JP6098190B2 - シミュレーションプログラム、シミュレーション方法及びシミュレーション装置 - Google Patents

シミュレーションプログラム、シミュレーション方法及びシミュレーション装置 Download PDF

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Description

本発明は、シミュレーションプログラム、シミュレーション方法及びシミュレーション装置に関する。
従来、流体や弾性体等の連続体の運動を解く数値計算の手法として、格子をベースにして微分方程式の近似解を求解する有限差分法や有限要素法、有限体積法などが用いられている。また、近年では、数値計算をCAE(Computer Aided Engineering)等の応用分野で活用するため、連続体の状態を解く数値計算の手法も発展し、流体と構造物とが相互作用する問題が解かれる。しかしながら、格子を用いる数値計算の手法では、自由表面等の界面の存在する問題や、流体と構造とを連成して解く流体構造連成解析問題などの移動境界が発生する場合には、連続体の取り扱いが複雑になるため、プログラム作成が困難になる場合がある。
ここで、格子を用いない数値計算の手法として、粒子法がある。粒子法とは、連続体の運動を有限の数の粒子の運動として解析する手法である。現在提案されている代表的な粒子法としては、SPH(Smoothed Particles Hydrodynamics)法やMPS(Moving Particles Semi-implicit)法といったものがある。粒子法では、移動境界の取り扱いに特別な処置をせずに連続体の運動を解析することができる。そのため、粒子法は、近年、連続体の運動を解く数値計算の手法として広く用いられるようになってきている。
特に、鋳造・鍛造などの金属加工では、液体金属の中に冷えて固まった金属(固化した金属)が混じる、固化した金属が成長する、及び、固化過程において金属の体積が変化する等の複雑な過程となる。自由表面の扱いの簡単さや並列性能面、固体との連成計算が比較的容易である、などの利点により鋳造・鍛造シミュレーションは粒子法の活躍が期待される分野と考えられる。
鋳造過程の基本的なシミュレーション技術である、液体が冷えて固まる過程(固化過程)の計算手法として、Clearyの方法が知られている。Clearyの方法は、粒子法の一つであるSPH法を用いて、各液体粒子の内部エネルギーの時間発展を計算し、温度、密度、粘性係数を内部エネルギーの関数として計算を行う。すなわち、Clearyの方法は、内部エネルギーが小さくなり温度が低くなると、液体の粘性係数を大きくして固化を表現し、液体の密度を大きくして固化に伴う体積低下を表現する。
Clearyの手法は、流体の方程式をSPH法により以下の式(1)〜式(4)に示すように離散化する。
Figure 0006098190
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式(1)は質量保存則、式(2)は運動量保存則、式(3)は状態方程式、式(4)はエネルギー保存則を表す。ここで、x,v,ρ,m,p,Uは、それぞれ、粒子iの位置ベクトル、粒子iの速度ベクトル、粒子iの密度、粒子iの質量、粒子iの圧力、粒子iの内部エネルギーである。xij,vijは、それぞれ、粒子iとjの相対位置ベクトル、相対速度ベクトルであり、xij=x−xj,ij=v−vである。κ,μは、それぞれ、粒子iの熱伝導率、粒子iの粘性係数である。また、P=ρであり、cは音速である。ρs,iは、粒子iの基準密度で、ρ=ρs,iのとき圧力が0となる値である。
また、Wは、カーネル関数であり、例えば、Wとして、以下の式(5)が示すスプライン関数が用いられる。
Figure 0006098190
hは、粒子間の影響半径であり、例えば、hとして、初期状態の平均粒子の間隔の2倍から3倍程度の値が用いられる。βは、カーネル関数の全空間積分量が1になるように調整された値であり、2次元の場合は、0.7πhと定められ、3次元の場合は、πhと定められる。
Clearyの手法は、内部エネルギーが低下し、温度が融点以下に下がった際に粘性係数μが大きくなることにより、式(2)の第三項の粒子同士の相対速度を打ち消す効果が大きくなり、変形しにくくなることで固化を表現する。また、Clearyの手法は、基準密度ρs,iを大きくすることで圧力を低下し、式(2)の第二項の効果により周りの粒子を集めることで、固化に伴う収縮を表現する。
式(1)〜式(4)を一般的な常微分方程式の数値解法である、オイラー法やリープフロッグ法などで、時間発展を計算することで、シミュレーションが可能となる。
Clearyの手法では、固化過程における粘性係数の値が増大するため、計算上の時間刻みが非常に小さくなる。そのため、計算が終了する時刻までの計算回数が多大となる。それゆえ、Clearyの手法では、多大な計算時間がかかる。
ここで、流体と剛体とが相互作用する問題の計算手法の一例として、液体の部分については液体の運動を解くための方程式を用い、固体の部分については剛体の運動方程式を用いて解く手法がある。かかる手法では、固体の部分を剛体の運動法的式を用いて解くため、Clearyの手法よりも計算時間が短くてすむ。
Paul W. Cleary, "Extension of SPH to predict feeding freezing and defect creation in low pressure die casting", Applied Mathematical Modelling, 34(2010), pp. 3189-3201. Koshizuka, S., Nobe A. and Oka Y. "Numerical Analysis of Breaking Waves Using the Moving Particle Semi-implicit Method", Int. J. Numer. Meth. Fluids, 26, 751-769(1998)
