引される前記揮発性物質の導入を開始させ、前記鋳型の中に前記溶融金属と前記揮発性物質とが導入されていく間に前記鋳型の中で前記溶融金属と前記揮発性物質とが干渉した場合には干渉時における前記揮発性物質の体積を演算し、演算された体積分の前記揮発性物質を仮想粒子と置き換え、前記鋳型の中に前記溶融金属が充填されるまで前記仮想粒子を前記溶融金属の移動と共に移動させて、前記鋳型の中に前記溶融金属が充填されたら前記溶融金属の導入を終了させる演算手段と、を有することを特徴とする。
以上のように構成された本発明に係る流動解析方法は、型合わせ面から侵入する水などの揮発性物質をも考慮しているので、より正確な流動解析が可能になり、鋳造製品の品質向上やより理想的な鋳型の作成に役立てることができる。
以下に、図面に基づいて、本発明に係る流動解析方法および流動解析装置を[第1実施形態]と[第2実施形態]とに分けて説明する。図1は、本発明(第1実施形態と第2実施形態に共通)に係る流動解析方法を適用したシミュレーション装置の概略構成を示すブロック図である。
シミュレーション装置1は、解析部11、データ記憶装置12、入力装置13、および表示装置14とからなる。
解析部11は、後述する手順により、溶湯と揮発性物質の流れをシミュレーションするとともに、仮想粒子の置き換えや鋳造欠陥の表示(水素ガス欠陥が生じる位置、大きさの表示)を行う。解析部11は、温度分布認識手段、領域抽出手段および演算手段として機能し、シミュレーションに際して初期条件の設定や準備を行うプリプロセッサ31と、実際にシミュレーションを実行するソルバー32と、シミュレーションの結果を解析し、グラフィック表示するための処理などを行うポストプロセッサ33とに分かれている。
データ記憶装置12は、鋳型のCADデータ(設計データ)を記憶しており、解析部11へデータを供給するとともに、シミュレーション結果の保存も行う。
入力装置13は、具体的にはキーボードやマウス、鋳型の温度を検出するサーモトレーサーなどであり、揮発性物質の配置や解析ステップの時間間隔などのシミュレーション条件、および鋳型の表面の温度分布の入力を行う。
表示装置14は、具体的にはCRTや液晶ディスプレイなどであり、シミュレーションにおける溶湯の流れや解析結果などをグラフィック表示する。
以上のような構成を有するシミュレーション装置は、具体的にはワークステーションやパソコンなどのコンピュータが、後述する本発明の処理手順に従って作成された鋳造シミュレーションプログラムを実行することにより実現されるものである。なお、鋳造シミュレーションプログラムは、通常、コンピュータ読み取り可能な記録媒体によって提供されるが、実施形態としては、これに限らず、たとえばサーバコンピュータ内に鋳造シミュレーションプログラムを記憶して、そのプログラムを適宜端末として機能しているコンピュータなどに供給し、この端末のコンピュータによって鋳造シミュレーションプログラムを実行するなど様々な形態により可能である。
[第1実施形態]
図2は、第1実施形態に係る流動解析方法の処理手順を示すフローチャートである。なお、フローチャートにおいては、揮発性物質として水を例示して説明する。
[第1実施形態]
図2は、第1実施形態に係る流動解析方法の処理手順を示すフローチャートである。なお、フローチャートにおいては、揮発性物質として水を例示して説明する。
解析部11は、鋳型の温度を検出することができるサーモトレーサーからの信号を入力し、その信号に基づいて実物の鋳型の表面の型締め直前の温度分布を認識する(S1)。解析部11は、認識した鋳型の温度分布に基づいて、型締め時の温度が100℃以下の領域を抽出する。温度が100℃以下の領域には揮発性物質が溜まる可能性があるからである(S2)。
解析者は、キーボードやマウスを用いて、図3に示すように、温度が100℃以下の領域(揮発性物質が溜まり易いくぼみ部)に揮発性物質を配置する。前述のように、鋳造製品を鋳型から取り出す度に、鋳型の内面が揮発性物質で洗浄されるが、洗浄に使用した揮発性物質は温度が100℃以下の領域で、しかもくぼみの部分に溜まり易い。解析者は、通常行われている鋳造作業で鋳型のどの部分に揮発性物質が溜まり易いのかを調査し、その調査結果に基づいて揮発性物質を配置する。揮発性物質の配置は、揮発性物質の重心座標とその重心座標からの半径(揮発性物質の大きさ)を定義し、その流動率をF=2に設定することによって行われる。解析モデルに揮発性物質を配置する場合には、図4Aに示すように簡易的に配置する。なお、本実施形態では、調査結果に基づいて解析者が揮発性物質を配置するようにしているが、その調査結果をデータ記憶装置12に記憶させるようにしても良い(S3)。