しかしながら、固体の部分を剛体の運動方程式を用いて解く手法では、液体から固体が新たに生成される状況では、計算結果の精度が良好ではないという問題がある。液体の金属を型に流し込んで冷却する場合を例に挙げて説明する。この場合、液体の金属は、冷却の状況に応じて、複数の部分において固化が始まり、固化された複数の部分のそれぞれの固化された体積が時間に伴って大きくなる。そして、液体の金属は、全体が固化される。図14は、従来の手法の問題点の一例を説明するための図である。図14の例は、冷却によって固化された金属の固体の部分90の粒子90aと、金属の固体の部分91の粒子91aと、金属の液体の部分92の粒子92aとが型に存在する場合を示す。この場合に、冷却によって、固体の部分90の固化された体積が大きくなり、液体の部分92が固化されて、固化された部分92と固体の部分90とが同一の固体となっても、上述した手法は、別々の固体として扱う。すなわち、上述した手法は、固化された部分92の運動と固体の部分90の運動とを別々に剛体の運動方程式を用いて解く。そのため、上述した手法では、本来1つの固体であるにも関わらず、複数の固体のそれぞれについて運動を解くので、計算結果の精度が良好ではない。
1つの側面では、液体の部分については液体の運動を解くための方程式を用い、固体の部分については剛体の運動方程式を用いて解く手法を用いる場合においても、精度良く計算を行うことを目的とする。
本願の開示するシミュレーションプログラムは、1つの態様において、コンピュータに、次の処理を実行させる。すなわち、シミュレーションプログラムは、コンピュータに、液体及び固体を含む連続体を複数の粒子で表した場合における複数の粒子のそれぞれのうち、第1の時間における液体の粒子について、第1の時間よりも後の第2の時間における状態を計算させる。シミュレーションプログラムは、コンピュータに、第2の時間における状態に基づいて、第1の時間における液体の粒子が、第2の時間に第1の固体の粒子となったか否かを判定させる。シミュレーションプログラムは、コンピュータに、第1の時間における液体の粒子が、第2の時間に第1の固体の粒子となったと判定された場合、次の処理を実行させる。すなわち、シミュレーションプログラムは、コンピュータに、第1の固体の粒子と、第1の固体の粒子から所定範囲内に存在する第2の固体の粒子を含む固体に属する全ての粒子とを同一の固体に属する粒子と定義させる。シミュレーションプログラムは、コンピュータに、剛体の運動方程式を用いて、同一の固体に属する粒子のそれぞれの状態を計算させる。
液体の部分については液体の運動を解くための方程式を用い、固体の部分については剛体の運動方程式を用いて解く手法を用いる場合においても、精度良く計算を行うことができる。
図1は、実施例に係るシミュレーション装置が実行する処理の一例を説明するための図である。 図2は、実施例に係るシミュレーション装置の機能構成の一例を示す図である。 図3は、金属モデルデータが示す金属モデルの一例を説明するための図である。 図4は、金属モデルデータが示す金属モデルの一例を説明するための図である。 図5は、実施例に係るシミュレーション装置が実行する処理の一例を説明するための図である。 図6は、実施例に係るシミュレーション装置が実行する処理の一例を説明するための図である。 図7は、実施例に係るシミュレーション装置が実行する処理の一例を説明するための図である。 図8は、実施例に係るシミュレーション装置が実行する処理の一例を説明するための図である。 図9は、実施例に係るシミュレーション装置が実行する処理の一例を説明するための図である。 図10は、実施例に係るシミュレーション装置が実行する処理の一例を説明するための図である。 図11は、実施例に係るシミュレーション処理の手順を示すフローチャートである。 図12は、実施例に係る固体番号定義処理の手順を示すフローチャートである。 図13は、シミュレーションプログラムを実行するコンピュータを示す図である。 図14は、従来の手法の問題点の一例を説明するための図である。
以下に、本願の開示するシミュレーションプログラム、シミュレーション方法及びシミュレーション装置の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施例は開示の技術を限定するものではない。
[シミュレーション装置の構成]
実施例に係るシミュレーション装置について説明する。本実施例に係るシミュレーション装置は、金属の液体を型に流しこんで冷却させるシナリオを用いて、金属の液体及び固体を含む連続体の各粒子の状態を粒子法によりタイプステップtts毎に計算する。図1は、実施例に係るシミュレーション装置が実行する処理の一例を説明するための図である。図1に示すように、シミュレーション装置は、金属の液体20を型21に流しこんで冷却させて、金属の液体20、及び、金属の液体20が固化した金属の固体21が混ざった場合の各粒子の状態を粒子法により計算する。
図2は、実施例に係るシミュレーション装置の機能構成の一例を示す図である。図2に示すように、シミュレーション装置10は、入力部11と、表示部12と、記憶部13と、制御部14とを有する。
入力部11は、制御部14に情報を入力する。例えば、入力部11は、ユーザから後述のシミュレーション処理を実行する指示であるシミュレーション実行指示を受け付けて、受け付けたシミュレーション実行指示を制御部14に入力する。また、入力部11は、ユーザから、初期状態における各粒子の初期値を受け付けて、受け付けた各粒子の初期値を制御部14に入力する。ここで、初期状態における各粒子の初期値には、各粒子の位置、密度、速度、内部エネルギー、状態、固体番号が含まれる。ここで、粒子の状態には、内部エネルギーが所定値より高く、温度が融点より高い場合には、粒子が液体であるため、液体であることを示す情報が設定される。また、粒子の状態には、内部エネルギーが所定値以下であり、温度が凝固点より低い場合には、粒子が固体であるため、固体であることを示す情報が設定される。また、固体番号には、粒子が属する固体の識別番号が設定される。入力部11のデバイスの一例としては、キーボードやマウスなどが挙げられる。
表示部12は、各種の情報を表示する。例えば、表示部12は、後述の表示制御部14eの制御によりシミュレーション結果を表示する。表示部12のデバイスの一例としては、液晶ディスプレイなどが挙げられる。
記憶部13は、制御部14で実行される各種プログラムを記憶する。また、記憶部13は、金属モデルデータ13aを記憶する。金属モデルデータ13aは、金属の液体及び固体を含む連続体を複数の粒子として表した金属のモデルを示す。図3及び図4は、金属モデルデータが示す金属モデルの一例を説明するための図である。図3の例は、型21に流し込まれた金属の液体20の一部が固化されて、金属の液体20と金属の固体21とが混ざっている場合を示す。図3に示す部分23の金属のモデルの詳細について説明する。図4は、図3に示す部分23の金属のモデルの詳細を示す図である。図4の例に示すように、金属の液体20及び金属の固体22のモデルには、複数の粒子25が含まれる。本実施例では、各粒子25の位置、密度、速度、内部エネルギー、状態、固体番号がタイプステップtts毎に計算される。
図1に戻り、記憶部13は、例えば、フラッシュメモリなどの半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスクなどの記憶装置である。なお、記憶部13は、上記の種類の記憶装置に限定されるものではなく、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)であってもよい。
制御部14は、各種の処理手順を規定したプログラムや制御データを格納するための内部メモリを有し、これらによって種々の処理を実行する。図2に示すように、制御部14は、計算部14aと、更新部14bと、判定部14cと、定義部14dと、表示制御部14eとを有する。
計算部14aは、各種の情報を計算する。例えば、計算部14aは、タイムステップtts毎に、状態が液体の粒子である液体粒子に対して、流体の運動方程式を用いた時間発展の計算を行うことにより、液体粒子の位置、速度、密度、内部エネルギーを計算する。例えば、計算部14aは、タイムステップ(tts−1)の場合における全ての液体粒子に対して、上記の式(1)〜式(4)を用いて、タイムステップttsでの位置、速度、密度、内部エネルギーを計算する。
また、計算部14aは、タイムステップtts毎に、状態が固体の粒子である固体粒子が属する固体に対して、剛体の運動方程式を用いた時間発展の計算を行うことにより、固体粒子の位置、速度、密度、内部エネルギーを計算する。例えば、計算部14aは、タイムステップ(tts−1)の場合における固体粒子に対して、タイムステップttsでの固体粒子の重心の並進運動と重心周りの回転運動とを計算する。これにより、計算部14aは、タイムステップttsでの固体粒子が属する固体の時間発展を計算する。すなわち、計算部14aは、固体毎に、各固体に属する固体粒子にかかる力から、タイムステップttsでの固体の重心の並進運動と重心周りの回転運動とを計算する。そして、計算部14aは、計算された固体の重心の並進運動と重心周りの回転運動とから、剛体の運動方程式を用いて、タイムステップttsでの各固体に属する固体粒子の位置、速度、密度を計算する。また、計算部14aは、上記の式(4)を用いて、タイムステップttsでの固体粒子の内部エネルギーを計算する。
計算部14aの一態様について説明する。例えば、計算部14aは、入力部11からシミュレーション実行指示が入力された場合には、まず、タイムステップttsの値を0に設定する。そして、計算部14aは、入力部11から各粒子の初期値が入力されたか否かを判定する。初期値が入力された場合には、計算部14aは、タイムステップttsの値を1だけインクリメントする。また、計算部14aは、タイムステップttsの値がシミュレーションの最後のタイムステップN以下であると表示制御部14eにより判定された場合にも、タイムステップttsの値を1だけインクリメントする。
続いて、計算部14aは、タイムステップ(tts−1)の場合における全ての液体粒子に対して、上記の式(1)〜式(4)を用いて、タイムステップttsでの位置、速度、密度、内部エネルギーを計算する。
また、計算部14aは、タイムステップ(tts−1)の場合における固体粒子が属する全ての固体に対して、剛体の運動方程式を用いた時間発展の計算を行うことにより、次の処理を行う。すなわち、計算部14aは、タイムステップ(tts−1)の場合における全ての固体粒子のタイムステップttsでの位置、速度、密度、内部エネルギーを計算する。
更新部14bは、各種の情報を更新する。更新部14bの一態様について説明する。例えば、更新部14bは、タイムステップ(tts−1)の場合における全ての液体粒子の位置、速度、密度、内部エネルギーのそれぞれを、計算したタイムステップttsでの位置、速度、密度、内部エネルギーのそれぞれに更新する。
また、更新部14bは、タイムステップ(tts−1)の場合における全ての固体粒子の位置、速度、密度、内部エネルギーのそれぞれを、計算したタイムステップttsでの位置、速度、密度、内部エネルギーのそれぞれに更新する。
そして、更新部14bは、全ての粒子に対して、計算した内部エネルギーに基づいて、状態を更新する。例えば、更新部14bは、計算した内部エネルギーが所定値より高い場合には、液体であることを示す情報を粒子の状態に設定し、状態を更新する。また、更新部14bは、内部エネルギーが所定値以下である場合には、固体であることを示す情報を粒子の状態に設定し、状態を更新する。
続いて、更新部14bは、全ての粒子の更新結果(位置、速度、密度、内部エネルギー、状態)をタイムステップttsと対応付けて記憶部13の所定領域に格納する。