解析者は、キーボードやマウスを用いて、解析に必要なデータ、たとえばメッシュ条件や解析ステップの時間間隔を入力する。ここで、メッシュ条件は、鋳型に対して、どのような解析密度でシミュレーションするかを決めるためのものであり、たとえば3次元直交座標系とした場合は、X、Y、Zの軸ごとにそれぞれメッシュ間隔を決める。なお通常の場合、X、Y、Z各軸のメッシュ間隔は同じである(S4)。
解析部11のプリプロセッサ31は、データ記憶装置12に記憶されている鋳型のCADデータを読み込んで解析モデルを作成し、シミュレーションに際して初期条件の設定や準備を行う。なお、解析モデルの作成は従来から一般的に用いられている方法で行われる(S5)。続いて、ソルバー32による鋳造のシミュレーションが行われる。このシミュレーションは、基本的には流れ場の解析シミュレーションを利用したものであり、入力された設計データによる鋳型内に、メッシュ条件によって設定されたセルごとに溶湯が充填され、揮発性物質が移動して行く過程を、設定された時間ステップごとにシミュレートするものである。シミュレーションは下記に示すような自由表面の輸送方程式を用いて行われる。
この輸送方程式において、Fは流体率を表しており、溶湯が充満していないキャビティー領域のメッシュにはF=0が、溶湯と気体が混在する界面のメッシュにはF=0〜0.1が、溶湯が充満しているキャビティー領域のメッシュにはF=1が、揮発性物質が存在している領域のメッシュにはF=2が、それぞれ設定される(S6)。
溶湯と揮発性物質を自由表面上で時間ステップごとに移動させる。真空鋳造の場合、キャビティー内を真空にすることによって溶湯を導入させるので、図4Bに示すように、鋳型の外側に残留している揮発性物質が、鋳型と鋳型との型合わせ面から吸引される(S7)。シミュレーションを行っている最中に揮発性物質が溶湯と干渉したか否かが判断される。揮発性物質と溶湯の干渉は、図4Cに示すように、F=1に設定されているメッシュとF=2に設定されているメッシュとが隣り合ったか否かを判断することによって行われる(S8)。
揮発性物質と溶湯との干渉が検出されたら(S8:YES)、そのときの揮発性物質の体積が演算される。揮発性物質の体積はF=2に設定されているメッシュの数を積算することによって容易に演算することができる。演算された体積はデータ記憶装置12に一時的に保存させる(S9)。次に、揮発性物質の部分を図4Dに示すように仮想粒子に置き換える。仮想粒子に置き換える処理は、F=2に設定されているメッシュをF=1に変更し、変更された領域の重心位置を求め、その重心位置に点のような小さな仮想粒子を配置することで完了する(S10)。次に、この仮想粒子を輸送方程式に基づいて移動させる(S11)。
次に、仮想粒子の移動が終了した場合、または、S8のステップで揮発性物質が溶湯と干渉していないと判断された場合(S8:NO)に、解析終了条件を満たしたか否か(鋳型のキャビティーに導入された溶湯の充填率が99%以上になったか否か)が判断される。この判断は、溶湯を示すメッシュの数(F=1に設定されているメッシュの数)を、溶湯を示すメッシュの数(F=1に設定されているメッシュの数)とキャビティーの空間を示すメッシュの数(F=0に設定されているメッシュの数)の和で割り、その値が0.99以上になっているか否かを演算することによって行われる(S12)。解析終了条件を満たしていなければ(S12:NO)、まだシミュレーションを続ける必要があるので、解析ステップ時間をインクリメントしてS6のステップに戻り、S6〜S11のステップの処理を再度繰り返す。S6〜S11のステップの処理を繰り返し行うことによって、溶湯と共に仮想粒子が移動することになる。
一方、解析終了条件を満たしていれば(S12:YES)、ソルバー32は流動解析のシミュレーションを終了する(S13)。ポストプロセッサ33は、上記のシミュレーションの結果、図4Eに示すように、仮想粒子が最終的にたどり着いた場所を表示装置14に表示させると共に、その仮想粒子の周辺にデータ記憶装置12に保存した揮発性物質の体積分の領域を表示装置14に表示させる。このようにして解析結果が表示されると、シミュレーションの対象となった鋳型では、表示されている部分に水素ガス欠陥が生じることが目視できる(S14)。
[第2実施形態]