続いて、判定部14cは、各種の判定を行う。判定部14cの一態様について説明する。例えば、判定部14cは、タイムステップttsにおける全ての粒子の更新前後の状態に基づいて、新たに固化した固体粒子(状態が液体から固体に変化した粒子)があるか否かを判定する。
新たに固化した固体粒子がある場合には、判定部14cは、新たに固化した固体粒子を特定する。そして、判定部14cは、特定した固体粒子の固体番号を未定義の状態にする。
そして、判定部14cは、タイムステップttsにおける全ての粒子の更新前後の状態に基づいて、新たに溶融した液体粒子(状態が固体から液体に変化した粒子)があるか否かを判定する。
新たに溶融した液体粒子がある場合には、判定部14cは、新たに溶融した液体粒子を特定する。そして、判定部14cは、特定した液体粒子がタイムステップ(tts−1)において固体粒子であったときに属していた固体に属する全ての固体粒子の固体番号を未定義の状態にする。
そして、判定部14cは、タイムステップttsにおける全ての粒子の更新前後の状態に基づいて、再度、新たに固化した固体粒子があるか否かを判定するとともに、新たに溶融した液体粒子があるか否かを判定する。
定義部14dは、各種の情報を定義する。定義部14dの一態様について説明する。例えば、定義部14dは、判定部14cにより、新たに固化した固体粒子があると判定された場合、又は、新たに溶融した液体粒子があると判定された場合に、次の処理を行う。すなわち、定義部14dは、固体番号が未定義の固体粒子のうち、未選択の固体粒子があるか否かを判定する。
未選択の固体粒子がある場合には、定義部14dは、固体番号が未定義の未選択の固体粒子を1つ選択する。続いて、定義部14dは、選択した固体粒子を中心とする半径hの球内に、固体に属する固体粒子があるか否かを判定する。なお、固体に属する固体粒子を判定する方法の一例としては、球内に存在する固体粒子の中に、固体粒子の固体番号に固体の識別番号が設定されているか否かを判定する方法がある。かかる方法では、識別番号が設定されている場合には、固体に属すると判定され、識別番号が設定されていない場合には、固体に属さないと判定される。また、半径hの値としては、任意の値を採用できるが、例えば、粒子法における粒子の影響半径を採用することができる。
図5〜図7は、実施例に係るシミュレーション装置が実行する処理の一例を説明するための図である。図5の例は、固体番号が未定義の固体粒子30が定義部14dにより選択された場合を示す。また、図5の例は、固体粒子30と、固体31に属する固体粒子31aのうち固体粒子30と最も近い位置に存在する固体粒子31aとの距離がrであることを示す。また、図5の例は、固体粒子30と、固体32に属する固体粒子32aのうち固体粒子30と最も近い位置に存在する固体粒子32aとの距離がrであることを示す。また、図5の例は、rとrが、共に、半径hよりも長い場合を示す。図5の例の場合では、定義部14dは、選択した固体粒子30を中心とする半径hの球内に、固体に属する固体粒子がないと判定する。
図6の例は、固体番号が未定義の固体粒子35が定義部14dにより選択された場合を示す。また、図6の例は、固体粒子35と、固体36に属する固体粒子36aのうち固体粒子35と最も近い位置に存在する固体粒子36aとの距離がrであることを示す。また、図6の例は、固体粒子35と、固体37に属する固体粒子37aのうち固体粒子35と最も近い位置に存在する固体粒子37aとの距離がrであることを示す。また、図6の例は、rが、半径h以下であり、rが、半径hよりも長い場合を示す。図6の例の場合では、定義部14dは、選択した固体粒子35を中心とする半径hの球内に、固体36に属する固体粒子36aがあると判定する。
図7の例は、固体番号が未定義の固体粒子40が定義部14dにより選択された場合を示す。また、図7の例は、固体粒子40と、固体41に属する固体粒子41aのうち固体粒子40と最も近い位置に存在する固体粒子41aとの距離がrであることを示す。また、図7の例は、固体粒子40と、固体42に属する固体粒子42aのうち固体粒子40と最も近い位置に存在する固体粒子42aとの距離がrであることを示す。また、図7の例は、r及びrが、共に、半径h以下である場合を示す。図7の例の場合では、定義部14dは、選択した固体粒子40を中心とする半径hの球内に、複数の固体41及び固体42のそれぞれに属する固体粒子41a及び固体粒子42aのそれぞれがあると判定する。
固体粒子がある場合には、定義部14dは、あると判定された固体粒子が、複数の固体のそれぞれに属するか否かを判定する。例えば、図6の例の場合では、定義部14dは、あると判定された固体粒子が、複数の固体のそれぞれに属さないと判定する。また、図7の例の場合では、定義部14dは、あると判定された固体粒子が、複数の固体のそれぞれに属すると判定する。
定義部14dは、あると判定された固体粒子が、複数の固体のそれぞれに属さない場合には、球内の固体粒子の固体番号の値を、選択した固体粒子の固体番号に設定する。例えば、図6の例の場合では、定義部14dは、球内の固体粒子の固体番号の値「36」を、選択した固体粒子35の固体番号に設定する。これにより、1つの固体に属する粒子が1つの固体に属するように定義される。
一方、定義部14dは、あると判定された固体粒子が、複数の固体のそれぞれに属する場合には、球内の複数の固体粒子のうち、選択した固体粒子に最も近い位置に存在する固体粒子の固体番号の値を、選択した固体粒子の固体番号に設定する。例えば、図7の例の場合では、定義部14dは、球内の複数の固体粒子41a、42aのうち、選択した固体粒子40に最も近い位置に存在する固体粒子41aの固体番号の値「41」を、選択した固体粒子40の固体番号に設定する。これにより、1つの固体に属する粒子が1つの固体に属するように定義される。
そして、定義部14dは、球内の複数の固体粒子のうち、選択した固体番号に設定された固体番号の値以外の値が固体番号に設定された固体粒子を特定する。例えば、図7の例の場合では、定義部14dは、球内の複数の固体粒子41a、42aのうち、選択した固体番号に設定された固体番号の値「41」以外の値「42」が固体番号に設定された固体粒子42aを特定する。
続いて、定義部14dは、特定した固体粒子が属する固体に属する全ての固体粒子の固体番号の値を、選択した固体粒子の固体番号に設定された値に更新する。例えば、図7の例の場合では、定義部14dは、特定した固体粒子42aが属する固体42に属する全ての固体粒子42a(3つの固体粒子42a)の固体番号の値を、選択した固体粒子40の固体番号に設定された値「41」に更新する。これにより、選択した固体粒子を介して複数の固体のそれぞれに属する固体粒子が1つの固体に属するように定義される。
また、選択した固体粒子を中心とする半径hの球内に、固体に属する固体粒子がない場合には、定義部14dは、選択した固体粒子の固体番号に、他の固体粒子の固体番号の値と重複しない値を設定する。例えば、図5の例の場合では、定義部14dは、選択した固体粒子30の固体番号に、他の固体粒子の固体番号の値と重複しない値「50」を設定する。
そして、定義部14dは、固体番号が未定義の固体粒子のうち未選択の固体粒子があるか否かを判定する上述した処理以降の処理を再び行う。これにより、定義部14dは、固体番号が未定義の全ての固体粒子の固体番号を設定することができる。そして、定義部14dは、固体番号が未定義の固体粒子のうち未選択の固体粒子がない場合には、タイムステップttsに対応付けて、全ての粒子の固体番号を記憶部13に格納する。
図8〜図10は、実施例に係るシミュレーション装置が実行する処理の一例を説明するための図である。図8に示すように、定義部14dは、上述した処理によって、半径h内に存在する粒子60を辿っていくことで、同一の個体に属する粒子60を認識することができる。図9は、ある粒子60の半径h内に存在する粒子を連結させたときの粒子間の接続関係を示すリンクドリストを示す。
図10の例は、タイムステップttsにおいて新たに溶融した液体粒子70がタイムステップ(tts−1)において固体粒子であったときに属していた固体に属する全ての固体粒子71の固体番号が、未定義の状態にされ、新たに固体番号が定義された場合を示す。図10の例では、固体粒子71のそれぞれの固体番号に対して、固体81の固体番号「81」または固体82の固体番号「82」が定義された場合を示す。ここで、図10の例では、固体81の粒子71と、固体82の粒子71との最短の距離がr(>h)であるため、粒子71は、1つの固体ではなく、2つの固体の何れかに属するように定義された場合を示す。
表示制御部14eは、各種の情報の表示を制御する。表示制御部14eの一態様について説明する。例えば、表示制御部14eは、タイムステップttsに対応付けて、全ての粒子の固体番号が定義部14dにより記憶部13に格納された場合に、タイムステップttsの値が、シミュレーションの最後のタイムステップN以下であるか否かを判定する。タイムステップttsの値が、シミュレーションの最後のタイムステップN以下でない場合には、表示制御部14eは、次の処理を行う。すなわち、表示制御部14eは、記憶部13に格納されたタイムステップごとの全ての粒子の位置、速度、密度、内部エネルギー、状態、固体番号を全てのタイムステップについて取得する。そして、表示制御部14eは、シミュレーション結果(全てのタイムステップにおける全ての粒子の位置、速度、密度、内部エネルギー、状態、固体番号)を表示するように表示部12の表示を制御する。
制御部14は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)などのハードワイヤードロジックである。または、制御部14は、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)などにプログラムを実行させることにより実現される。
[処理の流れ]
次に、本実施例に係るシミュレーション装置10の処理の流れを説明する。図11は、実施例に係るシミュレーション処理の手順を示すフローチャートである。このシミュレーション処理の実行タイミングとしては様々なタイミングが考えられる。例えば、シミュレーション処理は、シミュレーション処理を実行するシミュレーション実行指示が入力部11から入力された場合に、制御部14により実行される。
図11に示すように、計算部14aは、タイムステップttsの値を0に設定する(S101)。そして、計算部14aは、入力部11から各粒子の初期値が入力されたか否かを判定する(S102)。初期値が入力されていない場合(S102;No)には、計算部14aは、再び、S102での判定を行う。一方、初期値が入力された場合(S102;Yes)には、計算部14aは、タイムステップttsの値を1だけインクリメントする(S103)。
続いて、計算部14aは、タイムステップ(tts−1)の場合における全ての液体粒子に対して、上記の式(1)〜式(4)を用いて、タイムステップttsでの位置、速度、密度、内部エネルギーを計算する(S104)。続いて、更新部14bは、タイムステップ(tts−1)の場合における全ての液体粒子の位置、速度、密度、内部エネルギーのそれぞれを、計算したタイムステップttsでの位置、速度、密度、内部エネルギーのそれぞれに更新する(S105)。
そして、計算部14aは、タイムステップ(tts−1)の場合における固体粒子が属する全ての固体に対して、剛体の運動方程式を用いた時間発展の計算を行うことにより、次の処理を行う。すなわち、計算部14aは、タイムステップ(tts−1)の場合における全ての固体粒子のタイムステップttsでの位置、速度、密度、内部エネルギーを計算する(S106)。
続いて、更新部14bは、タイムステップ(tts−1)の場合における全ての固体粒子の位置、速度、密度、内部エネルギーのそれぞれを、計算したタイムステップttsでの位置、速度、密度、内部エネルギーのそれぞれに更新する(S107)。