図5は、第2実施形態に係る流動解析方法の処理手順を示すフローチャートである。本実施形態は、第1実施形態とは異なって、仮想粒子を用いずに流動解析を行っている。
[第2実施形態]
図5は、第2実施形態に係る流動解析方法の処理手順を示すフローチャートである。本実施形態は、第1実施形態とは異なって、仮想粒子を用いずに流動解析を行っている。
解析部11は、鋳型の温度を検出することができるサーモトレーサーからの信号を入力し、その信号に基づいて実物の鋳型の表面の型締め直前の温度分布を認識する(S21)。解析部11は、認識した鋳型の温度分布に基づいて、型締め時の温度が100℃以下の領域を抽出する(S22)。
解析者は、キーボードやマウスを用いて、図3に示すように、温度が100℃以下の領域(揮発性物質が溜まり易いくぼみ部)に揮発性物質を配置する。解析者は、通常行われている鋳造作業で鋳型のどの部分に揮発性物質が溜まり易いのかを調査し、その調査結果に基づいて揮発性物質を配置する。揮発性物質の配置は、その流体率をF=2に設定することによって行われる。解析モデルに揮発性物質を配置する場合には、図6Aに示すように簡易的に配置する。なお、本実施形態では、調査結果に基づいて解析者が揮発性物質を配置するようにしているが、その調査結果をデータ記憶装置12に記憶させるようにしても良い(S23)。解析者は、キーボードやマウスを用いて、解析に必要なデータ、たとえばメッシュ条件や解析ステップの時間間隔を入力する(S24)。
解析部11のプリプロセッサ31は、データ記憶装置12に記憶されている鋳型のCADデータを読み込んで解析モデルを作成し、シミュレーションに際して初期条件の設定や準備を行う。なお、解析モデルの作成は従来から一般的に用いられている方法で行われる(S25)。
続いて、ソルバー32による鋳造のシミュレーションが行われる。このシミュレーションは、基本的には流れ場の解析シミュレーションを利用したものであり、入力された設計データによる鋳型内に、メッシュ条件によって設定されたセルごとに溶湯が充填され、揮発性物質が移動して行く過程を、設定された時間ステップごとにシミュレートするものである。シミュレーションは下記に示すような質量保存式、運動量保存式、エネルギー保存式を用い連立方程式を解くことによって行われる。
これらの保存式において行われるシミュレーションは従来から行われている一般的なものであり、溶湯と揮発性物質を混在させたまま(密度ρの値が溶湯と揮発性物質とで異なる)行われる(S26)。
溶湯と揮発性物質を自由表面上で時間ステップごとに移動させる。真空鋳造の場合、キャビティー内を真空にすることによって溶湯を導入させるので、図6Bに示すように、鋳型の外側に残留している揮発性物質が、鋳型と鋳型との型合わせ面から吸引される(S27)。
揮発性物質と溶湯とを混在させたままのシミュレーションを続け、鋳型のキャビティーに導入された溶湯の充填率が99%以上になったか否か(解析終了条件を満たしたか否か)が判断される。この判断は、溶湯を示すメッシュの数を、溶湯を示すメッシュの数とキャビティーの空間を示すメッシュの数の和で割り、その値が0.99以上になっているか否かを演算することによって行われる(S28)。
充填率が99%以上でなければ(S28:NO)、まだシミュレーションを続ける必要があるので、解析ステップ時間をインクリメントしてS26のステップに戻り、S26、S27のステップの処理を再度繰り返す。S26、S27のステップの処理を繰り返し行うことによって、溶湯と揮発性物質が共に移動することになる。
一方、充填率が99%以上であれば(S28:YES)、ソルバー32は流動解析のシミュレーションを終了する(S29)。ポストプロセッサ33は、上記のシミュレーションの結果、図6Cに示すように、鋳型と鋳型との型合わせ面から吸引された揮発性物質が最終的にたどり着いた場所とその大きさを表示装置14に表示させる。このようにして解析結果が表示されると、シミュレーションの対象となった鋳型では、表示されている部分に水素ガス欠陥が生じることが目視できる(S30)。
以上のように、本発明では、型合わせ面から侵入する揮発性物質などの揮発性物質をも考慮しているので、より正確な流動解析が可能になり、鋳造製品の品質向上やより理想的な鋳型の作成に役立てることができる。
本発明は、特に真空鋳造の流動解析の分野で利用することができる。
1 シミュレーション装置、
11 解析部、
12 データ記憶装置、
13 入力装置、
14 表示装置、
31 プリプロセッサ、