そして、更新部14bは、全ての粒子に対して、計算した内部エネルギーに基づいて、状態を更新する(S108)。続いて、更新部14bは、全ての粒子の更新結果(位置、速度、密度、内部エネルギー、状態)をタイムステップttsと対応付けて記憶部13の所定領域に格納する(S109)。
判定部14cは、タイムステップttsにおける全ての粒子の更新前後の状態に基づいて、新たに固化した固体粒子があるか否かを判定する(S110)。新たに固化した固体粒子がない場合(S110;No)には、後述するS113へ進む。
一方、新たに固化した固体粒子がある場合(S110;Yes)には、判定部14cは、新たに固化した固体粒子を特定する(S111)。そして、判定部14cは、特定した固体粒子の固体番号を未定義の状態にする(S112)。
そして、判定部14cは、タイムステップttsにおける全ての粒子の更新前後の状態に基づいて、新たに溶融した液体粒子があるか否かを判定する(S113)。新たに溶融した液体粒子がない場合(S113;No)には、後述するS116へ進む。一方、新たに溶融した液体粒子がある場合(S113;Yes)には、判定部14cは、新たに溶融した液体粒子を特定する(S114)。そして、判定部14cは、特定した液体粒子がタイムステップ(tts−1)において固体粒子であったときに属していた固体に属する全ての固体粒子の固体番号を未定義の状態にする(S115)。
そして、判定部14cは、タイムステップttsにおける全ての粒子の更新前後の状態に基づいて、再度、新たに固化した固体粒子があるか否かを判定するとともに、新たに溶融した液体粒子があるか否かを判定する(S116)。
新たに固化した固体粒子がなく、かつ、新たに溶融した液体粒子がない場合(S116;No)には、S119に進む。一方、新たに固化した固体粒子がある場合、又は、新たに溶融した液体粒子がある場合(S116;Yes)に、次の処理を行う。すなわち、定義部14dは、固体番号定義処理を実行する(S117)。そして、定義部14dは、タイムステップttsに対応付けて、全ての粒子の固体番号を記憶部13に格納する(S118)。
そして、表示制御部14eは、タイムステップttsの値が、シミュレーションの最後のタイムステップN以下であるか否かを判定する(S119)。タイムステップttsの値が、シミュレーションの最後のタイムステップN以下である場合(S119;Yes)には、S103に戻る。一方、タイムステップttsの値が、シミュレーションの最後のタイムステップN以下でない場合(S119;No)には、表示制御部14eは、次の処理を行う。すなわち、表示制御部14eは、記憶部13に格納されたタイムステップごとの全ての粒子の位置、速度、密度、内部エネルギー、状態、固体番号を全てのタイムステップについて取得する。そして、表示制御部14eは、シミュレーション結果(全てのタイムステップにおける全ての粒子の位置、速度、密度、内部エネルギー、状態、固体番号)を表示するように表示部12の表示を制御し(S120)、処理を終了する。
図12は、実施例に係る固体番号定義処理の手順を示すフローチャートである。図12に示すように、定義部14dは、固体番号が未定義の固体粒子のうち、未選択の固体粒子があるか否かを判定する(S201)。
未選択の固体粒子がある場合(S201;Yes)には、定義部14dは、固体番号が未定義の未選択の固体粒子を1つ選択する(S202)。続いて、定義部14dは、選択した固体粒子を中心とする半径hの球内に、固体に属する固体粒子があるか否かを判定する(S203)。
固体粒子がある場合(S203;Yes)には、定義部14dは、あると判定された固体粒子が、複数の固体のそれぞれに属するか否かを判定する(S204)。
あると判定された固体粒子が、複数の固体のそれぞれに属さない場合(S204;No)には、定義部14dは、球内の固体粒子の固体番号の値を、選択した固体粒子の固体番号に設定し(S205)、S201に戻る。
一方、あると判定された固体粒子が、複数の固体のそれぞれに属する場合(S204;Yes)には、定義部14dは、次の処理を行う。すなわち、定義部14dは、球内の複数の固体粒子のうち、選択した固体粒子に最も近い位置に存在する固体粒子の固体番号の値を、選択した固体粒子の固体番号に設定する(S206)。
そして、定義部14dは、球内の複数の固体粒子のうち、選択した固体番号に設定された固体番号の値以外の値が固体番号に設定された固体粒子を特定する(S207)。続いて、定義部14dは、特定した固体粒子が属する固体に属する全ての固体粒子の固体番号の値を、選択した固体粒子の固体番号に設定された値に更新し(S208)、S201に戻る。
また、選択した固体粒子を中心とする半径hの球内に、固体に属する固体粒子がない場合(S203;No)には、定義部14dは、選択した固体粒子の固体番号に、他の固体粒子の固体番号の値と重複しない値を設定し(S209)、S201に戻る。
固体番号が未定義の固体粒子のうち未選択の固体粒子がない場合(S201;No)には、定義部14dは、処理結果を内部メモリに格納し、リターンする。
上述してきたように、本実施例に係るシミュレーション装置10は、液体及び固体の状態となる金属を複数の粒子として表した場合の複数の粒子のそれぞれのうち、タイムステップ(tts−1)における液体の粒子について、次の処理を行う。すなわち、シミュレーション装置10は、タイムステップ(tts−1)よりも後のタイムステップttsにおける状態を計算する。そして、シミュレーション装置10は、計算した状態に基づいて、タイムステップ(tts−1)における液体の粒子が、タイムステップttsに固体の粒子となったか否かを判定する。続いて、シミュレーション装置10は、タイムステップ(tts−1)における液体の粒子がタイムステップttsに固体の粒子となったと判定した場合には、次の処理を行う。すなわち、シミュレーション装置10は、かかる固体の粒子と、かかる固体の粒子から球内に存在する他の固体の粒子が属する固体に属する全ての粒子とを同一の固体に属する粒子と定義する。その後、シミュレーション装置10は、同一の固体に対して剛体の運動方程式を用いて同一の固体に属する粒子のそれぞれの状態を計算する。それゆえ、本実施例に係るシミュレーション装置10によれば、新たに液体から固体となった粒子を中心とする半径hの球内に存在する他の固体の粒子が属する固体に属する全ての粒子とを同一の固体に属する粒子と定義して、次の処理を行う。すなわち、本実施例に係るシミュレーション装置10によれば、同一の固体に対して剛体の運動方程式を用いて同一の固体に属する粒子のそれぞれの状態を計算する。よって、本実施例に係るシミュレーション装置10によれば、粒子を中心とする半径hの球内に存在するような、同一の個体に属する粒子を同一の個体として定義して、粒子のそれぞれの状態を計算する。したがって、本実施例に係るシミュレーション装置10によれば、液体の部分については液体の運動を解くための方程式を用い、固体の部分については剛体の運動方程式を用いて解く手法を用いる場合においても、精度良く計算を行うことができる。
また、本実施例に係るシミュレーション装置10によれば、固体の粒子については、剛体の運動方程式を用いて時間発展を計算するため、固体の粒子の粘性係数を増大させて時間発展を計算する場合よりも、粘性係数の増大を抑制することができる。そのため、本実施例に係るシミュレーション装置10によれば、計算上の時間刻みを小さくせずにすむ。それゆえ、本実施例に係るシミュレーション装置10によれば、計算が終了する時刻までの計算回数が多大となることを抑制することができる。したがって本実施例に係るシミュレーション装置10によれば、計算時間が多大となることを抑制することができる。
また、シミュレーション装置10によれば、新たに固化された固体の粒子から所定範囲内に存在する他の固体の粒子が属する固体が複数である場合には、新たに固化された固体の粒子と、複数の固体に属する全ての粒子とを同一の固体に属する粒子と定義する。したがって、新たに固化された固体粒子を介して複数の固体のそれぞれに属する全ての固体粒子が1つの固体に属するように定義することができる。
また、シミュレーション装置10は、複数の粒子のそれぞれのうち、タイムステップ(tts−1)における固体の粒子について、タイムステップ(tts−1)よりも後のタイムステップttsにおける状態を計算する。そして、シミュレーション装置10は、タイムステップttsにおける状態に基づいて、タイムステップ(tts−1)における固体の粒子が、タイムステップttsに液体の粒子となったか否かを判定する。続いて、シミュレーション装置10は、タイムステップ(tts−1)における固体の粒子がタイムステップttsに液体の粒子となったと判定した場合には、次の処理を行う。すなわち、シミュレーション装置10は、タイムステップ(tts−1)における固体の粒子が属した固体に属する全ての粒子のそれぞれについて、粒子と、粒子を中心とする半径hの球内に存在する他の粒子とを同一の固体に属する粒子と定義する。そして、シミュレーション装置10は、同一の固体に対して剛体の運動方程式を用いて同一の固体に属する粒子のそれぞれの状態を計算する。よって、本実施例に係るシミュレーション装置10によれば、新たに溶融した粒子が属した固体に属する粒子を中心とする半径hの球内に存在するような、同一の個体に属する粒子を同一の個体として定義して、粒子のそれぞれの状態を計算することができる。したがって、本実施例に係るシミュレーション装置10によれば、新たに粒子が溶融した場合には、新たに溶融した粒子が属した固体に属する固体の粒子について、属する固体の定義が行われる。そのため、本実施例に係るシミュレーション装置10によれば、新たに溶融した粒子が属した固体に属した固体の粒子が属する固体の定義の精度が良好なものとなる。それゆえ、本実施例に係るシミュレーション装置10によれば、精度良く粒子のそれぞれの状態を計算することができる。
さて、これまで開示の装置に関する実施例について説明したが、本発明は上述した実施例以外にも、種々の異なる形態にて実施されてよい。例えば、実施例などにおいて説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともできる。
また、各種の負荷や使用状況などに応じて、実施例などにおいて説明した各処理の各ステップでの処理を任意に細かくわけたり、あるいはまとめたりすることができる。また、ステップを省略することもできる。
また、各種の負荷や使用状況などに応じて、実施例などにおいて説明した各処理の各ステップでの処理の順番を変更できる。
また、図示した装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、装置の分散・統合の具体的状態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
[シミュレーションプログラム]
また、上記のシミュレーション装置10のシミュレーション処理は、あらかじめ用意されたプログラムをパーソナルコンピュータやワークステーションなどのコンピュータシステムで実行することによって実現することもできる。そこで、以下では、図13を用いて、上記のシミュレーション装置10と同様の機能を有するシミュレーションプログラムを実行するコンピュータの一例を説明する。
図13は、シミュレーションプログラムを実行するコンピュータを示す図である。図13に示すように、コンピュータ300は、CPU(Central Processing Unit)310、ROM(Read Only Memory)320、HDD(Hard Disk Drive)330、RAM(Random Access Memory)340を有する。これら300〜340の各部は、バス350を介して接続される。
HDD330には、上記の実施例で示す計算部14a、更新部14b、判定部14c、定義部14d、表示制御部14eと同様の機能を発揮するシミュレーションプログラム330aが予め記憶される。なお、シミュレーションプログラム330aについては、適宜分離しても良い。