32 ソルバー、
33 ポストプロセッサ。
11 解析部、
12 データ記憶装置、
13 入力装置、
14 表示装置、
31 プリプロセッサ、
32 ソルバー、
33 ポストプロセッサ。
Claims (6)
- 鋳型内に溶融金属を充填させて成形品を製造するプロセスの流動解析方法であって、
前記溶融金属を充填する前に前記鋳型の表面の温度分布を認識する段階と、
認識された温度が一定値以下の領域を抽出する段階と、
抽出された領域の一部に揮発性物質を配置させる段階と、
前記鋳型の中に真空引きによって前記溶融金属の導入を開始させると共に前記鋳型の中に前記真空引きによって前記鋳型の型合わせ面から吸引される前記揮発性物質の導入を開始させる段階と、
前記鋳型の中に前記溶融金属と前記揮発性物質とが導入されていく間に前記鋳型の中で前記溶融金属と前記揮発性物質とが干渉した場合には干渉時における前記揮発性物質の体積を演算する段階と、
演算された体積分の前記揮発性物質を仮想粒子と置き換える段階と、
前記鋳型の中に前記溶融金属が充填されるまで前記仮想粒子を前記溶融金属の移動と共に移動させる段階と、
前記鋳型の中に前記溶融金属が充填されたら前記溶融金属の導入を終了する段階と、
を含むことを特徴とする流動解析方法。 - 鋳型内に溶融金属を充填させて成形品を製造するプロセスの流動解析方法であって、
前記溶融金属を充填する前に前記鋳型の表面の温度分布を認識する段階と、
認識された温度が一定値以下の領域を抽出する段階と、
抽出された領域の一部に揮発性物質を配置させる段階と、
前記鋳型の中に真空引きによって前記溶融金属を導入させると共に前記鋳型の型合わせ面から吸引される前記揮発性物質を導入させる段階と、
前記鋳型の中に前記溶融金属が充填されるまで前記揮発性物質を前記溶融金属の移動と共に移動させる段階と、
を含むことを特徴とする流動解析方法。 - 前記仮想粒子を前記溶融金属の移動と共に移動させる段階の後に、さらに、前記仮想粒子が最終的に移動し終わった部分に欠陥が生じることを推定する段階と、
前記欠陥が生じる部分を表示させる段階と、
を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の流動解析方法。 - 前記揮発性物質は水であることを特徴とする請求項1または2に記載の流動解析方法。
- 前記流動解析はナヴィエストークスの式(NS)式を用いて行うことを特徴とする請求項1または2に記載の流動解析方法。
- 鋳型内に溶融金属を充填させて成形品を製造するプロセスの流動解析を行なう流動解析装置であって、
前記溶融金属充填前の前記鋳型の表面の温度分布を認識する温度分布認識手段と、
認識された温度が一定値以下の領域を抽出する領域抽出手段と、
抽出された領域の一部に揮発性物質を配置させ、前記鋳型の中に真空引きによって前記溶融金属の導入を開始させると共に前記鋳型の中に前記真空引きによって前記鋳型の型合わせ面から吸引される前記揮発性物質の導入を開始させ、前記鋳型の中に前記溶融金属と前記揮発性物質とが導入されていく間に前記鋳型の中で前記溶融金属と前記揮発性物質とが干渉した場合には干渉時における前記揮発性物質の体積を演算し、演算された体積分の前記揮発性物質を仮想粒子と置き換え、前記鋳型の中に前記溶融金属が充填されるまで前記仮想粒子を前記溶融金属の移動と共に移動させて、前記鋳型の中に前記溶融金属が充填されたら前記溶融金属の導入を終了させる演算手段と、
を有することを特徴とする流動解析装置。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2020019033A (ja) * | 2018-07-30 | 2020-02-06 | マツダ株式会社 | 鋳造品の欠陥位置予測方法、欠陥位置予測装置、欠陥位置予測プログラム及びその記録媒体 |
JP2020019032A (ja) * | 2018-07-30 | 2020-02-06 | マツダ株式会社 | 鋳造品の欠陥位置予測方法、欠陥位置予測装置、欠陥位置予測プログラム及びその記録媒体 |
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2005
- 2005-12-05 JP JP2005350996A patent/JP2007152396A/ja active Pending
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