そして、CPU310が、シミュレーションプログラム330aをHDD330から読み出して実行する。
そして、HDD330には、図2の例に示す記憶部13に記憶された金属モデルデータが設けられる。
そして、CPU310は、HDD330からデータを読み出してRAM340に格納する。さらに、CPU310は、RAM340に格納された各種のデータを用いて、シミュレーションプログラム330aを実行する。なお、RAM340に格納される各データは、常に全てのデータがRAM340に格納されなくともよく、全てのデータのうち処理に用いられるデータのみがRAM340に格納されれば良い。
なお、上記したシミュレーションプログラム330aについては、必ずしも最初からHDD330に記憶させなくともよい。
例えば、コンピュータ300に挿入されるフレキシブルディスク(FD)、CD−ROM、DVDディスク、光磁気ディスク、ICカードなどの「可搬用の物理媒体」にプログラムを記憶させておく。そして、コンピュータ300がこれらからプログラムを読み出して実行するようにしてもよい。
さらには、公衆回線、インターネット、LAN、WANなどを介してコンピュータ300に接続される「他のコンピュータ(またはサーバ)」などにプログラムを記憶させておく。そして、コンピュータ300がこれらからプログラムを読み出して実行するようにしてもよい。
10 シミュレーション装置
13 記憶部
13a 金属モデルデータ
14 制御部
14a 計算部
14b 更新部
14c 判定部
14d 定義部
14e 表示制御部

Claims (5)

  1. コンピュータに、
    液体及び固体を含む連続体を複数の粒子で表した場合における前記複数の粒子のそれぞれのうち、第1の時間における液体の粒子について、第1の時間よりも後の第2の時間における状態を計算させ、
    前記第2の時間における状態に基づいて、前記第1の時間における液体の粒子が、前記第2の時間に第1の固体の粒子となったか否かを判定させ、
    前記第1の時間における液体の粒子が、前記第2の時間に前記第1の固体の粒子となったと判定された場合、予め各粒子について設定される、各粒子の位置、物理量、状態および固体番号に基づき、前記第1の固体の粒子と、前記第1の固体の粒子から所定範囲内に存在する第2の固体の粒子を含む固体に属する全ての粒子とに同一の固体番号を設定させ、
    剛体の運動方程式を用いて、前記同一の固体番号を設定された粒子のそれぞれの状態を計算させることを特徴とするシミュレーションプログラム。
  2. 前記コンピュータに、
    前記第1の固体の粒子と、前記第2の固体の粒子を含む固体に属する全ての粒子とを同一の固体に属する粒子と定義させる場合、前記第1の固体の粒子から所定範囲内に存在する第2の固体の粒子が属する固体が複数存在する場合、前記第1の固体の粒子と、前記第2の固体の粒子が属する複数の固体に属する全ての粒子とを同一の固体に属する粒子と定義させることを特徴とする請求項1記載のシミュレーションプログラム。
  3. 前記シミュレーションプログラムはさらに、
    前記コンピュータに、
    前記複数の粒子のそれぞれのうち、第3の時間における固体の粒子について、第3の時間よりも後の第4の時間における状態を計算させ、
    前記第4の時間における状態に基づいて、前記第3の時間における固体の粒子が、前記第4の時間に第1の液体の粒子となったかを判定させ、
    前記第3の時間における固体の粒子が、前記第4の時間に前記第1の液体の粒子となったと判定された場合、前記第3の時間において固体の粒子を含む固体に属する全ての粒子のそれぞれについて、前記第3の時間において固体の粒子を含む固体に属する全ての粒子と、前記第3の時間において固体の粒子を含む固体に属する全ての粒子のそれぞれの所定範囲内に存在する他の粒子とを同一の固体に属する粒子と定義させ、
    剛体の運動方程式を用いて、前記同一の固体に属する粒子のそれぞれの状態を計算させることを特徴とする請求項1または2記載のシミュレーションプログラム。
  4. コンピュータが、
    液体及び固体を含む連続体を複数の粒子で表した場合における前記複数の粒子のそれぞれのうち、第1の時間における液体の粒子について、第1の時間よりも後の第2の時間における状態を計算し、
    前記第2の時間における状態に基づいて、前記第1の時間における液体の粒子が、前記第2の時間に第1の固体の粒子となったか否かを判定し、
    前記第1の時間における液体の粒子が、前記第2の時間に前記第1の固体の粒子となったと判定された場合、予め各粒子について設定される、各粒子の位置、物理量、状態および固体番号に基づき、前記第1の固体の粒子と、前記第1の固体の粒子から所定範囲内に存在する第2の固体の粒子を含む固体に属する全ての粒子とに同一の固体番号を設定し、
    剛体の運動方程式を用いて、前記同一の固体番号を設定された粒子のそれぞれの状態を計算することを特徴とするシミュレーション方法。
  5. 液体及び固体を含む連続体を複数の粒子で表した場合における前記複数の粒子のそれぞれのうち、第1の時間における液体の粒子について、第1の時間よりも後の第2の時間における状態を計算するとともに、剛体の運動方程式を用いて、同一の固体番号を設定された粒子のそれぞれの状態を計算する計算部と、
    前記第2の時間における状態に基づいて、前記第1の時間における液体の粒子が、前記第2の時間に第1の固体の粒子となったかを判定する判定部と、
    前記第1の時間における液体の粒子が、前記第2の時間に前記第1の固体の粒子となったと判定された場合、予め各粒子について設定される、各粒子の位置、物理量、状態および固体番号に基づき、前記第1の固体の粒子と、前記第1の固体の粒子から所定範囲内に存在する第2の固体の粒子を含む固体に属する全ての粒子とに同一の固体番号を設定する定義部と
    を有することを特徴とするシミュレーション装置。
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